JP2000312509A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】 苗移植機
【特許請求の範囲】
【請求項1】 苗供給部(7)と苗植付装置(6)と該苗植付装置(6)による苗植付後の苗の周辺に覆土する覆土輪(8)とを備え、苗植付圃場面の凹凸変化に順応する接地センサ−(35)の検出結果に基づき前記苗植付装置(6)を備えた車体が所定の対地高さとなるよう昇降制御可能に構成して設け、前記覆土輪(8)の所定以上の上昇動作に起因して車体を上昇させるべく構成し、前記覆土輪(8)と車体から後方に向けて突設する歩行用操縦ハンドル(9)とを走行車輪(5)よりも後側位置に設け、前記覆土輪(8)を固定された輪軸(42)に対して回転自在に設けると共に、前記覆土輪(8)に泥土が侵入するのを防止する泥除カバー(70)を前記輪軸(42)に固着して設けた苗移植機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、野菜等の苗を移植する苗移植機に関し、農業機械の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、苗移植機には、苗植付位置の後方にあって、機体の進行に伴い畝面を転動し、苗が植付けられた後の苗の周辺に覆土する覆土輪が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、かかる従来構成のものでは、覆土輪が上限位置を越える接地圧を受けると、覆土輪が地面に支えられて無理矢理押し上げられることになり、走行車輪の浮き上がりによって走行不良を惹き起したり、覆土輪自体の不慮の破損を招いたりする問題があった。そこで、本発明は、苗植付装置を備えた車体が所定の対地高さとなるよう昇降制御されるようにすると共に、覆土輪への泥土の侵入を防止して該覆土輪を円滑に接地回転させることを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、苗供給部(7)と苗植付装置(6)と該苗植付装置(6)による苗植付後の苗の周辺に覆土する覆土輪(8)とを備え、苗植付圃場面の凹凸変化に順応する接地センサ−(35)の検出結果に基づき前記苗植付装置(6)を備えた車体が所定の対地高さとなるよう昇降制御可能に構成して設け、前記覆土輪(8)の所定以上の上昇動作に起因して車体を上昇させるべく構成し、前記覆土輪(8)と車体から後方に向けて突設する歩行用操縦ハンドル(9)とを走行車輪(5)よりも後側位置に設け、前記覆土輪(8)を固定された輪軸(42)に対して回転自在に設けると共に、前記覆土輪(8)に泥土が侵入するのを防止する泥除カバー(70)を前記輪軸(42)に固着して設けた苗移植機とした。
【0005】
【発明の効果】
従って、この苗移植機は、苗供給部(7)からの苗を苗植付装置(6)が圃場に植え付け、覆土輪(8)により苗植付装置(6)による苗植付後の苗の周辺に覆土する。また、苗植付圃場面の凹凸変化に順応する接地センサ−(35)の検出結果に基づき、前記苗植付装置(6)を備えた車体が所定の対地高さとなるよう昇降制御される。そして、覆土輪(8)が上限位置を越える位置まで上昇されると、これに関連して走行車輪(5)の押し下げにより車体がリフトされるので、走行不良を惹き起すことがない。しかも、車体がリフトされることで、覆土輪(8)には無理な接地圧負荷を受けることがなく、不慮の破損を未然に防止することができる。また、操縦ハンドル(9)の押し下げで車体に対して覆土輪(8)がリフトし、車体をリフトさせることができるので、旋回操作の容易化を図ることができるに至った。しかも、泥除カバー(70)を前記輪軸(42)に固着して設けたので、泥除カバー(70)は回転せず泥土の持ち回りがなく、覆土輪(8)への泥土の侵入を防止して該覆土輪(8)を円滑に接地回転させることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
【0007】
図1は、苗移植機の一例として歩行型の野菜 苗移植機1を示すものであり、この歩行型苗移植機1は、主として車体1Aの前部にエンジン2及び主伝動ケ−ス3と走行車輪としての左右一対の前輪4,4及び後輪5,5と後部に苗植付装置6、苗供給部7、覆土鎮圧輪8及び操縦ハンドル9とを備えて構成される。この苗移植機1は、機体が圃場内の畝をまたぐように前記前輪4,4及び後輪5,5が畝間を走行し、畝の上面の左右中央に前記苗植付装置6により苗を植付けていくようになっている。
