JP2000302892A - ポリエステルフィルム - Google Patents

ポリエステルフィルム

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JP2000302892A
JP2000302892A JP11114839A JP11483999A JP2000302892A JP 2000302892 A JP2000302892 A JP 2000302892A JP 11114839 A JP11114839 A JP 11114839A JP 11483999 A JP11483999 A JP 11483999A JP 2000302892 A JP2000302892 A JP 2000302892A
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temperature
polyester film
stretching
polyester
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Masaaki Kotoura
正晃 琴浦
Hikari Sugii
光 杉井
Tetsuya Tsunekawa
哲也 恒川
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Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】テープの伸び変形、使用環境を想定した温湿度
条件下での寸法安定性に優れたポリエステルフィルムを
提供することにある。 【解決手段】エチレンテレフタレートを主成分とするポ
リエステルフィルムの長周期が110〜120オングス
トロームであり、赤外分光法における、874cm-1
847cm-1のピーク強度の比(I847/I874)が、
0.08以上0.15以下、874cm-1と1041c
-1のピーク強度の比(I1041/I874)が0.35以
上0.45以下であることを特徴とするポリエステルフ
ィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、従来のポリエステ
ルフィルムの物性・品質を向上させたフィルム、具体的
には、温湿度条件下での寸法安定性が良好で、厚みむら
が小さい、物性の均質性に優れた、磁気記録媒体用、プ
リンタリボン用、コンデンサー用などとして好適なポリ
エステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルムはその優れた熱安
定性、寸法安定性及び機械特性から各種用途に使用され
ているが、特に磁気テープ用などのベースフィルムとし
て、その有用性は周知である。近年、磁気テープは機材
の軽量化、小型化と長時間記録化のためにベースフィル
ムの一層の薄膜化と高密度記録化が要求されており、張
力によるテープの伸び変形、使用環境を想定した温湿度
条件下での寸法変化の改善要求がますます強くなってい
る。また、熱転写リボン用、コンデンサー用においても
薄膜化の傾向が近年、非常に強くなっている。しかしな
がら、薄膜化すると機械的強度が不十分となってフィル
ムの腰の強さが弱くなったり、伸びやすくなる為、例え
ば磁気テープ用途ではテープダメージを受けやすくなっ
たり、ヘッドタッチが悪化し電磁変換特性が低下する。
また、熱転写リボン用途では、印字する際のリボンの平
坦性が保たれず印字ムラや過転写が生じ、コンデンサー
用途では、絶縁破壊電圧が低下するといったような問題
点がある。
【0003】上記の要求に応え得るベースフィルムとし
て、従来からアラミドフィルムが、強度、寸法安定性の
点から使用されている。高価格でコストの点では不利で
あるが、代替品が無いため、使用されているのが現状で
ある。
【0004】一方、従来技術で得られている高強度化ポ
リエステルフィルム(例えば、特公昭42−9270号
公報、特公昭43−3040号公報、特公昭46−11
19号公報、特公昭46−1120号公報、特開昭50
−133276号公報、特開昭55−22915号公報
等のフィルム)では、(1)使用時にテープが切断する、
(2)幅方向の剛性不足によりエッジダメージが発生す
る、(3)応力伸び変形あるいは環境条件によって寸法変
化し、記録トラックにずれが生じて記録再生時にエラー
が発生する、(4)強度が不十分で薄膜対応が難しく、所
望の磁気変換特性が得られない、等の問題があり、大容
量の高密度磁気記録テープへの適用に際して多くの課題
が残されているのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点の解決を課題として検討した結果
達成されたものである。
【0006】すなわち、本発明の目的は、テープの伸び
変形、使用環境を想定した温湿度条件下での寸法変化に
優れたポリエステルフィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、ポリエステルフィ
ルムの長周期とFT−IRから求めたピーク強度の比が
特定の範囲に入っていることが極めて有効であることを
見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】すなわち、本発明の骨子は、エチレンテレ
フタレートを主成分とするポリエステルフィルムの長周
期が110〜120オングストロームであり、赤外分光
法における、874cm-1と847cm-1のピーク強度
の比(I847/I874)が、0.08以上0.15以下、
874cm-1と1041cm-1のピーク強度の比(I10
41/I874)が0.35以上0.45以下であることを
特徴とするポリエステルフィルムである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を説明する。
【0010】本発明のポリエステルフィルムを構成する
ポリエステルとは、酸成分として、テレフタル酸を少な
くとも80モル%以上含有するポリマーである。酸成分
については、少量の他のジカルボン酸成分を共重合して
もよく、またエチレングリコールを主たるジオール成分
とするが、他のジオール成分を共重合成分として加えて
もかまわない。
【0011】テレフタル酸以外のジカルボン酸成分とし
ては、芳香族ジカルボン酸成分として例えば、イソフタ
ル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、
1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、
4,4’−ジフェニルエ−テルジカルボン酸、4,4’
−ジフェニルスルホンジカルボン酸等を用いることがで
きる。脂環族ジカルボン酸成分としては例えば、シクロ
ヘキサンジカルボン酸等を用いることができる。脂肪族
ジカルボン酸成分としては例えば、アジピン酸、スベリ
ン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等を用いることが
できる。これらの酸成分は1種のみ用いてもよく、2種
以上併用してもよく、さらには、ヒドロキシエトキシ安
息香酸等のオキシ酸等を一部共重合してもよい。また、
エチレングリコール以外のジオール成分としては例え
ば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサ
ンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレン
グリコール、2,2’−ビス(4’−β−ヒドロキシエ
トキシフェニル)プロパン等を用いることができる。こ
れらのジオール成分は1種のみ用いてもよく、2種以上
併用してもよい。また、エチレンテレフタレートを主成
分とするポリエチレンテレフタレートには、トリメリッ
ト酸、ピロメリット酸、グリセロール、ペンタエリスリ
トール、2,4−ジオキシ安息香酸、ラウリルアルコー
ル、イソシアン酸フェニル等の単官能化合物等の他の化
合物を、ポリマーが実質的に線状である範囲内で共重合
されていてもよい。このうち、ポリアルキレングリコー
ルやポリエーテルジカルボン酸の平均分子量としては、
好ましくは400〜40,000であり、さらに好まし
くは600〜20,000、より好ましくは1,000
〜10,000である。もちろん、複数の芳香族二塩基
酸と複数のグリコールからなる共重合体であってもよ
い。
【0012】本発明のポリエステルフィルムは、ポリエ
ステルフィルムの長周期が110〜120オングストロ
ームであることが必要である。長周期とは、ポリエステ
ルフィルムの結晶部と非晶部を1つの繰り返し単位とみ
なして、その長さを求めたものである。この長周期が1
10オングストローム未満であると、結晶部の成長が不
十分であり、寸法安定性が悪化してしまう。逆に、長周
期が120オングストロームより大きくなると、結晶部
も成長するが非晶部の占める割合も大きくなり、結果的
に寸法安定性が悪化する。
【0013】本発明のポリエステルフィルムはフーリエ
変換赤外分光法(FT−IR)における、874cm-1
と847cm-1のピーク強度の比(I847/I874)が、
0.08以上0.15以下、874cm-1と1041c
-1のピーク強度の比(I1041/I874)が0.35以
上0.45以下であることが必要である。ピーク強度の
比(I847/I874)は、好ましくは、0.1以上0.1
3以下、ピーク強度の比(I1041/I874)は、好まし
くは、0.37以上0.43以下、さらに好ましくは。
0.39以上0.41以下である。ここで、874cm
-1は、ポリエチレンテレフタレート中のテレフタル酸の
ベンゼン環部分の吸収を表すバンドであり、これを基準
バンドとした。847cm-1は、ポリエチレンテレフタ
レートのトランス構造に由来するバンドである。104
1cm-1は、ポリエチレンテレフタレートのゴーシュ構
造に由来するバンドである。また、ポリエチレンテレフ
タレートには、トランス構造でもなく、ゴーシュ構造で
もない、中間的な構造も存在する。
【0014】ピーク強度の比(I847/I874)が、0.
