JP2000307187A - ハーモニック光シンクロナスモード同期半導体レーザ - Google Patents

ハーモニック光シンクロナスモード同期半導体レーザ

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JP2000307187A
JP2000307187A JP11117494A JP11749499A JP2000307187A JP 2000307187 A JP2000307187 A JP 2000307187A JP 11117494 A JP11117494 A JP 11117494A JP 11749499 A JP11749499 A JP 11749499A JP 2000307187 A JP2000307187 A JP 2000307187A
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Daisuke Kunimatsu
大介 国松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 注入光パルス列の偏波モードが変動しても、
出力光パルス列の光強度が変化しないようにすること。 【解決手段】 可飽和吸収体を、井戸層及び障壁層がそ
れぞれ引張歪状態及び圧縮歪状態となっている多重量子
井戸層構造18Bとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ハーモニック光
シンクロナスモード同期半導体レーザ、特に、注入光パ
ルス列の偏波モードが変動しても、出力光パルス列に対
するジッタ低減効果が変化しないハーモニック光シンク
ロナスモード同期半導体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光通信の分野で、モード同期半導
体レーザの研究・開発が進められている。モード同期半
導体レーザとは、周期的な光パルス列から成るレーザ光
を発生させる半導体レーザである。
【0003】このモード同期半導体レーザの1つに、受
動モード同期半導体レーザがある。受動モード同期半導
体レーザとは、利得媒質と共に、可飽和吸収体(吸収係
数が入力光強度の増加と共に減少する特性を有する材
料)が組み込まれている半導体レーザである。具体的に
は、利得媒質の活性層を分割して、その一方を可飽和吸
収体として用いる。この可飽和吸収体に逆バイアス電圧
を印加することにより、可飽和吸収特性が制御される。
【0004】この受動モード同期半導体レーザによれ
ば、先ず、利得媒質に順バイアス電圧を印加することに
より、利得媒質の活性層から光が発生する。この光は、
多数の縦モードの光から成る。当初、これらの縦モード
の位相は互いに揃っていない為、これらの縦モードの合
成波である光の強度は、小さい。よって、この光は、可
飽和吸収体に吸収されてしまう。そして、時間の経過と
共に、これらの縦モードの光の位相が互いに揃ってくる
と、これらの縦モードの合成波である光の強度は、大き
くなり、従って、この光は、可飽和吸収体を透過するよ
うになる。可飽和吸収体を透過した光は、反射鏡の間を
1往復(距離を2Lとおく。)する度に、光強度が増幅
し、然る後、この受動モード同期半導体レーザから、光
パルス列(以下、出力光パルス列と言う。)となって外
部に出力される。この状態を、モード同期と言う。この
出力光パルス列の周波数は、c/2nLで表される(c
は光の速度、及びnは光導波層の屈折率)。
【0005】この受動モード同期半導体レーザから出力
された光パルス列の繰り返し周波数は、数百GHz〜数
THzの範囲内の値まで増大でき、電気的な変調速度を
大幅に上回っている。又、1本の光パルスのパルス幅
は、フェムト秒〜ピコ秒のオーダーに達している。従っ
て、受動モード同期半導体レーザは、超高速光通信の要
求に適うものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、受動モ
ード同期半導体レーザには、ジッタ(外部に出力される
光パルス列を構成する各光パルスの正しい時間位置から
のずれ)が大きくなる問題点があった。
【0007】そこで、外部から、モード同期している受
動モード同期半導体レーザに、出力光パルス列の繰り返
し周波数と同一の周波数でありかつ低ジッタの、電気信
号又は光信号を注入することにより、出力光パルス列の
ジッタを低減する技術の研究・開発が進められている。
この電気信号が注入される受動モード同期半導体レーザ
を、ハイブリッドモード同期半導体レーザと言う。又、
上述の光信号が注入される受動モード同期半導体レーザ
を、光シンクロナスモード同期半導体レーザと言う。
【0008】ハイブリッドモード同期半導体レーザで
は、外部から、出力光パルス列の繰り返し周波数と同一
の周波数の交流信号の逆バイアス電圧が、可飽和吸収体
