JP2000310522A - 二層構造金属体の厚さ測定方法 - Google Patents

二層構造金属体の厚さ測定方法

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JP2000310522A
JP2000310522A JP12242999A JP12242999A JP2000310522A JP 2000310522 A JP2000310522 A JP 2000310522A JP 12242999 A JP12242999 A JP 12242999A JP 12242999 A JP12242999 A JP 12242999A JP 2000310522 A JP2000310522 A JP 2000310522A
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resin material
ultrasonic
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metal body
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JP12242999A
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Naoyuki Sawada
尚幸 澤田
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Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】二層構造金属体で構成された設備の金属材料、
樹脂材料の厚さを測定する際に、設備内に入槽、入塔、
入管することなく、設備の外側から金属材料、樹脂材料
の厚さを正確に測定できると共に、設備稼働中において
も厚さが測定でき、さらに、樹脂材料の切り出し及び切
り出し後の補修が不要となる二層構造金属体の厚さ測定
方法を提供する。 【解決の手段】T>R×(Ts/Rs)となる二層構造
金属体の金属材料表面に超音波探傷装置の超音波探触子
を接触させて金属材料側より超音波を発信し、その後受
信されるエコーのうち、金属材料と樹脂材料との境界面
から反射される一次境界面超音波エコーと樹脂材料裏面
から反射される一次裏面超音波エコーとの伝播時間差を
検出し、測定位置における樹脂材料の厚さに変換する二
層構造金属体の厚さ測定方法を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貯蔵タンク、反応
槽、蒸留塔、洗浄塔、冷却塔、配管などに使用される金
属材料内面に樹脂材料等により密着ライニングされた二
層構造金属体の樹脂材料の厚さを測定するに好適な方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、金属材料で構成されている貯
蔵タンク、反応槽、蒸留塔、洗浄塔、冷却塔、配管など
は、その内面接液、接ガス側に耐食性、耐摩耗性を付与
する目的で、金属材料内面に樹脂材料等により密着ライ
ニングされた二層構造金属体(以下、単に「二層構造金
属体」という。)が使用されている。
【0003】この二層構造金属体は、炭素鋼に代表され
る金属材料のみで構成されたものに比べ、耐食性、耐摩
耗性に優れているが、多年の使用によりライニング部の
減肉・摩滅が徐々に発生し、設備の安全面上、これらの
減肉・摩滅の度合いを、定期的かつ定量的に残厚さとし
て把握することが必要である。
【0004】これに対し、これまで、二層構造金属体の
いずれか一方の材料の厚さを測定する方法は幾つか提案
されており、金属材料の厚さを測定する方法としては、
超音波探触子を金属材料面に接触させ、超音波探傷装置
を用いてその厚さを測定する方法が一般的によく採用さ
れている。また、樹脂材料の厚さを測定する方法として
は、樹脂材料側より電磁式膜厚計を用いて測定する方法
や、ライニング部の一部を切取った破壊検査による実測
する方法等がある。
【0005】しかしながら、前記した二層構造金属体の
樹脂材料の厚さを超音波探触子を金属材料表面に接触さ
