JP2000302932A - 樹脂組成物及びその用途 - Google Patents

樹脂組成物及びその用途

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JP2000302932A
JP2000302932A JP11320399A JP11320399A JP2000302932A JP 2000302932 A JP2000302932 A JP 2000302932A JP 11320399 A JP11320399 A JP 11320399A JP 11320399 A JP11320399 A JP 11320399A JP 2000302932 A JP2000302932 A JP 2000302932A
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evoh
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silane
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JP11320399A
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English (en)
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Hidefumi Onishi
英史 大西
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Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯蔵安定性、基材への密着性、ガスバリヤー
性、機械的耐久性に優れた樹脂組成物及び該樹脂組成物
をコーティングした積層体を提供すること。 【解決手段】 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
(A)、ホウ素化合物(B)、シラン系化合物(C)及
びエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を溶解する溶
剤(D)からなる樹脂組成物及び基材にコーティングし
てなる積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物(以下、EVOHと略記する)を
主とする樹脂組成物に関し、更に詳しくは、樹脂溶液の
貯蔵安定性に優れ、基材への密着性、機械強度に優れた
成形物を得るための樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、EVOHは、透明性、帯電防止
性、耐油性、耐溶剤性、ガスバリヤー性、保香性等に優
れており、食品包装等、種々の包装材料用途に用いられ
ている。更に、近年では、比較的膜厚の薄い被膜が形成
できる点、中空容器等の複雑な形の基材に対しても容易
に被膜が形成できる点、及び比較的簡単な装置で塗工操
作ができる点から、EVOHを溶媒に溶解した溶液を基
材に塗布する溶液コーティング法が注目されている。
【0003】かかる方法において、特開平2−4714
4号公報では、EVOH、ホウ酸及びEVOHの溶媒か
らなる樹脂組成物が提案されている。又、特開平9−2
91251号公報では、(A)EVOH、(B)エポキ
シ基を有するアルコキシシランの(部分)加水分解物、
その(部分)縮合物又はこれらの混合物、(C)アミノ
基及び/又はイミノ基を有するアルコキシシランの(部
分)加水分解物、その(部分)縮合物又はこれらの混合
物、及び(D)EVOH可溶性溶剤からなるコーティン
グ用組成物が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、本発
明者が詳細に検討した結果、特開平2−47144号公
報開示技術では、貯蔵安定性は改善されるものの、基材
への密着性については検討されておらず、又、特開平9
−291251号公報開示技術では密着性、耐薬品性、
耐熱性、耐久性等の諸物性は改善されているものの、貯
蔵安定性や機械的な耐久性についてはまだまだ満足のい
くものではなく、更なる改良が求められている。そこ
で、本発明ではこのような背景下において、貯蔵安定
性、基材への密着性、ガスバリヤー性、機械的耐久性に
バランスよく優れた樹脂組成物を提供することを目的と
するものである。
【0005】
【問題点を解決するための手段】そこで、本発明者は上
記の事情に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、EVOH
(A)、ホウ素化合物(B)、シラン系化合物(C)及
びEVOHを溶解する溶剤(D)からなる樹脂組成物が
上記目的に合致することを見いだし本発明を完成した。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明に用いるEVOH(A)としては、特に限定
されないが、エチレン含有量が10〜60モル%で、ケ
ン化度が80モル%以上であることが好ましい。更に好
ましくはエチレン含有量が20〜50モル%で、ケン化
度が90モル%以上である。エチレン含有量が10モル
%未満では高湿時のガスバリヤー性、溶融成形性が低下
し、60モル%を越えると充分なガスバリヤー性が得ら
れなくなり好ましくない。又、ケン化度が80モル%未
満ではガスバリヤー性や熱安定性、耐湿性が低下し好ま
しくない。
【0007】又、該EVOH(A)のメルトインデック
ス(MI)は0.5〜50g/10分(210℃)であ
ることが好ましく、更には1〜35g/10分(210
℃)であることが好ましい。該メルトインデックス(M
I)が該範囲よりも小さい場合には、成形時に押出機内
が高トルク状態となって押出加工が困難となり、又、該
範囲よりも大きい場合には、成形物の機械的強度が不足
して好ましくない。
【0008】該EVOH(A)は、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体のケン化によって得られ、該エチレン−酢酸
ビニル共重合体は、公知の任意の重合法、例えば縣濁重
合、エマルジョン重合、溶液重合等により製造され、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体のケン化も公知の方法で行
い得る。
【0009】又、該EVOH(A)は、透明性、ガスバ
リヤー性、耐溶剤性等の特性を損なわない範囲で少量で
あれば、プロピレン、イソブテン、α−オクテン、α−
ドデセン、α−オクタデセン等のα−オレフィン、不飽
和カルボン酸又はその塩、部分アルキルエステル、完全
アルキルエステル、不飽和スルホン酸系化合物、(メ
