JP2000302431A - 板状シリコンの製造装置及び製造方法 - Google Patents

板状シリコンの製造装置及び製造方法

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JP2000302431A
JP2000302431A JP11107153A JP10715399A JP2000302431A JP 2000302431 A JP2000302431 A JP 2000302431A JP 11107153 A JP11107153 A JP 11107153A JP 10715399 A JP10715399 A JP 10715399A JP 2000302431 A JP2000302431 A JP 2000302431A
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molten
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tank
molten silicon
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JP11107153A
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Junichi Sasaki
順一 佐々木
Saburo Wakita
三郎 脇田
Yuji Ishiwari
雄二 石割
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率良く安定して板状シリコンを形成するこ
とができる板状シリコンの製造装置及び板状シリコンの
製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 板状シリコン製造装置1は、ヒータ4を
有し溶融シリコンL−Siを収容する溶融シリコン収容
槽2と、この溶融シリコン収容槽2に隣接し溶融スズか
らなる溶湯Sを収容した凝固槽3と備えている。溶湯S
は、それぞれ異なった温度に設定されたヒータ8、9、
10によって対流している。溶融シリコンL−Siは間
隙部12から溶湯Sの浴面に接触しながら横方向に引き
出されることにより抜熱・凝固して板状シリコンS−S
iとなる。引き出された溶融シリコンL−Siの下面は
溶湯S支持されているので板状シリコンS−Siの薄肉
化は安定して実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板状シリコンの製
造装置及び板状シリコンの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば太陽電池や半導体ウェーハに用い
られるSi結晶は、チョクラルスキー法や鋳造法によっ
て結晶を一方向に配向させたインゴットを生成し、この
インゴットを切断(スライス)することによって形成さ
れる。しかしながらこのようないわゆるバッチ式の方法
は不連続式であって工程数が多いため作業効率が低いと
ともに、インゴットのスライス時において切りしろ分が
必要となり材料使用効率も低い。これに対して図2に示
すような、供給部53から供給されることによって収容
槽50に収容されている溶融シリコンL−Siの浴面
に、冷却器51から冷却ガスCGを局所的に供給して浴
面部分を固化させ、固化したリボン状のシリコンを横方
向に引き出すことによって板状シリコンS−Siを形成
する方法は、工程が連続的であるため作業効率が良く有
効である。またバッチ式のようなスライス工程も不必要
となるため材料使用効率も良い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図2に
示したような方法においては、冷却ガスCGの吹き付け
によってシリコン表面が波打ちするなど不安定になる場
合があるとともに、収容槽50から引き出すとき引き出
し部分Hが自由端であるため、板状シリコンS−Siを
薄肉化したい場合などは安定した引き出しが困難であ
る。一方、図3に示すように、樋61に導かれた溶融シ
リコンL−Siと横方向に移動するセラミックまたはカ
ーボンの基板60とを接触させることによって板状シリ
コンS−Siを基板60表面に形成する方法があるが、
このような方法においては、溶融シリコンL−Siと基
板60との熱膨張差や溶融シリコンL−Siの凝固膨張
等によって、形成される板状シリコンS−Si内部の欠
陥密度が増加してしまうといった問題がある。
【0004】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、効率良く安定して板状シリコンを形成すること
