JP2000303614A - 家屋の土壁構造及び軸組み構築方法 - Google Patents

家屋の土壁構造及び軸組み構築方法

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JP2000303614A
JP2000303614A JP11304525A JP30452599A JP2000303614A JP 2000303614 A JP2000303614 A JP 2000303614A JP 11304525 A JP11304525 A JP 11304525A JP 30452599 A JP30452599 A JP 30452599A JP 2000303614 A JP2000303614 A JP 2000303614A
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Kinshiro Nakamura
金四郎 中村
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 家屋の建築に要する工期を短縮することを可
能とした土壁構造及び軸組みの構築方法を提供する。 【解決手段】 土壁パネルを、木造家屋の軸組みを構成
する枠体10と、該枠体によって支持張設される泥保持
手段15と、該泥保持手段上に塗布される泥20と、か
ら構成した。木造家屋の軸組みを構成する木材によって
支持張設されるラス15と、該ラス上に塗布される泥2
0と、から成る土壁構造において、軸組みは、少なくと
もその一部が軸組み本体に対してユニット単位に分解さ
れて個別に製作された上で現場にて軸組み本体に組み付
けられることにより、軸組みとして完成される構成を備
え、前記複数のユニットのうちの土壁を構成するユニッ
トを、所定に組んだ木材と、該木材によって支持張設さ
れるラスと、該ラス上に塗布される泥と、から構成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は木造家屋等の軸組み
における土壁構造の改良に関し、特に従来の土壁の作成
工事に要する期間、労力を大幅に短縮、効率化すること
により、家屋の建築に要する工期を短縮することを可能
とした土壁構造及び軸組み構築方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図5は木造家屋の軸組み構造の一部(壁
面)を示す図であり、通し柱等と呼ばれる縦柱1と、け
た2a,胴差し2b,中差し2c,土台2d等の横柱2
と、を備えている。これらの構成要素によって形成され
る四角い空間には対角線に沿って斜めに角材や板材等か
らなる筋交い3を差し渡すことにより、筋交い構造が構
築される。また、筋交い3の有無に関係なく、軸組みの
壁面部分には、必要に応じてこまい竹を張設して泥を塗
り乾燥させることにより土壁が構築される。土壁は、季
節によって温湿度差の大きい日本の気候風土に適合した
温湿度の調節機能を備えた優れた建築技術であり、室内
の温湿度の調節維持という機能の他に、断熱、防音、耐
火という点でも優れている。特に、日本は高温多湿の気
候風土を有するために、木造家屋を構成する材料が結
露、高湿度により急激に発育する腐朽菌等により劣化し
て、耐久性が低下する問題が昔から深刻である。隙間風
の多い旧来の木造家屋においては、通気性を十分に確保
できる為、結露等の発生がある程度防止されていたが、
グラスウール等の断熱材を用いる等の方法により家屋を
気密化する最近の傾向は、結露、吸湿等の湿気に関わる
問題を更に深刻化している。また、ツーバイフォー工法
における建築材料として多用されている合板は機械的強
度の割りには、結露、湿気による耐久性が悪く、比較的
短期間に黴たり、腐ることにより、壁面を構成する木
材、石膏ボード等の材料は勿論、土台や柱を劣化させる
ことが知られている。また、木材を組み合わせて構成し
