JP2000304099A - フライホイール - Google Patents

フライホイール

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JP2000304099A
JP2000304099A JP11114482A JP11448299A JP2000304099A JP 2000304099 A JP2000304099 A JP 2000304099A JP 11114482 A JP11114482 A JP 11114482A JP 11448299 A JP11448299 A JP 11448299A JP 2000304099 A JP2000304099 A JP 2000304099A
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JP
Japan
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inertial body
piston
cylinder
neutral position
damping force
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JP11114482A
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English (en)
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Hirobumi Ara
博文 荒
Onori Shibata
大典 柴田
Atsushi Inoue
敦 井上
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Valeo Kapec Japan KK
Original Assignee
Valeo Unisia Transmission KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の運転領域の全域に亘って優れた防
振効果を発揮することが可能なフライホイールを提供す
る。 【解決手段】 第1慣性体2とこの入力部材2に対して
相対回動可能な第2慣性体5との間をダンパ6によって
連繋する。前記ダンパが、第1慣性体2と第2慣性体5
との相対回動に抵抗を与える減衰装置25と、第1慣性
体2と第2慣性体5とを相対回動位置から中立位置に戻
すばね部材26とを備える。前記減衰装置25の減衰力
を、第1慣性体2と第2慣性体5とが相対回動の中立位
置から所定方向に相対回動するときに得られる減衰力
が、その相対回動位置から中立位置に戻るときに得られ
る減衰力よりも大きくなるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関に対して
施用して良好なフライホイールに関し、とりわけ、2つ
の慣性体がダンパによって連繋されてなるフライホイー
ルに関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関に使用されるフライホイール
は、トルク変動の大きな回転軸系の回転を平滑化し、防
振効果を得るために用いられる。この種のフライホイー
ルとして、例えば特開平3−219146号公報には、
駆動軸に固定される第1慣性体とこの第1慣性体に対し
て相対回動可能な第2慣性体との間が、第1慣性体と第
2慣性体との相対回動に抵抗を与える減衰装置と、第1
慣性体と第2慣性体とを相対回動位置から中立位置に戻
すばね部材とを備えたダンパによって連繋されてなるフ
ライホイールが開示されている。前記従来のダンパは円
周方向に複数個配置されており、減衰装置としてはダッ
シュポットが用いられている。
【0003】前記従来のフライホイールは、第1慣性体
と第2慣性体とが相対回動の中立位置から相対回動する
とき及びその相対回動位置から中立位置に戻るとき、減
衰装置としてのダッシュポット及びばね部材によって相
対回動に抵抗を与え、防振効果を得るようになってい
る。即ち、前記ダッシュポット内の作動流体がピストン
に設けたオリフィスから逃げるとき、ピストンの両面に
生じる圧力差によって運動抵抗を得ると共に、ばね部材
