JP2000302098A - 自動方位設定方法とその装置 - Google Patents

自動方位設定方法とその装置

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JP2000302098A
JP2000302098A JP11240999A JP11240999A JP2000302098A JP 2000302098 A JP2000302098 A JP 2000302098A JP 11240999 A JP11240999 A JP 11240999A JP 11240999 A JP11240999 A JP 11240999A JP 2000302098 A JP2000302098 A JP 2000302098A
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昌夫 野本
Masanori Hamamatsu
正典 浜松
Yukinobu Kono
行伸 河野
Masaaki Uenishi
雅彰 上西
Yasuo Saito
泰夫 斎藤
Motohide Asao
元秀 浅尾
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Japan Atomic Energy Agency
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 風向風速計や潮流計などのセンサを必要とし
ており、装置として複雑化していた。目標位置の指令に
加え、方位角も操船者が指令する必要があり、操船者の
負担が大きかった。 【解決手段】 実際の船の位置と目標位置との偏差およ
び方位角偏差から得られた前後制御力指令、横制御力指
令および旋回力指令に基づき推力配分を行って船の制御
を行う方法であって、横制御力指令値を積分器によって
積分したものを方位角指令値として求め、横制御力がゼ
ロになるように方位角を自動設定するようする。つま
り、外乱を受ける方向に横制御力を働かせる制御により
横制御力の最小となる全ての外乱の合力方向に船首を向
けて船を定点保持ないし自動航行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願に係る発明は、自動
航行船や定点保持が要求される深海底調査や海底掘削を
行う特殊船、通常の船舶並びに潜水艇などにおける自動
方位設定方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動定点保持システム(DPS)
や自動航行システムの場合、方位角については、風向や
波向き、船の流される方向等から総合的に判断して、操
船者自らが設定していたので操船者の負担が大きかっ
た。
【0003】そこで、特開昭59−184099号公報
に記載の舶用オートパイロット装置では、風向センサや
風速センサからの信号を用いて船首を風上に向けて航行
するよう自動制御する技術が提案されている。
【0004】また、特開平08−58696号公報に記
載の2軸船における自動船位保持方式では、風向風速計
と潮流計を用いて合成外力の大きさや方向を推定して合
成外力が作用する方向に船体を回頭すべく回頭角を制御
する技術が提案されている。
【0005】上記従来例を含め一般に、定点保持を行う
船舶では、プロペラやラダー等のアクチュエータを組み
合わせて図2に示すような前後制御力(船を前後方向に
動かす力)、横制御力(船を横方向に動かす力)および
旋回制御力(船を重心回りに旋回させる力)を発生さ
せ、通常は図3のような制御を行っている。つまり、操
船者が地球固定座標XY軸の絶対(目標)位置の指令0
1,02および方位角の指令03を与え、GPSからフ
ィードバックされてきた実際の位置およびジャイロ方位
角との偏差04、05,06をコントローラ07に入力
して前後制御力08、横制御力09および旋回制御力0
10を演算し、その各指令値を推力配分装置012に入
力してプロペラ、ラダーなどの各アクチュエータへ指令
を送って作動させることにより定点制御する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来例で
は、風向風速計や潮流計などのセンサを必要としてお
り、装置として複雑化することは避けられない。目標位
置の指令に加え、方位角も操船者が指令する必要があ
り、その分操船者の負担が大きくなるとともに面倒であ
る。
【0007】また、風外乱または風と潮流外乱のみを考
慮しているが、実際には船体に作用する外力には、波漂
流力や曳航体がある場合は曳航力などあり、これら全て