た軸組みから成る家屋壁面の壁内中空層内に結露が生じ
たり、或は結露に至らない程度の高湿度化も壁面を構成
する材料の劣化を早める結果をもたらす。更に、前記壁
内中空層内に断熱材が充填使用されると、ますます内部
結露の発生率が高まり、劣化が促進される。また、結露
は木材から成る建材のみならず、プレハブ住宅のように
金属から成る建材をも結露等により経時的に錆びさせて
耐久性を低下させる結果をもたらす。
【0003】更に、結露による木材の吸湿はシロアリの
増殖を促進し、また室内の高湿化や結露は建材の種類を
問わずダニ等の増殖を促進する不具合をもたらしてい
る。このような問題は、木造家屋に限らず、所謂マンシ
ョンの如きコンクリート建造物においても同様に発生し
ている。特にコンクリート建造物における通気性は木造
家屋の場合よりも大幅に低下するため、結露等とそれに
伴って発生する各種の不具合は深刻である。木造家屋に
おける結露、高湿度化による不具合を解決する手段とし
て土壁は従来から知られており、使用する泥自体は低コ
ストであるものの泥を塗る作業が煩雑で、左官等の専門
技術者によらないと塗布不能な箇所が多い為、工事期間
の長期化、生産コスト増をもたらすので嫌われる傾向が
あり、最近の建築技術、建材を多用して構築される現在
の木造家屋にあっては泥の使用は敬遠されている。ま
た、従来土壁を構築する為に、軸組みの一部に細い竹材
(こまい竹)を用いて網目状の格子を形成し、この竹材
に対して泥を塗ることが行われてはいたが、竹材から成
る格子は、竹材同士をひもを用いて縛って網目状に組み
付ける作業が手作業にて必須となる為、極めて煩雑であ
り、このことが土壁が敬遠される大きな原因となってい
た。ところで、竹材を用いた土壁は軸組みを完成してか
ら壁面を構成する木材に対して竹材を網目状に張り渡し
た上で、竹材に泥を塗り、外気や天日等の自然条件下に
おいて最低一か月程度乾燥させることにより完成するも
のであり、その作業は全て現場にて実施される為、足場
等の関係で作業が煩雑化したり、雨天や湿度の関係で乾
燥に要する時間が一か月以上に長期化する等の不具合が
あった。しかし、従来はこれを当然のこととしていたた
め、完成までの工事期間が天候等によって左右されて大
幅に延びるという事態が多発していた。また、自然条件
によっては乾燥が過剰となってひび割れ等を起こし、泥
を塗布し直す必要が発生することも多い。しかしなが
ら、土壁を現場にて構築する従来方法は、前記のごとく
製作手数の増大、期間の長期化等という不具合をもたら
す為、この点の改善が強く求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、木造家屋、コンクリート建築物の壁面等を
構成する材料が、結露、吸湿等に起因して黴たり、腐り
を起こしたり、シロアリの増殖を促進することにより劣
化し、その耐久性、耐震性が大幅に低下するという問題
を解決することにある。そのために、本発明では、軸組
みを構成する枠体にラス、金網、木材等から成る泥保持
手段を張設、或は配置し、この泥保持手段に対して泥を
塗布してから乾燥させることにより土壁パネルを構築し
ているが、この土壁パネルは現場にて構築してもよい
し、現場以外で製作してもよい。現場以外の場所にて製
作する場合には、現場にて土壁を製作工事する場合に要
していた期間や労力を大幅に短縮、効率化することによ
り、家屋の建築に要する工期を短縮することができる。
また、ラス、金網等の場合には、竹材から成る網部材の
場合のようにその制作を手作業にて行う必要がなく、既
成の泥保持手段を枠体等に張るだけでよいので作業性が
よく、建築コスト増を招くことがない。また、木製の角
材、板材、棒材等を枠体に対してメッシュ状に、或は横
や縦に格子状に組み付ける作業は、周知の自動装置を用
いれば、ラス、金網等よりも更に組み付け作業が容易で
ある。更に、ユニットとしての土壁パネルを製造する場
