JP2000309901A - 軌道の防振装置 - Google Patents

軌道の防振装置

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JP2000309901A JP11116055A JP11605599A JP2000309901A JP 2000309901 A JP2000309901 A JP 2000309901A JP 11116055 A JP11116055 A JP 11116055A JP 11605599 A JP11605599 A JP 11605599A JP 2000309901 A JP2000309901 A JP 2000309901A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】10〜20Hzといった比較的低い周波数域に
おいても列車走行時の騒音や振動を抑制する。 【構成】本発明に係る軌道の防振装置1は、鉄道用高架
橋2に適用してあり、該鉄道用高架橋の上部工3を基部
とし、該基部と軌道5を支持する軌道支持材としての枕
木4との間に介在させてある。本実施形態に係る軌道の
防振装置1は、上部工3に固定される基部側部材として
の第1の筒材11と、該第1の筒材に下端が固定された
鉛直荷重支持用可変剛性バネ13と、該鉛直荷重支持用
可変剛性バネの上端に固定され天端にて枕木4が載せら
れる軌道側部材としての第2の筒材12とからなる。こ
こで、鉛直荷重支持用可変剛性バネ13は、鉛直荷重の
増大にしたがって剛性が増加する非線形バネとして構成
してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として高架橋に
敷設された軌道の防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高架橋等に敷設された軌道上を列車が走
行する際には、動荷重の高速移動等に起因してさまざま
な振動や騒音が発生するが、何らの対策も講じなけれ
ば、かかる振動や騒音が周辺民家に伝播し、公害となっ
て居住者の健全な日常生活を阻害する。
【0003】列車走行による振動や騒音の防止対策とし
ては、車両の軽量化、レールの重量化、バラストマット
の敷設、レール波状摩耗の削正等が実施されているほ
か、施設構造の面では、防音壁の設置、鉄桁防音工事、
トンネル緩衝工等の対策が講じられている。
【0004】ここで、軌道上を高速移動することに起因
する振動や騒音を防止する対策として、軌道を弾性支持
する、例えば枕木等の軌道支持材を弾性材で形成するこ
とも行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
対策では、重量のある車両を安全に支持するという本質
的機能を担保しなければならない関係上、枕木等の軌道
支持材の剛性をある程度高く設定しなければならず、そ
の結果、50Hz程度よりも高い周波数範囲で一定の防
振効果を得ることができる反面、10〜20Hzといっ
た公害を引き起こしやすい低周波域については、防振効
果をほとんど期待することができず、さりとて高架橋の
下部工自体の剛性を高めるなどの方法ではコスト負担が
大きすぎるという問題を生じていた。
【0006】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、10〜20Hzといった比較的低い周波数域
においても列車走行時の騒音や振動を抑制可能な軌道の
防振装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る軌道の防振装置は請求項1に記載した
ように、高架橋の上部工等の基部に固定される基部側部
材と、該基部側部材に下端が固定された鉛直荷重支持用
可変剛性バネと、該鉛直荷重支持用可変剛性バネの上端
に固定され天端にて枕木等の軌道支持材が載せられる軌
道側部材とからなり、前記鉛直荷重支持用可変剛性バネ
を、鉛直荷重の増大にしたがって剛性が増加するよう非
線形バネとして構成したものである。