08未満であると、ポリエステルフィルム中においてト
ランス構造をとっている分子が少ないことを示してお
り、機械特性が悪化する。逆に、強度比が、0.15よ
り大きくなると、トランス構造をとっている分子が多く
なり、寸法安定性が悪化したり、製膜中に破れやすくな
り生産性が低下する。
【0015】ピーク強度の比(I1041/I874)が、
0.35未満になると、ゴーシュ構造をとっている分子
が少なくなるが、工業的に製膜することができない。逆
に、0.45よりも大きくなると、ゴーシュ構造をとっ
ている分子が多くなりすぎ、機械的特性が低下してしま
う。
【0016】本発明のポリエステルフィルムは特に限定
されないが、フーリエ変換赤外分光法における、874
cm-1と989cm-1のピーク強度の比(I989/I87
4)が、1.1以上、1.4以下であることが好まし
い。さらに好ましくは、1.15以上1.35以下、最
も好ましくは、1.2以上1.3以下である。ここで、
989cm-1は、ポリエチレンテレフタレートの折り畳
み(フォールディング)構造に由来するバンドである。
ピーク強度の比(I989/I874)は、寸法安定性の観点
からは、1.1以上、機械強度の観点からは、1.4以
下であることが好ましい。
【0017】本発明のポリエステルフィルムの密度は、
特に限定されないが、1.39g/cm3以上から1.
405g/cm3以下の範囲が好ましい。さらに好まし
くは、1.393g/cm3以上1.403g/cm3
下である。本発明のポリエステルフィルムの密度は十分
構造固定し、幅方向寸法安定率やテープの保存性が良好
であるための観点からは、1.39g/cm3以上が好
ましく、また、フィルムの引裂伝播抵抗を維持し、テー
プ切断抑制の観点や走行耐久性の観点からは、ポリエス
テルフィルムの密度は1.405g/cm3以下が好ま
しい。
【0018】本発明のポリエステルフィルムは、最近の
用途においては、ハードウェアの高性能化により、特に
高度な厚み均一性が要求されつつある。そのため、特に
限定されないが、ポリエステルフィルムの長手方向の厚
みむらが、5%以下であることが好ましい。さらに好ま
しくは4%以下、より好ましくは2%以下である。フィ
ルムの厚い部分と薄い部分の厚みに差が小さく、物性の
差を小さくする観点からポリエステルフィルムの長手方
向の厚みむらが、5%以下であることが好ましい。例え
ば、磁気材料用途では、走行耐久性の向上、片伸びの抑
制、フィルムにコーティングなどの加工処理、あるい
は、一定幅へのスリット処理など二次加工をする際の蛇
行や巻き乱れなどのトラブル防止、感熱孔版原紙やプリ
ンターリボンなどの用途では、印字後の印字濃度のむら
となり、仕上がりが不鮮明になることの防止や、電気絶
縁やコンデンサーの用途では、フィルムの薄い部分で絶
縁破壊を起こし、装置の故障防止の点からも、長手方向
の厚みむらが小さいことが好ましい。
【0019】本発明のポリエステルフィルムでは、特に
限定されないが、広角X線ディフラクトメータ法による
結晶配向解析で、該ポリエステルフィルムをその法線を
軸として回転した時に得られる、該ポリエステル主鎖方
向の結晶面の回折ピークの円周方向の半価幅が55度以
上から85度以下の範囲であることが好ましい。ポリエ
ステル主鎖方向の結晶面の回折ピークの円周方向の半価
幅はポリエステルフィルムの結晶の配向の方向の分布の
広がりを表すものであり、フィルムの引裂伝播抵抗が小
さくなってテープ破断を防止する観点から、この半価幅
が55度以上であることが好ましく、また、フィルムの
面内の全方位に高強度であるフィルムを得る観点から
は、半価幅が85度以下であることが好ましい。ここ
で、ポリエステル主鎖方向の結晶面とは、広角X線ディ
フラクトメータ法によって回折ピークとして検知される
結晶面の中で、その法線がポリエステル主鎖方向に最も
近い結晶面であり、ポリエチレンテレフタレートでは
(−105)面である。前記半価幅は、60度以上から
83度以下の範囲がより好ましく、65度以上から80
度以下の範囲が、本発明の効果を得る上で最も好まし
い。
【0020】本発明のポリエステルフィルムのポリエス
テル主鎖方向の結晶サイズは、特に限定されないが、4
5オングストローム以上から90オングストローム以下
の範囲であることが好ましい。ここで、ポリエステル主
鎖方向とは、ポリエステル主鎖方向に最も近い、結晶面
の法線方向であり、ポリエチレンテレフタレートでは
(−105)面の法線方向である。テープの伸び変形抑
制、エッジダメージの発生防止やテープ加工後の保存安
定性の観点から、該結晶サイズは45オングストローム
以上であることが好ましい。また、テープ破断抑制の観
点からは、結晶サイズが90オングストローム以下であ
ることが好ましい。該結晶サイズは、使用するポリエス
テルによって変わるが、ポリエチレンテレフタレートの
場合、50オングストローム以上から85オングストロ
ーム以下の範囲が好ましく、55オングストローム以上
から80オングストローム以下の範囲がより好ましい。
【0021】本発明のポリエステルフィルムは、特に限
定されないが、フィルム幅方向における長手方向の10
0℃の熱収縮率の最大値と最小値の差が、0〜0.3%
であることが好ましい。さらに好ましくは、0〜0.2
%、最も好ましくは、0〜0.1%である。幅方向の寸
法安定性や巻き特性、テープ走行耐久性やテープ加工時
の皺発生抑制、フィルム物性の均質性の観点からは、長
手方向の100℃の熱収縮率の最大値と最小値の差が、
0〜0.3%であることが好ましい。
【0022】本発明のポリエステルフィルムは、特に限
定されないが、固有粘度が0.58dl/g以上、好ま
しくは0.65dl/g以上、さらに好ましくは0.8
dl/g以上、最も好ましくは固有粘度1dl/g以上
のポリエステルが好ましい。かかる固有粘度の高いポリ
エステルを得る手段としては、ポリエステルチップを固
相重合する方法が最も好ましく用いられる。機械強度の
観点から、ポリエステルフィルムの固有粘度は0.58
dl/g以上が好ましい。
【0023】本発明のポリエステルフィルムは、特に限
定されないが、長手方向の弾性率と幅方向の弾性率の和
が、12GPa以上、好ましくは13GPa以上、さら
に好ましくは15GPa以上である。フィルムの機械強
度および寸法安定性の観点から、弾性率の和は12GP
a以上であることが好ましい。
【0024】本発明のポリエステルフィルムを磁気記録
テープ用に使用する場合、磁気記録面の表面粗さ(R
