JP2000303155A - 炭素繊維を分散したアルミニウム基複合材料 - Google Patents

炭素繊維を分散したアルミニウム基複合材料

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carbon fibers
based composite
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Junji Ninomiya
淳司 二宮
Akira Kawahara
晃 川原
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Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱ストレスを与えても熱膨張特性劣化がな
く、高い熱伝導特性を有する炭素繊維を分散したアルミ
ニウム基複合材を提供する。 【解決手段】 炭素繊維を分散したアルミニウム基複合
材料において、炭素を主成分とするバインダーで固着及
び連通されている炭素繊維をアルミニウムまたはアルミ
ニウム合金のマトリックスに分散させたものであり、低
熱膨張で高い熱伝導特性を有するアルミニウム基複合材
料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は炭素繊維を分散した
アルミニウム基複合材料に係り特に、低熱膨張で高い熱
伝導特性を有するアルミニウム基複合材料に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】最近、電子機器その他の産業部材とし
て、熱歪みが発生しない低熱膨張で、放熱性を高めるた
めに熱特性に優れた材料が要求されている。従来、この
ような要求に適用する材料には、低熱膨張の材料として
はCu−W合金、コバール(Fe−Co合金)、A1
、窒化アルミ(AIN)、熱伝導率の高い材料とし
ては、Cu、Al等の高伝導性金属がある。近年では、
これらに対して、高熱伝導率及び熱膨張係数の小さい炭
素繊維を分散材とし、マトリックスを熱伝導特性の高い
アルミニウム等で構成された複合材料の検討が行われて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように検討されている複合材料は、分散材である炭素繊
維はマトリックスであるアルミニウムとの濡れ性が悪
く、アルミニウムの溶湯を鋳込んで複合するときに十分
な界面特性を得ることができない。加圧鋳造による複合
含浸の場合、繊維成形体の作製時に用いるアルミナ、シ
リカ等の無機バインダーは繊維表面とアルミニウムとの
若干の濡れ性の改善となるが、炭素繊維と無機バインダ
ー界面の密着性は十分と言えず、熱ストレスを繰り返し
与えると炭素繊維とマトリックスの界面で剥離などが発
生し、熱膨張係数が増大するという問題がある。
【0004】また、無機バインダーのシリカ等は多く加
えると炭素繊維表面に付着しないので、その使用量は多
くとも数%であるため、マトリックスであるアルミニウ
ム溶湯が繊維間に含浸する際に、接着部分を引き剥がし
炭素繊維が独立に分散する組織を示す。この様な状況で
は、高熱伝導を有する炭素繊維が孤立し、熱移送する際
の効率を落としている。さらに、この様な無機バインダ
ーを用いると、炭素繊維と無機バインダーの界面が熱障
壁となり十分な熱伝導特性を示すことができないという
問題がある。本発明の目的は、このような問題点に鑑
み、熱ストレスを与えても熱膨張特性劣化(熱膨張係数
の増大)がなく、高い熱伝導特性を有する炭素繊維を分
散したアルミニウム基複合材料を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明の炭素繊維を分散したアルミニウム基複合材料
は、アルミニウムまたはアルミニウム合金をマトリック
スとし、炭素繊維を分散したアルミニウム基複合材料に
おいて、前記分散材である炭素繊維同士が炭素を主成分
とするバインダーで固着及び連通されていることを特徴
とするものである。
