JP2000314359A - 燃料噴射弁 - Google Patents

燃料噴射弁

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JP2000314359A
JP2000314359A JP2000120470A JP2000120470A JP2000314359A JP 2000314359 A JP2000314359 A JP 2000314359A JP 2000120470 A JP2000120470 A JP 2000120470A JP 2000120470 A JP2000120470 A JP 2000120470A JP 2000314359 A JP2000314359 A JP 2000314359A
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fuel injection
slit
fuel
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Makoto Koike
誠 小池
Kiyomi Kawamura
清美 河村
Akinori Saito
昭則 斎藤
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】内燃機関等の燃料供給に用いられ噴霧角の大き
さ、噴霧の分散および微粒化など燃料噴射特性に優れ偏
平で扇形状の燃料噴霧を噴射供給可能とする。 【解決手段】スリット状噴孔の相対向する短手方向(燃
料噴射の厚み方向に相当)の部位は弁孔側の開口より弁
体の外周壁側の開口にわたって末広がり状に拡大形成す
ると共に、該スリット状噴孔の相対向する長手方向(燃
料噴射の幅方向に相当)の部位は弁孔側の開口より弁体
の外周壁側の開口にわたってほぼ平行関係に形成し、か
つ前記スリット状の噴孔がその弁孔側の開口の相対向間
距離Wを有し、該Wは、W=0.05mm〜0.24m
mの関係とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の燃料供
給に用いられる燃料噴射弁に関するもので、噴霧角の大
きさ、噴霧の分散および微粒化など燃料噴射特性に優れ
偏平で扇形状の燃料噴霧を噴射供給する燃料噴射弁であ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関の燃料供給に用いられる
燃料噴射弁には、ホール弁やスロットル弁等がある。こ
れらの燃料噴射弁は、円錐状の燃料噴霧を噴射供給する
ものであるが、対象とする内燃機関の種類によっては、
噴霧角の大きさ、噴霧の分散および微粒化等に関して別
の噴霧形態が望ましい場合があり、噴霧形態を変えるた
めの様々なノズル形状が検討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えば、多孔ホール弁
のスリット状噴孔を長円状にしたものがある(実開昭6
1−118969号)。しかし、この燃料噴射弁は、ス
リット状噴孔の幅および長手方向に沿った長さに着目し
たものでなく、噴霧角が小さく、噴霧の分散および微粒
化においては従来の燃料噴射弁と同程度で不十分であ
り、これらの改善が必要である。
【0004】また、この燃料噴射弁は、直接噴射式内燃
機関に適用した場合、図10に示すように、燃料噴射弁
から噴射された噴霧が分散していない燃焼室22内のd
の領域へ吸入空気のスワールSによって噴霧を分散さ
せ、噴霧の分散が不足するのをスワールSによって補う
必要がある。そのため、吸入空気にスワールSを与える
ヘリカルポート等の吸気機構が必要になると共に、この
吸気機構によって吸気抵抗が増加し、出力の低下を招