a)は、0.2〜15nmの範囲が磁気ヘッドと磁気テ
ープとの間隔が近くなり、電磁変換特性が良くなるので
好ましい。また磁気記録面の反対側のテープ走行面の表
面粗さ(Ra)は、5〜30nmの範囲が、ベースフィ
ルムの取扱い性、フィルムのロール状への巻き上げ性な
どの観点から好ましい。このようにフィルムの表裏の表
面粗さを個別にコントロールすることは、テープの走行
性と磁気変換特性を両立させるのに非常に好ましい。こ
れを達成する方法としては、径の異なる粒子をそれぞれ
ポリエステルに添加した2種類の樹脂を共押出し、2層
以上の積層フィルムとする方法が好ましく、磁気記録面
側に薄膜を積層して3層積層とすることも好適に行うこ
とができる。2層積層フィルムの場合、磁気記録面とな
る層の厚み(A)とテープ走行面の層の厚み(B)の比
(A/B)は、80/1から3/1の範囲が好ましい。
【0025】本発明のポリエステルフィルム中には、無
機粒子や有機粒子、その他の各種添加剤、例えば酸化防
止剤、帯電防止剤、結晶核剤などを添加してもかまわな
い。また、他の樹脂、例えば主鎖にメソゲン基(液晶性
の構造単位)を有する共重合ポリエステル樹脂を少量添
加してもよい。
【0026】無機粒子の具体例としては、酸化ケイ素、
酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタンなど
の酸化物、カオリン、タルク、モンモリロナイトなどの
複合酸化物、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどの炭酸
塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、チタ
ン酸バリウム、チタン酸カリウムなどのチタン酸塩、リ
ン酸第3カルシウム、リン酸第2カルシウム、リン酸第
1カルシウムなどのリン酸塩などを用いることができる
が、これらに限定されるわけではない。また、これらは
目的に応じて2種以上用いてもかまわない。
【0027】有機粒子の具体例としては、ポリスチレン
もしくは架橋ポリスチレン粒子、スチレン・アクリル系
及びアクリル系架橋粒子、スチレン・メタクリル系及び
メタクリル系架橋粒子などのビニル系粒子、ベンゾグア
ナミン・ホルムアルデヒド、シリコーン、ポリテトラフ
ルオロエチレンなどの粒子を用いることができるが、こ
れらに限定されるものではなく、粒子を構成する部分の
うち少なくとも一部がポリエステルに対し不溶の有機高
分子微粒子であれば如何なる粒子でも良い。また有機粒
子は、易滑性、フィルム表面の突起形成の均一性から粒
子形状が球形状で均一な粒度分布のものが好ましい。
【0028】これらの粒子の粒径、配合量、形状などは
用途、目的に応じて選ぶことが可能であるが、通常は、
平均粒子径としては0.01μm以上2μm以下の範
囲、配合量としては、0.002重量%以上2重量%以
下の範囲が好ましい。
【0029】本発明のポリエステルフィルムは、特に限
定されないが、温湿度荷重負荷条件下での幅方向寸法変
化率が、0%から−0.3%であることが好ましい。こ
こでマイナスは収縮していることをあらわしている。さ
らに好ましくは、0〜−0.2%、最も好ましくは0〜
−0.1%である。テープ加工時の皺発生の抑制の観点
からは、0%より小さいことが好ましく、走行耐久性、
データの保存性等の観点からは、−0.3%よりも大き
いことが好ましい。
【0030】本発明のポリエステルフィルムは、特に限
定されないが、1/2インチ幅の磁気テープに加工し、
温湿度、張力負荷条件で走行させた時の、幅方向のオフ
トラックが1μm以下であることが好ましい。また、最
大寸法変化幅が、3μm以下であることが好ましい。オ
フトラックについては、さらに好ましくは0.8μm以
下、最も好ましくは0.5μm以下である。オフトラッ
クは、テープの巻き姿、ドロップアウト抑制の観点か
ら、1μm以下であることが好ましい。最大寸法変化幅
については、さらに好ましくは、2.5μm以下、最も
好ましくは1.5μm以下である。最大寸法変化幅につ
いても、テープの走行耐久性やデータの保存性の観点か
ら、3μm以下が好ましい。
【0031】本発明のポリエステルフィルムにおいて
は、特に限定されないが、フィルムの厚み方向の屈折率
(nZD)は、1.47以上から1.485以下、面配向
係数(fn)は0.175以上から0.195以下の範
囲が好ましい。本発明の厚み方向の屈折率(nZD)が
1.485を越え、面配向係数(fn)が0.175未
満の場合は、磁気テープの走行時に、テ−プにかかる応
力による伸び変形が起こりやすくなり、トラックずれを
起こしやすくなる。また厚み方向の屈折率(nZD)が
1.47未満で、面配向係数(fn)が0.195を越
える場合は、フィルムの引裂伝播抵抗が小さくなり、テ
ープ破断が生じ易くなるので注意すべきである。本発明
のフィルムの厚み方向の屈折率(nZD)は、1.473
以上から1.482以下、面配向係数(fn)は0.1
8以上から0.193以下の範囲がより好ましい。
【0032】本発明のポリエステルフィルムは、特に限
定されないが、温度膨張係数(α)が、−10×10-6
(/℃)〜10×10-6(/℃)の範囲にあることが好
ましい。ここで、−(マイナス)は収縮することを示し
ている。さらに好ましくは、−8×10-6(/℃)〜8
×10-6(/℃)、最も好ましくは、−5×10-6(/
℃)〜5×10-6(/℃)である。温湿度条件下での寸
法安定性の観点からは、温度膨張係数は、−10×10
-6(/℃)〜10×10-6(/℃)の範囲にあることが
好ましい。
【0033】また、湿度膨張係数(β)は、特に限定さ
れないが、−2×10-6(/%RH)〜15×10
-6(/%RH)の範囲にあることが好ましい。さらに好
ましくは、−1×10-6(/%RH)〜10×10
-6(/%RH)、最も好ましくは、0×10-6(/%R
H)〜5×10-6(/%RH)である。温度膨張係数と
同様、湿度膨張係数も温湿度条件下での寸法安定性の観
点から、−2×10-6(/%RH)〜15×10-6(/
%RH)の範囲にあることが好ましい。
【0034】本発明のポリエステルフィルムは、特に限
定されないが、誘電正接(tanδ)の立ち上がり温度
が、95℃以上であることが好ましい。さらに好ましく
は、100℃以上、最も好ましくは105℃以上であ
る。tanδ立ち上がり温度は分子鎖が動き始める温度
を示しており、高いほど好ましい。寸法安定性の観点か