を含む領域に印加される。又、光シンクロナスモード同
期半導体レーザでは、外部から、出力光パルス列の繰り
返し周波数と同一の繰り返し周波数の光パルス列(以
下、注入光パルス列と言う。)が、可飽和吸収体及び活
性層内に注入される。いずれの場合でも、可飽和吸収体
の吸収損失を変調することにより、出力光パルス列のジ
ッタを低減できる。
【0009】しかしながら、ハイブリッドモード同期半
導体レーザでは、変調逆バイアス電圧を印加する電極間
に介在する半導体のキャパシタンスが大きい為に、この
変調逆バイアス電圧が減衰してしまう。この結果、出力
光パルス列のジッタを十分に低減できないという問題が
あった。一方、光シンクロナスモード同期半導体レーザ
では、このような電気的な問題がないから、出力光パル
ス列のジッタを十分低減できる。従って、光シンクロナ
スモード同期半導体レーザは、ハイブリッドモード同期
半導体レーザより、出力光パルス列のジッタを低減でき
る。
【0010】又、出力光パルス列の繰り返し周波数が電
気信号の周波数を上回っている場合は、モード同期して
いる受動モード同期半導体レーザに、この繰り返し周波
数と同一の周波数の電気信号を注入することができな
い。
【0011】そこで、外部から、モード同期している受
動モード同期半導体レーザに、出力光パルス列の繰り返
し周波数の自然数分の1の周波数でありかつ低ジッタの
電気信号を印加することにより、この出力光パルス列の
ジッタを低減する技術の研究・開発が進められている。
この電気信号が印加される受動モード同期半導体レーザ
を、サブハーモニックハイブリッドモード同期半導体レ
ーザと言う。又、このサブハーモニックハイブリッドモ
ード同期半導体レーザに習って、出力光パルス列の繰り
返し周波数の自然数分の1の繰り返し周波数でありかつ
低ジッタの注入光パルス列が注入されるサブハーモニッ
ク光シンクロナスモード同期半導体レーザの研究・開発
も進められている(例えば、文献:Shin Arahira and Y
oh Ogawa,"Synchronous Mode-Locking in Passively Mo
de-Locked Semiconductor LaserDiodes Using Optical
Short Pulses Repeated at Subharmonics of the Cavit
yRound-Trip Frequency," IEEE Photon. Lett., 8 .,N
o.2(1996) pp.191-193 )。
【0012】しかしながら、サブハーモニックハイブリ
ッドモード同期半導体レーザでは、可飽和吸収体に印加
される変調逆バイアス電圧が大きくなると、出力光パル
ス列がこの変調逆バイアス電圧の影響を受け、その結
果、パルス振幅が変動してしまうという問題があった。
一方、サブハーモニック光シンクロナスモード同期半導
体レーザでは、このような電気的な問題がないから、出
力光パルス列のパルス振幅が変動してしまうことはな
い。従って、サブハーモニック光シンクロナスモード同
期半導体レーザは、サブハーモニックハイブリッドモー
ド同期半導体レーザより、パルス振幅が変動しない安定
した光パルス列を発生させることができる。
【0013】以上の点を踏まえると、受動モード同期半
導体レーザに、外部から、電気信号を印加するより注入
光パルス列を注入した方が、出力光パルス列のジッタを
低減できるだけでなく、この出力光パルス列のパルス振
幅の変動を抑えることができる。以下、光シンクロナス
モード同期半導体レーザ又はサブハーモニック光シンク
ロナスモード同期半導体レーザを総称して、ハーモニッ
ク光シンクロナスモード同期半導体レーザと言う。
【0014】しかしながら、ハーモニック光シンクロナ
スモード同期半導体レーザにおいて、上述の可飽和吸収
体は、偏波特性を有する。すなわち、注入光パルス列の
偏波モードに応じて、可飽和吸収体の吸収係数が変化す
る。例えば、同一波長の光に対して、TEモードの吸収
係数は、TMモードの吸収係数より大きい。この為、注
入光パルス列の偏波モードが変動すると、出力光パルス
列のジッタに、ばらつきが出る。このジッタの増大は、
光通信において、通信エラーを生じさせうるので、好ま
しくない。
【0015】そこで、従来、このジッタ低減の不安定性
を防ぐために、注入光パルス列の偏波モードを、例えば
偏波面制御器によって、例えば、TEモード又はTMモ
ードに予め揃えて、ハーモニック光シンクロナスモード
同期半導体レーザに注入している。
【0016】しかしながら、この偏波面制御器の制御が
煩雑になる問題があった。
【0017】そこで、注入光パルス列の偏波モードの変
動があっても、出力光パルス列の光強度が変化しないハ
ーモニック光シンクロナスモード同期半導体レーザの出
現が求められていた。
