JP2000303279A - 複合仮撚加工糸の製造方法 - Google Patents

複合仮撚加工糸の製造方法

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JP2000303279A
JP2000303279A JP11112484A JP11248499A JP2000303279A JP 2000303279 A JP2000303279 A JP 2000303279A JP 11112484 A JP11112484 A JP 11112484A JP 11248499 A JP11248499 A JP 11248499A JP 2000303279 A JP2000303279 A JP 2000303279A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 嵩高感、ソフト感に優れ、カスリ斑がなく、
且つ、滑らかな表面タッチの風合を呈する新規な複合仮
撚加工糸を、生産効率よく、高速度で製造することがで
きる方法を提供する。 【解決手段】 紡糸ドラフト差が1万〜10万である2
種類のポリエステル未延伸糸から構成された、下記
(1)および(2)を同時に満足する紡糸混繊糸を、仮
撚の熱セットヒーターが非接触式である仮撚加工機を用
いて、下記(3)および(4)を同時に満足する条件で
延伸同時仮撚加工する。 (1)高ドラフトで紡糸されたポリエステル未延伸糸の
複屈折率が0.02〜0.05 (2)2種類のポリエステル未延伸糸の伸度差が70〜
200% (3)仮撚熱セット温度が250℃以上 (4)仮撚熱セット時間が0.05〜0.10秒

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、嵩高感、ソフト感
に優れ、カスリ斑のない、且つ、滑らかな表面タッチで
新規な風合を呈する複合仮撚加工糸の製造方法に関する
ものである。さらに詳しくは、フィラメントの長手方向
に沿って、芯部糸に鞘部糸が巻き付いた二層構造の複合
仮撚加工糸を、生産効率よく、高速度で製造することが
できる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、伸度差を有する2種以上のフィラ
メント糸を引き揃えて交絡し、引き続いて仮撚加工する
ことにより、嵩高でウオーム感に優れた二層構造の複合
仮撚加工糸を得る方法が知られている(例えば特公昭6
0―11130号公報、特公昭61―19733号公報
など)。しかしながら、これらの二層構造糸は、スパン
感、嵩高性には優れているものの、仮撚による捲縮発現
が強く、断面変形による粗硬感が強く、また特有のヌメ
リ感を呈するものであるため、盛夏用外衣等のレーヨン
調風合、サラットした清涼感が要求される用途には十分
対応しきれないという問題があった。さらに、上記の従
来方法では、通常デニールの異なる糸を別々に紡糸した
ものを引き揃えて交絡した後に仮撚加工するため、生産
性が低いほか、不均一な混繊によりカスリ斑が発生しや
すく、また風合も十分に満足できるものではないという
欠点もあった。
【0003】一方、近年、2種以上のフィラメント糸を
紡糸工程で混繊交絡処理する技術の適用が試みられてき
た。例えば、口金面深度を異ならしめて冷却差を利用す
る方法(特開昭60−252711号公報)、断面積が
連続的に拡大する吐出孔をもつ紡糸口金を用い、高ドラ
フトを作用させる方法(特開平4−194007号公
報)、上記を組み合わせた冷却差と高ドラフトを利用し
た方法(特開平4−194010号公報)などの方法が
提案されている。しかし、これらの紡糸混繊交絡糸に通
常の仮撚加工を施しても、嵩高感が不十分で、加工毛羽
も発生しやすく、織物にしたときのソフト感が未だ不十
分であるという問題があった。
【0004】また、ドラフト差を利用すると共に、低ド
ラフト側のみを流体吸引することによって紡糸混繊糸を
得、これを延伸同時仮撚加工して二層構造糸とする方法
(特開平8−120519号公報)が提案されている。
しかし、この方法では低ドラフトで紡糸されたフィラメ
ント糸は流体で吸引されているために一部交絡し、その
ためにもう一方のフィラメント糸との混繊性が低下し、
不均一な混繊に起因するカスリ斑が発生しやすく、また
嵩高性も不十分で満足できるものではなかった。さらに
は、多錘化した場合の錘間バラツキが大きいため、染色
性や嵩高性のバラツキ等の問題が発生しやすく、織物と
した時にカスリ斑が発生しやすく、また風合も不十分で
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の有する問題を背景になされたもので、その目的は、
嵩高感、ソフト感に優れ、カスリ斑がなく、且つ、滑ら
かな表面タッチの風合を呈する新規な複合仮撚加工糸
を、生産効率よく、しかも高速で仮撚加工することによ
り、低コストで製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、上記本発明の目的は、単一の紡糸口金または異なる
紡糸口金から紡糸ドラフト差1万〜10万で紡糸された
2種類の未延伸ポリエステルマルチフィラメント糸を混
繊処理して得た、下記(1)および(2)を同時に満足
する紡糸混繊糸を、仮撚の熱セットヒーターが非接触式
である仮撚加工機を用いて、下記(3)および(4)を
同時に満足する条件で延伸同時仮撚加工することを特徴
とする複合仮撚加工糸の製造方法により達成できること
が見出された。 (1)高ドラフトで紡糸された未延伸ポリエステルマル
チフィラメント糸の複屈折率(A):0.02≦A≦
0.05 (2)2種類の未延伸ポリエステルマルチフィラメント
糸の伸度差(ΔL):70%≦ΔL≦200% (3)仮撚熱セット温度(H):250℃≦H (4)仮撚熱セット時間(T):0.05秒≦T≦0.