の合力に対して考慮しなければ制御としては不充分で、
制御の信頼性に欠け、実際にも推力を軽減化することは
期待できない。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本願発明方法は、実際の船の位置と目標位置との
偏差および方位角偏差から得られた前後制御力指令、横
制御力指令および旋回力指令に基づき推力配分を行って
船の制御を行う方法であって、横制御力指令に基いて方
位角指令値決定手段により方位角指令値を求め、横制御
力がゼロになるように方位角を自動設定するようにした
自動方位設定方法である。
【0009】これにより外乱を受ける方向に横制御力を
働かせる制御によ横制御力の最小となる船を全ての外乱
の合力方向に船首を向けて定点保持ないし自動航行でき
るようになる。
【0010】また、実際の船の位置と目標位置との偏差
および方位角偏差から得られた前後制御力指令、横制御
力指令および旋回力指令に基づき推力配分を行って船の
制御を行う方法であって、横制御力指令値を積分したも
のを方位角指令値として求め、横制御力がゼロになるよ
うに方位角を自動設定するようにした自動方位設定方法
である。つまり、この場合も外乱を受ける方向に横制御
力を働かせる制御により横制御力の最小となる全ての外
乱の合力方向に船首を向けて船を定点保持ないし自動航
行できるようになる。
【0011】また、本願発明装置は、前後制御力指令、
横制御力指令および旋回力指令に基いて推力配分を行っ
て船の制御を行う装置であって、実際の船の位置と目標
位置との位置偏差を求める比較部と、横制御力指令に基
いて方位角指令値決定手段により方位角指令値を求め、
この方位角指令値と実際の方位角との方位角偏差を求め
る比較部と、前記位置偏差および方位角偏差に基いて前
後制御力、横制御力および旋回制御力を演算するコント
ローラと、このコントローラからの前後制御力、横制御
力および旋回制御力の各指令値から各アクチュエータに
対する推力配分を算出する推力配分装置とを備えた自動
方位設定装置である。この場合において、方位角指令値
決定手段を積分機能を有する補償器として構成する。ま
た、この積分機能を有する補償器として積分器又はPI
D制御器が採択される。かかる装置の場合も外乱を受け
る方向に横制御力を働かせる制御により横制御力の最小
となる全ての外乱の合力方向に船首を向けて船を定点保
持ないし自動航行できるようになる。
【0012】上記のような自動方位設定方法ないし装置
によれば、横制御力をゼロになるように方位角を制御す
るので、風向風速計や潮流計などの外乱のセンサは一切
不要になる。また、方位角指令値が自動設定されるの
で、操船者の負担が軽減化され、操船が簡易になる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施形態を図面
を参照しながら説明する。本願明細書においては、
「船」とは広義に用い、通常の船舶に限らず、定点保持
が要求される深海底調査や海底掘削を行う特殊船、潜水
艇などを意味する。以下は、定点保持を行う船について
説明するが、通常の自動航行船にも適用できる。
【0014】図1は、本願が採用する好ましいアクチュ
エータ(スラスタ、プロペラ、ラダー等)の構成例であ
る。(a)は2軸2舵船の例で、船首にバウスラスタ1、
船尾の左右に可変ピッチプロペラ2とこの後方にラダー
3を備えたものである。(b)は1軸船の例で、船首にバ
ウスラスタ1、船尾にスターンスラスタ4、この後方に
可変ピッチプロペラ2とラダー3を備えたものである。
【0015】前述した通り、定点保持を行う船では、こ
れらのアクチュエータを組み合わせて図2に示すような
前後制御力(船を前後方向に動かす力)、横制御力(船
を横方向に動かす力)および旋回制御力(船を重心回り
に旋回させる力)を発生させて通常は前述した通り図3
のような制御を行っている。
【0016】上記のような制御装置構成では定点保持を
行っている時に風などの外乱がある場合、例えば図4の
ように外乱5が右舷前方から来ているときには、コント
ローラが発する各制御力は図4に示す方向に働く。すな
わち、前後制御力6は制御対象となる船の前方向に、横
制御力7は船の右横方向に、旋回制御力8は右に旋回す
る方向に働く。このときの横制御力7の発生方向、つま
り外乱5が右舷方向に働き、外乱が左舷から来ていると
きには横制御力7も左舷方向に働く性質を利用して、横
制御力7の発生方向によって回頭角(船首を左右に振る
角度)を変える制御を行う。すなわち、右舷方向に横制
御力7が働いている場合には右方向に回頭し、左舷方向