合には、工場等において略水平に寝かせた状態で泥を塗
布することができるので、作業性が大幅に向上し、低コ
スト化、工期の短縮化を図ることができる。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、請求項1の発明は、家屋の軸組みを構成する枠体
と、該枠体に支持した泥保持手段と、該泥保持手段上に
塗布される泥と、から成る土壁パネル、を用いたことを
特徴とする。請求項2の発明は、家屋の軸組みを構成す
る枠体と、該枠体によって支持される泥保持手段と、該
泥保持手段上に塗布される泥と、から成る土壁パネルを
用いた土壁構造であって、前記軸組みは、少なくともそ
の一部を構成する枠体が軸組み本体とは個別に製作され
た上で現場にて軸組み本体に組み付けられることによ
り、軸組みとして完成される構成を備えたことを特徴と
する。請求項3の発明は、軸組みの少なくとも一部を軸
組み本体に対して着脱可能な土壁パネルとし、この土壁
パネルを軸組み本体とは個別に製作した上で現場にて軸
組み本体に組み付けることにより、軸組みを完成する家
屋の軸組み構築方法であって、前記土壁パネルは、軸組
みの一部を構成する枠体に対して泥保持手段を組み付け
る工程と、該泥保持手段上に泥を塗布する工程と、該泥
を乾燥させる工程とから成ることを特徴とする。請求項
4の発明は、前記泥保持手段は、木製の角材、或は棒材
を前記枠体に対してメッシュ状に組み付けた構成を有す
ることを特徴とする。請求項5の発明は、前記泥中に木
炭粉等の吸湿性の高い素材を混入したことを特徴とす
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示した形態
例により詳細に説明する。本発明は図5に示した如き軸
組みを構成する木材(角材、板等)のうち、側壁部分を
土壁とする際に、当該側壁部分を予め軸組み本体とは別
構成としてユニット化し、軸組み本体に対してこのユニ
ット化した側壁部分を組み付けることにより軸組みを完
成するようにした建築方法を前提としている。つまり、
例えば図5に示した縦柱1と横柱2とから成る四角い空
間を一つのユニットとして、軸組み本体とは別構造化
し、現場以外の工場等にてこのユニットを製作する。工
場等にて製作されたユニットは現場に運搬されて、現場
にて軸組み本体に対して組み付けられる。図1(a) は、
角材11、12、13から成る四角い枠体10に泥保持
手段15を貼り付けて成る枠体ユニットYを示してお
り、この枠体ユニットYは枠体10を構成する角材1
1、12、13によってラス(泥保持手段=メッシュ
材)15を支持張設した構成を備えている。角材11は
四角い外枠を構成するように組まれており、他の角材1
2、13は角材11により構成される四角い外枠の内部
にて互いに所定の角度(例えば、90度)にて交差する
ように組み付け配置されている。なお、図5に示した筋
交い3は、四角く組んだ木材から成る枠の対角線に沿っ
て配置されているに過ぎないので、耐震強度等の点で問
題があるが、本発明では、複数本の角材12、13を枠
体10に対して互いに交差するように配置しているの
で、木造家屋等の耐震強度を高めることができる。な
お、本発明の枠体10における角材12、13の組み付
け構造は、図示のものに限定されるわけではない。いず
れにしても合板を使用しない壁面構造とすることによ
り、合板の接着剤から発生するホルムアルデヒドに起因
したシックハウス病(アレルギー、化学物質過敏症等)
の発生を防止することが可能となる。
【0007】図1(b) の要部拡大図に示すように、メッ
シュ状のラス15は外周縁を角材11に固定されるとと
もに、内側部分は角材12と13との間に挟んで固定さ
れる。また、ラス15の一部の上に泥20を塗布した状
態が示されている。泥保持手段としては、ラス15の代
わりに予め網状に制作されたメッシュ材、例えば金網等