く。さらに、この燃料噴射弁は、筒内噴射式内燃機関に
適用した場合、噴射された噴霧は、シリンダの軸方向に
厚みをもって分散するため、燃焼室22を深い形状とす
る必要があり、燃焼室22のコンパクト化を図ることが
難しい。これに加えて、噴霧の分散が悪いことおよび噴
霧の貫徹力が強いため、燃料の燃焼室壁面への付着が多
く、燃焼の悪化を招き、排気ガス中の煤および各種排気
浄化の必要な成分の増加を招く。
【0005】次に、燃料を噴射供給する火花点火式内燃
機関においては、スリット状噴孔を長円状とし、ニード
ル先端のピンによって噴霧を2方向に分岐させたものが
ある(実開昭63−26769号)。しかし、これは分
岐した吸気管の仕切り壁への燃料の付着の減少を目的と
するものである。そして、ニードル先端のピンによって
噴霧を2方向に分岐させることはできるものの、噴霧の
微粒化が不十分である。また、噴霧の貫徹力が強いた
め、燃料の吸気管内壁面への付着が多く、吸気管内の吸
気流への噴霧の拡散混合が不十分であるといった実用上
解決すべき問題を有する。
【0006】さらに、従来、スリット状噴孔の開口縦横
比を4.5以上に構成した燃料噴射弁がある(特開平3
―78562号)。しかし、この燃料噴射弁は、燃料噴
霧の拡がり角がスリット状噴孔における燃料噴射弁の内
周壁側の内端の深さに依存し、流通抵抗の影響により所
定の噴霧角を効率良く的確に得るのは十分ではなかっ
た。
【0007】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
で、内燃機関等の燃料供給に用いられ噴霧角の大きさ、
噴霧の分散および微粒化など燃料噴射特性に優れ偏平で
扇形状の燃料噴霧を噴射供給する燃料噴射弁を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1に記載
の第1発明)の燃料噴射弁は、弁体に設けた弁孔にリフ
ト可能に設けられた針弁と、針弁の先端部が当接する前
記弁孔の弁座部と、前記弁孔の弁座部に針弁の先端部を
介して連通し弁体の先端に開口すると共に、針弁の弁座
部からのリフトにより燃料を噴射供給するスリット状の
噴孔とを備えた燃料噴射弁であって、前記スリット状噴
孔の相対向する短手方向(燃料噴射の厚み方向に相当)
の部位は弁孔側の開口より弁体の外周壁側の開口にわた
って末広がり状に拡大形成すると共に、該スリット状噴
孔の相対向する長手方向(燃料噴射の幅方向に相当)の
部位は弁孔側の開口より弁体の外周壁側の開口にわたっ
てほぼ平行関係に形成し、かつ前記スリット状の噴孔が
その弁孔側の開口の相対向間距離Wを有し、該Wは、W
=0.05mm〜0.24mmの関係としたことを特徴
とする。
【0009】本発明(請求項2に記載の第2発明)の燃
料噴射弁は、請求項1において、前記Wが、W=0.0
6mm〜0.20mmの関係としたことを特徴とする。
【0010】本発明(請求項3に記載の第3発明)の燃
料噴射弁は、請求項1または請求項2に記載の一におい
て、前記スリット状の噴孔がその開口方向と燃料噴射弁
の軸心とのなす角度βが、β=0°〜90°の関係とし
たことを特徴とする。
【0011】本発明(請求項4に記載の第4発明)の燃
料噴射弁は、請求項1ないし請求項3に記載の一におい
て、前記スリット状の噴孔がその開口方向と燃料噴射弁
の軸心とのなす角度βが、β=0°〜60°の関係とし
たことを特徴とする。
【0012】本発明(請求項5に記載の第5発明)の燃
料噴射弁は、請求項1ないし請求項4に記載の一におい
て、前記末広がり状に拡大形成するスリット状噴孔の相
対向する短手方向(燃料噴射の厚み方向に相当)の部位
間の挟み角γを有し、当該挟み角γは、γ≧60°の関
係としたことを特徴とする。
【0013】
