JP2000303280A - 流体噴射処理装置 - Google Patents

流体噴射処理装置

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JP2000303280A
JP2000303280A JP11113542A JP11354299A JP2000303280A JP 2000303280 A JP2000303280 A JP 2000303280A JP 11113542 A JP11113542 A JP 11113542A JP 11354299 A JP11354299 A JP 11354299A JP 2000303280 A JP2000303280 A JP 2000303280A
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fluid
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hole
diameter
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Masaki Nishimura
雅樹 西村
Yoshinori Tsukada
吉則 塚田
Takeshi Nishiyama
武史 西山
Hiroshi Nishida
裕志 西田
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1000m/分を超える高速で生産する場合
においても、十分な交絡と均一なループを付与すること
ができ、安定して嵩高加工糸を生産することが可能な流
体噴射処理装置を提供する。 【解決手段】 糸条が走行する円筒状の導糸孔1と導糸
孔1の出口付近に糸条が衝突する糸条衝突体2が設けら
れ、導糸孔1は糸条の走行方向に沿って糸条導入部1
1、流体噴射部12、流体加速部13、流体拡散部14
からなり、糸条衝突体2に衝突した糸条は、流体拡散部
14の終点Rから下方に引き取られる流体噴射処理装置
である。糸条導入部11、流体加速部13、流体拡散部
14においては導糸孔がテーパ状となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、糸条に嵩高性を付
与するために、流体処理により交絡とループを付与する
流体噴射処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】糸条を流体処理して、嵩高化することは
よく知られた技術であり、そのための方法及び装置は多
く提案されている。例えば、流体処理装置としては、特
公昭60−14853号公報等に開示されているタスラ
ンノズルや特公平2−38704号公報等に開示されて
いるヘマジェットノズルが広く用いられている。
【0003】しかしながら、これらの流体処理装置は、
導糸孔が単に平行な円筒状に設けられたものであるの
で、半未延伸糸や延伸糸を高速で生産する工程中で用い
ると、交絡不足が多発する。そして、これを防ぐために
流体の圧力を上げても、十分な交絡を付与することがで
きず、嵩高加工糸を安定して生産できる速度は1000
m/分以下であった。
【0004】また、特開平9−310241号公報に
は、導糸孔の孔径に変化を持たせた流体処理装置が記載
されている。この装置によれば、100〜900m/分
の範囲での製造において、速度を早めても製造速度の遅
い場合と同等程度の交絡を付与することが可能となる。
しかしながら、この装置においても導糸孔の孔径を変化
させてはいるが、流体の加速について十分に考慮されて
いないため、1000mを超える高速では、十分な交絡
が付与された嵩高加工糸を安定して生産することはでき
なかった。
【0005】さらに、従来の流体処理装置はクローズタ
イプであるため、加工開始時や糸切れ時には、糸条を流
体処理装置の入口から出口まで手作業で通糸した後、巻
取装置まで通糸する必要があるので操業性が低く、特
に、高速で走行する紡糸一工程法の場合は作業が困難で
あるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した問題
点を解決し、1000m/分を超える高速で生産する場
合においても、十分な交絡と均一なループを付与するこ
とができ、嵩高加工糸を安定して生産することが可能な
流体噴射処理装置を提供することを技術的な課題とする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、糸条が走行する円筒状の導糸
孔の出口付近に糸条が衝突する球体の糸条衝突体が設け
られ、導糸孔は糸条の走行方向に沿って糸条導入部、流
体噴射部、流体加速部、流体拡散部からなる流体噴射処
理装置であって、糸条導入部は、導糸孔径が糸条走行方
向に沿って徐々に小さくなり、糸条導入部の終点Nの導
糸孔径がaであり、流体噴射部は、導糸孔が略均一の径
aを有し、導糸孔の外周部には、円筒状で孔径bが0.