や、板又は角材等をメッシュ状、縦又は横方向への格子
状に組み合わせたものを用いてもよい。従って、例え
ば、角材12、13を図示の状態よりも更に緊密に多数
本配置して泥保持手段としてもよい。但し、本発明の泥
保持手段には、竹材を用いたものは含まない。なお、枠
体10は必ずしも四角である必要はなく、三角形、五角
形等々の多角形や円形等々、どのような形状であっても
よい。また、枠体10という概念には合板の如き板材を
も含む。図2はこの枠体10及びラス15の表裏に対し
て十分な量の泥20を緊密に塗布、充填することにより
このユニット10を土壁パネルとした状態を示してい
る。泥20は、所要の成分を含んだ土に対して水等の液
体を含ませて混練した泥状物であり、これをラスの表裏
上に均一に塗布することによりラス15及び枠体10と
一体化させる。塗布後、外気中に所要時間放置すること
により泥を乾燥固化させてラス15と一体的に固化させ
る。なお、泥20に対して木炭粉等の吸湿性の高い素材
を所要量混入することにより吸湿性を更に高めることが
有効である。また、泥は、外枠11の内側に位置する泥
保持手段(ラス、金網、角材、板材等)の表面は勿論内
部に入り込むことにより、土壁パネル内の空隙をできる
かぎり排除した構成となり、比較的強固に密着、硬化す
る。このような土壁パネルを軸組みの完成時期に合わせ
て予め製造しておき、軸組み完成時(棟上げ式後)に所
定箇所にこの土壁パネルを組み付けることにより、軸組
みを完成する。泥を乾燥させる手法としては、密閉した
室内でヒータ、除湿手段等を用いることにより最適の乾
燥条件を設定した上で行う方法の他、軸組みの完成時期
よりも十分に早い時期に晴天の日を選んで外気中にて乾
燥させるようにしてもよい。室内でヒータ、除湿手段等
を用いて乾燥させる場合には、数日〜2週間程度の日数
をかけて乾燥させることが好ましく、軸組みの完成時期
に合わせた調整が容易である。いずれにしても、軸組み
本体とは別個のユニットとして土壁を完成させる為、軸
組み本体についての工事の進行具合や天候等の諸条件に
合わせてフレキシブルな対応が可能となる。
【0008】土壁を含んだ軸組みの構成要素を全て現場
にて完成させる方法によった場合には、土壁となる側壁
に塗った泥を現場での自然条件によって乾燥させるた
め、土壁を含む軸組みの完成に要する期間が天候に左右
されて全体的な工事期間が長期化することが多かった
が、前記構築方法によれば、天候に関係なく予めユニッ
ト化された土壁パネルを作成しておくので、仮に雨天の
日であっても軸組み本体に対して、泥が乾燥した土壁パ
ネルを組み付けることにより軸組みを完成することがで
きる。また、自然条件に左右されずに、最適の乾燥条
件、環境を人工的に設定することにより、乾燥不良、過
剰乾燥によるひび割れ等の不具合が発生する事態をも改
善することができる。また、従来軸組みにおいて土壁と
なる側壁等はほぼ垂直な姿勢で設置されているため、側
壁等を構成する枠体に対して泥を塗る作業は煩雑であ
り、左官等の専門技術者等の熟練者による作業が必須と
なる。しかし、工場等において土壁ユニットを製造する
場合には、水平姿勢、傾斜姿勢、その他、垂直以外の所
望の姿勢に枠体を支持した上で例えば泥を充填した容器
から水平に支持した枠体の泥保持手段上に大量の泥を一
括して流し込んでから均一に塗布するという効率的な作
業が可能となり、作業性を大幅に向上することができ
る。従って、非専門、非熟練の作業者による簡単な作業
が可能となる。また、使用する泥の量のコントロールも
容易化、正確化するので、製品の信頼性を高めることが
できる。本発明の土壁パネルを適用することができる箇
所は、軸組みを構成する側壁等のように土壁を適用する
部分全てに亙っており、側壁以外の部分、例えば屋根等
であっても土壁状に構成する場合には、本発明の土壁パ
ネル、或は軸組み構築方法を適用することができる。つ
まり、現場において、屋根、天井等を土壁化することは