のばね力によって、防振効果を得るようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記フライ
ホイールは、内燃機関のトルク変動に伴って生じる振動
や音の低減に効果を発揮するものであり、このために
は、前記減衰装置の減衰力は比較的小さなものが望まれ
る。しかしながら、内燃機関の始動時や停止時等の大き
い振動振幅に対しては大きな減衰力をもって緩衝作用を
発揮することが必要である。
【0005】即ち、前記減衰装置の減衰力が小さいと、
入力トルクの振動振幅が大きいときに、第1慣性体と第
2慣性体との相対回動量が大きくなることによって、第
1慣性体と第2慣性体が相互に干渉する虞を生じ、作動
時に干渉音を生じることが懸念されることになるからで
ある。一方、これを回避するために、前記減衰装置の減
衰力を大きくすると、内燃機関の常用回転領域での振動
に対する防振効果が得られなくなる虞が生じることにな
る。
【0006】しかしながら、前記従来例においては、ダ
ッシュポットのピストンに形成されたオリフィスの直径
は固定されており、このオリフィスによって得られる減
衰力が第1慣性体と第2慣性体との相対回動の全領域に
おいて略同一の大きさをもって運動に抵抗を与えるよう
になっている。
【0007】このため、前記従来例においては、内燃機
関の運転領域の全域に亘って好ましい防振効果を得るこ
とが困難となる虞があった。
【0008】本発明は前記従来の実状に鑑みて案出され
たもので、内燃機関の運転領域の全域に亘って優れた防
振効果を発揮することが可能なフライホイールを提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1記載の
発明は、第1慣性体とこの第1慣性体に対して相対回動
可能な第2慣性体との間が、円周方向に複数個配置され
たダンパによって連繋されてなるフライホイールにおい
て、前記ダンパが、第1慣性体と第2慣性体との相対回
動に抵抗を与える減衰装置と、第1慣性体と第2慣性体
とを相対回動位置から中立位置に戻すばね部材とを備
え、前記減衰装置の減衰力を、第1慣性体と第2慣性体
とが相対回動の中立位置から所定方向に相対回動すると
きに得られる減衰力が、その相対回動位置から中立位置
に戻るときに得られる減衰力よりも大きくなるようにし
た構成にしてある。
【0010】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明の構成において、前記減衰装置が、第1慣性体
または第2慣性体の何れか一方に連繋され、作動流体が
充填された一端封止のシリンダと、このシリンダの他端
側を封止的に貫通して抜き差し可能に突出し、第1慣性
体または第2慣性体の何れか他方に連繋されるピストン
ロッドと、このピストンロッドに連繋されてシリンダ内
を2つの流体室に区画して摺動自在なピストンと、この
ピストンに付属して設けられた減衰力発生手段とを備え
てなる構成にしてある。
【0011】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載の発明の構成において、前記減衰装置が略放射方向に
配置され、シリンダが内周側に位置し、ピストンロッド
が外周側に位置しており、前記ダンパのうち少なくとも
1つのダンパに充填される作動流体が液体からなり、こ
の作動流体が、ピストンによって区画された2つの流体
室のうち外周側に位置する流体室の最大容積よりもやや
少ない量だけ充填されている構成にしてある。
【0012】斯かる構成において、前記第1慣性体と第
2慣性体の何れか一方、例えば第1慣性体が入力部材に
連繋され、何れか他方、例えば第2慣性体が出力部材に
連繋される。前記入力部材から第1慣性体に入力される
トルクは、ダンパを介して、即ち減衰装置及びばね部材
を介して第2慣性体に伝達され、出力部材に出力され
る。このとき、前記ばね部材が吸振作用を発揮すると共
に減衰装置が減衰作用を発揮し、入力トルクに重畳する
振動を吸振及び減衰する。
【0013】前記減衰装置の減衰作用は、第1慣性体と
第2慣性体とが相対回動の中立位置から相対回動すると
きに大きな減衰力が得られ、その相対回動位置から中立
位置に戻るとき比較的小さな減衰力が得られる。