らは、tanδ立ち上がり温度は、95℃以上であるこ
とが好ましい。
【0035】本発明のポリエステルフィルムの厚みは、
用途、目的に応じて適宜決定できるが、0.5〜500
μmが好ましい。通常磁気記録媒体用途では1μm以上
から20μm以下の範囲が好ましい。データ用塗布型磁
気記録媒体用途では2μm以上から15μm以下の範囲
が好ましく、データ用蒸着型磁気記録媒体用途では3μ
m以上から9μm以下の範囲が好ましい。
【0036】本発明のポリエステルフィルムは単膜でも
よいが、これに他のポリマー層、例えばポリエステル、
ポリオレフィン、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ア
クリル系ポリマー等を積層してもよい。
【0037】本発明のポリエステルフィルムは一軸ある
いは二軸に延伸・熱処理した配向フィルムである方が、
寸法安定性、弾性率等の点から好ましい本発明のポリエ
ステルフィルムは、特に限定されないが、磁気記録媒体
用、写真用、コンデンサー用、電絶用、包装用、製図
用、リボン用等に用いることができる。
【0038】次に本発明のポリエステルフィルムの製造
法について説明する。ただし、本発明の要旨を越えない
限り、本発明は以下の説明によって限定されるものでな
いことは無論である。
【0039】本発明のポリエステルフィルムは、ポリエ
ステル樹脂を溶融成形したシートを、長手方向と幅方向
に逐次二軸延伸または/および同時二軸延伸により延伸
配向を付与したフィルムであり、二軸延伸を多段階の温
度で順次に延伸を重ねて、高度に配向させることにより
得られる。
【0040】以下では、まず好ましい製造法をポリエチ
レンテレフタレート(以後、PETと略称する)フィル
ムの逐次二軸延伸を具体例として説明する。
【0041】PETのペレット(固有粘度:0.65d
l/g、ガラス転移温度Tg:75℃、融点:255
℃)を真空下で十分に乾燥して、270〜300℃の温
度に加熱された押出機に供給し、T型口金よりシート状
に押し出す。この溶融されたシートを、表面温度10〜
40℃に冷却されたドラム上に静電気力で密着させて冷
却固化し、無配向状態のポリエステルフィルムを得る。
【0042】このポリエステルフィルムを、下記
(1)、(2)のような製膜方法でフィルムを延伸、熱
固定する。 (1)無配向状態のポリエステルフィルムを十分加熱さ
れた数本のロール上を通過させて十分加熱した後、ロー
ルの周速差を利用して縦方向に延伸する。延伸温度はポ
リエステルのガラス転移温度(Tg)+10℃〜(T
g)+70℃が好ましく、より好ましくは延伸温度が
(Tg)+15℃〜(Tg)+65℃で延伸することで
ある。延伸倍率は、3〜7倍、好ましくは、3.5倍〜
6倍である。高倍率延伸を行う観点からは、延伸温度が
ポリエステルのガラス転移温度(Tg)+10℃以上で
あることが好ましく、分子を有効に配向させて高弾性フ
ィルムを得る観点からは、ガラス転移温度(Tg)+7
0℃以下の延伸温度が好ましい。
【0043】次に、得られた縦延伸後のフィルムを続い
て横方向に延伸する。横方向への延伸方法としては、従
来から用いられているステンターを用いて行えばよい。
延伸温度は先の縦延伸温度と同様にポリエステルのガラ
ス転移温度(Tg)+10℃〜(Tg)+70℃で延伸
されることが好ましく、より好ましくは延伸温度が(T
g)+15℃〜(Tg)+65℃の範囲である。延伸倍
率は、3〜7倍、好ましくは、3.5倍〜6倍である。
このあとさらに、再縦あるいは/および再横延伸を行っ
てもよいし、熱固定工程において、少なくとも1ゾーン
以上で1〜2倍延伸してもよい。横延伸条件も縦延伸条
件と同様に、高倍率延伸の観点から、延伸温度がポリエ
ステルのガラス転移温度(Tg)+10℃以上であるこ
とが好ましく、分子を有効に配向させる観点からは、ガ
ラス転移温度(Tg)+70℃以下の延伸温度が好まし
い。
【0044】熱固定温度は205℃〜230℃が好まし
く、さらに好ましくは、210℃〜220℃である。続
いて弛緩処理を行うことが好ましい。弛緩処理は2段階
以上で行うことが好ましく、例えば1段目の処理を、1
40℃から170℃、弛緩率3〜10%、さらに好まし
くは、4〜8%で行い、2段目の弛緩処理を95℃〜1
20℃、弛緩率2〜5%、好ましくは2〜4%で行うこ
とが好ましい。寸法安定性の観点から、熱固定温度は、
205℃以上、弛緩率は5%以上が好ましい。 (2)無配向状態のポリエステルフィルムをまず縦方向
に延伸する。ポリエステルフィルムを十分加熱された数
本のロール上を通過させて十分加熱した後、ロールの周
速差を利用して縦方向に延伸する。延伸温度はポリエス
テルのガラス転移温度(Tg)〜(Tg)+60℃、延
伸倍率は1.2倍〜3倍の範囲で延伸されることが好ま
しく、より好ましくは延伸温度が(Tg)+15℃〜
(Tg)+45℃、延伸倍率が1.5倍〜2.5倍の範
囲である。
【0045】得られた縦延伸後のフィルムを続いて横方
向に延伸する。横方向への延伸方法としては、従来から
用いられているステンターを用いて行えばよい。横延伸
温度(T1)は先の縦延伸温度と同様にポリエステルの
ガラス転移温度(Tg)〜(Tg)+60℃、延伸倍率
が1.2倍〜3倍の範囲で延伸されることが好ましく、
より好ましくは延伸温度が(Tg)+15℃〜(Tg)
+45℃、延伸倍率が1.5倍〜2.5倍の範囲であ
る。
【0046】このようにして得られた縦横二軸延伸フィ
ルムの複屈折(Δn)は、0〜0.02の範囲、好まし
くは0〜0.01の範囲であることが好ましい。複屈折
が上記範囲内である場合は、フィルム縦方向および横方
向にバランスのとれた機械強度や優れた熱収縮特性を有
するフィルムを得ることができる。また、複屈折率が
0.02を超える場合は、延伸性が悪化し、また上記の
ようなバランスのとれた械強度や優れた熱収縮特性を有
するフィルムを得ることができない。
【0047】上記のようにして得られた縦横二軸延伸フ
ィルムを同一ステンター内で横方向に再横延伸する。再
延伸温度(T2)は先の横延伸温度(T1)−10℃〜
(T1)−50℃、延伸倍率は1.2〜4倍の範囲で行
うことにより、横方向に無理なく延伸でき、横方向の機
械強度を向上させることができ、また横延伸後に再縦延
伸、再々横延伸を行う場合の延伸性も良好となるので好
ましい。より好ましくは延伸温度が先の横延伸温度(T
1)−20℃〜(T1)−40℃、延伸倍率が2〜3倍
の範囲である。また、横延伸後に必要に応じて熱処理を