せ、超音波探傷装置を用いてその厚さを測定する方法で
は、金属材料の厚さは測定できるものの、他方の樹脂材
料の厚さまで測定することは困難であった。
【0006】そこで、二層構造金属体の樹脂材料の厚さ
の測定は、これまで電磁式膜厚計を用いる方法や破壊検
査による方法によっていたが、これらの方法は、殊に、
貯蔵タンク、反応槽、蒸留塔、洗浄塔、冷却塔及び配管
などの内面に密着ライニングされた樹脂材料の厚さを測
定実施する場合には、その設備内部に入槽、入塔、入管
し、その測定を実施しなければならなかった。
【0007】すなわち、電磁式膜厚計を用いる方法や破
壊検査による方法による樹脂材料の厚さ測定法において
は、液、ガスが設備内に存在している状態となってい
る稼働中には厚さ測定が実施できない、設備の運転を
停止しなければならず、稼働率が低下する、設備内へ
の入槽、入塔、入管作業では、出入り口マンホールの開
放、脱液、脱ガス、置換及び清掃等の付帯作業が必要と
なり、さらに、電磁式膜厚計による方法では、金属材
料が非磁性体で構成されている場合には厚さを測定でき
ない、破壊検査による方法では、破壊した樹脂ライニ
ング部の補修が必要である、といった課題を有してい
た。
【0008】また、これまで金属材料と樹脂材料の両材
料の厚さを夫々単独に測定することは可能であったが、
設備内部に入槽、入塔、入管せずして、設備の外側の金
属材料側より、金属材料と樹脂材料の厚さを同時に測定
する方法はいまだ開発されておらず、その開発が望まれ
ていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ような背景のもとに、二層構造金属体で構成された貯蔵
タンク、反応槽、蒸留塔、洗浄塔、冷却塔、配管などの
設備の金属材料、樹脂材料の厚さを測定する際に、設備
内に入槽、入塔、入管することなく、設備の外側から樹
脂材料の厚さを測定でき、あるいは金属材料と樹脂材料
の両方の厚さを同時にかつ正確に測定できると共に、設
備稼働中においても厚さが測定でき、さらに、樹脂材料
の切り出し及び切り出し後の補修が不要となる二層構造
金属体の厚さ測定方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点
を解決すべく鋭意検討の結果、二層構造金属体で構成さ
れた貯蔵タンク、反応槽、蒸留塔、洗浄塔、冷却塔、配
管などの設備の厚さを超音波探傷装置を用いて測定する
際に、T>R×(Ts/Rs)(式中、Tは金属材料の
厚さであり単位はmm、Rは樹脂材料の厚さであり単位
はmm、Tsは金属材料の音速、Rsは樹脂材料の音速
を表し、本関係式を式(1)とする。)となる二層構造
金属体の金属材料表面に超音波探傷装置の超音波探触子
を接触させて超音波を発信し、その後受信されるエコー
のうち、金属材料と樹脂材料との境界から反射される一
次境界面超音波エコーと樹脂材料裏面から反射される一
次裏面超音波エコーとの伝播時間差を検出し、測定位置
における樹脂材料の厚さに変換させることで、二層構造
金属体の樹脂材料の厚さを測定でき、さらに、一次境界
面超音波エコーとその後に受信される二次境界面超音波
エコーとの伝播時間差を検出し、測定位置における金属
材料の厚さに変換することで、二層構造金属体の金属材
料及び樹脂材料の厚さを同時に測定できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち本発明は、二層構造金属体の厚さ
を超音波探傷装置を用いて測定する方法において、式
(1)の関係となる二層構造金属体の金属材料表面に超
音波探傷装置の超音波探触子を接触させて金属材料側よ
り超音波を発信し、その後受信されるエコーの伝播時間
差を検出し、測定位置における樹脂材料、金属材料の厚
さに変換する二層構造金属体の厚さ測定方法である。
【0012】以下、本発明を図を参照しながら詳細に説
明する。
【0013】本発明の方法の測定対象となる二層構造金
属体とは、貯蔵タンク、反応槽、蒸留塔、洗浄塔、冷却
塔、配管などの設備に用いられる金属材料に、耐食、耐
摩耗性を付与するため樹脂材料等が金属材料に密着ライ
ニングされているものである。そして、二層構造金属体
