JP2000308176A - 多チャンネル拡声通信エコー消去方法及びその装置並びにプログラム記録媒体 - Google Patents

多チャンネル拡声通信エコー消去方法及びその装置並びにプログラム記録媒体

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JP2000308176A
JP2000308176A JP27007899A JP27007899A JP2000308176A JP 2000308176 A JP2000308176 A JP 2000308176A JP 27007899 A JP27007899 A JP 27007899A JP 27007899 A JP27007899 A JP 27007899A JP 2000308176 A JP2000308176 A JP 2000308176A
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echo
signal
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JP27007899A
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Sumitaka Sakauchi
澄宇 阪内
Suehiro Shimauchi
末廣 島内
Shoji Makino
昭二 牧野
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NTT Inc
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】通話品質を劣化させることなく、真のエコー経
路との誤差を小さくする方向へエコー経路推定を続け
る。 【解決手段】Nチャネルの受話信号x1(k)〜xN(k)はそ
れぞれM個に分岐され、各チャネルごとに、各分岐信号
は増幅部25-1〜25-Mで互いに異なる利得が乗算され、更
にFIRフィルタと畳込み部26-1〜26-Mで畳み込まれ、こ
れら畳み込まれた信号はチャネルごとに加算されて、チ
ャネルの受話信号間の相互相関関係に時間的な変動が与
えられ、この変動が与えられた受話信号が再生器へ供給
されると共に修正ベクトルの生成に用いられる。各修正
ベクトルで対応する各エコー経路のインパルス応答の推
定を逐次修正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、多チャネル再生
系を有する通信会議システムにおいて、ハウリングの原
因および聴覚上の障害となる室内エコー信号を消去する
多チャネル音声通信会議用エコー消去方法、その装置お
よびそのプログラム記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】同時通話性能に優れたエコー感の少ない
拡声通話システムを提供するために、エコー消去装置が
ある。まず、1チャネル用のエコー消去装置について、
そのエコー消去方法および装置構成を図6を参照して説
明する。
【0003】拡声通話において、受話端子11に相手の
発話等で得られる受話信号は、そのままスピーカ(再生
器)12から再生される場合とスピーカ12へ送る前
に、受話信号の振幅やパワー等の大きさに応じて自動的
に利得を調節する受話信号加工部13が挿入され、受話
信号に何らかの加工が施された後に、スピーカ12から
再生される場合とがある。このため、この明細書で受話
信号x1(k)とは、相手からの受話信号そのものとは限ら
ず、受話信号加工部13が挿入されたときは、加工され
た後の受話信号を指すものとする。また、kは離散時間
を表す。エコー消去装置14は、受話信号x1(k)がスピ
ーカ12からエコー経路15を経て、マイクロホン(集
音器)16に集音されて得られるエコー信号y1(k)は、
時刻kにおけるエコー経路15のインパルス応答をh
11(k,n)として、 y1(k)=Σh11(k,n)x1(k−n) (1) Σはn=0からL−1までのような畳み込み演算で得られる
ものとしてモデル化できる。Lはタップ数で、エコー経
路15の残響時間に対応させて、あらかじめ設定してお
く定数である。
【0004】まず、受話信号蓄積・ベクトル生成部17
において、受話信号x1(k)をL−1時刻過去のものまで蓄
積しておく。蓄積された信号は、受話信号ベクトルX
1(k)、すなわち、 X1(k)=[x1(k),x1(k−1),・・・,x1(k−L+1)]T (2) ([・]Tはベクトルの転置を表す。)疑似エコー信号
生成部18では、式(2)の受話信号ベクトルX1(k)
と、エコー経路推定部19から得られる疑似エコーベク
トルh^11(k)との内積演算 y^1(k)=h^11 T(k)X1(k) (3) を行い、その結果として、疑似エコー信号y^1(k)を生
成する。この内積演算は、式(1)のような畳み込み演
算と等価である。エコー経路推定部19では、疑似エコ
ー信号生成部18で用いる疑似エコー経路ベクトルh^
11(k)を生成する。このエコー経路推定に用いる最も一
般的なアルゴリズムは、NLMSアルゴリズム(学習同
定法)である。NLMSアルゴリズムでは、時刻kにお
ける受話信号ベクトルX1(k)と、残留エコー信号e
1(k)、すなわち、差回路21でマイクロホン16の出力
yl(k)から疑似エコー信号y^1(k)を差し引いた e1(k)=y1(k)−y^1(k) (4) とから、時刻k+1において用いる疑似エコー経路ベクト
ルh^11(k+1)を次式のように求める。
