JP2000308477A - レトルト食品用風味劣化防止剤 - Google Patents

レトルト食品用風味劣化防止剤

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JP2000308477A
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司 斎藤
Kotaro Suzuki
康太郎 鈴木
Osamu Inami
治 稲波
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Abstract

(57)【要約】 【課題】レトルト食品の加熱殺菌によるレトルト臭の生
成を抑え、更に保存時の劣化臭の生成を抑制することが
できるレトルト食品用風味劣化防止剤を提供すること。 【解決手段】クロロゲン酸、カフェー酸、フェルラ酸か
ら選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有するレ
トルト食品用風味劣化防止剤をレトルト食品に配合する
ことにより簡便に、加熱による風味の劣化を防止し、更
に常温保存時に生成する不快臭も抑制することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレトルト食品用風味
劣化防止剤に関し、更に詳しくは、クロロゲン酸、カフ
ェー酸、フェルラ酸から選ばれる少なくとも1種を有効
成分として含有することを特徴とするレトルト食品用風
味劣化防止剤及び該風味劣化防止剤を含有することを特
徴とするレトルト食品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の食品の多様化に伴い種々のレトル
ト食品が市場に出回ってきている。これらのレトルト食
品は、通常、プラスチックや金属、あるいはこれらを組
み合わせて、多層にした気密性の容器に充填、密封した
後、常温で流通可能とするため高温で加熱処理されるの
が一般的である。
【0003】しかしながらこれらのレトルト食品は高温
で加熱されるため、いわゆるレトルト臭といわれる風味
の劣化を生じたり、常温で長期間保存されるため更に風
味の劣化が進み、商品の品質上好ましくない現象が認め
られているのが現状である。
【0004】このような風味の劣化を防止するため、例
えば、加熱殺菌条件を緩和する等の検討も行われている
が、常温で流通させるためにはある程度の高温で加熱す
ることが必須の要件であり、風味の劣化を防止する方法
としては制約される。
【0005】また、例えば、レトルト食品に用いられる
包装容器をガス不透過性のものにしたり(特開平4−2
9845号公報参照)、レトルト殺菌時に、容器内部を
窒素ガスで置換して加熱による風味の劣化を防止する方
法も提案されている(特開昭61−254167号公報
参照)。
【0006】また更に、例えば、レトルト食品の製造に
おいて、サイクロデキストリンを該食品に対して0.1
〜5重量%添加して殺菌する方法(特開昭60−752
66号公報参照)、HLB値が9以上の蔗糖脂肪酸エス
テルをレトルト食品に対し、0.05〜3重量%添加し
て風味の劣化を防止する方法(特開昭57−17407
8号公報参照)も提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来提案されて
いる方法で、例えば、包装容器をガス不透過性のものに
する方法や、容器内部を窒素ガスで置換する方法はコス
ト高となったり、操作が煩雑となるなどの問題がある。
また、サイクロデキストリンや蔗糖脂肪酸エステルを使
用する方法は簡便であるが満足できる効果は得られな
い。
【0008】本発明の目的は、レトルト食品の加熱殺菌
時における風味の劣化を防止し、更に常温保存時にレト
ルト食品が経時的に変化して生成する不快臭も抑制する
ことのできるレトルト食品用風味劣化防止剤を提供する
ことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の如