で構成された貯蔵タンク、反応槽、蒸留塔、洗浄塔、冷
却塔、配管などの形状及び取り付け方法は、式(1)の
関係を満たすものであれば特に限定されず測定可能であ
る。
【0014】二層構造金属体の金属材料の材質として
は、超音波を伝播できる性質を有したものであれば制限
されるものではなく、磁性体、非磁性体を問わず、一般
的に使用される炭素鋼、合金鋼などの鉄鋼材料や、アル
ミニウム、銅などの非鉄材料が使用でき、これらのうち
でも炭素鋼が好ましく用いられる。また、樹脂材料とし
ては、通常密着ライニングに用いられるものであれば制
限されず、例えば、天然ゴム、クロロプレンゴム、ブチ
ルゴム、塩化ビニルや、PTFE、PFA等のフッ素樹
脂などが挙げられる。ここで、樹脂材料が金属材料に密
着ライニングされているとは、発信された超音波が金属
材料を伝播し、樹脂材料へも適正に伝播できることによ
る。
【0015】このような金属材料と樹脂材料から構成さ
れる二層構造金属体の層構造については、式(1)の関
係にあれば特に制限されるものではないが、測定の目的
にもよるのの、より正確に測定するためには樹脂材料の
厚さが1mm以上あることが好ましい。ここで、上記の
式において、Tsで定義される金属材料の音速及びRs
で定義される樹脂材料の音速とは一定条件下で材料固有
の値であり、本発明において用いられる超音波探傷装置
より発信される超音波が各材料中を伝播する速度を意味
し、その単位はm/s(メートル/秒)で表される。
【0016】本発明の方法に用いられる超音波探傷装置
は、二層構造金属体へ超音波を発信し、その後発信され
た超音波が反射された超音波を受信できる機能を有して
おればよいが、測定精度を高めるためにデジタル式超音
波探傷装置を用いることが好ましい。この超音波探傷装
置の構成部品としては、図1に示すように、発信回路、
超音波探触子、受信器及び指示器を少なくとも有し、こ
れらが連携して接続された構成となっているが、これら
以外にもデータ処理装置等の付帯部品が備えられていて
もよい。さらに、超音波探触子としては、一般的な広帯
域垂直探触子、広帯域点集束型垂直探触子、広帯域二振
動子型垂直探触子などが利用できるが、このうち特に広
帯域垂直探触子を用いることが好ましい。
【0017】上記記載の超音波探傷装置を用いて二層構
造金属体の厚さを測定する方法につき、さらに詳しく説
明する。
【0018】図1は、超音波探傷装置1により金属材料
6の片面に樹脂材料8により密着ライニングされた二層
構造金属体の金属材料の厚さを測定する場合の概略ブロ
ック図の一例を示したものであり、図1において、超音
波探傷装置1は、パルス発信回路2、受信器3、指示器
4、超音波探触子5、及びこれらを接続する配線の構成
要素からなっている。そして、図1には二層構造金属体
を示す外観図と、矢印で示される超音波探傷装置より発
信された超音波の伝播経路についても記載されている。
【0019】この超音波探傷装置を用いた二層構造金属
体の厚さを測定する動作手順は、まず、パルス発信回路
2から発信された電気パルスが、超音波探触子5によっ
て入射超音波10に変換され、金属材料6を介して樹脂
材料8に入射される。そして、金属材料や樹脂材料の表
面、裏面、境界面において1回以上反射された超音波が
最終的に超音波探触子5を経由し、電気信号に変換され
て受信器3に入力され、その出力が指示器4によって金
属材料6と樹脂材料8の両材料のエコーとして表示され
る。
【0020】ここで、入射超音波10は1回以上反射さ
れて超音波探触子5へと伝播していくが、反射の位置、
回数に応じた多種の反射超音波となる。これらのうち、
本発明の方法において用いられ、その受信強度であるエ
コー高さが高い反射超音波について図2も用いて説明す
る。尚、図2は、二層構造金属体の金属材料の厚さを測
定する際に超音波探傷装置1の指示器4に表示される波
形図の一例であり、縦軸はエコー高さを、横軸は超音波
が発信されてから受信されるまでの時間を示す。
【0021】すなわち、入射超音波10は、金属材料6
と樹脂材料8の境界である境界面7で一次境界面超音波
11となり、また、入射超音波10の一部は境界面7を
樹脂材料入射超音波13として通過し、樹脂材料8の裏
