JP2000311969A - 銅回路接合基板及びその製造方法 - Google Patents

銅回路接合基板及びその製造方法

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JP2000311969A
JP2000311969A JP11119837A JP11983799A JP2000311969A JP 2000311969 A JP2000311969 A JP 2000311969A JP 11119837 A JP11119837 A JP 11119837A JP 11983799 A JP11983799 A JP 11983799A JP 2000311969 A JP2000311969 A JP 2000311969A
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copper
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conductor layer
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Kazutaka Sasaki
一隆 佐々木
Hirohiko Nakada
博彦 仲田
Hiroshi Hiiragidaira
啓 柊平
Takashi Ishii
隆 石井
Kenjiro Higaki
賢次郎 桧垣
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体素子やリードフレーム等のセラミック
基材への実装時や使用時に、熱応力による基板の破損や
反りを無くし、各接合部の接合強度を高めると共に、冷
熱サイクルにおける信頼性が高い銅回路接合基板を提供
する。 【解決手段】 セラミック基材1上に順に設けた、高融
点金属層2と、融点が1000℃以下でニッケル、銅、
鉄の少なくとも1種を主成分とする金属介在層3と、銅
を主体とする導体層4とを備え、高融点金属層2と金属
介在層3の接合界面における高融点金属と介在層金属の
合金層の厚みが5μm以下で、導体金属と介在層金属と
の合金層の厚みが10μm以下である。導体層4の外周
端縁は金属介在層3の外周端縁の内側に存在する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミック基材に
銅を主体とする導体層を設けた半導体装置用の銅回路接
合基板に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置に用いられる絶縁基材として
は、従来より、酸化アルミニウム系セラミック(Al2
3を主成分とするセラミック、以下アルミナと言
う)、窒化アルミニウム系セラミック(AlNを主成分
とするセラミック、以下窒化アルミニウムと言う)、窒
化ケイ素系セラミック(Si34を主成分とするセラミ
ック、以下窒化ケイ素と言う)等のセラミックが用いら
れている。これらの基材上に、タングステン(W)やモ
リブデン(Mo)を主成分とするメタライズ回路や、銅
(Cu)を主成分とする回路を形成したものが半導体I
C用回路基板として用いられてきた。
【0003】絶縁基材に用いられる上記各セラミックは
電気絶縁性及び機械強度に優れていると共に、高い熱伝
導率を有する。熱伝導率は市販のものでアルミナ、窒化
ケイ素、窒化アルミニウムの順に、17、60、170
W/mK程度である。中でも窒化アルミニウムは、アル
ミナ及び窒化ケイ素とほぼ同等の電気絶縁性と機械的強
度を有しながら、軽量であって、100W/mKを越え
る優れた熱伝導率を備えているため、回路基板用基材と
して最近脚光を浴びている材料である。
【0004】また、これらセラミックの熱膨張率をみる
と、窒化アルミニウムは室温から銀ろう付け温度(約8
00℃)までの平均熱膨張率が5.5×10-6/℃と小
さいため、Si(熱膨張率4.0×10-6/℃)の半導
体チップとの接合整合性は良い。窒化ケイ素は窒化アル
ミニウムに比べて熱伝導率は低いが、その熱膨張率は窒
化アルミニウムとほぼ同程度であるため、最近では厚み
を薄くすることによって熱抵抗を抑え、回路基板用の基
材として利用され始めている。
【0005】しかしながら、窒化アルミニウムを含め上
記各セラミックの熱膨張率は小さいため、その基材上に
形成する導体回路との整合性は満足すべきものではな
い。特に銅(熱膨張率16.7×10-6/℃)を主成分
とする導体回路をセラミック基材上に形成する場合に
は、両者の整合性が悪いため、導体回路の接合段階及び
実際に基板として用いられる実用段階で生じる接合界面
での熱応力により、セラミック基材が破損し易い。この
ため、セラミック基材と銅回路との接合は、通常それら
の間に種々の熱応力緩和のための介在層を介挿して行わ
れてきた。
【0006】一般に、窒化物セラミックスと金属との接
合に関しては、間に種々の介在層を形成した事例が知ら
れている。例えば、特公平2−34908号公報には、
セラミックス側から順に低弾性率金属及び/又は展延性
を有する金属からなる層、脆性材料層、低熱膨張率材料
層を介在させた接合形態が記載されている。しかし、こ
の種の多層介在層による接合は、それぞれの介在層での
熱伝導率を低下させ易いため、放熱基板への適用には実
用上限界がある。
【0007】そこで通常は、窒化アルミニウム基材とリ
ードフレームや外囲器等の金属部材とを接合する場合、
窒化アルミニウム基材の表面にW、Mo等のメタライズ
層を設け、これを介して銀ロウ付けによって接合を行っ
てきた。例えば、特開昭63−289950号公報で
は、窒化アルミニウム上のWメタライズ層に高熱伝導率
で且つ熱緩衝性の高い無酸素銅をリードフレームとして
用い(同公報第1図及び第2図参照)、場合によっては
窒化アルミニウム上のWメタライズ層と無酸素銅リード
フレームに濡れ性を改善するためのNi層を形成して、
これらを銀ロウ付けにより接合している。このWメタラ
イズ層を介して無酸素銅リードフレームを接合する方法