行うこともできる。
【0048】さらに上記のようにして得られたフィルム
を再縦延伸する。延伸温度は先の再横延伸温度(T2)
〜(T2)+60℃、延伸倍率は1.2〜6倍の範囲で
行うことにより、縦方向に好適な配向が付与され縦横バ
ランスのとれたフィルムとなるので好ましい。より好ま
しくは延伸温度が先の再横延伸温度(T2)+5℃〜
(T2)+55℃、延伸倍率は2〜5倍の範囲である。
また、再縦延伸を行うに際して上記延伸温度、倍率の範
囲内であれば1段階の延伸でも、2段階以上の温度勾配
をつけた多段延伸でもよい。
【0049】また、本発明では、再縦延伸後、再々横延
伸を行うこともできる。再々横延伸は、延伸温度が先の
再縦延伸温度〜ポリエステルの融解温度(Tm)−20
℃、延伸倍率が1.05倍〜3倍の範囲で行うことが好
ましい。
【0050】このようにして得られたポリエステルフィ
ルムは、平面性、熱寸法安定性を付与するために、弛緩
下で熱固定が施され、均一に徐冷後室温まで冷やして巻
き取られる。熱固定温度は205℃〜230℃が好まし
く、さらに好ましくは、210℃〜220℃が好まし
い。続いて弛緩処理を行うことが好ましい。弛緩処理は
2段階以上で行うことが好ましく、例えば1段目の処理
を、140℃から170℃、弛緩率3〜10%、さらに
好ましくは、4〜8%で行い、2段目の弛緩処理を95
℃〜120℃、弛緩率2〜5%、好ましくは2〜4%で
行うことが好ましい。寸法安定性の観点から、熱固定温
度は、205℃以上、弛緩率は5%以上が好ましい。
【0051】
【実施例】以下、次に本発明の効果をより明確にするた
めに実施例、比較例を示す。なお、ここで用いた物性の
測定方法と効果の評価方法は次のとおりである。
【0052】
【物性の測定方法ならびに効果の評価方法】(1)フー
リエ変換IR法から求めたピーク強度 1回反射ATR法を用い、試料にはS偏光をかけて測定
した。 <測定条件> 分光器 FTS−55A(Bio Rad Digilab 製) 付属装置 1回反射ATR用アタッチメントおよび偏光板 光源 特殊セラミックス 分解能 4cm-1 IRE Ge 検出器 MCT 積算回数 512回 入射角 45° 長手方向、幅方向について、各バンドの強度をそれぞれ
求めて、比を計算する。
【0053】長手方向および幅方向の平均値を各ピーク
強度比とした。 (2)(−105)面の長周期(オングストローム) ・分析方法:小角X線散乱写真 X線発生装置 (株)理学電機社製 RU−200(回転対陰極型) X線源:CuKα線(Niフィルター使用) 出力 :50Kv 150mA スリット系:0.5mmφ 撮影条件 カメラ半径:405mm 露出時間 :120分 フィルム :Kodak DEF−5 X線カメラ:Kissigカメラ 小角X線散乱写真上の散乱点間距離rから、下記のBr
aggの式を用いて算出した。
【0054】 J=λ/2sin[{tan-1(r/R)}/2] J:長周期 R:カメラ半径(=405mm) λ:X線の波長(=1.5418オングストローム) (3)結晶サイズ(オングストローム) 広角X線回折(ディフラクトメータ)法 X線回折装置 (株)理学電機社製 4036A2型(管球型) X線源:CuKα線(Niフィルター使用) 出力 :40Kv 20mA ゴニオメータ (株)理学電機社製 スリット:2mmφ−1°−1° 検出器 シンチレーションカウンター 計数記録装置 (株)理学電機社製 RAD−C型 測定条件 スキャン方法 :ステップスキャン 測定範囲 :2θ=10〜55° ステップ :0.05° 積算時間 :2秒 2cm×2cmに切り出して、方向をそろえて重ね合わ
せ、コロジオン・エタノール溶液で固めた試料をセット
して、広角X線回折測定で得られた2θ/θ強度データ
のうち、各方向の面の半価幅から、下記のScherr
erの式を用いて計算した。
【0055】L=Kλ/β0 cosθB L :結晶サイズ(オングストローム) K :定数(=1.0) λ :X線の波長(=1.5418オングストロー
ム) θB :ブラッグ角 β0=(βE−βI1/2 βE :見かけの半値幅 βI :装置定数(=1.046×10-2) (4)広角X線回折法によるフィルムの結晶面回折ピー
クの円周方向の半価幅X線回折装置((株)理学電機社
製 4036A2型(管球型))を用いて下記の条件
で、ディフラクトメータ法により測定した。
【0056】 X線回折装置 (株)理学電機社製 4036A2型(管球型) X線源 :CuKα線(Niフィルター使用) 出力 :40kV 20mA ゴニオメータ (株)理学電機社製 スリット :2mmφ−1゜−1゜ 検出器 :シンチレーションカウンター 計数記録装置 (株)理学電機社製 RAD−C型 2θ/θスキャンで得られた結晶面の回折ピーク位置
に、2cm×2cmに切り出して、方向をそろえて重ね
合わせた試料およびカウンターを固定し、試料を面内回
転させることにより円周方向のプロファイルを得る(β
スキャン)。βスキャンで得られたピークプロファイル
のうち、ピークの両端の谷部分をバックグランドとし
て、ピークの半価幅(deg)を計算した。 (5)フィルム厚みむら(%) アンリツ株式会社製フィルムシックネステスタ KG6
01Aおよび電子マイクロメータ K306Cを用い、
フィルムの長手方向に30mm幅、2m長さにサンプリ
ングしたフィルムを連続的に厚みを測定する。だたし、
厚みむらは、いちばん最初に延伸された方向に測定する
ものとする。フィルムの搬送速度は3m/分とした。2
m長での厚み最大値Tmax(μm)、最小値Tmin
(μm)から、 R=Tmax−Tmin を求め、Rと2m長の平均厚みTave(μm)から 厚みむら(%)=(R/Tave)×100 として求めた。 (6)弾性率(GPa) ASTM−D882に規定された方法に従って、インス
トロンタイプの引張試験機を用いて測定した。測定は下
記の条件とした。
【0057】測定装置:オリエンテック(株)製フイル
ム強伸度自動測定装置“テンシロンAMF/RTA−1
00” 試料サイズ:幅10mm×試長間100mm、 引張り速度:200mm/分 測定環境:温度23℃、湿度65%RH (7)熱収縮率(%) JIS C2318に従って、測定した。
【0058】 試料サイズ:幅10mm、標線間隔200mm 測定条件:温度80℃、処理時間30分、無荷重状態 80℃熱収縮率を次式より求めた。