【0008】
前記エンジン2から入力される主伝動ケ−ス3内の動力を走行チェ−ンケ−ス10,10内に伝動する構成となっている。前記走行チェ−ンケ−ス10,10の回動先端部の左右内側には走行車輪である左右一対の後輪5,5をそれぞれ取り付け、この左右一対の後輪5,5の駆動により機体が走行するようになっている。従って、主伝動ケ−ス3は、走行車輪としての後輪5,5に伝動する伝動装置となっている。
【0009】
一方、エンジン載置台11の下部には左右方向に延びる前輪支持フレ−ム12を前後方向のロ−リング軸13回りに回動可能に設け、この前輪支持フレ−ム12の左右両端部に前輪4,4を取り付けた構成としている。
【0010】
機体の前後左右の略中央には、油圧式の後輪昇降シリンダ14を設けている。また、主伝動ケ−ス3の左側には油圧ポンプ15、前記主伝動ケース3の後部には油圧切替バルブケ−ス16を固着して設けている。前記後輪昇降シリンダ14は、前記油圧切替バルブケ−ス16内の後輪昇降操作バルブ16vを操作することにより前記油圧ポンプ15からの油圧を切り替えて作動するようになっている。
【0011】
前記後輪昇降シリンダ14のシリンダロッド端には左右に延びる横杆17を設け、この横杆17の左右端部にそれぞれ後輪昇降ロッド18,19を枢着し該ロッド18,19の他端をそれぞれの走行チエンケ−ス10,10に固着された上側ア−ム10a,10aに枢着して、前記横杆17と走行チエンケ−ス10,10とが連結された構成となっている。従って、前記後輪昇降シリンダ14の伸縮により前記横杆17、前記後輪昇降ロッド18,19を介して主伝動ケ−ス3の左右の出力軸回りに走行チェ−ンケ−ス10,10が回動され、該走行チェ−ンケ−ス10,10の回動により後輪5,5が上下して機体が昇降する構成となっている。
【0012】
前記苗植付装置6は、一株の苗を圃場に植付けるべく主伝動ケ−ス3内からの動力により植付伝動軸20を介して前記主伝動ケ−ス3の後側に設けた植付伝動ケ−ス21に伝動される。前記植付伝動ケ−ス21からの動力により植付チエンケ−ス22を介して苗植付装置駆動ケ−ス23に動力を伝達し、苗植付装置6を駆動すると共に前記苗植付装置駆動ケ−ス23から動力を分岐し苗載置台24の苗載置台左右移動ケ−ス25に伝動する構成になっている。前記苗載置台左右移動ケ−ス25内で苗植付装置6が苗を掻き取るときに左右移動速度が遅くなるようにした緩速伝動機構26やリ−ドカム27、リ−ドカム軸28等を介して伝動し苗載置台左右移動ケ−ス25を左右に貫通して設けられた左右移動軸29を左右移動し、該軸29の両端部の第1支持ア−ム30、左右支持軸31、左右の第2支持ア−ム32を介して苗載置台24を左右横方向に移動させる構成としている。
【0013】
また、前記苗供給部7は、苗の一株分づつ左右横方向に移動させる前記苗載置台24と、該苗載置台24の左右移動終端において苗載置台24上の苗を一株分づつ後方へ送る苗送りベルト33を備えた構成であり、そして、前記苗載置台24の後端側に設けられた苗取出口において苗載置台24上のペ−パ−ポット苗を一株分づつ苗載置台24の後方の苗植付装置6により掻き取り、該苗植付装置6が掻き取った苗を土壌面まで搬送して圃場に植え付ける構成となっている。
【0014】
なお、前記苗植付装置6は、上下方向に長い閉ル−プ状の軌跡Kを描きながら作動するようになっている。
また、前記苗植付装置6の前方には昇降して圃場面に間欠的に植付穴を形成する作穴体34を設けてあり、該作穴体34で形成した植付穴に前記苗植付装置6が苗を植え付けるようになっている。
【0015】
更に、前記苗植付装置6の前方には圃場面の凹凸変化に順応しながらこの凹凸変化を感知する接地センサ−35を設けている。該接地センサ−35は左右方向の軸36回りに回動可能に設けられ、接地することによる該センサ−35の回動に伴ってロッド37a.二股ア−ム38a.ロッド37b等を介して油圧切替バルブケ−ス16内の後輪昇降操作バルブ16vを操作して苗植付装置6により所定の植付深さとなるよう後輪5,5を昇降制御するようになっている。
【0016】