【0018】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、この発明のハーモニック光シンクロナスモード同期
半導体レーザは、連続光を発生させる利得領域と、この
連続光から強振幅の光を光パルスとして透過させる可飽
和吸収体とを具える。
【0019】この光パルスを、一定の繰り返し周波数m
・f(mは自然数)の出力光パルス列としてこのレーザ
から外部に出力させ、然る後、外部から低ジッタの一定
の繰り返し周波数fの注入光パルス列をこのレーザに注
入することにより、出力光パルス列のジッタを低減させ
る。
【0020】上述の可飽和吸収体を、井戸層及び障壁層
で構成される多重量子井戸層構造とする。注入光パルス
列の偏波モードの変動があっても、出力光パルス列の光
強度が変化しないように、井戸層を引張歪状態とし、か
つ障壁層を圧縮歪状態とする。
【0021】この発明の構成によれば、注入光パルス列
の偏波モードの変動があっても、出力光パルス列の光強
度が変化しない。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して、この発明の
実施の形態につき説明する。なお、図中、各構成成分の
大きさ、形状及び配置関係は、この発明が理解できる程
度に概略的に示してあるにすぎず、従って、この発明
は、図示例に限定されるものではない。
【0023】図1を参照して、この発明のハーモニック
光シンクロナスモード同期半導体レーザ10の構成につ
き、説明する。
【0024】図1は、この発明のハーモニック光シンク
ロナスモード同期半導体レーザの構成の一例を示す断面
図である。
【0025】このハーモニック光シンクロナスモード同
期半導体レーザ10(以下、レーザ10と言う。)は、
利得領域12及び可飽和吸収領域14から構成される。
利得領域12とは、レーザ光(連続光)を発生させる領
域である。又、可飽和吸収領域14とは、このレーザ光
の中から光パルスのみを透過させる領域である。
【0026】このレーザ10の導波層部分に、外部か
ら、低ジッタの一定の繰り返し周波数fの光パルス列
(以下、注入光パルス列P1と言う。)を注入させるこ
とにより、外部に出力される、一定の繰り返し周波数m
・f(mは自然数)の光パルス列(以下、出力光パルス
列P2と言う。)のジッタを低減させる。この実施の形
態では、注入光パルス列P1及び出力光パルス列P2の
繰り返し周波数を、それぞれ、40/4GHz及び40
GHzとする。すなわち、m=4の場合である。このジ
ッタを低減させる技術については公知であるから、詳細
な説明は省略する。
【0027】この構成例では、このレーザ10を、In
P系半導体から構成する。
【0028】具体的には、上述の利得領域12及び可飽
和吸収領域14は、共通の基板を有し、この基板を、n
−InP基板16とする。このn−InP基板16は、
n−クラッド層に相当する。
【0029】このn−InP基板16上に、ノンドープ
InP多重量子井戸層18が形成されている。この構成
例では、このノンドープInP多重量子井戸層18は、
10層の井戸層及び9層の障壁層から成る。1層当たり
の膜厚は、井戸層が8.0nm、障壁層が6.0nmで
ある。又、井戸層及び障壁層のバンドギャップ波長は、
それぞれ1.55μm及び1.16μmである。又、井
戸層及び障壁層を、それぞれ、引張歪状態及び圧縮歪状
態とする。具体的には、この引張歪及び圧縮歪の割合
を、n−InP基板16に対して、それぞれ、−0.4
7%及び+0.52%とする。尚、井戸層の引張歪と
は、n−InP基板16の格子定数に対する、格子定数
の歪割合である。又、障壁層の圧縮歪とは、n−InP
基板16の格子定数に対する、格子定数の歪割合であ
る。
【0030】ノンドープInP多重量子井戸層18のパ
ラメータを上記のように設定することにより、後述のよ
うに、利得領域12におけるノンドープInP多重量子
井戸層18Aは、活性層(兼導波層)に相当する。又、
後述のように、可飽和吸収領域14におけるノンドープ
InP多重量子井戸層18Bは、可飽和吸収体(兼導波
層)に相当する。しかも、この可飽和吸収体は、注入光
パルス列P1の偏波モードが、例えば、TEモードから
TMモードに変動しても、同一の繰り返し周波数fに対
して、この可飽和吸収体の吸収係数が、実質的に変化し
ない。従って、出力光パルス列P2の光強度に、ばらつ
きが出ない。
【0031】この多重量子井戸層18上に、p−InP
クラッド層20が、形成されている。このp−InPク
ラッド層20の格子定数は、n−InP基板16の格子
定数と同一である。
【0032】このp−InPクラッド層20上に、p+
−InGaAsコンタクト層22が形成されている。但
し、このp+ −InGaAsコンタクト層22は、利得
領域12及び可飽和吸収領域14の境界上で、分断され
ている。この分断幅は、例えば、3μmである。以下、
