JP2000309804A - 水素吸蔵合金圧密体の製造方法とNi−H電池用電極 - Google Patents
水素吸蔵合金圧密体の製造方法とNi−H電池用電極Info
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 水素吸蔵合金粉末を充填し、得られた充填体
を圧縮して圧密化する水素吸蔵合金粉末の圧密体の製造
において、充填率が高く、かつ水素吸収・放出の利用効
率も高い圧密体を製造する。 【解決手段】 球状の水素吸蔵合金粉末を使用し、圧縮
を受ける前の水素吸蔵合金粉末 (例、合金粉末のペース
トを担体に塗布した後、またはペースト化前の粉末) に
水素吸収および放出からなる処理サイクルを、この処理
前の水素吸蔵合金粉末の平均粒径に対する処理後の該粉
末の平均粒径の比が0.9 以上となるように、少なくとも
1回受けさせる。
を圧縮して圧密化する水素吸蔵合金粉末の圧密体の製造
において、充填率が高く、かつ水素吸収・放出の利用効
率も高い圧密体を製造する。 【解決手段】 球状の水素吸蔵合金粉末を使用し、圧縮
を受ける前の水素吸蔵合金粉末 (例、合金粉末のペース
トを担体に塗布した後、またはペースト化前の粉末) に
水素吸収および放出からなる処理サイクルを、この処理
前の水素吸蔵合金粉末の平均粒径に対する処理後の該粉
末の平均粒径の比が0.9 以上となるように、少なくとも
1回受けさせる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素吸収および放
出の利用効率に優れ、かつ充填率 (充填密度) が高い、
従って水素吸蔵容量の大きな水素吸蔵合金粉末の圧密体
(以下、水素吸蔵合金圧密体という) の製造方法に関す
る。この方法で製造された水素吸蔵合金の圧密体は、水
素吸蔵合金の各種用途に有用であるが、特にニッケル−
水素二次電池の負極として使用される水素吸蔵合金電極
として好適である。
出の利用効率に優れ、かつ充填率 (充填密度) が高い、
従って水素吸蔵容量の大きな水素吸蔵合金粉末の圧密体
(以下、水素吸蔵合金圧密体という) の製造方法に関す
る。この方法で製造された水素吸蔵合金の圧密体は、水
素吸蔵合金の各種用途に有用であるが、特にニッケル−
水素二次電池の負極として使用される水素吸蔵合金電極
として好適である。
【0002】
【従来の技術】多量の水素を可逆的に吸収および放出す
ることができる水素吸蔵合金は、水素ガスの貯蔵、ガス
純化、ヒートポンプ、アクチュエータおよびニッケル−
水素二次電池の負極活物質など、多様な用途に利用され
ている。
ることができる水素吸蔵合金は、水素ガスの貯蔵、ガス
純化、ヒートポンプ、アクチュエータおよびニッケル−
水素二次電池の負極活物質など、多様な用途に利用され
ている。
【0003】水素吸蔵合金は、水素の吸収および放出に
伴って体積が大きく増大および減少して微粉化するた
め、この体積変化に比較的追随しやすい粉末状で一般に
使用される。例えば、水素吸蔵合金粉末を粉末成形して
から焼結させる焼結体、または水素吸蔵合金粉末を粘結
剤 (バインダ) で結合した結合体として使用される。或
いは、水素吸蔵合金を適当な容器内に充填して用いるこ
ともある。
伴って体積が大きく増大および減少して微粉化するた
め、この体積変化に比較的追随しやすい粉末状で一般に
使用される。例えば、水素吸蔵合金粉末を粉末成形して
から焼結させる焼結体、または水素吸蔵合金粉末を粘結
剤 (バインダ) で結合した結合体として使用される。或
いは、水素吸蔵合金を適当な容器内に充填して用いるこ
ともある。
【0004】ニッケル−水素二次電池用の水素吸蔵合金
電極は、集電体となる導電性担体に水素吸蔵合金粉末と
粘結剤を含むペーストを塗布して集電体に水素吸蔵合金
粉末を充填し、これを適当な圧縮手段 (通常はロール圧
延であるが、プレス加圧等も可能) で圧縮して粉末層を
圧密化させることにより製造するのが普通である。即
ち、この電極において水素吸蔵合金粉末は粘結剤で結合
されている。
電極は、集電体となる導電性担体に水素吸蔵合金粉末と
粘結剤を含むペーストを塗布して集電体に水素吸蔵合金
粉末を充填し、これを適当な圧縮手段 (通常はロール圧
延であるが、プレス加圧等も可能) で圧縮して粉末層を
圧密化させることにより製造するのが普通である。即
ち、この電極において水素吸蔵合金粉末は粘結剤で結合
されている。
【0005】水素吸蔵合金の上記全ての用途に共通して
求められることは、合金の単位体積または単位重量あた
りの水素吸収および放出量が可及的に大きいことであ
る。このためには、水素吸蔵合金粉末の充填率が高いこ
と、および機能している粉末部分の比率、即ち、利用効
率が高いことが求められる。上記の水素吸蔵合金電極の
製造法でも行われているように、一般に水素吸蔵合金粉
末を充填した後は、得られた充填体を圧縮して圧密化す
るが、これは主に充填率を高めるためである。
求められることは、合金の単位体積または単位重量あた
りの水素吸収および放出量が可及的に大きいことであ
る。このためには、水素吸蔵合金粉末の充填率が高いこ
と、および機能している粉末部分の比率、即ち、利用効
率が高いことが求められる。上記の水素吸蔵合金電極の
製造法でも行われているように、一般に水素吸蔵合金粉
末を充填した後は、得られた充填体を圧縮して圧密化す
るが、これは主に充填率を高めるためである。
【0006】例えば、ニッケル−水素二次電池用の水素
吸蔵合金電極においては、電極内部の電気的エネルギー
を効率よく取り出すためには内部抵抗を低減させる必要
があり、そのためには粉末粒子同士の電気的接合度が高
いことが重要である。即ち、この電気的接合が少ない
と、水素吸蔵合金粉末の利用効率は悪化する。
吸蔵合金電極においては、電極内部の電気的エネルギー
を効率よく取り出すためには内部抵抗を低減させる必要
があり、そのためには粉末粒子同士の電気的接合度が高
いことが重要である。即ち、この電気的接合が少ない
と、水素吸蔵合金粉末の利用効率は悪化する。
【0007】水素の吸収と放出は粉末の表面で生じるた
め、水素吸蔵合金粉末の利用効率を高めるための対策と
しては、粉末の単位重量または単位体積当たりの表面積
を大きくすることが有効である。そのために粉末を微粉
化することがよく行われている。一方、粉末の充填率を
高めるには、粉砕等で得られ不規則形状の粉末より、ガ
スアトマイズ法等で得られる球状粉末の方が、密に充填
でき有利である。
め、水素吸蔵合金粉末の利用効率を高めるための対策と
しては、粉末の単位重量または単位体積当たりの表面積