【0014】このため、内燃機関の始動時や停止時等に
おいて、第1慣性体と第2慣性体とが大きい振動振幅を
もって相対回動の中立位置から相対回動するときには、
大きな減衰力をもって緩衝されて、第1慣性体と第2慣
性体との相互の干渉が有利に防止される。また、前記第
1慣性体と第2慣性体とがその相対回動位置から中立位
置に戻るときには、比較的小さな減衰力が作用して、防
振効果が発揮されることになる。
【0015】したがって、内燃機関の運転領域の全域に
亘って優れた防振効果を発揮することが可能なフライホ
イールが得られる。
【0016】また、請求項2記載の発明においては、前
記減衰装置が、第1慣性体または第2慣性体の何れか一
方に連繋され、作動流体が充填された一端封止のシリン
ダと、このシリンダの他端側を封止的に貫通して抜き差
し可能に突出し、第1慣性体または第2慣性体の何れか
他方に連繋されるピストンロッドと、このピストンロッ
ドに連繋されてシリンダ内を2つの流体室に区画して摺
動自在なピストンと、このピストンに付属して設けられ
た減衰力発生手段とを備えてなる構成にしてあるから、
減衰力の調節が容易で、構成が簡単となる。
【0017】また、請求項3記載の発明においては、前
記減衰装置が略放射方向に配置され、シリンダが内周側
に位置し、ピストンロッドが外周側に位置しており、前
記ダンパのうち少なくとも1つのダンパに充填される作
動流体が液体からなり、この作動流体が、ピストンによ
って区画された2つの流体室のうち外周側に位置する流
体室の最大容積よりもやや少ない量だけ充填されている
構成にしてあるから、少なくとも1つの減衰装置は、第
1慣性体と第2慣性体との相対回動の中立位置近傍では
減衰力を発揮することがなく、第1慣性体と第2慣性体
とが相対回動の中立位置から所定量だけ相対回動した後
に減衰力を発揮することになる。このため、内燃機関の
常用回転領域での防振効果がより効果的となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて詳述する。
【0019】図1は本発明の実施の形態を示すフライホ
イールの一部を切除して示す部分的な平面図、図2は図
1のA−O−A線断面図、図3はピストンを、平面図
(a)、平面図(a)のA−O−A線断面図(b)で示
す図面、図4は減衰装置の作動状態を、ピストンロッド
が延び方向に移動する状態(a)、ピストンロッドが圧
縮方向に移動する状態(b)で示す図面である。
【0020】図において1は内燃機関のクランクシャフ
トである。2は第1慣性体で、この第1慣性体2は軸受
けホルダ3と共にボルト4によってクランクシャフト1
に連結されている。5は第2慣性体で、この第2慣性体
5は第1慣性体2に対して回動可能に支持されており、
また、図外のクラッチ装置に連結可能である。6は前記
第1慣性体2と第2慣性体5との間を連繋するダンパで
ある。
【0021】前記第1慣性体2は略平板状に形成され、
その外周側に、第2慣性体5側に向かって軸方向に延び
るボス部7が環状に形成されており、このボス部7に補
助部材8がボルト9によって固定されている。また、前
記第1慣性体2には、第2慣性体5に面する側に、窪み
10が形成されており、この窪み10の内周縁には、こ
の窪み10に開口する切欠き溝11が円周方向等間隔に
複数個、この実施の形態では3個形成してある。なお、
前記第1慣性体2の外周側にはリングギヤ13が固定し
てある。
【0022】前記第2慣性体5は略平板状に形成され、
その内周側に、第1慣性体2側に向かって軸方向に延び
る環状のボス部15が形成されている。前記ボス部15
には環状のボス部材17がボルト18によって固定され
ており、このボス部材17の内周側が軸受けホルダ3に
取付けられた軸受け19によって支持され、軸受けホル
ダ3に対して回動可能である。ここに、前記軸受けホル
ダ3はボルト4によって第1慣性体2と一体になってク
ランクシャフト1に連結されると共に、第2慣性体5は
ボス部材17と一体になっているから、結局、第2慣性
体5は第1慣性体2に対して回動可能に支持されている
ことになる。
【0023】前記ボス部材17の軸方向端部20は、第
1慣性体2に形成した環状溝9内に延びており、この軸
方向端部20の外周側には放射方向の突起21が円周方
向等間隔に複数個、この実施の形態においては3個形成
