JP2000302553A - 耐蝕性フッ化物基複合セラミックス焼結体 - Google Patents
耐蝕性フッ化物基複合セラミックス焼結体Info
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Landscapes
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- Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
- Drying Of Semiconductors (AREA)
- Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来のフッ化物セラミックス焼結体が有する
優れた耐蝕性を保持しつつ、優れた強度を有するフッ化
物基複合セラミックス焼結体を提供すること。 【解決手段】 実質的に、フッ化物が0〜85重量%
と、アルミナ30〜15重量%とによりフッ化物基複合
セラミックス焼結体を構成する。好ましくは、アルミナ
をフッ化物中に分散して存在させ、アルミナの粒子径を
0.1〜0.3μmとする。
優れた耐蝕性を保持しつつ、優れた強度を有するフッ化
物基複合セラミックス焼結体を提供すること。 【解決手段】 実質的に、フッ化物が0〜85重量%
と、アルミナ30〜15重量%とによりフッ化物基複合
セラミックス焼結体を構成する。好ましくは、アルミナ
をフッ化物中に分散して存在させ、アルミナの粒子径を
0.1〜0.3μmとする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高強度で高耐蝕性
を有するフッ化物基複合セラミックス焼結体に関する。
を有するフッ化物基複合セラミックス焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、半導体メモリーの急激な高集積化
により、エッチング、不純物拡散、イオン注入工程の繰
り返し回数の増加や、細密化によるプラズマの高出力化
など、半導体装置内の環境は以前と比較して苛酷なもの
となっている。その結果、耐高温度性、耐蝕性に優れた
セラミックスが多くのプロセスで用いられている。その
中で、パターンの焼き付けのために行われるドライエッ
チングでは、ハロゲンガスがプラズマにより活性化され
て使用されるため、製造装置を構成する部品には活性な
ガスに対する耐蝕性が要求される。
により、エッチング、不純物拡散、イオン注入工程の繰
り返し回数の増加や、細密化によるプラズマの高出力化
など、半導体装置内の環境は以前と比較して苛酷なもの
となっている。その結果、耐高温度性、耐蝕性に優れた
セラミックスが多くのプロセスで用いられている。その
中で、パターンの焼き付けのために行われるドライエッ
チングでは、ハロゲンガスがプラズマにより活性化され
て使用されるため、製造装置を構成する部品には活性な
ガスに対する耐蝕性が要求される。
【0003】フッ化物セラミックスは、特にフッ素系の
腐蝕ガスまたはそれらのプラズマに対して、高い耐蝕性
を有しているため、半導体製造装置や液晶プロセス用プ
ラズマ装置内部にて使用される内壁材やマイクロ波ウィ
ンドウ、ウエハ支持具等の治具用の材料として期待がも
たれる。
腐蝕ガスまたはそれらのプラズマに対して、高い耐蝕性
を有しているため、半導体製造装置や液晶プロセス用プ
ラズマ装置内部にて使用される内壁材やマイクロ波ウィ
ンドウ、ウエハ支持具等の治具用の材料として期待がも
たれる。
【0004】フッ化物セラミックスの代表的なものとし
て、MgF2、CaF2、YF3等の焼結体が挙げら
れ、これらはいずれも従来のドライエッチングプロセス
で使用されている石英ガラスに比べて5倍以上、現在利
用が広がりつつあるAl2O3に比べて2倍以上の耐蝕
性を有している。
て、MgF2、CaF2、YF3等の焼結体が挙げら