【0008】また、本発明に係る軌道の防振装置は、前
記鉛直荷重支持用可変剛性バネを円錐状螺旋バネで構成
したものである。
【0009】また、本発明に係る軌道の防振装置は、前
記円錐状螺旋バネを平板を巻回して形成するとともに該
平板の内周面を該内周面の内側を周回する部分の外周面
に当接させて構成したものである。
【0010】また、本発明に係る軌道の防振装置は、前
記鉛直荷重支持用可変剛性バネを複数の円錐状螺旋バネ
を積み重ねるとともに、該円錐状螺旋バネの内周面を該
内周面の内側を周回する部分の外周面に当接させて構成
したものである。
【0011】また、本発明に係る軌道の防振装置は、前
記基部側部材を第1の筒材で構成するとともに前記軌道
側部材を第2の筒材で構成して入れ子状に相互に嵌合
し、該第1の筒材及び第2の筒材とで囲まれた内部気密
空間に前記鉛直荷重支持用可変剛性バネを配置し、前記
第1の筒材及び第2の筒材のうち、少なくともいずれか
に前記内部気密空間に連通する減衰用空気孔を設けたも
のである。
【0012】本発明に係る軌道の防振装置においては、
これらを高架橋の上部工等の基部と枕木等の軌道支持材
との間に必要数だけ介在させ、基部側部材は基部に固定
するとともに、枕木等の軌道支持材を軌道側部材の天端
に載せて固定する。
【0013】このようにすると、基部側部材と軌道側部
材との間に挟み込まれた鉛直荷重支持用可変剛性バネ
が、軌道支持材、軌道及びその上を走行する列車の動荷
重を支持することとなるが、かかる列車の動荷重は、列
車が近づくにつれて徐々に大きくなるとともに、通過し
た後は逆に徐々に小さくなっていく。そして、鉛直荷重
支持用可変剛性バネは、鉛直荷重の増大にしたがって剛
性が増加するよう非線形バネとして構成してあるため、
上述した動荷重の変化にしたがって剛性が増減する。
【0014】すなわち、移動中の列車が通過している直
下以外の箇所では、比較的小さな列車の動荷重が低剛性
で支持されることとなり、低周波域をも含む防振が可能
となるとともに、移動中の列車が通過している直下で
は、比較的大きな動荷重が軌道に作用するものの、上述
したように鉛直荷重支持用可変剛性バネが高剛性に変化
しているので、振動系の固有振動数に大きな変化はな
く、結局、列車走行位置に関わらず、低周波域をも含む
防振が可能となる。
【0015】なお、列車が通過している直下では、上述
したように比較的大きな動荷重を高剛性で支持すること
となるので、軌道の沈込みを抑えることが可能となり、
列車走行時の安全性ないしは安定性が確保されるととも
に、列車の動荷重と鉛直荷重支持用可変剛性バネとを含
む振動系の固有振動数が列車の走行位置に関わらずほと
んど変化しないため、防振設計がやりやすくなる。
【0016】基部としては、例えば高架橋の上部工を構
成するスラブが該当する。
【0017】鉛直荷重支持用可変剛性バネは、鉛直荷重
の増大にしたがって剛性が増加するよう非線形バネとし
て構成される限り、その構成は任意であるが、かかる鉛
直荷重支持用可変剛性バネを円錐状螺旋バネで構成した
ならば、圧縮変形したときにバネ材料、例えばコイルバ
ネ用鋼線や丸棒が互いに干渉することなく、平面上で螺
旋状となるまで圧縮変形するので、基部と軌道支持材と
の必要クリアランスを小さく設定することができる。な
お、鉛直荷重支持用可変剛性バネを構成するバネ材料の
材質や材料径が同じであれば、螺旋径が大きな底面近傍
部分にて剛性が小さくなり、螺旋径が小さな円錐頂部近
傍にて剛性が大きくなるので、鉛直荷重支持用可変剛性
バネに必要な非線形特性が自動的に確保される。
【0018】ここで、円錐状螺旋バネについては、上述
したように、鋼線や丸棒をバネ材料としたコイルバネと
して構成することができるが、これに代えて、平板を巻
回して形成するとともに該平板の内周面を該内周面の内
側を周回する部分の外周面に当接させて構成したなら
ば、鉛直荷重支持用可変剛性バネが変形する際、該鉛直
荷重支持用可変剛性バネの内周面と外周面とが擦れ合う
ため、列車走行による固体振動エネルギーや空気振動エ
ネルギーは、かかる擦れ合いによる摩擦減衰として吸収