タ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、ビニ
ルエーテル、ビニルシラン化合物、塩化ビニル、スチレ
ン等のコモノマーを共重合成分として含んでいても差し
支えない。又、本発明の趣旨を損なわない範囲で、ウレ
タン化、アセタール化、シアノエチル化等、後変性され
ても差し支えない。
【0010】本発明のホウ素化合物(B)としては、ホ
ウ酸又はその金属塩、例えばホウ酸カルシウム、ホウ酸
コバルト、ホウ酸亜鉛(四ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛
等)、ホウ酸アルミニウム・カリウム、ホウ酸アンモニ
ウム(メタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウ
ム、五ホウ酸アンモニウム、八ホウ酸アンモニウム
等)、ホウ酸カドミウム(オルトホウ酸カドミウム、四
ホウ酸カドミウム等)、ホウ酸カリウム(メタホウ酸カ
リウム、四ホウ酸カリウム、五ホウ酸カリウム、六ホウ
酸カリウム、八ホウ酸カリウム等)、ホウ酸銀(メタホ
ウ酸銀、四ホウ酸銀等)、ホウ酸銅(ホウ酸第2銅、メ
タホウ酸銅、四ホウ酸銅等)、ホウ酸ナトリウム(メタ
ホウ酸ナトリウム、二ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナト
リウム、五ホウ酸ナトリウム、六ホウ酸ナトリウム、八
ホウ酸ナトリウム等)、ホウ酸鉛(メタホウ酸鉛、六ホ
ウ酸鉛等)、ホウ酸ニッケル(オルトホウ酸ニッケル、
二ホウ酸ニッケル、四ホウ酸ニッケル、八ホウ酸ニッケ
ル等)、ホウ酸バリウム(オルトホウ酸バリウム、メタ
ホウ酸バリウム、二ホウ酸バリウム、四ホウ酸バリウム
等)、ホウ酸ビスマス、ホウ酸マグネシウム(オルトホ
ウ酸マグネシウム、二ホウ酸マグネシウム、メタホウ酸
マグネシウム、四ホウ酸三マグネシウム、四ホウ酸五マ
グネシウム等)、ホウ酸マンガン(ホウ酸第1マンガ
ン、メタホウ酸マンガン、四ホウ酸マンガン等)、ホウ
酸リチウム(メタホウ酸リチウム、四ホウ酸リチウム、
五ホウ酸リチウム等)等の他、ホウ砂、カーナイト、イ
ンヨーアイト、コトウ石、スイアン石、ザイベリ石等の
ホウ酸塩鉱物等が挙げられ、好適にはホウ砂、ホウ酸、
ホウ酸ナトリウム(メタホウ酸ナトリウム、二ホウ酸ナ
トリウム、四ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸ナトリウム、
六ホウ酸ナトリウム、八ホウ酸ナトリウム等)が用いら
れる。
【0011】かかるホウ素化合物(B)の含有量は、E
VOH(A)100重量部に対して0.002〜10重
量部であることが好ましく、更に好ましくは0.005
〜5重量部、特に好ましくは0.01〜1重量部であ
る。かかる含有量が0.002重量部未満では貯蔵安定
性が不充分となり、10重量部を越えるとガスバリヤー
性が不充分となり好ましくない。
【0012】本発明のシラン系化合物(C)としては、
特に限定されないが、例えば、 ・エポキシ基を有するシラン系化合物(c1)、 ・エポキシ基を有するシラン系化合物と1分子中に2個
以上の水酸基を含有したアミン系化合物との反応生成物
(c2)、 ・下記(5)式で示されるシリケートオリゴマー(c
3)、 ・下記(8)式で示されるシラン系化合物(c4)、 ・下記(31)式で示されるシラン系化合物とエポキシ
基を有するアルコールの混合物(c5)、 ・下記(33)式で示されるシラン系化合物(c6)、 ・下記(36)式又は(37)式で示されるシラン系化
合物(c7)、 ・下記(36)式又は(37)式で示されるシラン系化
合物とエポキシ基を2個以上有する化合物の混合物(c
8)、 ・下記(38)式で示されるシリコーン化合物(c
9)、 ・下記(39)式で示される化合物と(40)式で示さ
れる化合物との反応生成物(c10)、 ・カルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物(c
11)、 等挙げられる。
【0013】エポキシ基を有するシラン系化合物(c
1) γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルジイソプロピルエトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルジメチルエトキシシラン、メチルトリ(グ
リシジル)シラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−
(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエト
キシシラン、3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、3−(N−アリル−N−グリ
シジル)アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げら
れる。
【0014】エポキシ基を有するシラン系化合物と1分
子中に2個以上の水酸基を含有したアミン系化合物との
反応生成物(c2) 上記エポキシ基を有するシラン系化合物(c1)と下記
の如き1分子中に2個以上の水酸基を含有したアミン系
化合物との反応生成物が挙げられる。1分子中に2個以
上の水酸基を含有したアミン系化合物としては、下記の
(1)式、(2)式、(3)式で示される化合物が挙げ
られる。
【0015】
【化1】
【0016】
【化2】
【0017】
【化3】
【0018】ここで、R、R´はアルキル基;R1 は水
素、アルキル基、アシル基、フェニル基、あるいは下記
の(4)式;R2は水素、−CH2−O−R2´(R2´は
水素、アルキル基);R3はR2または縮合より生成する
結合(−CH2−、−CH2O−等);Xはアルキレン
基、フェニレン基;a、b、m、n、k、l、x、yは
0以上の整数(但し、mとn、kとl、aとb、xとy
とはいずれも同時に0にはならない。);p、rは1以
上の整数である。
【0019】
【化4】
【0020】1分子中に2個以上の水酸基を含有したア
ミン系化合物の具体例としては、(1)式としてトリエ
タノールアミン、メチルジメタノールアミン、ポリオキ
シエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレンラウ
リルアミン、好ましくはメチルジエタノールアミンポリ
オキシエチレンステアリルアミン、(2)式としてN,
N,N´,N´−テトラキス(2−ヒドロキシプロピ
ル)エチレンジアミン、アデカクオドロール(旭電化工
業(株))、(3)式としてはR2が水素(9%)、−
CH2OH(31%)、−CH2OBu(60%)からな
るスーパーベッカミンJ−820−60(大日本インキ