を大きくすることが有効である。そのために粉末を微粉
化することがよく行われている。一方、粉末の充填率を
高めるには、粉砕等で得られ不規則形状の粉末より、ガ
スアトマイズ法等で得られる球状粉末の方が、密に充填
でき有利である。
【0008】しかし、一般に球状粉末を粉砕して微粉化
すると、密に充填しにくい不規則形状の粉砕粒子になる
ので、充填率が低下する。さらに、ニッケル−水素二次
電池の電極のように、水素吸蔵合金粉末を粘結剤で結合
して使用する場合には、粉末の表面に付着した粘結剤の
割合は、粉末が微粉化するにつれて増加する。そのた
め、粘結剤が存在する場合には、粉末の粒径が小さくな
ると充填率が著しく低下する傾向がある。その結果、特
にニッケル−水素二次電池用の電極の用途では、微粉化
はかえって水素の吸収・放出量に悪影響を及ぼすことに
なる。
すると、密に充填しにくい不規則形状の粉砕粒子になる
ので、充填率が低下する。さらに、ニッケル−水素二次
電池の電極のように、水素吸蔵合金粉末を粘結剤で結合
して使用する場合には、粉末の表面に付着した粘結剤の
割合は、粉末が微粉化するにつれて増加する。そのた
め、粘結剤が存在する場合には、粉末の粒径が小さくな
ると充填率が著しく低下する傾向がある。その結果、特
にニッケル−水素二次電池用の電極の用途では、微粉化
はかえって水素の吸収・放出量に悪影響を及ぼすことに
なる。
【0009】水素吸蔵合金電極の合金粉末の充填率を高
めるため、平均粒径の異なる2種類以上の球状粉末を用
いるという提案 (特開平8−37004 号公報) や、安息角
を調整するという提案 (特開平9−180712号公報) があ
るが、ある程度以上微粉化すればするほど充填率が低下
するという点では変わりはなかった。
めるため、平均粒径の異なる2種類以上の球状粉末を用
いるという提案 (特開平8−37004 号公報) や、安息角
を調整するという提案 (特開平9−180712号公報) があ
るが、ある程度以上微粉化すればするほど充填率が低下
するという点では変わりはなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術の現
状に鑑み、水素吸蔵合金粉末の充填率を高め、かつ水素
吸収および放出の利用効率の高い水素吸蔵合金粉末の圧
密体 (粘結剤は含有していても、していなくてもよい)
の製造方法と、それを用いたニッケル−水素二次電池用
の水素吸蔵合金電極を開発することが本発明の課題であ
る。
状に鑑み、水素吸蔵合金粉末の充填率を高め、かつ水素
吸収および放出の利用効率の高い水素吸蔵合金粉末の圧
密体 (粘結剤は含有していても、していなくてもよい)
の製造方法と、それを用いたニッケル−水素二次電池用
の水素吸蔵合金電極を開発することが本発明の課題であ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、水素吸蔵
合金粉末が水素を吸収および放出するとその体積変化に
起因して粉末表面に割れが生じ、場合によってはこの割
れにより粉末が微粉化することに着目した。この水素の
吸収・放出に伴う水素吸蔵合金の割れにより粉砕が容易
になることから、水素の吸収・放出処理は、例えば、溶
製した水素吸蔵合金を粉砕する際に従来からよく行われ
ている処理である。
合金粉末が水素を吸収および放出するとその体積変化に
起因して粉末表面に割れが生じ、場合によってはこの割
れにより粉末が微粉化することに着目した。この水素の
吸収・放出に伴う水素吸蔵合金の割れにより粉砕が容易
になることから、水素の吸収・放出処理は、例えば、溶
製した水素吸蔵合金を粉砕する際に従来からよく行われ
ている処理である。
【0012】この割れをガスアトマイズ法で得られるよ
うな球状粉末に適用すると、粉末の表面に割れが生じた
段階では、粉末は実質的に球状の形状を保持しており、
微粉化して不規則形状の粉砕粒子にはなっていないの
で、粉末の充填率は高い。しかし、この段階では、粉末
の単位体積または重量当たりの表面積は大きいとは言え
ない。この表面積を大きくするには、球状粉末を粉砕し
て微粉化する必要があるが、微粉化してしまうと、前述
したように粉末の充填率が低下する。
うな球状粉末に適用すると、粉末の表面に割れが生じた
段階では、粉末は実質的に球状の形状を保持しており、
微粉化して不規則形状の粉砕粒子にはなっていないの
で、粉末の充填率は高い。しかし、この段階では、粉末
の単位体積または重量当たりの表面積は大きいとは言え
ない。この表面積を大きくするには、球状粉末を粉砕し
て微粉化する必要があるが、微粉化してしまうと、前述
したように粉末の充填率が低下する。
【0013】そこで検討した結果、球状の水素吸蔵合金
粉末を使用し、充填前または充填後の合金粉末に水素の
吸収および放出処理を受けさせて、割れを生じている
が、球状の形状を保持している合金粉末からなる充填体
を形成し、この充填体を圧縮して圧密化すると、既に割
れが発生しているため、圧縮中に容易に合金粉末が粉砕
されることを見出した。
粉末を使用し、充填前または充填後の合金粉末に水素の
吸収および放出処理を受けさせて、割れを生じている
が、球状の形状を保持している合金粉末からなる充填体
を形成し、この充填体を圧縮して圧密化すると、既に割
れが発生しているため、圧縮中に容易に合金粉末が粉砕
されることを見出した。
【0014】このようにすると、充填時には合金粉末が
球状であるので、高密度の充填体を得ることができ、し
かも圧縮時に球状粉末が粉砕されるため、圧縮中の圧密
化の効率が高い (即ち、圧縮による充填率の増大が大き
い) 。そのため、非常に高密度 (高充填率) の水素吸蔵
合金粉末の圧密体を得ることができる。また、圧縮時に
合金粉末が粉砕される結果、粉末の表面積が増大するの
で、水素吸収・放出の利用効率 (以下、水素利用効率と
いう) も向上する。従って、充填率と水素利用効率がい
ずれも高い水素吸蔵合金の圧密体を得ることができる。
この圧密体をニッケル−水素二次電池の電極に用いる
と、容量の大きな電極となる。但し、水素の吸収・放出
処理が過度になると、この処理中に、割れに加えて合金
粉末の粉砕も起こり、粉末が微粉化して充填率が低下す
るので、上記の処理は粉砕がほとんど起こらないように
管理する必要がある。
球状であるので、高密度の充填体を得ることができ、し
かも圧縮時に球状粉末が粉砕されるため、圧縮中の圧密
化の効率が高い (即ち、圧縮による充填率の増大が大き
い) 。そのため、非常に高密度 (高充填率) の水素吸蔵
合金粉末の圧密体を得ることができる。また、圧縮時に