ができる板状シリコンの製造装置及び板状シリコンの製
造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1に記載の発明は、加熱手段を備え溶融した
シリコンを収容する溶融シリコン収容槽と、この溶融シ
リコン収容槽に隣接し前記溶融シリコンの凝固温度より
低温度な溶湯を収容した凝固槽と、前記溶融シリコンを
前記凝固槽の溶湯浴面に接触させながら抜熱しつつ横方
向に引き出す引き出し手段とを備えたことを特徴とす
る。本発明によれば、板状シリコンは溶融シリコンを凝
固槽の溶湯浴面に引き出して抜熱・凝固させることによ
って連続的に得られるので、作業効率は高くなる。さら
に、従来のようなスライス工程も不必要となるので材料
使用効率も高くなる。また、引き出された溶融シリコン
の下面は溶湯によって支持される構成であって引き出し
部分は自由端ではないため、平坦で薄肉な板状シリコン
が安定して形成される。このとき溶融シリコンの抜熱は
下面側のみから行われるので、形成される板状シリコン
の結晶は一方向に配向したものとなる。
【0006】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の板状シリコンの製造装置であって、前記溶湯は前記シ
リコンより融点の低い溶融金属からなることを特徴とす
る。本発明によれば、溶湯として前記シリコンより融点
の低い溶融金属を用いたことにより、溶融シリコンの抜
熱は安定して行われる。
【0007】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の板状シリコンの製造装置であって、前記溶湯
は溶融したスズまたはスズ合金であることを特徴とす
る。本発明によれば、溶湯としてスズまたはスズ合金を
用いたことにより、溶融シリコンと反応することなく、
溶融シリコンの抜熱を安定して行うことができる。ま
た、製品中に微量不純物としてSnが含まれても、その
特性に影響を与えず、高品質な製品を製造することがで
きる。
【0008】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載の板状シリコンの製造装置であって、前
記溶融シリコン収容槽の前記凝固槽に隣接した側の壁面
には溶融シリコンが引き出される間隙部が溶融シリコン
の浴面より下方に形成されていることを特徴とする。本
発明によれば、溶融シリコンは浴面より下方から引き出
されるため、浴面の波打ちに影響されることなく安定し
た引き出しが実現される。
【0009】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれかに記載の板状シリコンの製造装置であって、前
記溶融シリコン収容槽の内部を、前記凝固槽に隣接した
引き出し槽と外部から溶融シリコンが供給される受け取
り槽とに仕切るための仕切り部を備えており、これら引
き出し槽と受け取り槽とは前記仕切り部下方において連
通していることを特徴とする。本発明によれば、溶融シ
リコンが供給される部分と引き出される部分とは仕切り
部によって仕切られているので、溶融シリコンを供給し
た際に生じる浴面の波打ちは引き出し槽まで伝播しない
ので、溶融シリコンの引き出しは安定して行われる。
【0010】請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の
いずれかに記載の板状シリコンの製造装置であって、前
記凝固槽は、シリコンの引き出し方向に低下した温度勾
配を持つ加熱手段を備えていることを特徴とする。本発
明によれば、凝固槽内の溶湯は加熱手段によって常に溶
融状態を維持されているとともに温度勾配を有するよう
になるため対流を生じるようになる。したがってシリコ
ンに接した溶湯浴面の熱交換は常に行われるのでシリコ
ンの凝固は一定の条件下で行われる。そのため、板状シ
リコンの連続形成は安定して行われる。
【0011】請求項7に記載の発明は、溶融シリコン収
容槽に収容された溶融シリコンをこの溶融シリコンの凝
固温度より低温度な溶湯浴面に接触させながら横方向に
引き出すことにより板状シリコンを形成することを特徴
とする。本発明によれば、引き出し部分は従来のような
自由端では無くなるので、板状シリコンの薄肉化、平坦
化は安定して行われるとともに、板状シリコンの連続的
な形成が可能となる。また溶融シリコンは下面側のみか
ら抜熱されるので、板状シリコンは一方向に配向した結
晶を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態による
板状シリコンの製造装置及び板状シリコンの製造方法を