れ、これらはいずれも従来のドライエッチングプロセス
で使用されている石英ガラスに比べて5倍以上、現在利
用が広がりつつあるAl2O3に比べて2倍以上の耐蝕
性を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらフッ化
物セラミックス焼結体の最も大きな欠点は、機械的強度
が低いことである。MgF2、CaF2、YF3等のフ
ッ化物セラミックス焼結体の曲げ強度は100MPa前
後であり、従来から耐蝕部材用として利用されている石
英ガラスの約150MPa、現在利用が広がりつつある
Al2O3セラミックスの約400MPaに比べて低
い。以上のような現状で、半導体製造装置内の部品とし
てのフッ化物セラミックスの用途を拡大するために機械
的強度を向上させることが大きな課題である。
物セラミックス焼結体の最も大きな欠点は、機械的強度
が低いことである。MgF2、CaF2、YF3等のフ
ッ化物セラミックス焼結体の曲げ強度は100MPa前
後であり、従来から耐蝕部材用として利用されている石
英ガラスの約150MPa、現在利用が広がりつつある
Al2O3セラミックスの約400MPaに比べて低
い。以上のような現状で、半導体製造装置内の部品とし
てのフッ化物セラミックスの用途を拡大するために機械
的強度を向上させることが大きな課題である。
【0006】つまり、フッ化物セラミックスは高い耐蝕
性を有しているものの、機械的強度が十分でないために
構造用部材としての適用が難しく、少なくとも従来から
耐蝕部材用として利用されている石英ガラスと同等以上
の強度特性を有していないと、フッ化セラミックス焼結
体が本質的に備えていると考えられる腐蝕ガスに対する
高抵抗性を実部材の中で十分活かすことができない。
性を有しているものの、機械的強度が十分でないために
構造用部材としての適用が難しく、少なくとも従来から
耐蝕部材用として利用されている石英ガラスと同等以上
の強度特性を有していないと、フッ化セラミックス焼結
体が本質的に備えていると考えられる腐蝕ガスに対する
高抵抗性を実部材の中で十分活かすことができない。
【0007】本発明は、上記のような事情に鑑みてなさ
れたものであって、従来のフッ化物セラミックス焼結体
が有する優れた耐蝕性を保持しつつ、高強度(曲げ強
度)を有するフッ化物基複合セラミックス焼結体を提供
することを目的とする。
れたものであって、従来のフッ化物セラミックス焼結体
が有する優れた耐蝕性を保持しつつ、高強度(曲げ強
度)を有するフッ化物基複合セラミックス焼結体を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく検討を重ねた結果、フッ化物とアルミナと
を所定の比率で複合化した焼結体が、フッ化物の優れた
耐食性を維持しつつ、高強度が得られることを見出し
た。
を解決すべく検討を重ねた結果、フッ化物とアルミナと
を所定の比率で複合化した焼結体が、フッ化物の優れた
耐食性を維持しつつ、高強度が得られることを見出し
た。
【0009】すなわち、本発明は、フッ化物70〜85
重量%と、アルミナ30〜15重量%とから実質的にな
ることを特徴とする耐蝕性フッ化物基複合セラミックス
焼結体を提供するものである。
重量%と、アルミナ30〜15重量%とから実質的にな
ることを特徴とする耐蝕性フッ化物基複合セラミックス
焼結体を提供するものである。
【0010】また、上記焼結体において、前記アルミナ
はフッ化物中に分散して存在し、アルミナの粒子径が
0.1〜0.3μmであることを特徴とする耐蝕性フッ
化物基複合セラミックス焼結体を提供するものである。
はフッ化物中に分散して存在し、アルミナの粒子径が
0.1〜0.3μmであることを特徴とする耐蝕性フッ
化物基複合セラミックス焼結体を提供するものである。
【0011】さらに、上記いずれかの焼結体において、