合金粉末が粉砕される結果、粉末の表面積が増大するの
で、水素吸収・放出の利用効率 (以下、水素利用効率と
いう) も向上する。従って、充填率と水素利用効率がい
ずれも高い水素吸蔵合金の圧密体を得ることができる。
この圧密体をニッケル−水素二次電池の電極に用いる
と、容量の大きな電極となる。但し、水素の吸収・放出
処理が過度になると、この処理中に、割れに加えて合金
粉末の粉砕も起こり、粉末が微粉化して充填率が低下す
るので、上記の処理は粉砕がほとんど起こらないように
管理する必要がある。
【0015】本発明は以上の知見に基づいて完成したも
のであり、水素吸蔵合金粉末を充填して充填体を得る充
填工程と、この充填体を圧縮して圧密化し、圧密体を得
る圧密化工程とを含む、水素吸蔵合金粉末の圧密体の製
造方法であって、水素吸蔵合金粉末が球状粉末であり、
圧縮を受ける前の水素吸蔵合金粉末に水素吸収および放
出からなる処理サイクルを少なくとも1回受けさせ、こ
の処理前の水素吸蔵合金粉末の平均粒径に対する処理後
の該粉末の平均粒径の比が0.9 以上であることを特徴と
する、水素吸蔵合金粉末の圧密体の製造方法である。
のであり、水素吸蔵合金粉末を充填して充填体を得る充
填工程と、この充填体を圧縮して圧密化し、圧密体を得
る圧密化工程とを含む、水素吸蔵合金粉末の圧密体の製
造方法であって、水素吸蔵合金粉末が球状粉末であり、
圧縮を受ける前の水素吸蔵合金粉末に水素吸収および放
出からなる処理サイクルを少なくとも1回受けさせ、こ
の処理前の水素吸蔵合金粉末の平均粒径に対する処理後
の該粉末の平均粒径の比が0.9 以上であることを特徴と
する、水素吸蔵合金粉末の圧密体の製造方法である。
【0016】前記充填工程は、水素吸蔵合金の球状粉末
と粘結剤を溶媒中に含むペーストを調製し、このペース
トを担体に塗布することからなる工程でよい。また、前
記圧密化工程で得られた圧密体中の水素吸蔵合金粉末の
粒子数の70%以上が粉砕粒子であることが好ましい。
と粘結剤を溶媒中に含むペーストを調製し、このペース
トを担体に塗布することからなる工程でよい。また、前
記圧密化工程で得られた圧密体中の水素吸蔵合金粉末の
粒子数の70%以上が粉砕粒子であることが好ましい。
【0017】本発明はまた、上記方法で製造された水素
吸蔵合金粉末の圧密体からなるニッケル−水素二次電池
用の水素吸蔵合金電極にも関する。
吸蔵合金粉末の圧密体からなるニッケル−水素二次電池
用の水素吸蔵合金電極にも関する。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に用いる水素吸蔵合金の化
学組成は特に制限されない。従来より公知のAB5 型、
AB2 型をはじめとするあらゆる種類の水素吸蔵合金、
ならびに今後開発される水素吸蔵合金に対しても、本発
明を適用することができる。
学組成は特に制限されない。従来より公知のAB5 型、
AB2 型をはじめとするあらゆる種類の水素吸蔵合金、
ならびに今後開発される水素吸蔵合金に対しても、本発
明を適用することができる。
【0019】水素吸蔵合金は、高い充填率が得られるよ
うに、粉末形状が球状のものを使用する。本発明におい
て、「球状」とは、粉末の長径/短径の比が3以下であ
ることを意味する。従って、断面が真円ではなく、楕円
形である粉末も含む。充填率を高くするには、粉末の長
径/短径の比が2以下であることが有利である。
うに、粉末形状が球状のものを使用する。本発明におい
て、「球状」とは、粉末の長径/短径の比が3以下であ
ることを意味する。従って、断面が真円ではなく、楕円
形である粉末も含む。充填率を高くするには、粉末の長
径/短径の比が2以下であることが有利である。
【0020】球状の水素吸蔵合金粉末は、アルゴンガス
等の不活性ガスアトマイズ法、真空アトマイズ法、回転
電極法などにより得ることができるが、上記の意味で球
状であれば、これら以外の方法で得られた粉末でもよ
い。粉末の平均粒径や粒度分布は特に制限されないが、
本発明の方法では圧縮時に粉砕が起こるので、平均粒径
が非常に小さい粉末は、圧縮時に微粉になりすぎて、あ
まり好ましくない。その意味では、平均粒径が20〜150
μm程度の粉末が好ましい。なお、水素吸蔵合金の球状
粉末は、平均粒径の異なる2種以上の粉末の混合物でも
よい。また、重量で半分以上が球状粉末であれば、少量
の非球状粉末が混在していてもよい。
等の不活性ガスアトマイズ法、真空アトマイズ法、回転
電極法などにより得ることができるが、上記の意味で球
状であれば、これら以外の方法で得られた粉末でもよ
い。粉末の平均粒径や粒度分布は特に制限されないが、
本発明の方法では圧縮時に粉砕が起こるので、平均粒径
が非常に小さい粉末は、圧縮時に微粉になりすぎて、あ
まり好ましくない。その意味では、平均粒径が20〜150
μm程度の粉末が好ましい。なお、水素吸蔵合金の球状
粉末は、平均粒径の異なる2種以上の粉末の混合物でも
よい。また、重量で半分以上が球状粉末であれば、少量
の非球状粉末が混在していてもよい。
【0021】使用する水素吸蔵合金の球状粉末は、熱処
理、化学的な処理 (例、酸、アルカリ、および/または
ニッケル塩等の金属塩の水溶液による処理) 、さらには
メッキなどの処理を受けたものであってもよい。
理、化学的な処理 (例、酸、アルカリ、および/または
ニッケル塩等の金属塩の水溶液による処理) 、さらには
メッキなどの処理を受けたものであってもよい。
【0022】充填工程において、この水素吸蔵合金の球
状粉末を充填して充填体とする。水素吸蔵合金粉末が、
充填性の良好な球状粉末であるので、充填工程における
充填率は比較的高く、かなり高密度の充填体が得られ
る。
状粉末を充填して充填体とする。水素吸蔵合金粉末が、
充填性の良好な球状粉末であるので、充填工程における
充填率は比較的高く、かなり高密度の充填体が得られ
る。
【0023】充填体は、水素吸蔵合金粉末以外の追加の
成分 (例、粘結剤、増粘剤、導電助剤等) を含有してい
てもよく、この追加成分は粉末状でも、他の形態 (例、
水素吸蔵合金粉末の被覆) でもよい。好ましくは、水や
溶媒を除いた固形分基準で、充填体の50重量%以上、よ
り好ましくは85重量%以上、特に好ましくは95重量%以
上を水素吸蔵合金粉末が占める。粉末状の追加成分の形
態は特に制限されないが、充填率の点からは、粉末状追
加成分の平均粒径が水素吸蔵合金粉末の平均粒径よりか
なり小さいことが好ましい。
成分 (例、粘結剤、増粘剤、導電助剤等) を含有してい
てもよく、この追加成分は粉末状でも、他の形態 (例、