面側である樹脂材料裏面9で反射されて一次裏面超音波
14となる。その後一次境界面超音波11は金属材料を
通過して超音波探触子5へと伝播し、図2にある一次境
界面超音波エコーA1として指示器4に表示される。ま
た、一次境界面超音波11の一部は金属材料6の超音波
探触子5側で反射された後、再度境界面7で反射されて
二次境界面超音波12となり、その後金属材料を通過し
て超音波探触子5へと伝播し、図2にある二次境界面超
音波エコーA2として指示器4に表示される。さらに、
一次裏面超音波14は樹脂材料及び金属材料を通過し、
超音波探触子5へと伝播し、図2にある一次裏面超音波
エコーB1として指示器4に表示される。
【0022】このようにして指示器4でこれらのエコー
が表示されるが、その表示方法としては伝播時間を表示
してもよいが、測定対象となる各材料が保有する音速に
合致するように、超音波探傷装置の音速設定値を調整維
持し、感度調整することで距離へ変換して表示させても
よい。そして、本発明を実施することにより、指示器4
に波形が表示され、この表示された波形から各材料の厚
さを計測できる。さらに具体的には、金属材料の厚さは
一次境界面超音波エコーA1と二次境界面超音波エコー
A2との伝播時間差を計測することにより、また、樹脂
材料の厚さは一次境界面超音波エコーA1と一次裏面超
音波エコーB1との伝播時間差を計測することによって
夫々の厚さを単独であるいは同時に測定することができ
る。
【0023】これらのエコーが指示器4に表示される順
番は、一次境界面超音波エコーA1、一次裏面超音波エ
コーB1、二次境界面超音波エコーA2の順となる。図
2にあるように、これらのエコーの超音波が発信されて
から受信されるまで時間として、一次境界面超音波エコ
ー11がtA1、一次裏面超音波エコーB1がtB1、二次
境界面超音波エコーA2がtA2とすると、tA1<tB1
A2の関係となる。これは、本発明の測定の対象が、式
(1)の関係となる二層構造金属体を用いることによる
ものである。すなわち、金属材料の厚さTは、T=(t
A2−tA1)×Ts/2 (本関係式を式(2)とす
る。)、樹脂材料の厚さSは、S=(tB1−tA1)×R
s/2 (本関係式を式(3)とする。)、となる。こ
れは、(tA2−tA1)は超音波が金属材料を重複して伝
播する時間ゆえこれに金属材料を通過する超音波の音速
を乗じた値の1/2が金属材料の厚さとなり、(tB1
A1)は超音波が樹脂材料を重複して伝播する時間ゆえ
これに樹脂材料を通過する超音波の音速を乗じた値の1
/2が樹脂材料の厚さとなるからである。そして式
(2)及び式(3)を式(1)に代入することより、t
A2>tB1の関係となる。さらに、超音波が二層構造金属
体を伝播する経路から必然的に、tB1>tA1となり、上
記の各エコーが表示される順番は常に同じとなる。尚、
A1、tB1、tA2は表示されたエコーが検出されるまで
の時間を示すが、この位置としてエコー波形のピーク、
立ち上がりなど測定時に一定の条件として決めればよ
く、通常数値化しやすい立ち上がりの位置で計測され
る。
【0024】本発明の方法においては、一次裏面超音波
エコーB1が一次境界面超音波11と二次境界面超音波
エコーA2との間にあることがそのエコー高さが高くな
ってノイズ等と明確に区別でき測定の精度を高めるため
に重要である。これら以外の経路をたどる超音波、エコ
ーもあるが、発信された超音波の散乱・減衰によりその
エコー高さが低くなってノイズ等との区別が困難となる
ことがあったり、二次境界面超音波エコーA2よりも遅
くて本発明の測定にはその採用が困難となることがあ
る。
【0025】さらに、図3は図2と同様に二層構造金属
体の金属材料の厚さを測定する際に超音波探傷装置1の
指示器4に表示される波形図の例であるが、二層構造金
属体の樹脂材料が減肉することにより、図3の一次裏面
超音波エコーB1の表示位置が、二次境界面超音波エコ
ーA2の位置に近い当初のtB1sの位置より徐々に一次
境界面超音波エコーA1に近いtB1xの位置へと変化す
ることを示している。これは、前記したように、tA1
B1<tA2の関係を保ったまま各エコーが表示されるた
