JP2000306046A - 磁気表示媒体の消去装置 - Google Patents

磁気表示媒体の消去装置

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JP2000306046A
JP2000306046A JP11240399A JP11240399A JP2000306046A JP 2000306046 A JP2000306046 A JP 2000306046A JP 11240399 A JP11240399 A JP 11240399A JP 11240399 A JP11240399 A JP 11240399A JP 2000306046 A JP2000306046 A JP 2000306046A
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heating
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Susumu Emori
晋 江森
Kazumichi Shibuya
和道 渋谷
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加熱及び磁界の印加により可逆的な表示が可能
な新規な磁気表示媒体の消去装置が、濃度ムラや消え残
りを発生することなく、高品質の消去状態を実現可能な
技術を提供する。 【解決手段】支持体上に、常温時に固相状態を示し加熱
時には液相状態を示す分散媒に磁気配向により色相が変
化する磁性体が分散された表示層を形成した磁気表示媒
体の消去装置で、磁気表示媒体の表示層全面に液相状態
になるよう加熱する第一の加熱手段、一対の交流電磁石
による磁界発生器でほぼ全面に水平磁界を印加する第一
の水平磁界印加手段、これらの間に多極磁石でその表示
層に垂直磁界印加で初期化する第一の消去機構と、部分
的に加熱する第二の加熱手段と部分的に印加する第二の
水平磁界印加手段からなる第二の消去機構と、磁気表示
媒体の搬送手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、加熱と磁界の印加
によって可視画像を表示する磁気表示媒体の表示画像の
消去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、加熱及び磁界の印加により
可逆的な表示が可能な新規な磁気表示媒体を提案した
(例えば特開平7−29146号、特開平7−1291
04号を参照)。
【0003】この磁気表示媒体を略記すると、透明又は
不透明な非磁性材料からなる支持体上に、常温時におい
て固相状態を示し、かつ、加熱時において液相状態を示
す流動パラフィン等の低融点材料からなる分散媒に、粒
子状又は鱗片状の磁性体を分散してなる表示層を形成し
たものである。尚、分散媒及び磁性体をマイクロカプセ
ルに内包して表示層を形成してもよい。
【0004】この磁気表示媒体は、表示層の分散媒が加
熱により液相状態となり、分散された磁性体は分散媒中
を移動可能となる。この状態で、磁界を印加すると磁性
体が粒子状である場合には磁気泳動により、また、鱗片
状である場合には、磁気配向により、初期状態から変化
し、分散媒が常温に戻り固相状態になってもこの変化状
態が維持され、磁気表示媒体の表示層に可視情報として
記録される。この鱗片状磁性体粒子をマイクロカプセル
に内包した新規な磁気表示媒体も提案した(特開平8−
324107号参照)。この磁気配向による表示媒体
は、支持体上に、黒色着色層、鱗片状磁性体粒子が常温
で固相状態となる分散媒に分されたマイクロカプセル化
表示粒子をバインダーに分散した塗布剤に塗布した磁気
表示層を、順次形成したものである。
【0005】本発明に用いられた磁気記録媒体の構成を
図6に示す。磁気記録媒体10は、支持体11上に、黒
色着色層12を形成した後、磁性粒子等含んだマイクロ
カプセル化表示粒子13をバインダー14に分散した塗
布剤を塗布し磁気表示層15とし、その表面をオーバー
シート16を貼付したものである。ここで、マイクロカ
プセル化表示粒子13は、鱗片状磁性体粒子17を常温
において、例えば、ワックス等の固相状態を示す分散媒
18中に分散させて、大きさ20〜100μmのマイク
ロカプセル化して調製したものである。鱗片状磁性体粒
子17としては、磁性粒子単独あるいは、数種の磁性体
粒子の混合物が使用可能である。例えば、マブネタイ
ト、フェライトを始めとする鉄、コバルト、ニッケル等
の強磁性を示す金属、若しくは、これらの元素を含む合