10秒
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で使用されるポリエステル
は、その繰返し単位の95モル%以上がエチレンテレフ
タレート単位で構成されたポリエステルを主たる対象と
し、特にポリエチレンテレフタレートホモポリマーが好
ましいが、5モル%以下の範囲で他の成分が共重合され
ていてもよい。該共重合成分としては特に限定されるも
のではなく、従来公知のものを任意に使用することがで
きる。例えば酸成分として、フタル酸、イソフタル酸、
5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、セバ
シン酸、スベリン酸などのような二塩基酸をあげること
ができる。また、グリコール成分として、ブチレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、
2,2−ビス(4−(β−ヒドロキシエトキシ)フェニ
ル)プロパンなどのようなジオール化合物を挙げること
ができる。
【0008】本発明においては、上記のポリエステル
を、単一のまたは異なる紡糸口金を用いて、紡糸ドラフ
ト差が1万〜10万の範囲内で紡糸された下記(1)お
よび(2)を同時に満足する2種類の配向差を有する未
延伸ポリエステルマルチフィラメント糸を得、これを混
繊処理、好ましくは混繊交絡処理して得た紡糸混繊糸
を、延伸同時仮撚加工に供する必要が有る。 (1)高ドラフトで紡糸された未延伸ポリエステルマル
チフィラメント糸の複屈折率(A):0.02≦A≦
0.05、好ましくは0.025≦A≦0.045 (2)2種類の未延伸ポリエステルマルチフィラメント
糸の伸度差(ΔL):70%≦ΔL≦200%、好まし
くは90%≦ΔL≦180%
【0009】ここで、紡糸ドラフト差が1万未満の場合
には、未延伸マルチフィラメント糸間の伸度差(ΔL)
が小さくなって得られる仮撚捲縮加工糸はバラケ気味に
なり、バルキ−不足となって目標とする加工糸の風合が
得られない。一方、紡糸ドラフト差が10万を越える場
合には、高紡糸ドラフト成分の紡糸性が悪化するだけで
なく、仮撚加工時に断糸や毛羽の発生が多くなるので好
ましくない。
【0010】また、上記紡糸ドラフト差を有する2種類
の未延伸ポリエステルマルチフィラメント糸は、その伸
度差(ΔL)が上記の範囲となるように紡糸ドラフト差
をさらに調整設定することが大切で、この伸度差が70
%未満では得られる加工糸の嵩高性が不十分となり、一
方200%を越える場合には、カスリ斑が発生しやすく
なるので好ましくない。
【0011】また、高ドラフトで紡糸された方の未延伸
ポリエステルマルチフィラメントの複屈折率(A)は上
記の範囲内であることが、仮撚加工時の加撚張力を適正
化してサージング発生を防止する上で大切で、この複屈
折率が0.02未満ではサージング発生による熱セット
斑に起因して染斑が大きくなる。一方、0.05を越え
る場合には、繊維断面形状の不均一化、断糸、毛羽など
が多くなるので好ましくない。
【0012】なお、これら未延伸ポリエステルマルチフ
ィラメント糸のトータルデニール比は、5:5〜3:7
(芯部:鞘部)と鞘部になる部分が多いほうが好まし
く、トータルデニールは仮撚加工後のデニールで70〜
300デニールの範囲が好ましい。また、夫々の単糸デ
ニールは、仮撚加工後で、芯糸となる高ドラフト側が3
0〜120デニール、鞘糸になる低ドラフト側が40〜
180デニールとなるようにするのが好ましい。
【0013】このようなドラフト差を有する未延伸糸
は、孔径差を適当な値に設定した異なる2種の吐出孔群
からポリエステルを溶融吐出し、これを例えば800〜
4000m/分、好ましくは1000〜2000m/
分、特に好ましくは1000〜1500m/分の速度で