【0005】 h^11(k+1)=h^11(k)+αe1(k)X1(k)/(X1 T(k)X1(k)) (5) (但し、αはステップサイズパラメータと呼ばれ0<α
<2の範囲で適応動作の調整に用いる。) 以上のような処理を繰り返すことにより、エコー経路推
定部19では、次第に疑似エコー経路ベクトルh^
11(k)を真のエコー経路15のインパルス応答h11(k,n)
の時系列を各要素として持つエコー経路ベクトルh
11(k)、すなわち、 h11(k)=[h11(k,0),h11(k,1),・・・,h11(k,L-1)]T (6) と一致させることが可能となり、その結果、式(4)の
残留エコー信号e1(k)を小さくすることができる。
【0006】一般に、N(≧2)チャネルの再生系とM
(≧1)チャネルの収音系とで構成される通信会議シス
テムの場合のエコーの消去は、図7に示すような構成に
より行われる。すなわち、再生側の全Nチャネルと収音
側の各1チャネルとの間にN入力1出力時系列信号を処
理するNチャネルエコー消去装置221,222,・・・,22M
それぞれ接続したエコー消去システム23として実現さ
れる。この場合システム全体でM×N個のエコー経路1
nm (1≦n≦N,1≦m≦M)が存在する。このシステムの
構成単位である再生側の全Nチャネルの収音側の各1チ
ャネルとの間に接続されるNチャネルエコー消去装置22
1,222,・・・,22Mについては、図6に示したエコー消去
装置14の構成を拡張して、図8に示すように構成され
る。これは例えば電子情報通信学会論文誌 ’86/10 Vo
l.J69-A No.10 「多チャネル適応ディジタルフィル
タ」に詳しく述べられている。ここで、収音側が第m収
音チャネル(1≦m≦M)に接続されているNチャネルエコ
ー消去装置22mを考える。第mチャネルの収音器16m
で収音されるエコー信号は、各再生チャネルの受話信号
がそれぞれのエコー経路151m〜15Nmを経て収音側で全て
加算されることにより得られるために、エコー経路推定
をどの再生チャネルについても、統一的に同じ1つの残
留エコー信号em(k)のみを評価して行うための工夫が必
要となる。まず、各再生チャネルの受話信号について、
受話信号蓄積・ベクトル生成部(171,172,・・・,17N
により、受話信号ベクトル X1(k)=[x1(k),x1(k−1),・・・,x1(k−L1+1)]T (7) X2(k)=[x2(k),x2(k−1),・・・,x2(k−L2+1)]T (8) ・ ・ XN(k)=[xN(k),xN(k−1),・・・,xN(k−LN+1)]T (9) (但し、L1, L2,・・・,LNはタップ数で、各エコー経路
151m,152m,・・・,15Nmの残響時間に対応させて、あら
かじめ設定する定数である。 )を生成する。
【0007】これらのベクトルをベクトル結合部24に
よって、 X(k)=[X1 T(k),X2 T(k),・・・,XN T(k)]T (10) と結合する。また、エコー経路推定部19m において
も、各再生チャネルと第m収音チャネルとの間のN個の
エコー経路を模擬するための、各疑似エコー経路ベクト
ルh^ 1m(k),h^2m(k),・・・,h^Nm(k)を結合して h^m(k)=[h^1m T(k),h^2m T(k),・・・,h^Nm T(k)]T (11) として扱う。疑似エコー経路結合ベクトルh^m(k)の更
新は、NLMSアルゴリズムを用いた場合、 h^m(k+1)=h^m(k)+αem(k)X(k)/(XT(k)X(k)) (12) のように行われる。
【0008】疑似エコー信号生成部18mでは、内積演
算 y^m(k)=h^m T(k)X(k) (13) により、第m収音チャネルで収音されたエコー信号y
m(k)に対する疑似エコー信号y^m(k)を生成する。この
ように、各チャネル毎のベクトルを結合して1つのベク
トルとして扱うことにより、基本的な処理の流れは、図
6に示した1チャネルエコー消去装置と同様となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】Nチャネルの再生系と
Mチャネルの収音系とで構成される通信会議システムに
用いられる従来のエコー消去システムの欠点のうち、こ
の発明が解決しようとするものを、具体例に沿って説明
する。図9に示すように、A地点とB地点との間におい
て、2チャネルで収音・再生を行うステレオ音声会議装
置に従来のエコー消去システムを適用した場合、B地点
側のエコー経路が全く変動しない場合においても、A地
点側で発話者が移動あるいは交替を行う度にその発話に
対するB地点からのエコー音が増大するという問題があ
る。これは、B地点側のエコー消去システムにおいてエ
コー経路推定が正しく行われていないために起こる問題
である。
【0010】そこで、この問題を説明するために、B地
点におけるエコー消去システムの構成単位である2チャ
ネルエコー消去装置のうちの1つである第1収音チャネ
ルに接続された装置22b1の動作に注目する。以下では、
各再生チャネルの動作を明確化するために、従来技術の
項で用いた結合ベクトルの各再生チャネルについての要
素が明示された形で表記する。結合ベクトルを用いずに
各再生チャネルごとのベクトルで表記するB地点側にお
ける2チャネル受話信号ベクトルをX1 (k)とX2 (k)と
する。各再生チャネルに対する真のエコー経路1511,15
21のエコー経路ベクトルをh11(k),h21(k)とすると、
これらエコー経路1511,1521を経て収音されるエコー信
号y1(k)は、 y1(k)=h11 T(k)X1 (k)+h21 T(k)X2 (k) (14) と表される。