金、または、化合物である。鱗片状磁性体粒子17の大
きさは、長径10〜20μm、厚さ0.1〜2μmのも
のである。また、保磁力は1000Oe以下である。分
散媒18は、約10〜35℃の範囲で固相状態を示し、
約40〜80℃の範囲に加熱されると、液相状態になり
低粘度の流動性を示すものである。例えば、有機化合物
でパラフィンワックス、ポリエチレンワックス等の合成
ワックス、カルナバワックスやワセリン等の天然ワック
ス、天然や合成樹脂、ステアリン酸ブチル、ステアリン
酸メチル、ミリスチン酸ミリスチルやミリスチン酸ステ
アリル等の高級脂肪酸エステル、ドデシルアルコール、
ステアリルアルコールやミリスチルアルコール等の高級
アルコール等が単独あるいは、混合して使用可能であ
る。
【0006】磁性粒子等含んだマイクロカプセル化表示
粒子13は、常温において、固相状態を示す前記した分
散媒18中に、上述の鱗片状磁性体粒子17を分散媒1
8の融点以上で分散させた後、ゼラチン−アラビアゴム
水溶液中に乳化させ、マイクロカプセル化を行い、マイ
クロカプセル化表示粒子13を形成する。マイクロカプ
セル化表示粒子13の大きさは20〜100μm以下に
調整される。
【0007】マイクロカプセル化表示粒子13を磁気表
示層15中に分散するバインダー14としては、熱硬化
性の水系エマルジョン樹脂であり、例えば、ポリウレタ
ン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などが列挙さ
れる。このバインダー15は、磁気表示層15内に形成
されたマイクロカプセル化表示粒子13を保持および保
護すると共に、透明性を有するものである。
【0008】支持体11は、不透明性を有する非磁性材
料であり、必要な強度を有するものであれば、多様な材
料が使用可能である。例えば、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエステルフィルム等のプラスチックフィル
ム、その他普通紙、合成紙などである。
【0009】黒色着色層12は、支持体11上に黒色を
呈する印刷用インク混色スミ等を印刷などにより塗布し
てなる。
【0010】オーバーシート16は、透明性を有する非
磁性材料であり、必要な強度を有するものであれば、多
様な材料が使用可能である。例えば、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエステルフィルム等のプラスチックフ
ィルムなどである。
【0011】そして、この磁気表示媒体は、磁気のみに
より可逆的な表示が可能な磁気表示媒体(特開昭48−
56393号、特開昭62−53359号、特開平6−
168369号参照)と比べて、コントラストが鮮明で
あり、かつ、画像安定性に優れるという利点を有する。
【0012】この磁気配向による記録を行う鱗片状磁性
体粒子をマイクロカプセルに内包した磁気表示媒体への
記録と消去は、一般的に以下のようにして行われる。
【0013】鱗片状磁性体粒子が分散媒に分散されたマ
イクロカプセル化表示粒子と熱硬化性樹脂の混合液を支
持体上に塗布した磁気表示媒体は、製造時には、マイク
ロカプセル化表示粒子内における鱗片状磁性体粒子は均
一に分散され任意の方向に配向した状態で分散媒中に固
定化されている。この状態での磁気表示層は中間調つま
り、灰色がかった色調である。
【0014】画像の消去は、磁気表示媒体の全面を加熱
し、水平磁界を印加するか、あるいは、加熱手段を有す
る磁界発生手段等で磁気表示媒体の表面を走査すること
により、マイクロカプセル化表示粒子内の分散媒が溶融
状態になり、印加された水平磁界に沿って、分散媒中に
分散された鱗片状磁性体粒子が水平方向に配向し、光を
反射することによって、磁気表示媒体の可視表示部の表
面は、金属光沢の低光学濃度の均一な色調となる。
【0015】画像の記録は、磁気表示媒体の全面あるい
は記録する部分に垂直磁界を印加し、部分加熱するか、
あるいは、加熱機能付きの磁気発生手段の垂直磁界の印
加によって行われる。加熱によってマイクロカプセル化
表示粒子内の分散媒は粘度が低下し、流動状態となり、
併せて印加された垂直磁界に沿って、分散媒中に分散さ
れた鱗片状磁性体粒子が垂直方向に配向し、光を透過さ
せることでその背面に設けられた黒色着色層に光は吸収
され、黒色の画像を形成する。一方、画像記録のために
加熱されなかった部分は、マイクロカプセル化表示粒子
内の鱗片状磁性体粒子の配向は印加磁界の方向に関わら
ず変化しない。従って、記録情報に応じて記録箇所を加
熱、垂直磁界印加することで、均一な金属光沢の色調の