図面を参照して説明する。図1は本発明の板状シリコン
の製造装置1の構成を説明する側方断面図である。図1
において、製造装置1は、溶融シリコンL−Siが収容
される溶融シリコン収容槽2と、溶融シリコン収容槽2
に隣接され溶湯Sが収容される凝固槽3とを備えてい
る。
【0013】溶融シリコン収容槽2の壁部には加熱手段
であるヒータ4と断熱材14とが設けられている。この
ヒータ4は、図示しない溶融シリコン供給部から供給さ
れた溶融シリコンL−Siの溶融状態を維持するための
ものであって、このヒータ4によって溶融シリコンL−
Siのみが約1400度に保たれている。
【0014】溶融シリコン収容槽2の内部は、板状に形
成された仕切り部5によって、溶融シリコン供給部から
供給される溶融シリコンL−Siを受け取るための受け
取り槽6と、凝固槽3に隣接した引き出し槽7とに仕切
られている。また、仕切り部5の下部は、溶融シリコン
収容槽2の底面と離間するように配置されており、受け
取り槽6と引き出し槽7とは仕切り部5の下方において
連通されている。
【0015】溶融シリコン収容槽2の引き出し槽7の壁
面のうち、凝固槽3に隣接した部分には溶融シリコンL
−Siの浴面より下方に形成された間隙部12が設けら
れている。間隙部12は溶湯Sの浴面とほぼ同じ高さの
位置において水平方向に延びるように形成されたもので
あり、溶融シリコンL−Siはこの間隙部12から引き
出されるようになっている。また、間隙部12の間隔は
形成される板状シリコンの厚みに対応するように調整さ
れており例えば200μm程度の間隔を有している。
【0016】溶融シリコン収容槽2に隣接して設けられ
た凝固槽3には、溶融シリコンL−Siの凝固温度より
低い温度に設定された溶湯Sが収容されている。この溶
湯Sには、シリコン融点より融点が低い溶融金属を用い
ることが好ましい。さらには、シリコン融点より沸点が
高く、シリコンより比重の大きい溶融金属を用いること
が好ましい。具体的には、融点が1000度以下であっ
て沸点が2000度以上の溶融金属を用いることが好ま
しい。また、シリコンと反応せずシリサイドを形成しな
い特性を有することも必要である。さらに、ウェーハ中
に不純物として混入した場合でも製品特性の影響が少な
いことが必要である。このような観点から、溶湯Sとし
ては溶融されたスズまたはスズ合金を用いることが好ま
しい。
【0017】凝固槽3は、引き出し方向yに沿って複数
設けられた加熱手段である第1、第2、第3ヒータ8、
9、10を備えている。これら第1、第2、第3ヒータ
8、9、10は凝固槽3の底部に設けられたものであ
り、スズまたはスズ合金からなる溶湯Sの温度調整を行
うことによって溶湯Sの溶融状態を維持するためのもの
である。溶湯Sはこれらのヒータによって約300〜1
400度の温度に維持されている。このとき溶湯Sと溶
融シリコンL−Siとの温度差は大きいものであるが、
断熱材14が相互の熱交換を防止している。
【0018】これら第1、第2、第3ヒータ8、9、1
0はそれぞれ異なった温度に設定されている。この場
合、上流側に配置されたヒータが最も高温になるように
設定されており、下流側になるにしたがい徐々に設定温
度が低下されている。すなわち、第1ヒータ8が最も高
温度に設定されており、第2、第3ヒータ9、10にな
るにしたがって温度が低くなるように設定されている。
したがって、凝固槽3の溶湯Sの温度勾配は、シリコン
の引き出し方向yに向かって低下している。このとき、
異なった温度に設定された各ヒータによって溶湯S内部
には対流が生じている。
【0019】凝固槽3の下流側には、溶湯Sの浴面に接
することによって凝固されたシリコンを横方向(引き出
し方向y)に引き出すための引き出し手段13が設けら
れている。すなわち、溶融シリコンL−Siを凝固させ
ることによって得られた板状シリコンS−Siは、引き
出し手段13によって下流側に引き出されるようになっ
ている。また、凝固槽3の下流側には、引き出された板
状シリコンS−Siの裏面側にガスを吹き付けて付着し
た溶湯を吹き飛ばすためのガス吹き付け部11が斜めに
設けられている。
【0020】なお、溶融シリコン収容槽2と仕切り部5
と凝固槽3とは、石英またはカーボンによって形成され
ている。また、製造装置1全体は不活性ガス(アルゴン
等)あるいは水素雰囲気下に設けられており、溶融シリ
コンL−Si浴面や溶湯S浴面、あるいは板状シリコン
S−Siの表面は不活性ガスで覆われている。
【0021】このような構成を持つ製造装置1を用いて
板状シリコンを製造する場合の動作について説明する。
はじめに、図示しない溶融シリコン供給部から溶融シリ
コン収容槽2のうち受け取り槽6に溶融シリコンL−S