され、周囲への散逸が防止される。
【0019】また、鉛直荷重支持用可変剛性バネを、前
記鉛直荷重支持用可変剛性バネを複数の円錐状螺旋バネ
を積み重ねるとともに、該円錐状螺旋バネの内周面を該
内周面の内側を周回する部分の外周面に当接させて構成
したならば、請求項2に係る防振装置と同様、基部と軌
道支持材との必要クリアランスを小さく設定することが
できることに加えて、鉛直荷重支持用可変剛性バネが変
形する際、該鉛直荷重支持用可変剛性バネの内周面と外
周面とが擦れ合うため、列車走行による固体振動エネル
ギーや空気振動エネルギーは、かかる擦れ合いによる摩
擦減衰として吸収され、周囲への散逸が防止される。
【0020】しかも、かかる鉛直荷重支持用可変剛性バ
ネを製作するにあたっては、円形断面等の円錐状螺旋バ
ネを単に積み重ねるだけでよいので、材料調達や組立に
要する費用を安価に抑えることができる。
【0021】一方、基部側部材や軌道側部材をどのよう
に構成するかは任意であるが、かかる基部側部材を第1
の筒材で構成するとともに軌道側部材を第2の筒材で構
成して入れ子状に相互に嵌合し、該第1の筒材及び第2
の筒材とで囲まれた内部気密空間に鉛直荷重支持用可変
剛性バネを配置し、第1の筒材及び第2の筒材のうち、
少なくともいずれかに内部気密空間に連通する減衰用空
気孔を設けるようにしたならば、該減衰用空気孔を介し
て外部の空気が第1の筒材と第2の筒材とで囲まれた内
部気密空間内に流れ込んだり、逆に該内部気密空間内の
空気が減衰用空気孔を介して外部に流れ出たりすること
となり、列車の動荷重の変化に応じた減衰作用が減衰用
空気孔にて発生し、やはり、列車走行による固体振動エ
ネルギーや空気振動エネルギーがこのような空気ダンパ
で吸収され、周囲への散逸が防止される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る軌道の防振装
置の実施の形態について、添付図面を参照して説明す
る。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については
同一の符号を付してその説明を省略する。
【0023】図1は、本実施形態に係る軌道の防振装置
を示したものである。同図でわかるように、本実施形態
に係る軌道の防振装置1は、鉄道用高架橋2に適用して
あり、該鉄道用高架橋の上部工3を基部とし、該基部と
軌道5を支持する軌道支持材としての枕木4との間に介
在させてある。
【0024】本実施形態に係る軌道の防振装置1は、図
2に示した詳細図でよくわかるように、上部工3に固定
される基部側部材としての第1の筒材11と、該第1の
筒材に下端が固定された鉛直荷重支持用可変剛性バネ1
3と、該鉛直荷重支持用可変剛性バネの上端に固定され
天端にて枕木4が載せられる軌道側部材としての第2の
筒材12とからなり、円筒状をなす第1の筒材11と第
2の筒材12とを入れ子状に相互に嵌合するとともに該
第1の筒材及び第2の筒材で囲まれた内部気密空間14
に鉛直荷重支持用可変剛性バネ13を配置し、第1の筒
材11には、内部気密空間14に連通する減衰用空気孔
15を設けてある。
【0025】第2の筒材12は、その外径を第1の筒材
11の内径と同等か若干小さく設定してあるが、第2の
筒材12の外周面に第1の筒材11の内周面上を摺動す
る環状シール材を設けておけば、昇降動作の際、第1の
筒材11との気密性を確保しやすくなる。
【0026】一方、鉛直荷重支持用可変剛性バネ13
は、平板を巻回して形成した円錐状螺旋バネからなり、
鉛直荷重の増大にしたがって剛性が増加する非線形バネ
として構成してある。
【0027】鉛直荷重支持用可変剛性バネ13の剛性に
どのような非線形特性を持たせるかは、列車の動荷重や
速度、高架橋の剛性、地盤性状などを考慮しつつ、平板
の幅w、厚み、最大径及び最小径、巻き数などを適宜設
定すればよい。なお、平板の幅や厚みを均一にする必要
はなく、動荷重が大きな領域において特に高い剛性に設
定したい場合には、円錐頂部近傍の平板の厚みや幅を大
きくしたり、動荷重が小さな領域において特に低い剛性