3a≦b≦0.7aである流体噴射孔が3個以上、導糸
孔に対して入射角αが30°≦α≦60°となるように
設けられており、流体加速部は、導糸孔径がaより徐々
に大きくなり、基点Pより水平に引いた線と基点Pと終
点Qとを結ぶ線とのなす角度(加速角)βが5°≦β≦
15°であり、流体拡散部は、終点Rに向かってさらに
導糸孔径が滑らかな曲線を描くように徐々に大きくなる
ものであり、流体加速部の基点Pより水平に引いた線と
基点Pと流体拡散部の終点Rとを結ぶ線とのなす角度
(拡散角)γが30°≦γ≦60°であり、かつ流体噴
射部の長さL1 が4a≦L1 、流体噴射孔端Oから流体
加速部の基点Pまでの長さL2 が0.5a≦L2 ≦3
a、流体加速部の長さL3 が5a≦L3 ≦10a、流体
加速部と流体拡散部とを合わせた長さL4 が8a≦L4
≦15a、糸条衝突体の直径cが9a≦c≦15aであ
ることを特徴とする流体噴射処理装置を要旨とするもの
である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を用い
て詳細に説明する。図1は、本発明の流体噴射処理装置
の一実施態様を示す断面説明図である。本発明は、糸条
が走行する円筒状の導糸孔1の出口付近に糸条が衝突す
る糸条衝突体2が設けられた装置であって、導糸孔1は
糸条の走行方向に沿って糸条導入部11、流体噴射部1
2、流体加速部13、流体拡散部14からなっている。
そして、導糸孔1はこの4つの各部において、孔径が変
化しているものである。
【0009】糸条は、まず糸条導入部11より導入さ
れ、流体噴射部12で流体が噴射された後、流体加速部
13、流体拡散部14を経て、糸条衝突体2に衝突し、
流体拡散部14の終点Rから糸条走行方向に対して垂直
方向に引き取られる。
【0010】次に、導入孔1の各部について順に説明す
る。まず、糸条導入部11は、導糸孔径が糸条走行方向
に沿って徐々に小さくなり、糸条導入部の終点Nの導糸
孔径がaである。そして、この導入孔径の変化を示す、
糸条導入部の終点Nより水平に引いた線と導入孔とのな
す角度(放射角)θは5°以上とすることが好ましい。
【0011】これにより、糸条導入部の入口に向かっ
て、流体噴射孔より逆流する流体の圧力が糸条導入部の
放射角(θ)により減少させられるため、導糸孔に供給
された糸条に解繊の妨げとなる振動が発生しにくくな
り、糸条を安定して高速供給でき、高速でも均一な交絡
が付与された嵩高加工糸を得ることが可能となる。角度
θが5°未満では、この効果が少なく、糸条に振動が発
生して解繊不足となりやすく、高速で安定して供給する
ことが困難になりやすい。
【0012】そして、流体噴射部12は、導糸孔径が略
均一の径aを有し、導糸孔1の外周部には、円筒状で孔
径bが0.3a≦b≦0.7aである流体噴射孔3が3
個以上、糸条の走行方向(導糸孔)に対して入射角αが
30°≦α≦60°となるように設けられている。
【0013】本発明者らは、高速で走行する糸条を安定
して流体噴射処理するため、流体噴射部の形状を種々検
討した結果、導糸孔径aと流体噴射孔径bが0.3a≦
b≦0.7aの関係式を満足することで、流体噴射孔3
より供給された圧力流体が導糸孔1を走行する糸条を最
も効率よく解繊することを見出した。
【0014】流体噴射孔径bが0.3a未満の場合、流
体噴射孔3より噴射される流体の流量が少なくなり、供
給された糸条を解繊、推進させるエネルギーが不足し
て、安定した流体噴射処理ができなくなる。一方、流体
噴射孔径bが0.7aを超える場合、流体噴射孔3より
供給された圧力流体が、糸条の走行方向だけでなく、導
糸孔1内を逆流する流量が増加し、糸条を安定して解繊
することができなくなる。
【0015】また、導糸孔1の外周に設ける流体噴射孔
3の数が3個未満では、導糸孔を高速で走行する糸条を
安定して解繊、推進させるために必要な圧力流体の流量
を得ることができない。流体噴射孔3の数の上限は特に
限定するものではないが、あまり多くても効果が飽和