引取ることにより容易に得ることができる。
【0014】上記の未延伸糸の混繊処理は、引取りロー
ラーの前の段階で行っても、引取りローラーを通過した
後の段階で行ってもよい。混繊処理方法は特に限定され
ず、従来公知の方法を適宜選定すればよいが、例えばイ
ンターレースノズルを用いて圧空処理して混繊交絡させ
る方法が好ましい。この際の交絡数は、多すぎると毛羽
が多くなる傾向があり、一方少なすぎると混繊不良に起
因してカスリ斑になる傾向があるので10〜70個/m
の範囲が適当である。
【0015】本発明においては、上述の要件を満足する
紡糸混繊糸を延伸同時仮撚加工するに際し、仮撚の熱セ
ットヒーターが非接触式である仮撚加工機を用いて、仮
撚熱セット温度(H)が250℃以上、好ましくは25
0〜800℃、特に好ましくは300〜700℃で、且
つ、熱処理時間(T)が0.05〜0.10秒、好まし
くは0.06〜0.09秒の条件で延伸同時仮撚加工す
る必要がある。
【0016】ここで使用される仮撚の熱セットヒータが
非接触式である仮撚加工機は、従来公知のいずれであっ
てもよく、例えば特許第2856260号に開示されて
いるタイプの延伸同時仮撚加工機を例示することができ
る。
【0017】仮撚の熱セット温度が250℃未満の場合
には、熱セット不足により捲縮の発現が不十分となるた
め、得られる加工糸はフラットヤーンと同等になり、嵩
高感が低下して風合も悪化するため好ましくない。な
お、仮撚の熱セット温度は、あまりに高くなりすぎて例
えば800℃を超えると、ヒーターの耐久性低下、エネ
ルギーコストの上昇などの問題が発生し、また、良好な
捲縮を発現させるための熱セット時間が著しく短くなる
ため、安定した捲縮を付与することが困難となって得ら
れる加工糸の品質がバラツキやすくなる。
【0018】次に、仮撚の熱セット時間(T)は、0.
05〜0.10秒、好ましくは0.06〜0.09秒の
範囲とする必要があり、熱セット時間が0.05秒未満
の場合には十分な捲縮を付与することができず、また得
られる仮撚加工糸の強度も低下するので、目的とするソ
フト風合が得られず好ましくない。さらに、仮撚加工速
度を700m/分以上の高速にすると、サージングが発
生しやすくなって染着斑が大きくなるといった問題も生
じやすい。一方、該熱セット時間が0.10秒を超える
場合には、熱セットオーバーに起因して染色性が低下
(淡染化)するだけでなく染着斑も発生しやすくなり、
また加工毛羽も発生しやすくなるため、得られる加工糸
の品位が低下するので好ましくない。
【0019】本発明に使用される延伸同時仮撚加工機の
仮撚具は、摩擦円盤が硬度75〜90度、好ましくは8
0〜85度の範囲であって、厚さ7〜12mm、好まし
くは8〜11mmのウレタンディスクで構成された三軸
摩擦仮撚型ディスク仮撚具が好ましく、その際糸条の走
行角度は該ディスクの回転軸に対して35〜45度の範
囲とするのが好ましい。
【0020】三軸摩擦仮撚型デイスク仮撚具の摩擦円盤
の材質がウレタンである場合には、特に低配向側未延伸
ポリエステルマルチフィラメント糸の施撚性に優れ、得
られる加工糸の強伸度低下や、毛羽の発生を抑制するこ
とができる。
【0021】また、該摩擦円盤の硬度が上記範囲を外れ
て従来の95度前後である場合には、低ドラフトで紡糸
された低配向側未延伸ポリエステルマルチフィラメント
糸を高速度で延伸仮撚する際、非晶状態の該フィラメン
ト糸は高速度で捩られ且つ高倍率に延伸されながら仮撚
されるため、糸は損傷を受けて断糸や毛羽が発生しやす
くなるだけでなく、走行糸条を把持する力が低下して、
走行糸条と摩擦円盤の間でスリップが起こり易くなるた
め、撚掛け効率が低下して十分な捲縮を付与することが
困難になる。一方、摩擦円盤の硬度を低くしすぎて75
度未満にすると、走行糸条を把持する力は大きくなる