iを連続的に供給させる。供給された溶融シリコンL−
Siは仕切り部5下方の連通部分を通って引き出し槽7
側に供給され、溶融シリコン収容槽2は溶融シリコンL
−Siで満たされる。このとき溶融シリコンL−Si
は、その浴面が間隙部12の上方に位置するまで供給さ
れる。溶融シリコン収容槽2に満たされた溶融シリコン
L−Siは、ヒータ4の加熱によって安定した溶融状態
を維持する。
【0022】溶融シリコン収容槽2の間隙部12には、
予めSi種結晶を配して溶融シリコンL−Siを引き出
し可能な状態にするとともに、溶融シリコン収容槽2に
溶融シリコンL−Siを満たし、この種結晶を間隙部1
2から横方向(引き出し方向y)に引き出す。このと
き、間隙部12の間隔の大きさは板状シリコンS−Si
の厚みの目標値に基づいて調節されている。例えば形成
しようとする板状シリコンの厚みの目標値が200μm
である場合、間隙部12の間隔は200μmあるいはそ
れより若干大きくなるように設定されている。すなわ
ち、間隙部12の大きさ及び引き出し速度が形成される
板状シリコンS−Siの厚みに寄与するため、これらを
調整することによって所望の厚みを有する板状シリコン
S−Siを得ることができる。このとき、引き出し速度
などの条件によっては、引き出されたシリコンは全体と
して薄くなる場合があるが、間隙部12の間隔を目標値
より若干大きく設けることにより対応することができ
る。
【0023】間隙部12から引き出された溶融シリコン
L−Siは、このシリコンの凝固温度より低温度に設定
された溶湯Sの浴面に接触することによって下面側から
一方向(厚さ方向)に抜熱される。そして溶融シリコン
L−Siは下流側に引き出されるにつれてさらに抜熱さ
れ、凝固界面Hを形成しながら徐々に凝固される。この
とき、この凝固界面Hが凝固の成長起点となる。
【0024】ところで、形成しようとする板状シリコン
S−Siが太陽電池等に用いられるものである場合、結
晶を一方向に配向させて凝固する必要がある。結晶を板
状シリコンS−Siの厚さ方向に成長させたい場合に
は、凝固の成長起点である凝固界面Hがなるべく水平で
あることが望ましい。このとき凝固界面Hを広く形成す
ることによって凝固界面Hは水平に近づき、良好な一方
向凝固性を有した板状シリコンS−Siが得られるとと
もに、成長速度も速くなる。
【0025】溶湯Sは、各ヒータ8、9、10によって
引き出し方向yに向かって低くなる温度勾配を有してお
り、それに伴って対流が生じている。すなわち、溶融シ
リコンL−Siの抜熱温度は調整されているとともに、
溶湯Sの温度分布は常に制御されている。また、引き出
されているシリコンと接している溶湯Sの浴面は溶湯S
の対流によって常に熱交換が行われており、常に一定の
状態が保たれている。同時に、製造装置1全体を覆って
いる不活性ガスの温度調整も行われており、板状シリコ
ンの表面が安定するように制御されている。
【0026】そして、引き出し方向y上流側の温度が高
く、下流側の温度が低く設定された溶湯Sの浴面に引き
出された溶融シリコンL−Siは、下流側に移動するに
したがって徐々に凝固され、固体としての板状シリコン
S−Siとなる。
【0027】形成された板状シリコンS−Siは、引き
出し手段13によって下流側に引き出される。凝固槽3
の下流側に引き出された板状シリコンの裏面側(すなわ
ち溶湯Sと接触していた面側)にはガス吹き付け部11
からガスが吹き付けられる。このガスによって、板状シ
リコンS−Siの裏面側に付着して持ち出される溶湯は
取り除かれる。そして、さらに下流側に引き出された板
状シリコンS−Siはカッター等によって所定の大きさ
に切断され、次の工程に搬送される。
【0028】このように、板状シリコンS−Siは、溶
融シリコン収容槽2に収容された溶融シリコンL−Si
をこの溶融シリコンL−Siの凝固温度より低温度に設
定された溶湯Sの浴面に接触させながら横方向に引き出
すことにより連続的に形成することができる。そして、
従来のようなスライス工程が不必要となるので、切りし
ろを抑えることができ材料使用効率を高くすることがで
きる。
【0029】引き出された溶融シリコンL−Siの下面
は、溶湯Sによって支持される構成となっている。すな
わち、引き出し部分は自由端ではなくなるので、薄肉で
平坦な板状シリコンを安定して形成することができる。
さらに、溶融シリコンL−Siの抜熱は下面側のみから
行われるので、形成される板状シリコンS−Siの結晶
は一方向に配向したものとなる。したがって、例えば太
陽電池用としての板状シリコンS−Siとして所望の性
能を備えたものを形成することができる。また、セラミ
ック基板表面にシリコンを凝固させる方法とは異なり、