し、加工コストが高くなるだけなので、3孔程度とする
ことが好ましい。そして、これらの複数の流体噴射孔3
は、導糸孔1の外周に等間隔で設けることが好ましい。
【0016】さらに、流体噴射孔3は、糸条の走行方向
(導糸孔)に対して入射角αが30≦α≦60となるよ
うに設ける。これにより、流体噴射孔3より導糸孔1へ
導入される圧力流体が糸条に対して最適な解繊力、推進
力を有するものとなる。入射角αが30°未満の場合、
流体噴射孔3より導糸孔1へ導入される圧力流体の推進
力が過剰となり、解繊力が不足するため、糸条を安定し
て解繊することができない。一方、入射角αが60°を
超える場合、流体噴射孔3より導糸孔1へ導入される圧
力流体は解繊力を有するが、インターレース様の交絡を
形成し、かつ逆流する流量も増加して推進力が不足する
ため、高速で走行する糸条を安定して流体噴射処理する
ことができない。
【0017】また、流体噴射部12の長さL1 が4a≦
L1 、流体噴射孔の糸条走行方向側の孔端Oから流体加
速部の基点Pまでの長さL2 が0.5a≦L2 ≦3aで
あることが必要である。これにより、高速で走行する糸
条を安定して解繊することができる。長さL1 が4a未
満の場合、導糸孔1を逆流する流体により流体噴射処理
装置の入り口付近で糸条に発生した振動が減少すること
なく流体噴射孔付近の糸条に伝播するため、糸条を安定
して解繊することができない。
【0018】長さL2 が0.5a未満の場合、流体噴射
孔より導糸孔へ導入された圧力流体が導糸孔内で糸条の
走行方向へ均一な流速となる前に流体加速部へ供給され
るため、解繊状態が不安定となる。一方、L2 が3aを
超える場合、流体噴射孔より導糸孔へ導入された圧力流
体に対する糸条の走行方向への圧力抵抗が大きくなり、
逆流する流量が増加して推進力が不足し、高速で走行す
る糸条を安定して流体噴射処理することができなくな
る。
【0019】なお、流体噴射孔3より供給する流体の圧
力は特に限定するものではないが、6〜9kg/cm2
程度とすることが好ましい。
【0020】次に、流体加速部13においては、導糸孔
径が糸条の走行方向に沿ってaより徐々に大きくなる。
この孔径の変化を示す、基点Pより水平に引いた線と基
点Pと終点Qとを結ぶ線とのなす角度(加速角)βが5
°≦β≦15°、そして、流体加速部の長さL3 が5a
≦L3 ≦10aであることが必要である。
【0021】これにより、流体噴射孔より導糸孔へ導入
された圧力流体が適度な拡散作用により流速がマッハ2
以上好ましくはマッハ4以上に加速可能となり、高速で
走行する糸条を安定して流体噴射処理できる。加速角β
が5°未満の場合や流体加速長L3 が5a未満の場合
は、圧力流体の拡散作用が小さく、流速がマッハ2以上
に加速されないため、推進力が不足し、高速で走行する
糸条を安定して流体噴射処理できない。加速角βが15
°を超える場合や流体加速長L3 が10aを超える場合
は、圧力流体が過剰に拡散するため、流体加速部の導糸
孔内で流速と流量ともに不均一となり、高速で走行する
糸条を安定して流体噴射処理できない。
【0022】流体拡散部14は、終点Rに向かってさら
に導糸孔径が滑らかな曲線を描くように徐々に大きくな
るものであり、この孔径の変化を示す、流体加速部13
の基点Pより水平に引いた線と基点Pと流体拡散部14
の終点Rとを結ぶ線とのなす角度(拡散角)γが30°
≦γ≦60°であり、また、流体加速部13と流体拡散
部14とを合わせた長さL4 が8a≦L4 ≦15aであ
ることが必要である。
【0023】流体拡散部14がこのような形状を有して
いることで、導糸孔内の中心付近に存在する糸条を推進
させている流体の方向を乱すことがないため、流体加速
部13で解繊された糸条の解繊状態を維持しながら糸条
衝突体2に衝突させることが可能となる。さらに、導糸
孔内の糸条が流体拡散部14を経て糸条衝突体2に衝突
しながら糸条走行方向に対して直角方向へ滑らかに曲が
ることから、フィラメント間の糸長差が段階的に発生し