前記フッ化物の主構成相が、CaF 2、MgF2および
YF3の少なくとも1種からなることを特徴とする耐蝕
性フッ化物基複合セラミックス焼結体を提供するもので
ある。
前記フッ化物の主構成相が、CaF 2、MgF2および
YF3の少なくとも1種からなることを特徴とする耐蝕
性フッ化物基複合セラミックス焼結体を提供するもので
ある。
【0012】さらにまた、上記いずれかの焼結体におい
て、前記フッ化物は主構成相と第二構成相とを有するこ
とを特徴とする耐蝕性フッ化物基複合セラミックス焼結
体を提供するものである。
て、前記フッ化物は主構成相と第二構成相とを有するこ
とを特徴とする耐蝕性フッ化物基複合セラミックス焼結
体を提供するものである。
【0013】さらにまた、前記第二構成相がLiFであ
ることを特徴とする耐蝕フッ化物基複合セラミックス焼
結体を提供するものである。
ることを特徴とする耐蝕フッ化物基複合セラミックス焼
結体を提供するものである。
【0014】このように本発明においては、フッ化物に
アルミナ粒子を強化材として所定量分散させることによ
り、耐蝕性に優れるのみならず高強度のフッ化物基複合
セラミックス焼結体を得ることができる。
アルミナ粒子を強化材として所定量分散させることによ
り、耐蝕性に優れるのみならず高強度のフッ化物基複合
セラミックス焼結体を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明のフッ化物基複合セラミックス焼結体は、
フッ化物70〜85重量%と、アルミナ30〜15重量
%とから実質的になる。このようにフッ化物にアルミナ
を複合化することにより、耐蝕性の高いフッ化物をアル
ミナによって強化する。
する。本発明のフッ化物基複合セラミックス焼結体は、
フッ化物70〜85重量%と、アルミナ30〜15重量
%とから実質的になる。このようにフッ化物にアルミナ
を複合化することにより、耐蝕性の高いフッ化物をアル
ミナによって強化する。
【0016】フッ化物を70〜85重量%、アルミナを
30〜15重量%としたのは、アルミナが30重量%以
上では、焼結の際の母材であるフッ化物量が不足するこ
とにより、緻密なフッ化物基複合セラミックス焼結体を
得難くなり、アルミナの添加量が15重量%未満では強
化材としての効果が少なく、フッ化物セラミックスから
の大幅な強度向上が期待できないからである。
30〜15重量%としたのは、アルミナが30重量%以
上では、焼結の際の母材であるフッ化物量が不足するこ
とにより、緻密なフッ化物基複合セラミックス焼結体を
得難くなり、アルミナの添加量が15重量%未満では強
化材としての効果が少なく、フッ化物セラミックスから
の大幅な強度向上が期待できないからである。
【0017】このようなアルミナの強化機能を有効に発
揮させるためにはアルミナが微細に分散していることが
好ましく、この際のアルミナ粒径は0.1〜0.3μm
の範囲が好ましい。これは、このように細かいアルミナ
粒子がフッ化物粒子間に均一に分散されることで、フッ
化物の焼結性を損なうことなく高強度なフッ化物基複合
セラミックス焼結体を容易に得ることができるからであ
る。アルミナ粒子の平均粒径が大きくなるとフッ化物粒
子間を遮るようにアルミナが存在する確率が高くなり、
母材であるフッ化物セラミックスの焼結を阻害する要因
となる。また、アルミナの粒径が細かすぎても強化機能
が有効に発揮されない。
揮させるためにはアルミナが微細に分散していることが
好ましく、この際のアルミナ粒径は0.1〜0.3μm
の範囲が好ましい。これは、このように細かいアルミナ
粒子がフッ化物粒子間に均一に分散されることで、フッ
化物の焼結性を損なうことなく高強度なフッ化物基複合
セラミックス焼結体を容易に得ることができるからであ
る。アルミナ粒子の平均粒径が大きくなるとフッ化物粒
子間を遮るようにアルミナが存在する確率が高くなり、
母材であるフッ化物セラミックスの焼結を阻害する要因