めであり、金属材料の厚さに実質的な変化がなく樹脂材
料の厚さのみ変化する場合に典型的に表れる。従って、
一次境界面超音波エコーA1、一次裏面超音波エコーB
1、二次境界面超音波エコーA2は常に鋭敏に表示さ
れ、そのことより得られる樹脂材料、金属材料の厚さが
精度よく測定されるものと推定される。
【0026】さらに、二層構造金属体の金属材料部分の
厚さが相対的に薄く、式(1)の関係を満たさない場合
には、図4に示すように、超音波探触子5と樹脂材料8
間に式(1)の関係を満たすような厚さの金属製補助材
15を介在させるか、または、例えば、図5、図6、図
7に示すように耐食性、耐摩耗性の激しい金属材料部分
を式(1)の関係を満たすような厚さに予め加工してお
けばよい。図5においては、金属材料の内面に樹脂材料
を密着ライニングした二層構造金属体で製作された反応
槽の断面図を、図6は図5のCの部分の拡大図、図7は
図5のDの部分の拡大図を示しており、金属材料部分を
式(1)の関係を満たすような厚さに予め加工した部位
の拡大図を示す。尚、図5及び図6の拡大図に示す矢印
は厚さ測定する位置を例示している。そして、このよう
に金属材料部分を予め加工形成した二層構造金属体も、
本発明の範囲にある。
【0027】上記の金属製補助材15に用いられる材質
としては、音速が把握できる金属材料であれば特に限定
されないが、測定をより容易とするために二層構造金属
体中の金属材料6と同一の金属を用いることが好まし
い。
【0028】本発明の方法は測定位置における二層構造
金属体中の金属材料、樹脂材料の厚さを正確に測定でき
るものであり、測定位置を連続的に変化させて二層構造
金属体中の金属材料、樹脂材料の厚さを連続的に測定で
き、さらに、各材料の正確な厚さを測定できることから
特定の測定位置における各材料の厚さを経時的に測定す
ることもでき、設備の管理等に有用な方法である。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0030】実施例1 厚さ:12.0mm、音速:5900m/sの炭素鋼に
密着ライニングされた厚さ:4.0mm、音速:230
0m/sの天然硬質ゴムからなる二層構造金属体から形
成してなる反応槽の金属材料外側に、広帯域垂直探触子
を接触させ、天然硬質ゴムの音速に予め調整維持したデ
ジタル式超音波探傷装置(PANAMETRICS社製
EPOCH−III MODEL2300)により発
した超音波を入射した。その結果、得られた受信器の信
号波形を図8に示す。
【0031】図8から明らかなように、炭素鋼材料と天
然硬質ゴム材料との境界面から反射された一次境界面超
音波エコーA1と二次境界面超音波エコーA2間に、天
然硬質ゴム材料の裏面から反射された一次裏面超音波エ
コーB1が各々単独で検出されると共に種々ノイズエコ
ーが除去され、一次境界面超音波エコーA1と一次裏面
超音波エコーB1間の距離を計測した。その結果、天然
硬質ゴム材料の厚さは4.0mmであった。同様にし
て、一次境界面超音波エコーA1と二次境界面超音波エ
コーA2の距離を測定し、指示器上の4.7mmを得た
後、音速比率分を換算(4.7(mm)×5900(m
/s)/2300(m/s))して、換算値12.1m
mを得た。この結果から、炭素鋼材料及び天延硬質ゴム
材料の厚さは正確に測定されていることが分かった。
【0032】比較例1 図9に示すように、厚さ:4.0mm、音速:5900
m/sの炭素鋼に密着ライニングされた厚さ:4.0m
m、音速:2300m/sの天然硬質ゴムからなる二層
構造金属体の金属材料外側に、広帯域垂直探触子を接触
させ、天然硬質ゴムの音速に予め調整維持したデジタル
式超音波探傷装置(PANAMETRICS社製、EP
OCHIII MODEL2300)により発した超音
波を入射した。その結果、得られた受信器の信号波形を
図10に示す。
【0033】図10から明らかなように、一次境界面超
音波エコーA1と二次境界面超音波エコーA2間に、一
次裏面超音波エコーB1が検出されず、天然硬質ゴム材
料の厚さ測定はできなかった。
【0034】実施例2 比較例1において、図11に示すように、直径:20.