て、糸長差がフィラメント間の交絡と糸条表面の均一な
ループに変換される。滑らかな曲線を有する流体拡散部
がなく、流体加速部の終点より流体が噴き出される場
合、流体加速部の導糸孔壁に沿って加速された流体が終
点の鋭角部で導糸孔から離れることにより、乱流を発生
し、糸条の解繊状態に悪影響を与える。
【0024】したがって、γが30°未満の場合は、流
体拡散部14の広がりが不足し、また、γが60°を超
える場合は、流体拡散部14の広がりが大きくなりす
ぎ、ともに、導糸孔内の糸条が糸条衝突体に衝突後、流
体拡散部14の終点R付近で滑らかに曲がることができ
ず、フィラメント間の糸長差が段階的に発生せず、糸長
差がフィラメント間の交絡と糸条表面の均一なループに
変換されない。
【0025】L4 が8a未満の場合は、流体拡散部が短
すぎるため、糸条が糸条衝突体に衝突後、導糸孔方向に
対して直角方向に急激に曲げられ、糸長差がフィラメン
ト間の交絡と糸条表面の均一なループに変換されない。
【0026】L4 が15aを超える場合は、流体拡散部
が長すぎるため、糸条が糸条衝突体に衝突後も、ゆるや
かな曲線の流体拡散部に沿って走行方向に対して直角方
向にゆるやかに曲がりすぎ、糸長差が徐々に発生し、糸
長差の多くがフィラメント間の交絡に変換され、糸条表
面に均一なループが形成されなくなる。
【0027】そして、本発明の流体噴射処理装置におい
ては、円筒状の導糸孔1が糸条走行方向の断面に沿って
分割可能に設けられていることが好ましい。すなわち、
流体噴射処理装置は通常、ステンレス等の金属製のもの
であり、これに円筒状の導糸孔1が穿孔されて加工され
ているものであるが、糸条走行方向の断面に沿って導糸
孔1が分割されるように設けられ、例えば、流体噴射処
理装置自体が導糸孔1の糸条走行方向の断面に沿って2
面(上下又は左右の面)に分割できる形状のものや、導
糸孔1を糸条走行方向の断面に沿って2面に分離した1
面を含む流体噴射処理装置の一部を取り出し可能とした
形状のものが挙げられる。
【0028】このように、円筒状の導糸孔1が糸条走行
方向の断面に沿って分割可能に設けられていることによ
って、開始又は糸切れ発生のために通糸する場合におい
ても、従来のように入口から出口まで手作業で糸を通す
作業を行うことなく、上記のように上下2面に分離可能
とした場合は、まず導糸孔1の下面に糸を通した後、上
面と一体化させればよく、これにより、高速で走行する
紡糸一工程で糸切れが生じた場合においても、走行する
糸条をサクションガン等で引き取りながら、通糸を行う
ことが可能となり、作業性が格段に向上する。
【0029】本発明の流体噴射処理装置を用いると、走
行する糸条が糸条衝突体2に衝突することによって交絡
と均一なループが形成されるが、その機構は次のような
ものである。流体加速部13で加速された流体が糸条衝
突体2に衝突するが、このとき、糸条衝突体2と流体拡
散部14との空間においては乱気流が発生する。そし
て、糸条衝突体に衝突した糸条は、流体拡散部14の終
点Rから糸条走行方向に対して垂直方向へ曲げられて引
き取られる。このとき発生する糸長差が、前記の空間に
おいて発生した乱気流によって、フィラメント間の交絡
と糸条表面のループへ変換される。
【0030】このため、糸条に高速で安定して均一な交
絡やループを付与するには、糸条が導糸孔で十分に開繊
されていること、十分な推進力を有しながら、糸条衝突
体2に衝突し、十分な乱気流を発生させることが重要な
ポイントとなる。
【0031】上記のように十分な乱気流を発生させるた
めには、糸条衝突体3の直径cを9a≦c≦15aと
し、流体拡散部14内にできるだけ近接させて設けるこ
とが好ましい。
【0032】糸条衝突体の直径cが9a未満の場合、糸
条衝突体に衝突した流体が衝突体表面に沿って流れやす
く、糸条衝突体と流体噴射処理装置との空間に十分な乱
気流が発生しないため、高速で安定してループを形成す
ることが困難となる。また、糸条衝突体の直径cが15