【0006】また、本発明の炭素繊維を分散したアルミ
ニウム基複合材料は、マトリックスのアルミニウム合金
が、Siを12〜25重量%含むアルミニウム合金であ
ることを特徴とするものである。また、本発明の炭素繊
維を分散したアルミニウム基複合材料は、分散材である
炭素繊維が、複合材料の熱膨張を抑制しようとする方向
に配向していることを特徴とするものである。また、本
発明の炭素繊維を分散したアルミニウム基複合材料は、
分散材である炭素繊維を固着及び連通させている炭素を
主成分とするバインダーを、複合材料中に体積充填率で
10〜50%含むことを特徴とするものである。
【0007】
【作用】本発明の炭素繊維を分散したアルミニウム基複
合材料は、高熱伝導性の金属マトリックスとしてアルミ
ニウム合金を用い、低熱膨張の繊維として炭素繊維を分
散させた構成において、炭素繊維同士を、炭素を主成分
とするバインダーで固着、連通させていることにより、
高い熱伝導率を示し、熱ストレスを与えても熱膨張係数
の劣化が生じることないものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の炭素繊維を分散したアル
ミニウム基複合材料において、その分散材である炭素繊
維は、グラファイト質かグラファイト質に近い構造のも
のが適当である。炭素質のものでは、複合化後十分な界
面特性が得られないことがあり、その特性劣化を招くA
などの化合物が生じるためである。また、その
炭素を主成分とするバインダーは、炭素繊維の成形体を
作成後、焼成時に固化し、グラファイト化する樹脂が適
当である。特にグラファイト収率の高いピッチ、フェノ
ールが好適である。この炭素を主成分とするバインダー
は、炭素繊維材種と同種であると、密着性が良好で高温
焼成時には繊維側のグラファイト結晶をトレースして結
晶配向するため界面での熱障壁が低減する効果がある。
これにより、界面での熱抵抗が減少し、炭素繊維を分散
したアルミニウム基複合材料の熱伝導率を向上させるこ
とができる。
【0009】本発明の分散材である炭素繊維同士が、炭
素を主成分とするバインダーで固着及び連通されている
とは、炭素繊維同士が、その繊維の一部分で固着、連通
されているもので、炭素繊維の間はアルミニウムまたは
アルミニウム合金のマトリックスが入込めるようになっ
ているものであり、炭素繊維がアルミニウムまたはアル
ミニウム合金のマトリックスに分散した状態になってい
るものである。本発明の炭素を主成分とするバインダー
を用いて炭素繊維同士を固着、連通体にすることによ
り、従来の炭素繊維を分散した複合材料のような繊維界
面のみでの熱膨張制御ではなく、連通体の構造で熱膨張
を制御することができる。これにより、界面での熱スト
レスが生じても、連通体である構造でマトリックスを押
さえ込むため、連通体が破壊しない限り、熱膨張係数の
上昇劣化は生じない。
【0010】また、本発明の炭素繊維を分散したアルミ
ニウム基複合材料は、バインダーとして、炭素を主成分
とするものを用いているので、バインダーを多く加えて
も繊維表面に付着しないということがなく、炭素繊維同
士の固着、連通が十分に確保できるものであり、十分な
熱伝導特性を得ることができるものである。本発明の炭
素繊維を分散したアルミニウム基複合材料に対してバイ
ンダーの体積充填率は10〜50%が好ましい。なお、
10%未満では、より十分な熱伝導特性を得ることがで
きず、また50%越えるとバインダー単体での熱伝導率
が律速となり、より十分な熱伝導特性を得ることができ
ない。
【0011】また、本発明の炭素繊維を分散したアルミ
ニウム基複合材料は、その分散材である炭素繊維が、複
合材料の熱膨張を抑制しようとする方向に配向している
ことが好ましい。それにより炭素繊維によるアンカー効
果をより有効に発現するができる。また、炭素繊維長手
方向での熱伝導率が高いため熱移送を有効に行うことが
できるものである。
【0012】また、本発明の炭素繊維を分散したアルミ
ニウム基複合材料は、そのマトリックスが、Siを12
〜25重量%含むアルミニウム合金が適当である。Si