0mm、厚さ:30.0mm、音速:5900m/sの
金属製補助材15を設けた以外は比較例1と同様にして
実施した。その結果、得られた受信器の信号波形を図1
2に示す。
【0035】図12から明らかなように、実施例1と同
じく、一次境界面超音波エコーA1と二次境界面超音波
エコーA2間に、一次裏面超音波エコーB1が各々単独
で検出されると共に種々ノイズエコーが除去され、一次
境界面超音波エコーA1と二次境界面超音波エコーA2
間の距離を計測した。その結果、天然硬質ゴムの厚さは
4.0mmであった。この結果から、天然硬質ゴム材料
の厚さは正確に測定されていることが分かった。
【0036】実施例3 厚さ:12.0mm、音速:5900m/sの炭素鋼に
密着ライニングされた厚さ:2.0mm、音速:150
0m/sのPTFEからなる二層構造金属体から形成し
てなるピースの金属材料の外側に、広帯域垂直探触子を
接触させ、PTFE音速に予め調整維持したデジタル式
超音波探傷装置(PANAMETRICS社製、EPO
CHIII MODEL2300)により発した超音波
を入射した。その結果、得られた受信器の信号波形を図
13に示す。
【0037】図13から明らかなように、一次境界面超
音波エコーA1と二次境界面超音波エコーA2間に、一
次裏面超音波エコーB1が各々単独で検出されると共に
種々ノイズエコーが除去され、一次境界面超音波エコー
A1と一次裏面超音波エコーB1間の距離を計測した。
その結果、PTFE厚さは2.0mmであった。同様に
一次境界面超音波エコーA1と二次境界面超音波エコー
A2の距離を測定し、指示器上の3.0mmを得た後、
音速比率分を換算(3.0(mm)×5900(m/
s)/1500(m/s))して、換算値11.8mm
を得た。この結果から、炭素鋼材料及びPTFEの厚さ
は正確に測定されていることが分かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】超音波を利用する二層構造金属体の厚さ測定方
法を示す概略ブロック図の一例である。
【図2】本発明による金属材料と樹脂材料の厚さを測定
した際に表示される信号波形図であり、縦軸(Y軸)は
エコー高さを、横軸(X軸)は超音波が発信されてから
受信されるまでの時間を示す。
【図3】本発明による金属材料と樹脂材料の厚さを測定
した結果及び樹脂材料の厚さの変化を示す信号波形図で
あり、縦軸(Y軸)はエコー高さを、横軸(X軸)は超
音波が発信されてから受信されるまでの時間を示す。
【図4】本発明に用いる金属製補助材の一例を示す構造
図である。
【図5】二層構造金属体により構成される構造物の一例
であり、金属製補助材の一態様を示す。
【図6】図5のCの部分の拡大図を示す。
【図7】図5のDの部分の拡大図を示す。
【図8】実施例1により表示された信号波形図であり、
縦軸(Y軸)はエコー高さ(%)を、横軸(X軸)は厚
さに変換された値(単位は、mm)を示す。
【図9】比較例1で採用した構造図を示す。
【図10】比較例1により求められた信号波形図であ
り、縦軸(Y軸)はエコー高さ(%)を、横軸(X軸)
は厚さに変換された値(単位は、mm)を示す。
【図11】実施例2で採用した構造図を示す。
【図12】実施例2により求められた信号波形図であ
り、縦軸(Y軸)はエコー高さ(%)を、横軸(X軸)
は厚さに変換された値(単位は、mm)を示す。
【図13】実施例3により求められた信号波形図であ
り、縦軸(Y軸)はエコー高さ(%)を、横軸(X軸)
は厚さに変換された値(単位は、mm)を示す。
【符号の説明】
図において番号は共通のものであり、その番号は以下に