が、摩擦円盤の摩耗が激しくなって使用寿命が短くな
り、また摩擦円盤の摩耗に起因する断糸も発生しやすく
なる。なお、ここでいう摩擦円盤の硬度は、JIS K
6301−1971の方法により測定したものである。
【0022】次に摩擦円盤の厚さは、糸条の走行角度に
も関係してくるものであるが、厚さを従来の5mm前後
よりも厚くして7mm以上にすると、撚掛け力はやや低
下するものの糸送り力が増大するため、仮撚加工速度を
700m/分以上の高速にしても安定に加工することが
できるようになる。しかし、余りに摩擦円盤の厚さが厚
くなりすぎて12mm超えると、解撚張力が低くなりす
ぎるために断糸や毛羽が発生しやすくなり、また糸掛け
性も困難になる。摩擦円盤の枚数は特に限定する必要は
ないが、通常4〜9枚の範囲が採用される。
【0023】次に、上記三軸摩擦仮撚型ディスク仮撚具
を用いて施撚する際の該ディスク回転軸に対する糸条の
走行角度は、35〜45度の範囲が適当である。なお、
ここでいう走行角度とは、図4に示されているように、
ディスク回転軸と摩擦円盤の外周上を接触走行する糸条
とがなす角θを意味する。
【0024】摩擦仮撚加工においては、摩擦円盤の回転
によって、走行糸条に撚りを付与する撚掛け力(図4に
おいてcosθで示される)と、走行糸条に糸送り効果
を与える糸送り力(図4においてsinθで示される)
とが発生する。該撚掛け力は走行糸条に十分な捲縮性能
を付与するために大切であり、一方、糸送り力は高速度
で加工するために大切である。通常、仮撚加工速度が高
くなるにつれて糸条の走行状態が不安定になる傾向があ
り、加撚張力(摩擦円盤への入り側の張力)を高めて走
行状態の安定化をはかる方法が採用されているが、それ
に伴って解撚張力(摩擦円盤からの出側の張力)が高く
なるため、断糸や毛羽が発生しやすくなる。この傾向
は、本発明のような低配向の未延伸ポリエステルマルチ
フィラメント糸を有する糸条を延伸仮撚する際、サージ
ング(糸揺れ)として特に顕著に発現し、さらには摩擦
円盤の摩耗の問題も懸念されるようになってくる。
【0025】そこで、本発明においては、前述のように
糸条の走行角度θを35〜45度、好ましくは38〜4
2度の範囲内に選定することにより、加工糸の捲縮性能
を低下させることなく糸送り作用を高めて解撚張力を低
下させることができ、700m/分以上、特に800〜
1200m/分といった高速度での加工が可能となる。
走行角度θが35度未満では、撚掛け力が高くなるもの
の、糸送り力が低下して高速での仮撚加工が困難にな
る。一方、走行角度θが45度を越えると、糸送り力は
高くなるものの、撚掛け力が低下して、加工糸の捲縮性
能および強伸度特性が低下し、また、断糸や毛羽の発生
も多くなりやすい。
【0026】走行角度を35〜45度の範囲内に設定す
るには、摩擦円盤の直径、厚さおよび摩擦円盤の間隔を
適宜調節すればよい。なお、走行角度θは全ての摩擦円
盤について上記範囲内になるように設定することが好ま
しく、そのためには例えばガイドディスクを利用するの
が好ましい。図3に、好ましく使用される三軸摩擦仮撚
型ディスク仮撚具の一例を示すが、ガイドディスクの数
や配置などは、該図に示されたものに限定されるもので
はない。
【0027】また、本発明においては、仮撚加撚張力を
0.20〜0.40g/deの範囲とするのが適当であ
る。加撚張力が上記範囲未満の場合には、サージングに
起因する染着斑が発生しやすくなり、逆に該範囲を越え
る場合には、毛羽や断糸が発生しやすくなる。なお、解
撚張力は、低すぎると染着斑(スポット未解撚状)が発
生しやすく、一方高すぎると毛羽が多発しやすいので、
0.10〜0.30g/deの範囲とするのが好まし
い。
【0028】次に、図1は上記本発明の製造方法におけ
る一実施態様を示す概略工程図である。図1において、