となる。また、アルミナの粒径が細かすぎても強化機能
が有効に発揮されない。
【0018】フッ化物基複合セラミックス焼結体を構成
するフッ化物の主構成相は、焼結可能なフッ化物であれ
ば特に限定されないが、CaF2、MgF2およびYF
3の少なくとも1種からなることが好ましい。これらは
毒性がなく、焼結性に優れている。主構成相としては、
これらの他に、AlF3、SrF2、BaF2、CeF
3等を用いることもできる。
するフッ化物の主構成相は、焼結可能なフッ化物であれ
ば特に限定されないが、CaF2、MgF2およびYF
3の少なくとも1種からなることが好ましい。これらは
毒性がなく、焼結性に優れている。主構成相としては、
これらの他に、AlF3、SrF2、BaF2、CeF
3等を用いることもできる。
【0019】また、フッ化物基複合セラミックス焼結体
を構成するフッ化物は、主構成相と主構成相よりも融点
が低い第二構成相とからなるものであることが好まし
い。この場合に、第二構成相は、主に主構成相の粒界に
存在して焼結助剤として機能し、焼結体の緻密化に寄与
する。
を構成するフッ化物は、主構成相と主構成相よりも融点
が低い第二構成相とからなるものであることが好まし
い。この場合に、第二構成相は、主に主構成相の粒界に
存在して焼結助剤として機能し、焼結体の緻密化に寄与
する。
【0020】上記第二構成相としては、LiFが好まし
い。これは、LiFの融点が842℃と、CaF2(融
点:1373℃)やMgF2(融点:1260℃)やY
F3(融点:1152℃)と比較してかなり低く、焼結
助剤としての効果が大きいからである。第二構成相とし
て、他に、NaF等を用いることもできる。
い。これは、LiFの融点が842℃と、CaF2(融
点:1373℃)やMgF2(融点:1260℃)やY
F3(融点:1152℃)と比較してかなり低く、焼結
助剤としての効果が大きいからである。第二構成相とし
て、他に、NaF等を用いることもできる。
【0021】次に、以上のような本発明のフッ化物基複
合セラミックス焼結体の製造方法について説明する。フ
ッ化物の原料粉末は、良好な焼結性を得る観点から平均
粒径が2μm以下であることが好ましい。
合セラミックス焼結体の製造方法について説明する。フ
ッ化物の原料粉末は、良好な焼結性を得る観点から平均
粒径が2μm以下であることが好ましい。
【0022】また、アルミナの原料粉末としては、平均
粒径が0.1〜0.3μmの微細な粒径を持つことが好
ましい。アルミナはフッ化物の焼結温度では粒成長しな
いので原料粉末の平均粒径がこの範囲であれば、焼結後
のアルミナ粒子の粒径を上述の好ましい範囲である0.
1〜0.3μmとすることができる。
粒径が0.1〜0.3μmの微細な粒径を持つことが好
ましい。アルミナはフッ化物の焼結温度では粒成長しな
いので原料粉末の平均粒径がこの範囲であれば、焼結後
のアルミナ粒子の粒径を上述の好ましい範囲である0.
1〜0.3μmとすることができる。
【0023】上記フッ化物粉末とアルミナ粉末とを所定
の比率で混合した後、成形する。例えば、上述したCa
F2、MgF2およびYF3粉末のいずれかにLiFを
1mol%添加したフッ化物粉末と、上記粒径範囲の微
細粒子を持つアルミナ粉末とを重量比でフッ化物70〜
85重量%とアルミナ30〜15重量%に調整した原料
粉末を、金型を用いて一軸加圧で75MPa、1分間成
形することで予備成形体を作製した後、冷間静水圧成形
法で150MPa、1分間加圧して成形体を作製する。
なお、成形体を得るための方法としては、この他に、射
出成形、鋳込み成形等といった他の一般的な方法でも全
く問題ない。
の比率で混合した後、成形する。例えば、上述したCa
F2、MgF2およびYF3粉末のいずれかにLiFを
1mol%添加したフッ化物粉末と、上記粒径範囲の微
細粒子を持つアルミナ粉末とを重量比でフッ化物70〜