が12%より小さければ、マトリックスの熱膨張係数と
炭素繊維の熱膨張係数の差が大きくなり界面でのストレ
スが大きくなる。25%以上では初晶Siが増大し加工
性が悪くなり、また複合時においてもマトリックスの融
点を上げ含浸性が劣化し複合体の割れ、潰れなどの複合
欠陥が生じる。
【0013】また、本発明の炭素繊維を分散したアルミ
ニウム基複合材料の製造は、炭素を主成分とするバイン
ダーを用いて分散材である炭素繊維の成形体を作製し、
この炭素繊維成形体を鋳造金型に入れ、アルミニウムま
たはアルミニウム合金溶湯を鋳込み、マトリックスを含
浸させるものである。具体的には、所定量のピッチ樹脂
を加熱し、炭素繊維を所定量投入してスラリーを作成
し、これを金型に入れてプレス成形して成形体を得る。
この成形体はプレス成形により炭素繊維を複合材料の熱
膨張を抑制しようとする方向に、例えば半導体素子等を
搭載する面方向に配向することが好ましい。次いで乾燥
硬化、焼成を行い繊維成形体とする。次いで、炭素繊維
成形体を予熱炉で加熱し、この炭素繊維成形体と同形状
のキャビティを有する予熱した鋳造金型に、予熱炉から
取り出した炭素繊維成形体を設置する。そして溶湯鍛造
法による加圧鋳造装置で型締め後、アルミニウムまたは
アルミニウム合金溶湯を鋳込み、加圧保持、凝固させる
ものである。これにより炭素繊維成形体の繊維の間はア
ルミニウムまたはアルミニウム合金のマトリックスが入
り込み、アルミニウムまたはアルミニウム合金のマトリ
ックスに炭素繊維が分散したアルミニウム基複合材料が
えられるものである。
【0014】
【実施例1】本発明の実施例1について表1に示し説明
する。実施例1の炭素繊維を分散したアルミニウム基複
合材料は、マトリックスがSi:18重量%含むアルミ
ニウム合金、分散材である炭素繊維が繊維径10μm、
繊維長500μmのもの、バインダーはピッチ樹脂であ
る。まず、繊維径10μm、繊維長500μmの炭素繊
維を用い、ピッチ樹脂をバインダーとして炭素繊維成形
体を作製した。この炭素繊維成形体の作製は、所定量の
ピッチ樹脂を200℃程度に加熱し、炭素繊維を所定量
投入してスラリーを作成した。これを金型に入れてプレ
ス成形して、寸法100mm×100mm×20mmの
成形体とし、これを乾燥硬化後、焼成温度2500℃で
焼成して、寸法90mm×90mm×15mmの最終の
炭素繊維成形体を得た。この炭素繊維成形体は、分散材
である炭素繊維が炭素を主成分とするバインダーで固着
及び連通されているものであり、また炭素繊維はプレス
成形により繊維の長手が面方向に配向しているものであ
る。
【0015】次に、この炭素繊維成形体を予熱炉にて7
00℃に加熱した。炉内雰囲気はアルゴン雰囲気で予熱
を行った。次に炭素繊維成形体と同形状のキャビティを
有する250℃に予熱した鋳造金型に、予熱炉から取り
出した繊維成形体を設置した。そして、溶湯鍛造法によ
る加圧鋳造装置で型締め後、750℃のSi:18重量
%含むアルミニウム合金の溶湯を射出速度10cm/s
ecで鋳込み、鋳込み後1000atmの圧力で1mi
n加圧保持後、凝固させた。これにより、面方向におい
て金属マトリックス中に炭素繊維が配向、分散したアル
ミニウム基複合材料を作製した。比較例は、バインダー
にシリカを用いた炭素繊維成形体に、実施例1と同条件
でマトリックスを含浸させ複合材料を作製したものであ
る。
【0016】表1に、作製した炭素繊維を分散したアル
ミニウム基複合材料について、その炭素繊維及びバイン
ダーの各体積充填率を変化させてアルミニウム基複合材
料の熱特性を示しものである。表1から明らかなよう
に、本発明の実施例のNo.1〜7のアルミニウム基複
合材料は、良好な熱特性が得られていることが確認され
た。より具体的には、実施例No.4と比較例No.8
は炭素繊維の体積充填率が20%で同じであるが、バイ
ンダーが異なることにより、熱伝導率(W/mk)、熱
膨張係数(×10−6/ppm)ともに本発明のアルミ
ニウム基複合材料は比較例に較べて良好な熱特性を示し
ているものである。また実施例No.5と比較例No.