困難であるが、本発明によれば予め土壁化したパネルを
軸組み本体に組み込むことができるので、作業性が大幅
に高まる。また、本発明はプレハブ住宅又はツーバイフ
ォーの建築方法にも適用することができ、この場合には
使用する合板面に対して泥保持手段をあてがっておき、
泥保持手段上に泥を塗布することとなる。つまり、本発
明の枠体ユニットとは、板面を含む枠体をも含むもので
ある。このため、合板に本発明を適用することにより、
合板の吸湿による耐久性の低下という不具合や、合板を
構成する接着剤中のホルムアルデヒドに起因したシック
ハウス病等の不具合を一挙に排除して、家屋の耐久性、
快適性を高めることができる。なお、土壁をユニット化
した場合に問題となるのは、土壁パネルのサイズ、使用
材料によっては形状、重量が大きくなり過ぎて、工場で
の製造、運搬に適さない場合があることである。この場
合には、現場にて全ての製作作業を行うことが有効であ
り、既に軸組み中に組み込まれている枠体、パネル等に
対して泥保持手段を張設、貼り付けした上で、泥を塗っ
てもよいし、軸組み中に組み込む前の枠体、パネル等を
横置きにして泥を塗って土壁パネルを完成させてから軸
組み中に組み込んでもよい。
【0009】次に、図3(a) 及び(b) は本発明の他の実
施形態のユニットの構成を示す斜視図であり、この枠体
ユニットYが図1、図2に示した実施形態の枠体ユニッ
トと異なる点は、泥保持手段15として角材、板材(薄
肉細幅かつ長尺の板材)、棒材等をメッシュ状、格子状
に組み上げた構成を採用した点である。即ち、ラスや金
属網を泥保持手段として使用した上記実施形態の土壁パ
ネルは、従来の細い竹材をひもで縛ることによって形成
した従来のメッシュに比べれば組み付ける手数が大幅に
低減されることは明らかであるが、ラスや金属網を枠体
に対して十分に張設した状態で皺が残らないように張り
付ける作業に手間取ることがあった。これに対して、四
角い枠体に対して角材、板材、棒材等をメッシュ状、或
は格子状に組み付けることにより泥保持手段とした場合
には、泥保持手段の組み付け手数が大幅に削減されるこ
とが判明した。特に、周知の自動釘打ち装置をもちいる
場合には枠体と、角材等の組付けが容易に完了する。こ
の枠体10は、外枠を構成する角材11と、角材11か
ら成る外枠内部に交差状態で組み付けられた角材12、
13とから成る点では上記実施形態と同様であるが、こ
の実施形態では泥保持手段25として、複数の板材26
を任意の状態で組み付けたものを使用している点が異な
っている。この例に示した泥保持手段25は、角材11
から成る外枠の長手方向に沿ってほぼ等間隔に板材26
を平行配置することにより格子状の泥保持手段とした
が、図4に示すように網目状に組み付けてもよい。ま
た、泥20は、図3(b) にも示すように枠体10の内部
の空隙を排除するように枠体の表裏両面から塗布、充填
する。勿論、板材26の間の空間が完全に埋まるように
充填することが好ましい。次に、図4に示した枠体ユニ
ットYは枠体10の表面側と裏面側に夫々板材26を斜
めに格子状に配置することにより、表裏の板材26群が
網目を構成するようにしている。この枠体ユニットYに
対して泥20を塗布する場合には、板材26群の間の空
隙は勿論、必要に応じて板材26群の表面が泥によって
被覆されるように泥を塗りつける。なお、図4では角
材、板材等を枠体に対して斜めに格子状に組み付けた
が、これは一例であり、縦、或は横に格子状に組み付け
てもよいし、縦横にメッシュ状に組み付けてもよい。
【0010】更に、これらの板材26群の上に泥を塗る
前に、板材26群の面上に、各板材と交差するように所
要の断面形状を有した紐をジグザグ状に張設固定し、紐
の上から泥を塗ることにより、将来泥が割れを起こすこ
とを防止することが可能となる。つまり、板材の上に直
接泥を塗ることも有効であるが、板材群の上に泥となじ