85重量%とアルミナ30〜15重量%に調整した原料
粉末を、金型を用いて一軸加圧で75MPa、1分間成
形することで予備成形体を作製した後、冷間静水圧成形
法で150MPa、1分間加圧して成形体を作製する。
なお、成形体を得るための方法としては、この他に、射
出成形、鋳込み成形等といった他の一般的な方法でも全
く問題ない。
【0024】次に、このようにして得られた成形体を焼
結させる。この際の焼結条件は焼結体が得られれば特に
限定されないが、常圧焼結で十分である。その際の焼結
温度は、600〜800℃の範囲が好ましい。これは、
焼結温度が600℃以下では、十分な焼結が困難であ
り、緻密質セラミックスが得難く、高強度化も困難であ
るからである。一方、焼結温度が800℃以上では、第
二構成相をとしてLiFを添加する場合に、その溶出が
始まり、十分な焼結が行われないおそれがあるからであ
る。このように常圧焼結の際の焼結温度を600〜80
0℃とするより、粉末相対密度が95%以上の複合セラ
ミックス焼結体が得ることができる。
結させる。この際の焼結条件は焼結体が得られれば特に
限定されないが、常圧焼結で十分である。その際の焼結
温度は、600〜800℃の範囲が好ましい。これは、
焼結温度が600℃以下では、十分な焼結が困難であ
り、緻密質セラミックスが得難く、高強度化も困難であ
るからである。一方、焼結温度が800℃以上では、第
二構成相をとしてLiFを添加する場合に、その溶出が
始まり、十分な焼結が行われないおそれがあるからであ
る。このように常圧焼結の際の焼結温度を600〜80
0℃とするより、粉末相対密度が95%以上の複合セラ
ミックス焼結体が得ることができる。
【0025】より高強度なフッ化物基複合セラミックス
焼結体を得るためには、上述のようにして得られた焼結
体をHIP(熱間静水圧成形)処理することが好まし
い。この際の条件としては、例えば、Ar雰囲気で、温
度550〜750℃、圧力1800kg/cm2が挙げ
られる。このようなHIP処理により、フッ化物基複合
セラミックス焼結体は十分に緻密化して、比較的容易に
曲げ強度が150MPa以上と、フッ化セラミックス焼
結体に比べて1.5倍以上で、従来より耐蝕部材として
用いられている石英ガラスと比べても同等以上の強度特
性を得ることができる。
焼結体を得るためには、上述のようにして得られた焼結
体をHIP(熱間静水圧成形)処理することが好まし
い。この際の条件としては、例えば、Ar雰囲気で、温
度550〜750℃、圧力1800kg/cm2が挙げ
られる。このようなHIP処理により、フッ化物基複合
セラミックス焼結体は十分に緻密化して、比較的容易に
曲げ強度が150MPa以上と、フッ化セラミックス焼
結体に比べて1.5倍以上で、従来より耐蝕部材として
用いられている石英ガラスと比べても同等以上の強度特
性を得ることができる。
【0026】本発明では、低強度なフッ化物セラミック
スに対して、アルミナを強化材として添加した焼結体を
作製することで、本来のフッ化物セラミックスが有する
優れた耐蝕性を低下させることなく、通常のフッ化物セ
ラミックス焼結体よりも強度を高くすることができる。
特に、上述のように微細な粒径を有するアルミナ粒子を
フッ化物に対して15〜30重量%の割合で分散させる
ことにより、通常のフッ化物セラミックスに比べて1.
5倍以上、石英ガラスと比べて同等以上の強度特性を有
するフッ化物基複合セラミックス焼結体を得ることがで
きる。
スに対して、アルミナを強化材として添加した焼結体を
作製することで、本来のフッ化物セラミックスが有する
優れた耐蝕性を低下させることなく、通常のフッ化物セ
ラミックス焼結体よりも強度を高くすることができる。
特に、上述のように微細な粒径を有するアルミナ粒子を
フッ化物に対して15〜30重量%の割合で分散させる
ことにより、通常のフッ化物セラミックスに比べて1.