【発明の作用・効果】上記構成からなる本発明の燃料噴
射弁は、前記スリット状噴孔の相対向する短手方向(燃
料噴射の厚み方向に相当)の部位を弁孔側の開口より弁
体の外周壁側の開口にわたって末広がり状に拡大形成
し、即ち、スリット状噴孔の内端より外端に亘るスリッ
ト状噴孔の相対向する短手方向壁部に関して末広がり状
に拡大形成すると共に、該スリット状噴孔の相対向する
長手方向(燃料噴射の幅方向に相当)の部位を弁孔側の
開口より弁体の外周壁側の開口にわたってほぼ平行関係
に形成し、かつ前記スリット状の噴孔がその弁孔側の開
口の相対向間距離Wを有し、該Wは、W=0.05mm
〜0.24mmの関係としたことにより、以下の作用効
果を実奏する。
【0014】当該スリット状噴孔から噴射された燃料
は、流通抵抗少なくスリット状噴孔の近くでは非常に偏
平で扇形形状の液膜となる。この液膜は、スリット状噴
孔から遠ざかるに従ってその厚みを減少すると共に、周
囲の空気との接触面積を増大するため、周囲の空気によ
って液膜が引きちぎられ、急速に微細な噴霧へと変化す
る。
【0015】詳述すれば、前記液膜は、非常に偏平で扇
形形状の液膜となるため、生じた噴霧は、スリット状噴
孔の長手方向(燃料噴射の幅方向に相当)よりして図3
に示すように噴霧拡がり角δを大きく所望する適正な値
とすることができる。即ち、当該スリット状の噴孔から
噴射される燃料は、末広がり状に拡大形成したスリット
状噴孔の相対向する短手方向壁部(燃料噴射の厚み方向
に相当)に関して、当該末広がり状に拡大形成した通路
に沿って安定、円滑に流通案内されるため燃料の流通抵
抗が少なくスリット状の噴孔の近くでは良好な扇形状の
液膜となる。また、スリット状噴孔の短手方向(燃料噴
射の厚み方向に相当)よりして図4に示すように噴射さ
れた噴霧は、偏平な扇形状で所定の偏平角αを有してい
るため、周囲の空気を巻き込み易い。即ち、スリット状
噴孔はその相対向する長手方向壁部(燃料噴射の幅方向
に相当)に関して、ほぼ平行関係に形成した当該部位が
流通する燃料の外方へ広がろうとする流通成分を当該ほ
ぼ平行関係の部位で抑えスリット状の噴孔の近くでは非
常に偏平な液膜とする。さらに、噴霧を巻き込んだ空気
は、噴霧の運動量を奪うため、噴霧の飛翔速度の減衰が
噴霧に巻き込む空気の量によって大きく影響され、噴霧
の到達距離および貫徹力も噴霧に巻き込む空気の量によ
って大きく変わる。
【0016】本発明の燃料噴射弁は、スリット状噴孔の
内端より外端に亘るスリット状噴孔の長手方向壁部に関
して燃料噴射弁の軸心に対する開口方向の角度βを鋭角
関係とし、かつ燃料噴射弁の軸心と前記内端を結ぶ面内
より外方に拡大形成するのを適宜選択することによって
噴霧の角度、到達距離および貫徹力等を適切なものに選
ぶことができる。即ち、本発明の燃料噴射弁によれば、
燃料の流れ出す方向が急激に曲げられることなく流れの
損失が少ないため、スリット状の噴孔から噴射される燃
料の速度が抑えられることがなく、スリット状の噴孔の
近くで液膜の広がりが抑えられない。このため、前記と
同様にスリット状噴孔から噴射された燃料は、燃料に対
する流通抵抗が少なくスリット状噴孔の近くでは非常に
偏平で扇形形状の液膜となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態について
図を用いて説明する。
【0018】
【第1の実施の形態】第1の実施の形態の燃料噴射弁
は、図1ないし図4に示すように、弁体2の基端面に穿
設した弁孔6に針弁1を摺嵌し、針弁1の基端面にコイ
ルバネ5を装着する。弁孔6の先端部には、針弁1の円
錐状の先端部7が当接する円錐状の弁座部8を設けると
共に、弁座部8から弁体2の先端面に開口するスリット
状の噴孔4を設けてある。スリット状の噴孔4と弁座部