中に、記録された黒色画像が得られる。
【0016】本出願人は、これまでに、この磁性粒子配
向による磁気表示媒体の記録、消去装置の提案も行って
いる(特開平9−62209号、特開平10−1645
7号参照)。
【0017】これらの公報の記述によれば、初期化およ
び、消去は、全面加熱手段によって磁気表示媒体の全面
を加熱した後、常温に下がるまで、移動しながら磁界を
印加すると、磁界印加方向と磁気表示媒体の移動方向の
ベクトル合成によりマイクロカプセル化表示粒子内の鱗
片状磁性体粒子は斜めに配向する方式を開示している。
また、別の提案として、水平磁界を印加した状態で、レ
ーザ走査や熱ヘッドにより磁気表示媒体の全面を加熱す
ることで消去する方式も、本出願人より提案されている
(特開平9−90887号参照)。
【0018】その他の磁気表示媒体の消去装置の従来例
としては、特開平6−168369号、特開平9−14
7063号の公報等に記載のものが知られている。前者
は、磁気表示媒体の移送手段とその媒体に水平磁界を作
用させて表示を消去する磁化手段からなり、磁化手段
が、媒体の磁気表示部に幅方向に複数の消去区間を設定
し、各消去区間毎に永久磁石を前記移送手段の移送方向
に設置したものである。しかしながら、この方法では、
磁界の印加方向が完全に水平でなく消去品質が問題とな
っていた。一方、後者の消去装置は、磁化手段が、表面
がN極、裏面がS極である長方形の板状磁石を磁気表示
媒体を挟んでN極が面対称で対向するようにU字型に形
成したものである。この構造により、磁界の面対称性の
ために理想的な平面磁界が形成され、かつ、磁界がゼロ
となる点が存在しないという利点がある。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、発明者
が鋭意検討を重ねた結果、磁性粒子配向による記録消去
する磁気表示媒体に記録された画像を完全に消去するた
めには、静的な水平磁界中を磁気表示媒体が移動するだ
けでは不十分であることが見いだされた。つまり、画像
記録された本発明に関わる磁気表示媒体を全面加熱して
一様な水平磁界中にさらした場合においても、一様な水
平磁界を印加した状態でレーザ走査加熱や熱ヘッド加熱
を行った後においても、以前に記録された画像が、濃度
は減少するものの、消え残りが発生することが実験によ
り確認された。
【0020】この現象は、マイクロカプセル化表示粒子
内の鱗片状磁性体粒子が磁気的に飽和するまで水平磁界
強度を高めても発生するので、印加した水平磁界の質の
問題ではなく、マイクロカプセル化表示粒子の構造に起
因するものである。また、全面加熱手段の場合よりも、
レーザ走査等の部分加熱による加熱手段の方が消え残り
が多いことも確認されている。一方、特開平6−168
369号公報に開示された消去装置では、消え残りは発
生していない。
【0021】消え残りを解消するためには、印加する水
平磁界の一様性や磁界強度の改善以外の手段を施す必要
がある。例えば、マイクロカプセル化表示粒子内の鱗片
状磁性体粒子を攪拌するような工程を付加することで、
前歴を完全に消去する、すなわち、初期化が行われる。
【0022】本発明の目的は、消去工程による消え残り
や濃度ムラを発生することなく、高品質の消去状態を実
現可能な磁気表示媒体の消去装置を提供することであ
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体上に、
常温時に固相状態を示し、且つ、加熱時において液相状
態を示す分散媒に少なくとも磁気配向により色相が変化
する磁性体を分散してなる表示層を形成した磁気表示媒
体の消去装置であって、磁気表示媒体の表示層を全面的
に液相状態に加熱する第一の加熱手段、液相状態の表示
層に一対の交流電磁石からなる磁界発生器により、ほぼ
全面的に水平磁界を印加する第一の水平磁界印加手段、
第一の加熱手段と第一の水平磁界印加手段との間に、多
極磁石からなる液相状態の表示層に垂直磁界を印加する
初期化手段からなる第一の消去機構と、第一の水平磁界
印加手段に続いて、少なくとも部分的に加熱する第二の
加熱手段、部分的に水平磁界を印加する第二の水平磁界
印加手段からなる第二の消去機構、および、磁気表示媒
体の搬送手段を有することを特徴とする磁気表示媒体の
消去装置である。
【0024】本発明に従えば、比較的大きな磁気表示部
を持つ磁気表示媒体においても、ムラのない消去が実現
できる。まず、第一の消去機構の水平磁界印加手段とし
て磁界発生器を複数持つことで水平磁界パターンを場所
によって変えることができるので、磁性粒子の攪拌効果