によれば、通常のコバール等のリードフレームに比べ
て、ロウ付け時の加熱による接合界面の熱応力が大幅に
緩和されるため、接合強度の低下は生じない。
【0008】しかし、無酸素銅は軟質であるため、リー
ドフレームとしての形状維持が難しいという問題があ
る。更に、このように銀ロウ層を介して銅系の部材を窒
化アルミニウム基材に接合する場合には、銀ロウと窒化
アルミニウムとの熱膨張差によるロウ付時の熱応力作用
が大きいため、冷却後の窒化アルミニウム基材に割れや
反り等の破損変形が生じ易い。このため、銀リッチで且
つ軟質の特殊で高価な銀ロウ材を用いて冷却時の応力を
低下させたり、銀ロウ層をより薄くするために少量領域
での厳密なコントロールが必要になるという問題があ
る。
【0009】このため、銀ロウ等のロウ材層に代わる方
法として、導体の金属部材を窒化アルミニウム基材に直
接接合する方法が検討されてきた。その1つに、いわゆ
るDBC(ダイレクトボンディングカッパー)法があ
る。例えば、特開昭59−40404号公報には、窒化
アルミニウム基材表面に同焼結体の焼結助剤であるアル
ミニウム、希土類元素、アルカリ土類元素の酸化物から
なる結合層か又は単に窒化アルミニウム自体の酸化層を
形成し、他方の金属部材には少量の同種酸化物結合剤
(酸素のみの場合を含む)を含ませるか又は予めその表
面にこれらの結合層を形成しておき、窒化アルミニウム
基材上の結合層又は酸化層と金属部材又はその結合層と
の親和性を利用して、両者を直接接合する方法が開示さ
れている。例えば、金属部材が銅である場合には、その
表面の銅酸化物を利用し、銅の融点以下且つ銅酸化物と
銅の共晶温度以上の温度範囲で熱処理を行って、表面に
酸化層を形成した窒化アルミニウムと接合している。
【0010】類似の方法が特開昭60−32343号公
報にも開示され、具体的には窒化アルミニウム基材と銅
放熱板との間に薄い活性金属(Ti、Zr、Hfなど)
を含む銅合金共晶層を介在させる接合法が紹介されてい
る。更に、「エレクトロニクスセラミクス」1988年
11月号の第17頁〜21頁には、上記DBC法が報告
されている。これによると、まず窒化アルミニウム基材
表面に数μmまでの薄い酸化アルミニウム層を形成し、
これにCu2O−Al23共晶層を介して銅との接合を
行っている。
【0011】しかしながら、以上のような銅酸化物と銅
の共晶域を利用した銅とセラミックの接合は、上記「エ
レクトロニクスセラミックス」中の図4に記載のよう
に、セラミック基材上の酸化物層の厚みを狭い範囲でコ
ントロールしない限り、接合強度のバラツキが大きくな
る。また、この方法でも、基本的には、窒化アルミニウ
ムと銅部材間の酸化アルミニウムとの熱膨張率差によ
り、基板の割れや反り等の破損変形が生じ易い。更に、
1000℃付近での銅−酸化銅共晶接合のため、特殊な
酸素分圧雰囲気を作る必要があるうえ、これによって銅
部材表面が酸化される結果、銅部材に更に半田接合を行
う際には表面を研磨するなど、余分の手間がかかる。ま
た、銅部材を窒化アルミニウム基材に実装する場合、そ
の非実装部を設ける際の位置決め及び実装する溶融部と
の境目を再現性よく形成するための手間がかかる。
【0012】尚、上記特開昭60−32343号公報を
はじめとして、特公平7−77989号公報、特許第2
712278号公報等に記載の活性金属による接合方法
では、高価な活性金属ロウ材が必要となり、ロウ付時に
は10-4Torr以下の高い真空度が必要となる。ま
た、窒素中でのロウ付時には予めロウ材に多量のTiを
含有させるなど、特殊な金属ロウ材の調整を必要とする
場合が多い。更に、活性金属ロウ材を用いると、セラミ
ック基材との界面にボイドが生じなくなるため割れやす
く、上記ロウ材のため熱抵抗が増加する恐れもある。ま
た、特開平9−24733号にも同様の接合方法が開示
されているが、銀ロウ材を用いる場合には上述したボイ
ドの発生が生じやすくなり、また、樹脂を用いて導体を
接合する方法では熱抵抗が大きくなるという問題が生じ
易い。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記のごとく、従来の
銅部材とセラミック基材とを酸化層若しくは活性化金属
ロウ剤層を介在させて直接接合する方法では、銅とセラ
ミックの熱膨張差のために、製造時や使用時に発生する
熱応力によってセラミック基材に割れや反りを生じさせ
たり、銅部材の剥離を生じさせるなど、著しく信頼性に
欠けるという欠点があった。また、銅共晶による接合で
は酸化雰囲気を接合界面に導入するため銅部材表面に溝
を形成する必要があり、活性金属ロウ材を用いて接合す
る場合には回路形成のエッチング時にエッチング液の周
り込みがあるため、セラミック基材と銅部材の間に空間
が発生して放電の原因となったり、接合強度のバラツキ
が大きくなりやすいうえ、接合方法が繁雑でコストの増
加を招いていた。
【0014】本発明者らは、先に特願平8−33683
0号により、上記した従来の問題点を解決し、導体層の
接合時や使用時の熱応力によって生じるセラミック基材
の破損変形を防止でき、導体層とセラミック基材間の空
間に発生する放電現象を回避することが可能であって、
コストの抑制を図ると共に、安定した接合強度が得られ
る銅回路接合基板を提案した。即ち、この銅回路接合基
板は、セラミック基材と、セラミック基材上に該基材側
から順に設けた、主に高融点金属からなる高融点金属層
と、融点が1000℃以下でニッケル、銅、鉄の少なく
とも1種を主成分とする金属介在層とを備え、該金属介
在層上に銅を主体とする導体層を接合したものである。
【0015】本発明は、上記の特願平8−336830
号に提案した導体回路接合基板に更に改良を加え、実装
時や実用時の熱応力による基板の部分的な破損や全体的
な反りを無くし、各接合部の接合強度を高めると共に、
冷熱サイクルにおける信頼性が高く、最も使用環境が過
酷で基板サイズが大きな工作機械、電気自動車、電鉄等
の用途のハイパワーモジュール用として好適であって、
更には半導体素子が実装される導体表面の凹凸が少な
く、実装時の接合ずれをも抑制できる、銅回路接合基板