化学工業)が挙げられる。
【0021】かかるエポキシ基を有するシラン系化合物
と1分子中に2個以上の水酸基を含有したアミン系化合
物との反応生成物を得る方法としては、上記シラン系化
合物と上記アミン系化合物とを、トルエン、酢酸エチ
ル、メタノール 、イソプロピルアルコール、ブタノー
ル、アセトン等の有機溶剤中で、0〜100℃、好まし
くは10〜80℃、更に好ましくは10〜60℃で1〜
100時間、好ましくは1〜50時間、更に好ましくは
2〜30時間攪拌することが必要である。
【0022】又、必要であれば、該反応系にアミン等の
塩基性触媒あるいは有機酸触媒あるいはルイス酸等の無
機酸触媒等の反応触媒を0.0001〜10重量%、好
ましくは0.001〜5重量%、更に好ましくは0.0
01〜1重量%添加してもよい。
【0023】更に、エポキシ基を有するシラン系化合物
と1分子中に2個以上の水酸基を含有したアミン系化合
物の反応モル比は0.01〜100、好ましくは0.1
〜10、更に好ましくは0.5〜5であることが望まれ
る。該反応モル比が上記範囲以外では接着性不充分とな
り好ましくない。
【0024】本発明では、種々の上記シラン系化合物を
単独又は併用することや種々の上記アミン系化合物を単
独又は併用することも可能であり、又、上記シラン系化
合物とアミン系化合物の組み合わせとして好ましいの
は、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランとN
−メチルジエタノールアミン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリエトキシシランとポリオキシエチレンステアリル
アミン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチル
トリエトキシシランとアデカクオドロール(旭電化工業
(株))、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリエトキシシランとスーパーベッカミンJー820
ー60(大日本インキ化学工業)等の組み合わせであ
る。
【0025】下記(5)式で示されるシリケートオリゴ
マー(c3)
【化5】 ここで、Rは水素又は炭素数1〜6のアルキル基、フェ
ニル基のいずれかで、Xは水素、炭素数4〜20のアル
キル基、フェニル基又は下記の(6)式のいずれかで、
nは1〜20の整数である。
【0026】
【化6】 ここで、Rは水素又は炭素数1〜6のアルキル基、フェ
ニル基のいずれかで、R´は−(CH2)m−、又は−
(CH2)k−NH−(CH2)l−(m、k、lは0〜1
0の整数)のいずれかで、Yはグリシドキシ基、1,2
−エポキシシクロヘキシル基、メタクリロキシ基、ビニ
ル基、アミノ基、メルカプト基又はハロゲンのいずれか
の官能基である。
【0027】上記(5)式の中でも、下記(7)式の化
合物であることが好ましい。
【化7】 ここで、Rは水素又は炭素数1〜6のアルキル基、フェ
ニル基のいずれかで、R´は−(CH2)m−、又は−
(CH2)k−NH−(CH2)l−(m、k、lは0〜1
0の整数)のいずれかで、Yはグリシドキシ基、1,2
−エポキシシクロヘキシル基、メタクリロキシ基、ビニ
ル基、アミノ基、メルカプト基又はハロゲンのいずれか
の官能基で、nは1〜20の整数である。
【0028】上記(5)式で示されるシリケートオリゴ
マーとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラ
エトキシシラン、テトラプロピオキシシラン、テトラブ
トキシシラン等のテトラアルコキシシラン又はテトラフ
ェノキシシランを加水分解し縮合することにより得られ
るもの、あるいは上記テトラアルコキシシラン又はテト
ラフェノキシシランの加水分解物と種々の官能基、例え
ばグリシドキシ基、1,2−エポキシシクロヘキシル
基、メタクリロキシ基、ビニル基、アミノ基、メルカプ
ト基又はハロゲン等の官能基を有したアルコキシシラン
系化合物とを縮合することにより得られるもの、又はテ
トラアルコキシシラン又はテトラフェノキシシランと種
々の官能基、例えばグリシドキシ基、1,2−エポキシ
シクロヘキシル基、メタクリロキシ基、ビニル基、アミ
ノ基、メルカプト基又はハロゲン等の官能基を有したア
ルコキシシラン系化合物との混合物を加水分解した後縮
合することにより得られるもの等が挙げられる。
【0029】更に、上記(7)式で示されるシリケート
オリゴマーとしては、上記テトラアルコシキシラン又は
テトラフェノキシシランの加水分解物とグリシドキシ
基、1,2−エポキシシクロヘキシル基、メタクリロキ
シ基、ビニル基、アミノ基、メルカプト基又はハロゲン
等の官能基を有したアルコキシシラン系化合物とを縮合
することにより得られるシリケートオリゴマー、又はテ
トラアルコキシシラン又はテトラフェノキシシランとグ
リシドキシ基,1,2−エポキシシクロヘキシル基、メ
タクリロキシ基、ビニル基、アミノ基、メルカプト基又
はハロゲン等の官能基を有したアルコキシシラン系化合
物との混合物を加水分解し縮合することにより得られる
シリケートオリゴマーが挙げられる。特に、官能基含有
アルコキシシラン系化合物の官能基がグリシドキシ基、
1,2−エポキシシクロヘキシル基であるとき、本発明
の効果を顕著に示す。
【0030】かかる加水分解反応自体は公知の方法によ
ることができ、例えは上記テトラアルコキシシランに所
定量の水を加えて酸触媒の存在下に、副生するアルコー
ルを留去しながら、通常室温程度〜100℃で反応させ
る。この反応によりアルコキシシランは加水分解し、更
に縮合反応により液状のシリケートオリゴマー(通常平
均重合度2〜40程度、好ましくは3〜10程度)が得
られる。加水分解の程度は、使用する水の量により適宜
調節することができる。
【0031】下記(8)式で示されるシラン系化合物
(c4)
【化8】 (但し、式中Rは炭素数4〜20のβ−ジケトン及びβ
−ケトエステル構造の1種又は2種以上を含む一価置換
基を表し、Xはハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキ
シ基もしくはアシルオキシ基及びアミノ基から選ばれる
加水分解性基を表す。又mは1、2又は3、nは0、1
又は2を示し、1≦m+n≦3である。)
【0032】例えば、下記に示される化合物が挙げられ
る。
【化9】
【化10】
【化11】
【0033】
【化12】
【化13】
【化14】
【0034】
【化15】
【化16】
【化17】
【0035】
【化18】
【化19】
【化20】
【0036】
【化21】
【化22】
【化23】
【0037】
【化24】
【化25】
【化26】
