JP2000302821A - 塩化ビニリデン系共重合体及びコーティング剤 - Google Patents

塩化ビニリデン系共重合体及びコーティング剤

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JP2000302821A
JP2000302821A JP11110250A JP11025099A JP2000302821A JP 2000302821 A JP2000302821 A JP 2000302821A JP 11110250 A JP11110250 A JP 11110250A JP 11025099 A JP11025099 A JP 11025099A JP 2000302821 A JP2000302821 A JP 2000302821A
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acrylic acid
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Hideki Sakai
秀樹 坂井
Mitsusachi Furukawa
光幸 古河
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の塩化ビニリデン系コーティング剤に比
し、バリヤー性、耐変色性の優れた溶剤系の塩化ビニリ
デン系コーティング剤を提供する。 【解決手段】 塩化ビニリデン88〜93重量%とメタ
クリロニトリル11.5〜7重量%、アクリル酸0.3
〜2.0重量%からなるモノマー混合物を乳化重合する
ことにより得られる塩化ビニリデン系共重合体、及び該
塩化ビニリデン系共重合体とイソシアネート化合物を有
機溶剤に溶解することによりバリヤー性、耐変色性に優
れたコーティング剤を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バリヤー性、耐変
色性に優れた塩化ビニリデン系共重合体およびこの共重
合体とイソシアネート化合物を有機溶剤に溶解させたコ
ーティング剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニリデン系共重合体の被膜は、バ
リヤー性に優れているという特徴をもっている。そのた
め、塩化ビニリデン系共重合体を塗工したフィルムは主
に食品包装材料用として、酸素や水蒸気を遮断し包装さ
れた食品を湿ったり酸化させずに長期間保存することを
可能にするために使用されている。フィルムの中には、
酸素あるいは水蒸気に対するバリヤー性に優れたものは
あるが、酸素と水蒸気の両方を高度な水準で遮断できる
ものは塩化ビニリデン系共重合体を除いては稀有であ
る。そのため、塩化ビニリデン系共重合体を塗工したフ
ィルムはおもに食品包装材料として広く使用されてい
る。
【0003】塩化ビニリデン系コーティング剤の中で
も、塩化ビニリデン系共重合体の粉末を有機溶剤に溶解
した溶剤系のコーティング剤は、エマルジョン系のコー
ティング剤に比べ、界面活性剤等の水溶性物質を含んで
いないため、被膜のバリアー性が非常に優れている。ま
た、塩化ビニリデン系樹脂はプラスチックフィルムに対
する接着力が十分ではない。そのため、塩化ビニリデン
系エマルジョンをプラスチックフィルム上に塗布する場
合には、塩化ビニリデン系エマルジョンを塗布する前に
溶剤系の接着剤を塗布するが、溶剤系の塩化ビニリデン
系コーティング剤の場合には一般にコーティング剤の中
に接着増強剤を添加して塗布する。この場合、添加する
接着増強剤はイソシアネート化合物が最も好ましい。し
かし、イソシアネート化合物をコーティング剤に添加す
ると、被膜のバリヤー性が低下し、さらに被膜が著しく
着色するという問題がある。
【0004】溶剤系の塩化ビニリデン系コーティング剤
として、例えば、特公昭47ー38627号公報、米国
特許第3297666号、第3817780号およびイ
ギリス特許1333566号の各明細書に溶剤系コーテ
ィング剤に使用する各種の塩化ビニリデン系共重合体が
提案されている。しかし、近年の市場の要求レベルの高
度化に伴い、従来よりさらにバリヤー性及び耐変色性の
優れたコーティング剤が現在求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の塩化
ビニリデン系コーティング剤に比し優れたバリヤー性と
