JP2000309740A - 金属光沢色水性ボールペン用ゲルインキ - Google Patents

金属光沢色水性ボールペン用ゲルインキ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム粉顔料を使用したインキにおい
て、アルミニウムと水との化学反応を抑制し、長期保存
においてもインキ変質の少ない経時的にも安定な金属光
沢色水性ボールペン用ゲルインキを提供することを目的
とする。 【解決手段】 着色剤としてアルミニウム粉顔料を使用
したインキで、水溶性有機溶剤と水と増粘性の樹脂とガ
ス発生を抑制するのに必要な量のアルギニンを少なくと
も含み、必要に応じて染料、顔料などの着色剤も含むこ
とを特徴とする金属光沢色水性ボールペン用ゲルイン
キ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミニウム粉顔料
を用いた金属光沢色の筆跡を得られる水性ボールペン用
ゲルインキに関し、アルミニウム粉の化学的な変化を抑
制することができ、その際に発生するガスの量を低減
し、更に筆記感を向上させた金属光沢色ボールペン用ゲ
ルインキに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金色、銀色などの金属光沢色の筆
跡を得るために、顔料としてアルミニウム粉末、ブロン
ズ粉末を用いたインキが種々提案されている。例えば、
特公平1−56109号公報には、表面処理したアルミ
ニウム粉末などの微細金属粉と、樹脂と溶剤とよりな
り、種々のマーキングペンからの円滑なインキ流出性を
有し、易分散性を有するマーキングペン用インキが開示
されている。更に、特公昭62−37678号公報や特
公平5−2712号公報には、金属粉顔料と、溶剤と、
溶剤に可溶な染料と樹脂よりなり、金属粉顔料により形
成される筆跡の周囲に染料が滲透拡散して輪郭線効果を
生じる二重発色インキ組成物が開示されている。しかし
上記の公報に記載されたインキは攪拌部材を使用して沈
降した金属粉顔料を再分散して用いるマーキングペン用
の低粘度インキであり、インキ中でのアルミニウム粉末
の沈降分離の発生を防止するがことできない。上記のマ
ーキングペン用インキと異なり特開平7−145339
号公報にはアルミニウム粉末と水溶性の増粘性樹脂を用
い、長期保管においてもアルミニウムの沈降分離を防止
した水性金属光沢色ボールペン用インキが開示されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、アルミニウム
粉末は水と反応を起こし、ガスを発生したりアルミニウ
ム自体が変質してしまうことがある。こういった現象を
防止するために、アルミニウム粉末は通常その表面を脂
肪酸や無機リン酸及びそれらの塩で処理したものが用い
られている。しかし、上記のような表面に脂肪酸や脂肪
酸塩や無機リン酸や無機リン酸塩を付着したアルミニウ
ム粉末は、表面が疎水性になっているので水性インキに
用いる場合、アルミニウム粉末を水中に分散するために
界面活性剤が必要である。ところが、従来分散を目的と
して使用される界面活性剤は、アルミニウム粉末に吸着
している脂肪酸や無機リン酸及びそれらの塩を脱離して
しまうので、結果的にアルミニウム粉末が水と反応を起
こし、ガスが発生したり金属光沢色を失うことがある。
【0004】本発明者らは金属粉顔料、特にアルミニウ
ム粉末を用いた水性金属光沢色ボールペン用インキにお
いて、従来未解決であった問題点を解決するため鋭意努
力した結果、たんぱく質を構成するアミノ酸の一種であ
るアルギニン、一般にはL−アルギニンを用いることが
有効であるとの知見を得て、本発明に到達したものであ
る。すなわち、本発明は、アルミニウム粉顔料を使用し
たインキにおいて、アルミニウムと水との化学反応を抑
制し、長期保存においてもインキ変質の少ない経時的に
も安定な金属光沢色水性ボールペン用ゲルインキを提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記各発
明によって達成することができる。 (1)着色剤としてアルミニウム粉顔料を含有したイン
キで、水と増粘性の樹脂とガス発生を抑制するのに必要
な量のアルギニンと水溶性有機溶剤を少なくとも含むこ
とを特徴とする金属光沢色水性ボールペン用ゲルインキ
及び(2)平均粒径1〜20μm、好ましくは3〜10
μmのアルミニウム粉顔料2.0〜30.0重量%、好
ましくは2.0〜10.0重量%と、水と、増粘性の樹
脂及び分散剤としてザンサンガムを0.3〜1.8重量
%、好ましくは0.3〜0.8重量%と、アルギニン
0.02〜3.0重量%、好ましくは0.05〜2.0
重量%と水溶性有機溶剤を少なくとも含むことを特徴と
する上記(1)に記載の金属光沢色水性ボールペン用ゲ
ルインキ。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明を具体的に説明する。
本発明に使用するアルミニウム粉顔料は、金属光沢色の
着色剤として用いる。アルミニウム粉と溶剤よりなる市
販の金属ペーストを用いれば、組成物の調整時の取り扱
いが容易である。アルミニウム粉顔料の使用量はインキ
全量に対して2.0〜30.0重量%、特に2.0〜1
