JP2000313953A - 巻取式真空蒸着方法及び装置 - Google Patents

巻取式真空蒸着方法及び装置

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JP2000313953A
JP2000313953A JP11119695A JP11969599A JP2000313953A JP 2000313953 A JP2000313953 A JP 2000313953A JP 11119695 A JP11119695 A JP 11119695A JP 11969599 A JP11969599 A JP 11969599A JP 2000313953 A JP2000313953 A JP 2000313953A
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JP
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electron beam
long substrate
evaporation source
discharge
roll
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JP11119695A
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Toshihiro Zenitani
利宏 銭谷
Naoki Hibino
直樹 日比野
Konosuke Inagawa
幸之助 稲川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子ビーム蒸発源を使用して長尺基板の帯電を
防止しながら放電による損傷のない緻密な被膜を備えた
皺のない長尺基板を製造する方法を提供すること、及び
この方法の実施に適した装置を提供すること。 【解決手段】巻取手段7により真空の成膜室1内を移動
する誘電体の長尺基板8に、電子ビーム蒸発源14から
の蒸発物質11を蒸着する真空蒸着方法に於いて、該電
子ビーム蒸発源の近傍に設置した電極15に電位を印加
してこれに放電を発生させ、その放電領域を通過する該
蒸発物質を正イオン化して該長尺基板に蒸着することに
より、該長尺基板上で負に帯電している蒸発物質から発
生した二次電子を電気的に中和する。該電子ビーム蒸発
源の近傍に、これより蒸発する蒸発物質を正イオン化す
る放電領域を形成する放電電源17に接続された電極を
設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子ビームにより
加熱されて蒸発源から蒸発する蒸発物質を、移動する誘
電体製の長尺基板に蒸着して薄膜を形成する巻取式蒸着
方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチックフィルムや紙のよう
な誘電体からなる長尺基板に蒸着により被膜を形成する
装置として、図1に示すような電子ビーム蒸発源を使用
した装置が知られている。該長尺基板aは、真空の成膜
室b内で巻取装置cを構成する送出しロールdから繰り
出され、ガイドローラe、fを介して金属製の冷却ロー
ラgへと送られる。そして、該冷却ローラgの回転に伴
われて連続移動し、ガイドローラh、iを介して巻取ロ
ールjに巻き取られる。該冷却ローラgの下方には、蒸
発物質kを収めた電子ビーム蒸発源lを設置し、電子銃
mからの電子ビームnにより加熱されて蒸発する該蒸発
物質kが該長尺基板a上に被膜として形成される。必要
な場合、反応ガス導入口oから反応ガスを導入して成膜
が行われる。
【0003】該長尺基板aに入射する粒子としては、中
性の蒸発物質の他に、蒸発物質への電子ビームnの照射
によって発生した二次電子がある。該長尺基板aが誘電
体であるため、電気的に負に帯電したままになり、その
帯電がアース電位の冷却ローラgに逃げることはない。
こうした帯電状態は、長尺基板aに形成される被膜が導
体、非導体の如何に係わらず発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の電子ビーム
蒸発源を使用した巻取式蒸着装置では、長尺基板aが誘
電体であり二次電子が発生するので、冷却ローラgと被
膜は該長尺基板を介して静電気を保持した状態となり、
長尺基板aはその静電気で冷却ローラgに密着するよう
になる。しかし、長尺基板aには常に張力が加わってお
り、その張力が該長尺基板aを冷却ローラgから引き剥
がすように働き、その離れ際に該長尺基板aと冷却ロー