【0011】一方、エコー消去装置内で生成される疑似
エコー信号y1^(k)は、装置内で生成される疑似エコー
経路h11^(k)とh21^(k)を用いて、 y^1(k)=h^11 T(k)X1(k)+h^21 T(k)X2(k) (15) と得られる。
【0012】A地点から一人の話者が発話した場合に
は、この受話信号ベクトルX1(k)とX 2(k)との間には、
非常に強い相互相関がある。受話信号ベクトルX1(k)と
2(k)との間に一定な強い相互相関がある場合には、 y^1(k)=y1(k) (16) の解として結合ベクトル[h^11 T(k),h^21 T(k)]は
無数に存在し、X1(k)とX2(k)との相互相関に固有な部
分空間Hxを形成する。このため、NLMSアルゴリズ
ムのような一般的な逐次誤差最小化アルゴリズムを用い
た場合に、[h^11 T(k),h^21 T(k)]は初期値から部
分空間Hxまでの距離が最小となる点に収束し、一般に
真値[h11 T(k),h21 T(k)]には収束しない。
【0013】説明を簡単にするために、一定なスカラー
値p1,p2と原信号ベクトルs(k)により、受話信号ベク
トルX1(k),X2(k)が、 X1(k)=p1s(k),X2(k)=p2s(k) (17) と表される場合を考える。[h^11 T(k),h^21 T(k)]
が存在し得る部分空間Hxは、 p1h^11(k)+p2h^21(k)=p111(k)+p221(k) (18) を満たし、図10Aにおいて便宜上直線として扱うことが
できる。初期値0から適応を開始した場合、収束点[h
11p T(k),h^21p T(k)]は、 h^11p(k)=p1 2(h11(k)+p221(k)/p1)/(p1 2+p2 2)≠h11(k) (19) h^21p(k)=p2 2(p111(k) /p2+h21(k))/(p1 2+p2 2)≠h21(k) (20) のように得られる。このため、スカラー値p1とp2との間
の比が変動した時点で、式(18)は満足されなくなるた
め、エコーを消去できなくなり、エコーが増大する。
【0014】以上の例からも分かるように、一般にNチ
ャネルの再生系とMチャネルの収音系とで構成される通
信会議システムに従来のエコー消去装置を適用した場合
は、各チャネルの受話信号間に相互相関がある場合に、
エコー経路の推定が正しく行われないため、受話信号間
の相互相関が変動する度にエコーが増大する問題が生じ
る。
【0015】この問題を解決するため、受話信号間の相
互相関を、能動的に変動させる機能を付加して、各再生
器で音響信号を再生し、この相互相関の変動が付加され
た受信信号を疑似エコー経路ベクトルの修正ベクトルの
導出に利用する方法が、従来いくつか提案されている。
始めに、多チャネル受話信号間の相互相関が変動した場
合における、多チャネルエコー消去装置のエコー経路推
定部の動作について考察する。
【0016】簡単のため、式(17)で表される2チャネ
ルステレオ受話信号x1(k)とx2(k)との相互相関が変動
した場合として、式(17)のp1,p2 がそれらとは比関係
の異なるq1,q2 に変化した例を考える。まず、[h^11
T(k),h^21 T(k)]は、式(19),(20)の[h^11p T(k),h
21p T(k)]に収束する。次に、p1とp2 がq1とq2 に変
化したとき、[h^11p T(k),h^21p T(k)]を“初期
値”として、そこから最短距離にある[h^11q T(k),h
2 1q T(k)]に収束する。この動作は図10Bのような幾
何学的に解釈される。ここで、収束点[h^11q T(k),h
21q T(k)]は、収束点[h^11p T(k),h^21p T(k)]か
ら、 q1h^11(k)+q2h^21(k)=q111(k)+q221(k) (21) を満たす(図10Bにおいては便宜上直線として表してい
る。)部分空間におろした垂線の交点になる、従って、
図10Bにおけるフィルタ係数誤差ベクトルep,eq のノ
ルムは、一般に‖ep ‖≧‖eq ‖の関係にあることは
自明である。このことは、一般に受話信号間の相互相関
の変化の度に、フィルタ係数誤差ベクトルのノルムが小
さくなることを意味している。つまり、多チャネル受話
信号間の相互相関の変動は、エコー消去装置内において
エコー経路推定が誤っている場合に、エコーの増大をひ
き起こすが、無限回の変動が繰り返された末には、エコ
ー経路推定部における真のエコー経路の推定を可能とす
る有効な情報であると捉えることができる。
【0017】以上説明した相互相関を変動させる方法と
しては、多チャネル受話信号に雑音を付加する方法(特
開平8−181639号公報(特願平7−50002
号))、受話信号に半波整流または全波整流を施し、そ
の半波(または全波)整流信号を元の受話信号に付加す
る方法(特願平10−53651号)などが提案されて
いる。しかし、これらの方法は受話信号に雑音が重畳し
てしまったり、受話信号を非線形関数に通して得られた
非線形成分(歪み)を付加するため、必ず受話音声に劣
化を生じさせてしまう。多チャネル音声通信は、モノラ
ル音声通信では実現し得ない、より臨場感のある音声通
信を行うために必須の技術であるが、受話信号に、故意
に劣化する成分を加える方法は、本来の技術の目的に反
すると言える。
【0018】この発明の課題は、従来の多チャネル音声
通信会議用エコー消去システムにおいて、受話音声歪み
などを引き起こすことなく、通話品質を十分に保ちつ
つ、かつ、多チャネル受話音声信号間の相互相関を変動
させ、この相互相関の変動が付加された受話信号を疑似