覆土鎮圧輪8は、苗植付位置の後方位置において左右一対設けられ、横軸39回りに上下揺動自在な鎮圧輪支持フレ−ム40に軸受支持されている。この左右一対の覆土鎮圧輪8,8は、下部ほど互いの間隔が狭くなるように斜めに軸受保持され、つまり、前記鎮圧輪支持フレ−ム40から下方に延出する支持部材41に固着した輪軸42に対し回転自在に軸受保持され、後記昇降ロッド43に遊嵌させたスプリング44によって下向きに付勢されており、機体の進行に伴って畝面を転動し、苗が植え付けられた後の苗植付穴の周囲の土を崩落させて穴を埋め戻すと共にその跡を軽く鎮圧をするようになっている。
【0017】
前記昇降ロッド43は、車体1Aから後方に突設した操縦ハンドル9に固着のステ−45に貫通支持してあり、上下スライド自在に構成している。また、この昇降ロッド43には鎮圧輪支持フレ−ム40とスプリング44との間においてウエイト46を貫通載架している。
覆土鎮圧輪8の車体に対する上昇位置が上限を越える位置に達すると、鎮圧輪支持フレ−ム40.鎮圧輪昇降用ロッド47a.支軸48回りに揺動する揺動ア−ム49.連結ロッド47b.二股ア−ム38b.ロッド37b等を介して油圧切替バルブケ−ス16内の後輪昇降操作バルブ16vを油圧上げ方向に操作して後輪5を押し下げ機体をリフトするように構成している。前記連結ロッド47bは一端を二股ア−ム38bに連結するが、他端は遊びを有するように設けた長孔50を介して前記揺動ア−ム49に連結保持している。要するに、長孔50による遊びの範囲内においてのみ自由に接地センサ−35による後輪5の昇降制御が行われる。
【0018】
ところで、後輪昇降シリンダ−14により前後移動する横杆17の後方には後輪昇降シリンダ−14が所定以上伸びたときに前記横杆17が当接するロ−ラ51を設けている。該ロ−ラ51は植付伝動ケ−ス21に支持される揺動ア−ム49に取り付けられ、前記揺動ア−ム49から鎮圧輪昇降用ロッド47aを介して鎮圧輪支持フレ−ム40に連結されている。従って、後輪5が所定高さより下降すると、前記揺動ア−ム49が揺動して鎮圧輪支持フレ−ム40が上方に回動し、覆土鎮圧輪8が強制的に上昇する。これにより、機体の旋回時に覆土鎮圧輪が畝を崩すようなことを抑制すると共に、オペレ−タの旋回操作が容易となる。
【0019】
前記操縦ハンドル9は車体1Aから後方上方に向けて突設されている。前記覆土鎮圧輪8とこの操縦ハンドル9とは、走行車輪よりも後方、つまり、後輪5よりも後方に設置している。
操縦ハンドル9の近傍には、後輪5,5及び苗植付装置6の駆動を共に入切可能な主クラッチレバ−52と、後輪昇降シリンダ14による機体の昇降操作及び苗植付装置6の駆動の入切のみが行える植付・昇降レバ−53を設けている。
【0020】
また、操縦ハンドル9の左右それぞれの把持部の下方にはサイドクラッチレバ−54,54を設け、このサイドクラッチレバ−54,54の操作により左右一対の後輪5,5の左右一方の駆動を断つようになっている。そして、オペレ−タが操縦ハンドル9を押し下げ前輪4,4を宙に浮かせた状態で左右一方のサイドクラッチレバ−54を操作して左右一方の後輪5の駆動を断ち、該後輪5を中心に機体を旋回させるようになっている。
【0021】
旋回時、覆土鎮圧輪8が車体に対する上昇上限位置を越える位置に達するまで、操縦ハンドル9を強く押し下げると、鎮圧輪支持フレ−ム40がリフトし、この動きで、後輪昇降操作バルブ16vを上げ方向に作用させ、後輪5を押し下げることで機体がリフトし、旋回が容易となる。
また、図6に示す実施例では、操縦ハンドル9を押し下げると、鎮圧輪支持フレ−ム40に連動する昇降ロッド43が上昇し、ピン55が支点軸56回りに回動する回動ア−ム57の一端側を押し上げ、逆にこのア−ム57の他端側が押し下げられることで、油圧ケ−ブル58を介して後輪昇降操作バルブ16vを上げの方向に作用させ、後輪5が下がって機体は上昇し、旋回が容易となるように構成している。
【0022】