5倍以上、石英ガラスと比べて同等以上の強度特性を有
するフッ化物基複合セラミックス焼結体を得ることがで
きる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例について比較例と比較
しつつ説明する。 (実施例1〜6)純度98%のMgF2(関東化学製、
試薬1級)粉末を、ボールミルを用いて64時間粉砕し
て、平均粒径を1.6μmとした。この粉末にLiF
(試薬1級)粉末を1mol%添加して得られたフッ化
物粉末と、純度99.99%、平均粒径0.2μmのA
l2O3(大明化学製)粉末とを、表1に示す割合で調
合して、エタノール中で64時間、湿式混合を行った。
しつつ説明する。 (実施例1〜6)純度98%のMgF2(関東化学製、
試薬1級)粉末を、ボールミルを用いて64時間粉砕し
て、平均粒径を1.6μmとした。この粉末にLiF
(試薬1級)粉末を1mol%添加して得られたフッ化
物粉末と、純度99.99%、平均粒径0.2μmのA
l2O3(大明化学製)粉末とを、表1に示す割合で調
合して、エタノール中で64時間、湿式混合を行った。
【0028】このようにして得られた混合粉末に対し7
5MPa、1分間の一軸加圧を行い、さらに150MP
a、1分間の冷間静水圧加圧を行って成形体を作製し
た。これらの成形体に対して、600〜800℃の温度
範囲で3時間保持の条件で常圧焼結を行った。さらに、
常圧焼結体をAr雰囲気、550〜700℃、1800
kg/cm2でHIP処理することで、フッ化物基複合
セラミックス焼結体を得た。
5MPa、1分間の一軸加圧を行い、さらに150MP
a、1分間の冷間静水圧加圧を行って成形体を作製し
た。これらの成形体に対して、600〜800℃の温度
範囲で3時間保持の条件で常圧焼結を行った。さらに、
常圧焼結体をAr雰囲気、550〜700℃、1800
kg/cm2でHIP処理することで、フッ化物基複合
セラミックス焼結体を得た。
【0029】こうして得られたフッ化物基複合セラミッ
クス焼結体を、研削加工してJIS曲げ試験片(3×4
×40mm)に加工して後に、負荷速度0.5mm/s
ecにて4点曲げ強度を測定した。その結果を表1に示
す。さらに、周波数2.45GHz、出力800Wの平
行平板電極型プラズマエッチング装置を用いて、CF 4
とO2の体積比が4:1であるので雰囲気で約40分間
プラズマエッチングを行った。そして、エッチング前後
の重量変化を測定することで、耐蝕性の指標であるエッ
チンググレートを算出した。表1にエッチングレートも
併せて示す。表1に示すように曲げ強度は150MPa
以上となり、耐蝕性は2.5〜3.0μm/hrとなり
強度および耐蝕性が優れていることが確認された。
クス焼結体を、研削加工してJIS曲げ試験片(3×4
×40mm)に加工して後に、負荷速度0.5mm/s
ecにて4点曲げ強度を測定した。その結果を表1に示
す。さらに、周波数2.45GHz、出力800Wの平
行平板電極型プラズマエッチング装置を用いて、CF 4
とO2の体積比が4:1であるので雰囲気で約40分間
プラズマエッチングを行った。そして、エッチング前後
の重量変化を測定することで、耐蝕性の指標であるエッ
チンググレートを算出した。表1にエッチングレートも
併せて示す。表1に示すように曲げ強度は150MPa
以上となり、耐蝕性は2.5〜3.0μm/hrとなり
強度および耐蝕性が優れていることが確認された。
【0030】(実施例7〜18)フッ化物原料としてM
gF2の代わりにCaF2、AlF3(関東化学製、試
薬1級)粉末を用いて、実施例1〜6と同様の手順にて
フッ化物基複合セラミックス焼結体を作製し、曲げ強度
およびエッチングレートを求めた。その結果を表1に併
記する。表1に示すように曲げ強度は150MPa以上
となり、耐蝕性は3.0〜3.9μm/hrとなり強度
および耐蝕性が優れていることが確認された。
gF2の代わりにCaF2、AlF3(関東化学製、試
薬1級)粉末を用いて、実施例1〜6と同様の手順にて
フッ化物基複合セラミックス焼結体を作製し、曲げ強度
およびエッチングレートを求めた。その結果を表1に併
記する。表1に示すように曲げ強度は150MPa以上
となり、耐蝕性は3.0〜3.9μm/hrとなり強度
および耐蝕性が優れていることが確認された。
【0031】(比較例1〜6)MgF2、CaF2、A
lF3粉末について、実施例1〜18と同様の方法に
て、表1に示す条件で、フッ化物基複合セラミックス焼
結体を作製し、曲げ強度およびエッチングレートを求め
た。その結果を表1に併記する。表1に示すように曲げ
強度は98〜143MPaと本発明のフッ化物基複合セ
ラミックス焼結体より劣っていることが確認された。ま
た、耐蝕性については2.8〜4.6μm/hrと一部
について本発明のフッ化物基複合セラミックス焼結体よ
り劣っていることが確認された。
lF3粉末について、実施例1〜18と同様の方法に
て、表1に示す条件で、フッ化物基複合セラミックス焼