みの良い材質から成る紐や網(例えばラス)等を貼り付
けておくことにより、泥との密着度が高まり、また紐や
網等が補強性を発揮して泥の割れを防止することとな
る。なお、従来のように四角い外枠の対角線に沿って配
置する筋交いは、耐震強度の点で問題である為、本出願
人は図3に示したように外枠内に複数の角材を襷掛け状
に交差させた筋交いを提案したが、この筋交い構造を有
した枠体に対して更に泥保持手段を組み付けた枠体ユニ
ットをもちいて土壁パネルを構築することにより、耐震
強度に優れた土壁パネルとすることができる。以上のよ
うに本発明の土壁パネルを用いた木造家屋、マンション
等のコンクリート家屋においては、土壁が湿気を吸収す
る調湿、防露、保湿機能の他にも、保温、保冷、不燃、
断熱、遮音、脱臭等の利点を発揮するので、季節によっ
て温湿度差の大きい日本の気候風土に適合した快適な居
住環境を提供することができる。しかも、家屋等の建築
工程、特に土壁の構築、組み付け工程が効率化するの
で、工事期間の短縮化、低コスト化を図ることができ
る。
【0011】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明は、家屋の
土壁構造を、木造家屋の軸組みを構成し且つ木材を組む
こと等により形成した枠体と、該枠体によって支持張設
される泥保持手段と、該泥保持手段上に塗布される泥
と、から成る土壁パネル、により構築したので、泥の吸
湿性を利用して、家屋を構築する建材、特に壁を構築す
る木材、金属、石膏等が結露、吸湿によって劣化する事
態の発生を未然に防止し、家屋の寿命を大幅に伸ばすこ
とができる。この土壁パネルは、軸組み中に既に組み込
まれている枠体(板材を含む)に対して泥保持手段を介
して泥を塗ることによって構築してもよいし、或は現
場、或は工場等において組み付け前の枠体等に対して泥
保持手段を介して泥を塗ることにより構築してもよい。
ユニット化して構築した土壁パネルを完成した後に軸組
みに組み込む場合には、製造作業が容易化し、低コスト
化する等のメリットがあるが、現場にて軸組みに対して
泥保持手段の組み付け、泥の塗布作業を行う場合には、
ユニット化した場合に必要とされる運搬等の手間が省け
る。また、泥保持手段として既成のラス、金網等を用い
るので、従来のように竹とひもを用いて網状格子を製作
する必要がなくなり、生産性の向上、低コスト化を図る
ことができる。請求項2の発明は、木造家屋の軸組みを
構成する木材によって支持張設されるラス、金網等の既
成の泥保持手段と、該泥保持手段上に塗布される泥と、
から成る土壁構造において、前記軸組みは、少なくとも
その一部が軸組み本体に対してユニット単位に分解され
て個別に製作された上で現場にて軸組み本体に組み付け
られることにより、軸組みとして完成される構成を備
え、土壁を構成する枠体ユニットを、所定に組んだ木材
と、該木材によって支持張設される泥保持手段と、該泥
保持手段上に塗布される泥と、から構成した。このた
め、土壁パネルを室内で製作、乾燥してから現場に運搬
し、現場にて軸組み本体に組み付けることにより、軸組
みを完成することができることとなり、泥を乾燥させる
ための期間が天候によって左右されて工事期間が長期化
するという不具合を解決することができる。
【0012】請求項3の発明は、軸組みの少なくとも一
部を軸組み本体に対して着脱可能な土壁パネルとし、こ
の土壁パネルを軸組み本体とは個別に製作した上で現場
にて軸組み本体に組み付けることにより、軸組みとして
完成する木造家屋の軸組み構築方法であって、前記土壁
パネルを、所定に組み付けた木材から成る枠体に泥保持
手段を支持張設する工程と、該泥保持手段上に泥を塗布
する工程と、該泥を乾燥させる工程とによって製作す
る。このため、現場以外の室内作業場にて土壁パネルを
製造し、製造したユニットを現場に運搬して軸組み本体
に対して組み付けることにより、軸組みを完成すること