が得られる。次に、多極磁石つまり、N極とS極が繰り
返されることで垂直磁界が印加され、その中間では水平
磁界が印加されることになり、マイクロカプセル化表示
粒子内の鱗片状磁性体粒子が攪拌されることになり、前
歴消去を確実に行える。更に、第二の消去機構により、
水平方向への磁性粒子の配向をより高度に行うことがで
きる。
【0025】また、本発明は、磁気表示媒体の表示層に
部分的に水平磁界を印加する第二の水平磁界印加手段が
最大磁束密度500〜1500Gの対向する磁極を有す
る電磁石であって、該磁極が磁気表示媒体の面を含む搬
送方向にそれぞれ対向して配置されていることを特徴と
する磁気表示媒体の消去装置である。本発明に従えば、
第二の水平磁界印加手段として、対向する磁極間に磁束
を発生させているため、マイクロカプセル化表示粒子内
の鱗片状磁性体粒子の配向方向を均一にできるため、よ
り消去濃度の低い表示面が得られる。
【0026】また本発明は、磁気表示媒体の表示層に部
分的に加熱する第二の加熱手段が熱ヘッドであって、前
記第二の水平磁界印加手段の2つの磁極の間に設けられ
ていることを特徴とする磁気表示媒体の消去装置であ
る。本発明に従えば、2つの対向する磁極の間に熱応答
性の良い熱ヘッドを加熱手段として設けることで加熱と
磁界の印加を短時間且つ、パルス的に行うことができる
ので装置の消費エネルギーを低減できる。
【0027】また、本発明は、磁気表示媒体の表示層に
部分的に加熱する第二の加熱手段がセラミックヒータで
あることを特徴とする磁気表示媒体の消去装置である。
本発明に従えば、加熱手段の制御を簡便な電気回路で実
現できる。
【0028】また、本発明は、磁気表示媒体の表示層に
部分的に加熱する第二の加熱手段が集光されレーザー光
であることを特徴とする磁気表示媒体の消去装置であ
る。本発明に従えば、表示媒体に非接触に熱エネルギー
を印加できるので、媒体表面を痛めることがなく、媒体
に反りが存在しても均一な消去状態が得られる。
【0029】また、本発明は、磁気表示媒体の表示層に
部分的に加熱する第二の加熱手段の下流に近接して、磁
気表示媒体の表示層を常温に冷却する冷却手段を有する
ことを特徴とする磁気表示媒体の消去装置である。本発
明に従えば、初期化または、消去の後に、垂直磁界を印
加して画像を加熱記録する記録装置を用いた場合に、冷
却までの待ち時間を最小にすると共に、記録部に移送さ
れたときに冷却不十分なために垂直磁界による汚れの発
生を防止するための冷却手段である。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して、詳細に説明する。
【0031】磁気配向による記録、消去を行う磁気表示
媒体10の消去の実施の形態を、以下に説明する。
【0032】まず、本発明に係る消去装置1の構成を図
2に示す。
【0033】本発明の消去装置1の基本構成は、磁気表
示媒体10に内包されたマイクロカプセル化表示粒子1
3内の分散媒18を溶融状態にする第一の加熱手段2、
液相状態の表示層に垂直磁界を印加して前歴を消去する
初期化手段3、液相状態の表示層にほぼ全面的に水平磁
界を印加して金属光沢の低光学濃度の均一な色調とする
第一の水平磁界印加手段4からなる第一の消去機構、そ
の下流には、磁気表示媒体10に内包された鱗片状磁性
体粒子17の水平配向特性を更に向上させるための第二
の消去機構5、そして、消去装置1内で移動し一連の消
去工程を行うために磁気表示媒体10を移送する図示し
ない搬送手段6からなる。
【0034】第一の加熱手段2は、マイクロカプセル化
表示粒子13内の分散媒18を低粘度の溶融状態にし
て、鱗片状磁性体粒子17を可動状態にする為に設けら
れる。磁気表示媒体10を約40〜80℃の範囲に全面
を一様に加熱することで、マイクロカプセル化表示粒子
13内の分散媒18を液相状態として、低粘度の流動性
を持たせる方法であれば、如何なる加熱方法も本発明に
使用可能である。例えば、特開平10−16457号に
開示されている磁気表示媒体10の全面を覆う平面状ヒ
ータを備えた熱板と加圧板の間に磁気表示媒体10を挟
持する事で、その全面を均一に加熱する装置、フラッシ
ュランプ、ヒートバー、赤外線ランプ等が使用可能であ
る。あるいは、回転する熱ローラにより、搬送しながら
加熱する装置も本発明に含まれる。その他、磁気表示媒
体10を全面加熱可能であり、初期化手段3、第一の水
平磁界印加手段4に磁気表示媒体10を移送し、消去が
完了するまで磁気表示媒体10の加熱状態を維持しうる
全面的な加熱手段はすべて本発明に含まれる。
【0035】初期化手段3は、少なくとも一度画像記録