してある。前記突起21は第1慣性体2の環状溝10の
内周側に形成した切欠き溝11内に延びており、この切
欠き溝11の側面に当接することによって、第1慣性体
2と第2慣性体5との相対回動量を制限するようになっ
ている。
【0024】また、前記第2慣性体5には、図外のクラ
ッチ装置のクラッチディスクが接するクラッチ摺動面2
2が形成してある。
【0025】前記第1慣性体2と第2慣性体5との間を
連繋するダンパ6は、第1慣性体2と第2慣性体5との
間に配置され、円周方向に複数個、この実施の形態にお
いて6個配置されている。また、前記ダンパ6は、第1
慣性体2と第2慣性体5との相対回動に抵抗を与える減
衰装置25と、第1慣性体2と第2慣性体5とを相対回
動位置から中立位置に戻すばね部材26とを備えてい
る。
【0026】前記減衰装置25は、第1慣性体2または
第2慣性体5の何れか一方、この実施の形態において第
2慣性体5に連繋され、作動流体が充填された一端封止
のシリンダ27と、このシリンダ27の他端側を封止的
に貫通して抜き差し可能に突出し、第1慣性体2または
第2慣性体5の何れか他方、この実施の形態において第
1慣性体2に連繋されるピストンロッド28と、このピ
ストンロッド28に連繋されてシリンダ27内を摺動自
在なピストン29と、このピストン29に付属して設け
られた減衰力発生手段30とを備えており、ピストン2
9によってシリンダ27内が2つの流体室31,32に
区画されている。
【0027】前記シリンダ27は一端側が封止され、そ
の内部に所定量の作動流体(後に詳述する)が充填され
ている。前記シリンダ27の一端側には、貫通孔35を
備えた取付け部材36が取付けられており、この取付け
部材36を介して、シリンダ27の一端側が第2慣性体
5に連繋してある。詳しくは、前記第2慣性体5のボス
部15とこのボス部15に取付けたボス部材17の軸方
向端部20との間にシャフト37を跨設し、このシャフ
ト37を取付け部材36の貫通孔35に挿通させること
によって連結してある。また、前記取付け部材36の貫
通孔35とシャフト37との間にはブッシュ38が設け
られており、取付け部材36のシャフト37周りの回動
が可能となっている。
【0028】前記ピストンロッド28は、シリンダ27
の他端側に設けたガイド部材39を封止的に貫通して、
抜き差し可能に突出している。前記ピストンロッド28
の突出端には貫通孔41を備えた取付け部材42が取付
けられており、この取付け部材42を介して、ピストン
ロッド28の突出端が第1慣性体2に連繋してある。詳
しくは、前記第1慣性体2のボス部7とこのボス部7に
取付けた補助部材8との間にシャフト43を跨設し、こ
のシャフト43を取付け部材42の貫通孔41に挿通さ
せることによって連結してある。また、前記取付け部材
41の貫通孔41とシャフト43との間にはブッシュ4
4が設けられており、取付け部材41のシャフト43回
りの回動が可能となっている。
【0029】前記ピストン29は、略円盤状のピストン
本体46と、このピストン本体46の外周側に設けられ
るシールリング47及びピストンリング48とによって
構成されており、シリンダ27内を軸方向に2つの流体
室31,32に区画している(図3参照)。前記ピスト
ン29がシリンダ27内に配置された状態において、ピ
ストン29のシールリング47及びピストンリング48
はシリンダ27の内周面に接しているけれども、ピスト
ン本体46は接することがなく、このピストン本体46
の外周とシリンダ27の内周との間には、所定の摺動隙
間sが形成してある。
【0030】前記ピストン本体46には、外周にシール
リング溝49及びピストンリング溝50が軸方向に並列
して形成してある。また、前記ピストン本体46の一側
面(図3(b)において上面)に開口してシールリング
溝49に連通する軸方向の連通孔51と、ピストン本体
46の他側面(図3(b)において下面)に開口してシ
ールリング溝49に連通するオリフィス52が形成して
ある。
【0031】前記連通孔51及びオリフィス52は、こ
の実施の形態においてそれぞれ4個形成してあり、それ
ぞれの軸心が整合した状態で円周方向等間隔に環状に配
置してある。また、前記連通孔51の開口面積は、オリ