に横制御力7が働いている場合には左方向に回頭する制
御を行う。
【0017】これは、後述するように(図6参照)コン
トローラ12から出力した横制御力を積分したものを方
位角指令値とし、実際の方位角との偏差をコントローラ
12に与えるという本願の基本的な技術的思想と結びつ
いているものであり、方位角指令値決定手段13の性格
に関連している。
【0018】これによって、例えば図5のように右斜め
前からの外乱の場合は船首が右方向に向き、外乱の合力
方向と船首が向かい合った方位、つまり横制御力がゼロ
になった方向を向いて旋回が止まるように制御され、こ
のとき旋回制御力も小さくなる。
【0019】このように本願では、風向風速計や潮流計
などの外乱に対する測定センサを用いることなく、横制
御力がゼロになるように船の方位角を制御することによ
って船首を外乱の合力方向に向け、この状態に定点保持
ないし自動航行制御を行う技術思想である。
【0020】図6は、上記技術的思想を具現化すべき制
御ブロック図である。
【0021】操船者によって図7に示す地球固定座標で
ある、XY座標における船の絶対(目標)位置(X,
Y)が与えられるが、各比較部9,10でX軸およびY
軸絶対位置指令値とGPSからの実際のX軸およびY軸
絶対位置とを比較し、その偏差をコントローラに入力す
る。
【0022】方位角指令値についてはコントローラ12
から出力した横制御力指令値を使用する。すなわち、横
制御力指令値を方位角指令値決定手段13に入力して、
ここで積分等の処理をし、これより出力した値を方位角
指令値とし、これとジャイロからフィードバックされて
きた実際の方位角とを比較部11で比較してその偏差を
コントローラ12に入力する。
【0023】上記方位角指令値決定手段13としては、
例えば積分器である。すなわち、コントローラ12から
出力された横制御力指令値を積分器に入力し、ここで積
分したものを方位角指令値として出力するものである。
方位角指令値決定手段13の例として積分器が採用され
るのは、外乱が船体に働く方向に横制御力も働く性質を
利用して、横制御力の発生方向によって回頭角を変える
制御を行うようにしたからである。積分器を他の積分機
能を有する補償器、例えばPID制御器等に置き換えて
もよい。
【0024】コントローラ12では、上記絶対位置と方
位角の各偏差をもとに前後制御力、横制御力および旋回
制御力を算定する。そして、その各指令値を推力配分装
置14へ出力する。
【0025】推力配分装置14ではスラスタ、プロペ
ラ、ラダーなどの各アクチュエータに対する推力配分
(具体的には、図1のアクチュエータ構成例では、バウ
スラスタのプロペラピッチ角、左右舷の可変ピッチプロ
ペラのピッチ角と回転数、ラダー舵角等)を演算してそ
の各指令値を該当のアクチュエータを送って所定の動作
をさせて制御する。例えば図5のように右斜め前からの
外乱の場合は船首が右方向に向き、外乱の合力方向と船
首が向かい合った方位、つまり横制御力がゼロになった
方向を向いて旋回が止まるように制御する。横制御力が
ゼロになるように方位角を変化させて船位を決定せんと
する思想であるから風向風速計や潮流計などの外乱セン
サは不要である。
【0026】図8〜図11は上記した本願の技術思想か
ら上記図1(a)の2軸2舵のアクチュエータ構成例にお
けるシミュレーション結果例を示す。
【0027】図8は、船の航跡を示す。XY座標におい
て(0,0)の位置に船が2ktの潮流を真向かいに受
け、15m/sの風を真横から受けた場合のシミュレー
ションである。このとき外乱合力方向は右斜め前から船
に向く。船は最初のスタート位置からやや上あがりに右
に回頭し、さらに、下にさがりながら右回頭してエンド
の位置、つまり外力の合力方向に船首を向けて止まる。
【0028】図9はその時のX,Yおよび方位角の変化
を示すグラフである。X,Yと方位角が静定したときが
船が合力の方向に向いた時を示す。
【0029】図10は推力配分する前の前後制御力、横
制御力および旋回制御力の値の変化の様子である。横制
御力がゼロになった時点が合力方向に向いた時である。
風外乱が船体に作用する風圧中心は、船の重心とずれて
いるので、横制御力がゼロになった後もこいれを補償す
るために多少の旋回制御力は必要である。
【0030】図11は、図1(a)の2軸2舵船におい
て、推力配分した時の各アクチュエータ操作の変化の様
子である。
【0031】上記シミュレーション結果から明らかなよ
うに、方位角を変化させることで横制御力を小さくでき
る。
【0032】
【発明の効果】 風向風速センサ、潮流センサが不要