され、再書き込みされる磁気表示媒体10の前回の記録
を消去するものである。初期化の必要性は、画像が記録
された磁気表示媒体10を全面加熱した後、水平磁界中
に置くのみではマイクロカプセルの物理的形状等により
鱗片状磁性体粒子の移動特性に異方性が存在するため、
前歴が完全に消去されないという問題に起因する。この
問題を解決する手段が、水平磁界を印加する前処理とし
て、加熱された磁気表示媒体10に垂直磁界を印加する
ものである。一様な磁界を発生する全ての永久磁石や電
磁石などの垂直磁界発生器が初期化手段3として使用可
能である。画像が記録された磁気表示媒体10を全面加
熱した後、前記の垂直磁界発生器の上を移送することで
初期化が実現される。垂直磁界発生器の大きさは、一辺
が磁気表示媒体10の磁気表示層15の搬送方向に垂直
な方向の幅よりも大きければよく、搬送方向長さは規定
されない。
【0036】また、前歴消去を確実に行うために、初期
化手段3の磁界パターンを図3の如くする事も有効であ
る。図3の初期化手段3では、磁気表示媒体10の搬送
方向(矢印方向)に垂直な繰り返し間隔2〜10mmの
帯状にN極とS極を順次着磁し多極磁界を発生するよう
に構成した。こうすることで、まず、垂直磁界が印加さ
れ、その中間では水平磁界が印加されることになり、垂
直配向と水平配向を繰り返すことで、マイクロカプセル
化表示粒子13内の鱗片状磁性体粒子17が攪拌される
ことになり、前歴消去を確実に行える。
【0037】第一の水平磁界印加手段4は、最大磁束密
度500〜1000Gの一対の交流電磁石からなり、磁
気表示媒体10の面を含む搬送方向とは垂直な直線上の
2つの側面にそれぞれ対向して配置した。加熱状態を維
持した磁気表示媒体1が、通電された一対の交流電磁石
に挟まれた空間を移送されることで、マイクロカプセル
化表示粒子13内の鱗片状磁性体粒子17が水平配向さ
れて低濃度の均一な金属光沢となり、消去される。しか
しながら、印加される水平磁界が静磁界である場合に
は、磁気表示媒体10の面を含む搬送方向とは垂直な直
線上で磁束密度の不均一性があると消去ムラが発生す
る。そのため、N極とS極を対向させた磁石で、幅50
mmに渡って理想的な均一磁界を得るためには、消去装
置が大型化してしまうという欠点がある。そこで、小型
化のために、第一の水平磁界印加手段4である2つの交
流電磁石EM1,EM2を、磁気表示媒体10側に面す
る極が同位相つまり、同じ極が対向するように配置し
た。
【0038】こうすることで、2つの交流電磁石EM
1,EM2の対向する磁極間のほぼ中央で互いの磁束が
反発し合い、磁気表示媒体10の移送方向にそれる。こ
の結果、マイクロカプセル化表示粒子13内の鱗片状磁
性体粒子17が磁力線に沿ってほぼ水平配向される。水
平磁界印加手段4として、交流電磁石を用いるため、マ
イクロカプセル化表示粒子13内の鱗片状磁性体粒子1
7の消磁効果が得られる。電磁石のコイルに印加される
交流電流としては、商用電源を用いたが、これに限定さ
れるものではない。
【0039】一方、2つの交流電磁石EM1,EM2の
コイルへの通電パターンとしては、連続通電、間欠通電
を同時に行う方法などが可能である。ここで、マイクロ
カプセル化表示粒子13内の鱗片状磁性体粒子17の配
向変化を効果的に行うためには、単位時間当たりの強度
変化量の大きなステップ状あるいは、インパルス状の磁
界を印加することが有効であることが知られた。そこ
で、本発明においては、2つの交流電磁石EM1,EM
2のコイルへの通電パターンを図4に示すタイミングと
した。図4によれば、一方の交流電磁石EM1と他方の
交流電磁石EM2の通電タイミングを同時でなく、互い
に通電位相を異なる様にした。一方の交流電磁石EM1
と他方の交流電磁石EM2は、どちらを先に通電しても
よく、通電の位相差を与えることが要求される。こうす
ることで、鱗片状磁性体粒子17の攪拌効果を増し、水
平配向特性が改善される。
【0040】第二の消去機構5は、第一の消去機構の水
平配向特性を更に向上させるものである。第二の消去機
構5の構成を図5に示す。第二の消去機構5は、鋭角の
磁極を磁気表示媒体10の搬送方向に沿わせ、磁性体で
閉磁路を形成させた電磁石からなる第二の水平磁界印加
手段7、線上に規定幅ずつ加熱することのできる第二の
加熱手段8、そして、第二の加熱手段8によって加熱さ
れた磁気表示媒体10を瞬時に冷却するための冷却手段
9で構成される。第二の消去機構5に搬送された磁気表
示媒体10は、パルス状に加熱と水平磁界印加がほぼ同
時に行われ、マイクロカプセル化表示粒子13内の鱗片