を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、セラミック基材と導体層の間に高融点金属層と金属
介在層を備えた接続構造において更に高融点金属層の信
頼性向上の検討を行った結果、高融点金属と金属介在層
の接合界面における高融点金属と介在層金属の合金層の
厚みを制御すること、更には導体層と金属介在層の接合
界面における導体金属と介在層金属の合金層の厚み、並
びに高融点金属層の相対密度を特定の範囲に制御するこ
とによって、実装時や使用時の接合信頼性及び耐久信頼
性が一層向上することを確認し、本発明に至ったもので
ある。
【0017】即ち、本発明が提供する銅回路接合基板
は、セラミック基材と、セラミック基材上に該基材側か
ら順に設けた、主に高融点金属からなる高融点金属層
と、融点が1000℃以下でニッケル、銅、鉄の少なく
とも1種を主成分とする金属介在層と、銅を主体とする
導体層とを備えた銅回路接合基板であって、前記高融点
金属層と金属介在層の接合界面における高融点金属と介
在層金属との合金層の厚みが5μm以下であることを特
徴とする。
【0018】また、上記本発明の銅回路接合基板におい
ては、前記導体層と金属介在層の接合界面における導体
金属と介在層金属との合金層の厚みが10μm以下であ
ることを特徴とする。更に、この銅回路接合基板におけ
る前記高融点金属層の相対密度が60%以上であるこ
と、及び高融点金属層とセラミック基材との接合強度の
バラツキが±30%以下であることを特徴とする。
【0019】上記本発明の銅回路接合基板は、放熱性に
優れたセラミック基材上に銅を主体とする導体層を設け
たものであり、冷熱サイクルにおける信頼性が高く、ハ
イパワーモジュールに代表される半導体装置用の基板と
して好適である。更に、この導体層に半導体素子をダイ
ボンディングすることによって、ハイパワーモジュール
等の半導体装置を提供することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明においては、セラミック基
材と銅を主体とする導体層との間に、高融点金属層と、
融点が1000℃以下でニッケル、銅、鉄の少なくとも
1種を主成分とする金属介在層とを備え、高融点金属層
と金属介在層の接合界面における高融点金属−介在層金
属合金層の厚みを5μm以下とし、好ましくは更に導体
層と金属介在層の接合界面における導体金属−介在層金
属合金層の厚みを10μm以下に制御することにより、
合金生成時の収縮が引き起こす接合界面における接合欠
陥の発生を抑制し、且つ表面の反りを低減することがで
きる。
【0021】本発明で用いるセラミック基材は、通常の
窒化アルミニウム、窒化ケイ素、又はアルミナであって
良く、Y23等の土類元素化合物、CaO等のアルカリ
土類元素化合物、又はその両方を添加したもの、及び必
要によりTiN等の他の遷移元素化合物のような各種添
加成分を含むことができる。また、セラミック基材の相
対密度が95%未満では強度が低下し、熱衝撃に対する
信頼性が低下することがあるため、95%以上であるこ
とが好ましく、98%以上が更に好ましい。尚、セラミ
ック基材の高融点金属層形成面には予め酸素を含む薄層
が形成されていても良く、更にはセラミック基材が例え
ばAl、Si、希土類元素、アルカリ土類元素等の酸化
物を含むものであっても良い。
【0022】セラミック基材の表面上に設ける高融点金
属層の役割は、メッキ析出やロウ流れ安定化のため及び
一般的な表面金属化処理だけに留まらず、銅を主体とす
る導体層とセラミック基材の熱膨張率差によって生ずる
熱応力を高融点金属層が受け止め、セラミック基材に加
わる熱応力を緩和する。また、高融点金属層の組織が微
細であるほど安定した高い接合強度が得られ、そのため
には高融点金属層の相対密度を60%以上とすることが
好ましい。更には、相対密度60%以上の微細な組織の
高融点金属層とすることで表面が平滑になり、好ましく
は表面粗さを平均粗さRaで4μm以下にすることによ
って、応力緩和効果を安定させ、接合部強度のバラツキ
を低減し、冷熱サイクルに対する特性をより一層向上さ
せることができる。
【0023】かかる高融点金属層の主成分は、例えば、
W、Ta、Ti、Zr、Mo等の高融点金属である。こ
の高融点金属層には、セラミック基材との接合性を改善
するため、基材となる焼結体中に添加される上記希土類
元素、アルカリ土類元素、Si、Al、並びにその他の
遷移元素を含むガラスフリットを含んでいても良い。高
融点金属層の焼付け後の成分構成は高融点金属を80体
積%以上とし、前述のようなガラスフリットを20体積
%以下とすることが好ましい。高融点金属が80体積%
未満では高融点金属層の熱伝導性が低下し易くなり、ガ
ラスフリットが20体積%を越える場合も同様である。
また、焼付け後の高融点金属層の厚みは3〜50μmに
制御するのが望ましい。厚みが3μm未満ではセラミッ
ク基材との接合強度が低下し易く、また厚みが50μm
を越えると金属介在層形成後の反り量が増す傾向が大き
くなるからである。
【0024】高融点金属層上に設ける金属介在層は、1
000℃以下で溶融し、高融点金属層と銅を主体とする
導体層とを接合せしめると共に、高融点金属層と銅を主
体とする導体層とセラミック基材の熱膨張率差によって
生ずる熱応力を緩和する。このような金属介在層として
は、一般的な銀ロウや活性化金属ロウに比べて発生する
熱応力を低減せしめるために、硬度が低いか、若しくは
簡単に厚みを薄くできる材質が好ましく、具体的にはN
i、Cu、Feの少なくとも1種を主成分とした融点1
000℃以下のものとする。特にNi−Pの組成を有す
るものが好適な金属介在層の一つであり、中でもNi−
Bの組成を有する層の上にNi−Pの組成を有する層を
積層した構造が好ましい。
【0025】金属介在層の厚みとしては2〜40μmの
範囲が好ましく、5〜20μmの範囲が更に好ましい。
金属介在層の厚みが2μm未満では接合に十分な液相が
得られ難く、それによって熱抵抗が増大したり、導体層