0.0重量%が好ましい。使用量が2.0重量%未満の
場合、筆跡に金属光沢が少なくなり、使用量が30.0
重量%を越えた場合、固形分が多くなるため流動性が低
くなり、インキ吐出が悪くなる傾向がある。アルミニウ
ム粉顔料の平均粒子径は、1〜20μm、特に3〜10
μmのものが好ましい。平均粒径が1μm未満であると
筆跡の金属光沢が少なくなり、不鮮明な筆跡になりやす
く、20μmを越えると、ボールペンとして従来使用さ
れている寸法のペン先ではインキ吐出が低下し、適用し
くにくい。
【0007】増粘用の樹脂は、アルミニウム粉顔料の沈
降防止及び分散剤としての目的を効果的に達成し、また
水性ボールペン用インキ組成物としての品質を保持する
ために用いる。例えばペン先からのインキ漏出防止とか
適正なインキ吐出或いはペン先の汚れやボテ防止等の目
的で使用するものである。その具体例としては、種子多
糖類のグァーガム、ローストビーンガム及びその誘導
体、微生物系のザンサンガム、海藻多糖類のタラガント
ガム等を使用することができる。特に微生物系のザンサ
ンガムは、長期間保存においても物性値が安定であり、
ボールペンとしての筆記及び筆記品質低下が少なく優れ
ている。ボールペンの品質を考慮したとき、そのザンサ
ンガムの使用量はインキ全量に対して0.3〜2.0重
量%、特に0.3〜0.8重量%が好ましい。これは、
添加量が0.3重量%未満ではアルミニウム粉顔料の沈
降が生じやすく、2.0重量%を越えるとインキの粘度
物性の問題から、ボールペンとして従来使用されている
寸法のペン先ではインキ吐出が悪くなる傾向があるため
である。
【0008】本発明の重要な特徴はアルギニンの配合に
あるが、このアルギニンは、タンパク質を構成するアミ
ノ酸の一種でアミノ酸のうちでは最も塩基性の強いもの
である。アルギニンはタンパク質加水分解物からイオン
交換法により比較的容易に得ることができるが、加水分
解の条件によってL−体又はDL−体の形で得られる。
近年は発酵法によってL−オルニチンを調製しこれより
L−アルギニンを合成するのが有利である。本発明では
L−体又はDL−体のいずれも用いることができるがL
−体の方が好ましい。
【0009】L−アルギニンはアルミニウム粉と水の反
応を抑制するために用いるものである。その使用量はイ
ンキ全量に対して0.02〜3.0重量%、特に0.0
5〜2.0重量%が好ましい。0.02重量%未満であ
ると、アルミニウム粉と水との反応を抑制する効果が十
分とは言えない場合があり、また、3.0重量%を越え
ると、L−アルギニンは塩基性が強いためにインキのp
Hが大きくなり、アルミニウム自体が不安定になり腐食
を起こし、その際にガスを発生するようになる。
【0010】水溶性有機溶剤は、ボールペン用インキと
しての種々の品質、例えばペン先でのインキ乾燥防止、
低温時でのインキ凍結防止などの目的で使用するもので
ある。具体的には、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、グリセリン等のグリコ
ール類や、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、トリエタノー
ルアミン等が挙げられ、これらは単独或いは混合して使
用することができる。その使用量はインキ全量に対して
5.0〜40.0重量%、特に10.0〜30.0重量
%が好ましい。
【0011】水は主溶剤として用いる。また、必要に応
じて従来公知の水溶性染料、有機顔料、無機顔料、及び
着色樹脂ビーズ等の着色剤を配合することにより、様々
な色彩の金属光沢色を得ることができる。
【0012】上記の成分以外、更に本発明のインキ組成
物には、必要に応じて水性ボールペン用インキに一般的
に使用されている従来公知の各種添加剤を副成分として
それぞれ一種または二種以上混合して添加することがで
きる。添加剤の成分を例示すれば以下のとおりである。
【0013】(1)ノニオン系及びアニオン系界面活性
剤 ポリエチレングリコールオレイルエーテル、ポリエチレ
ングリコールノニルフェニルエーテル、ポリエチレング
リコールポリプロピレングリコールエーテル、2,4,
7,9−テトラメチル−5−デシル−4,7−ジオール
のエチレンオキシド付加物などのノニオン系界面活性
剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ジアルキ
ルスルホコハク酸エステルまたはそのナトリウム塩など
のアニオン系界面活性剤。
【0014】(2)防腐剤 ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロ
ロフェニールナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウムな
ど。
【0015】(3)pH調整剤 水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、トリエタノールア
ミンなど。
【0016】(4)防錆剤 ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘ
キシルアンモニウムナイトレートなど。