状磁性体粒子17の水平配向を行う。磁気表示媒体10
が第二の消去機構5に到達した段階では、図5の位置関
係において鱗片状磁性体粒子17は紙面に垂直な方向に
配向されているが、第二の消去機構では紙面かつ、搬送
方向に水平な配向に変わる。
【0041】冷却手段9は、垂直磁界を印加して画像を
加熱記録する記録装置を用いた場合に重要であり、第2
の加熱手段8の下流で、磁気表示媒体10の磁気表示層
15を常温に冷却することを目的とする。消去の後に、
磁気表示媒体10を急速に冷却しマイクロカプセル化表
示粒子13内の分散媒18を固相状態にするので、冷却
までの待ち時間を最小にすると共に、記録部に移送され
たときに冷却不十分なために垂直磁界による汚れの発生
を防止する。冷却手段9としては、狭い幅に収納可能で
急速に冷却できる方法であれば全て利用可能である。例
えば、ペルチェ素子、送風機等 および、それらを組み
合わせたものがある。また、処理時間に余裕がある場合
には、第二の加熱手段8二よる加熱後、自然冷却時間を
加熱毎に設けることで省略することもできる。
【0042】以上のように、本発明の磁気表示媒体10
に内包されたマイクロカプセル化表示粒子13内の分散
媒18を全面的に溶融状態にする第一の加熱手段2、液
相状態の表示層に垂直磁界を印加して前歴を消去する初
期化手段3、液相状態の表示層にほぼ全面的に水平磁界
を印加して金属光沢の低光学濃度の均一な色調とする第
一の水平磁界印加手段4、第二の消去機構5そして、消
去装置1内で移動し、一連の消去工程を行うために磁気
表示媒体10を移送する搬送手段6を備え、磁気表示媒
体10をマイクロカプセル化表示粒子13内の分散媒1
8が充分低粘度になるまで加熱された後、加熱状態を維
持しながら磁気表示媒体10を移送し、多極磁界を発生
する初期化手段3を通過することで前歴消去を確実に行
う。その後、第一の水平磁界印加手段4に移送され、互
いに通電位相の異なる同じ極が対向するように配置した
水平磁界印加手段4である2つの交流電磁石EM1,E
M2の間でマイクロカプセル化表示粒子13内の鱗片状
磁性体粒子17が磁力線に沿って水平配向されること
で、一次の消去を達成する。更に、第二の消去機構の第
二の水平磁界印加手段7と第二の加熱手段8とをパルス
的にほぼ同時に駆動することで消去特性を改善する。
【0043】
【実施例】本発明の消去装置1を用いた磁気表示媒体1
0の発行装置100を図1に示す。
【0044】本発明の消去装置1を用いた磁気表示媒体
10の発行装置10は、本体ケーシング101とこの本
体ケーシング101の全面部に設けられた磁気表示媒体
10を挿入及び排出する入口部102と、本体ケーシン
グ101に設けられた上記入口部102から挿入された
磁気表示媒体10をその挿入方向に往復移送する複数の
移動ローラからなる搬送手段6と、この搬送手段6に沿
って順次配設された記録手段103、そして、部分消去
機構104、第一の水平磁界印加手段4、初期化手段
3、第一の加熱手段2からなる消去装置1とでその主要
部が構成されている。また、該加熱手段2の対向側に
は、ほぼ同一形状の加圧板105が配置され、第一の加
熱手段2は、該加熱手段2を昇降させる加圧機構108
を持つ。部分消去機構104は、搬送方向に対向する磁
極を有する磁極対向電磁石106とセラミックヒータ1
07とペルチェ素子109および、プラテンローラ11
3で構成される。セラミックヒータ107の代わりに、
熱ヘッドや線上にビーム成形されたレーザ光なども使用
可能である。記録手段3は部分垂直磁界印加手段110
と部分加熱手段111で構成される。部分垂直磁界印加
手段110は、一様着磁した永久磁石としたが、電磁石
も使用可能である。部分加熱手段111としては、熱ヘ
ッドを用いたが、レーザ走査ヘッドも使用可能であり、
磁気表示媒体10の磁気表示層15を記録画像に応じて
部分的に加熱可能なものは全て本実施例に適用される。
【0045】以下、発行装置100における磁気表示媒
体10の消去から記録の全工程を概略説明する。発行装
置100は、初期状態において、第一の加熱手段2は8
0゜Cに加熱され、加圧機構108により、上昇してい
るものとする。
【0046】図1(A)において、磁気表示媒体10を
入口部102から本体ケーシング101内に挿入する
と、複数の移動ローラからなる搬送手段6により磁気表
示媒体10は矢印方向に移送され、加熱手段2と加圧板
105間に搬入される。
【0047】その後、加熱手段2が加圧機構108によ
り下方に移動し、加熱手段2と加圧板105とで磁気表
示媒体10を挟持し、80゜Cで2秒間、磁気表示媒体