【0038】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【0039】下記(31)式で示されるシラン系化合物
とエポキシ基を有するアルコールの混合物(c5)
【化31】 ここで、R1、R2、R3、R4は炭素数1〜20のアルキ
ル基、アルコキシル基(但し、R1、R2、R3、R4のう
ち少なくとも一つはアルコキシル基)である。
【0040】上記(31)式で示されるシラン系化合物
としては、特に制限されることなくテトラメトキシシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシ
ラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン等が挙げられるが、なか
でもテトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン
が特に好ましい。
【0041】エポキシ基を有するアルコールとしては、
特に制限されることなく直鎖エポキシアルコール、環状
エポキシアルコールのいずれでもよくエポキシ基、水酸
基の官能基数も特に限定されないが、好ましくは下記
(32)式で示される化合物であり、具体的には、γ−
グリシドキシメタノール、γ−グリシドキシエタノー
ル、γ−グリシドキシブタノール、γ−グリシドキシペ
ンタノール、3,4−エポキシシクロヘキシルメタノー
ル、3,4−エポキシシクロヘキシルエタノール、3,
4−エポキシシクロヘキシルプロパノール、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルブタノール、3,4−エポキシシ
クロヘキシルペンタノール等が挙げられる。なかでもγ
−グリシドキシメタノール、γ−グリシドキシエタノー
ル、γ−グリシドキシプロパノール、γ−グリシドキシ
ブタノール、γ−グリシドキシペンタノールが特に好ま
しい。
【0042】
【化32】 ここで、nは1〜20の整数である。
【0043】本発明では、種々の該シラン系化合物を単
独又は併用することや種々の上記エポキシ基を有するア
ルコールを単独又は併用することも可能であり、又、該
シラン系化合物とエポキシ基を有するアルコールとの組
み合わせとして特に好ましいのは、テトラメトキシシラ
ンとγ−グリシドキシプロパノール、メチルトリメトキ
シシランとγ−グリシドキシエタノール、テトラエトキ
シシランとγ−グリシドキシブタノール等である。
【0044】下記(33)式で示されるシラン系化合物
(c6)
【化33】 但し、R1、R2、R3は炭素数1〜6のアルキル基又は
フェニル基で、m、n、l、x、yは0〜20の整数で
ある
【0045】シラン系化合物(c6)としては、上記
(33)式で示される化合物であれば特に限定されない
が、なかでも下記の(34)式又は(35)式で示され
る化合物が好ましく、特に(34)式又は(35)式の
a、bがともに1であるジヒドロキシエチルアミノプロ
ピルトリメトキシシラン、ジ(2−ヒドロキシプロピ
ル)アミノプロピルトリメトキシシランが最も好ましく
本発明の効果を顕著に発揮する。
【0046】
【化34】
【0047】
【化35】 但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基
で、a、bは1〜20の整数である。本発明では、種々
の上記シラン系化合物を単独又は併用することも可能で
ある。
【0048】下記(36)式又は(37)式で示される
シラン系化合物(c7)
【化36】
【化37】
【0049】但し、R1、R2、R3はアルキル基、アル
コキシル基、アルキルシロキシ基又はR´O−(RO)
l−(R、R´はアルキル基、lは0〜10の整数)の
いずれか(但し、R1、R2、R3 ののいずれもが同時に
アルキル基ではない)で、R 4、R5は水素、アルキル基
又はフェニル基のいずれかで、Xは−(CH2)N−、
−(CH2)n−NH−(CH2)m −、−(CH2)n−
NHCO−、−(CH2)n−(NHCH2CH2)m−又
は−(CH2)n−NH−(C6H5)−のいずれか(m、
nは0〜10の整数)である。
【0050】シラン系化合物(c7)としては、上記
(36)式又は(37)式で示される化合物であれば特
に限定されないが、具体例としては、N−β(アミノエ
チル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β
(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノ
プロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−ジブ
チルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイド
プロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
ス(トリメチルシロキシ)シラン、N,N−ビス[3−
(メチルジメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミ
ン、1−トリメトキシシリル−4,7,10−トリアザ
デカン、N−[(3−トリメトキシシリル)プロピル]
トリエチレンテトラミン、N−3−トリメトキシシリル
プロピル−m−フェニレンジアミン、4−アミノブチル
トリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−
アミノプロピルトリス(2−エチルヘキソキシ)シラ
ン、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメ
トキシシラン、3−アミノプロピルトリス(メトキシエ
トキシエトキシ)シラン等が挙げられ、なかでも、特に
好ましいものとしては、N−β(アミノエチル)γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β
(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメ
チルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ
−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノ
プロピルメチルジエトキシシランが挙げられる。本発明
では、種々の上記シラン系化合物を単独又は併用するこ
とも可能である。
【0051】下記(36)式又は(37)式で示される
シラン系化合物とエポキシ基を2個以上有する化合物の
混合物(c8) シラン系化合物は上記の(36)式又は(37)式で示
される化合物と同様のものが挙げられる。
【0052】エポキシ基を2個以上有する化合物として