となり、装置全体が簡素化できる。 船体に作用する外力(風、波漂流力、潮流、曳航力
など)の全ての外乱に対してその合力方向に船首を向け
ることができる。その結果、外乱方向に船首を向けると
外力の影響がもっとも小さくなり、スラスタ推力を小さ
くすることができる、という効果を確実に期待できる。 横制御力がゼロになるように方位角指令値が自動設
定されるので、操船者の負担が軽減化され、操船が簡易
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願が採用する好ましいアクチュエータの構成
例を示す図で、(a)は2軸2舵船の例、(b)は1軸船の例
である。
【図2】アクチュエータを組み合わせてによって発生す
る前後制御力、横制御力および旋回制御力の作用図であ
る。
【図3】一般的な制御ブロック図である。
【図4】外乱が右前方から作用する場合の各制御力の働
く方向図である。
【図5】外乱の合力方向に船首が向いた状態を示した図
である。
【図6】本願の制御ブロック図である。
【図7】地球固定座標であるXY座標における船位図で
ある。
【図8】本願のシミュレーション結果例における航跡図
である。
【図9】同船体重心運動の図である。
【図10】同制御装置操作量の図である。
【図11】同アクチュエータ操作図である。
【符号の説明】
1…バウスラスタ 2…可変ピッチプロペラ 3…ラダー 4…スターンスラスタ 5…外乱 6…前後制御力 7…横制御力 8…旋回制御力 9〜11…比較部 12…コントローラ 13…方位角指令値決定手段 14…推力配分装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月24日(1999.12.
24)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 自動方位設定方法とその装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願に係る発明は、自動
航行船や定点保持が要求される深海底調査や海底掘削を
行う特殊船、通常の船舶並びに潜水艇などにおける自動
方位設定方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動定点保持システム(DPS)
や自動航行システムの場合、方位角については、風向や
波向き、船の流される方向等から総合的に判断して、操
船者自らが設定していたので操船者の負担が大きかっ
た。
【0003】そこで、特開昭59−184099号公報
に記載の舶用オートパイロット装置では、風向センサや
風速センサからの信号を用いて船首を風上に向けて航行
するよう自動制御する技術が提案されている。
【0004】また、特開平08−58696号公報に記
載の2軸船における自動船位保持方式では、風向風速計
と潮流計を用いて合成外力の大きさや方向を推定して合
成外力が作用する方向に船体を回頭すべく回頭角を制御
する技術が提案されている。
【0005】上記従来例を含め一般に、定点保持を行う
船舶では、プロペラやラダー等のアクチュエータを組み
合わせて図2に示すような前後制御力(船を前後方向に
動かす力)、横制御力(船を横方向に動かす力)および
旋回制御力(船を重心回りに旋回させる力)を発生さ
せ、通常は図3のような制御を行っている。つまり、操
船者が地球固定座標XY軸の絶対(目標)位置の指令0
1,02および方位角の指令03を与え、GPSからフ
ィードバックされてきた実際の位置およびジャイロ方位
角との偏差04、05,06をコントローラ07に入力
して前後制御力08、横制御力09および旋回制御力0
10を演算し、その各指令値を推力配分装置012に入
力してプロペラ、ラダーなどの各アクチュエータへ指令
を送って作動させることにより定点制御する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来例で
は、風向風速計や潮流計などのセンサを必要としてお
り、装置として複雑化することは避けられない。目標位
置の指令に加え、方位角も操船者が指令する必要があ
り、その分操船者の負担が大きくなるとともに面倒であ
る。
【0007】また、風外乱または風と潮流外乱のみを考
慮しているが、実際には船体に作用する外力には、波漂
流力や曳航体がある場合は曳航力などあり、これら全て
の合力に対して考慮しなければ制御としては不充分で、
制御の信頼性に欠け、実際にも推力を軽減化することは
期待できない。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本願発明方法は、実際の船の位置と目標位置との