エコー経路ベクトルの修正ベクトルの導出に利用した多
チャネル音声通信会議用のエコー消去方法及び装置を提
供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】各チャネルの受話信号間
の相互相関に聴感上問題なく変動を付加するために、こ
の発明で用いる方法を以下に説明する。実際の音声通信
会議において、発話者は相手の話にうなずいたり、椅子
の背もたれに寄りかかったりなど、無意識に自然と身体
各部を微少に動かしている。
【0020】ここで、発話者が立ち上がって、室内を歩
き回りながら発話する様な場合は、その音声が送信され
た相手側では、その音像の動きを感知できる。しかし、
先に挙げた様な自然な身体の揺れを伴う発話では、それ
らの微少な揺れを相手側で感知することはできない。こ
のような微少な身体の揺れを伴う発話によって、多チャ
ネルに収音されたそれぞれの音声の性質について考え
る。発話者の音声がマイクロホンに収音されるとき、も
し発話者の口とマイクロホン間の音響特性に全く変動が
ない場合は、収音された多チャネル信号間の相互相関に
変動がないため、課題で示した様な原因により、疑似エ
コー経路ベクトルが真値に収束しない。これに対して、
発話者が微少に揺れた場合、先の音響特性に変動が生じ
る。すると、発話者の音声に畳み込まれる音響特性が時
間的に変動するため、収音された多チャネル信号間の相
互相関に変動が生じ、疑似エコー経路ベクトルを真値へ
と修正していく、これを無限回繰り返せば、疑似エコー
経路ベクトルを真値へと収束するが、これでは、装置の
動作が発話者の揺れに依存することになる上、常時十分
な性能が発揮できるとは言えない。
【0021】そこで、この発明では、この聴感上検知す
ることのできない発話者の自然な揺れに伴う受話信号の
変動を模擬し、疑似エコー経路ベクトルの修正ベクトル
の導出に利用する方法を用いる。さらにこの発明では、
発話者の自然な揺れに伴う受話信号の変動を、それぞれ
の受話信号に時間差、およびレベル差を付加することに
より模擬し、疑似エコー経路ベクトルの修正ベクトルの
導出に利用する方法を用いる。
【0022】また、発話者の自然な揺れ、すなわち再生
される音像の揺れを最小限に押さえるために、時間差を
与える処理の影響による音像の揺れをレベル差を与える
処理で補償し、反対にレベル差を与える処理の影響によ
る音像の揺れを時間差を与える処理で補償する方法を用
いる。第11図に示すように、例えば実際の2チャネル
(ステレオ)拡声通話系において、マイクロホンL,R
に正対した送話者が左へ移動すると、移動前に比べ、マ
イクロホンLへ入力される音声は、到達時間が早くな
り、音圧レベルは大きくなる。このように時間差とレベ
ル差を用いて、送話者移動の模擬が可能である。
【0023】さらに、音像を移動させるために時間差と
レベル差を変動させるが、この組合せを左右逆に偏移さ
せる。つまり、Lへの入力の到達時間を早めた場合は、
そのレベルを小さくする。このような互いの変動量によ
り音像の揺れを補償する方法を用いる。
【0024】
【作用】この発明においては、多チャネル受話信号間の
相互相関を常時十分に変動させるため、エコー経路推定
部における真のエコー経路の推定速度を速めることがで
きる。また、聴感上検知できない発話者の自然な揺れを
模擬し、各チャネルの受話信号の相互相関に変動を発生
させている。そのため、受話音声に歪みを付加するよう
な非線形成分や、通話品質を劣化させる雑音を付加する
ことがないため、通話品質の向上が実現できる。
【0025】以上のように、レベル差と時間差を用いた
相関の変動方式では、フィルタを用いた方法に比べて、
遅延器と増幅器だけで構成することができるため、演算
量の削減や小型経済化が可能となる。さらに、自然な揺
れ以上の音像の変動を与えるようなレベル差、および時
間差を付加しても、互いの変動量を相殺するような組合
せを用いることによって、音像の揺れを最小限に抑える
ことが可能となる。これにより、自然な揺れを与える変
動量以上の処理が可能となり、これまで以上に相関の変
動を与えることができるようになるため、収束特性が向
上する。
【0026】
【発明の実施の形態】図1に、この発明の実施例を示
し、図7と対応する部分に同一符号を付けてある。この
発明では、相互相関変動処理部24が設けられる。相互
相関変動処理部24で、各チャネルの受話信号x1(k),
2(k),・・・,xN(k)は、それらの相互相関が能動的に
変動された信号x1′(k),x2′(k),・・・,xN′(k)に
変換され、これらの信号x1′(k),x2′(k),・・・,
N′(k)を、スピーカ121m,122m,・・・,12Nmから再生
するとともに、エコー消去システム23への入力とす
る。
【0027】また、相互相関変動処理部24の手順を図
2において詳しく説明する。相互相関変動処理部24に
入力された各チャネルの受話信号x1(k),x2(k),・・
・,xN(k)は、それぞれM個に分岐され、それぞれ分岐
信号増幅部25-1〜25-Mに入力される。分岐信号増幅部25
-1〜25-Mでは、各チャネルの分岐したそれぞれの受話信
号x11(k),x12(k),・・・,xij(k),・・・,xNM(k)に
0から1の値で重み付けを行う。この時、各チャネル毎
に、M個の分岐信号増幅部の利得値の総和を1に設定す
る。次に各チャネル毎にフィルタ畳込み部26-1〜26-Mに
おいて、重み付けされた後の分岐信号をLタップの有限
インパルス応答FIRフィルタで畳み込む。そして、そ
れらのフィルタで畳み込まれた各分岐信号を各チャネル