更に、図7、図8に示す実施例では、後輪昇降操作バルブ16vにおいて、このバルブ16vを操作するバルブア−ムVaは、前記接地センサ−35と連動するセンサロッド37bに連結しているが、該バルブア−ムVaには、ハンチングを防止するためにこのバルブを常時中立位置に復帰させるべく保持する中立保持スプリング59が設けられている。この中立保持スプリング59がバルブア−ムVaの中立を保持することによって、センサ感度を鈍くし、敏感になり過ぎによって発生するハンチングを未然に防ぐことができる。油圧切替バルブケ−ス16にはこのケ−スの端面に切欠きを設けてストッパ−部16aを構成し、バルブア−ムVaに設けた突子Vbが係合するようにして、バルブの動く範囲を規制するように構成している。前記油圧ケ−ブル58の端部には長孔60aを有した操作具60を設けてあり、バルブア−ムVaに設けた係止ピンVcに係合させている。60sは張圧スプリングで、操作具60を後輪昇降操作バルブ16vが上げ方向に作用されるべく方向に張圧保持している。
【0023】
図9には苗取板61を支持する支持杆62が苗載置台24に対して前後方向に出し入れ可能に構成されている。苗補給時には支持杆62を前方に引き出して、苗取板61を苗供給傾斜姿勢に支持する構成である。要するに、この苗取板61は基端側を高位置において支持杆62に支持し、先端側を低位置において苗送りベルト33の始端部に臨むよう傾斜姿勢とし、該苗取板上のポット苗を苗送りベルト33上に滑り込ませるようにしている。ポット苗の場合には苗を急激に供給するとポット苗がつぶれる問題があるが、上記苗取板を利用すると、苗の補給が容易で、且つスム−スであり、かかる問題点を解消することができる。
【0024】
また、前記苗載置台24本体側には苗送り量調節レバ−63をガイドするガイド枠64が取り付けられている。ガイド枠64には、図10に示すようにレバ−63を任意の操作位置で係止する係止凹部65が設けられている。図11に示す符号66はストッパ−、67は苗送りア−ムである。
図12に示す実施例は、覆土鎮圧輪8にスクレ−パ68を設けた構成である。つまり、このスクレ−パ68は、弾力性のある棒状の杆状体をL字状に折り曲げてスクレ−パ部68aを形成すると共に、取付側をU字型に折曲形成してこのU字型取付部68bを前記覆土鎮圧輪8の輪軸42に一本のボルト69にて締付固定するように構成している。従って、かかるスクレ−パによれば、覆土鎮圧輪に対する取付けや、調整を簡単容易に行なうことができ、弾力性を有するのでスクレ−パ機能も効果的に行なうことができる。しかも、図13に示すように異径の覆土鎮圧輪(a)・(b)であってもそれらに対応して簡単に調整することができる。
【0025】
図14、図15は、覆土鎮圧輪8に泥土侵入防止用の泥除カバ−70を設けた構成例を示す。泥除カバ−70はシ−ル71を介して輪軸42に嵌合固着している。輪軸42は固定であり、覆土鎮圧輪8は固定の輪軸42に対し回転自在に嵌合している。従って、このカバ−70は回転しないため泥土の持ち回りがない。泥土の侵入がないため、覆土鎮圧輪は円滑に接地回転する。
【0026】
また、図16は覆土鎮圧輪8の他の実施例を示すものであるが、図16(イ)に示すように鉄輪72の外周部をゴムモ−ルド73により一体成形した構成としている。図16(ロ)・(ハ)に示すようにゴムモ−ルド73の周面に若干の凹凸を設けることで鎮圧効果が大となる。覆土鎮圧輪が苗植込装置と干渉してもゴムが変形して逃げるためメカロックすることがない。材質がゴムによる場合は土がつきにくいため鎮圧効果を高めることができる。
【0027】
また、図17(イ)に示すように覆土鎮圧輪8の外周に図17(ロ)に示すような弾力性のあるサポ−タ74を被せることによっても前記ゴムモ−ルドによる場合と同様の効果を奏することができる。なお、この覆土鎮圧輪に対する被覆後のサポ−タの端部は泥除カバ−70により係止保持する構成としている。
【図面の簡単な説明】
【図1】苗移植機の側面図
【図2】苗移植機の一部の作動機構を示す側面図
【図3】苗移植機の平面図
【図4】苗載置台の左右移動機構を示す平面図
【図5】覆土鎮圧輪を示す切断背面図
【図6】他の実施例を示す要部の側面図
【図7】油圧バルブの作動機構を示す側面図
【図8】図7の正面図
【図9】苗移植機の側面図
【図10】苗移植機の一部の平面図
【図11】同上要部の平面図
【図12】覆土鎮圧輪の斜視図
【図13】同上背面図
【図14】覆土鎮圧輪の切断側面図
【図15】泥除カバ−の側面図
【図16】覆土鎮圧輪の(イ)切断背面図、(ロ)側面図、(ハ)切断側面図
【図17】覆土鎮圧輪の(イ)切断背面図、(ロ)サポ−タの側断面図
【符号の説明】
1…苗移植機、5…後輪、6…苗植付装置、7…苗供給部、8…覆土鎮圧輪、9…操縦ハンドル、35…接地センサ−、42…輪軸、70…泥除カバー