フィス52の開口面積よりも大きく、好ましくはオリフ
ィス52の開口面積にピストン本体46の外周とシリン
ダ27の内周との間の摺動隙間sによる開口面積を加え
た面積と同じか、またはこの面積よりも大きく形成して
ある。
【0032】前記シールリング47は全体として環状に
形成され、断面が矩形状を呈しており、ピストン本体4
6のシールリング溝49内に、半径方向及び軸方向に遊
動可能に収容されている。また、前記シールリング47
は環状に配置された連通孔51及びオリフィス52を取
り囲むように配置されている。
【0033】前記ピストンリング48は全体として環状
に形成され、断面が矩形状を呈しており、ピストン本体
46のピストンリング溝50内に、好ましくは遊びなく
装着されている。
【0034】前記連通孔51及びオリフィス52は2つ
の流体室31,32間の作動流体の流通を制限的に許容
しており、また、シールリング47は後に詳述するよう
に、連通孔51及びオリフィス52を通過する流量を制
限可能であって、これらシールリング47、連通孔51
及びオリフィス52が作動流体に流通抵抗を与えること
になり、減衰力発生手段30を構成している。
【0035】前記シリンダ27内に充填される作動流体
は、液状の作動油であり、この作動流体(作動油)はピ
ストン29によって区画された2つの流体室31,32
のうち、外周側に位置する流体室31の最大容積よりも
やや少ない量だけ充填されている。
【0036】即ち、減衰装置25が略放射方向に配置さ
れ、シリンダ27が内周側に位置し、ピストンロッド2
8が外周側に位置しているから、2つの流体室31,3
2のうち外周側に位置するのは流体室31であり、ま
た、この流体室31の容積は第1慣性体2と第2慣性体
5とが相対回動の中立位置にあるときに最大となるか
ら、この状態の流体室31の容積よりもやや少ない量の
作動流体(作動油)が充填されている。なお、前記シリ
ンダ27内の残余の容積には、空気または不活性ガス等
の加圧気体が封入されている。
【0037】また、前記第1慣性体2と第2慣性体5と
を相対回動位置から中立位置に戻すばね部材26は、シ
リンダ27内のピストン29とガイド部材39との間に
配置されている。
【0038】斯かる構成において、前記クランクシャフ
ト1からのトルクは、このクランクシャフト1に連結さ
れた第1慣性体2に入力され、この第1慣性体2からダ
ンパ6を介して、即ち減衰装置25及びばね部材26を
介して第2慣性体5に伝達される。このとき、前記ばね
部材26が吸振作用を発揮すると共に減衰装置25が減
衰作用を発揮し、入力トルクに重畳する振動を吸振及び
減衰する。
【0039】詳しくは、前記ダンパ6は、シリンダ27
がシャフト37を介して第2慣性体5に連結され、ピス
トンロッド28シャフト43を介して第1慣性体2に連
結されているから、第1慣性体2にトルクが入力され、
第1慣性体2と第2慣性体5とが相対回動の中立位置か
ら相対回動することによって、ピストンロッド28はシ
リンダ27内から抜け出す方向(延び方向)に移動する
ことになり(図4(a)参照)、逆に相対回動位置から
中立位置に戻ることによって、ピストンロッド28はシ
リンダ28内に侵入する方向(圧縮方向)に移動するこ
とになる(図4(b)参照)。
【0040】前記ピストンロッド28が延び方向に移動
することによって、ピストン29のシールリング溝49
内に遊動可能に収容されたシールリング47は、シール
リング溝49内において流体室32側の側面に接し、シ
リンダ27の内周とピストン本体46の外周との間の摺
動隙間sを閉じることになる。これによって、前記流体
室31内の作動流体(作動油)は連通孔51及びオリフ
ィス52を介して流体室32内に置換流動する。
【0041】前記連通孔51及びオリフィス52を介し
て作動流体(作動油)が置換流動するとき、作動流体
(作動油)は専ら開口面積の小さいオリフィス52によ
る流通抵抗を受けることになる。このため、前記ピスト
ン29の両面側に圧力差を生じることになり、この圧力
差がピストンロッド28の運動への抵抗力となって所定
の大きさの減衰力が得られることになる。
【0042】なお、前記ピストンロッド28が延び方向
に移動したときのシリンダ27内の体積補償は、シリン
ダ27内の残余の容積に封入された加圧気体の膨張によ