水素吸蔵合金粉末の被覆) でもよい。好ましくは、水や
溶媒を除いた固形分基準で、充填体の50重量%以上、よ
り好ましくは85重量%以上、特に好ましくは95重量%以
上を水素吸蔵合金粉末が占める。粉末状の追加成分の形
態は特に制限されないが、充填率の点からは、粉末状追
加成分の平均粒径が水素吸蔵合金粉末の平均粒径よりか
なり小さいことが好ましい。
【0024】水素吸蔵合金粉末の充填工程は、粉末の充
填体を形成できる任意の方法で実施することができ、無
加圧と加圧下のいずれで実施してもよい。例えば、実質
的に粉末だけからなる充填体を形成する場合、粉末を適
当な容器内でタッピングまたは圧縮する;粉末を揮発性
液体に懸濁させた懸濁液を適当な担体に塗布するか、型
に注入し、液体を蒸発させて除去し、粉末層を形成する
といった方法が可能である。充填体の形状は、層状で
も、立体形状でもよいが、次の圧縮工程による圧密化を
粉末内部まで達成するには、厚みが大きすぎるのは好ま
しくない。
填体を形成できる任意の方法で実施することができ、無
加圧と加圧下のいずれで実施してもよい。例えば、実質
的に粉末だけからなる充填体を形成する場合、粉末を適
当な容器内でタッピングまたは圧縮する;粉末を揮発性
液体に懸濁させた懸濁液を適当な担体に塗布するか、型
に注入し、液体を蒸発させて除去し、粉末層を形成する
といった方法が可能である。充填体の形状は、層状で
も、立体形状でもよいが、次の圧縮工程による圧密化を
粉末内部まで達成するには、厚みが大きすぎるのは好ま
しくない。
【0025】水素吸蔵合金電極を製造する場合には、常
法に従って、水素吸蔵合金粉末を粘結剤と共に溶媒を用
いてペースト化し、このペーストを集電体として機能で
きる適当な担体に塗布し、粘結剤で結合された粉末層を
形成することにより、充填工程を実施することができ
る。
法に従って、水素吸蔵合金粉末を粘結剤と共に溶媒を用
いてペースト化し、このペーストを集電体として機能で
きる適当な担体に塗布し、粘結剤で結合された粉末層を
形成することにより、充填工程を実施することができ
る。
【0026】溶媒は水でも有機溶媒でもよく、粘結剤は
使用する溶媒に可溶性または分散性のものから選択す
る。ペーストは、水素吸蔵合金粉末、粘結剤、溶媒以外
に他の成分 (例、CMCや各種ガム類などの増粘剤;黒
鉛、カーボンブラック、金属粉末などの導電助剤;分散
剤となる界面活性剤等) を含有することもできる。
使用する溶媒に可溶性または分散性のものから選択す
る。ペーストは、水素吸蔵合金粉末、粘結剤、溶媒以外
に他の成分 (例、CMCや各種ガム類などの増粘剤;黒
鉛、カーボンブラック、金属粉末などの導電助剤;分散
剤となる界面活性剤等) を含有することもできる。
【0027】担体としては、パンチングメタル、発泡メ
タル、網状メタルなどの有孔または多孔質金属体からな
る集電体材料を使用することができる。塗布法は、例え
ば、ロール塗布、バーコート、ドクターブレードなどが
可能である。塗布は担体の片面塗布でも、両面塗布でも
よい。塗布後に室温または加熱下に乾燥して、溶媒を除
去し、必要なら粘結剤を融着させて、水素吸蔵合金粉末
同士および水素吸蔵合金と担体を粘結剤で結合する。
タル、網状メタルなどの有孔または多孔質金属体からな
る集電体材料を使用することができる。塗布法は、例え
ば、ロール塗布、バーコート、ドクターブレードなどが
可能である。塗布は担体の片面塗布でも、両面塗布でも
よい。塗布後に室温または加熱下に乾燥して、溶媒を除
去し、必要なら粘結剤を融着させて、水素吸蔵合金粉末
同士および水素吸蔵合金と担体を粘結剤で結合する。
【0028】こうして得られた水素吸蔵合金粉末の充填
体 (これは、前記のように粘結剤や他の成分を含有して
いてもよい) を次いで圧縮して圧密化させると、一般に
粉末粒子の充填率が増大して、より高密度化した圧密体
が得られる。
体 (これは、前記のように粘結剤や他の成分を含有して
いてもよい) を次いで圧縮して圧密化させると、一般に
粉末粒子の充填率が増大して、より高密度化した圧密体
が得られる。
【0029】本発明によれば、圧縮する前の水素吸蔵合
金粉末に、水素吸収および放出からなる処理サイクルを
少なくとも1回受けさせる。この水素吸収・放出処理
(以下、単に水素処理ともいう) は、圧縮前の任意の時
点、即ち、充填体を形成する前、形成する途中、および
/または形成した後、の水素吸蔵合金粉末に対して実施
することできる。
金粉末に、水素吸収および放出からなる処理サイクルを
少なくとも1回受けさせる。この水素吸収・放出処理
(以下、単に水素処理ともいう) は、圧縮前の任意の時
点、即ち、充填体を形成する前、形成する途中、および
/または形成した後、の水素吸蔵合金粉末に対して実施
することできる。
【0030】例えば、充填工程を前述した水素吸蔵合金
粉末のペーストの塗布により行う場合には、ペースト化
する前の水素吸蔵合金粉末を水素処理するか、ペースト
を水素処理するか、および/または塗布後に集電体上に
形成された充填体を集電体ごと水素処理することができ
る。
粉末のペーストの塗布により行う場合には、ペースト化
する前の水素吸蔵合金粉末を水素処理するか、ペースト
を水素処理するか、および/または塗布後に集電体上に
形成された充填体を集電体ごと水素処理することができ
る。
【0031】水素の吸収・放出処理は、常法に従って、
例えば、真空ポンプ付きの水素加熱炉を利用して、水素
ガス中での保持と真空排気とを反復することにより実施
できる。水素吸収時の水素圧力は1〜10気圧程度とする
ことが好ましい。
例えば、真空ポンプ付きの水素加熱炉を利用して、水素
ガス中での保持と真空排気とを反復することにより実施
できる。水素吸収時の水素圧力は1〜10気圧程度とする
ことが好ましい。
【0032】この水素の吸収・放出処理により、水素吸
蔵合金粉末の体積が一旦膨張し、次に収縮するため、粉
末に割れが発生する。しかし、処理を適度に実施すれ
ば、粉末の粉砕は起こらないので、処理後の粉末のほと
んどが球形形状を保持している。従って、最初にこの水
素処理を行ってから、充填工程を実施しても、球状粉末
の持つ良好な充填性を得ることができ、逆に充填後にこ
の処理を行っても、処理による充填性への悪影響はな
い。但し、充填工程を加圧下に行う場合には、水素処理
を先に行うと、加圧下での充填中に粉末の粉砕が起こる
ので、その場合には最初に加圧下で充填した後、充填体
を水素処理することが好ましい。
蔵合金粉末の体積が一旦膨張し、次に収縮するため、粉
末に割れが発生する。しかし、処理を適度に実施すれ
ば、粉末の粉砕は起こらないので、処理後の粉末のほと
