JP2000303412A - 透光性防音板及びこれを用いた防音壁 - Google Patents

透光性防音板及びこれを用いた防音壁

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Abstract

(57)【要約】 【課題】透光性、透視性と、吸音性、遮音性を備えた透
光性防音板及びこれを用いた防音壁を提供する。 【解決手段】合成樹脂フィルム等の透光性の膜状材料の
両面又は片面に多孔板を配した透光性吸音材1と、ポリ
カーボネート等からなる透光性遮音板2とをパネル枠材
3によりパネル化し、パネル内部に内部吸音材4を配置
する。この透光性防音板は透光性を持ち、防音壁とすれ
ば日照や視界を損なうことがない防音壁となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、道路鉄道などの騒
音対策に用いられる透光性、透視性があり、かつ吸音性
を有する透光性防音板及びこれを用いた防音壁に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、防音壁に用いられる防音板として
は、グラスウール等の多孔質吸音材を金属等の枠に入れ
て音源側を吸音性とし、反対側を遮音性の板で構成した
吸音性の遮音板や、ポリカーボネートなどの透明プラス
チックを用いた透光性遮音板が用いられている。しかし
前者(吸音性遮音板)は吸音性や遮音性は有するが、透
光性、透視性がないので日照や視界を妨げる問題があ
り、後者(透光性遮音板)は透光性、透視性、遮音性は
あるが吸音性がないため音源側での音の反射により騒音
レベルの上昇が起こる問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の問題点を解決し、透光性、透視性を有し、かつ吸音
性、遮音性を備えた透光性防音板及びこれを用いた防音
壁を提供するためになされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明の透光性防音板は、透光性の膜状材
料の両面又は片面に多孔板を配した透光性吸音材と、透
光性遮音板と、これらを一定間隔に保持するパネル枠材
とからなることを特徴とするものである。なお、透光性
吸音材をパネル枠材にルーズに留め付けた構造とするこ
とが好ましく、透光性防音板の内部には内部吸音材を配
置することが好ましく、透視できる開口が全面積の30
%以上であることが好ましい。また本発明の防音壁は、
上記の透光性防音板を設置したことを特徴とするもので
ある。
【0005】本発明の透光性防音板は、透光性吸音材と
透光性遮音板とをパネル化したものであるから、透光
性、透視性とともに吸音性、遮音性を備える利点があ
り、日照や視界を妨げることなく防音効果を発揮するこ
とができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施形態とともに
詳細に説明する。図1は本発明の透光性防音板の外観
図、図2はその断面図、図3はその部分拡大図である。
図2に示すように、本発明の透光性防音板は、透光性吸
音材1と透光性遮音板2とを、パネル枠材3により一定
間隔に保持してパネル化したものである。以下に各部材
について説明する。
【0007】(透光性吸音材)透光性吸音材1は、図4
に示すように透光性、透視性の膜状材料5の両側又は片
側に多孔板6を配した吸音材であって、膜状材料5の振
動を多孔板6で調整して適正な振動を得ることによって
音のエネルギーを吸収する吸音材である。用いられる膜
状材料5は、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化エチレン等
のフッ素樹脂系フィルムやポリエステル、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、酢酸ビニル、ポリ
ビニリデンなどの合成樹脂フィルムであって、厚さは6
μm〜2000μmが好ましい。厚さが厚いと膜振動が
生じにくくなり吸音率が低下し、薄すぎると破損しやす
くなるためである。
【0008】膜状材料5と組み合わされる多孔板6は、
アルミニウム、鉄、ガラス、合成樹脂などの各種材料か
らなる網やエキスパンドメタルのような網状のもの、ア
ルミニウム、鉄等の金属板、珪酸カルシウム板、セラミ
ック板等の無機質板、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニ
ル等の有機質板に貫通孔明け加工した孔明き板である。
この多孔板6の開口率は、吸音性確保と透光性、透視性
確保のため40%以上とすることが好ましい。また一つ
の開口(孔)の大きさは、3〜50mmが好ましい。透視
性の面からは孔径が大きい方が好ましいが、膜振動の調