き課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、クロロゲン
酸、カフェー酸、フェルラ酸から選ばれる少なくとも1
種を有効成分として含有するレトルト食品用風味劣化防
止剤をレトルト食品に配合することにより簡便に、加熱
による風味の劣化を防止し、更に常温保存時に生成する
不快臭も抑制することができることを見いだし本発明を
完成した。
【0010】かくして、本発明は、クロロゲン酸、カフ
ェー酸、フェルラ酸から選ばれる少なくとも1種を有効
成分として含有することを特徴とするレトルト食品用風
味劣化防止剤を提供するものである。以下、本発明につ
いてさらに詳細に述べる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のレトルト食品としては、
例えば、カレー類、シチュー類、スープ、ミートソー
ス、マーボ豆腐の素、すきやき、おでんなどの調理済食
品;ハンバーグ、ミートボール、レバーペースト、コン
ビーフ、スライスハム、ソーセージなどの食肉加工品;
エビクリーム煮、ウナギ蒲焼、さば味噌煮、かまぼこな
どの水産加工品などを挙げることができる。
【0012】本発明のレトルト食品は、上記の調理済食
品、食肉加工品、水産加工品などをプラスチックや金属
等で構成される気密性の容器に充填し、細菌胞子の死滅
する温度、120℃、4分以上の高温・高圧下で殺菌し
たものである。
【0013】本発明に使用するクロロゲン酸、カフェー
酸およびフェルラ酸は市場で容易に入手することができ
るが、これらのクロロゲン酸、カフェー酸およびフェル
ラ酸は必ずしも純品である必要はなく、例えば、さつま
いも、コーヒー生豆、南天の葉、リンゴ未熟果などのク
ロロゲン酸を多く含む植物体から抽出したものでもよ
く、例えば、下記の如くして得られるコーヒー生豆の抽
出物を好ましく利用することができる。
【0014】コーヒー生豆から抽出物を得るには、例え
ば、粉砕したコーヒー生豆に、3〜20倍重量のエタノ
ールもしくは50%乃至70%の含水エタノールもしく
は水を添加して、例えば、60℃〜100℃で、例え
ば、1時間乃至10時間加熱する。冷却後、不溶性固形
分を分離、除去して得られる抽出液に塩酸濃度が、例え
ば、3〜10%になるように塩酸を添加して、例えば、
50℃〜100℃で、30分〜5時間加熱攪拌し、加水
分解処理をする。次いで濃縮後、該濃縮液を、例えば、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを用いて中和
し、さらに、例えば、多孔性重合樹脂で処理して該樹脂
に吸着させ、次いで該樹脂を、例えばエタノールで溶出
処理して、クロロゲン酸、カフェー酸等を含有する抽出
物を得ることができる。或いは、上記抽出液を加水分解
処理することなくそのまま溶媒を回収して濃縮し、次い
で塩化メチレンなどで洗浄した後、上記と同様に多孔性
重合樹脂で吸着処理することにより本発明に使用するコ
ーヒー生豆抽出物を得ることができる。このようにして
得られたコーヒー生豆抽出物は、クロロゲン酸換算で2
5%〜70%のクロロゲン酸及びカフェー酸の混合物又
はクロロゲン酸及びクロロゲン酸同族体の混合物を含有
する。
【0015】本発明に使用するクロロゲン酸、カフェー
酸およびフェルラ酸又はこれらを含有するコーヒー生豆
抽出物はそのままでもよいし、又はこれらの有効成分の
適当な希釈剤もしくは担体との組成物の形態であっても
よい。このような希釈剤もしくは担体の例としては、ア
ラビアガム、デキストリン、グルコース、サイクロデキ
ストリン、シュークロース等の如き個体希釈剤もしくは
担体、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセ
リン、界面活性剤等の如き液体希釈剤もしくは担体を挙
げることができる。かかる希釈剤もしくは担体を用いて
液状、乳液状、ペースト状、粉末状、顆粒状その他の適
宜の剤形とすることができる。
【0016】本発明のレトルト食品に対する風味劣化防
止剤の添加量としては、比較的選択の幅が広いが、一般
的にはクロロゲン酸換算で、レトルト食品に対して0.