んどが球形形状を保持している。従って、最初にこの水
素処理を行ってから、充填工程を実施しても、球状粉末
の持つ良好な充填性を得ることができ、逆に充填後にこ
の処理を行っても、処理による充填性への悪影響はな
い。但し、充填工程を加圧下に行う場合には、水素処理
を先に行うと、加圧下での充填中に粉末の粉砕が起こる
ので、その場合には最初に加圧下で充填した後、充填体
を水素処理することが好ましい。
【0033】水素吸収・放出処理サイクルは、処理前の
水素吸蔵合金粉末の平均粒径に対する処理後の該粉末の
平均粒径の比が0.9 以上となるように行う。この平均粒
径の比が0.9 以上であるということは、ほとんどの粉末
粒子が粉砕を受けておらず、球状の形状を保持している
ことを意味する。
水素吸蔵合金粉末の平均粒径に対する処理後の該粉末の
平均粒径の比が0.9 以上となるように行う。この平均粒
径の比が0.9 以上であるということは、ほとんどの粉末
粒子が粉砕を受けておらず、球状の形状を保持している
ことを意味する。
【0034】水素吸蔵合金粉末の粒径は、例えばSEM
等の電子顕微鏡観察により測定することができる。この
方法であると、水素吸蔵合金粉末を粘結剤で結合した充
填体の場合でも平均粒径を測定できる。水素処理を充填
前に行うか、充填体中で水素吸蔵合金粉末が粘結剤等に
より結合していない場合には、レーザー回折式粒度分布
計等の粒度分布測定装置を用いて平均粒径を測定しても
よい。処理前と処理後に同じ方法で粒径を測定し、処理
後/処理前の平均粒径の比が0.9 以上であればよい。こ
の平均粒径の比が0.9 より小さくなると、水素処理によ
り粉末の一部が粉砕し、微粉化が進んでいることにな
り、充填率が低下する。上記の平均粒径の比は好ましく
は0.90〜0.95である。
等の電子顕微鏡観察により測定することができる。この
方法であると、水素吸蔵合金粉末を粘結剤で結合した充
填体の場合でも平均粒径を測定できる。水素処理を充填
前に行うか、充填体中で水素吸蔵合金粉末が粘結剤等に
より結合していない場合には、レーザー回折式粒度分布
計等の粒度分布測定装置を用いて平均粒径を測定しても
よい。処理前と処理後に同じ方法で粒径を測定し、処理
後/処理前の平均粒径の比が0.9 以上であればよい。こ
の平均粒径の比が0.9 より小さくなると、水素処理によ
り粉末の一部が粉砕し、微粉化が進んでいることにな
り、充填率が低下する。上記の平均粒径の比は好ましく
は0.90〜0.95である。
【0035】このように、充填前、充填途中、および/
または充填後に水素吸収・放出処理サイクルを少なくと
も1回受けさせてから、充填体を圧縮して圧密化する
と、水素処理によって割れが生じている水素吸蔵合金粉
末は圧縮によって容易に粉砕され、粉砕粉末となる。そ
れにより、粉末の比表面積が増大し、水素吸蔵合金の利
用効率が高まる。同時に、粉砕により微粉化すること
で、水素処理しない粉末の充填体を同じ条件で圧縮した
場合に比べて、充填率も著しく高まる。
または充填後に水素吸収・放出処理サイクルを少なくと
も1回受けさせてから、充填体を圧縮して圧密化する
と、水素処理によって割れが生じている水素吸蔵合金粉
末は圧縮によって容易に粉砕され、粉砕粉末となる。そ
れにより、粉末の比表面積が増大し、水素吸蔵合金の利
用効率が高まる。同時に、粉砕により微粉化すること
で、水素処理しない粉末の充填体を同じ条件で圧縮した
場合に比べて、充填率も著しく高まる。
【0036】圧縮方法は特に制限されない。例えば、プ
レス加工やロール圧延加等が可能であるが、これらに制
限されるものではない。プレス加工は、通常の型とパン
チによるプレス加工以外に、例えば静水圧プレス等でも
よい。ロール圧延は、圧延時の接触長が大きくなるよう
に、ロール径が可及的に大きなものを用いることが好ま
しい。また、ロールの外周部を弾性系の材料で形成した
もの等も好ましく用いることができる。
レス加工やロール圧延加等が可能であるが、これらに制
限されるものではない。プレス加工は、通常の型とパン
チによるプレス加工以外に、例えば静水圧プレス等でも
よい。ロール圧延は、圧延時の接触長が大きくなるよう
に、ロール径が可及的に大きなものを用いることが好ま
しい。また、ロールの外周部を弾性系の材料で形成した
もの等も好ましく用いることができる。
【0037】圧縮荷重も特に制限されない。充填体の大
きさ、厚さ、圧縮方法等により適宜好ましい荷重を用い
ればよい。必要に応じて、圧縮を反復してもよい。圧縮
の程度は、水素吸蔵合金の用途に応じて適当に設定す
る。
きさ、厚さ、圧縮方法等により適宜好ましい荷重を用い
ればよい。必要に応じて、圧縮を反復してもよい。圧縮
の程度は、水素吸蔵合金の用途に応じて適当に設定す
る。
【0038】ニッケル−水素二次電池用の水素吸蔵合金
電極の場合、圧縮後の圧密体中の水素吸蔵合金粉末の全
粒子数の70%以上が、粉砕粉末となっていることが好ま
しい。圧縮後の粉砕粉末の割合は、より好ましくは80〜
95%またはそれ以上である。粉砕粉末は不規則形状であ
るため、顕微鏡観察で球状粉末と見分けられる。粉砕粉
末の割合は、後述する実施例に説明する方法により求め
た平均値である。
電極の場合、圧縮後の圧密体中の水素吸蔵合金粉末の全
粒子数の70%以上が、粉砕粉末となっていることが好ま
しい。圧縮後の粉砕粉末の割合は、より好ましくは80〜
95%またはそれ以上である。粉砕粉末は不規則形状であ
るため、顕微鏡観察で球状粉末と見分けられる。粉砕粉
末の割合は、後述する実施例に説明する方法により求め
た平均値である。
【0039】圧密体中の粉砕粉末の割合が70%未満であ
ると、圧縮中の粉砕が不十分であるため、圧縮による水
素吸蔵合金粉末の充填率の増大と利用効率の増大が十分
には得られず、電極容量が低下する。例えば、前述した
水素吸収・放出処理を施さない場合には、水素吸蔵合金
粉末に割れが発生していないので、圧縮により充填率は
ほとんど増大せず、また圧縮後の圧密体中の粉砕粉末の
割合は、極板表面を除いて典型的には0%である。
ると、圧縮中の粉砕が不十分であるため、圧縮による水
素吸蔵合金粉末の充填率の増大と利用効率の増大が十分
には得られず、電極容量が低下する。例えば、前述した
水素吸収・放出処理を施さない場合には、水素吸蔵合金
粉末に割れが発生していないので、圧縮により充填率は
ほとんど増大せず、また圧縮後の圧密体中の粉砕粉末の
割合は、極板表面を除いて典型的には0%である。
【0040】以上に主にペースト法による水素吸蔵合金
電極に関して、本発明の圧密体の製造方法について説明