ラgとの間に放電が生じて該長尺基板aに形成された被
膜にピンホールやクラックの損傷を与える不都合が生じ
てしまう。また、その張力が弱いときは、長尺基板aが
その静電気で冷却ローラgに密着したまま巻き取られ、
製品としての回収の障害になる。さらに、これらの中間
の張力の場合には、長尺基板aが冷却ローラgに引き寄
せられたのちガイドローラhに引き寄せられ、成膜を終
えた長尺基板aは常に波打った如き状態になり、しかも
放電が生じるので、長尺基板aには皺が発生し、形成さ
れた被膜にはクラックやピンホールが発生して不良品に
なる。また、製品となった長尺基板aが静電気を帯電し
ているため、その後の取り扱いに面倒がある。
【0005】本発明は、電子ビーム蒸発源を使用して長
尺基板の帯電を防止しながら放電による損傷のない緻密
な被膜を備えた皺のない長尺基板を製造する方法を提供
すること、及びこの方法の実施に適した装置を提供する
ことを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、巻取手段に
より真空の成膜室内を移動する誘電体の長尺基板に、電
子ビーム蒸発源からの蒸発物質を蒸着する真空蒸着方法
に於いて、該電子ビーム蒸発源の近傍に設置した電極に
電位を印加してこれに放電を発生させ、その放電領域を
通過する該蒸発物質を正イオン化して該長尺基板に蒸着
することにより、該長尺基板上で負に帯電している蒸発
物質から発生した二次電子を該長尺基板上で電気的に中
和することにより、上記の目的を達成するようにした。
該電子ビーム蒸発源の近傍に設置した電極には、直流の
正電位、もしくは商用交流、もしくは低周波、もしくは
高周波の電位を印加して放電を持続させることが好まし
い。
【0007】本発明の方法の実施には、真空排気口を備
えた真空の成膜室内に、ドラムを循環して巻取手段によ
り移動されるフィルム等の長尺基板と、該長尺基板に蒸
着する蒸発物質を蒸発させる電子ビーム蒸発源とを設け
た蒸着装置に於いて、該電子ビーム蒸発源の近傍に、こ
れより蒸発する蒸発物質を正イオン化する放電領域を形
成する放電電源に接続された電極を設けた構成の装置が
適している。該長尺基板はプラスチックもしくは紙であ
り、蒸発物質が金属もしくはセラミックスであってもよ
い。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
き説明すると、図2に於いて、符号1は内部が仕切板2
により上下の2室1a、1bに仕切られた成膜室、3
a、3bは各室を真空に排気する真空ポンプに接続され
た真空排気口を示す。該仕切板2の切れ目には、駆動さ
れた回転軸18を中心に回転して周面が各室1a、1b
を循環する円筒状の金属製の冷却ローラ4を設け、上方
の室1aに送出しロール5と巻取ロール6で構成された
巻取手段7を設けた。該送出しロール5からはプラスチ
ックフィルムや紙のような誘電体からなる帯状の長尺基
板8が送り出され、該冷却ローラ4の周面を捲回して上
方の室1aの巻取ロール6に巻き取られる。該送出しロ
ール5および巻取ロール6は、該長尺基板8に適当な張
力を生じさせるように回転駆動される。9はガイドロー
ラ、10は反応ガス導入管である。
【0009】下方の室1bには、金属やセラミックスの
蒸発物質11を収容した蒸発源12とその側方に設けた
熱電子形あるいは電界電子形などの例えば出力5kWの
一般的な電子銃13とで構成された電子ビーム蒸発源1
4を設け、該電子銃13からビーム状に放出された熱電
子をアース電位の該蒸発源12に導くことにより該蒸発
物質11を加熱蒸発させ、その蒸気が冷却ローラ4で冷
却されて移動する長尺基板8の表面に付着して被膜が形
成される。
【0010】こうした形態は従来の電子ビーム蒸発源に
よる蒸着と変わりがなく、長尺基板が誘電体であるため
に前記した不都合等を生ずることになるが、本発明で
は、該電子ビーム蒸発源14の近傍に放電用の電極15
を設置し、これに放電電源17から直流の正電位等の電
位を印加することにより電子ビームの照射に伴い発生し
た二次電子を引きつけて放電を発生させ、その放電領域
16を通過する蒸発物質の蒸気の一部を正イオン化して
長尺基板8に付着させることにより、蒸発物質から入射
している二次電子と電気的に中和させて帯電状態を解消
した。これにより、被膜形成後の長尺基板8が冷却ロー
ラ4に付着して巻き取られたり、冷却ローラ4から長尺
基板8が離れる際の放電もなくなり、スムーズな巻き取
りを行え、静電気を帯びていないから後工程での取り扱
いも容易になり、形成された被膜は健全なものとなる。
また、長尺基板8に入射する蒸発物質の一部がイオン化
していることにより、被膜は緻密なものとなる。