耐変色性に優れた溶剤系の塩化ビニリデン系コーティン
グ剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するため鋭意検討した結果、特定のモノマー組成か
らなる塩化ビニリデン系共重合体が優れたバリヤー性と
耐変色性を有することを見い出し、本発明を完成するに
至った。すなわち本発明は、塩化ビニリデン88〜93
重量%とメタクリロニトリル11.5〜7重量%、アク
リル酸0.3〜2.0重量%からなるモノマー混合物を
乳化重合することにより得られるバリヤー性、耐変色性
に優れた塩化ビニリデン系共重合体に関するものであ
る。
【0007】また本発明は、塩化ビニリデン88〜93
重量%とメタクリロニトリル11.5〜7重量%、アク
リル酸0.3〜2.0重量%からなるモノマー混合物を
乳化重合することにより得られる塩化ビニリデン系共重
合体とイソシアネート化合物を有機溶剤に溶解したバリ
ヤー性、耐変色性に優れたコーティング剤に関するもの
である。更にまた本発明は、プラスチックフィルム層
と、前記の塩化ビニリデン系共重合体の層で構成された
バリヤー性、耐変色性に優れた積層フィルムに関するも
のである。
【0008】ここでいうプラスチックフィルムは特に限
定されないが、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポ
リイミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリビニル
アルコール、セロファン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、エチレンービニルアルコール共重合体、ポリカーボ
ネート等が挙げられる。本発明の塩化ビニリデン系共重
合体は、塩化ビニリデンの比率が93重量%を越える場
合には、溶媒に対する溶解性に乏しくなり通常の溶解条
件では完全溶解しなくなるため好ましくない。また、8
8重量%未満の場合にはバリヤー性に乏しく、かつ本発
明のバリヤー性などの効果が小さくなるため好ましくな
い。そのため共重合体の塩化ビニリデン含有量は88〜
93重量%の範囲内であることが必要であり、90〜9
2重量%の範囲内であることがより好ましい。
【0009】また、アクリル酸は0.3重量%未満の場
合には密着性に乏しくなり好ましくない。また、2重量
%を越える場合にはバリヤー性が低下し好ましくない。
そのため共重合体中のアクリル酸含有量は0.3〜2重
量%の範囲内であることが必要であり、0.5〜1.5
重量%の範囲内であることがより好ましい。また、メタ
クリル酸、イタコン酸、マレイン酸等のアクリル酸以外
の不飽和カルボン酸を共重合させた場合には、イソシア
ネート化合物をコーティング剤中に添加した場合に着色
し易くなり好ましくない。よって、不飽和カルボン酸と
してアクリル酸は必須成分である。
【0010】また、塩化ビニリデンと共重合させる単量
体として、アクリル酸以外にはメタクリロニトリルだけ
を共重合させた場合が最もバリヤー性に優れ好ましい。
しかし、樹脂組成物中に1重量%未満ならば他のモノマ
ーを共重合させる単量体として加えてもよい。共重合可
能な単量体としては、塩化ビニル、アクリル酸メチ
ル、、メタクリル酸メチル、アクリロニトリルのうち一
種又は二種以上を選択して用いることができる。本発明
に用いる有機溶剤は、良溶媒単独あるいは良溶媒と貧溶
媒の混合物である。良溶媒としては、テトラヒドロフラ
ン、メチルエチルケトン等が挙げられるが特にテトラヒ
ドロフランが好ましい。また貧溶媒としては、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブ
チル等のエステル類などが挙げられるが、特にトルエン
が好ましい。
【0011】また、本発明のコーティング剤に添加する
イソシアネート化合物とはイソシアネート基を有する化
合物であり、例えばトリレンジイソシアネート等の芳香
族ジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環族
ジイソシアネート或いはこれらイソシアネート化合物の
二量体や多量体、あるいは多価アルコールにジイソシア
ネートを付加させた化合物等が挙げられる。イソシアネ
ート化合物の添加量は少ないほどバリヤー性の低下が少
なくて好ましいが、基材フィルムとの密着性のため、あ
る程度の量は必ず必要である。そのため、イソシアネー