したが、本発明の方法は、実質的に球状の水素吸蔵合金
粉末のみからなる圧密体についても有用であり、充填率
と利用効率が高い圧密体を製造することができる。
電極に関して、本発明の圧密体の製造方法について説明
したが、本発明の方法は、実質的に球状の水素吸蔵合金
粉末のみからなる圧密体についても有用であり、充填率
と利用効率が高い圧密体を製造することができる。
【0041】例えば、容器に収容された水素ガス貯蔵用
の水素吸蔵合金粉末圧密体の製造にも適用でき、これを
燃料の水素ガス供給源として燃料電池を作製することが
できる。このような燃料電池は、電気自動車をはじめ、
各種の用途に開発が進められており、本発明はこの燃料
電池の性能を高めることができる。
の水素吸蔵合金粉末圧密体の製造にも適用でき、これを
燃料の水素ガス供給源として燃料電池を作製することが
できる。このような燃料電池は、電気自動車をはじめ、
各種の用途に開発が進められており、本発明はこの燃料
電池の性能を高めることができる。
【0042】
【実施例】以下に示す実施例では、アルゴンガスアトマ
イズ法により作製した、化学組成が Mm1.0Ni3.62Co0.60
Mn0.44Al0.29 (添字は原子比、Mmは希土類元素の混合物
を示す) の水素吸蔵合金の球状粉末を使用した。この球
状の水素吸蔵合金粉末は、篩を用いて分級することによ
り、平均粒径が60μmとなるようにした。なお、実施例
における平均粒径は、電子顕微鏡 (SEM) 観察により
視野中から無作為に選んだ粒子100 個の粒径を測定し、
その平均値として求めた。
イズ法により作製した、化学組成が Mm1.0Ni3.62Co0.60
Mn0.44Al0.29 (添字は原子比、Mmは希土類元素の混合物
を示す) の水素吸蔵合金の球状粉末を使用した。この球
状の水素吸蔵合金粉末は、篩を用いて分級することによ
り、平均粒径が60μmとなるようにした。なお、実施例
における平均粒径は、電子顕微鏡 (SEM) 観察により
視野中から無作為に選んだ粒子100 個の粒径を測定し、
その平均値として求めた。
【0043】(実施例1)上記水素吸蔵合金粉末100 重
量部に対して、増粘剤のカルボキシメチルセルロース
(CMC) を0.4 重量部、粘結剤のスチレンブタジエン
ゴム (SBR) を2重量部、導電助剤の黒鉛粉末を0.5
重量部、および溶媒の水を18重量部添加し、よく攪拌混
合して、ペースト作製した。
量部に対して、増粘剤のカルボキシメチルセルロース
(CMC) を0.4 重量部、粘結剤のスチレンブタジエン
ゴム (SBR) を2重量部、導電助剤の黒鉛粉末を0.5
重量部、および溶媒の水を18重量部添加し、よく攪拌混
合して、ペースト作製した。
【0044】このペーストを、直径2mmの孔を多数設け
たパンチングメタル (幅50 mm 、厚さ80μm) の両面
に、それぞれ乾燥厚みが 300μmになるように塗布し、
120 ℃で乾燥して、水素吸蔵合金粉末の充填体を得た。
この充填体中の粉末層 (水素吸蔵合金粉末と粘結剤等の
溶媒以外の他の添加剤を含む) の充填率 (充填密度) は
5.1 g/ccであった。
たパンチングメタル (幅50 mm 、厚さ80μm) の両面
に、それぞれ乾燥厚みが 300μmになるように塗布し、
120 ℃で乾燥して、水素吸蔵合金粉末の充填体を得た。
この充填体中の粉末層 (水素吸蔵合金粉末と粘結剤等の
溶媒以外の他の添加剤を含む) の充填率 (充填密度) は
5.1 g/ccであった。
【0045】粉末層の充填率は常法に従って測定した。
即ち、試料の重量を測定した後、試料の空隙部をワック
スで封孔してから水に浸して、その体積を求める。こう
して測定した試料の重量と体積から、予め測定しておい
たパンチングメタルの重量と体積を差し引いて、粉末層
の重量と体積を求め、重量/体積比として粉末層の充填
率を算出する。
即ち、試料の重量を測定した後、試料の空隙部をワック
スで封孔してから水に浸して、その体積を求める。こう
して測定した試料の重量と体積から、予め測定しておい
たパンチングメタルの重量と体積を差し引いて、粉末層
の重量と体積を求め、重量/体積比として粉末層の充填
率を算出する。
【0046】この充填体に、水素の吸収および放出サイ
クルを続けて5回受けさせた。水素の吸収は、温度が10
0 ℃を超えないように冷却しながら、2気圧の水素ガス
中に1時間保持することにより行った。水素の放出は、
真空に引きながら100 ℃に加熱し、1時間保持すること
により行った。この水素処理後の充填体中の水素吸蔵合
金粉末の平均粒径を上記のように求めた。
クルを続けて5回受けさせた。水素の吸収は、温度が10
0 ℃を超えないように冷却しながら、2気圧の水素ガス
中に1時間保持することにより行った。水素の放出は、
真空に引きながら100 ℃に加熱し、1時間保持すること
により行った。この水素処理後の充填体中の水素吸蔵合
金粉末の平均粒径を上記のように求めた。
【0047】その後、充填体を直径400 mmのロール間に
通してロール圧延し、全体の厚さが450 μmの圧密体を
得た。この圧密体中の粉末層の充填率を上記と同様に測
定した。
通してロール圧延し、全体の厚さが450 μmの圧密体を
得た。この圧密体中の粉末層の充填率を上記と同様に測
定した。
【0048】また、この圧密体から粉末層の一部を削り
取り、電子顕微鏡(SEM)で観察して、その視野中の
粉砕粉末と全粉末の粒子数をそれぞれ計数し、粉砕粉末
の割合 (%) を算出した。この割合を10視野で算出し、
その平均値として粉砕粉末の割合を求めた。
取り、電子顕微鏡(SEM)で観察して、その視野中の
粉砕粉末と全粉末の粒子数をそれぞれ計数し、粉砕粉末
の割合 (%) を算出した。この割合を10視野で算出し、
その平均値として粉砕粉末の割合を求めた。
【0049】水素吸蔵合金粉末の圧密体の水素の利用効
率を評価するため、上記の圧密体を10×10 mm に裁断し
たものを負極として使用し、正極には市販の焼結式ニッ
ケル電極、電解液には6N KOH水溶液、セパレータにはポ
リアミド不織布を用いて、負極容量規制型のニッケル−
水素二次電池を作製し、充電および放電の操作を10回繰
り返し、そのうち最も大きな放電容量の値を電極容量と
して記録した。充電は60 mA/g で6時間、放電は60 mA/
g で0.9 V になるまで行った。以上の測定結果を、表1
にまとめて示す。
率を評価するため、上記の圧密体を10×10 mm に裁断し
たものを負極として使用し、正極には市販の焼結式ニッ
ケル電極、電解液には6N KOH水溶液、セパレータにはポ