aを超える場合、糸条衝突体と流体噴射処理装置との空
間に十分な乱気流は発生するが、糸条が糸条衝突体に衝
突すると同時に糸条走行方向に対して直角方向へ急激に
曲げられ、フィラメント間の糸長差が瞬時に発生するた
め、糸長差がフィラメント間の交絡と糸条表面の均一な
ループへ変換されなくなる。
【0033】以上のように、本発明の流体噴射処理装置
によれば、導糸孔1の各部の孔径を適切な広がりと長さ
を有するように規定しているので、糸条導入部11にお
いては、糸条に開繊の妨げとなる振動が発生しにくく、
流体噴射部12においては、流体噴射孔3より噴射され
た流体は、逆流することがなく、十分な力で糸条を安定
して開繊することができる。そして、流体加速部13に
進むと、流体は、外壁に沿いながら加速して進み、かつ
導糸孔の中心部においても乱流が生じることがないの
で、十分な推進力を有しながら、良好な開繊状態で糸条
を走行させることができ、流体拡散部14に進んだ後、
十分な推進力で糸条を糸条衝突体2に衝突させることが
できる。これにより、十分な乱気流が生じ、従来の10
00m/分以下の加工速度においてはもちろんのこと、
1000m/分以上の速度で流体の圧力を上げて加工す
る際にも、十分な交絡と均一なループ付与することがで
き、嵩高加工糸を安定して製造することが可能となる。
【0034】このように、本発明の流体噴射処理装置で
流体処理され、十分な交絡と均一なループが形成された
嵩高加工糸は、製編織して布帛にすると、布帛表面に虫
状の欠点がなく、美しい表面外観のものとなる。
【0035】なお、本発明の流体噴射処理装置は、一旦
未延伸糸を巻き取った後に加工を行う二工程法、一旦巻
き取ることなく、紡糸に引き続いて加工を行う一工程の
どちらの工程でも使用することが可能であるが、前記の
ように本発明の流体噴射処理装置の導糸孔を糸条走行方
向の断面に沿って分割可能に設けると、一工程法におい
ても良好に使用することができる。
【0036】一工程法で本発明の流体噴射処理装置を設
けて紡糸から巻取まで行う方法の一例を図2を用いて説
明する。まず、エクストルーダー20、21でチップを
溶融し、それぞれ紡糸口金より紡糸し、糸条Aと糸条B
とする。糸条Aはゴデットローラ22と加熱されたゴデ
ットローラ23との間で延伸することにより、高収縮糸
とし、糸条Bはゴデットローラ24と加熱されたゴデッ
トローラ23との間でほとんど延伸することなく引き取
り、低収縮糸とする。次に、ゴデットローラ23上で糸
条Aと糸条Bを引き揃え、スリットノズル26で水を付
与した後、弛緩状態で流体噴射処理装置27に通糸し
て、ゴデットローラ25を経た後、巻取装置28で巻き
取る。
【0037】本発明の流体噴射処理装置は、上記のよう
に糸条に水分を付与した後供給することが好ましいが、
得ようとする糸条の目的、銘柄等によっては付与しなく
てもよい。
【0038】また、図2の方法においては、2糸条を異
なる収縮率のものとしているが、同程度の収縮率のもの
でもよく、さらには、同速で供給しても、異なる速度で
糸長差を付けながら供給してもよい。
【0039】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、交絡数、ネップ数の測定、ループ付与の評価
は次のように行った。 〔交絡数〕得られた嵩高加工糸の繊度をhとしたとき、
h×1/20(g)の荷重を用いたフットドロップ法に
より測定した1m当りの交絡部の個数。 〔ネップ数〕2mm以上の表面ループ毛羽を光学式毛羽
カウンターにより測定した1m当りのループ毛羽の個
数。 〔ループ〕得られた嵩高加工糸の糸表面を目視にて観察
し、ループが均一に付与されている度合いを、均一性の
最も高いものを5として、1〜5の5段階で評価した。
【0040】実施例1〜6、比較例1〜9 図2に示す一工程法において、本発明の流体噴射処理装
置を設けて紡糸から巻取まで行った。まず、相対粘度
(96%硫酸を溶媒とし、濃度1g/dl、温度25℃
で測定した。)2.53のナイロンチップを水分率0.