整機能が低下しやすく吸音率が低下するためである。
【0009】膜状材料5と多孔板6との組み合わせは、
1個の膜状材料5に対して多孔板6をその両側または片
側に配置するが、膜状材料5の音波による振動を調整す
るためには、膜状材料5が多孔材6に軽く触れるか触れ
ない程度にするか、部分的に接触させたり接触させなか
ったりするようなルーズな構造にする必要がある。膜状
材料5が2層の場合には、多孔板6、膜状材料5、多孔
板6、膜状材料5の組み合わせや、多孔板6、膜状材料
5、多孔板6、膜状材料5、多孔板6などの組み合わせ
となる。膜状材料5が3層以上の場合もこれに準じて組
み合わせればよい。透光性吸音材1をパネル枠材3に取
り付ける際は、音源側に多孔板6がくるようにするのが
好ましい。
【0010】また、透光性吸音材1をパネル枠材3へ留
め付ける時には、端部や中間部を長い距離に渡って押さ
えて留め付けても良いが、部分的に固定し、固定部と固
定部の間はルーズにして留め付け部近傍でも音波による
膜状材料の振動が十分行われるようにすることが好まし
い。なお、透光性吸音材1に紫外線等に対する耐候性処
理を施しても良い。また、透光性吸音材1は平面状に取
り付けても良いし、波形、三角形等の凹凸形にして取り
付けても良い。
【0011】(パネル枠材)パネル枠材3は、透光性吸
音材1と透光性遮音板2とを一定間隔に保持してパネル
化するための部材であり、アルミニウム、鉄などの金属
や塩化ビニル等の合成樹脂、セラミック、セメント等の
無機材料を用いることができる。
【0012】(透光性遮音板)透光性遮音板2として
は、ポリカーボネート、塩化ビニル、メタクリル樹脂、
スチロール樹脂、ABS樹脂、フッ化エチレン樹脂、ア
クリル樹脂等の合成樹脂やゴムであって透光性、透視性
を有するものや、透明、半透明のガラス等の透光性、透
視性を有するものを用いることができる。これらは単独
または複層にして用いられる。その大きさは防音板の大
きさにより決まる。厚さは必要とする遮音力(音響透過
損失)から設定されるが、道路防音壁に用いる場合でプ
ラスチック板の場合には3〜10mmが好ましい。この透
光性遮音板2は曲面加工、スリット加工、模様加工、レ
ンズ加工等を施したものでも良い。また、紫外線等に対
する耐候性処理や表面硬さ向上のための処理や網等によ
る補強を施したものを用いても良い。
【0013】(内部吸音材)パネルの内部に入れる内部
吸音材4は、例えば連通孔を有する多孔質吸音材である
グラスウール、ロックウール等の無機繊維からなる多孔
質材、アルミ繊維などの金属繊維からなる金属多孔質
材、アルミの発泡体、アルミ粒子の焼結体、陶磁器粒子
の焼結体、ウレタン、メラミン樹脂などの発泡体、セラ
ミック発泡体、軽量骨材の焼結体または接着多孔体、セ
メント発泡体、珪酸カルシウム発泡体等が用いられる。
気孔率、流れ抵抗、通気率、嵩比重、大きさ、厚さ、取
り付け時の背後空気層の有無、吸音材の保護材の有無、
内部吸音材自身の吸音特性に制限されるものではない。
【0014】パネル内部への内部吸音材4の配置は、図
5に示すようにパネル枠材3等の側面に沿って入れた
り、縦または横方向にスリット状に入れたり、格子状、
丸孔状等形状はどのような形状に配置してもよいが、透
視できる開口が防音板全体の面積の30%以上とするよ
うに配置することが好ましい。30%を下回ると透光
性、透視性が悪くなる。
【0015】上記のように、本発明の透光性防音板は透
光性吸音材1とパネル枠材3と透光性遮音板2とからな
る。これらは図2のようにリベット、ビス、接着剤等を
用いてパネルに組み立てられる。透光性吸音材1と透光
性遮音板2との間には空気層7が存在する。本発明の透
光性防音板の厚さは音源の周波数に合わせて設定する。
厚さを薄くすると空気層7が小さくなり高周波領域の吸
音率が向上し、厚くすると空気層7が大きくなり低周波
領域の吸音率が向上する。一般的には50〜200mm厚
さにして用いる。
【0016】本発明の透光性防音板の表面、裏面、内部
には、汚れ防止や窒素酸化物浄化のため二酸化チタン等
の光触媒を塗布等によって付着させても良い。また、本
発明の透光性防音板の上端及び下端には積み上げて設置
する時のはめ込み部や、両端部に落下防止用のワイヤー
ロープを通すための孔を設けても良い。
【0017】なお、高速道路のランプウエイで本線部に
遮音壁を設置するような場合には、音源は本線側とラン
プウエイ側の双方にあり、両面吸音性の防音板が必要と
なるが、この場合は、防音板の断面構成を透光性吸音材
1、空気層7、透光性遮音板2、空気層7、透光性吸音
材1とし、内部空音材4やパネル枠材3を組み合わせて
両面吸音性のパネルにすればよい。
【0018】このように構成された本発明の透光性防音
板は、透光性、透視性とともに吸音性、遮音性を備える