【0017】(5)潤滑剤 高級脂肪酸及びその誘導体、アルキルアミン及びその誘
導体、脂肪族アミン及びその誘導体、高級アルコール及
びその誘導体、エステル及びその誘導体、金属石鹸、燐
酸系活性剤、シリコーン、ポリアルキレングリコール、
エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤など。
【0018】本発明の金属光沢色水性ボールペン用ゲル
インキを製造するに際しては、従来知られている種々の
方法が採用できる。例えば、上記各成分を配合し、必要
ならば加温して、十分に攪拌することにより均一なイン
キ組成物を得ることができる。必要によりボールミル等
の分散装置を用いてもよい。
【0019】
【実施例】以下、本発明の金属光沢色水性ボールペン用
ゲルインキの具体的な実施例をあげ、本発明の効果を実
証する。 (実施例1) アルペースト 1500MA 5.0重量部 (東洋アルミニウム(株)製 商品名、ノンリーフィン
グタイプのもの) エチレングリコール 15.0重量部 グリセリン 10.0重量部 ザンサンガム 0.8重量部 (大日本製薬(株)製 商品名) 水 72.2重量部 L−アルギニン(味の素(株)製) 2.0重量部 上記成分と更に必要に応じて界面活性剤、防腐剤、pH
調整剤、防錆剤、潤滑剤等を混合し、40〜60℃に加
温して、約5時間攪拌して銀色インキを調製した。
【0020】(実施例2) アルペースト 0500M 10.0重量部 (東洋アルミニウム(株)製 商品名、リーフィングタ
イプのもの) グリセリン 20.0重量部 ザンサンガム 1.0重量部 水 68.0重量部 L−アルギニン 1.0重量部 上記成分と更に必要に応じて界面活性剤、防腐剤、pH
調整剤、防錆剤、潤滑剤等を混合し、40〜60℃に加
温して、約5時間攪拌して銀色インキを調製した。
【0021】(実施例3) アルペースト 1500MA 5.0重量部 エチレングリコール 15.0重量部 グリセリン 10.0重量部 ザンサンガム 0.6重量部 水 17.9重量部 水分散顔料 50.0重量部 (WM−Zカラー イエロー、大日本精化工業(株)製
商品名、顔料固形分7%) L−アルギニン 1.5重量部 上記成分と更に必要に応じて界面活性剤、防腐剤、pH
調整剤、防錆剤、潤滑剤等を混合し、40〜60℃に加
温して、約5時間攪拌して金色インキを調製した。
【0022】(比較例1)実施例1のL−アルギニンの
代わりに水を加えた以外は、実施例1と同様に行って銀
色のインキを調製した。
【0023】(比較例2)実施例2のL−アルギニンを
5.0重量部に増やし、増やした分だけ水を減らした以
外は、実施例2と同様に行って銀色のインキを調製し
た。
【0024】実施例1〜3及び比較例1、2で得られた
インキを用いて、インキ収容管に充填されたインキの外
観的色感、筆記性能、筆記線の色感、インキ中から発生
するガス量について試験を行った結果及び筆記線の色を
表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】・筆記条件:ボール径0.7mm、排出量
300〜400(mg/100m)、手筆記 ・経時条件:50℃オーブンで1ヶ月放置。
【0027】評価方法 インキ収容管に充填されたインキの外観的色感: ◎・・・鮮やかな金属光沢色が確認できる。 ○・・・金属光沢色が確認できる。 筆記性能:◎・・・良好に筆記できる。 ○・・・問題なく筆記できる。 △・・・カスレ発生。 ×・・・筆記不能。 ・筆記用紙:上質紙(JIS P 3201筆記用紙
A) 筆記線の色感:◎・・・鮮やかな金属光沢色が確認でき
る。 ○・・・金属光沢色が確認できる。 △・・・僅かながら金属光沢色が確認できる。
【0028】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明によ
れば、アルミニウム粉を着色剤として使用したインキの
場合、アルギニンを配合することによってアルミニウム
の化学的な変化を抑制することができその際発生するガ
スの量を低減することができ、長期保存においてもイン
キ変質のない経時的にも安定な金属光沢色ボールペン用
ゲルインキを提供することができる。このインキを用い
たボールペンは、使用時にチップ端部での気泡の発生を
抑えることができ、長期間に亘って安定に使用すること
ができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色剤としてアルミニウム粉顔料を使用
    したインキで、水と増粘性の樹脂とアルミニウムの腐食
    を抑制し、ガス発生量を低下させるのに必要な量のアル
    ギニンと及び水溶性有機溶剤を少なくとも含むことを特
    徴とする金属光沢色水性ボールペン用ゲルインキ。
  2. 【請求項2】 平均粒径1〜20μmのアルミニウム粉
    顔料2.0〜30.0重量%と、水と、増粘性の樹脂及
    び分散剤としてザンサンガムを0.3〜1.8重量%
    と、アルギニン0.02〜3.0重量%と水溶性有機溶
    剤を少なくとも含むことを特徴とする請求項1に記載の
    金属光沢色水性ボールペン用ゲルインキ。
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