利得領域12及び可飽和吸収領域14におけるp+ −I
nGaAsコンタクト層22を、22A及び22Bと称
する。
【0033】このp+ −InGaAsコンタクト層22
A及び22B上に、又、Au電極24A及び24B(A
uZnでも良い。)が、個別に付着されている。従っ
て、利得領域12及び可飽和吸収領域14に対して、電
圧を個別に印加することができる。具体的には、利得領
域12に対しては、順バイアス電圧を印加する。これに
より、利得領域12における多重量子井戸層18Aは、
上述のように、活性層になる。又、可飽和吸収領域14
に対しては、逆バイアス電圧を印加する。これにより、
可飽和吸収領域14における多重量子井戸層18Bは、
上述のように、可飽和吸収体になる。又、n−InP基
板16の背面には、AuGeNi電極26(Auでも良
い。)が付着されている。
【0034】又、この構成例では、この積層構造体の第
1端面T1及び第2端面T2には、それぞれ、Al2 O
3 高反射コーディング板28、30(Auでも良い。)
が付着されている。Al2 O3 高反射コーディング板2
8は、利得領域12側に付着されている。又、Al2 O
3 高反射コーディング板30は、可飽和吸収領域14側
に付着されている。
【0035】但し、Al2 O3 高反射コーディング板2
8の反射率が100%であるのに対して、Al2 O3 高
反射コーディング板30の反射率は、98%となってい
る。従って、多重量子井戸層18内を伝搬する光パルス
列は、Al2 O3 高反射コーディング板30から、出力
光パルス列P2として、外部に出力される。又、このA
l2 O3 高反射コーディング板30からレーザ10内
に、注入光パルス列P1が注入される。
【0036】尚、レーザ10は、公知の技術(例えば、
有機金属気相成長法)を利用して製造できるから、この
レーザ10の製造方法に係る説明を省略する。因みに、
井戸層及び障壁層を形成するとき、例えば、これらの層
を構成するIn(インジウム)及びP(リン)の供給量
を極微量だけ互いに違えることにより、井戸層は引張歪
状態になり、かつ障壁層は圧縮歪状態になる。
【0037】次に、このレーザ10の動作につき、説明
する。
【0038】先ず、このレーザ10の外部に、レーザ1
00(図示せず。)を用意する。このレーザ100と
は、低ジッタの一定の繰り返し周波数fの注入光パルス
列P1を発生させて、レーザ10のAl2 O3 高反射コ
ーディング板30に向かって出力させる為のレーザであ
る。因みに、レーザ100及びレーザ10は、一般的
に、それぞれ、マスターレーザ及びスレーブレーザと言
われる。
【0039】次に、レーザ10の利得領域12にあるA
u電極24Aに対して、順バイアス電圧を印加すると同
時に、可飽和吸収領域14にあるAu電極24Bに対し
て、逆バイアス電圧を印加する。これにより、利得領域
12にある多重量子井戸層18Aは、光を発生させる活
性層となる。この光は、多数の縦モードから成る連続光
である。一方、Au電極24Bには逆バイアスが印加さ
れているから、この多重量子井戸層18Bは、可飽和吸
収体となる。
【0040】当初、上述の縦モードの位相は互いに揃っ
ていない為、これらの縦モードの合成波である光の強度
は、小さい。よって、この光は、可飽和吸収体(多重量
子井戸層18B)に吸収される。そして、時間の経過と
共に、これらの縦モードの光の位相が互いに揃ってくる
と、これらの縦モードの合成波である光の強度は、大き
くなり、従って、この光は、可飽和吸収体を透過するよ
うになる。可飽和吸収体を透過した光は、反射鏡の間を
1往復する度に、光強度が増幅し、然る後、このレーザ
10から、出力光パルス列P2となって外部に出力され
る。この構成例では、上述のように、出力光パルス列P
2の繰り返し周波数m・fは、上述のように、40GH
zである。
【0041】次に、上述のレーザ100から、多重量子
井戸層18B(可飽和吸収体)に、低ジッタであって、
一定の繰り返し周波数fの注入光パルス列P1を注入す
る。この構成例では、上述のように、40/4GHzで
ある。すなわち、m=4である。これにより、出力光パ
ルス列P2のジッタは、低減される。
【0042】ところで、レーザ100内には、偏波面制
御器が含まれる。この偏波面制御器とは、注入光パルス
列P1の偏波モードを、予めTEモード又はTMモード
に揃える為の装置である。従来、この偏波面制御器によ
って、注入光パルス列P1の偏波モードを、予めTEモ
ード又はTMモードに揃えて、レーザ10内に注入して
いた。なぜならば、上述のように、この注入光パルス列
P1の偏波モードの影響を受けて、レーザ10内に含ま
れる可飽和吸収体の吸収係数(すなわち吸収特性)が変
化してしまうからである。
【0043】そこで、図2を参照して、この発明のレー