に設定したい場合には、円錐底部近傍の平板の厚みや幅
を小さくするといった構成にすることも可能である。
【0028】ここで、鉛直荷重支持用可変剛性バネ13
は、平板の内周面を該内周面の内側を周回する部分の外
周面に当接させてあり、第2の筒材12の昇降動作に伴
って鉛直荷重支持用可変剛性バネ13が伸縮する際、内
周面と外周面との擦れ合いによって摩擦が発生するよう
になっている。ちなみに、平板の内外面に摩擦材を適宜
被覆しておけば、高い摩擦減衰を確保することが可能と
なる。
【0029】第2の筒材12の頂部内面には円柱状のス
トッパー16を垂設してあり、該ストッパーの下面が第
1の筒材11の底面に当たることにより、枕木4の沈込
み量が制限されて列車の走行安定性に影響を与えること
がないよう配慮してある。
【0030】本実施形態に係る軌道の防振装置1におい
ては、上述したようにこれらを基部である上部工3と軌
道支持材である枕木4との間に必要数だけ介在させ、基
部側部材である第1の筒材11を上部工3に固定すると
ともに、軌道側部材である第2の筒材12の天端に枕木
4を載せて固定してある。
【0031】このようにすると、第1の筒材11と第2
の筒材12との間に挟み込まれた鉛直荷重支持用可変剛
性バネ13は、枕木4、軌道5及びその上を走行する列
車の動荷重を支持することとなるが、かかる列車の動荷
重は、列車が近づくにつれて徐々に大きくなるととも
に、通過した後は逆に徐々に小さくなっていく。そし
て、鉛直荷重支持用可変剛性バネ13は、平板を巻回し
た円錐状螺旋バネとして構成してあるため、螺旋径の大
きな底面近傍付近が最も剛性が低く、上方にいくにつれ
て螺旋径が小さくなり、それに伴って剛性も大きくな
る。
【0032】そのため、動荷重が小さい領域では、図3
(a)に示すように、剛性の小さな底面近傍の部分が先行
収縮し、動荷重が大きくなるにつれて、下方から上方に
向けて順次収縮領域が拡がり、動荷重が大きな領域で
は、図3(b)に示すような状態となる。そして、動荷重
が小さな領域では鉛直方向の変位の変化率が大きい、す
なわち剛性が小さく、動荷重が大きい領域では変位の変
化率が小さい、すなわち剛性が大きくなる。
【0033】図3(c)は、鉛直荷重支持用可変剛性バネ
13の動荷重と変位との関係をP―δ曲線として示した
ものであり、同図に示したA点、B点が同図(a)、(b)の
状態にそれぞれ対応する。
【0034】一方、鉛直荷重支持用可変剛性バネ13が
動荷重を受けて伸縮する際、該鉛直荷重支持用可変剛性
バネの内周面と外周面とが擦れ合って摩擦減衰が生じ
る。また、減衰用空気孔15を介して外部の空気が第1
の筒材11と第2の筒材12とで囲まれた内部気密空間
14内に流れ込んだり、逆に該内部気密空間内の空気が
減衰用空気孔15を介して外部に流れ出たりし、やはり
減衰用空気孔15にて空気ダンパとしての減衰が生じ
る。
【0035】そのため、列車走行による固体振動エネル
ギーや空気振動エネルギーは、かかる摩擦減衰や空気ダ
ンパによる減衰によって吸収され、周囲にはほとんど伝
播しなくなる。
【0036】以上説明したように、本実施形態に係る軌
道の防振装置1によれば、鉛直荷重の増大にしたがって
剛性が増加するように非線形バネとして構成された鉛直
荷重支持用可変剛性バネ13の作用により、移動中の列
車が通過している直下以外の箇所では、比較的小さな列
車の動荷重が低剛性で支持されることとなり、例えば1
0〜20Hzといった低周波域をも含む防振が可能とな
るとともに、移動中の列車が通過している直下では、比
較的大きな動荷重が軌道に作用するものの、上述したよ
うに鉛直荷重支持用可変剛性バネ13が高剛性に変化し
ているので、振動系の固有振動数に大きな変化はなく、
結局、列車走行位置に関わらず、低周波域をも含む防振
が可能となる。
【0037】なお、列車が通過している直下では、上述
したように比較的大きな動荷重を高剛性で支持すること
となるので、軌道4の沈込みを抑えることが可能とな
り、列車走行時の安全性ないしは安定性が確保されると
ともに、列車の動荷重Pと鉛直荷重支持用可変剛性バネ