【0011】該電極15は、ステンレス製の円環で構成
し、該蒸発源12の蒸発口に近い前方周囲に設置した
が、その形状は任意であり、蒸発源12への電子ビーム
の照射と蒸発を妨げず且つ二次電子の捕捉効率の良い位
置に設置すればよい。該電極15の放電電源17には、
各種の電源を使用でき、直流電源から正電位を該電極1
5に印加し、あるいは商用交流や低周波、高周波の電位
を印加するようにしてもよい。
【0012】図示の装置により長尺基板8に被膜を形成
する場合、該巻取手段7に長尺基板8をセットし、蒸発
源12に蒸発物質11を収め、各真空排気口3a、3b
からの排気により各室を蒸着に適した真空圧とする。そ
して電子銃13を作動させると共に電極15に電源17
から電圧を印加し、該蒸発物質11を蒸発させながら長
尺基板8を移動させてこれに蒸発物質11の被膜を形成
する。この成膜時に該長尺基板8には、中性の蒸発物質
11の粒子の他に、蒸発物質11への電子ビームの照射
によって発生した二次電子が入射することになるが、そ
の成膜中は該電極15の電位によりその二次電子の一部
を捕集して放電領域16が形成されるので、この領域を
通過して蒸発する蒸発物質11の一部が正イオン化され
る。そして、正イオン化された蒸発物質11が該長尺基
板8に入射することにより、該長尺基板8に入射した二
次電子が電気的に中和され、二次電子の帯電が消滅して
誘電体の長尺基板8の静電気が消える。そのため、長尺
基板8が冷却ローラ4から円滑に離れ、その際に放電を
発生することもなく、該長尺基板8の後工程での取り扱
いが容易になる。
【0013】長尺基板8には、ポリプロピレン、ポリエ
ステル、ナイロン等のプラスチックフィルム、或いは紙
シートを用いてもよく、蒸発物質11には、Cu、N
i、Ti等の金属、SiO、SiO2、Al23等のセ
ラミックスを用いてもよい。
【0014】
【実施例1】図1に示す従来の巻取式蒸着方法と本発明
の方法を、アルミニウム(Al)の被膜をポリエチレン
テレフタレート(PET)フィルムの長尺基板に形成す
ることにより比較した。まず、従来法により厚さ12μ
mのPETフィルムの長尺基板に通常の巻取張力を与え
て2×10-5Torrの成膜室1内を30m/minの速度
で移動させ、出力5KWの電子銃によりAlの蒸着物質
を蒸発させた。冷却ロールを通過した該長尺基板は、最
初は冷却ロールに引き寄せられ、その後ガイドローラに
引き寄せられて波を打つような状態で巻き取られること
が続いた。また、長尺基板が冷却ロールから離れるとき
には放電が認められた。Alが蒸着された長尺基板は帯
電しており、互いに分離が困難なほどの帯電状態で、そ
の取り扱いが不便であった。また、形成された被膜には
放電によるクラックが発生していた。
【0015】上記と同様の成膜条件で図2の装置により
本発明の方法を実施した。蒸発物質11はAlで、電極
15に放電電圧250V、放電電流200mAの直流正
電位を印加した。この場合は、冷却ローラ4を通過した
成膜済みの長尺基板8を、冷却ローラ4との間で放電を
生じることなく、また波打つこともなくスムーズ巻き取
ることができた。取り出した後に長尺基板同士がくっつ
き合うこともなく、取り扱いが容易であった。形成され
た被膜にはピンホールもクラックもなく、良質なAl膜
であった。
【0016】
【実施例2】Al23の被膜を、図1の装置で従来法に
より長尺基板に蒸着した。長尺基板は実施例1のものと
同じPETフィルムで、Alを収容した蒸発源に出力5
kWの電子銃から電子ビームを照射してAlを蒸発さ
せ、これと同時に反応ガス導入口から流量300scc
mのO2ガスを導入し、蒸発するAl粒子を酸化反応さ
せて長尺基板にAl23のガスバリヤフィルムの被膜を
形成した。成膜室1内は4×10-4Torrで、長尺基板の
移動速度は30m/minである。
【0017】この場合、Al23の被膜が形成されて冷
却ローラを通過する長尺基板は、実施例1のAl膜を形
成したときよりも強く冷却ローラに密着し、また、離れ
際の放電も強かった。これは、Al23の膜が絶縁体の
ため、帯電した二次電子が金属Al膜の場合よりも逃げ
にくく、大量の二次電子が残っていたためと考えられ
る。生成したAl23のガスバリヤフィルムとしての特
性評価の結果は、水蒸気透湿度4.1g/m2・da
y、酸素透過率3.4cc/m2・dayであり、良好
なものではなかった。被膜の顕微鏡観察によれば、クラ
ックや放電跡による損傷が認められた。また、Al蒸着
のときと同様に取り出し後に長尺基板同士が付着し、そ
の度合いはAl蒸着の場合よりも激しかった。
【0018】次に本発明の方法により図2の装置でO2