偏差および方位角偏差から得られた前後制御力指令、横
制御力指令および旋回力指令に基づき推力配分を行って
船の制御を行う方法であって、外乱を受ける方向に横制
御力を働かせるべき横制御力指令に基いて方位角指令値
決定手段により横制御力がゼロになるように方位角指令
値を求めることで、方位角を自動設定するようにした自
動方位設定方法である。
【0009】これにより外乱を受ける方向に横制御力を
働かせる制御により横制御力の最小となる船を全ての外
乱の合力方向に船首を向けて定点保持ないし自動航行で
きるようになる。
【0010】また、実際の船の位置と目標位置との偏差
および方位角偏差から得られた前後制御力指令、横制御
力指令および旋回力指令に基づき推力配分を行って船の
制御を行う方法であって、外乱を受ける方向に横制御力
を働かせるべき設定された横制御力指令値を積分したも
のを横制御力がゼロになるように方位角指令値として求
ることで、方位角を自動設定するようにした自動方位
設定方法である。つまり、この場合も外乱を受ける方向
に横制御力を働かせる制御により横制御力の最小となる
全ての外乱の合力方向に船首を向けて船を定点保持ない
し自動航行できるようになる。
【0011】また、本願発明装置は、前後制御力指令、
横制御力指令および旋回力指令に基いて推力配分を行っ
て船の制御を行う装置であって、実際の船の位置と目標
位置との位置偏差を求める比較部と、外乱を受ける方向
に横制御力を働かせるべき横制御力指令に基いて方位角
指令値決定手段により横制御力がゼロになるように方位
角指令値を求め、この方位角指令値と実際の方位角との
方位角偏差を求める比較部と、前記位置偏差および方位
角偏差に基いて前後制御力、横制御力および旋回制御力
を演算するコントローラと、このコントローラからの前
後制御力、横制御力および旋回制御力の各指令値から各
アクチュエータに対する推力配分を算出する推力配分装
置とを備えた自動方位設定装置である。この場合におい
て、方位角指令値決定手段を積分機能を有する補償器と
して構成する。また、この積分機能を有する補償器とし
て積分器又はPID制御器が採択される。かかる装置の
場合も外乱を受ける方向に横制御力を働かせる制御によ
り横制御力の最小となる全ての外乱の合力方向に船首を
向けて船を定点保持ないし自動航行できるようになる。
【0012】上記のような自動方位設定方法ないし装置
によれば、横制御力をゼロになるように方位角を制御す
るので、風向風速計や潮流計などの外乱のセンサは一切
不要になる。また、方位角指令値が自動設定されるの
で、操船者の負担が軽減化され、操船が簡易になる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施形態を図面
を参照しながら説明する。本願明細書においては、
「船」とは広義に用い、通常の船舶に限らず、定点保持
が要求される深海底調査や海底掘削を行う特殊船、潜水
艇などを意味する。以下は、定点保持を行う船について
説明するが、通常の自動航行船にも適用できる。
【0014】図1は、本願が採用する好ましいアクチュ
エータ(スラスタ、プロペラ、ラダー等)の構成例であ
る。(a)は2軸2舵船の例で、船首にバウスラスタ1、
船尾の左右に可変ピッチプロペラ2とこの後方にラダー
3を備えたものである。(b)は1軸船の例で、船首にバ
ウスラスタ1、船尾にスターンスラスタ4、この後方に
可変ピッチプロペラ2とラダー3を備えたものである。
【0015】前述した通り、定点保持を行う船では、こ
れらのアクチュエータを組み合わせて図2に示すような
前後制御力(船を前後方向に動かす力)、横制御力(船
を横方向に動かす力)および旋回制御力(船を重心回り
に旋回させる力)を発生させて通常は前述した通り図3
のような制御を行っている。
【0016】上記のような制御装置構成では定点保持を
行っている時に風などの外乱がある場合、例えば図4の
ように外乱5が右舷前方から来ているときには、コント
ローラが発する各制御力は図4に示す方向に働く。すな
わち、前後制御力6は制御対象となる船の前方向に、横
制御力7は船の右横方向に、旋回制御力8は右に旋回す
る方向に働く。このときの横制御力7の発生方向、つま
り外乱5が右舷方向から来ているときには横制御力も右
舷方向に働き、外乱が左舷から来ているときには横制御
力7も左舷方向に働く性質を利用して、横制御力7の発
生方向によって回頭角(船首を左右に振る角度)を変え
る制御を行う。すなわち、右舷方向に横制御力7が働い
ている場合には右方向に回頭し、左舷方向に横制御力7
が働いている場合には左方向に回頭する制御を行う。