13とを含む振動系の固有振動数が列車の走行位置に関
わらずほとんど変化しないことによって、防振設計がや
りやすくなる。
【0038】また、本実施形態に係る軌道の防振装置1
によれば、鉛直荷重支持用可変剛性バネ13を円錐状螺
旋バネで構成したので、圧縮変形したときにバネ材料で
ある平板が互いに干渉することなく圧縮変形するので、
上部工3と枕木4との必要クリアランスを小さく設定す
ることができる。なお、鉛直荷重支持用可変剛性バネ1
3を構成する平板の材質や断面を同じにしておけば、螺
旋径が大きな底面近傍部分にて剛性が最小になり、螺旋
径が小さな円錐頂部近傍にて剛性が最大となるので、鉛
直荷重支持用可変剛性バネ13に必要な非線形特性が自
動的に確保される。
【0039】また、本実施形態に係る軌道の防振装置1
によれば、円錐状螺旋バネである鉛直荷重支持用可変剛
性バネ13を、平板を巻回して形成するとともに該平板
の内周面を該内周面の内側を周回する部分の外周面に当
接させて構成したので、鉛直荷重支持用可変剛性バネ1
3が変形する際、該鉛直荷重支持用可変剛性バネの内周
面と外周面とが互いに摺動し擦れ合う。そして、列車走
行による固体振動エネルギーや空気振動エネルギーは、
かかる擦れ合いによる摩擦減衰として吸収され、周囲へ
の散逸を未然に防止することが可能となる。
【0040】また、本実施形態に係る軌道の防振装置1
によれば、基部側部材としての第1の筒材11と軌道側
部材としての第2の筒材12とを入れ子状に相互に嵌合
するとともに、両者に囲まれた内部気密空間14に鉛直
荷重支持用可変剛性バネ13を配置し、第1の筒材11
に内部気密空間14に連通する減衰用空気孔15を設け
るようにしたので、該減衰用空気孔を介して外部の空気
が第1の筒材11と第2の筒材12とで囲まれた内部気
密空間内に流れ込んだり、逆に該内部気密空間内の空気
が減衰用空気孔15を介して外部に流れ出たりすること
となり、列車の動荷重の変化に応じた減衰作用が減衰用
空気孔15にて発生し、やはり、列車走行による固体振
動エネルギーや空気振動エネルギーがこのような空気ダ
ンパで吸収され、周囲への散逸を未然に防止することが
可能となる。
【0041】本実施形態では特に言及しなかったが、図
4に示すように、減衰用空気孔15の内面に雌ねじ22
を形成するとともに、中空ネジ21a、21bの外周面
に雄ねじ23を形成しておき、かかる雄ねじ23を雌ね
じ22に螺合させる形で中空ネジ21a、21bを減衰
用空気孔15にねじ込むようにしてもよい。
【0042】かかる構成によれば、中空ネジ21a、2
1bの中空径を適宜調整することによって空気ダンパの
減衰量を所望の大きさに調整することが可能となる。
【0043】また、本実施形態では、本発明に係る軌道
の防振装置を高架橋に適用したが、高架橋である必要は
なく、動荷重の移動に伴う軌道の防振が必要な全ての部
位に適用することができることは言うまでもない。
【0044】また、本実施形態では、鉛直荷重支持用可
変剛性バネを平板を巻回して形成した円錐状螺旋バネで
構成したが、これに代えて図5に示す鉛直荷重支持用可
変剛性バネ32を採用してもよい。
【0045】同図(b)に示す鉛直荷重支持用可変剛性バ
ネ32は、円形断面の線材をコイル状に巻いてなる円錐
状螺旋バネ31(同図(a))を、例えば図示されている
ように4段に積み重ねるとともに、それらの内周面を該
内周面の内側を周回する部分の外周面に当接させて構成
してあり、第2の筒材12の昇降動作に伴って鉛直荷重
支持用可変剛性バネ32が伸縮する際、内外で隣接し合
う円錐状螺旋バネ31同士の擦れ合い及び噛み合いによ
って摩擦が発生するようになっている。
【0046】鉛直荷重支持用可変剛性バネ32は、上述
の実施形態と同様、鉛直荷重の増大にしたがって剛性が
増加する非線形バネとして構成してあるが、その剛性に
どのような非線形特性を持たせるかは、列車の動荷重や
速度、高架橋の剛性、地盤性状などを考慮しつつ、構成
要素である円錐状螺旋バネ31の積み重ね段数や、各円
錐状螺旋バネ31の線材断面積、最大径及び最小径、巻