毎に加算器27-1〜27-Nでそれぞれ加算した後に信号
1′(k),x2′(k),・・・,xN′(k)として出力する。
ここで畳み込まれるN×M個の有限インパルス応答は互
いに異なっている。
【0028】相互相関変動処理部24の実現について
は、変換された受話信号x1′(k),x2′(k),・・・,
N′(k)が音響信号として再生されるときに、聴覚上の
品質が損なわれないように注意する必要がある。次に送
話者の微少な動きによる影響について説明する。送話者
位置をマイクロホンからの信号のパワーを手がかりに大
きければ近く、小さければ遠いという基準で判断する。
また、位置検出として正確ではないが、パワーレベルが
小さければ、より大きく変動させても聴覚上検知されに
くく、位置検出そのものではなく変動させたことによっ
て聴覚上検知されないことに注目する。
【0029】予め主観評価実験等(音像の定位に影響し
ない各マイクロホンからの送話者の位置の違いによる送
話者の最大許容移動幅(許容量)等、すなわち、送話者
が各マイクロホンに近づいた場合には最大許容移動幅が
小さくなり、また、送話者が各マイクロホンから遠ざか
った場合には最大許容移動幅が大きくなる)によって得
られた結果から、送話者の位置によって変動可能な量を
決定でき、その最大許容移動幅(許容量)に基づいて送
話者位置情報から制御パラメータを算出する。この制御
パラメータは各チャネルの受話信号x1(k)・・・xN
(k)より求めることができ、この制御パラメータによ
りフィルタ畳込み部26-1〜26-Mの遅延量、利得を制御す
る。このことにより、受話信号として収音された音声の
特性によって異なるフィルタとし、音像の定位に影響し
ない送話者の自然な動きを実現でき、通話品質を劣化さ
せることなくフィルタの収束性能を向上できる。
【0030】以下に相互相関変動処理部24の実現にお
いて前節で述べた方法の具体例を挙げる。 発話者の自然な揺れを実現する具体例 図3は、発話者の微少な動きを模式的に示した図であ
る。IR1は、発話者がマイクロホン1,2に対して中央
に位置した場合の音響特性を示す。IR2およびIR3
は、発話者が中央位置から右および左にrcmだけ微少に
移動した位置での音響特性を示す。
【0031】以下にこのような発話者の微少な動きを、
先に示した実施例を用いて実現する具体例を説明する。
図4Aは、図3における発話者の音声波形を模式的に示
している。横軸は時間、縦軸は振幅を表す。この信号に
図4Bから図4Dに示した時間的に変動する利得により
重み付けを行う。横軸は時間、縦軸は最大値1、最小値
0の利得値を表す。なお、任意の離散時刻において、こ
れら3つの利得値の総和は1になるように設定してい
る。そして、これらB,C,D(利得1〜3)で重み付け
された信号を、それぞれ図3のIR1,IR2,IR3で畳
み込み、その後に、畳み込んだ3つの信号を合成する。
【0032】この一連の動作を行うことにより、発話者
が左右に移動した際にマイクロホン1に収音される音声
を模擬することができる。マイクロホン2に収音される
音声も同様な操作を行うことにより模擬することが可能
となる。この場合、受話信号としてマイクロホンに収音
された音声の特性によって異なるフィルタを用いる。つ
まり特に室内音場においては、マイクロホン1,2と発
話者の相対位置により、マイクロホン1,2の受音レベ
ル、残響時間、反射波の状態が異なり、これらに応じて
発話者マイクロホン1,2間のインパルス応答がそれぞ
れ異なったものとなる。よってこの各インパルス応答に
応じた異なる特性のフィルタを用いる。
【0033】以上の方法を用いて従来方法に比べてどの
程度の収束速度の改善、すなわち装置の性能向上を行う
ことができるかの計算機シュミレーション結果を示す。
図5の点線は、受話信号に相互相関の変動がない場合の
従来のステレオ(2チャネル)エコー消去装置につい
て、真のエコー経路と疑似エコー経路との誤差を時間経
過とともに描いたものである。疑似エコー経路に用いる
フィルタは各チャネル毎に1000タップで、8kHz
で標本化した。また、適応フィルタのアルゴリズムには
2次射影アルゴリズムを用いた。ここで受話信号は、残
響のない室内で一人の話者の発話する音声を1本のマイ
クロホンにより収音した後、計算機上で2系統の異なる
時不変フィルタにそれぞれ通過させることにより得られ
た2チャネル信号を用いた。つまり、受話信号間の相互
相関が一定の場合であり、この場合は、射影アルゴリズ
ム自体において、受話信号間の相互相関の変動抽出・利
用をしようにも、受話信号間の相互相関の変動そのもの
がないため、エコー経路推定は停滞して改善されない。
【0034】そこで、上記方法に、この発明の方法を適
用すれば、受話信号間の相互相関は常に変動することに
なり、エコー経路推定が停滞することがなくなる。この
ときの構成は、図1と同じである。図5の実線で示す計
算機シュミレーション結果は、先に述べた不変フィルタ
を通過させる前の信号に、具体例として示した相互相関
変動処理を行った信号を用いた結果である。なお、図3
における発話者と2つのマイクロホンはそれぞれ正三角
形の頂点に位置し、その各辺の距離は150cmとした。
発話者の移動距離rは5cmとした。相互相関の変動を付
加しなかった場合の従来のデータは、真のエコー経路へ
の収束は停滞している。一方、この発明による相互相関
の変動を付加した場合には、これが停滞することなく、
良好な結果が得られている。さらに、この処理を行った
受話音声に対して、主観評価実験を行った所、オピニオ
ン平均値(MOS)で2.5以上の結果が得られ、通話品質