【発明の名称】 苗移植機
【特許請求の範囲】
【請求項1】 苗供給部(7)と苗植付装置(6)と該苗植付装置(6)による苗植付後の苗の周辺に覆土する覆土輪(8)とを備え、苗植付圃場面の凹凸変化に順応する接地センサ−(35)の検出結果に基づき前記苗植付装置(6)を備えた車体が所定の対地高さとなるよう昇降制御可能に構成して設け、前記覆土輪(8)の所定以上の上昇動作に起因して車体を上昇させるべく構成し、前記覆土輪(8)と車体から後方に向けて突設する歩行用操縦ハンドル(9)とを走行車輪(5)よりも後側位置に設け、前記覆土輪(8)を固定された輪軸(42)に対して回転自在に設けると共に、前記覆土輪(8)に泥土が侵入するのを防止する泥除カバー(70)を前記輪軸(42)に固着して設けた苗移植機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、野菜等の苗を移植する苗移植機に関し、農業機械の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、苗移植機には、苗植付位置の後方にあって、機体の進行に伴い畝面を転動し、苗が植付けられた後の苗の周辺に覆土する覆土輪が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、かかる従来構成のものでは、覆土輪が上限位置を越える接地圧を受けると、覆土輪が地面に支えられて無理矢理押し上げられることになり、走行車輪の浮き上がりによって走行不良を惹き起したり、覆土輪自体の不慮の破損を招いたりする問題があった。そこで、本発明は、苗植付装置を備えた車体が所定の対地高さとなるよう昇降制御されるようにすると共に、覆土輪への泥土の侵入を防止して該覆土輪を円滑に接地回転させることを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、苗供給部(7)と苗植付装置(6)と該苗植付装置(6)による苗植付後の苗の周辺に覆土する覆土輪(8)とを備え、苗植付圃場面の凹凸変化に順応する接地センサ−(35)の検出結果に基づき前記苗植付装置(6)を備えた車体が所定の対地高さとなるよう昇降制御可能に構成して設け、前記覆土輪(8)の所定以上の上昇動作に起因して車体を上昇させるべく構成し、前記覆土輪(8)と車体から後方に向けて突設する歩行用操縦ハンドル(9)とを走行車輪(5)よりも後側位置に設け、前記覆土輪(8)を固定された輪軸(42)に対して回転自在に設けると共に、前記覆土輪(8)に泥土が侵入するのを防止する泥除カバー(70)を前記輪軸(42)に固着して設けた苗移植機とした。
【0005】
【発明の効果】
従って、この苗移植機は、苗供給部(7)からの苗を苗植付装置(6)が圃場に植え付け、覆土輪(8)により苗植付装置(6)による苗植付後の苗の周辺に覆土する。また、苗植付圃場面の凹凸変化に順応する接地センサ−(35)の検出結果に基づき、前記苗植付装置(6)を備えた車体が所定の対地高さとなるよう昇降制御される。そして、覆土輪(8)が上限位置を越える位置まで上昇されると、これに関連して走行車輪(5)の押し下げにより車体がリフトされるので、走行不良を惹き起すことがない。しかも、車体がリフトされることで、覆土輪(8)には無理な接地圧負荷を受けることがなく、不慮の破損を未然に防止することができる。また、操縦ハンドル(9)の押し下げで車体に対して覆土輪(8)がリフトし、車体をリフトさせることができるので、旋回操作の容易化を図ることができるに至った。しかも、泥除カバー(70)を前記輪軸(42)に固着して設けたので、泥除カバー(70)は回転せず泥土の持ち回りがなく、覆土輪(8)への泥土の侵入を防止して該覆土輪(8)を円滑に接地回転させることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
【0007】
図1は、苗移植機の一例として歩行型の野菜 苗移植機1を示すものであり、この歩行型苗移植機1は、主として車体1Aの前部にエンジン2及び主伝動ケ−ス3と走行車輪としての左右一対の前輪4,4及び後輪5,5と後部に苗植付装置6、苗供給部7、覆土鎮圧輪8及び操縦ハンドル9とを備えて構成される。この苗移植機1は、機体が圃場内の畝をまたぐように前記前輪4,4及び後輪5,5が畝間を走行し、畝の上面の左右中央に前記苗植付装置6により苗を植付けていくようになっている。