き数などを適宜設定すればよい。
【0047】ここで、円錐状螺旋バネ31を積み重ねる
にあたっては、工事用カラーコーンを積み重ねるが如
く、上から順次落とし込むようにするとともに、上下方
向については、必要に応じて接着、溶接等の方法で相互
の離間を防止するようにしてもよい。
【0048】なお、鉛直荷重支持用可変剛性バネ32も
上述の実施形態と同様、第1の筒材11及び第2の筒材
12で囲まれた内部気密空間14に配置するとともに、
第1の筒材11に内部気密空間14に連通する減衰用空
気孔15を設けてある。
【0049】かかる変形例によれば、上述した実施形態
と同様、上部工3と枕木4との必要クリアランスを小さ
く設定することができることに加えて、鉛直荷重支持用
可変剛性バネ32が変形する際、該鉛直荷重支持用可変
剛性バネの内周面と外周面とが擦れ合いあるいは噛み合
うため、列車走行による固体振動エネルギーや空気振動
エネルギーは、かかる擦れ合い及び噛み合いによる摩擦
減衰として吸収され、周囲への散逸が防止される。
【0050】しかも、かかる鉛直荷重支持用可変剛性バ
ネ32を製作するにあたっては、高品質で安価な円錐状
螺旋バネ31を単に積み重ねるだけでよいので、材料調
達や組立に要する費用を安価に抑えることができるとと
もに、積み重ね段数を増やすことによって剛性を容易に
高くすることができるので、単体での剛性の低さについ
ては何ら懸念する必要がない。
【0051】図6は、動荷重が大きい場合、すなわち軌
道5上を列車の車輪が通過している状況での鉛直荷重支
持用可変剛性バネ32の変形性状を示した図である。な
お、鉛直荷重支持用可変剛性バネ32に関する他の作用
効果については、上述した実施形態に係る鉛直荷重支持
用可変剛性バネ13と同様であるので、ここではその説
明を省略する。
【0052】一方、かかる変形例では、上述した実施形
態と同様、鉛直荷重支持用可変剛性バネ32の内部に挿
入された円柱状のストッパー16によって、枕木4の沈
込み量を制限するようにしたが、かかるストッパーに代
えて図7(a)に示すストッパー41を採用してもよい。
【0053】ストッパー41は、螺旋階段状円形台座と
して第1の筒材11の底面に突設してあり、かかる構成
によれば、同図(b)に示すようにストッパー41の螺旋
階段面に鉛直荷重支持用可変剛性バネ32が当たること
で枕木4の沈込み量を制限することができる。
【0054】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に係る本発
明の軌道の防振装置によれば、移動中の列車が通過して
いる直下以外の箇所では、比較的小さな列車の動荷重が
低剛性で支持されることとなり、例えば10〜20Hz
といった低周波域をも含む防振が可能となるとともに、
移動中の列車が通過している直下では、比較的大きな動
荷重が軌道に作用するものの、鉛直荷重支持用可変剛性
バネが高剛性に変化しているので、振動系の固有振動数
に大きな変化はなく、結局、列車走行位置に関わらず、
低周波域をも含む防振が可能となる。また、列車が通過
している直下では、比較的大きな動荷重を高剛性で支持
することとなるので、軌道の沈込みを抑えることが可能
となり、列車走行時の安全性ないしは安定性が確保され
るとともに、列車の動荷重と鉛直荷重支持用可変剛性バ
ネとを含む振動系の固有振動数が列車の走行位置に関わ
らずほとんど変化しないため、防振設計がやりやすくな
る。
【0055】また、請求項2に係る本発明の軌道の防振
装置によれば、圧縮変形したときにバネ材料、例えばコ
イルバネ用鋼線や丸棒が互いに干渉することなく圧縮変
形するので、基部と枕木等の軌道支持材との必要クリア
ランスを小さく設定することができるという効果も奏す
る。
【0056】また、請求項3に係る本発明の軌道の防振
装置によれば、鉛直荷重支持用可変剛性バネが変形する
際、該鉛直荷重支持用可変剛性バネの内周面と外周面と
が擦れ合うため、列車走行による固体振動エネルギーや
空気振動エネルギーを擦れ合いによる摩擦減衰として吸
収し、周囲への散逸を防止することができるという効果
も奏する。