とセラミック基材に熱収縮差に起因する応力が集中する
ことがある。また、厚みが40μmを越えると、例えば
Ni−Pのようにヤング率の高い金属では、セラミック
基材との接合面積が大きくなるに伴って同基材との熱応
力差の絶対量が大きくなり、セラミック基材に過大な応
力がかかるため基板の強度劣化に懸念がある。
【0026】上記の高融点金属層と金属介在層を介して
セラミック基材に接合される銅を主体とする導体層とし
ては、無酸素銅、タフピッチ銅等の銅単体を初め、銅モ
リブデン合金、銅タングステン合金、銅モリブデン・タ
ングステン合金等の銅合金、あるいは高い電気伝導度と
低い熱膨張率を兼ね備えた銅−モリブデン−銅のような
クラッド材を挙げることができる。尚、この導体層上に
は、必要に応じて、例えばコバール等のFe−Ni−C
o系合金、42アロイ等のFe−Ni系合金、Ni及び
その合金、Cu及びその合金、W、Mo又はこれらの合
金等からなり、半導体装置としてセラミック基材の外囲
に配設される金属部材が直接又は間接に接合されていて
も良い。
【0027】また、上記導体層の長さ及び幅を前記金属
介在層のそれらよりも0.05mm以上小さくするこ
と、及び導体層の外周端縁が金属介在層の外周端縁の内
側にあるように配置することによって、導体層とセラミ
ック基材との間に放電現象が生じるのを避け、信頼性の
高い半導体装置用銅回路接合基板を提供することができ
る。また、この配置によって、導体層からセラミック基
材にかかる応力の集中箇所と金属介在層からセラミック
基材にかかる応力の集中箇所とを分離することができる
ため、セラミック基材が局所的に受ける応力を低減して
破損や変形等を防止することができる。
【0028】上記した本発明の銅回路接合基板において
は、銅を主体とする導体層と該導体層の少なくとも最外
表面上に、必要に応じて更に導体層の側面及び該導体層
によって被覆されていない金属介在層の最外表面上に、
ニッケルを主体とする外層を形成することができる。こ
のニッケルを主体とする外層を設けることによって耐湿
性を向上させ、より信頼性の高い銅回路接合基板とする
ことができる。
【0029】次に、本発明の銅回路接合基板の製造方法
を説明する。まず、前記したセラミック基材の表面上に
高融点金属層を形成する。その方法の一つは、予め焼結
体からなるセラミック基材を用意し、必要により前記し
た酸素含有薄層の形成等の表面処理を行った後、この基
材上にポストファイアメタライズ法により高融点金属層
を焼き付ける方法である。即ち、高融点金属を主成分と
する金属単体若しくはその混合物に、必要に応じて前記
ガラスフリットを含ませ、更に有機バインダーと有機溶
媒(バインダー粘度調整剤)を混ぜたペーストを、上記
セラミック基材表面に印刷等により塗布した後、焼成し
て高融点金属層とする。
【0030】別の方法として、所定の組成に配合したセ
ラミック原料粉末に成形用有機バインダーを加えて成形
した成形体に、上記と同様の高融点金属ペーストを同様
に塗布した後、成形体の焼結と同時にペーストを焼き付
けるコファイアメタライズ法がある。この方法の場合に
も、安定した高い接合強度と緻密な高融点金属層組織を
得るためには、焼結不足や過焼結を起こさず且つ高融点
金属層の相対密度が60%以上になるように、十分な焼
結条件の検討が必要である。
【0031】上記のいずれの方法においても、高融点金
属ペーストの焼成の際には、安定した高い接合強度を得
るため、高融点金属層の相対密度が60%以上となるよ
うに焼結温度や時間の制御に注意する必要がある。焼結
が不十分であると高融点金属層の組織が粗くなり、その
相対密度が60%未満となって接合強度の安定性に欠
け、逆に過焼結の場合には組織が粗大化して機械的強度
の低下を引き起こすからである。また、ペースト中の高
融点金属粒子は、好ましくは平均粒径1μm以下で可能
な限り微粒を用い、また平均粒径の異なる2種以上のも
のを用いることが望ましい。コファイアメタライズ法で
はセラミックの焼結助剤等についても低温で液相を形成
するものを選ぶことが好ましく、これにより一層低温で
の同時焼結や、基材と高融点金属層の双方の収縮率を同
程度にすることが可能となり、焼結時の基材の破損変形
を防止することができると共に、得られるセラミック基
材の結晶粒子が微細になり、基材の機械的強度が上がる
ことも期待される。
【0032】以上のごとく高融点金属層を形成した後、
この高融点金属層上にNi、Cu、Feの少なくとも1
種を主成分とする融点1000℃以下の金属介在層を形
成する。尚、金属介在層は、上記の(1)高融点金属層上
に形成する場合以外に、(2)相手側である銅を主体とす
る導体層上に形成しても良いし、又は(3)高融点金属層
上と銅を主体とする導体層上の双方に形成することもで
きる。特に前述のように金属介在層としてNi−P系の
組成物を用いることにより、金属Ni自体の溶融温度よ
りも低い温度でNi−Pの共融体が界面に形成され、反
応が促進されてNiが溶融するため、高融点金属層や導
体層との良好な接合を得ることができる。また、必要に
応じて、金属介在層として異なる組成の2層以上を積層
形成することもできる。例えば、その代表例であるNi
−P組成を有する層を高融点金属層上に施す場合、高融
点金属層上に予めNi−B組成のメッキ層を形成した
後、その上にNi−P組成のメッキ層を形成することも
できる。
【0033】尚、金属介在層はメッキにより形成するこ
とが好ましく、その方法としては電解メッキ又は無電解
メッキのいずれでも良い。また、金属介在層の形成方法
としては、メッキ以外にも、印刷、蒸着等の方法を採用
することもできる。このようにして形成した金属介在層
は、窒素含有雰囲気等の非酸化性雰囲気中で焼成するこ
とが好ましい。
【0034】その後、上記(1)〜(3)のいずれかの組み
合わせで形成した金属介在層を挟んで、セラミック基材
と銅を主体とする導体層を形成するための素材とを向き
合わせて当接配置し、窒素含有雰囲気等の非酸化性雰囲
気中か又は真空中において導体層の融点以下の温度で焼
成することにより、導体層の接合を行う。接合時の温度