溶融シリコンL−Siを溶融スズまたは溶融スズ合金か
らなる液体状の溶湯Sによって支持する構成のため、シ
リコン凝固・冷却時における熱収縮の影響がない。すな
わち、スズの場合その凝固温度は232度であるが、こ
の温度までは熱膨張差による応力は発生しない。
【0030】溶湯Sは各ヒータ8、9、10によって引
き出し方向yに低下した温度勾配を有しており、それに
伴って対流が生じている。すなわち、溶湯Sによる溶融
シリコンL−Siの抜熱温度は調整されているととも
に、溶湯Sの温度分布の制御は常に行われている。その
ため、溶融シリコンL−Siは下流側に引き出されるに
したがって安定して凝固される。また、シリコンと接す
る溶湯Sの浴面の熱交換は、溶湯Sの対流によって常に
行われるので、凝固界面Hの形成状態や溶湯S浴面にお
ける形成位置、あるいは溶湯Sによる溶融シリコンL−
Siの抜熱温度などは常に安定したものとなる。また、
溶湯Sとしてスズまたはスズ合金を用いたことにより、
溶融シリコンL−Siは溶湯Sと反応することなくなお
かつ製品の特性に影響を与えること無く安定して抜熱さ
れる。同時に、製造装置1全体をとりまいている不活性
ガスの温度調整も行われているので、板状シリコンの表
面も安定して形成される。そして、このような方法によ
り、例えば100〜400μmといった厚みを有する板
状シリコンS−Siが形成可能となる。
【0031】溶融シリコンL−Siは溶融シリコンL−
Siの浴面より下方に形成された間隙部12より引き出
されるため、溶融シリコン収容槽2の波打ちに影響され
ることなく安定して引き出される。すなわち、引き出し
を溶融シリコンL−Siの浴面から直接行った場合、例
えば雰囲気ガスの影響などによって浴面が波打ち状態で
あると薄肉の板状シリコンS−Siを形成することは困
難であるが、溶融シリコンL−Siを浴面より下方から
引き出すことによって、たとえ浴面が波打ち状態であっ
てもその影響は低減される。
【0032】さらに、溶融シリコン収容槽2の内部が仕
切り部5によって受け取り槽6と引き出し槽7とに仕切
られたことにより、溶融シリコンL−Siが受け取り槽
6に供給された際に生じる波打ちは、引き出し部分であ
る引き出し槽7に形成された間隙部12まで伝播しない
ようになる。したがって、溶融シリコンL−Siの連続
供給を可能としつつ安定した引き出しを行うことができ
るので、板状シリコンS−Siは連続的に安定して形成
可能となる。
【0033】ところで、間隙部12の間隔の大きさを変
更するための変更手段を備えさせることも可能である。
すなわち、例えば図1に示す間隙上方部材12aを支持
部によって昇降可能に支持するとともに、この支持部に
サーボ−モータなどのアクチュエータを取り付けて、間
隙部12のサイズを変更可能とすることができる。板状
シリコンS−Siの厚みは、間隙部12の間隔の大きさ
や引き出し速度などに寄与するが、間隙部12の間隔を
変更するための変更手段を設けることによって、形成さ
れる板状シリコンS−Siの厚みを様々に変化させるこ
とができ、種々の仕様に対して迅速に対応することがで
きる。
【0034】なお、このような構成を持つ板状シリコン
の製造装置1は、太陽電池製造のみではなく、半導体ウ
ェーハの製造にも用いることができる。
【0035】
【発明の効果】本発明の板状シリコンの製造装置及び製
造方法は、以下のような効果を有するものである。 (1)請求項1に記載の発明によれば、板状シリコンは
溶融シリコンを凝固槽の溶湯浴面に引き出して抜熱・凝
固させることによって連続的に得られるので、作業効率
は高くなる。さらに、従来のようなスライス工程も不必
要となるので材料使用効率も高くなる。また、引き出さ
れた溶融シリコンの下面は溶湯によって支持される構成
であって引き出し部分は自由端ではないため、平坦で薄
肉な板状シリコンが安定して形成される。このとき溶融
シリコンの抜熱は下面側のみから行われるので、形成さ
れる板状シリコンの結晶は一方向に配向したものとな
る。 (2)請求項2に記載の発明によれば、溶湯として前記
シリコンより融点の低い溶融金属を用いたことにより、
溶融シリコンの抜熱は安定して行われる。 (3)請求項3に記載の発明によれば、溶湯としてスズ
またはスズ合金を用いたことにより、製品であるシリコ
ンウェーハの特性に影響を与えることなく、溶融シリコ
ンの抜熱を安定して行うことができる。 (4)請求項4に記載の発明によれば、溶融シリコンは
浴面より下方から引き出されるため、浴面の波打ちに影
響されることなく安定した引き出しが実現される。 (5)請求項5に記載の発明によれば、溶融シリコンが
供給される部分と引き出される部分とは仕切り部によっ
て仕切られているので、溶融シリコンを供給した際に生