上全く問題がないことが確認できている。
【0035】こうして、計算機シュミレーションによる
収束特性および主観評価実験の結果から、この発明は、
受話音声の通話品質を全く劣化させることなく、装置の
性能を向上させたことが分かる。 ハード規模を削減する実施例 図12は、図2のフィルタ畳込み部26を信号レベル増幅部
31-1〜31-Mと遅延器32-1〜32-Mで構成した実施例であ
る。信号レベルの増幅および遅延は、フィルタとして構
成でき、畳み込むことによっても実現できる。しかし、
同様の処理を利得を与える増幅器と遅延器でも代用が可
能である。これにより、数百タップのフィルタを畳み込
む処理に比べて、ハード規模を削減した装置の実現が可
能となる。
【0036】この構成によって、話者移動を模擬する方
法を便宜上2チャネル(ステレオ)拡声通話系を例に説
明する。図11に示した通り、送話者が左へ移動すること
により、マイクロホンに入力される音が変化する。具体
的には、話者位置からマイクロホンまでの音響特性(イ
ンパルス応答)が変化する。すると、2チャネルの受話
信号間の相互相関が変動し、適応フィルタの収束を促進
する。
【0037】さて、この音響特性の変化をマイクロホン
に入力される信号の到達時間差とレベル差のみで模擬す
る。すなわち、話者がマイクロホンから遠ざかった場合
は、その遠ざかったマイクロホンの入力信号のレベルを
下げ、遅延を掛けて遅らせる。話者が近づいたマイクロ
ホンの入力信号には反対の処理を施す。このようにする
ことによって、音響特性を簡易的に模擬することが可能
となる。
【0038】通話品質を向上させる実施例 受話信号にフィルタを畳み込み、話者の揺れを模擬して
相互相関を変動させる場合でも、その処理を簡易に増幅
器と遅延器のみで行う場合でも、受聴者側では、多少の
音像の揺れを感じてしまう。そこで、その揺れを最小限
に留めながら、相互相関を同等に変動させる方法を説明
する。
【0039】先の実施例においては、レベル差と時間差
を増幅器と遅延器で構成した方法で、話者の移動を模擬
した。この際、話者が例えば左に動く状態を模擬するに
は、左のマイクロホンの入力レベルを大きくし、右のマ
イクロホンの入力信号に遅延を与えるという操作をし
た。(これとは別に、全く反対の操作を行っても良
い。) 本実施例では、以下の方法によって、音像を変動させな
いようにする。それは、例えば話者が左に動く場合は、
左のマイクロホンの入力レベルを大きくし、かつ、遅延
を与える。(これとは別に、右のマイクロホンで全く反
対の操作を行っても良い。)つまり、左へ移動するレベ
ル差を付加する時には、右に移動する時間差を与える。
この方法により、音像の左右の揺れを防止することが可
能となる。また、変動量に変化はないため、収束特性が
劣化することはない。
【0040】この時の時間差の変化量および、レベル差
の変化量を主観評価実験から求めたところ、それぞれ、
3サンプル(サンプリング周波数16kHzの場合)、
1.6倍という結果を得た。また、これ以上のレベル差
と時間差を与えても、許容できる話者の自然な揺れの範
囲に収めれば、収束性能をさらに向上させることができ
る。
【0041】この発明のシステム構成をCPUやメモリ等
を有するコンピュータと記録媒体等で構成し、CD-ROM、
磁気ディスク、半導体メモリ等の記録媒体に記録された
プログラムをコンピュータが読み取り、コンピュータの
動作を制御することにより、各実施の形態を実現するこ
ともできる。
【0042】
【発明の効果】一般に多チャネル再生系と1チャネル以
上の収音系で構成される通信会議システムにおいて、従
来のエコー消去方法を適用した場合、各チャネルの受話
信号間に相互相関がある場合には、エコー経路の推定が
正しく行われない。そのため、これまで相互相関を変動
させる目的で、受話信号に雑音や、非線形成分を付加さ
せる方法が行われていたが、これらは全て受話音声に歪
みを引き起こし、通話品質を劣化させる問題があった。
【0043】この発明の方法においては、発話者のマイ
クロホンに対する自然な動きを模擬してそのインパルス
応答を受話信号に畳み込んでいるため、聴感上問題ない
相互相関に変動を加える処理を行うことができ、通話品
質に劣化を引き起こすことがない上に、エコー経路推定
において誤った解に完全に停滞することがなく、真のエ
コー経路との誤差を小さくする方向へエコー経路推定を
続けるので、上記のような問題を改善する効果がある。
【0044】さらに、フィルタ畳込み部を信号レベル増
幅部と遅延器で構成した発明は、フィルタで畳み込むこ
とによって相関の変動を付加する方法に比べて、相関の
変動を増幅器と遅延器のみで行うことにより、ハード規
模の削減が可能となる。また、時間差とレベル差による
音像の揺れを模擬する変動を、互いに反対方向に移動す
るように与えることにより、相関の変動量を保ち収束特
性を劣化させることなく、音像の揺れを最小限に抑え、
通話品質を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例形態に係わる多チャネルエ
コー消去装置の機能構成を示す図。
【図2】図1中の相互相関変動処理部24の機能構成を示
す図。
【図3】発話者の自然な揺れの例を示す図。
【図4】この発明の一実施形態における相互相関変動処
理の例を示す図。
【図5】この発明の一実施形態による収束特性の向上の
例を示す図。
【図6】1チャネル用のエコー消去装置を示す図。
【図7】多チャネル用のエコー消去装置を示す図。
【図8】多チャネル用のエコー消去装置におけるNチャ
ネルのエコー消去方法を示す図。
【図9】2チャンネルの拡声通信会議システムを示す