が導体層の融点を越えると、接合後の導体層において所
望の寸法が得られなくなると共に、導体層は予め一定の
回路パターンを形成しているため、このパターンが崩
れ、場合によってはパターンが短縮する危険がある。
尚、上記接合のため焼成の際に、必要に応じて、例えば
炭素質、アルミナ質、窒化アルミニウム質等の耐火物を
素材とする治具を用いて双方の仮固定を行うと共に、更
に必要であれば、両者を積層した上に適当な荷重をかけ
てもよい。
【0035】このようにして得られる本発明の半導体装
置用の銅回路接合基板においては、各接合部の接合強度
として剥離強度で0.5kg/mm以上の高い強度を達
成でき、しかもその接合強度のバラツキが±30%以下
と極めて安定した接合が得られる。
【0036】
【実施例】実施例1 平均粒径1μmのAlN粉末、Si34粉末、及びAl
23粉末のいずれか1種と、平均粒径0.6μmのY2
3粉末と、平均粒径0.3μmのCaO粉末とを、それぞ
れ97重量%、1.5重量%、1.5重量%となるように
秤取し、エタノール溶媒中ボールミルにて24時間均一
混合し、焼結助剤がY23−CaOからなるAlN系、
Si34系、及びAl23系の3種の混合粉末を得た。
更に、これらの混合粉末100重量部に有機バインダー
としてPVBを10重量部加え、混練してスラリー化し
た。このスラリーの一部を噴霧乾燥し、得られた粉末を
成形プレスして成形体とした。
【0037】これらの成形体から半数を選び、AlN及
びSi34を主成分とする各成形体は窒素雰囲気中にて
1700℃で5時間、Al23を主成分とする成形体は
大気中にて1600℃で5時間それぞれ焼結した。得ら
れた焼結体の相対密度(理論密度を100%としたとき
水中法で測定した実測密度の比率)はいずれも99%で
あり、表面には実用上問題となるような空孔等の欠陥は
無かった。また、レーザーフラッシュ法で測定した熱伝
導率は、AlN焼結体が150〜160W/mK、Si
34焼結体が50〜60W/mK、Al23焼結体が3
0〜40W/mKであった。
【0038】上記各焼結体の片方の主面に高融点金属ペ
ーストを塗布し、ポストファイアメタライズ法により高
融点金属層を形成した。即ち、下記表1に示す配合割合
となるように、高融点金属として平均粒径の異なる第1
及び第2の2種類のW粉末をボールミルに少量ずつ添加
し、SiO2−CaO−B23系ガラス粉末、有機バイ
ンダー、及び溶剤と混練して高融点金属ペーストを作製
し、スクリーン印刷により各焼結体に塗布した。これを
窒素雰囲気中で脱バインダーし、窒素雰囲中で1650
℃にて1時間焼成して高融点金属層を形成した。
【0039】一方、残りの半数の成形体については、コ
ファイアメタライズ法により高融点金属層を形成した。
即ち、高融点金属として平均粒径の異なる1種類のW粉
末を用いた以外は上記と同様に高融点金属ペーストを作
製し、これを各成形体の片方の主面にスクリーン印刷に
より塗布し、窒素雰囲気中600℃で脱バインダーした
後、窒素雰囲気中にて1700℃で5時間焼成して、各
々の成形体を焼結すると共に高融点金属ペーストを焼き
付けた。
【0040】
【表1】 W粒径(μm) W量(wt%) カ゛ラス量 ハ゛インタ゛ー量 溶剤試料 基材材質 製法 第1 第2 第1 第2 (wt%) (wt%) (wt%) 1 AlN PF 0.8 0.2 50 35 5.9 4.1 5 2 AlN CF 1.0 − 85 − 5.7 4.3 5 3 Si3N4 PF 0.7 0.2 55 30 5.8 4.2 5 4 Si3N4 CF 0.8 − 85 − 6.2 3.8 5 5 Al2O3 PF 0.6 0.2 65 20 5.8 4.2 5 6 Al2O3 CF 1.0 − 85 − 5.0 5.0 5 (注)表中のPFはポストファイアメタライズ法を、CFはコファイアメタライ ズ法を意味する。
【0041】以上の工程で得たW高融点金属層を形成し
たメタライズ基板は、ポストファイアメタライズ法及び
コファイアメタライズ法共に、サイズは全て幅50mm
×長さ50mm×厚み0.8mmであり、W高融点金属
層の厚みは20±10μmの範囲内に入っていた。
【0042】次に、上記の各試料の中から10枚ずつ選
び、W高融点金属層の表面上にNi−Pメッキを行い、
窒素雰囲気中において600℃で30分間キープして同
メッキを焼成した。得られたNi−Pメッキからなる金
属介在層にはフクレ、ハガレ等の異常は見られなかっ
た。また、いずれの試料もメッキ厚は8±2μmの範囲
内に入っていた。
【0043】これらの各試料の金属介在層上に、導体層
として長さ及び幅が共に高融点金属層と同じで、厚みが
0.3mmのJIS C1020の電気銅素材を載せ、黒
鉛製のセッター上に並べ、窒素気流中において970℃
×30分間の焼成により無負荷での接合を行った。この
ようにして、図1に示すように、セラミック基材1上に
Wの高融点金属層2、Ni−Pの金属介在層3、及び銅
からなる導体層4が、この順に接合された銅回路接合基
板が得られた。尚、接合後の各試料について超音波探傷
面分析をした結果、異常な欠陥は認められなかった。更
に、接合後の各試料の断面を1000倍のSEM(走査
型電子顕微鏡)で観察したところ、各試料の界面にはク
ラックやピンボール等は認められなかった。
【0044】得られた各試料ごとに、接合強度としての
剥離強度と導体層最外表面の反り量を測定し、その結果
を下記表2に示した。尚、接合部の剥離強度について
は、図2に示すように、セラミック基材1の高融点金属
層2上に設けた金属介在層3に厚さ0.1mm×幅4.0
mmの導体層4を長さL=3mmになるように接合し、
導体層4の一端から上方に直角に突出させた把持部4a
を20mm/分の速度で上方に引っ張ることにより測定
した。また、反り量については、導体層を上にして定盤
上に乗せた状態で対角線上の長さを実測すると共に、対
角線上での定盤面からの最大高さと最小高さとの差を測
定し、これを対角線上の対角線長さ1mm当たりに換算
した値をもって反り量とした。