じる浴面の波打ちは引き出し槽まで伝播しないので、溶
融シリコンの引き出しは安定して行われる。 (6)請求項6に記載の発明によれば、凝固槽内の溶湯
は加熱手段によって常に溶融状態を維持されているとと
もに温度勾配を有するようになるため対流を生じるよう
になる。したがってシリコンに接した溶湯浴面の熱交換
は常に行われるのでシリコンの凝固は一定の条件下で行
われる。そのため、板状シリコンの連続形成は安定して
行われる。 (7)請求項7に記載の発明によれば、引き出し部分は
従来のような自由端では無くなるので、板状シリコンの
薄肉化、平坦化は安定して行われるとともに、板状シリ
コンの連続的な形成が可能となる。また溶融シリコンは
下面側のみから抜熱されるので、板状シリコンは一方向
に配向した結晶を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の板状シリコンの製造装置の一実施形態
を示す側方断面図である。
【図2】従来の板状シリコンの製造装置を説明する図で
ある。
【図3】従来の板状シリコンの製造装置を説明する図で
ある。
【符号の説明】
1 板状シリコン製造装置 2 溶融シリコン収容槽 3 凝固槽 4 ヒータ(加熱手段) 5 仕切り部 6 受け取り槽 7 引き出し槽 8 第1ヒータ(加熱手段) 9 第2ヒータ(加熱手段) 10 第3ヒータ(加熱手段) 12 間隙部 13 引き出し手段 14 断熱材 L−Si 溶融シリコン S−Si 板状シリコン S 溶湯(溶融スズまたは溶融スズ合金)
フロントページの続き (72)発明者 石割 雄二 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4G072 AA01 BB02 GG03 GG04 HH01 MM08 MM38 NN30 UU01 UU02 5F053 AA50 BB60 DD01 FF05 GG02 LL04 LL05 RR05 RR06 RR13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱手段を備え溶融したシリコンを収容
    する溶融シリコン収容槽と、 この溶融シリコン収容槽に隣接し前記溶融シリコンの凝
    固温度より低温度な溶湯を収容した凝固槽と、 前記溶融シリコンを前記凝固槽の溶湯浴面に接触させな
    がら抜熱しつつ横方向に引き出す引き出し手段とを備え
    たことを特徴とする板状シリコンの製造装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の板状シリコンの製造装
    置であって、 前記溶湯は前記シリコンより融点の低い溶融金属からな
    ることを特徴とする板状シリコンの製造装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の板状シリコン
    の製造装置であって、前記溶湯は溶融したスズまたはス
    ズ合金であることを特徴とする板状シリコンの製造装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の板状シ
    リコンの製造装置であって、 前記溶融シリコン収容槽の前記凝固槽に隣接した側の壁
    面には溶融シリコンが引き出される間隙部が溶融シリコ
    ンの浴面より下方に形成されていることを特徴とする板
    状シリコンの製造装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の板状シ
    リコンの製造装置であって、 前記溶融シリコン収容槽の内部を、前記凝固槽に隣接し
    た引き出し槽と外部から溶融シリコンが供給される受け
    取り槽とに仕切るための仕切り部を備えており、これら
    引き出し槽と受け取り槽とは前記仕切り部下方において
    連通していることを特徴とする板状シリコンの製造装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の板状シ
    リコンの製造装置であって、 前記凝固槽は、シリコンの引き出し方向に低下した温度
    勾配を持つ加熱手段を備えていることを特徴とする板状
    シリコンの製造装置。
  7. 【請求項7】 溶融シリコン収容槽に収容された溶融シ
    リコンをこの溶融シリコンの凝固温度より低温度な溶湯
    浴面に接触させながら横方向に引き出すことにより板状
    シリコンを形成することを特徴とする板状シリコンの製
    造方法。
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