は、特に制限されることもなくエチレングリコールジグ
リシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、
ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオ
ペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘ
キサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグ
リシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシ
ジルエーテル、2,2−ジブロモ・ネオペンチルグリコ
ールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエ
ステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、ジブロモ
ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリテ
トラメチレングリコールジグリシジルエーテル、レゾル
シンジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジ
ルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテ
ル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジ
グリセロールポリグリシジルエーテル、トリグリシジル
トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、グ
リセロールポリグリシジルエーテル等が挙げられ、特に
好ましいものとしてはポリエチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジル
エーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチ
ロールプロパントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキ
サンジオールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリ
グリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシ
ジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテ
ルが挙げられる。
【0053】本発明では、種々の上記シラン系化合物を
単独又は併用することや種々の上記エポキシ基を2個以
上有する化合物を単独又は併用することも可能であり、
又、該シラン系化合物と該エポキシ化合物との組み合わ
せとして特に好ましいのは、γ−アミノプロピルアルコ
キシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピ
ルアルコキシシラン、(N,N−ジメチル−3−アミノ
プロピル)トリメトキシシランと、エチレングリコール
ジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテ
ル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、
ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテルとの各組
み合わせ等である。
【0054】下記(38)式で示されるシリコーン化合
物(c9)
【化38】 ここで、R、R´は炭素数1〜6のアルキル基、Xはエ
ポキシ基、カルボキシル基、カルビノール基、アミノ
基、メタクリル基、ビニル基のいずれかを有する官能
基、Yはポリエーテル、アルキル、アラルキルのいずれ
かの単位であり、k、l、m、nはそれぞれ0〜20の
整数である。
【0055】シリコーン化合物としては、上記(38)
式で示される化合物であれば特に限定されない。なかで
も、上記(38)式のXとしては、エポキシ基、アミノ
基、メタクリル基、カルボキシル基のいずれかを有する
官能基が特に好ましい。本発明では、種々の上記シリコ
ーン化合物を単独又は併用することも可能である。
【0056】下記(39)式で示される化合物と(4
0)式で示される化合物との反応生成物(c10)
【化39】 ここで、R1、R2、R3はアルキル基又はアルコキシル
基(但し、R1、R2、R3うち少なくとも一つはアルコ
キシル基である。)で、Xはグリシドキシ基、1,2−
エポキシシクロヘキシル基、イソシアネート基、アルキ
ルエステル基のいずれかで、nは0〜20の整数であ
る。
【0057】
【化40】 ここで、R1、R2、R3はアルキル基又はアルコキシル
基(但し、R1、R2、R3うち少なくとも一つはアルコ
キシル基である。)で、Yは−NHR4(R4は水素、−
(CH2)l−NH2 、アルキル基、フェニル基)、メル
カプト基、水酸基のいずれかで、m、lは0〜20の整
数である。
【0058】上記(39)式で示されるシラン系化合物
としては、例えばβ−(3,4エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメ
チルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
エトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジ
メトキシシラン、γ−メタクロロキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエト
キシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシ
シラン等が挙げられるが、なかでも下記(41)式で示
されるシラン系化合物がこのましく、具体的にはβ−
(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が
挙げられ、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランが特
に好ましい。
【0059】
【化41】 ここで、R1、R2、R3はアルキル基又はアルコキシル
基(但し、R1、R2、R3うち少なくとも一つはアルコ
キシル基である。)で、Xはグリシドキシ基又は1,2
−エポキシシクロヘキシル基で、nは0〜20の整数で
ある。
【0060】上記(40)式で示されるシラン系化合物
としては、例えばN−β(アミノエチル)γ−アミノプ
ロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β
(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、なかでも
(42)式で示されるシラン系化合物が好ましく、具体
的にはN−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン等が挙げられ、γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン等が特に好ましい。
【0061】
【化42】 ここで、R1、R2、R3はアルキル基又はアルコキシル
基(但し、R1、R2、R3うち少なくとも一つはアルコ
キシル基である。)で、R4は水素、−(CH2)l−N
H2、アルキル基、フェニル基のいずれかで、m、lは
0〜20の整数である。
【0062】かかる上記(39)式で示されるシラン系
化合物と上記(40)式で示されるシラン系化合物の反
応生成物を得る方法としては、(39)式で示されるシ
ラン系化合物と(40)式で示されるシラン系化合物と
を、トルエン、酢酸エチル、メタノール、イソプロピル
アルコール、ブタノール、アセトン等の有機溶剤中で0
〜100℃、好ましくは10〜80℃、更に好ましくは
10〜60℃で1〜100時間、好ましくは1〜50時
間、更に好ましくは2〜30時間攪拌することが必要で
ある。又、必要であれば、該反応系にアミン等の塩基性
触媒あるいは有機酸触媒あるいはルイス酸等の無機酸触
媒等の反応触媒を0.0001〜50重量%、好ましく
は0.001〜25重量%、更に好ましくは0.001
〜10重量%添加してもよい。
【0063】更に、(39)式で示されるシラン系化合
物と(40)式で示されるシラン系化合物の反応モル比
は1000/1〜1/1000、好ましくは100/1
〜1/100、更に好ましくは、50/1〜1/50で
あることが望まれる。該反応モル比が1/1000未満
では(40)式で示される化合物の未反応物が多く残
り、1000/1を越えると(39)式で示される化合
物の未反応物が多く残り好ましくない。
【0064】種々の上記(39)式で示されるシラン系
化合物を単独又は併用することや種々の上記(40)式
で示されるシラン系化合物を単独又は併用することも可
能であり、又、上記(39)式と(40)式で示される
シラン系化合物の組み合わせとして好ましいのは、上記
(41)式と(42)式の組み合わせであり、具体的に
例えばγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
とγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルメチルジエトキシシランとγ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシランとN−β(アミノエチル)γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン等の組み合わせが有効で
ある。
【0065】カルボキシル基を有するアルコキシシラン
化合物(c11) カルボキシル基を有するアルコキシシラン化合物(c1
1)としては特に制限されることなく、例えば、下記
(43)式で示される3−トリエトキシシリルプロピル
コハク酸無水物(商品名:GF−20、Wacker−
Chemie GmbH製)、下記(44)式で示され
る3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸、3−トリ
メトキシシリルプロピルコハク酸(無水物)、3−メチ
ルジメトキシシリルプロピルコハク酸(無水物)、3−
メチルジエトキシシリルプロピルコハク酸(無水物)、
下記(45)式で示される1−カルボキシ−3−トリエ
トキシシリルプロピルコハク酸無水物等が挙げられる。
なかでも、特に酸無水物構造を有するシラン系化合物が
好ましく、3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸無
水物、1−カルボキシ−3−トリエトキシシリルプロピ
ルコハク酸無水物が好適に採用される。ここで、「カル
ボキシル基」とは、遊離のカルボキシル基のみならず、
酸無水物の構造のことをも意味するものである。
【0066】
【化43】
【0067】
【化44】
【0068】
【化45】
【0069】又、更にアミン系化合物及び/又はエポキ
シ基を2個以上有する化合物を併用することが好まし
く、該アミン系化合物としては特に限定されず、例え
ば、トリエチレンジアミン、N,N,N´,N´−テト
ラメチルトリメチレンジアミン、メチルイミノビスプロ
ピルアミン、アミノエチルピペラジン、N,N,N´,
N´−テトラメチルエチレンジアミン、ヘキサメチレン
テトラミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチ
ル)フェノール、2−メチルイミダゾール、ピリジン、
1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1,8−
ジアザビシクロ−7−ウンデセン、ベンジルジメチルア
ミン、トリエタノールアミン、ベンジルトリメチルアン
モニウムクロリド、トリブチルアミン、三ふっ化ホウ素
−ジメチルアミン錯体等が挙げられ、なかでもトリエチ
レンジアミン、N,N,N´,N´−テトラメチルトリ
メチレンジアミン、N,N,N´,N´−テトラメチル
エチレンジアミン、2−メチルイミダゾールが特に好ま
しい。エポキシ基を2個以上有する化合物としては、上
記の(c8)で示した如き化合物と同様のものが挙げら
れる。
【0070】上記シラン系化合物(C)の含有量は、E
VOH(A)100重量部に対して0.5〜50重量部
であることが好ましく、更に好ましくは1〜20重量
部、特に好ましくは2〜10重量部である。かかる含有
量が1重量部未満では接着性が不充分となり、50重量
部を越えるとガスバリヤー性が不充分となり好ましくな
い。
【0071】本発明で用いるEVOHを溶解する溶剤
(D)としては、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、プロピルアルコール、ブチルアルコール等の1価の
アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル等の2価のアルコール、グリセリン等の3価のアルコ
ール、フェノール、クレゾール等のフェノール類、エチ
レンジアミン、トリメチレンジアミン等のアミン類、ジ
メチルスルフォキサイド、ジメチルアセトアミド、N−
メチルピロリドン等、あるいはこれらの含水物等が単
独、又は2種以上の混合物が挙げられる。
【0072】中でも特に好ましい溶剤としては、水−ア