【0017】これは、後述するように(図6参照)コン
トローラ12から出力した横制御力を積分したものを方
位角指令値とし、実際の方位角との偏差をコントローラ
12に与えるという本願の基本的な技術的思想と結びつ
いているものであり、方位角指令値決定手段13の性格
に関連している。
【0018】これによって、例えば図5のように右斜め
前からの外乱の場合は船首が右方向に向き、外乱の合力
方向と船首が向かい合った方位、つまり横制御力がゼロ
になった方向を向いて旋回が止まるように制御され、こ
のとき旋回制御力も小さくなる。
【0019】このように本願では、風向風速計や潮流計
などの外乱に対する測定センサを用いることなく、横制
御力がゼロになるように船の方位角を制御することによ
って船首を外乱の合力方向に向け、この状態に定点保持
ないし自動航行制御を行う技術思想である。
【0020】図6は、上記技術的思想を具現化すべき制
御ブロック図である。
【0021】操船者によって図7に示す地球固定座標で
ある、XY座標における船の絶対(目標)位置(X,
Y)が与えられるが、各比較部9,10でX軸およびY
軸絶対位置指令値とGPSからの実際のX軸およびY軸
絶対位置とを比較し、その偏差をコントローラに入力す
る。
【0022】方位角指令値についてはコントローラ12
から出力した横制御力指令値を使用する。すなわち、横
制御力指令値を方位角指令値決定手段13に入力して、
ここで積分等の処理をし、これより出力した値を方位角
指令値とし、これとジャイロからフィードバックされて
きた実際の方位角とを比較部11で比較してその偏差を
コントローラ12に入力する。
【0023】上記方位角指令値決定手段13としては、
例えば積分器である。すなわち、コントローラ12から
出力された横制御力指令値を積分器に入力し、ここで積
分したものを方位角指令値として出力するものである。
方位角指令値決定手段13の例として積分器が採用され
るのは、外乱が船体に働く方向に横制御力も働く性質を
利用して、横制御力の発生方向によって回頭角を変える
制御を行うようにしたからである。積分器を他の積分機
能を有する補償器、例えばPID制御器等に置き換えて
もよい。
【0024】コントローラ12では、上記絶対位置と方
位角の各偏差をもとに前後制御力、横制御力および旋回
制御力を算定する。そして、その各指令値を推力配分装
置14へ出力する。
【0025】推力配分装置14ではスラスタ、プロペ
ラ、ラダーなどの各アクチュエータに対する推力配分
(具体的には、図1のアクチュエータ構成例では、バウ
スラスタのプロペラピッチ角、左右舷の可変ピッチプロ
ペラのピッチ角と回転数、ラダー舵角等)を演算してそ
の各指令値を該当のアクチュエータを送って所定の動作
をさせて制御する。例えば図5のように右斜め前からの
外乱の場合は船首が右方向に向き、外乱の合力方向と船
首が向かい合った方位、つまり横制御力がゼロになった
方向を向いて旋回が止まるように制御する。横制御力が
ゼロになるように方位角を変化させて船位を決定せんと
する思想であるから風向風速計や潮流計などの外乱セン
サは不要である。
【0026】図8〜図11は上記した本願の技術思想か
ら上記図1(a)の2軸2舵のアクチュエータ構成例にお
けるシミュレーション結果例を示す。
【0027】図8は、船の航跡を示す。XY座標におい
て(0,0)の位置に船が2ktの潮流を真向かいに受
け、15m/sの風を真横から受けた場合のシミュレー
ションである。このとき外乱合力方向は右斜め前から船
に向く。船は最初のスタート位置からやや上あがりに右
に回頭し、さらに、下にさがりながら右回頭してエンド
の位置、つまり外力の合力方向に船首を向けて止まる。
【0028】図9はその時のX,Yおよび方位角の変化
を示すグラフである。X,Yと方位角が静定したときが
船が合力の方向に向いた時を示す。
【0029】図10は推力配分する前の前後制御力、横
制御力および旋回制御力の値の変化の様子である。横制
御力がゼロになった時点が合力方向に向いた時である。
風外乱が船体に作用する風圧中心は、船の重心とずれて
いるので、横制御力がゼロになった後もこいれを補償す
るために多少の旋回制御力は必要である。
【0030】図11は、図1(a)の2軸2舵船におい
て、推力配分した時の各アクチュエータ操作の変化の様
子である。
【0031】上記シミュレーション結果から明らかなよ
うに、方位角を変化させることで横制御力を小さくでき
る。
【0032】
【発明の効果】 風向風速センサ、潮流センサが不要
となり、装置全体が簡素化できる。 船体に作用する外力(風、波漂流力、潮流、曳航力