結体を作製し、曲げ強度およびエッチングレートを求め
た。その結果を表1に併記する。表1に示すように曲げ
強度は98〜143MPaと本発明のフッ化物基複合セ
ラミックス焼結体より劣っていることが確認された。ま
た、耐蝕性については2.8〜4.6μm/hrと一部
について本発明のフッ化物基複合セラミックス焼結体よ
り劣っていることが確認された。
【0032】(比較例7〜11)実施例で用いたMgF
2、CaF2、AlF3粉末をボールミルを用いて64
時間粉砕して、平均粒径を1.6μmとした。この粉末
LiF(試薬1級)粉末を1mol%添加して、エタノ
ール中で64時間、湿式混合を行った。
2、CaF2、AlF3粉末をボールミルを用いて64
時間粉砕して、平均粒径を1.6μmとした。この粉末
LiF(試薬1級)粉末を1mol%添加して、エタノ
ール中で64時間、湿式混合を行った。
【0033】このようにして得られた原料粉末を用い
て、上記実施例と同様の方法にて成形体を作製した。こ
れらの成形体を550〜900℃の温度範囲で3時間、
常圧焼結を行った。これらの焼結体の、曲げ強度および
エッチングレートを求めた結果を表1に併記する。表1
に示すように曲げ強度は65〜102MPa、耐蝕性は
2.1〜3.4μm/hrとなり、耐蝕性が優れている
が、強度は上記実施例のフッ化物基複合セラミックス焼
結体より劣っていることが確認された。
て、上記実施例と同様の方法にて成形体を作製した。こ
れらの成形体を550〜900℃の温度範囲で3時間、
常圧焼結を行った。これらの焼結体の、曲げ強度および
エッチングレートを求めた結果を表1に併記する。表1
に示すように曲げ強度は65〜102MPa、耐蝕性は
2.1〜3.4μm/hrとなり、耐蝕性が優れている
が、強度は上記実施例のフッ化物基複合セラミックス焼
結体より劣っていることが確認された。
【0034】(比較例12〜13)石英ガラス(東芝セ
ラミックス(株)製)およびアルミナ((株)日本セラ
テック製)について、研削加工してJIS曲げ試験片
(3×4×40mm)に加工した後に、負荷速度0.5
mm/secにて4点曲げ強度を測定した。その結果を
表1に示す。さらに、平行平板電極型プラズマエッチン
グ装置を用いて、約40分間プラズマエッチングを行っ
た。そして、耐蝕性の指標であるエッチングレートを算
出した。表1にエッチングレートも併せて示す。表1に
示すように石英ガラス、アルミナの曲げ強度は147、
435MPa、エッチングレートは10.2、5.8μ
m/hrとなり、強度は優れているが、耐蝕性は実施例
のフッ化物基複合セラミックス焼結体より劣っているこ
とが確認された。
ラミックス(株)製)およびアルミナ((株)日本セラ
テック製)について、研削加工してJIS曲げ試験片
(3×4×40mm)に加工した後に、負荷速度0.5
mm/secにて4点曲げ強度を測定した。その結果を
表1に示す。さらに、平行平板電極型プラズマエッチン
グ装置を用いて、約40分間プラズマエッチングを行っ
た。そして、耐蝕性の指標であるエッチングレートを算
出した。表1にエッチングレートも併せて示す。表1に
示すように石英ガラス、アルミナの曲げ強度は147、
435MPa、エッチングレートは10.2、5.8μ
m/hrとなり、強度は優れているが、耐蝕性は実施例
のフッ化物基複合セラミックス焼結体より劣っているこ
とが確認された。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フッ化物セラミックスに対して、アルミナを強化材とし
て所定量添加して焼結体を得ることで、本来のフッ化物
セラミックスが有する優れた耐蝕性を低下させることな
く、通常のフッ化物セラミックス焼結体よりも強度を高
くすることができる。
フッ化物セラミックスに対して、アルミナを強化材とし
て所定量添加して焼結体を得ることで、本来のフッ化物
セラミックスが有する優れた耐蝕性を低下させることな
く、通常のフッ化物セラミックス焼結体よりも強度を高
くすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 指田 則和 東京都江東区清澄一丁目2番23号 太平洋 セメント株式会社研究本部内 (72)発明者 井口 真仁 東京都江東区清澄一丁目2番23号 太平洋 セメント株式会社研究本部内 (72)発明者 宮田 昇 東京都江東区清澄一丁目2番23号 太平洋 セメント株式会社研究本部内 Fターム(参考) 4G030 AA36 AA58 BA20 BA33 CA01 CA05 4G075 AA53 BC06 CA47 FB04 FC06 FC09 5F004 AA16 BB29 5F031 EA01
Claims (5)
- 【請求項1】 フッ化物70〜85重量%と、アルミナ
30〜15重量%とから実質的になることを特徴とする
耐蝕性フッ化物基複合セラミックス焼結体。 - 【請求項2】 前記アルミナはフッ化物中に分散して存
在し、アルミナの粒子径が0.1〜0.3μmであるこ