予め紡糸混繊処理されたドラフト差を有する2種の未延
伸ポリエステルマルチフィラメント糸は、ガイド2を経
てフィードローラー3により延伸同時仮撚域に供給され
る。次いで、フィードローラー3と第1デリベリーロー
ラー7との間で延伸されながらフリクションディスクに
より加撚・解撚され、その際第1仮撚熱セットヒーター
(非接触式の熱セットヒーター)4で熱固定される。仮
撚加工された糸条は、必要に応じて、第1デリベリーロ
ーラー7と第2デリベリーローラー9との間で第2熱セ
ットヒーター(再熱セットヒーター)8で熱セットさ
れ、次いで巻取ローラー10でパッケージ11として巻
き取られる。
【0029】
【発明の作用】以上に詳述した本発明の複合仮撚加工糸
の製造方法では、紡糸ドラフト差を有する2種の未延伸
糸からなる紡糸混繊糸を用いているので、得られる加工
糸の均一性が良好で、染め斑およびカスリ斑の抑制され
た加工糸が得られる。また、延伸仮撚加工条件も、仮撚
の熱セットヒーターとして非接触式ヒーターを使用し、
その熱セット温度および熱セット時間を特定範囲に設定
しているので、嵩高感及びソフト感に優れた新規な複合
仮撚加工糸を、生産効率よく、しかも高速で製造するこ
とができる。
【0030】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに詳細に
説明する。なお、実施例中、各特性値の測定は下記に従
った。 <紡糸ドラフト>引取速度(S)とポリマーの吐出線速
度(T)の比(S/T)を算出した。
【0031】<複屈折率>オリンパスBH−2偏光顕微
鏡を使用し、コンペンセーター法により単糸のレターデ
ーションと糸径を測定することにより求めた。 <未延伸ポリエステルマルチフィラメントの切断伸度>
JIS L―1013―75に準じて測定した。
【0032】<紡糸工程調子>捲取量7kgで捲き取っ
た際、断糸で完捲できなかった割合から以下のとおり判
定した。 ○:紡糸断糸率が5%未満、△:紡糸断糸率が5%以
上、10%未満、×:紡糸断糸率が10%以上、
【0033】<捲縮率(TC)%>複合仮撚加工糸に5
0mg/デニールの張力を掛けてカセ枠に巻き取り、約
3000デニールのカセを作る。カセ作成後、カセの一
端に2mg/デニール+200mg/デニールの荷重を
負荷し、1分間経過後の長さL0(cm)を測定する。
次いで、200mg/デニールの荷重を除去した状態
で、100℃の沸水中にて20分間処理する。沸水処理
後2mg/デニールの荷重を除去し、24時間自由な状
態で自然乾燥する。自然乾燥した試料に、再び2mg/
デニール+200mg/デニールの荷重を負荷し、1分
間経過後の長さL1(cm)を測定する。次いで、20
0mg/デニールの荷重を除去し、1分間経過後の長さ
2を測定し、次の算式で捲縮率を算出した。この測定
を10回実施し、その平均値で表した。 TC(%)=[(L1−L2)/L0]×100
【0034】<複合仮撚加工糸の風合>得られた複合仮
撚加工糸を筒編機にて編立て、常法にしたがって精練、
染色、ファイナルセットした後の編地の風合(ソフト
感)および表面タッチを総合して、熟練者5人により官
能判定し、下記のとおり3段階で表した。1級(不
良)、2級(良好)、3級(極めて良好)の3段階で表
した。
【0035】<嵩高性>複合仮撚加工糸サンプル180
cmを綛(周長90cm)状に巻き取り、6.0gの荷
重下で180℃にて5分間乾熱処理した後、該加工糸を
ほぐして、糸条間の収縮による絡みを取り除き、次いで
図2に示す測定装置の溝12にサンプルを挿入し、平板
ウエイト13をのせ、目盛り14を読み取り、サンプル
の体積(Vcm3)を測定する。なお、測定装置の溝1
2の長さは12cm、幅は0.9cmである。次いで、
サンプルの両端を12の側面に合せて切り落し、切り落