など)の全ての外乱に対してその合力方向に船首を向け
ることができる。その結果、外乱方向に船首を向けると
外力の影響がもっとも小さくなり、スラスタ推力を小さ
くすることができる、という効果を確実に期待できる。 横制御力がゼロになるように方位角指令値が自動設
定されるので、操船者の負担が軽減化され、操船が簡易
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願が採用する好ましいアクチュエータの構成
例を示す図で、(a)は2軸2舵船の例、(b)は1軸船の例
である。
【図2】アクチュエータを組み合わせてによって発生す
る前後制御力、横制御力および旋回制御力の作用図であ
る。
【図3】一般的な制御ブロック図である。
【図4】外乱が右前方から作用する場合の各制御力の働
く方向図である。
【図5】外乱の合力方向に船首が向いた状態を示した図
である。
【図6】本願の制御ブロック図である。
【図7】地球固定座標であるXY座標における船位図で
ある。
【図8】本願のシミュレーション結果例における航跡図
である。
【図9】同船体重心運動の図である。
【図10】同制御装置操作量の図である。
【図11】同アクチュエータ操作図である。
【符号の説明】 1…バウスラスタ 2…可変ピッチプロペラ 3…ラダー 4…スターンスラスタ 5…外乱 6…前後制御力 7…横制御力 8…旋回制御力 9〜11…比較部 12…コントローラ 13…方位角指令値決定手段 14…推力配分装置
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜松 正典 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 河野 行伸 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 上西 雅彰 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 斎藤 泰夫 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 浅尾 元秀 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内 Fターム(参考) 2F029 AA04 AB01 AB07 AB09 AC02 5H180 AA25 FF05 FF27 9A001 BB06 HH35 JJ71 KK14 KK33 KK54 KK56

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実際の船の位置と目標位置との偏差およ
    び方位角偏差から得られた前後制御力指令、横制御力指
    令および旋回力指令に基づき推力配分を行って船の制御
    を行う方法であって、横制御力指令に基いて方位角指令
    値決定手段により方位角指令値を求め、横制御力がゼロ
    になるように方位角を自動設定するようにした自動方位
    設定方法。
  2. 【請求項2】 実際の船の位置と目標位置との偏差およ
    び方位角偏差から得られた前後制御力指令、横制御力指
    令および旋回力指令に基づき推力配分を行って船の制御
    を行う方法であって、横制御力指令値を積分したものを
    方位角指令値として求め、横制御力がゼロになるように
    方位角を自動設定するようにした自動方位設定方法。
  3. 【請求項3】 前後制御力指令、横制御力指令および旋
    回力指令に基いて推力配分を行って船の制御を行う装置
    であって、実際の船の位置と目標位置との位置偏差を求
    める比較部と、横制御力指令に基いて方位角指令値決定
    手段により方位角指令値を求め、この方位角指令値と実
    際の方位角との方位角偏差を求める比較部と、前記位置
    偏差および方位角偏差に基いて前後制御力、横制御力お
    よび旋回制御力を演算するコントローラと、このコント
    ローラからの前後制御力、横制御力および旋回制御力の
    各指令値から各アクチュエータに対する推力配分を算出
    する推力配分装置とを備えた自動方位設定装置。
  4. 【請求項4】 方位角指令値決定手段が積分機能を有す
    る補償器である請求項3記載の自動方位設定装置。
  5. 【請求項5】 積分機能を有する補償器が積分器又はP
    ID制御器である請求項4記載の自動方位設定装置。
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