図。
【図10】真値へ収束せず局所解に落ちいる例と、変動を
加えることにより真値へ収束する例の説明図。
【図11】話者移動の一例を示す模式図。
【図12】本発明の一実施形態であるフィルタ畳込み部の
構成図。
【符号の説明】
121〜12N スピーカ 161〜16N マイクロホン 221〜22M Nチャネルエコー消去装置 23 エコー消去システム 24 相互相関変動処理部 25-1〜25-M 分岐信号増幅部 26-1〜26-M フィルタ畳込み部 27-1〜27-N 加算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧野 昭二 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 5D020 CC06 5K027 AA07 BB03 DD10 HH01 5K046 AA01 BB01 HH11 HH18 HH24 HH37 HH42 HH58 HH59 HH79

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各再生チャネルの受話信号を、各再生チャ
    ネル毎の再生器で音響信号に再生し、これら各音響信号
    が、上記各再生器から収音器に到る各エコー経路を経由
    して収音され、その集音器で集音された信号から疑似エ
    コー信号を差し引き、その残りである残留エコー信号
    と、上記各再生チャネルの受話信号とから修正ベクトル
    を求め、この修正ベクトルを用いて上記各エコー経路の
    インパルス応答の推定を逐次修正し、その修正されたイ
    ンパルス応答をもつ各疑似エコー経路を生成し、これら
    各疑似エコー経路に上記受話信号の対応するものをそれ
    ぞれ印加して、上記疑似エコー信号を生成する多チャネ
    ル拡声通信用エコー消去方法において、 再生チャネル数をN(N≧2)として、各再生チャネル
    の上記受話信号それぞれを、離散時間kの関数として、
    1(k),x2(k),・・・,xi(k),・・・,xN(k)と表し、
    この受話信号のそれぞれひとつひとつをさらにM(M≧
    2)個の分岐チャネルに分岐し、それぞれの分岐信号
    へ、相異なる値の利得を各離散時間毎に乗じ、 その利得重畳分岐信号を、各分岐チャネル毎に相異なる
    有限インパルス応答(FIR)フィルタと離散時間毎に
    畳み込み、 そのフィルタ畳み込み分岐信号を、再び再生チャネル毎
    に加算した合成信号へと変換することにより、上記各再
    生チャネルの受話信号間の相互相関関係を時間的に変動
    させることを特徴とする多チャネル拡声通信用エコー消
    去方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の多チャネル拡声通信用エコ
    ー消去方法において、 上記有限インパルス応答(FIR)フィルタは、室内の
    インパルス応答を模擬したフィルタを用い、かつ、上記
    受話信号として収音された音声の特性によって異なるフ
    ィルタを用いることを特徴とする多チャネル拡声通信用
    エコー消去方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の多チャネル拡声通信
    用エコー消去方法において、 上記有限インパルス応答(FIR)フィルタは、分岐チ
    ャネルm(1<m<M)毎に異なる重み係数αmを乗じ
    たL次のトランスバーサル形フィルタ 【数1】 で構成し、 その乗算器の係数wi が、唯一つだけ1で、それ以外は
    全て0であることを特徴とする多チャネル拡声通信用エ
    コー消去方法。
  4. 【請求項4】請求項3記載の多チャネル拡声通信用エコ
    ー消去方法において、 上記有限インパルス応答(FIR)フィルタは、分岐チ
    ャネルmにより異なる乗算器位置iで、乗算器係数wi
    が1であることを特徴とする多チャネル拡声通信用エコ
    ー消去方法。
  5. 【請求項5】請求項3又は4記載の多チャネル拡声通信
    用エコー消去方法において、 上記上記有限インパルス応答(FIR)フィルタは、分
    岐チャネルm毎に利得係数αmの値が異なることを特徴
    とする多チャネル拡声通信用エコー消去方法。
  6. 【請求項6】請求項5記載の多チャネル拡声通信用エコ
    ー消去方法において、 上記上記有限インパルス応答(FIR)フィルタは、乗
    算器係数値が1の乗算器の位置iが大きいほど、すなわ
    ち、上記利得重畳分岐信号が通過する遅延器z- 1の数が
    多いほど、利得係数αmが大きいことを特徴とする多チ
    ャネル拡声通信用エコー消去方法。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6記載のいずれか1項に記載
    の多チャネル拡声通信用エコー消去方法において、 上記利得は、各離散時間時刻毎において、再生チャネル
    毎の各分岐チャネルの利得値の総和が1になるように設
    定することを特徴とする多チャネル拡声通信用エコー消
    去方法。
  8. 【請求項8】各再生チャネルの受話信号を、各再生チャ
    ネル毎の再生器で音響信号に再生し、これら各音響信号
    が、上記各再生器から収音器に到る各エコー経路を経由
    して収音され、その集音器で集音された信号から疑似エ
    コー信号を差し引き、その残りである残留エコー信号
    と、上記各再生チャネルの受話信号とから修正ベクトル