【0045】尚、W高融点金属層を形成した各メタライ
ズ基板について、その体積と重量を測定して密度を算出
した後、W高融点金属層を研削除去して再度同じ方法で
密度を測定し、W高融点金属層の相対密度を算出した。
また、最終的に得られた各試料を切断し、常温硬化性エ
ポキシ樹脂中に埋め込んで常圧硬化させ、鏡面研磨して
接合界面を出した後、その面分析を行って各接合界面に
おけるWNi合金層とCuNi合金層の厚みをそれぞれ
測定した。これらの結果も下記表2に併せて示した。
【0046】
【表2】 W層密度 導体層剥離強度 基板反り量 合金厚み(μm) 試料 (%) 平均(kg/mm) ハ゛ラツキ(%) (μm/mm) WNi層 CuNi層 1 85 1.2 ±10 1.9〜2.2 1 4 2 90 1.3 ±10 0.8〜1.2 2 5 3 88 1.2 ± 9 1.0〜1.2 4 4 4 83 1.4 ±12 1.5〜2.0 4 6 5 87 1.3 ± 9 1.4〜1.7 2 5 6 88 1.2 ±11 1.4〜1.8 4 4
【0047】比較例1 実施例1と同一組成のAlNを主成分とする成形体の片
方の主面上に、同じく実施例1と同じ高融点金属ペース
トを印刷塗布し、窒素雰囲気中にて600℃で脱バイン
ダーした後、窒素雰囲気中にて下記表3に示す条件で焼
成した。得られた各メタライズAlN基板のサイズは全
て幅50mm×長さ50mm×厚み0.8mmであり、
W高融点金属層の厚みは20±10μmの範囲内に入っ
ていた。これらの各試料のメタライズ基板に、実施例1
と同様にしてNi−Pメッキの金属介在層を形成し、更
に接合温度を20℃上げ且つ保持時間を2倍にして(9
90℃×60分の条件で)電気銅素材を接合した。
【0048】上記比較例の各試料について、実施例1と
同様にW高融点金属層の相対密度を求めると共に、導体
層の剥離強度、導体層表面の反り量、WNi合金層及び
CuNi合金層の厚みを測定し、その結果を下記表3に
示した。また、超音波探傷の結果から比較例の各試料の
中央部付近に未接合部が観察され、接合界面の面分析時
においても界面に未接合部が観察された。この未接合部
は冷熱サイクルにおいて応力集中箇所となり、信頼性の
低下を招く恐れがあると同時に、熱抵抗の増大をもたら
す恐れがある。
【0049】
【表3】 焼成条件 W層密度 導体層剥離強度 反り量 合金厚み(μm) 試料 (℃×hr) (%) 平均(kg/mm) ハ゛ラツキ(%) (μm/mm) WNi層 CuNi層 7 1650×7 50 0.9 ±38 3.3〜3.5 8 12 8 1700×2 55 1.0 ±35 3.5〜3.7 10 11
【0050】以上の実施例1と比較例1の結果から分か
るように、W高融点金属層の相対密度が低く、W高融点
金属層の接合強度のバラツキが大きなものは、銅導体層
との接合界面において合金層の厚みが大きく、反り量も
目標値である3μm/mmを越えており、実用上におい
て目標を満足し得ない。
【0051】尚、ポストファイアメタライズ法とコファ
イアメタライズ法を比べると、以下の点が明らかであ
る。コファイアメタライズ品の剥離強度はポストファイ
アメタライズ品のそれに比べると高いが、これは成形体
の焼結と同時にWペーストを焼付けるコファイアメタラ
イズ法では、WとAlN等の焼結体がいわゆるアンカー
効果によって強固に接合する上に、Wそのものも緻密に
なるためである。また、ポストファイアメタライズ品の
面粗さはコファイアメタライズ品に比べて優れている。
これは、コファイアメタライズ品では成形体にWペース
ト中の溶剤が吸収されやすく、印刷後にWペーストの厚
い部分が薄い部分に移動するいわゆるレベリング効果が
少ないのに対し、ポストファイアメタライズ品は焼結基
材上にWペーストを印刷するため溶剤の吸収が起こら
ず、その結果レベリング効果が大きくなることによるも
のと考えられる。
【0052】実施例2 上記実施例1のコファイアメタライズ法で作製した試料
2、4、6の各メタライズ基板を用い、そのW高融点金
属層の上に実施例1と同様に金属介在層としてNi−P
メッキを行った。次に、厚みが0.3mmであって幅及
び長さが異なる電気銅素材を用意し、これらの銅素材を
導体層として各試料の金属介在層上に実施例1と同様に
接合した。尚、導体層と金属介在層の寸法差は(金属介
在層の寸法−導体層の寸法)とし、その値について幅方
向は下記表4の△W欄、及び長さ方向は△L欄に示し
た。
【0053】得られた各試料の銅接合基板について超音
波探傷面分析及び1000倍のSEM分析を行ったが、
異常な欠陥、クラックやピンホール等は認められなかっ
た。また、得られた各試料について、実施例1と同様に
剥離強度と反り量を測定し、更に導体層の外周端縁が金
属介在層の外周端縁からはみ出しているか否かを確認す
ると共に、AC1000Vの電圧を10分間印加する試
験を5回繰り返し、導体層とセラミック基材の間の電気
絶縁耐圧を確認した。これらの結果を、下記表4に併せ
て示した。尚、表4中の絶縁耐圧の表示は、5回の電圧
印加前後で耐圧の劣化が全くないものを○、3回までの
電圧印加後に耐圧劣化があるものを△、初回の電圧印加
後に耐圧劣化があったものを×で示した。
【0054】
【表4】 寸法差(mm) 導体層の 剥離強度 反り量試料 基材材質 △L △W はみ出し (kg/mm) (μm/mm) 絶縁耐圧 9 AlN −0.03 −0.03 有り 0.3〜0.5 2.2〜2.5 × 10 AlN 0 0 無し 1.8〜2.3 2.0〜2.3 △ 11 AlN +0.03 +0.03 無し 1.6〜2.4 2.0〜2.2 △ 12 AlN +0.05 +0.05 無し 1.9〜2.2 1.9〜2.2 ○ 13 AlN +0.5 +0.5 無し 2.0〜2.2 1.8〜2.2 ○ 14 AlN +2.0 +2.0 無し 2.2〜2.4 1.7〜2.0 ○ 15 Si3N4 −0.5 −0.5 有り 0.4〜0.6 2.2〜2.5 × 16 Si3N4 0 0 無し 1.6〜1.9 1.8〜2.4 △ 17 Si3N4 +0.05 +0.05 無し 1.6〜1.8 1.7〜2.3 ○ 18 Si3N4 +1.0 +1.0 無し 1.9〜2.2 1.8〜2.4 ○ 19 Al2O3 0 0 無し 1.4〜1.7 1.8〜2.5 △ 20 Al2O3 +0.05 +0.05 無し 1.6〜1.8 1.7〜2.4 ○ 21 Al2O3 +1.0 +1.0 無し 1.9〜2.2 1.6〜2.3 ○