001重量%〜0.1重量%程度の範囲が屡々採用され
る。
【0017】
【実施例】以下、参考例、実施例及び比較例によって更
に詳しく説明する。参考例1 コーヒー生豆300gをコーヒーミルにて粉砕し、この
粉砕物に1500gの70%エタノール水溶液を加え
て、90℃、2時間攪拌加熱した。冷却後不溶性固形分
を除去して、抽出液1100gを得た。この抽出液を減
圧下で濃縮してエタノールを除去した後、これに35%
塩酸180gを加えて、抽出液中の塩酸濃度が約5%に
なるように調整し、70℃、1時間攪拌加熱した。冷却
後、減圧下で300gになるまで濃縮し、得られた濃縮
液に20%水酸化ナトリウムを添加して中和し、次いで
塩化メチレン600gを加えて充分混合攪拌した。水層
を分離した後、ダイアイオンHP−20樹脂(三菱化学
社製)500mlを充填したカラム中に徐々に流した。
次いで樹脂を充分に水洗した後95%エタノール750
gを流して樹脂に吸着した物質を溶出させた。得られた
溶液を減圧濃縮後乾燥して、クロロゲン酸及びカフェー
酸の混合物を含有するコーヒー生豆抽出物27gを得
た。
【0018】実施例1〜4(レトルトチキンブイヨン) 長ネギ400g、ショウガ30g及び鶏ガラ2Kgにお
湯15Lを加えて、弱火で4時間煮込んだ後、固形分を
取り除きチキンブイヨン10Lを得た。得られたチキン
ブイヨン200gにクロロゲン酸の10%エタノール溶
液0.16gを添加して密閉容器に充填して120℃、
30分間レトルト殺菌した(実施例1)。全く同様にし
て、カフェー酸の10%エタノール溶液を0.16g
(実施例2)、フェルラ酸の10%エタノール溶液を
0.16g(実施例3)、参考例1で得られたコーヒー
生豆抽出物の10%エタノール溶液を0.2g(実施例
4)をそれぞれチキンブイヨン200gに添加して、無
添加と同時に密閉容器に充填して120℃、30分間レ
トルト殺菌した。
【0019】比較例1 実施例1〜4に用いたチキンブイヨン200gに茶抽出
物の10%エタノール溶液0.4g(茶抽出物のポリフ
ェノール含有量はカテキン換算で40重量%)を添加し
て、密閉容器に充填して120℃、30分間レトルト殺
菌した。
【0020】5人のよく訓練されたパネラーによって、
上記の実施例1〜4、比較例1及び無添加品のレトルト
殺菌直後及び6ヶ月保存後の香気及び呈味を判定し、そ
の結果を表1及び表2に示した。
【0021】
【表1】表1:チキンブイヨンの香気及び呈味比較(レ
トルト殺菌直後)
【0022】
【表2】表2:チキンブイヨンの香気及び呈味比較(6
ヶ月保存後)
【0023】ただし、表1,2における評価は、数値が
高いほどレトルト臭が強く、まずいことを意味する。上
記のように、レトルト殺菌直後及び6ヶ月保存後の香気
及び呈味の比較において、5人とも本発明の風味劣化防
止剤を添加してレトルト殺菌したチキンブイヨンにはレ
トルト臭や劣化臭がなく旨いが、無添加及び比較例のチ
キンブイヨンはレトルト臭や劣化臭が感じられまずいと
の評価で、本発明品の方が効果があると判定した。
【0024】実施例5(レトルトカレー) (カレーソースの調製)下記の配合割合で、小麦粉、動
物脂、サラダ油を混合し、直火できつね色になるまで加
熱し、それを冷却してルーとする。ルーと残りの原料す
べてを混合し90℃まで加熱攪拌する。
【0025】(具材の調製)下記に示すように各具材を
調製した。 タマネギ:皮をむきスライスして、沸騰水中に入れてブ
ランチングする。 ニンジン:皮をむき乱切りして、沸騰水中に入れブラン
チングする。 ジャガイモ:皮をむき乱切りして、沸騰水中に入れブラ
ンチングする。 牛肉:一口サイズに切り、沸騰水中に入れブランチング
する。
【0026】上記のカレーソース140g、タマネギ1
0g、ニンジン15g、ジャガイモ25g、牛肉20g
および参考例1で得られた生コーヒー豆抽出物10%エ
タノール溶液0.1gをレトルトパウチにパックして混
合した後、123℃で35分間レトルト殺菌する(実施
例5)。コントロールとして、生コーヒー豆抽出物の無
添加品を調製した(比較例2)。実施例5および比較例
2で得られたレトルトカレーを35℃にて2ヶ月間保存
したものについて、よく訓練された20名のパネラーに
て官能評価を行ったところ、20名のパネラー全員が、
比較例2で得られたレトルトカレーは異味異臭があった
のに比べ、実施例5で得られたレトルトカレーは異味異
臭もなく、調製直後の風味を有していると評価した。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、クロロゲン酸、カフェ
ー酸、フェルラ酸から選ばれる少なくとも1種を有効成
分として含有するレトルト食品用風味劣化防止剤をレト
ルト食品に配合することにより簡便に、加熱による風味
の劣化を防止し、更に常温保存時に生成する不快臭も抑
制することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロロゲン酸、カフェー酸、フェルラ酸か
    ら選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有するこ
    とを特徴とするレトルト食品用風味劣化防止剤。
  2. 【請求項2】請求項1記載のレトルト食品用風味劣化防
    止剤を含有することを特徴とするレトルト食品。
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