【0008】
前記エンジン2から入力される主伝動ケ−ス3内の動力を走行チェ−ンケ−ス10,10内に伝動する構成となっている。前記走行チェ−ンケ−ス10,10の回動先端部の左右内側には走行車輪である左右一対の後輪5,5をそれぞれ取り付け、この左右一対の後輪5,5の駆動により機体が走行するようになっている。従って、主伝動ケ−ス3は、走行車輪としての後輪5,5に伝動する伝動装置となっている。
【0009】
一方、エンジン載置台11の下部には左右方向に延びる前輪支持フレ−ム12を前後方向のロ−リング軸13回りに回動可能に設け、この前輪支持フレ−ム12の左右両端部に前輪4,4を取り付けた構成としている。
【0010】
機体の前後左右の略中央には、油圧式の後輪昇降シリンダ14を設けている。また、主伝動ケ−ス3の左側には油圧ポンプ15、前記主伝動ケース3の後部には油圧切替バルブケ−ス16を固着して設けている。前記後輪昇降シリンダ14は、前記油圧切替バルブケ−ス16内の後輪昇降操作バルブ16vを操作することにより前記油圧ポンプ15からの油圧を切り替えて作動するようになっている。
【0011】
前記後輪昇降シリンダ14のシリンダロッド端には左右に延びる横杆17を設け、この横杆17の左右端部にそれぞれ後輪昇降ロッド18,19を枢着し該ロッド18,19の他端をそれぞれの走行チエンケ−ス10,10に固着された上側ア−ム10a,10aに枢着して、前記横杆17と走行チエンケ−ス10,10とが連結された構成となっている。従って、前記後輪昇降シリンダ14の伸縮により前記横杆17、前記後輪昇降ロッド18,19を介して主伝動ケ−ス3の左右の出力軸回りに走行チェ−ンケ−ス10,10が回動され、該走行チェ−ンケ−ス10,10の回動により後輪5,5が上下して機体が昇降する構成となっている。
【0012】
前記苗植付装置6は、一株の苗を圃場に植付けるべく主伝動ケ−ス3内からの動力により植付伝動軸20を介して前記主伝動ケ−ス3の後側に設けた植付伝動ケ−ス21に伝動される。前記植付伝動ケ−ス21からの動力により植付チエンケ−ス22を介して苗植付装置駆動ケ−ス23に動力を伝達し、苗植付装置6を駆動すると共に前記苗植付装置駆動ケ−ス23から動力を分岐し苗載置台24の苗載置台左右移動ケ−ス25に伝動する構成になっている。前記苗載置台左右移動ケ−ス25内で苗植付装置6が苗を掻き取るときに左右移動速度が遅くなるようにした緩速伝動機構26やリ−ドカム27、リ−ドカム軸28等を介して伝動し苗載置台左右移動ケ−ス25を左右に貫通して設けられた左右移動軸29を左右移動し、該軸29の両端部の第1支持ア−ム30、左右支持軸31、左右の第2支持ア−ム32を介して苗載置台24を左右横方向に移動させる構成としている。
【0013】
また、前記苗供給部7は、苗の一株分づつ左右横方向に移動させる前記苗載置台24と、該苗載置台24の左右移動終端において苗載置台24上の苗を一株分づつ後方へ送る苗送りベルト33を備えた構成であり、そして、前記苗載置台24の後端側に設けられた苗取出口において苗載置台24上のペ−パ−ポット苗を一株分づつ苗載置台24の後方の苗植付装置6により掻き取り、該苗植付装置6が掻き取った苗を土壌面まで搬送して圃場に植え付ける構成となっている。
【0014】
なお、前記苗植付装置6は、上下方向に長い閉ル−プ状の軌跡Kを描きながら作動するようになっている。
また、前記苗植付装置6の前方には昇降して圃場面に間欠的に植付穴を形成する作穴体34を設けてあり、該作穴体34で形成した植付穴に前記苗植付装置6が苗を植え付けるようになっている。
【0015】
更に、前記苗植付装置6の前方には圃場面の凹凸変化に順応しながらこの凹凸変化を感知する接地センサ−35を設けている。該接地センサ−35は左右方向の軸36回りに回動可能に設けられ、接地することによる該センサ−35の回動に伴ってロッド37a.二股ア−ム38a.ロッド37b等を介して油圧切替バルブケ−ス16内の後輪昇降操作バルブ16vを操作して苗植付装置6により所定の植付深さとなるよう後輪5,5を昇降制御するようになっている。
【0016】