ト化合物の添加量は基材フィルムの種類により異なる
が、通常塩化ビニリデン系共重合体100重量%に対し
1〜4重量%の範囲内が好ましい。
【0012】本発明において塩化ビニリデン系共重合体
の粉体を作成する好ましい方法としては、乳化重合にて
得られた水分散体を凝固剤水溶液中に添加して凝集させ
たのち、洗浄、乾燥させて得る方法が挙げられる。この
場合、水分散体を凝固剤水溶液に添加したときにポリマ
ー粒子が凝集する温度に調整しておくことが必要であ
る。また、この方法において使用される凝固剤の具体例
としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、リン酸な
どの酸類あるいは塩化ナトリウムなどのアルカリ金属
塩、塩化カルシウム、硫酸マグネシウムなどのアルカリ
土類金属塩、硫酸アルミニウムなどのアルミニウム金属
塩が挙げられ、これらを単独あるいは混合して使用でき
る。添加量は特に限定されないが、通常は共重合体に対
し0.05〜10重量%程度であり、添加量が少ないほ
ど粉末に含有される量を減少させることができるため好
ましい。
【0013】また、塩化ビニリデン系共重合体の水分散
体を凝集させる方法例としては、他に以下の方法が挙げ
られる。 1)メタノール、トルエン等の貧溶媒中に塩化ビニリデ
ン系共重合体の水分散体を滴下もしくはノズルより液中
に噴出させることにより凝集させる方法。 2)塩化ビニリデン系共重合体の水分散体を高速で攪拌
することにより凝集させる方法。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、実施例などにより本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明は実施例などにより
限定されるものではない。また、例中で単に部または%
としているのは、重量部または重量%のことである。な
お、物性評価は以下の方法により求めた。 (1)酸素透過率 JIS−K−7126、B法(等圧法)に準じ、OXT
RANー100(modern Control社製)
を用いて、20℃で相対湿度70%RHの条件下で酸素
透過率を測定し、測定値を乾燥塗布量2. 5g/m2 に
換算した。 (2)耐変色性 塩化ビニリデン系コーティング剤を塗布したフィルムを
ロール状に巻いた時の断面の着色度合いを目視にて判定
した。
【0015】
【実施例1】ガラスライニングを施した耐圧反応器内
に、イオン交換水100部、アルキル硫酸ナトリウム
0.1部、過硫酸ナトリウム0.6部を仕込み脱気を行
った後、内容物の温度を50℃に保った。別の容器に塩
化ビニリデン91重量%、メタクリロニトリル8.4重
量%、アクリル酸0.6重量%を計量混合してモノマー
混合物を作成した。前記反応器内にモノマー混合物10
部を添加した後、内圧が最高圧よりも0.02MPa 降下した
ら前述のモノマー混合物の残り90部を16時間かけて
全量連続添加した。モノマー混合物を全量添加した後内
圧が0.05MPa 降下するまで反応を進行させて塩化ビニリ
デン系共重合体の水分散体を得た。得られた塩化ビニリ
デン系共重合体の水分散体30gを60℃に加温した塩
化カルシウムの3%水溶液100gの中に攪拌しながら
少しずつ滴下した後、生成した凝集物を水洗、乾燥して
白色の粉末を得た。
【0016】こうして得られた塩化ビニリデン系共重合
体の粉末10gをテトラヒドロフラン30g、メチルエ
チルケトン18g、トルエン12gの混合溶剤中に添加
後、65℃まで温度を上げてポリマーを完全溶解した。
この溶液中にイソシアネート化合物としてコロネートL
(日本ポリウレタン工業社製商品名、固形分75%)3
部を添加したのち、45℃まで冷却して1時間放置し
た。こうして得られたコーティング剤を、2軸延伸ポリ
プロピレンフィルム(厚み18μm)上に乾燥塗布量が
2.5g/m2 になるように塗工し、120℃に保った
オーブン中で30秒乾燥したのち、40℃に保ったオー
ブン中で1日間加熱処理してコートフィルムを得た。得
られたコートフィルムについて酸素透過率、耐変色性の
評価を行った。評価結果を表1に示した。
【0017】
【実施例2】実施例1のモノマー混合物を塩化ビニリデ
ン91.5重量%、メタクリロニトリル7.5重量%、
アクリル酸1重量%に変えた以外は実施例1と同様の方
法にて行いコートフィルムを得、同様に評価を行い、結
果を表1に示した。
【実施例3】実施例1のモノマー混合物を塩化ビニリデ