10を全面加熱処理する(図1(B)参照)。次に、加
熱手段2が加圧機構108により上方に移動すると、直
ちに搬送手段6によって、移送方向を反転させ、矢印方
向に移送する事で、初期化手段3、第一の水平磁界印加
手段4を磁気表示媒体10の加熱状態を維持しながら通
過する間に、既に記述した手順で消去を行う(図1
(C)参照)。
【0048】一次消去された磁気表示媒体10は、移送
を続けて、部分消去機構104に到達すると、搬送手段
6が一時停止し、磁極対向電磁石106と、セラミック
ヒータ107とがほぼ同時にパルス通電される。その
後、搬送を開始しセラミックヒータ107による磁気表
示媒体10の加熱部は冷却手段109によって冷却され
る(図1(D)参照)。
【0049】部分消去機構104を通過した磁気表示媒
体10は、記録手段103に移送される。ここで、本実
施例においては、記録手段103を熱ヘッド112とプ
ラテンローラ113とした。熱ヘッド112は図示しな
い昇降機構により、磁気表示媒体10の発行装置100
への挿入から全面冷却終了までは、上昇している。
【0050】磁気表示媒体10が、記録手段103に到
達すると、熱ヘッド112は図示しない昇降機構によっ
て降下し、プラテンローラ113との間に磁気表示媒体
10を挟持し、移送しながら熱ヘッド112に印加され
た画像に応じた部分加熱によって画像記録される。
【0051】本実施例では、画像記録用の部分垂直磁界
印加手段110は、プラテンローラ113を軟鉄製の芯
に耐熱ゴムを被覆したものを用い、軟鉄製の芯を一様着
磁する事で達成している。他の方法として、熱ヘッド1
12の近傍、または、プラテンローラ113の近傍に磁
石を配置する事も有効である。この場合にもプラテンロ
ーラ113の芯材に軟鉄などの強磁性材料を用いること
で、部分垂直磁界印加手段110が印加した磁界中でヨ
ークの働きを兼ねる。
【0052】
【発明の効果】請求項1に記載の発明に係る消去装置に
よれば、比較的大きな磁気表示部を持つ磁気表示媒体に
おいても、ムラのない消去が実現できる。また、第一の
水平磁界印加手段として磁界発生器を複数持つことで水
平磁界パターンを場所にってり変えることができるの
で、磁性粒子の攪拌効果が得られる。
【0053】また、請求項2に記載の発明に係る消去装
置によれば、前記磁極が磁気表示媒体の面を含む搬送方
向にそれぞれ対向して配置されているので、より一様な
磁界を実現できる。また、第一の水平磁界印加手段であ
る2つの交流電磁石が、磁気表示媒体に面する極が同位
相つまり、同じ極が対向するように配置され、通電タイ
ミングを異なるように切り替え制御可能にしたことによ
り、2つの対向する電磁石の極を同じになるように配置
することで全面加熱した磁気表示媒体の移送方向の磁界
パターンに変化を与えることができる。また、磁界の印
加をオンオフ制御することでステップ状の磁界変化を与
え、かつ、そのタイミングをずらすことで多様な攪拌パ
ターンを実現している。加えて、磁界印加手段を電磁石
としたことで、永久磁石を用いた場合に比較して装置の
構造物を磁化することが少ない。
【0054】また、加熱手段と水平磁界印加手段との間
に、液相状態の表示層に垂直磁界を印加する初期化手段
を有することにより、消去のための水平磁界印加に先だ
って前歴を消去し、磁性体粒子を消去時と90゜異なる
方向に磁性体粒子を配向させることで、水平磁界を印加
したときの磁性体粒子にかかる回転力を最大とするため
に付加されるものである。更に、液相状態の表示層の初
期化手段が、磁気表示媒体の搬送方向に垂直な繰り返し
間隔2〜10mmの帯状に多極磁界を発生するように構
成したので、多極磁界、つまりN極とS極が繰り返され
ることで、まず、垂直磁界が印加され、その中間では水
平磁界が印加されることになり、垂直配向と水平配向を
繰り返すことで、マイクロカプセル化表示粒子内の鱗片
状磁性体粒子が攪拌されることになり、前歴消去を確実
に行えるという効果がある。
【0055】加えて、請求項6に記載の発明に係る消去
装置によれば、磁気表示媒体の表示層に部分的に加熱す
る第二の加熱手段の下流に近接して、磁気表示媒体の表
示層を常温に冷却する冷却手段を有するので、第二の加
熱後に、磁気表示媒体を急速に冷却しマイクロカプセル
化表示粒子内の分散媒を固相状態にするので、垂直磁界
を印加して画像を加熱記録する記録装置を用いた場合
に、冷却までの待ち時間を最小にすると共に、記録部に
移送されたときに冷却不十分なために垂直磁界による汚
れの発生を防止する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の消去装置を用いた磁気表示媒体の発行