利点があり、日照や視界を妨げることなく防音効果を発
揮することができる。
【0019】本発明の防音壁は、例えば図6に示すよう
に所定の間隔に立設したH型支柱(H型鋼)10、10
間に上記の透光性防音板を透光性吸音材1を音源側にし
て上部から落とし込み、固定パネルや金具などで固定し
て立設することができる。防音壁の高さを高くする場合
には多数の防音板を積み上げればよい。この防音壁も日
照や視界を妨げることなく防音効果を発揮することがで
きる。
【0020】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。厚さ12μm
のフッ素樹脂フィルム2枚と、孔ピッチが5×10mm
(A)及び4×8mm(B)のアルミニウム製のエキスパ
ンドメタルを用いて、音源側からエキスパンドメタル
(A)、フッ素樹脂フィルム、エキスパンドメタル
(B)、フッ素樹脂フィルムの組み合わせで配置し、透
光性吸音材1とした。この透光性吸音材1と5mm厚さの
透明ポリカーボネート板からなる透光性遮音板2を、
1.6mm厚さの亜鉛メッキ鋼板からなるパネル枠材3に
よりパネル化し、図2に示すように配置し、実施例1の
透光性防音材を作成した。
【0021】透光性吸音材1の留め付けには図3のよう
に押さえ板8を当て、約200mmの間隔でリベットで固
定する方法としたが、押さえ板8と透光性吸音材1、透
光性吸音材1とパネル枠材3との間には厚さ1.6mmの
丸形座金9を入れ、留め付け部間の吸音材がルーズにな
るようにして振動が抑制されないようにした。
【0022】実施例1の透光性防音板は大きさが100
0mm×1960mm、厚さが125mm、透視可能な開口率
は約80%で、残響室法吸音率は、250Hzで0.8
0、500Hzで0.80、1000Hzで0.91、
2000Hzで0.60であった。また音響透過損失
は、250Hzで18dB、500Hzで21dB、1
000Hzで28dB、2000Hzで33dBであっ
た。
【0023】次いで、実施例1と同じ構成、寸法の透光
性防音板の内部に25mm厚さのメラミン樹脂発泡吸音材
を21μのフッ素樹脂フィルムで包んだものを内部吸音
材として、図5に示すように配置して実施例2の透光性
防音板を作成した。この透光性防音板の透視可能な開口
率は約75%で残響室法吸音率は250Hzで0.8
0、500Hzで0.85、1000Hzで0.97、
2000Hzで0.65であった。 また音響透過損失
は、250Hzで19dB、500Hzで22dB、1
000Hzで28dB、2000Hzで34dBであっ
た。
【0024】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の透光性
防音板は、透光性、透視性を有する上に吸音性、遮音性
も備えた防音板であり、防音壁として設置した場合、防
音効果を高めるため壁を高くしても日照や視界(透視
性)を損なうことがなく、かつ音源側での音の反射を抑
制できるので高い防音効果が確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透光性防音板の外観図である。
【図2】本発明の透光性防音板の断面図である。
【図3】本発明の透光性防音板の部分拡大断面図であ
る。
【図4】透光性吸音材の拡大断面図である。
【図5】内部吸音材を配置した本発明の透光性防音板の
断面図である。
【図6】本発明の防音壁の外観図である。
【符号の説明】
1 透光性防音材、2 透光性遮音板、3 パネル枠
材、4 内部吸音材、5膜状材料、6 多孔板、7 空
気層、8 押さえ板、9 丸形座金、10 H型支柱

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性の膜状材料の両面又は片面に多孔
    板を配した透光性吸音材と、透光性遮音板と、これらを
    一定間隔に保持するパネル枠材とからなることを特徴と
    する透光性防音板。
  2. 【請求項2】 透光性吸音材をパネル枠材にルーズに留
    め付けたことを特徴とする請求項1に記載の透光性防音
    板。
  3. 【請求項3】 透光性防音板の内部に内部吸音材を配置
    したことを特徴とする請求項1または2に記載の透光性
    防音板。
  4. 【請求項4】 透視できる開口が全面積の30%以上で
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    透光性防音板。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の透光性
    防音板を設置したことを特徴とする防音壁。
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