ガスを導入しながら蒸着した。電極15には直流正電位
を印加して放電を持続させた。放電電圧は250V、放
電電流は250mAで、他の成膜条件は上記の従来法と
同じである。この本発明の方法では、実施例1の本発明
の方法の場合と同様に放電もなく極めてスムーズな巻取
蒸着を行えた。成膜されたAl23膜の水蒸気透湿度は
1.6g/m2・day、酸素透過率は1.5cc/m2
・dayであり、優れたガスバリヤ性を示した。また、
被膜にはクラックや放電等の損傷がなく健全で、その後
に長尺基板同士の付着もなく取り扱いも容易であった。
【0019】
【発明の効果】以上のように本発明によるときは、巻取
手段で成膜室内を移動する誘電体の長尺基板に、電子ビ
ーム蒸発源から蒸発する蒸発物質を蒸着するに際し、該
電子ビーム蒸発源の近傍に設けた電極の放電領域を通過
させて蒸発物質の一部を正イオン化して該長尺基板に蒸
着させ、該長尺基板上の負に帯電している蒸発物質から
発生した二次電子を電気的に中和するようにしたので、
いわゆるチャージアップがなくなり、スムーズな長尺基
板の巻取蒸着が可能で、ピンホールやクラック等がなく
健全な被膜を形成でき、蒸発物質の一部がイオン化され
るために緻密な被膜を形成することができる等の効果が
得られ、放電電源を該電極に接続する簡単な構成で放電
を発生させるので、比較的安価に本発明の方法を実施す
る装置を製作できる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の巻取式真空蒸着方法に使用された巻取式
真空蒸着装置の截断側面図
【図2】本発明の方法の実施に使用した巻取式真空蒸着
装置の截断側面図
【符号の説明】
1 成膜室、3a・3b 真空排気口、4 冷却ロー
ラ、7 巻取手段、8 長尺基板、11 蒸発物質、1
3 電子銃、14 電子ビーム蒸発源、15 電極、1
6 放電領域、17 放電電源、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲川 幸之助 千葉県山武郡山武町横田523 日本真空技 術株式会社千葉超材料研究所内 Fターム(参考) 4K029 AA01 AA11 AA25 BA01 BA43 CA03 DD05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】巻取手段により真空の成膜室内を移動する
    誘電体の長尺基板に、電子ビーム蒸発源からの蒸発物質
    を蒸着する真空蒸着方法に於いて、該電子ビーム蒸発源
    の近傍に設置した電極に電位を印加してこれに放電を発
    生させ、その放電領域を通過する該蒸発物質を正イオン
    化して該長尺基板に蒸着することにより、該長尺基板上
    で負に帯電している蒸発物質から発生した二次電子を電
    気的に中和することを特徴とする巻取式真空蒸着方法。
  2. 【請求項2】上記電子ビーム蒸発源の近傍に設置した電
    極に、直流の正電位、もしくは商用交流、もしくは低周
    波、もしくは高周波の電位を印加して放電を持続させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の巻取式真空蒸着方
    法。
  3. 【請求項3】真空排気口を備えた真空の成膜室内に、ド
    ラムを循環して巻取手段により移動されるフィルム等の
    長尺基板と、該長尺基板に蒸着する蒸発物質を蒸発させ
    る電子ビーム蒸発源とを設けた蒸着装置に於いて、該電
    子ビーム蒸発源の近傍に、これより蒸発する蒸発物質を
    正イオン化する放電領域を形成する放電電源に接続され
    た電極を設けたことを特徴とする巻取式真空蒸着装置。
  4. 【請求項4】上記長尺基板はプラスチックもしくは紙で
    あることを特徴とする請求項1または3に記載の方法ま
    たは装置。
  5. 【請求項5】上記蒸発物質が金属もしくはセラミックス
    であることを特徴とする請求項1または3に記載の方法
    または装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003011263A (ja) * 2001-06-29 2003-01-15 Toppan Printing Co Ltd 蒸着フイルム及びその製造方法
CN118497682A (zh) * 2024-06-19 2024-08-16 江阴迪科真空科技有限公司 一种真空镀膜机蒸发源保护装置

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