ン91.5重量%、メタクリロニトリル7.5重量%、
メタクリル酸メチル0.5重量%、アクリル酸0.5重
量%に変えた以外は実施例1と同様の方法にて行いコー
トフィルムを得、同様に評価を行い、結果を表1に示し
た。
【0018】
【実施例4】実施例1のモノマー混合物を塩化ビニリデ
ン90.5重量%、メタクリロニトリル9重量%、アク
リル酸0.5重量%に変えた以外は実施例1と同様の方
法にて行いコートフィルムを得、同様に評価を行い、結
果を表1に示した。
【比較例1】実施例1のモノマー混合物を塩化ビニリデ
ン91重量%、メタクリロニトリル5重量%、メタクリ
ル酸メチル3重量%、メタクリル酸1重量%にした以外
は実施例1と同様の方法にて行いコートフィルムを得、
同様に評価を行い、結果を表1に示した。
【0019】
【比較例2】実施例1のモノマー混合物を塩化ビニリデ
ン91重量%、メタクリル酸メチル8重量%、アクリル
酸1重量%にした以外は実施例1と同様の方法にて行い
コートフィルムを得、同様に評価を行い、結果を表1に
示した。
【比較例3】実施例1のモノマー混合物を塩化ビニリデ
ン91重量%、アクリロニトリル8重量%、アクリル酸
1重量%にした以外は実施例1と同様の方法にて行いコ
ートフィルムを得、同様に評価を行い、結果を表1に示
した。
【0020】
【比較例5】実施例1のモノマー混合物を塩化ビニリデ
ン91重量%、メタクリロニトリル8重量%、メタクリ
ル酸1重量%にした以外は実施例1と同様の方法にて行
いコートフィルムを得、同様に評価を行い、結果を表1
に示した。
【比較例6】実施例1のモノマー混合物を塩化ビニリデ
ン91重量%、メタクリロニトリル8重量%、イタコン
酸1重量%にした以外は実施例1と同様の方法にて行い
コートフィルムを得、同様に評価を行い、結果を表1に
示した。
【0021】
【表1】
【0022】なお、表中における略号は下記の通りであ
る。 VDC:塩化ビニリデン MAN:メタクリロニトリル AA:アクリル酸 MMA:メタクリル酸メチル AN:アクリロニトリル MAA:メタクリル酸 IA:イタコン酸 表1から明らかなように、実施例1〜4で得られた塗膜
は比較例1〜5のものに比べて、バリヤー性、耐変色性
ともに優れている。
【0023】
【発明の効果】本発明の塩化ビニリデン系コーティング
剤は従来よりもバリヤー性に優れかつ着色の程度が少な
い。そのため従来よりも少ない塗工量で同じバリヤー性
が達成でき、かつ溶剤系コーティング剤の欠点であった
着色も軽減されたためコートコスト低減及び品質の向上
を達成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08F 214/08 220:44 220:06) Fターム(参考) 4F100 AK01B AK07 AK16A AK25A AK27A AL01A AL05A BA02 EH462 EJ422 EJ862 GB15 GB23 JD01A JN28A 4J034 BA03 DA05 DB07 DD08 DP03 DP16 DP18 HA07 HB11 HC03 HC12 HC18 HC22 SA01 4J038 CD081 CG031 CG161 PB03 PC08 4J100 AC04P AJ02R AM02Q CA05 DA22 EA01 FA20 JA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニリデン88〜93重量%とメタ
    クリロニトリル11.5〜7重量%、アクリル酸0.3
    〜2.0重量%からなるモノマー混合物を乳化重合する
    ことにより得られるバリヤー性、耐変色性に優れた塩化
    ビニリデン系共重合体。
  2. 【請求項2】 塩化ビニリデン88〜93重量%とメタ
    クリロニトリル11.5〜7重量%、アクリル酸0.3
    〜2.0重量%からなるモノマー混合物を乳化重合する
    ことにより得られる塩化ビニリデン系共重合体とイソシ
    アネート化合物を有機溶剤に溶解したバリヤー性、耐変
    色性に優れたコーティング剤。
  3. 【請求項3】 プラスチックフィルム層と、請求項1記
    載の塩化ビニリデン系共重合体の層で構成されたバリヤ
    ー性、耐変色性に優れた積層フィルム。
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