って成就される。
【0043】ここで、前記シリンダ27内に充填される
作動流体(作動油)は、外周側に位置する流体室31の
最大容積よりもやや少ない量だけ充填されている。つま
り、前記流体室31の容積は第1慣性体2と第2慣性体
5とが相対回動の中立位置にあるときに最大となるか
ら、この状態の流体室31の容積よりもやや少ない量の
作動流体(作動油)が充填されている。このため、前記
シリンダ27内の作動流体(作動油)はフライホイール
回転による遠心力を受けてガイド部材39側に集積され
ているから、第1慣性体2と第2慣性体5との相対回動
の中立位置近傍ではオリフィス52を通過することがな
く、第1慣性体2と第2慣性体5とが相対回動の中立位
置から所定量だけ相対回動した後に、オリフィス52を
通過することが可能となる。
【0044】つまり、前記第1慣性体2と第2慣性体5
との相対回動の中立位置近傍では作動流体(作動油)に
よる減衰力は得られず、第1慣性体2と第2慣性体5と
が相対回動の中立位置から所定量だけ相対回動した後
に、所定の減衰力が得られることになる。なお、前記シ
リンダ27内に封入した加圧ガスによる減衰力も生じる
けれども、この大きさは作動流体(作動油)による減衰
力に比較して極めて小さい。
【0045】一方、前記ピストンロッド28が圧縮方向
に移動することによって、ピストン29のシールリング
溝49内に遊動可能に収容されたシールリング47は、
シールリング溝49内において流体室32側の側面から
離れ、流体室31側の側面に接する。このため、前記シ
ールリング47によるシリンダ27の内周とピストン本
体46の外周との間の摺動隙間sの閉塞が解除されるこ
とになる。これによって、前記流体室32内の作動流体
(作動油)はオリフィス52及び連通孔51を介して流
体室31内に置換流動すると共に、シリンダ27の内周
とピストン本体46の外周との間の摺動隙間sを介して
流体室31内に置換流動する。つまり、前記流体室32
内の作動流体(作動油)はオリフィス52と摺動隙間s
の両方を介して流体室31内に置換流動することにな
る。
【0046】前記オリフィス52及び摺動隙間sの両方
を介して置換流動する作動流体(作動油)は、通路面積
が大きいことによって容易に流通可能となるから、流通
抵抗を受けないか、或いはオリフィス52と摺動隙間s
との面積を加えた比較的大きな開口面積による流通抵抗
を受けることになる。このため、前記ピストン29の両
面側に生じる圧力差は、零か或いは極小さな値となり、
この圧力差に応じた減衰力が得られることになる。
【0047】なお、前記ピストンロッド28が圧縮方向
に移動したときのシリンダ27内の体積補償は、シリン
ダ27内の残余の容積に封入された加圧気体の圧縮によ
って成就される。
【0048】これによって、前記第1慣性体2と第2慣
性体5とが相対回動の中立位置から相対回動するときに
大きな減衰力が得られ、その相対回動位置から中立位置
に戻るとき、比較的小さな減衰力が得られる。
【0049】このため、内燃機関の始動時や停止時等に
おいて、第1慣性体2と第2慣性体5とが大きい振動振
幅をもって相対回動の中立位置から相対回動するとき
は、大きな減衰力をもって緩衝されて、第1慣性体2と
第2慣性体5との相互の干渉が有利に防止される。ま
た、前記第1慣性体2と第2慣性体5とがその相対回動
位置から中立位置に戻るときには、比較的小さな減衰力
が作用して、防振効果が発揮されることになる。
【0050】したがって、内燃機関の運転領域の全域に
亘って優れた防振効果を発揮することが可能なフライホ
イールが得られる。
【0051】また、前記減衰装置が所謂流体緩衝器によ
って形成してあるから、減衰力の調節が容易で構成が簡
単となる。
【0052】また、前記シリンダ27内に充填される作
動流体(作動油)が、ピストン27によって区画された
2つの流体室31,32のうち外周側に位置する流体室
31の最大容積よりもやや少ない量だけ充填されている
構成にしてあるから、減衰装置25は、第1慣性体2と
第2慣性体5との相対回動の中立位置近傍では減衰力を
発揮することがなく、第1慣性体2と第2慣性体5とが
相対回動の中立位置から所定量だけ相対回動した後に減
衰力を発揮することになる。このため、内燃機関の常用
回転領域での防振効果がより効果的となる。