13%となるように調整した後、エクストルーダー2
0、21に供給し、紡糸温度260℃で紡糸し、エクス
トルーダー21下方の紡糸口金からは24fの糸条A
を、エクストルーダー20下方の紡糸口金からは48f
の糸条Bを紡出した。糸条Aはゴデットローラ22と1
10℃に加熱されたゴデットローラ23との間で2.5
5倍に延伸し、高収縮糸70d/24fとした。糸条B
はゴデットローラ24と110℃に加熱されたゴデット
ローラ23との間で1.01倍に延伸し、低収縮糸70
d/48fとした。次に、ゴデットローラ23上で糸条
Aと糸条Bを引き揃え、スリットノズル26で水を付与
した後、8kg/cm2 の圧力流体が供給された流体噴
射処理装置27に通糸して、流体処理を行った。このと
き、流体噴射処理装置27の導糸孔の各部の長さ、径、
角度及び糸条衝突体の直径等を表1に示すように種々変
更したものを用いた。そして、この流体噴射処理装置
は、流体噴射処理装置自体が導糸孔1の糸条走行方向の
断面に沿って上面と下面に分割できる形状のものであっ
た。そして、オーバーフィード率4%の弛緩状態でゴデ
ットローラ25を経た後、4000m/分の速度で巻取
装置28で巻き取り、140d/72fの嵩高加工糸を
得た。流体噴射処理装置の導糸孔の各部の長さ、径、角
度及び糸条衝突体の直径、さらには、得られた嵩高加工
糸の交絡数、ネップ数、ループの評価を併せて表1に示
す。
【0041】
【表1】
【0042】表1から明らかなように、実施例1〜6で
は、安定して流体処理を行うことができ、得られた嵩高
加工糸は十分な交絡と均一なループが付与され、糸条表
面のネップ数の少ない美しい外観を有するものであっ
た。そして、流体噴射処理装置自体が導糸孔1の糸条走
行方向の断面に沿って上面と下面に分割できる形状のも
のであったため、糸切れが生じた場合は、容易に通糸作
業を行うことができ、作業性が良好であった。一方、比
較例1は、入射角αが大きすぎたため、流体噴射孔3よ
り導糸孔1へ導入される圧力流体は逆流する流量も増加
して推進力が不足するため、高速で走行する糸条を安定
して流体噴射処理することができず、得られた嵩高加工
糸は均一にループが付与されておらず、糸条表面に多く
のネップが発生し、この糸条を製編織して得られた布帛
は、表面に虫状の欠点が多発した。比較例2は、加速角
βが小さすぎたため、比較例4は、流体加速長L3 が小
さすぎたため、ともに圧力流体の拡散作用も小さくな
り、流速がマッハ2以上に加速できないため、推進力が
不足し、十分な数の交絡を付与できず、また、加工中の
糸切れも多発して、操業性が悪かった。比較例3は、角
度γが小さすぎたため、流体拡散部14の広がりが不足
し、導糸孔内の糸条が糸条衝突体に衝突後、流体拡散部
14の終点R付近で滑らかに曲がることができず、得ら
れた嵩高加工糸は十分な交絡が付与されず、ループも不
均一でネップの発生も多かった。比較例5は、糸条衝突
体の直径cが大きすぎたため、得られた嵩高加工糸は十
分な交絡が付与されていたが、糸条表面に多くのネップ
が存在し、この糸条を製編織すると布帛表面に虫状の欠
点が多発した。比較例6は、流体噴射孔径bが小さすぎ
たため、流体噴射孔3より噴射される流体の流量が少な
くなり、糸条を解繊、推進させるエネルギーが不足し、
また、比較例7は、流体噴射部の長さL1 が短すぎたた
め、導糸孔1を逆流する流体により流体噴射処理装置の
入り口付近で糸条に発生した振動が減少せず、ともに、
得られた嵩高加工糸は、十分な交絡が付与されていなか