リアミド不織布を用いて、負極容量規制型のニッケル−
水素二次電池を作製し、充電および放電の操作を10回繰
り返し、そのうち最も大きな放電容量の値を電極容量と
して記録した。充電は60 mA/g で6時間、放電は60 mA/
g で0.9 V になるまで行った。以上の測定結果を、表1
にまとめて示す。
【0050】(比較例1)比較のために、充填体に対し
て水素の吸収および放出処理を全く行わなかった以外は
実施例1と全く同様にして、従来法の水素吸蔵合金の圧
密体を作製した。充填体中の水素吸蔵合金粉末の平均粒
径、圧密体の粉末層の充填率、粉砕粉末の割合、および
電極容量の測定結果を表1に示す。
て水素の吸収および放出処理を全く行わなかった以外は
実施例1と全く同様にして、従来法の水素吸蔵合金の圧
密体を作製した。充填体中の水素吸蔵合金粉末の平均粒
径、圧密体の粉末層の充填率、粉砕粉末の割合、および
電極容量の測定結果を表1に示す。
【0051】(実施例2)ペーストを作製する前の水素吸
蔵合金粉末に対して、実施例1と同様の条件で水素の吸
収および放出サイクルを3回続けて受けさせた。但し、
水素の除去を完全にするため、放出時に400 ℃に加熱し
た。この水素処理した水素吸蔵合金粉末を用いて、実施
例1と同様にして水素吸蔵合金粉末の圧密体を作製し
た。但し、充填体に対する水素処理は行わなかった。充
填体中の水素吸蔵合金粉末の平均粒径、圧密体の粉末層
の充填率、粉砕粉末の割合、および電極容量の測定結果
を表1に示す。
蔵合金粉末に対して、実施例1と同様の条件で水素の吸
収および放出サイクルを3回続けて受けさせた。但し、
水素の除去を完全にするため、放出時に400 ℃に加熱し
た。この水素処理した水素吸蔵合金粉末を用いて、実施
例1と同様にして水素吸蔵合金粉末の圧密体を作製し
た。但し、充填体に対する水素処理は行わなかった。充
填体中の水素吸蔵合金粉末の平均粒径、圧密体の粉末層
の充填率、粉砕粉末の割合、および電極容量の測定結果
を表1に示す。
【0052】(比較例2)水素の吸収および放出サイク
ルの回数を7回に増やした以外は実施例2と全く同様に
して水素吸蔵合金粉末の圧密体を作製した。充填体中の
水素吸蔵合金粉末の平均粒径、圧密体の粉末層の充填
率、粉砕粉末の割合、および電極容量の測定結果を表1
に示す。
ルの回数を7回に増やした以外は実施例2と全く同様に
して水素吸蔵合金粉末の圧密体を作製した。充填体中の
水素吸蔵合金粉末の平均粒径、圧密体の粉末層の充填
率、粉砕粉末の割合、および電極容量の測定結果を表1
に示す。
【0053】(比較例3)水素の吸収および放出サイク
ルの回数を10回に増やした以外は実施例2と全く同様に
して水素吸蔵合金粉末の圧密体を作製した。充填体中の
水素吸蔵合金粉末の平均粒径、圧密体の粉末層の充填
率、粉砕粉末の割合、および電極容量の測定結果を表1
に示す。
ルの回数を10回に増やした以外は実施例2と全く同様に
して水素吸蔵合金粉末の圧密体を作製した。充填体中の
水素吸蔵合金粉末の平均粒径、圧密体の粉末層の充填
率、粉砕粉末の割合、および電極容量の測定結果を表1
に示す。
【0054】
【表1】
【0055】比較例1からわかるように、水素吸蔵合金
の球状粉末のペーストを充填した後の粉末の平均粒径は
60μmであって、充填により粉末の平均粒径は変化しな
い。この充填体の粉末層の充填率は、実施例1に記載し
たように5.1 g/ccであった。この充填体をロール圧延し
て圧密体にした場合、圧延中に粉末はほとんど粉砕を受
けず、球形形状を保持していた。圧延後に得られた圧密
体の粉末層の充填率は5.2 g/ccであり、ロール圧延によ
る充填率の増大はわずかであった。これは、粉末形状が
球状であるので、充填段階で既にその粉末にとって最密
に近い充填が行われ、圧延後も同じ球状粉末を維持して
いると、圧密化による充填率の増大が少ないためであ
る。圧密化後も表面積が小さいため、水素利用効率は低
く、電極容量は小さくなった。
の球状粉末のペーストを充填した後の粉末の平均粒径は
60μmであって、充填により粉末の平均粒径は変化しな
い。この充填体の粉末層の充填率は、実施例1に記載し
たように5.1 g/ccであった。この充填体をロール圧延し
て圧密体にした場合、圧延中に粉末はほとんど粉砕を受
けず、球形形状を保持していた。圧延後に得られた圧密
体の粉末層の充填率は5.2 g/ccであり、ロール圧延によ
る充填率の増大はわずかであった。これは、粉末形状が
球状であるので、充填段階で既にその粉末にとって最密
に近い充填が行われ、圧延後も同じ球状粉末を維持して
いると、圧密化による充填率の増大が少ないためであ
る。圧密化後も表面積が小さいため、水素利用効率は低
く、電極容量は小さくなった。
【0056】一方、実施例1では、本発明に従って圧密
化する前の水素吸蔵合金の球状粉末に水素の吸収・放出
処理を適度に施したところ、この処理後の粉末の平均粒
径の処理前の平均粒径に対する比 (粒径比率) は0.92で
あって、処理後も平均粒径はほとんど変化しなかった。
即ち、水素処理中に粉末の粉砕はほとんど起こっておら
ず、処理後もほとんどの粒子が球状の形状を保持してい
た。しかし、こうして水素処理した水素吸蔵合金粉末の
充填体をロール圧延して圧密化すると、ほとんどの粉末
が圧延により粉砕され、粉砕粉末の割合が90%となっ
た。その結果、圧密体の粉末層の充填率は5.5 g/ccと、
比較例1に比べて大きく向上した。また、粉砕の結果、
粉末の表面積が増大し、水素の利用効率が高くなったこ
とと、充填率の向上があいまって、電極容量は比較例1
に比べて150 mAh/ccも増大した。
化する前の水素吸蔵合金の球状粉末に水素の吸収・放出
処理を適度に施したところ、この処理後の粉末の平均粒
径の処理前の平均粒径に対する比 (粒径比率) は0.92で
あって、処理後も平均粒径はほとんど変化しなかった。
即ち、水素処理中に粉末の粉砕はほとんど起こっておら
ず、処理後もほとんどの粒子が球状の形状を保持してい
た。しかし、こうして水素処理した水素吸蔵合金粉末の
充填体をロール圧延して圧密化すると、ほとんどの粉末
が圧延により粉砕され、粉砕粉末の割合が90%となっ
た。その結果、圧密体の粉末層の充填率は5.5 g/ccと、
比較例1に比べて大きく向上した。また、粉砕の結果、
粉末の表面積が増大し、水素の利用効率が高くなったこ
とと、充填率の向上があいまって、電極容量は比較例1
に比べて150 mAh/ccも増大した。
【0057】実施例2から、水素処理を充填後の水素吸
蔵合金粉末 (即ち、充填体) ではなく、充填前の粉末に