【0053】以上、実施の形態を図面に基づいて説明し
たが、具体的構成はこの実施の形態に限られるものでは
なく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、前記オリフィス52に調圧弁を付属させ、ピス
トンロッド28への抵抗力を運動速度の関数として得る
ようにしてもよい。
【0054】また、前記第1慣性体2と第2慣性体5と
を相対回動位置から中立位置に戻すばね部材26を、シ
リンダ27の外に設けることも可能であると共に、引っ
張り方向に作用するようにしてもよい。
【0055】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、内燃機関の運転領域の全域に亘って優れた防振
効果を発揮することが可能なフライホイールが得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すフライホイールの一
部を切除して示す部分的な平面図である。
【図2】図1のA−O−A線断面図である。
【図3】ピストンを、平面図(a)、平面図(a)のA
−O−A線断面図(b)で示す図面である。
【図4】減衰装置の作動状態を、ピストンロッドが延び
方向に移動する状態(a)、ピストンロッドが圧縮方向
に移動する状態(b)で示す図面である。
【符号の説明】
2 第1慣性体 5 第2慣性体 6 ダンパ 25 減衰装置 26 ばね部材 27 シリンダ 28 ピストンロッド 29 ピストン 30 減衰力発生手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1慣性体とこの第1慣性体に対して相
    対回動可能な第2慣性体との間が、円周方向に複数個配
    置されたダンパによって連繋されてなるフライホイール
    において、前記ダンパが、第1慣性体と第2慣性体との
    相対回動に抵抗を与える減衰装置と、第1慣性体と第2
    慣性体とを相対回動位置から中立位置に戻すばね部材と
    を備え、前記減衰装置の減衰力を、第1慣性体と第2慣
    性体とが相対回動の中立位置から所定方向に相対回動す
    るときに得られる減衰力が、その相対回動位置から中立
    位置に戻るときに得られる減衰力よりも大きくなるよう
    にしたことを特徴とする、フライホイール。
  2. 【請求項2】 前記減衰装置が、第1慣性体または第2
    慣性体の何れか一方に連繋され、作動流体が充填された
    一端封止のシリンダと、このシリンダの他端側を封止的
    に貫通して抜き差し可能に突出し、第1慣性体または第
    2慣性体の何れか他方に連繋されるピストンロッドと、
    このピストンロッドに連繋されてシリンダ内を2つの流
    体室に区画して摺動自在なピストンと、このピストンに
    付属して設けられた減衰力発生手段とを備えてなること
    を特徴とする、請求項1記載のフライホイール。
  3. 【請求項3】 前記減衰装置が略放射方向に配置され、
    シリンダが内周側に位置し、ピストンロッドが外周側に
    位置しており、前記ダンパのうち少なくとも1つのダン
    パに充填される作動流体が液体からなり、この作動流体
    が、ピストンによって区画された2つの流体室のうち外
    周側に位置する流体室の最大容積よりもやや少ない量だ
    け充填されていることを特徴とする、請求項2記載のフ
    ライホイール。
JP11114482A 1999-04-22 1999-04-22 フライホイール Withdrawn JP2000304099A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112503139A (zh) * 2020-12-09 2021-03-16 吉林大学 一种新型双质量飞轮扭转减振器

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CN112503139A (zh) * 2020-12-09 2021-03-16 吉林大学 一种新型双质量飞轮扭转减振器

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