【0059】 熱収縮率(%)=[(L0−L)/L0]×100 L0:加熱処理前の標線間隔 L:加熱処理後の標線間隔 (8)温度膨張係数(/℃) フィルムを幅4mmにサンプリングし、試長15mmに
なるように、真空理工(株)製TMA TM−3000
および加熱制御部TA−1500にセットした。
【0060】15%RHの条件下、0.5gの荷重をフ
ィルムにかけて、温度を室温(23℃)から50℃まで
上昇させた後、いったん、室温まで温度を戻した。その
後、再度温度を室温から50℃まで上昇させた。そのと
きの、30℃から40℃までのフィルムの変位量(ΔL
μm)を測定した。フイルムの変位量は、カノープス
電子(株)製ADコンバータADX−98Eを介して、
日本電気(株)製パーソナルコンピューターPC−98
01により求め、次式から温度膨張係数を算出した。
【0061】温度膨張係数=(ΔL/15×103)/
(40−30) (9)湿度膨張係数(/%RH) フィルムを幅4mmにサンプリングし、試長15mmに
なるように、真空理工(株)製TMA TM−3000
および加熱制御部TA−1500にセットした。
【0062】室温(23℃)下で、湿度を10%RHか
ら80%RHまで変化させ、変位量(ΔL μm)を測
定した。フイルムの変位量は、カノープス電子(株)製
ADコンバータADX−98Eを介して、日本電気
(株)製パーソナルコンピューターPC−9801によ
り求め、次式から湿度膨張係数を算出した。
【0063】温度膨張係数=(ΔL/15×103)/
(80−10) (10)密度(g/cm3) JIS−K7112の密度勾配管法により、臭化ナトリ
ウム水溶液を用いてフィルムの密度を測定した。また、
この密度を用いて、ポリエステルの結晶密度、非晶密度
から次式で結晶化度(%)を求めた。
【0064】 結晶化度(%)= [(フィルム密度−非晶密度)/(結晶密度−非晶密度)]×100 PETの場合:非晶密度:1.335g/cm3 結晶密度:1.455g/cm3 (11)tanδ(誘電正接)立ち上がり温度(℃) “RHEOVIBRON”DDV−II−EA[非共振強
制伸張振動型装置(株)ORIENTEC製]を用い、
駆動周波数110Hz、測定温度領域:−130〜23
0℃、窒素ガス気流中で実施した。詳細な測定条件を下
に記す。
【0065】 試料長 :40mm 試料幅 :4 mm 振動変位(歪み):16μm(片振幅) 初荷重 :約15g 昇温速度 :2℃/分 測定温度間隔 :2℃ 測定方向 :長手方向 および幅方向 測定雰囲気 :窒素ガス 試験室雰囲気 :23±2℃、50±5%RH 上記条件下で測定したデータをもとに、tanδを縦軸
(0〜0.25)、温度(−150℃〜200℃)を横
軸としたグラフを作成し、tanδが徐々に大きくなっ
ている部分から直線を引き、温度軸との交点をtanδ
立ち上がり温度とした。 (12)屈折率および面配向係数(fn) 屈折率は、JIS K7105に規定された方法に従っ
て、ナトリウムD線を光源として、(株)アタゴ製のア
ッペ屈折率計4型を用いて測定した。なおマウント液は
ヨウ化メチレンを用いて、23℃、65%RHにて測定
した。
【0066】面配向係数(fn)は、測定した各屈折率
から次式から求めた。
【0067】 面配向係数(fn)=(nMD+nTD)/2−nZDMD:長手方向の屈折率 nTD:幅方向の屈折率 nZD:厚み方向の屈折率 (13)TD寸法変化率(%) サンプルサイズ:長手方向 120mm、幅方向 30
mm 上記サンプルを、23℃、65%RHの条件下にて、2
4時間調湿調温した後、大日本印刷(株)製クロムマス
ク上に、サンプルを張り付け、光学顕微鏡を用いて、幅
方向の長さ(L0)を測定する。その後、49℃、90
%RH、長手方向に32MPaの荷重をかけた状態で、
72時間放置する。72時間放置後、荷重を解放し、2
3℃、65%RHの条件下にて24時間調湿調温後、幅
方向の長さ(L1)を測定した。TD寸法変化率は下記
式により求めた。
【0068】TD寸法変化率(%)=[(L1−L0)
/L0]×100 (14)磁気テープの走行耐久性および保存性 本発明のポリエステルフィルムの表面に、下記組成の磁
性塗料を塗布厚さ2.0μmになるように塗布し、磁気
配向させ、乾燥させる。次いで反対面に下記組成のバッ
クコート層を形成した後、カレンダー処理した後、60
℃で、48時間キュアリングする。上記テープ原反を1
/2インチ幅にスリットし、磁気テープとして、長さ6
70m分を、カセットに組み込んでカセットテープとし
た。 (磁性塗料の組成) ・強磁性金属粉末 : 100重量部 ・変成塩化ビニル共重合体 : 10重量部 ・変成ポリウレタン : 10重量部 ・ポリイソシアネート : 5重量部 ・ステアリン酸 : 1.5重量部 ・オレイン酸 : 1重量部 ・カーボンブラック : 1重量部 ・アルミナ : 10重量部 ・メチルエチルケトン : 75重量部 ・シクロヘキサノン : 75重量部 ・トルエン : 75重量部 (バックコートの組成) ・カーボンブラック(平均粒径20nm) : 95重量部 ・カーボンブラック(平均粒径280nm): 10重量部 ・αアルミナ : 0.1重量部 ・変成ポリウレタン : 20重量部 ・変成塩化ビニル共重合体 : 30重量部 ・シクロヘキサノン : 200重量部 ・メチルエチルケトン : 300重量部 ・トルエン : 100重量部 作成したカセットテープを、IBM製Magstar3
590 MODELB1A Tape Driveを用
い、100時間走行させ、次の基準でテープの走行耐久
性を評価した。
【0069】○:テープ端面の伸び、折れ曲がりがな
く、削れ跡が見られない。
【0070】△:テープ端面の伸び、折れ曲がりがない
が、一部削れ跡が見られる。
【0071】×:テープ端面の一部が伸び、ワカメ状の
変形が見られ、削れ跡が見られる。
【0072】また、上記作成したカセットテープをIB
M製Magstar3590 MODELB1A Ta
pe Driveに、データを読み込んだ後、カセット
テープを40℃、80%RHの雰囲気中に100時間保
存した後、データを再生して次の基準で、テープの保存
性を評価した。
【0073】○:トラックずれも無く、正常に再生し
た。
【0074】△:テープ幅に異常が無いが、一部に読み
とり不可が見られる。
【0075】×:テープ幅に変化があり、読みとり不可
が見られる。 (15)オフトラック、最大寸法変化幅 上記で作成したカセットテープを、下記の条件で走行さ
せたときの、幅方向の寸法変化を常時読みとり、最大寸