対して行っても、充填率および水素利用効率の改善効果
が同様に得られることがわかる。しかし、比較例2、3
に示すように、水素処理が過度になって、水素処理後の
粒径比率が0.9 を下回ると、水素処理の段階で粉末の多
くが粉砕され、球形形状を失うため、圧密化後の充填率
が小さくなった。特に、比較例3のように水素処理で微
粉化が進むと、充填性が大きく阻害され、圧密体の充填
率は4.5 g/ccと、圧密化前の球状粉末の充填体の充填率
5.1 g/ccより著しく低下した。この充填率の低下によ
り、電極容量も低下した。但し、比較例1と比べると、
比較例2、3では比較例1より充填率が低いにかかわら
ず、電極容量は高かった。これから、水素吸蔵合金粉末
の圧密化前の水素処理が、水素利用効率の向上に有効で
あることがわかる。
蔵合金粉末 (即ち、充填体) ではなく、充填前の粉末に
対して行っても、充填率および水素利用効率の改善効果
が同様に得られることがわかる。しかし、比較例2、3
に示すように、水素処理が過度になって、水素処理後の
粒径比率が0.9 を下回ると、水素処理の段階で粉末の多
くが粉砕され、球形形状を失うため、圧密化後の充填率
が小さくなった。特に、比較例3のように水素処理で微
粉化が進むと、充填性が大きく阻害され、圧密体の充填
率は4.5 g/ccと、圧密化前の球状粉末の充填体の充填率
5.1 g/ccより著しく低下した。この充填率の低下によ
り、電極容量も低下した。但し、比較例1と比べると、
比較例2、3では比較例1より充填率が低いにかかわら
ず、電極容量は高かった。これから、水素吸蔵合金粉末
の圧密化前の水素処理が、水素利用効率の向上に有効で
あることがわかる。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、水素吸蔵合金に水素の
吸収および放出サイクルを受けさせるという簡単な処理
により、水素吸蔵合金粉末の充填率と水素利用効率の両
方が著しく改善された水素吸蔵合金粉末の圧密体を製造
することができ、水素吸蔵合金を利用した各種製品の性
能の改善が可能となる。例えば、放電容量が改善された
ニッケル−水素二次電池や、水素貯蔵量が改善された水
素ガス貯蔵装置を作製することが可能となる。
吸収および放出サイクルを受けさせるという簡単な処理
により、水素吸蔵合金粉末の充填率と水素利用効率の両
方が著しく改善された水素吸蔵合金粉末の圧密体を製造
することができ、水素吸蔵合金を利用した各種製品の性
能の改善が可能となる。例えば、放電容量が改善された
ニッケル−水素二次電池や、水素貯蔵量が改善された水
素ガス貯蔵装置を作製することが可能となる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 4/38 B22F 5/00 101F (72)発明者 永田 辰夫 尼崎市扶桑町1番8号 住友金属工業株式 会社エレクトロニクス技術研究所内 Fターム(参考) 4K018 BB03 BB04 CA07 CA14 CA19 KA38 5H003 AA02 BA03 BA05 BB02 BB11 BC04 BD02 5H016 AA03 BB05 BB06 CC03 EE01
Claims (4)
- 【請求項1】 水素吸蔵合金粉末を充填して充填体を得
る充填工程と、この充填体を圧縮して圧密化し、圧密体
を得る圧密化工程とを含む、水素吸蔵合金粉末の圧密体
の製造方法であって、水素吸蔵合金粉末が球状粉末であ
り、圧縮を受ける前の水素吸蔵合金粉末に水素吸収およ
び放出からなる処理サイクルを少なくとも1回受けさ
せ、この処理前の水素吸蔵合金粉末の平均粒径に対する
処理後の該粉末の平均粒径の比が0.9 以上であることを
特徴とする、水素吸蔵合金粉末の圧密体の製造方法。 - 【請求項2】 前記充填工程が、水素吸蔵合金の球状粉
末と粘結剤を溶媒中に含むペーストを調製し、このペー
ストを担体に塗布することからなる、請求項1に記載の
水素吸蔵合金粉末の圧密体の製造方法。 - 【請求項3】 前記圧密化工程で得られた圧密体中の水
素吸蔵合金粉末の粒子数の70%以上が粉砕粒子である、
請求項1または2記載の水素吸蔵合金粉末の圧密体の製
造方法。 - 【請求項4】 請求項3記載の方法で製造された水素吸
蔵合金粉末の圧密体からなるニッケル−水素二次電池用
の水素吸蔵合金電極。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11118128A JP2000309804A (ja) | 1999-04-26 | 1999-04-26 | 水素吸蔵合金圧密体の製造方法とNi−H電池用電極 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11118128A JP2000309804A (ja) | 1999-04-26 | 1999-04-26 | 水素吸蔵合金圧密体の製造方法とNi−H電池用電極 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000309804A true JP2000309804A (ja) | 2000-11-07 |
Family
ID=14728745
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11118128A Withdrawn JP2000309804A (ja) | 1999-04-26 | 1999-04-26 | 水素吸蔵合金圧密体の製造方法とNi−H電池用電極 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000309804A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN115650157A (zh) * | 2022-11-18 | 2023-01-31 | 四川大学 | 一种用于储氢罐的高导热、高稳定性储氢合金床体及制备工艺 |
-
1999
- 1999-04-26 JP JP11118128A patent/JP2000309804A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN115650157A (zh) * | 2022-11-18 | 2023-01-31 | 四川大学 | 一种用于储氢罐的高导热、高稳定性储氢合金床体及制备工艺 |
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