ザ10では、可飽和吸収体の吸収係数が、この注入光パ
ルス列P1の偏波モードに依存しない(よって、出力光
パルス列P2の光強度が変化しない)ことにつき、説明
する。
【0044】図2は、出力光パルス列P2の光強度の実
験データの一例を示す図である。縦軸及び横軸は、それ
ぞれ、出力光パルス列P2の光強度(単位:dBm)及
びAu電極24Bに印加される逆バイアスの大きさ(単
位:V)を表す。又、実線は、注入光パルス列P1をT
Eモードに偏向した場合における出力光パルス列P2の
光強度曲線である。又、点線は、注入光パルス列P1を
TMモードに偏向した場合における出力光パルス列P2
の光強度曲線である。
【0045】図2に示すように、TEモードの光及びT
Mモードの光の光強度曲線は、印加した逆バイアスの範
囲内において、実質的に一致している。このことから、
可飽和吸収体の吸収係数が、注入光パルス列P1の偏波
モードに依存していないことが分かる。すなわち、注入
光パルス列P1の偏波モードが変動しても、出力光パル
ス列P2の光強度に、ばらつきが出ない。従って、この
レーザ10を使用すれば、従来レーザ100内に含まれ
ていた偏波面制御器が不要になる。
【0046】この発明は、上述の実施の形態にのみ限定
されるものではなく、設計に応じて種々の変更を加える
ことができる。
【0047】例えば、上述の構成例では、ハーモニック
光シンクロナスモード同期半導体レーザは、InP系半
導体から構成してあるが、GaAs系半導体から構成し
ても良い。
【0048】又、例えば、上述の構成例では、井戸層の
引張歪割合を−0.47%、及び障壁層の圧縮歪割合を
+0.52%としているが、各歪割合は、それぞれこの
値に限定されるものではない。
【0049】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、この発
明のハーモニック光シンクロナスモード同期半導体レー
ザによれば、注入光パルス列の偏波モードが変動して
も、出力光パルス列の光強度に、ばらつきが出ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明のレーザの構成の一例を示す断面図で
ある。
【図2】出力光パルス列の光強度の実験データの一例を
示す図である。
【符号の説明】
10:ハーモニック光シンクロナスモード同期半導体レ
ーザ 12:利得領域 14:可飽和吸収領域 16:n−InP基板 18A、18B:ノンドープInP多重量子井戸層 20:p−InPクラッド層 22A、22B:p+ −InGaAsコンタクト層 24A、24B:Au電極 26:AuGeNi電極 28、30:Al2 O3 高反射コーディング板 P1:注入光パルス列 P2:出力光パルス列 T1:第1端面 T2:第2端面

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続光を発生させる利得領域と、該連続
    光から強振幅の光を光パルスとして透過させる可飽和吸
    収体とを具え、 前記光パルスを、一定の繰り返し周波数m・f(mは自
    然数)の出力光パルス列として当該レーザから外部に出
    力させ、然る後、外部から低ジッタの一定の繰り返し周
    波数fの注入光パルス列を該レーザに注入することによ
    り、前記出力光パルス列のジッタを低減させるハーモニ
    ック光シンクロナスモード同期半導体レーザにおいて、 前記可飽和吸収体を、井戸層及び障壁層で構成される多
    重量子井戸層構造とし、 前記注入光パルス列の偏波モードの変動があっても、前
    記出力光パルス列の光強度が変化しないように、 前記井戸層を引張歪状態とし、かつ前記障壁層を圧縮歪
    状態とすることを特徴とするハーモニック光シンクロナ
    スモード同期半導体レーザ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007165608A (ja) * 2005-12-14 2007-06-28 Oki Electric Ind Co Ltd 受動モード同期半導体レーザ及び光クロック信号抽出装置
JP2007242794A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Oki Electric Ind Co Ltd 受動モード同期半導体レーザ装置及び光クロック信号抽出装置

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JP2007165608A (ja) * 2005-12-14 2007-06-28 Oki Electric Ind Co Ltd 受動モード同期半導体レーザ及び光クロック信号抽出装置
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