ができる。現場での土壁形成作用は足場等の条件によっ
ては危険、煩雑な作業であるが、このようにユニット化
した土壁を組み付けるように構成すれば、作業性が大幅
に向上し、コストダウンをも図ることができる。また、
天候に関係なく土壁を軸組み内に組み付けることができ
るので、工期の長期化等という不具合をなくすることが
できる。また、現場では泥を塗る対象物としての枠体ユ
ニットが垂直な壁面であったり、天井であったりして泥
を塗る作業性が悪く、左官等の専門技術者による作業が
必須となるが、本発明のようにユニット化した枠体ユニ
ットに対して泥を塗る場合には枠体ユニットを水平姿勢
等の任意の姿勢に支持して泥を適量流し込み、塗り込む
ことができるので、作業性が向上し、品質も高くなる。
請求項4の発明では、前記泥保持手段は、木製の角材、
板材、或は棒材を前記枠体に対してメッシュ状に組み付
けた構成を有するので、ラスや金網等を枠体ユニットに
張設状態で貼り付ける際よりも、容易に泥保持手段の組
付けを完了することができる。また、泥が角材等から成
る泥保持手段の内部に充填され、強固に保持されるので
経時的な信頼性を確保することができる。請求項5の発
明は、前記泥中に木炭粉等の吸湿性の高い素材を混入し
たので、吸湿効果を泥のみに依存することなく、更に有
効に発揮させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は本発明の一形態例の土壁パネルの泥を塗
る前の構成を示す説明図、(b)はその要部拡大図。
【図2】図2は泥を塗った状態を示す土壁パネルの構成
図。
【図3】(a)、(b)は本発明の他の実施形態の土壁パネル
の構成を示す斜視図。
【図4】本発明の他の実施形態の土壁パネルの構成を示
す説明図。
【図5】従来例の説明図。
【符号の説明】
10 ユニット(枠体)、11、12、13 角材、1
5 泥保持手段、20泥、25 泥保持手段、26 板
材。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 家屋の軸組みを構成する枠体と、該枠体
    に支持した泥保持手段と、該泥保持手段上に塗布される
    泥と、から成る土壁パネル、を用いたことを特徴とする
    家屋の土壁構造。
  2. 【請求項2】 家屋の軸組みを構成する枠体と、該枠体
    によって支持される泥保持手段と、該泥保持手段上に塗
    布される泥と、から成る土壁パネルを用いた土壁構造で
    あって、 前記軸組みは、少なくともその一部を構成する枠体が軸
    組み本体とは個別に製作された上で現場にて軸組み本体
    に組み付けられることにより、軸組みとして完成される
    構成を備えたことを特徴とする家屋の土壁構造。
  3. 【請求項3】 軸組みの少なくとも一部を軸組み本体に
    対して着脱可能な土壁パネルとし、この土壁パネルを軸
    組み本体とは個別に製作した上で現場にて軸組み本体に
    組み付けることにより、軸組みを完成する家屋の軸組み
    構築方法であって、 前記土壁パネルは、軸組みの一部を構成する枠体に対し
    て泥保持手段を組み付ける工程と、該泥保持手段上に泥
    を塗布する工程と、該泥を乾燥させる工程とから成るこ
    とを特徴とする軸組み構築方法。
  4. 【請求項4】 前記泥保持手段は、木製の角材、板材或
    は棒材を前記枠体に対してメッシュ状、或は縦又は横に
    格子状に組み付けた構成を有することを特徴とする請求
    項1、2又は3記載の家屋の土壁構造、又は軸組み構築
    方法。
  5. 【請求項5】 前記泥中に木炭粉等の吸湿性の高い素材
    を混入したことを特徴とする請求項1、2、3又は4記
    載の家屋の土壁構造、又は軸組み構築方法。
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