とを特徴とする請求項1に記載の耐蝕性フッ化物基複合
セラミックス焼結体。 - 【請求項3】 前記フッ化物の主構成相が、CaF2、
MgF2およびYF 3の少なくとも1種からなることを
特徴とする請求項1または請求項2に記載の耐蝕性フッ
化物基複合セラミックス焼結体。 - 【請求項4】 前記フッ化物は主構成相と主構成相より
も融点が低い第二構成相とからなることを特徴とする請
求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の耐蝕性フ
ッ化物基複合セラミックス焼結体。 - 【請求項5】 前記第二構成相がLiFであることを特
徴とする請求項4に記載の耐蝕性フッ化物基複合セラミ
ックス焼結体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11106399A JP2000302553A (ja) | 1999-04-14 | 1999-04-14 | 耐蝕性フッ化物基複合セラミックス焼結体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11106399A JP2000302553A (ja) | 1999-04-14 | 1999-04-14 | 耐蝕性フッ化物基複合セラミックス焼結体 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000302553A true JP2000302553A (ja) | 2000-10-31 |
Family
ID=14432622
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11106399A Pending JP2000302553A (ja) | 1999-04-14 | 1999-04-14 | 耐蝕性フッ化物基複合セラミックス焼結体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000302553A (ja) |
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010153881A (ja) * | 2002-03-21 | 2010-07-08 | Lam Res Corp | 半導体処理装置用の低汚染構成部品及びその製造方法 |
| JP2012206913A (ja) * | 2011-03-30 | 2012-10-25 | Ngk Insulators Ltd | フッ化マグネシウム焼結体、その製法及び半導体製造装置用部材 |
| WO2015005006A1 (ja) | 2013-07-08 | 2015-01-15 | 国立大学法人筑波大学 | 中性子線減速材用フッ化物焼結体及びその製造方法 |
| EP3000796A1 (en) | 2014-09-24 | 2016-03-30 | University of Tsukuba | Mgf2-caf2 binary system sintered body for radiation moderator and method for producing the same |
| WO2016104354A1 (ja) | 2014-12-26 | 2016-06-30 | 国立大学法人筑波大学 | 放射線減速材用MgF2系フッ化物焼結体及びその製造方法 |
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-
1999
- 1999-04-14 JP JP11106399A patent/JP2000302553A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| EP3214058B1 (en) | 2013-07-08 | 2021-04-07 | University of Tsukuba | Use of magnesium fluoride sintered compact as neutron moderator |
| WO2015005006A1 (ja) | 2013-07-08 | 2015-01-15 | 国立大学法人筑波大学 | 中性子線減速材用フッ化物焼結体及びその製造方法 |
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| KR20160035962A (ko) | 2014-09-24 | 2016-04-01 | 고쿠리쯔 다이가쿠 호징 츠쿠바 다이가쿠 | 방사선 감속재용 MgF₂-CaF₂ 이원계 소결체 및 그 제조방법 |
| JP2016064978A (ja) * | 2014-09-24 | 2016-04-28 | 国立大学法人 筑波大学 | 放射線減速材用MgF2−CaF2二元系焼結体及びその製造方法 |
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