した後のサンプル重量W(g)を測定して、V/W(c
3)をもって嵩高性とした。
【0036】<加工毛羽>東レ(株)製DT−104型
毛羽カウンター装置を用いて、複合仮撚加工糸を500
m/分の速度で20分間連続測定して発生毛羽数をカウ
ントした。
【0037】<沸水収縮率(BWS)>約3000デニ
ールの複合仮撚加工糸のカセを作り、これに0.1g/
デニールの荷重をかけて原長L0(cm)を測定し、次
にカセの荷重を2mg/デニールに変え、これを沸水中
で30分間熱処理し、次いで室温で乾燥させた後、荷重
を0.1g/デニールに変えてその長さL1(cm)を
測定し、次の算式で沸水収縮率を算出し、10回測定し
てその平均値を求めた。 沸水収縮率(BWS)=(L0−L1)/L0×100
【0038】<走行角度>摩擦仮撚具上を走行している
糸条を写真撮影し、各摩擦円盤上の糸条の走行角度θを
写真の上で実測して、それらの測定値の平均値をもって
走行角度とした。
【0039】<摩擦円盤寿命>最下段の摩擦円盤(走行
角を安定化するために設けたガイドディスクを除く)の
直径が1.0%減少した月数で示した。
【0040】[実施例1]ドラフト差7.7万で紡糸混
繊交絡処理された2種の未延伸ポリエステルマルチフィ
ラメント(高紡糸ドラフト成分:120デニール/24
フィラメントで複屈折率0.028、低紡糸ドラフト成
分:180デニール/48フィラメントで切断伸度差が
150%、交絡数25個/m)を、図1に示した装置で
延伸同時仮撚加工を行った。その際の仮撚延伸倍率は
1.80倍、非接触式の仮撚熱セットヒーター温度
(H)は450℃、仮撚熱処理時間(T)は0.075
秒(ヒーター長1m)とした。また、仮撚具としては三
軸フリクションディスク(摩擦円盤の材質は硬度83度
のウレタンゴム、厚さは10mm)を使用し、糸条と摩
擦円盤との走行角度を40度にして800m/分の速度
で加工し、170デニール/72フィラメントの複合仮
撚加工糸を得た。得られた複合仮撚加工糸は、嵩高性は
35cm3/gと極めて嵩高性の大きいものであった。
【0041】得られた複合仮撚加工糸を筒編に編立て、
常法にしたがって染色、仕上げした編地は、サラットし
た滑らかな表面タッチで且つソフトな風合を呈するもの
であった。またこの仮撚加工糸に1800T/mの撚り
を施して撚糸となし、経密度が176本/3.79c
m、緯密度が106本/3.79cmの綾組織に織成
し、常法にしたがって、リラックス(温度120℃、2
0分間)、プレセット(温度180℃、45秒)、アル
カリ減量処理(減量率17%)、染色加工(温度130
℃、45分間)、およびファイナルセット(温度160
℃、45秒間)の工程を通して織物を得た。得られた織
物は、滑らかな表面タッチと優れたドレープ性を呈し
た、優れた織物であった。なお、結果を表1に示す。
【0042】[比較例1]ポリエチレンテレフタレート
を、紡糸ドラフト156、紡糸速度1300m/分で紡
糸して伸度360%、複屈折率0.015、150デニ
ール/48フィラメントの低配向未延伸ポリエステルマ
ルチフィラメント糸を得た。また別に、ポリエチレンテ
レフタレートを、紡糸ドラフト188、紡糸速度320
0m/分で紡糸して伸度125%、複屈折率0.04
5、125デニール/24フィラメントの高配向未延伸
ポリエステルフィラメント糸を得た。
【0043】両フィラメント糸を引き揃え、混繊交絡処
理(交絡数50個/m)した後に、仮撚の熱セットヒー
ターが接触ヒーターである仮撚加工機を使用し、延伸倍
率1.63、仮撚の熱セット温度180℃、熱セット時
間0.21秒の条件で延伸同時仮撚加工を行った。その
際、仮撚具としては通常の三軸フリクションディスクを
用い、340m/分の速度で加工して170デニール/
72フィラメントの複合仮撚加工糸を得た。得られた仮