法変化幅および、走行前後でのオフトラックを求めた。
幅方向の寸法変化は、サーボからテープまでの距離(約
1.5mm)の走行前後の距離の変化で表す。
【0076】 20℃、50%RH条件下でのサーボからテープまでの距離:L0 条件1:20℃、50%RH、張力 85g 走行回数 3回 条件2:20℃、50%RH、張力140g 走行回数 3回 条件3:40℃、60%RH、張力140g 走行回数 100回 条件4:20℃、50%RH、張力140g 走行回数 3回 条件5:20℃、50%RH、張力 85g 走行回数 3回 条件5で走行させた後、20℃、50%RHでのサーボからテープまでの距離 :L1 オフトラック=|L0−L1| (16)ガラス転移温度Tg、融解温度Tm 疑似等温法にて、下記装置および条件で比熱測定を行
い、JIS K7121従って決定した。
【0077】装置 :TA Instrument社
製温度変調DSC 測定条件 加熱温度 :270〜570K(RCS冷却法) 温度校正 :高純度インジウムおよびスズの融点 温度変調振幅:±1℃ 温度変調周期:60秒 昇温ステップ:5K 試料重量 :5mg 試料容器 :アルミニウム製開放型容器(22mg) 参照容器 :アルミニウム製開放型容器(18mg) なお、ガラス転移温度は下記式により算出した。
【0078】ガラス転移温度=(補外ガラス転移開始温
度+補外ガラス転移終了温度)/2 (17)固有粘度 オルトクロロフェノ−ル中、25℃で測定した溶液粘度
から、下式で計算した値を用いた。すなわち、 ηsp/C=[η]+K[η]2・C ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1であり、
Cは溶媒100mlあたりの溶解ポリマー重量(g/1
00ml、通常1.2)、Kはハギンス定数(0.34
3とする)である。また、溶液粘度、溶媒粘度はオスト
ワルド粘度計を用いて測定した。単位はdl/gであ
る。 (18)引裂伝播抵抗 軽荷重引裂試験機(東洋精機製作所製)を用いてAST
M−D1922に従って測定した。サンプルサイズは、
64×51mmとし、13mmの切り込みを入れ、残り
の51mmを引き裂いた時の指示値を読みとった。 実施例1 押出機A、B2台を用い、280℃に加熱された押出機
Aには、PETI(固有粘度0.66、ガラス転移温度
77℃、融解温度256℃、平均径0.07μmの球状
シリカ粒子0.16重量%配合)のペレットを180℃
で3時間真空乾燥した後に供給し、同じく280℃に加
熱された押出機Bには、PETII(固有粘度0.65、
ガラス転移温度75℃、融解温度255℃、平均径0.
3μmの球状架橋ポリスチレン粒子0.2重量%と平均
径0.8μmの球状架橋ポリスチレン粒子0.01重量
%配合)のペレットを180℃で3時間真空乾燥した後
に供給し、Tダイ中で合流し(積層比I/II=10/
1)、表面温度25℃のキャストドラム上に静電気によ
り密着させて冷却固化し積層未延伸フィルムを得た。こ
の積層未延伸フィルムの長手方向の屈折率は1.57
1、幅方向の屈折率は1.57、結晶化度は0.7%で
あった。この未延伸フィルムのエッジ部の最大厚み
(A)と幅方向中央部の厚み(B)の比(A/B)は、
3.9である。この未延伸フィルムを加熱ロール群(表
面材質;シリコンゴム)で加熱して、表1に示した温
度、倍率で長手方向に延伸を行い冷却した(MD延伸
1)。このフィルムの両端部をクリップで把持して、テ
ンターに導き、表1に示した温度と倍率により、2段階
で幅方向に延伸した(TD延伸1、2)。このフィルム
を加熱金属ロールで加熱して、表2に示した温度と倍率
で長手方向に延伸した(MD延伸2)。次いで、このフ
ィルムの両端部をクリップで把持しテンターに導き表1
に示した温度と倍率で2段階で幅方向に延伸し(TD延
伸3)、引き続き210℃の温度で熱固定を施した後、
150℃の冷却ゾ−ンで幅方向に5%の弛緩率で弛緩処
理を行い、さらに100℃のゾーンで幅方向に1.5%
弛緩率で弛緩処理してフィルムを室温まで徐冷して巻取
った。フィルム厚みは押出量を調節して4.3μmに合
わせた。
【0079】表1にフィルムの製造条件、表2に得られ
たフィルムの長周期、IRから求めた強度比、長手方向
厚みむら、Pw1/PwT、100℃熱収縮率差、円周
方向の半価幅を示す。また、表3に得られたポリエステ
ルフィルムのヤング率、TD寸法変化率、オフトラッ
ク、最大寸法変化幅、走行耐久性、保存性を示す。表3
に示したとおり、得られたポリエステルフィルムは、T
D寸法変化率、オフトラック、最大寸法変化幅、走行耐
久性、保存性に優れていた。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
【表3】
【0083】比較例1 熱固定温度を200℃、150℃の冷却ゾ−ンで幅方向
に2%の弛緩率で弛緩処理を行い、さらに100℃のゾ
ーンで幅方向に0.5%弛緩率で弛緩処理すること以外
は、実施例1と同様に製膜した。 実施例2 表1に示したとおり、MD延伸1工程の延伸倍率を2段
階に分割延伸し、またMD延伸2の1段目の延伸倍率を
2段階に分割延伸する以外は、実施例1と同様に製膜し
た。得られたポリエステルフィルムは、TD寸法変化
率、オフトラック、最大寸法変化幅、走行耐久性、保存
性に優れていた。 実施例3 実施例1と同様にして積層未延伸フィルムを得た。
【0084】この未延伸フィルムを加熱ロール群(表面
材質;シリコンゴム)で加熱して、110℃の温度で長
手方向に1.5倍×1.5倍の倍率に2段階で延伸して
冷却した(MD延伸1)。このフィルムの両端部をクリ
ップで把持して、テンターに導き、115℃の温度で、
幅方向に2.0倍の倍率に延伸し、引続き、75℃の温
度で幅方向に3.6倍の倍率に延伸を行った(TD延伸
1、2)。このフィルムを加熱金属ロールで加熱して8
0℃の温度で長手方向に3.5倍の倍率に延伸して冷却
した(MD延伸2の1段目延伸)。さらに、このフィル
ムの両端部をクリップで把持し同時二軸延伸テンターに
導き150℃の温度で長手方向に1.15倍、幅方向に
1.25倍に同時二軸延伸し、引き続き190℃の温度
で長手方向に1.1倍、幅方向に1.1倍に同時二軸延
伸し、引き続き215℃の温度で熱固定を施した後、1
50℃の冷却ゾ−ンで長手方向に5%、幅方向に5%の
弛緩率で弛緩処理を行い、さらに100℃のゾーンで長
手方向に2%、幅方向に2%弛緩率で弛緩処理してフィ
ルムを室温に徐冷して巻取った。この時の同時二軸延伸