【0055】この結果から明らかなように、導体層の長
さ及び幅がその直下の金属介在層のそれよりも大きく、
導体層の外周端縁が金属介在層の外周端縁からはみ出し
ている試料では、初回10分の電圧印可後に絶縁耐圧の
劣化が確認された。また、導体層の外周端縁が金属介在
層の外周端縁からはみ出しておらず、寸法差△L及び△
Wが+0.05mm未満の試料では、3回目の電圧印加
終了後に絶縁耐圧の劣化が確認された。これに対して、
導体層の外周端縁が金属介在層の外周端縁からはみ出し
ておらず、△L及び△Wが+0.05mm以上の試料で
は、5回の電圧印加後においても全く絶縁耐圧の劣化が
確認されなかった。
【0056】実施例3 以上の各実施例の各試料のうち、試料2、4、6、1
3、18、21の各基板を20個ずつ選び、その半数の
主面上に主成分がNiである外層を2μmの厚みで形成
した。即ち、図3に模式的に示すように、導体層4の寸
法を金属介在層3のそれよりも小さくした試料13、1
8、21では、導体層4の上面と側面及び導体層4によ
って被覆されていない金属介在層3の露出した上面をN
iの外層5で被覆し、金属介在層3及び高融点金属層2
の側面並びにセラミック基材1の露出した面にはNiの
外層を設けていない。また、導体層と金属介在層が同じ
寸法の試料2、4、6では、導体層の上面にのみNiの
外層を形成した。
【0057】これらの各試料について、−50℃×15
分→+140℃×15分の条件で1000サイクルのヒ
ートサイクル試験を行い、その前後の超音波探傷面分析
及び断面のSEM分析を行った結果、いずれの試料でも
実用上問題となるような欠陥は確認されなかった。
【0058】また、上記の残り半数の試料(Ni外層な
し)とNiの外層を形成した各試料について、温度60
℃且つ湿度90%の条件下で2時間の耐湿試験を5回繰
り返し、各耐湿試験毎に各試料の目視評価を行って、特
に導体層主面の変色、変質状況を確認した。また、各試
料は耐湿試験前後に導体層主面のX線回析により、その
表面の相の変化を確認した。
【0059】その結果、Niを主成分とする外層を形成
することによって耐湿性が格段に向上し、外層を形成し
た試料はいずれも5回の耐湿試験後も導体層主面の変色
や変質、及びその表面の相の変化は認められなかった。
しかしながら、Niの外層を形成していない試料では、
初回の耐湿試験後に、導体層の表面に薄い亜酸化銅の層
が形成され、変質が確認された。
【0060】実施例4 以上の各実施例で作製した基板試料の中から、試料2、
4、6、13、15、18、21と、これらの最外表面
にNiの外層を設けた各試料(実施例3)、比較例1で
作製した試料7及び8、並びに導体層が金属介在層から
はみ出している試料9及び15(実施例2)の各銅回路
接合基板を用いて、図4に示す構造の半導体装置をそれ
ぞれ製造した。ただし、この実施例4で用いた上記各試
料の銅回路接合基板は、例えば図5に示すように、セラ
ミック基材1の両表面に、Wの高融点金属層2と、Ni
−Pの金属介在層3と、Cuの導体層4とをこの順序に
接合した構造とし、上記のごとく試料によっては主面に
必要なNiの外層を形成してある。
【0061】このような構造を有する各銅回路接合基板
を図5に示すように共晶半田7を用いてCu−W合金製
の放熱板6上に接合し、更に通常のごとく半導体素子8
をダイボンディングしてリード9で接続した。これを図
4に示すように、複数の外部端子11を備えたケーシン
グ10に収納し、樹脂12を充填してそれぞれ半導体装
置とした。
【0062】得られた各半導体装置を、−50℃×15
分→+140℃×15分の条件で1000サイクルのヒ
ートサイクル試験にかけ、超音波探傷面分析により欠陥
の発生率を求めると共に、20倍の実体顕微鏡でCuの
導体層と金属介在層の接合界面における欠陥の有無を調
査し、試料100個に対する良品率を求めた。これらの
結果を、装置試料ごとに、用いた基板試料と共に下記表
5に示した。
【0063】
【表5】試料 基板試料 欠陥発生率(%) 良品率(%) 22 2 0 95 23 4 0 94 24 6 0 93 25 13 0 96 26 18 0 95 27 21 0 95 28 2+Ni層 10(実用可能) 81 29 4+Ni層 12(実用可能) 79 30 6+Ni層 11(実用可能) 82 31 13+Ni層 10(実用可能) 77 32 18+Ni層 12(実用可能) 79 33 21+Ni層 12(実用可能) 79 34 9 40(実用不可能) 52 35 15 45(実用不可能) 55
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、銅やコバール等製のリ
ードフレームのような金属部材からなる導体層を窒化ア
ルミニウム等のセラミック基材上に実装する際に、従来
のロウ付けや共晶接合で生じていたセラミック基材の破
損や変形をなくし、反りを抑えると共に、接合強度が高
く、部分放電劣化も生じにくい、信頼性の高い半導体装
置用の銅回路接合基板を簡単且つ安価に提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の銅回路接合基板の具体例を示す概略の
断面図である。
【図2】本発明における剥離強度の測定方法を説明する
ための断面図である。
【図3】本発明の銅回路接合基板の別の具体例を示す概
略の断面図である。
【図4】実施例4で作製した半導体装置を示す概略の一
部切欠側面図である。
【図5】実施例4で作製した銅回路接合基板を放熱板に
接合した部材を示す概略の断面図である。
【符号の説明】
1 セラミック基材 2 高融点金属層
3 金属介在層 4 導体層 5 外層