記す。 1:超音波探傷装置 2:パルス発信器 3:受信器 4:指器器 5:超音波探触子 6:金属材料 7:境界面 8:樹脂材料 9:樹脂材料裏面 10:入射超音波 11:一次境界面反射超音波 12:二次境界面反射超音波 13:樹脂材料入射超音波 14:一次裏面反射超音波 15:二次裏面反射超音波 16:金属製補助材 17:入射超音波の侵入位置 A1:一次境界面超音波エコー A2:二次境界面超音波エコー B1:一次裏面超音波エコー C:図5における拡大部分 D:図5における拡大部分
【発明の効果】本発明の方法によれば、二層構造金属体
で構成された貯蔵タンク、反応槽、蒸留塔、洗浄塔、冷
却塔、配管などの設備の金属材料、樹脂材料の厚さを測
定する際に、設備内に入槽、入塔、入管することなく、
設備の外側から樹脂材料の厚さ、あるいは金属材料と樹
脂材料の両方の厚さを同時にかつ正確に測定できると共
に、設備稼働中においても厚さが測定でき、さらに、樹
脂材料の切り出し及び切り出し後の補修が不要となり、
設備の管理等に有用である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属材料の片面に樹脂材料が密着ライニン
    グされた二層構造金属体の厚さを超音波探傷装置を用い
    て測定する方法において、T>R×(Ts/Rs)(式
    中、Tは金属材料の厚さ、Rは樹脂材料の厚さ、Tsは
    金属材料の音速、Rsは樹脂材料の音速を表す。)とな
    る前記二層構造金属体の金属材料表面に前記超音波探傷
    装置の超音波探触子を接触させて金属材料側より超音波
    を発信し、その後受信されるエコーのうち、金属材料と
    樹脂材料との境界面から反射される一次境界面超音波エ
    コーと樹脂材料裏面から反射される一次裏面超音波エコ
    ーとの伝播時間差を検出し、測定位置における樹脂材料
    の厚さに変換することを特徴とする二層構造金属体の厚
    さ測定方法。
  2. 【請求項2】一次境界面超音波エコーと一次裏面超音波
    エコーとの伝播時間差を検出し、測定位置における樹脂
    材料の厚さに変換することに加えて、前記一次境界面超
    音波エコーとそ後に受信される二次境界面超音波エコー
    との伝播時間差を検出し、測定位置における金属材料の
    厚さに変換することを特徴とする請求項1に記載の二層
    構造金属体の厚さ測定方法。
  3. 【請求項3】超音波探触子と樹脂材料の間に金属製補助
    材を介在させることを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載の二層構造金属体の厚さ測定方法。
  4. 【請求項4】超音波探触子が広帯域垂直探触子、広帯域
    点集束型垂直探触子又は広帯域二振動子型垂直探触子で
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    二層構造金属体の厚さ測定方法。
  5. 【請求項5】樹脂材料が天然ゴム、クロロプレンゴム、
    ブチルゴム、塩化ビニル及びフッ素樹脂からなる群より
    選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載の二層構造金属体の厚さ測定
    方法。
  6. 【請求項6】二層構造金属体が、貯蔵タンク、反応槽、
    蒸留塔、洗浄塔、冷却塔又は配管を構成してなるもので
    あることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    二層構造金属体の厚さ測定方法。
  7. 【請求項7】金属材料が炭素鋼及び/又は合金鋼である
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の二層
    構造金属体の厚さ測定方法。
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