ルコール系混合溶剤、例えば水−ノルマルプロピルアル
コール、水−イソプロピルアルコール、水−メチルアル
コール等である。水−アルコールの混合割合は、アルコ
ールの種類、溶解するEVOHの種類により適宜選択さ
れるが、例えば、水/アルコール(重量比)で3/7〜
7/3が好ましい。
【0073】かくしてEVOH(A)、ホウ素化合物
(B)、シラン系化合物(C)及びEVOHを溶解する
溶剤(D)からなる樹脂組成物が得られるが、各種基材
への塗工性や放置安定性等を考慮して、該溶剤(D)を
樹脂濃度として、1〜50重量%、好ましくは10〜4
0重量%、更に好ましくは12〜30重量%となるよう
に配合することが好ましい。樹脂濃度が1重量%未満で
は乾燥後の塗膜が白濁するため外観不良となり、50重
量%を越えると塗工ムラを生ずることとなり好ましくな
い。
【0074】上記EVOH(A)、ホウ素化合物
(B)、シラン系化合物(C)及び溶剤(D)の配合方
法については、特に限定されず、(A)〜(D)を一括
に配合してもよいし、任意の2成分あるいは3成分を配
合した後残る成分を順次配合してもよいし、任意の2成
分ずつをそれぞれ配合した後各々を混合してもよい等、
適宜選択される。特にはEVOH(A)とホウ素化合物
(B)を溶剤(D)に溶解後、シラン系化合物(C)を
配合する方法が溶解の均一性の点で好ましい。
【0075】又、本発明の樹脂組成物には必要に応じ
て、硬化触媒を添加することも可能である。硬化触媒と
しては、例えば、アルミニウムアセチルアセトナート、
アルミニウムエチルアセトアセテートビスアセチルアセ
トナート、アルミニウムビスアセトアセテートアセチル
アセトナート、アルミニウムジ−n−ブトキシドモノエ
チルアセトアセテート、アルミニウムジ−i−プロポキ
シドモノメチルアセトアセテート等のアルミニウムキレ
ート化合物;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ギ酸カリ
ウム等のカルボン酸のアルカリ金属塩;ジメチルアミン
アセテート、エタノールアセトエート、ジメチルアニリ
ンホルメート等のアミンカルボキシレート;水酸化ベン
ジルトリメチルアンモニウム、酢酸テトラメチルアンモ
ニウム、酢酸ベンジルトリメチルアンモニウムのような
第4級アンモニウム塩;オクタン酸スズのような金属カ
ルボン酸塩;及びトリエチルアミン、トリエタノールア
ミン、ピリジンのようなアミン;1,8−ジアザビシク
ロ[5,4,0]−7−ウンデセンが挙げられ、単独又
は2種以上併用して用いることができる。
【0076】又、本発明では、本発明の目的が阻害され
ない範囲内で、他の熱可塑性樹脂(ポリオレフィン、ポ
リアミド、ポリエステル、ポリスチレン、EVOH
等)、可塑剤、熱安定化剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、着色剤、充填剤、乾燥剤、帯電防止剤等を適宜配合
することも可能である。又、ゲル化防止剤として、ハイ
ドロタルサイト系化合物、ヒンダードフェノール系又は
ヒンダードアミン系熱安定剤、高級脂肪族カルボン酸の
金属塩を添加することもできる。更に、表面平滑性を改
良する目的で、各種界面活性剤、例えばシリコーン系化
合物、フッ素系界面活性剤、有機界面活性剤等を添加す
ることもできる。
【0077】かくして得られた樹脂組成物は、基材に塗
布され、樹脂組成物層が形成されるが、該塗布方法とし
ては、ディップコート、スプレーコート、フローコー
ト、ロールコート、バーコート、スピンコート等、通常
使用される塗布方法が用いられ、基材の形状等により適
宜選択することができる。塗布に際しては、アンカーコ
ート処理無しで塗布することができるが、必要に応じて
接着性を向上させるために通常のアンカーコート剤(ポ
リウレタン系、ポリエステル系等)を予め基材上にコー
トしてもよい。
【0078】本発明の樹脂組成物を基材に塗布した後
は、乾燥が行われる。乾燥温度が30〜200℃、好ま
しくは50〜150℃程度で、3秒から10分程度加熱
すればよい。被膜の乾燥については、揮発分をほとんど
なくなるまで行っても、又被膜中に5重量%以下を残存
させてもよい。
【0079】本発明において、基材に塗布された樹脂組
成物の厚みは乾燥後の厚みで0.5〜500μmである
ことが好ましく、更には1〜100μmであることが好
ましい。0.5μm未満では充分なガスバリヤー性が得
られず、500μmを越えると膜厚のコントロールに困
難を生じることになり好ましくない。
【0080】塗布される基材としては、特に制限はな
く、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポ
リスチレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン等の各種プラス
チックの延伸あるいは未延伸フィルム、シート、中空容
器あるいは紙、セロファン、セルロース、セルロースア
セテート、天然ゴム、合成ゴム、金属等が挙げられる。
かかる基材の膜厚は10〜1000μm程度が適当であ
る。
【0081】本発明では、上記の如く形成された樹脂組
成物の被膜を単層として、各種成形物に用いることもで
きるが、好ましくは基材に塗布してなる積層体して用い
ることが好ましい。各種基材に本発明の樹脂組成物を塗
布してなる積層体は、食品、飲料、薬品、医薬、電機部
品、機械部品等の包装用あるいは容器用、又、暖房用パ
イプ用、壁紙用等の各種用途として有用である。
【0082】本発明の樹脂組成物は、EVOH(A)、
ホウ素化合物(B)、シラン系化合物(C)及びEVO
Hを溶解する溶剤(D)を含有してなるため、貯蔵安定
性、基材への密着性、ガスバリヤー性、機械的耐久性に
バランスよく優れた効果を示すものであり、各種用途に
有用である。
【0083】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは、特に
断わりのない限り、重量基準を意味する。
【0084】実施例1 EVOH(A)(エチレン含有量30モル%、ケン化度
99.5モル%、メルトインデックス(MI)30g/
10分(荷重2160g、210℃))100部、ホウ
酸(B)0.4部、下記シラン系化合物(C)3.0
部、及び水−ノルマルプロピルアルコール(D)(水/
アルコール=50/50(重量比))650部を、反応
器に一括仕込みし、80℃で2時間撹拌を行い、樹脂組
成物(濃度13%)を得た。
【0085】シラン系化合物(C) ・γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
【0086】次に、延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ
25μm)のコロナ処理表面に、上記樹脂組成物をアプ
リケーターコート法により塗工し、100℃で3分間乾
燥を行い、樹脂組成物の膜厚が3μmの積層体を得た。
かかる樹脂組成物及び積層体について、下記の評価を行
った。
【0087】(貯蔵安定性)得られた樹脂組成物を23
℃、50%RHの条件下で放置した時にゲル化するまで
の時間を測定した。評価基準は下記の通りである。 ○・・・60日以上 △・・・30日以上60日未満 ×・・・30日未満
【0088】(基材への密着性)得られた積層体をオー
トグラフ(島津製作所製、AGS−500NH)によ
り、23℃、50%RHの条件下で、引張速度5mm/
minにて、接着強度を測定した。評価基準は下記の通
りである。 ○・・・100g/15mm以上 ×・・・100g/15mm未満
【0089】(ガスバリヤー性)得られた積層体の酸素
透過度を、MOCON社製のOXTRAN10/50を
用い、等圧法(MOCON法)により、23℃、80%
RHの条件下で測定した(cc/m2・day・atm)。
【0090】(機械的耐久性)得られた積層体を23
℃、50%RHの条件下で、ゲルボフレックステスター
にて50回屈曲処理を行った後、該積層体の酸素透過度
を23℃、80%RHの条件下で測定し、屈曲後の酸素
透過度/屈曲前の酸素透過度(比)で評価した。評価基
準は下記の通りである。 ○・・・15.0未満 ×・・・15.0以上
【0091】実施例2 実施例1において、ホウ酸(B)を0.1部に変え、シ
ラン系化合物(C)を下記の如き化合物3.0部に変え
た以外は同様に行い、樹脂組成物及び積層体を得た。シラン系化合物(C) ・γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン得
られた樹脂組成物及び積層体を実施例1と同様に評価し
た。
【0092】実施例3 実施例1において、ホウ酸(B)を0.05部に変え、
シラン系化合物(C)を下記の如き化合物1.5部に変
えた以外は同様に行い、樹脂組成物及び積層体を得た。シラン系化合物(C) ・γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン得
られた樹脂組成物及び積層体を実施例1と同様に評価し
た。
【0093】実施例4 実施例1において、EVOH(A)をエチレン含有量4
5モル%、ケン化度99.5モル%、MI12g/10
分(荷重2160g、210℃)のEVOHに変え、シ
ラン系化合物(C)を下記の如き化合物3.0部に変え
た以外は同様に行い、樹脂組成物及び積層体を得た。シラン系化合物(C) ・上記(9)式で示されるシラン化合物得られた樹脂組
成物及び積層体を実施例1と同様に評価した。
【0094】実施例5 実施例1において、ホウ酸(B)をホウ酸アンモニウム
0.005部に変え、シラン系化合物(C)を下記の如
き化合物15部に変えた以外は同様に行い、樹脂組成物
及び積層体を得た。シラン系化合物(C) ・上記(19)式で示されるシラン化合物得られた樹脂
組成物及び積層体を実施例1と同様に評価した。
【0095】比較例1 実施例1において、ホウ酸(B)を配合しなかった以外
は同様に行い、樹脂組成物及び積層体を得た。得られた
樹脂組成物及び積層体を実施例1と同様に評価した。
【0096】比較例2 実施例1において、シラン系化合物(C)を配合しなか
った以外は同様に行い、樹脂組成物及び積層体を得た。
得られた樹脂組成物及び積層体を実施例1と同様に評価
した。実施例及び比較例の結果は表1に示す。
【0097】
【表1】 貯蔵安定性 基材への カ゛スハ゛リヤー性 機械的 密着性 (cc/m2・day・atm)耐久性 実施例1 ○ ○ 10.6 ○ 〃 2 ○ ○ 11.0 ○ 〃 3 ○ ○ 11.3 ○ 〃 4 ○ ○ 11.1 ○ 〃 5 △ ○ 11.1 ○ 比較例1 ○ × 14.3 × 〃 3 × × 10.9 ×
【0098】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、EVOH
(A)、ホウ素化合物(B)、シラン系化合物(C)及
びEVOHを溶解する溶剤(D)を含有してなるため、
貯蔵安定性、基材への密着性、塗膜のガスバリヤー性や
機械的耐久性にバランスよく優れた効果を示すものであ
り、更に各種基材へのコーティング用樹脂組成物として
有用で、得られる積層体は、包装、容器等の各種用途に
利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 123/08 C08K 5/54 A 129/04 F //(C08L 29/04 71:00 79:04 83:02 63:00 83:04) Fターム(参考) 4F100 AH02H AH05A AH06A AK04 AK07 AK12 AK41 AK69A AL05A AT00B BA02 DA01 EH462 GB08 GB15 GB16 JK01 JK06 YY00A 4J002 BB221 BE031 CD002 CH052 CM022 CP022 CP032 DK006 EK036 EK066 EK076 GH00 4J038 CB051 DL022 HA476 JC30 JC32 JC35 KA06 NA11 NA12 NA26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
    (A)、ホウ素化合物(B)、シラン系化合物(C)及
    びエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を溶解する溶
    剤(D)からなることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ホウ素化合物(B)の含有量がエチレン
    −酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)100重量部に対
    して0.002〜10重量部であることを特徴とする請
    求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 シラン系化合物(C)の含有量がエチレ
    ン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)100重量部に
    対して0.5〜50重量部であることを特徴とする請求
    項1記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれか記載の樹脂組成物
    を基材にコーティングしてなることを特徴とする積層
    体。
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