    を求め、この修正ベクトルを用いて上記各エコー経路の
    インパルス応答の推定を逐次修正し、その修正されたイ
    ンパルス応答をもつ各疑似エコー経路を生成し、これら
    各疑似エコー経路に上記受話信号の対応するものをそれ
    ぞれ印加して上記疑似エコー信号を生成する多チャネル
    拡声通信用エコー消去装置において、 再生チャネル数をN(N≧2)として、各再生チャネル
    の上記受話信号それぞれを、離散時間kの関数として、
    1(k),x2(k),・・・,xi(k),・・・,xN(k)と表し、
    この受話信号のそれぞれひとつひとつをさらにM(M≧
    2)個の分岐チャネルに分岐する手段と、 これら分岐された各分岐信号へ、相異なる値の利得を各
    離散時間毎に乗じる増幅手段と、 上記利得が乗算された各分岐信号を、各分岐チャネル毎
    に相異なる有限インパルス応答と離散時間毎に畳み込む
    有限インパルス応答(FIR)フィルタと、 これらフィルタが畳み込まれた各分岐信号を、再び再生
    チャネル毎に加算した合成信号へと変換する加算手段と
    を備え、 上記各再生チャネルの受話信号間の相互相関関係を時間
    的に変動させることを特徴とする多チャネル拡声通信用
    エコー消去装置。
  9. 【請求項9】請求項8記載の多チャネル拡声通信用エコ
    ー消去装置において、 上記有限インパルス応答(FIR)フィルタは、室内の
    インパルス応答を模擬したフィルタであって、上記受話
    信号として収音された音声の特性によって異なるフィル
    タが用いられることを特徴とする多チャネル拡声通信用
    エコー消去装置。
  10. 【請求項10】請求項8又は9記載の多チャネル拡声通信
    用エコー消去装置において、上記有限インパルス応答
    (FIR)フィルタは、分岐チャネルm(1<m<M)
    毎に異なる重み係数αmを乗じたL次のトランスバーサ
    ル形フィルタ 【数2】 で構成し、 その乗算器の係数wi が、唯一つだけ1で、それ以外は
    全て0であることを特徴とする多チャネル拡声通信用エ
    コー消去装置。
  11. 【請求項11】請求項10記載の多チャネル拡声通信用エコ
    ー消去装置において、 上記有限インパルス応答(FIR)フィルタは、分岐チ
    ャネルmにより異なる乗算器位置iで、乗算器係数wi
    が1であることを特徴とする多チャネル拡声通信用エコ
    ー消去装置。
  12. 【請求項12】請求項10又は11記載の多チャネル拡声通信
    用エコー消去装置において、 上記上記有限インパルス応答(FIR)フィルタは、分
    岐チャネルm毎に利得係数αmの値が異なることを特徴
    とする多チャネル拡声通信用エコー消去装置。
  13. 【請求項13】請求項12記載の多チャネル拡声通信用エコ
    ー消去装置において、 上記上記有限インパルス応答(FIR)フィルタは、乗
    算器係数値が1の乗算器の位置iが大きいほど、すなわ
    ち、上記利得重畳分岐信号が通過する遅延器z- 1の数が
    多いほど、利得係数αmが大きいことを特徴とする多チ
    ャネル拡声通信用エコー消去装置。
  14. 【請求項14】請求項8乃至13記載のいずれか1項に記載
    の多チャネル拡声通信用エコー消去装置において、 上記利得は、各離散時間時刻毎において、再生チャネル
    毎の各分岐チャネルの利得値の総和が1になるように設
    定されていることを特徴とする多チャネル拡声通信用エ
    コー消去装置。
  15. 【請求項15】N個(N≧2)の再生チャネルの受話信号
    を、各再生チャネル毎の再生器で音響信号に再生し、こ
    れら各音響信号が、上記各再生器から集音器に到る各エ
    コー経路を経由して収音され、その集音器で収音された
    信号から疑似エコー信号を差し引き、その残りである残
    留エコー信号と、上記各再生チャネルの受話信号とから
    修正ベクトルを求め、この修正ベクトルを用いて上記各
    エコー経路のインパルス応答の推定を逐次修正し、その
    修正されたインパルス応答をもつ各疑似エコー経路を生
    成し、これら各疑似エコー経路に上記受話信号の対応す
    るものをそれぞれ印加して上記疑似エコー信号を生成す
    る多チャネル拡声通信用エコー消去装置のコンピュータ
    に、 離散時間kの関数x1(k),x2(k),・・・,xi(k),・・
    ・,xN(k)として表された各再生チャネルの受話信号の
    それぞれをさらにM(M≧2)個の分岐チャネルに分岐
    する処理と、 これら分岐された分岐信号へ、相異なる値の利得を各離
    散時間毎に乗じる処理と、 これら利得が乗じられた分岐信号を、各分岐チャネル毎
    に相異なる有限インパルス応答(FIR)フィルタと離
    散時間毎に畳み込む処理と、 そのフィルタで畳み込みされた分岐信号を、再び再生チ
    ャネル毎に加算した合成信号へと変換する処理とを実行
    させるプログラムを記録した記録媒体。
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WO2010035658A1 (ja) * 2008-09-26 2010-04-01 日本電気株式会社 信号処理方法、信号処理装置、および信号処理プログラム

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