覆土鎮圧輪8は、苗植付位置の後方位置において左右一対設けられ、横軸39回りに上下揺動自在な鎮圧輪支持フレ−ム40に軸受支持されている。この左右一対の覆土鎮圧輪8,8は、下部ほど互いの間隔が狭くなるように斜めに軸受保持され、つまり、前記鎮圧輪支持フレ−ム40から下方に延出する支持部材41に固着した輪軸42に対し回転自在に軸受保持され、後記昇降ロッド43に遊嵌させたスプリング44によって下向きに付勢されており、機体の進行に伴って畝面を転動し、苗が植え付けられた後の苗植付穴の周囲の土を崩落させて穴を埋め戻すと共にその跡を軽く鎮圧をするようになっている。
【0017】
前記昇降ロッド43は、車体1Aから後方に突設した操縦ハンドル9に固着のステ−45に貫通支持してあり、上下スライド自在に構成している。また、この昇降ロッド43には鎮圧輪支持フレ−ム40とスプリング44との間においてウエイト46を貫通載架している。
覆土鎮圧輪8の車体に対する上昇位置が上限を越える位置に達すると、鎮圧輪支持フレ−ム40.鎮圧輪昇降用ロッド47a.支軸48回りに揺動する揺動ア−ム49.連結ロッド47b.二股ア−ム38b.ロッド37b等を介して油圧切替バルブケ−ス16内の後輪昇降操作バルブ16vを油圧上げ方向に操作して後輪5を押し下げ機体をリフトするように構成している。前記連結ロッド47bは一端を二股ア−ム38bに連結するが、他端は遊びを有するように設けた長孔50を介して前記揺動ア−ム49に連結保持している。要するに、長孔50による遊びの範囲内においてのみ自由に接地センサ−35による後輪5の昇降制御が行われる。
【0018】
ところで、後輪昇降シリンダ−14により前後移動する横杆17の後方には後輪昇降シリンダ−14が所定以上伸びたときに前記横杆17が当接するロ−ラ51を設けている。該ロ−ラ51は植付伝動ケ−ス21に支持される揺動ア−ム49に取り付けられ、前記揺動ア−ム49から鎮圧輪昇降用ロッド47aを介して鎮圧輪支持フレ−ム40に連結されている。従って、後輪5が所定高さより下降すると、前記揺動ア−ム49が揺動して鎮圧輪支持フレ−ム40が上方に回動し、覆土鎮圧輪8が強制的に上昇する。これにより、機体の旋回時に覆土鎮圧輪が畝を崩すようなことを抑制すると共に、オペレ−タの旋回操作が容易となる。
【0019】
前記操縦ハンドル9は車体1Aから後方上方に向けて突設されている。前記覆土鎮圧輪8とこの操縦ハンドル9とは、走行車輪よりも後方、つまり、後輪5よりも後方に設置している。
操縦ハンドル9の近傍には、後輪5,5及び苗植付装置6の駆動を共に入切可能な主クラッチレバ−52と、後輪昇降シリンダ14による機体の昇降操作及び苗植付装置6の駆動の入切のみが行える植付・昇降レバ−53を設けている。
【0020】
また、操縦ハンドル9の左右それぞれの把持部の下方にはサイドクラッチレバ−54,54を設け、このサイドクラッチレバ−54,54の操作により左右一対の後輪5,5の左右一方の駆動を断つようになっている。そして、オペレ−タが操縦ハンドル9を押し下げ前輪4,4を宙に浮かせた状態で左右一方のサイドクラッチレバ−54を操作して左右一方の後輪5の駆動を断ち、該後輪5を中心に機体を旋回させるようになっている。
【0021】
旋回時、覆土鎮圧輪8が車体に対する上昇上限位置を越える位置に達するまで、操縦ハンドル9を強く押し下げると、鎮圧輪支持フレ−ム40がリフトし、この動きで、後輪昇降操作バルブ16vを上げ方向に作用させ、後輪5を押し下げることで機体がリフトし、旋回が容易となる。
また、図6に示す実施例では、操縦ハンドル9を押し下げると、鎮圧輪支持フレ−ム40に連動する昇降ロッド43が上昇し、ピン55が支点軸56回りに回動する回動ア−ム57の一端側を押し上げ、逆にこのア−ム57の他端側が押し下げられることで、油圧ケ−ブル58を介して後輪昇降操作バルブ16vを上げの方向に作用させ、後輪5が下がって機体は上昇し、旋回が容易となるように構成している。
【0022】
更に、図7、図8に示す実施例では、後輪昇降操作バルブ16vにおいて、このバルブ16vを操作するバルブア−ムVaは、前記接地センサ−35と連動するセンサロッド37bに連結しているが、該バルブア−ムVaには、ハンチングを防止するためにこのバルブを常時中立位置に復帰させるべく保持する中立保持スプリング59が設けられている。この中立保持スプリング59がバルブア−ムVaの中立を保持することによって、センサ感度を鈍くし、敏感になり過ぎによって発生するハンチングを未然に防ぐことができる。油圧切替バルブケ−ス16にはこのケ−スの端面に切欠きを設けてストッパ−部16aを構成し、バルブア−ムVaに設けた突子Vbが係合するようにして、バルブの動く範囲を規制するように構成している。前記油圧ケ−ブル58の端部には長孔60aを有した操作具60を設けてあり、バルブア−ムVaに設けた係止ピンVcに係合させている。60sは張圧スプリングで、操作具60を後輪昇降操作バルブ16vが上げ方向に作用されるべく方向に張圧保持している。