9も炭素繊維の体積充填率が30%で同じであるが、こ
れも本発明のアルミニウム基複合材料は、比較例のもの
に較べて良好な熱特性を示しているものである。
【0017】
【表1】
【0018】
【実施例2】本発明の実施例2について表2に示し説明
する。実施例2の炭素繊維を分散したアルミニウム基複
合材料は、実施例1と同様にマトリックスがSi:18
重量%含むアルミニウム合金、分散材である炭素繊維が
繊維径10μm、繊維長500μmのもの、バインダー
はピッチ樹脂のものである。そして実施例1と同じ製造
条件で炭素繊維を分散したアルミニウム基複合材料を作
製した。
【0019】表2の炭素繊維を分散したアルミニウム基
複合材料は、炭素繊維の体積充填率が20%で、バイン
ダーの体積充填率を変化させてアルミニウム基複合材料
の熱特性を示しものである。表2から明らかなように、
本発明の実施例のアルミニウム基複合材料は、良好な熱
特性が得られているものであり、特に実施例No.12
〜15のアルミニウム基複合材料は、バインダーの体積
充填率が10〜50%で、熱伝導率(W/mk)、熱膨
張係数(×10−6/ppm)ともに優れた熱特性が得
られているものである。
【0020】
【表2】
【0021】
【実施例3】本発明の実施例3について表3に示し説明
する。実施例3の炭素繊維を分散したアルミニウム基複
合材料は、分散材である炭素繊維が繊維径10μm、繊
維長500μmのもの、バインダーはピッチ樹脂のもの
であり、炭素繊維の体積充填率40%、バインダーの体
積充填率20%の繊維成形体を作製し、実施例1と同じ
複合化条件で、マトリックスのアルミニウム合金中のS
i量をそれぞれ変えて製造したものである。また、比較
例は、バインダーにシリカを用い炭素繊維成形体に、実
施例1と同条件でマトリックスのアルミニウム合金中の
Si量をそれぞれ変えて製造した複合材料である。
【0022】表3の特性は、複合材料に熱ストレスを与
える熱衝撃試験を行ったもので、試験条件は200℃の
加熱雰囲気と、−30℃の冷却雰囲気を用意して、交互
に投げ込むことを500回行い、その試験前と試験後の
特性を示し、熱特性の評価を行った。表3から明らかな
ように、本発明の実施例No.17〜20のアルミニウ
ム基複合材料は試験前及び試験後のいずれの熱伝導率
(W/mk)、熱膨張係数(×10−6/ppm)もと
もに優れたものであり、特に熱ストレスを与えても熱特
性の劣化が生ずることがなく優れた熱特性を示すもので
あった。またNo.21〜22は、No.17〜20の
ものよりも試験前と試験後の特性に差があった。またN
o.23〜24は、複合体欠陥が生じたものであった。
また、比較例No.25〜28のバインダーとしてシリ
カを用いものは、本発明の実施例のものに比べて特性が
劣るものであり、また試験前と試験後の特性に大きな差
のあるもので、熱ストレスを与えることにより特性が劣
化するものであった。
【0023】
【表3】
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、分
散材である炭素繊維が、炭素を主成分とするバインダー
で固着及び連通されているので、高い熱伝導率を示し、
熱ストレスを与えても熱膨張係数の劣化が生じることが
ない信頼性の高い複合材料を提供することができるとい
う効果を奏するものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムまたはアルミニウム合金を
    マトリックスとし、炭素繊維を分散したアルミニウム基
    複合材料において、前記分散材である炭素繊維同士が、
    炭素を主成分とするバインダーで固着及び連通されてい
    ることを特徴とするアルミニウム基複合材料。
  2. 【請求項2】 マトリックスのアルミニウム合金が、S
    iを12〜25重量%含むアルミニウム合金であること
    を特徴とする請求項1に記載のアルミニウム基複合材
    料。
  3. 【請求項3】 分散材である炭素繊維が、複合材料の熱
    膨張を抑制しようとする方向に配向していることを特徴
    とする請求項1または2記載の炭素繊維を分散したアル
    ミニウム基複合材料。
  4. 【請求項4】 分散材である炭素繊維同士を固着及び連
    通させている炭素を主成分とするバインダーを、複合材
    料中に体積充填率で10〜50%含むこと特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載の炭素繊維を分散したアル
    ミニウム基複合材料。
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