撚加工糸の嵩高性は20cm3/gと低いものであっ
た。
【0044】この複合仮撚加工糸を、実施例1と同様に
処理して織物となしたところ、得られた織物は表面タッ
チがザラザラとしていて、風合が劣ったものであった。
結果を表1に示す。
【0045】[実施例2〜6、比較例2〜4]実施例1
において、紡糸ドラフト差を表1に記載のごとく変更し
て高ドラフト紡糸側の未延伸糸の複屈折率および両未延
伸糸の伸度差を表1に記載のとおり変更する以外は実施
例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】[実施例7〜13、比較例5〜6]実施例
1において、延伸同時仮撚加工条件を表2または表3に
記載のとおり変更する以外は実施例1と同様にした。結
果を表2および表3に示す。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、嵩高感、ソ
フト感に優れ、しかもカスリ斑などの染色斑が発生し難
く、且つ滑らかな表面タッチの風合を呈する二層構造の
複合仮撚加工糸を、生産効率よく、高速度で容易に得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で使用した複合仮撚加工糸を製造する
装置の概略図である。
【図2】嵩高性測定装置の概略図である。
【図3】本発明で使用する三軸摩擦仮撚型デイスク仮撚
具の一例を示す正面図である。
【図4】摩擦円盤の外周上を接触走行する糸条の走行角
度を説明するための概略図である。
【符号の説明】
1 ポリエステル紡糸混繊糸 2 ガイド 3 フィードローラー 4 第一熱セットヒーター(仮撚熱セットヒーター) 5 冷却プレート 6 撚掛装置(仮撚ディスク) 7 第1デリベリーローラー 8 第二熱セットヒーター(再熱セットヒーター) 9 第2デリベリーローラー 10 巻取ローラー 11 パッケージ 12 溝 13 平板ウエイト 14 目盛り 15,16,17 回転軸 18,19,20,25 ガイドデイスク 21,22,23,24 摩擦円盤 26,27,28,29 プーリー 30 駆動ベルト

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単一の紡糸口金または異なる紡糸口金か
    ら紡糸ドラフト差1万〜10万で紡糸された2種類の未
    延伸ポリエステルマルチフィラメント糸を混繊処理して
    得た、下記(1)および(2)を同時に満足する紡糸混
    繊糸を、仮撚の熱セットヒーターが非接触式である仮撚
    加工機を用いて、下記(3)および(4)を同時に満足
    する条件で延伸同時仮撚加工することを特徴とする複合
    仮撚加工糸の製造方法。 (1)高ドラフトで紡糸された未延伸ポリエステルマル
    チフィラメント糸の複屈折率(A):0.02≦A≦
    0.05 (2)2種類の未延伸ポリエステルマルチフィラメント
    糸の伸度差(ΔL):70%≦ΔL≦200% (3)仮撚熱セット温度(H):250℃≦H (4)仮撚熱セット時間(T):0.05秒≦T≦0.
    10秒
  2. 【請求項2】 仮撚加工機の仮撚具が、硬度75〜90
    度、厚さ7〜12mmのウレタンディスクで構成された
    三軸摩擦仮撚型ディスク仮撚具であり、該ディスクの回
    転軸に対する糸条の走行角度が35〜45度、糸条の走
    行速度が700m/分以上である請求項1記載の複合仮
    撚加工糸の製造方法。
  3. 【請求項3】 紡糸混繊糸の紡糸速度が1000〜15
    00m/分である請求項1または2記載の複合仮撚加工
    糸の製造方法。
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