【0023】
図9には苗取板61を支持する支持杆62が苗載置台24に対して前後方向に出し入れ可能に構成されている。苗補給時には支持杆62を前方に引き出して、苗取板61を苗供給傾斜姿勢に支持する構成である。要するに、この苗取板61は基端側を高位置において支持杆62に支持し、先端側を低位置において苗送りベルト33の始端部に臨むよう傾斜姿勢とし、該苗取板上のポット苗を苗送りベルト33上に滑り込ませるようにしている。ポット苗の場合には苗を急激に供給するとポット苗がつぶれる問題があるが、上記苗取板を利用すると、苗の補給が容易で、且つスム−スであり、かかる問題点を解消することができる。
【0024】
また、前記苗載置台24本体側には苗送り量調節レバ−63をガイドするガイド枠64が取り付けられている。ガイド枠64には、図10に示すようにレバ−63を任意の操作位置で係止する係止凹部65が設けられている。図11に示す符号66はストッパ−、67は苗送りア−ムである。
図12に示す実施例は、覆土鎮圧輪8にスクレ−パ68を設けた構成である。つまり、このスクレ−パ68は、弾力性のある棒状の杆状体をL字状に折り曲げてスクレ−パ部68aを形成すると共に、取付側をU字型に折曲形成してこのU字型取付部68bを前記覆土鎮圧輪8の輪軸42に一本のボルト69にて締付固定するように構成している。従って、かかるスクレ−パによれば、覆土鎮圧輪に対する取付けや、調整を簡単容易に行なうことができ、弾力性を有するのでスクレ−パ機能も効果的に行なうことができる。しかも、図13に示すように異径の覆土鎮圧輪(a)・(b)であってもそれらに対応して簡単に調整することができる。
【0025】
図14、図15は、覆土鎮圧輪8に泥土侵入防止用の泥除カバ−70を設けた構成例を示す。泥除カバ−70はシ−ル71を介して輪軸42に嵌合固着している。輪軸42は固定であり、覆土鎮圧輪8は固定の輪軸42に対し回転自在に嵌合している。従って、このカバ−70は回転しないため泥土の持ち回りがない。泥土の侵入がないため、覆土鎮圧輪は円滑に接地回転する。
【0026】
また、図16は覆土鎮圧輪8の他の実施例を示すものであるが、図16(イ)に示すように鉄輪72の外周部をゴムモ−ルド73により一体成形した構成としている。図16(ロ)・(ハ)に示すようにゴムモ−ルド73の周面に若干の凹凸を設けることで鎮圧効果が大となる。覆土鎮圧輪が苗植込装置と干渉してもゴムが変形して逃げるためメカロックすることがない。材質がゴムによる場合は土がつきにくいため鎮圧効果を高めることができる。
【0027】
また、図17(イ)に示すように覆土鎮圧輪8の外周に図17(ロ)に示すような弾力性のあるサポ−タ74を被せることによっても前記ゴムモ−ルドによる場合と同様の効果を奏することができる。なお、この覆土鎮圧輪に対する被覆後のサポ−タの端部は泥除カバ−70により係止保持する構成としている。
【図面の簡単な説明】
【図1】苗移植機の側面図
【図2】苗移植機の一部の作動機構を示す側面図
【図3】苗移植機の平面図
【図4】苗載置台の左右移動機構を示す平面図
【図5】覆土鎮圧輪を示す切断背面図
【図6】他の実施例を示す要部の側面図
【図7】油圧バルブの作動機構を示す側面図
【図8】図7の正面図
【図9】苗移植機の側面図
【図10】苗移植機の一部の平面図
【図11】同上要部の平面図
【図12】覆土鎮圧輪の斜視図
【図13】同上背面図
【図14】覆土鎮圧輪の切断側面図
【図15】泥除カバ−の側面図
【図16】覆土鎮圧輪の(イ)切断背面図、(ロ)側面図、(ハ)切断側面図
【図17】覆土鎮圧輪の(イ)切断背面図、(ロ)サポ−タの側断面図
【符号の説明】
1…苗移植機、5…後輪、6…苗植付装置、7…苗供給部、8…覆土鎮圧輪、9…操縦ハンドル、35…接地センサ−、42…輪軸、70…泥除カバー
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