【0057】また、請求項4に係る本発明の軌道の防振
装置によれば、基部と枕木等の軌道支持材との必要クリ
アランスを小さく設定することができることに加えて、
鉛直荷重支持用可変剛性バネが変形する際、該鉛直荷重
支持用可変剛性バネの内周面と外周面とが擦れ合いある
いは噛み合うため、列車走行による固体振動エネルギー
や空気振動エネルギーを擦れ合い及び噛み合いによる摩
擦減衰として吸収し、周囲への散逸を防止することがで
きるという効果も奏する。
【0058】また、請求項5に係る本発明の軌道の防振
装置によれば、減衰用空気孔を介して外部の空気が第1
の筒材と第2の筒材とで囲まれた内部気密空間内に流れ
込んだり、逆に該内部気密空間内の空気が減衰用空気孔
を介して外部に流れ出たりすることとなり、列車の動荷
重の変化に応じた減衰作用が減衰用空気孔にて発生し、
列車走行による固体振動エネルギーや空気振動エネルギ
ーをかかる空気ダンパで吸収し、周囲への散逸を防止す
ることができるという効果も奏する。
【0059】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る軌道の防振装置の図であり、
(a)は全体配置図、(b)は詳細配置図。
【図2】本実施形態に係る軌道の防振装置の図であり、
(a)は一部を切除した側面図、(b)はA―A線方向から見
た平面図。
【図3】本実施形態に係る軌道の防振装置の作用を示し
た図。
【図4】変形例に係る軌道の防振装置を示した部分詳細
図。
【図5】変形例に係る鉛直荷重支持用可変剛性バネを示
した図であり、(a)はその構成要素である円錐状螺旋バ
ネ31の側面図、(b)は第1の筒材11及び第2の筒材
12で囲まれた内部気密空間14に配置された様子を示
した断面図。
【図6】変形例に係る鉛直荷重支持用可変剛性バネの作
用を示した図。
【図7】変形例に係る軌道の防振装置を示した断面図。
【符号の説明】
1 軌道の防振装置 3 上部工(基部) 4 枕木(軌道支持材) 5 軌道 11 第1の筒材(基部側部
材) 12 第2の部材(軌道側部
材) 13 鉛直荷重支持用可変剛性
バネ(円錐状螺旋バネ) 14 内部気密空間 15 減衰用空気孔 31 円錐状螺旋バネ 32 鉛直荷重支持用可変剛性
バネ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高架橋の上部工等の基部に固定される基
    部側部材と、該基部側部材に下端が固定された鉛直荷重
    支持用可変剛性バネと、該鉛直荷重支持用可変剛性バネ
    の上端に固定され天端にて枕木等の軌道支持材が載せら
    れる軌道側部材とからなり、前記鉛直荷重支持用可変剛
    性バネを、鉛直荷重の増大にしたがって剛性が増加する
    よう非線形バネとして構成したことを特徴とする軌道の
    防振装置。
  2. 【請求項2】 前記鉛直荷重支持用可変剛性バネを円錐
    状螺旋バネで構成した請求項1記載の軌道の防振装置。
  3. 【請求項3】 前記円錐状螺旋バネを平板を巻回して形
    成するとともに該平板の内周面を該内周面の内側を周回
    する部分の外周面に当接させて構成した請求項2記載の
    軌道の防振装置。
  4. 【請求項4】 前記鉛直荷重支持用可変剛性バネを、複
    数の円錐状螺旋バネを積み重ねるとともに、該円錐状螺
    旋バネの内周面を該内周面の内側を周回する部分の外周
    面に当接させて構成した請求項1記載の軌道の防振装
    置。
  5. 【請求項5】 前記基部側部材を第1の筒材で構成する
    とともに前記軌道側部材を第2の筒材で構成して入れ子
    状に相互に嵌合し、該第1の筒材及び第2の筒材とで囲
    まれた内部気密空間に前記鉛直荷重支持用可変剛性バネ
    を配置し、前記第1の筒材及び第2の筒材のうち、少な
    くともいずれかに前記内部気密空間に連通する減衰用空
    気孔を設けた請求項1記載の軌道の防振装置。
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