った。比較例8は、流体噴射部L2 が短すぎたため、圧
力流体が導糸孔内で糸条の走行方向へ均一な流速となる
前に流体加速部へ供給され、解繊状態が不安定となり、
また、比較例9は、流体加速・拡散部の長さL4 が長す
ぎたため、糸長差がフィラメント間の交絡とループに良
好に変換されず、ともに、得られた嵩高加工糸は、十分
な交絡と均一なループが付与されていなかった。
【0043】
【発明の効果】本発明の流体噴射処理装置によれば、1
000m/分以上の加工速度で十分な交絡と均一なルー
プを付与することができ、安定して嵩高加工糸を生産す
ることが可能となる。さらに、円筒状の導糸孔を糸条走
行方向の断面に沿って分割可能に設けることによって、
紡糸一工程法において用いても、糸切れ時には高速で走
行する糸条を容易に通糸することが可能となり、操業性
を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流体噴射処理装置の一実施態様を示す
断面説明図である。
【図2】本発明の流体噴射処理装置を用いる紡糸一工程
法の一実施態様を示す工程図である。
【符号の説明】
1 導糸孔 2 糸条衝突体 3 流体噴射孔 11 糸条導入部 12 流体噴射部 13 流体加速部 14 流体拡散部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西田 裕志 京都府宇治市宇治戸ノ内5 ユニチカ株式 会社宇治工場内 Fターム(参考) 4L036 AA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糸条が走行する円筒状の導糸孔の出口付
    近に糸条が衝突する球体の糸条衝突体が設けられ、導糸
    孔は糸条の走行方向に沿って糸条導入部、流体噴射部、
    流体加速部、流体拡散部からなる流体噴射処理装置であ
    って、糸条導入部は、導糸孔径が糸条走行方向に沿って
    徐々に小さくなり、糸条導入部の終点Nの導糸孔径がa
    であり、流体噴射部は、導糸孔が略均一の径aを有し、
    導糸孔の外周部には、円筒状で孔径bが0.3a≦b≦
    0.7aである流体噴射孔が3個以上、導糸孔に対して
    入射角αが30°≦α≦60°となるように設けられて
    おり、流体加速部は、導糸孔径がaより徐々に大きくな
    り、基点Pより水平に引いた線と基点Pと終点Qとを結
    ぶ線とのなす角度(加速角)βが5°≦β≦15°であ
    り、流体拡散部は、終点Rに向かってさらに導糸孔径が
    滑らかな曲線を描くように徐々に大きくなるものであ
    り、流体加速部の基点Pより水平に引いた線と基点Pと
    流体拡散部の終点Rとを結ぶ線とのなす角度(拡散角)
    γが30°≦γ≦60°であり、かつ流体噴射部の長さ
    L1 が4a≦L1 、流体噴射孔端Oから流体加速部の基
    点Pまでの長さL2 が0.5a≦L2 ≦3a、流体加速
    部の長さL3 が5a≦L3 ≦10a、流体加速部と流体
    拡散部とを合わせた長さL4 が8a≦L4 ≦15a、糸
    条衝突体の直径cが9a≦c≦15aであることを特徴
    とする流体噴射処理装置。
  2. 【請求項2】円筒状の導糸孔が糸条走行方向の断面に沿
    って分割可能に設けられている、請求項1記載の流体噴
    射処理装置。
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