テンターのフィルム把持具(クリップ)のテンター入り
口での温度は、105℃であった。フィルム厚みは押出
量を調節して6.1μmに合わせた。
【0085】表3に示したとおり、得られたポリエステ
ルフィルムは、TD寸法変化率、オフトラック、最大寸
法変化幅、走行耐久性、保存性に優れていた。 実施例4 実施例1と同様にして積層未延伸フィルムを得た。
【0086】この未延伸フィルムの両端部をクリップで
把持して、同時二軸延伸テンターに導き、110℃の温
度で、長手方向および幅方向に2倍の倍率に同時二軸延
伸し、引続き、75℃の温度で長手方向および幅方向に
3.3倍の倍率に同時二軸延伸を行った。この時の同時
二軸延伸テンターの把持具のテンター入り口の温度は、
100℃であった。このフィルムを加熱金属ロールで加
熱して140℃で長手方向に1.4倍延伸して冷却し
た。さらに、このフィルムの両端部をクリップで把持し
幅方向延伸テンターに導き、180℃の温度で幅方向に
1.35倍に延伸し、引き続き190℃の温度で幅方向
に1.1倍に延伸し、引き続き210℃の温度で熱固定
を施した後、140℃の冷却ゾ−ンで幅方向に6%の弛
緩率で弛緩処理を行い、さらに110℃のゾーンで幅方
向に2%弛緩率で弛緩処理してフィルムを室温に徐冷し
て巻取った。フィルム厚みは押出量を調節して4.3μ
mに合わせた。
【0087】表3に示したとおり、得られたポリエステ
ルフィルムは、TD寸法変化率、オフトラック、最大寸
法変化幅、走行耐久性、保存性に優れていた。 実施例5 実施例1と同様にして積層未延伸フィルムを得た。
【0088】この未延伸フィルムを加熱ロール群(表面
材質;シリコンゴム)で加熱して、表1に示した温度、
倍率で長手方向に延伸を行い冷却した。このフィルムの
両端部をクリップで把持して、テンターに導き、表1に
示した温度と倍率により、幅方向に延伸した。このフィ
ルムを加熱金属ロールで加熱して、表1に示した温度と
倍率で長手方向に延伸した次いで、このフィルムの両端
部をクリップで把持しテンターに導き表1に示した温度
と倍率で幅方向に延伸した。あとは、実施例1と同様に
して、4.3μmのポリエステルフィルムを得た。
【0089】表3に示したとおり、得られたポリエステ
ルフィルムは、TD寸法変化率、オフトラック、最大寸
法変化幅、走行耐久性、保存性に優れていた。 実施例6 製膜を表1に示した条件にて行い、実施例5と同様にし
て6.1μmのポリエステルフィルムを得た。
【0090】表3に示したとおり、得られたポリエステ
ルフィルムは、TD寸法変化率、オフトラック、最大寸
法変化幅、走行耐久性、保存性に優れていた。 比較例2、3 実施例1と同様にして積層未延伸フィルムを得た。製膜
は表1に示した条件に従って行い、4.3μmのポリエ
ステルフィルムを得た。 比較例4 熱固定温度、弛緩処理条件を変更したこと以外は、実施
例5と同様にしてポリエステルフィルムを得た。 比較例5 実施例1と同様にして積層未延伸フィルムを得た。製膜
は表1に示した条件に従って行い、4.3μmのポリエ
ステルフィルムを得た。
【0091】
【発明の効果】本発明は、エチレンテレフタレートを主
成分とするポリエステルフィルムの長周期が110〜1
20オングストロームであり、赤外分光法における、8
74cm-1と847cm-1のピーク強度の比(I847/
I874)が、0.08以上0.15以下、874cm-1
と1041cm-1のピーク強度の比(I1041/I874)
が0.35以上0.45以下であるポリエステルフィル
ムは、使用環境を想定した温湿度条件下での寸法安定
性、加工適性に優れ、その工業的価値は極めて高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA46 AF06Y AF11Y AF54 AF61Y BB08 BC01 BC10 BC11 BC17 5D006 CB01 CB05 CB06 CB07 CB08 FA05 5E082 FF05 FG06 FG36 PP06 PP10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレンテレフタレートを主成分とするポ
    リエステルフィルムの長周期が110〜120オングス
    トロームであり、赤外分光法における、874cm-1
    847cm-1のピーク強度の比(I847/I874)が、
    0.08以上0.15以下、874cm-1と1041c
    -1のピーク強度の比(I1041/I874)が0.35以
    上0.45以下であることを特徴とするポリエステルフ
    ィルム。
  2. 【請求項2】赤外分光法における、874cm-1と98
    9cm-1のピーク強度の比(I989/I874)が、1.1
    以上、1.4以下であることを特徴とする請求項1に記
    載のポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】ポリエステルフィルムの密度が、1.39
    g/cm3以上、1.405g/cm3以下であることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載のポリエステ
    ルフィルム。
  4. 【請求項4】ポリエステルフィルムの長手方向の厚みむ
    らが、5%以下であることを特徴とする請求項1から請
    求項3のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】フィルム幅方向における長手方向の100
    ℃の熱収縮率の最大値と最小値の差が、0〜0.3%で
    あることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか
    に記載のポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】広角X線ディフラクトメータ法による結晶
    配向解析で、該ポリエステルフィルムをその法線を軸と
    して回転したときに得られる、該ポリエステル主鎖方向
    の結晶面の回折ピークの円周方向の半価幅が55度以上
    から85度以下の範囲であることを特徴とする請求項1
    から請求項5のいずれかに記載のポリエステルフィル
    ム。
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