6 放熱板 7 共晶半田 8 半導体素子
9 リード 10 ケーシング 11 外部端子
12 樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柊平 啓 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 石井 隆 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 桧垣 賢次郎 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 Fターム(参考) 4E351 AA07 AA09 AA12 BB30 BB31 BB33 BB35 BB36 BB38 CC12 CC23 CC31 CC33 DD04 DD11 DD14 DD17 DD19 DD21 DD52 EE10 EE11 GG02 GG04 GG12 5E343 AA02 AA23 AA39 BB13 BB14 BB17 BB18 BB24 BB35 BB39 BB40 BB43 BB44 BB52 BB67 BB72 BB73 BB75 BB77 DD02 DD64 ER37 ER39 GG02 GG16

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック基材と、セラミック基材上に
    該基材側から順に設けた、主に高融点金属からなる高融
    点金属層と、融点が1000℃以下でニッケル、銅、鉄
    の少なくとも1種を主成分とする金属介在層と、銅を主
    体とする導体層とを備えた銅回路接合基板であって、前
    記高融点金属層と金属介在層の接合界面における高融点
    金属と介在層金属との合金層の厚みが5μm以下である
    ことを特徴とする銅回路接合基板。
  2. 【請求項2】 前記導体層と金属介在層の接合界面にお
    ける導体金属と介在層金属との合金層の厚みが10μm
    以下であることを特徴とする、請求項1に記載の銅回路
    接合基板。
  3. 【請求項3】 前記高融点金属層の相対密度が60%以
    上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の銅
    回路接合基板。
  4. 【請求項4】 前記高融点金属層とセラミック基材との
    接合強度のバラツキが±30%以下であることを特徴と
    する、請求項1〜3のいずれかに記載の銅回路接合基
    板。
  5. 【請求項5】 前記導体層と金属介在層の接合界面にお
    ける導体層の平面方向の長さ及び幅が金属介在層のそれ
    らより0.05mm以上短く、且つ導体層の外周端縁が
    金属介在層の外周端縁の内側にあることを特徴とする、
    請求項1〜4のいずれかに記載の銅回路接合基板。
  6. 【請求項6】 前記導体層の最外表面及び該導体層によ
    って被覆されていない金属介在層の最外表面上に、ニッ
    ケルを主体とする外層が形成されていることを特徴とす
    る、請求項1〜5のいずれかに記載の銅回路接合基板。
  7. 【請求項7】 前記セラミック基材が窒化アルミニウム
    系セラミック、窒化ケイ素系セラミック、又は酸化アル
    ミニウム系セラミックであることを特徴とする、請求項
    1〜6のいずれかに記載の銅回路接合基板。
  8. 【請求項8】 セラミック基材上に銅を主体とする導体
    層を備える銅回路接合基板の製造方法であって、焼結体
    からなるセラミック基材上に高融点金属を含むペースト
    を塗布し、焼成して相対密度が60%以上の高融点金属
    層を形成する工程と、該高融点金属層上又は前記導体層
    上若しくはその両方に融点が1000℃以下でニッケ
    ル、銅、鉄の少なくとも1種を主成分とする金属介在層
    を形成する工程と、該金属介在層を介して前記高融点金
    属層を設けたセラミック基材と前記導体層を該導体層の
    融点以下の温度で接合する工程とを含むことを特徴とす
    る銅回路接合基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 セラミック基材上に銅を主体とする導体
    層を備える銅回路接合基板の製造方法であって、セラミ
    ック原料粉末の成形体上に高融点金属を含むペーストを
    塗布し、焼成してセラミック基材を得ると同時に該セラ
    ミック基材上に相対密度が60%以上の高融点金属化層
    を形成する工程と、該高融点金属化層上又は前記導体層
    上若しくはその両方に融点が1000℃以下でニッケ
    ル、銅、鉄の少なくとも1種を主成分とする金属介在層
    を形成する工程と、該金属介在層を介して前記高融点金
    属層を設けたセラミック基材と前記導体層を該導体層の
    融点以下の温度で接合する工程とを含むことを特徴とす
    る銅回路接合基板の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜7の銅回路接合基板に半導
    体素子をダイボンディングしてなる半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006120716A (ja) * 2004-10-19 2006-05-11 Rohm Co Ltd 半導体装置
WO2014208690A1 (ja) 2013-06-28 2014-12-31 古河電気工業株式会社 接続構造体、及び半導体装置
JP2018098440A (ja) * 2016-12-16 2018-06-21 日本特殊陶業株式会社 配線基板及び配線基板の製造方法
CN119361562A (zh) * 2024-09-29 2025-01-24 珠海格力电器股份有限公司 直接键合铜基底、绝缘栅双极晶体管封装模块及制备工艺

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