装置の構成と動作を説明する図である。
【図2】本発明に係る消去装置の概略構成図である。
【図3】本発明に係る消去装置における初期化手段の磁
界パターンの概略説明図である。
【図4】本発明に係る消去装置における第一の水平磁界
印加手段の2つの交流電磁石(EM1,EM2)のコイ
ルへの通電パターンを示す図である。
【図5】本発明に係る第二の消去機構の構成図である。
【図6】本発明に用いられた磁気記録媒体の構成図であ
る。
【符号の説明】
1…消去装置 2…第一の加熱手段 3…初期化手段 4…第一の水平磁界印加手段 5…第二の消去機構 6…搬送手段 7…第二の水平磁界印加手段 8…第二の加熱手段 9…冷却手段 10…磁気表示媒体 11…支持体 12…黒色着色層 13…マイクロカプセル化表示粒子 14…バインダー 15…磁気表示層 16…オーバーシート 17…鱗片状磁性体粒子 18…分散媒 100…発行装置 101…本体ケーシング 102…入口部 103…記録手段 104…部分消去機構 105…加圧板 106…磁極対向電磁石 107…セラミックヒータ 108…加圧機構 109…ペルチェ素子 110…部分垂直磁界印加手段 111…部分加熱手段 112…熱ヘッド 113…プラテンローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 JA01 JB23 JC04 KA21 LB04 LB07 LB26 LB28 5B058 CA40 5C094 AA03 AA53 AA55 AA56 AA60 BA74 BA76 EA05 EB02 FA01 GA02 GA03 GA10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、常温時に固相状態を示し、且
    つ、加熱時において液相状態を示す分散媒に少なくとも
    磁気配向により色相が変化する磁性体を分散してなる表
    示層を形成した磁気表示媒体の消去装置であって、 磁気表示媒体の表示層を全面的に液相状態に加熱する第
    一の加熱手段、 一対の交流電磁石からなる磁界発生器により、液相状態
    の表示層にほぼ全面的に水平磁界を印加する第一の水平
    磁界印加手段、 第一の加熱手段と第一の水平磁界印加手段との間に、多
    極磁石からなる液相状態の表示層に垂直−水平交番磁界
    を印加する初期化手段からなる第一の消去機構、 第一の水平磁界印加手段に続いて、少なくとも部分的に
    加熱する第二の加熱手段、 部分的に水平磁界を印加する第二の水平磁界印加手段か
    らなる第二の消去機構、 および、磁気表示媒体の搬送手段とを有することを特徴
    とする磁気表示媒体の消去装置。
  2. 【請求項2】磁気表示媒体の表示層に部分的に水平磁界
    を印加する第二の水平磁界印加手段が、最大磁束密度5
    00〜1500Gの対向する磁極を有する電磁石であっ
    て、 該磁極が磁気表示媒体の面を含む搬送方向にそれぞれ対
    向して配置されていることを特徴とする請求項1記載の
    磁気表示媒体の消去装置。
  3. 【請求項3】磁気表示媒体の表示層に部分的に加熱する
    第二の加熱手段が熱ヘッドであって、 前記の第二の水平磁界印加手段の2つの磁極の間に設け
    られていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか
    に記載の磁気表示媒体の消去装置。
  4. 【請求項4】前記の磁気表示媒体の表示層に部分的に加
    熱する第二の加熱手段がセラミックヒータであることを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁気表示
    媒体の消去装置。
  5. 【請求項5】前記の磁気表示媒体の表示層に部分的に加
    熱する第二の加熱手段が線状に集光されたレーザー光で
    あることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載
    の磁気表示媒体の消去装置。
  6. 【請求項6】磁気表示媒体の表示層に部分的に加熱する
    第二の加熱手段の下流に近接して、磁気表示媒体の表示
    層を常温に冷却する冷却手段を有することを特徴とする
    請求項1乃至5のいずれかに記載の磁気表示媒体の消去
    装置。
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