8の間には、サック部3を設け、針弁1の円柱状の本体
部と円錐状の先端部7との境界付近まわりに位置する弁
体2に円環状の圧力室12を形成する。弁体2の基端面
に穿設した燃料供給通路11の先端部は、圧力室12の
外周面に連通されている。針弁1と弁体2の間には、圧
力室12に接続する環状の接続通路13を設ける。燃料
供給通路11と接続通路13を経て針弁1の先端部7に
作用する燃料の圧力が上昇すると、針弁1がコイルバネ
5に抗して弁孔6の弁座部8から離脱する。このため、
第1の実施の形態の燃料噴射弁は、針弁1の先端部7と
弁孔6の弁座部8との間隙を経て圧力室12が開口部1
0に連通して開弁するように構成されている。
【0019】そして、第1の実施の形態の燃料噴射弁
は、燃料供給通路11、圧力室12、接続通路13およ
び針弁1の先端部7と弁孔6の弁座部8の間の隙間によ
って、開弁時にスリット状の噴孔4に燃料を供給する通
路を構成して成る。この針弁1は燃料圧力の他、電磁力
等を利用して直接引き上げて開弁することもできる。ま
た、第1の実施の形態の燃料噴射弁は、スリット状の噴
孔4が弁体2の外周側の外端10と弁体2の内周側、す
なわち、サック部3側に内端9を有し、外端10と内端
9は直線状あるいは円弧状の通路で連通されている。外
端10には必要に応じて面取りを施すこともできる。
【0020】第1の実施の形態の燃料噴射弁は、内端9
の幅Wに対して長手方向に沿った長さL1が4.5倍以
上に構成してある。また、外端10の長手方向に沿った
長さL2は、内端9の長手方向に沿った長さL1より大
きくなっている。さらに、前記外端10と内端9を結ぶ
直線状あるいは円弧状の通路は、内端9から外端10に
向かって広がり、前記幅Wを含む前記通路の側面間の挟
み角が60°以上に形成してある。そして、第1の実施
の形態の燃料噴射弁は、内端9より外端10に亘るスリ
ット状噴孔4の長手方向壁部に関して燃料噴射弁の軸心
に対する開口方向の角度βを鋭角関係に形成してある。
また、第1の実施の形態の燃料噴射弁は内端9より外端
10に亘るスリット状噴孔4の長手方向壁部に関して、
その軸心と前記内端9を結ぶ面内より外方に拡大形成さ
れている。
【0021】ここで第1の実施の形態の燃料噴射弁は、
スリット状噴孔4における内端9の幅(対向間距離)
W、即ち、弁孔6側の開口の相対向間距離の数値範囲は
以下の通りである。スリット状噴孔4における内端9の
幅(対向間距離)Wの範囲は、0.05mm以上で0.
24mm以下である。最適の数値範囲は、0.06mm
以上で0.20mm以下である。これにより第1の実施
の形態の燃料噴射弁は、スリット状噴孔4から噴射され
た燃料が偏平で扇形の形状となり、この液膜がスリット
状噴孔4から遠ざかるに従ってその厚みを減少し周囲空
気との接触面積を増大して周囲空気によって液膜が引き
ちぎられ、急速に微細な噴霧へと変化する。このように
して得られる噴霧の平均粒径dsと幅Wとの関係を図9
に示す。図9より明らかなように、幅Wが大きくなると
平均粒径dsが大きくなるのである。これは幅Wが大き
くなると噴射された燃料液膜の厚さも厚くなるからであ
る。図8、図9は幾多の実験等から得られた結果である
が、図9より明らかなように、幅Wが0.24mm以上
になると噴霧の平均粒径dsは急激に大きくなる。さら
に、噴霧の平均粒径dsはこれがほぼ一様な値に保たれ
る幅Wが0.06mm以上で0.20mm以下である。
【0022】また、第1の実施の形態の燃料噴射弁は、
この軸心に対するスリット状噴孔4の開口方向の角度β
の数値範囲は以下の通りである。すなわち、図2に示し
たスリット状噴孔4と燃料噴射弁の中心軸とのなす角度
βは、0°(同軸的)以上90°未満が望ましい。ま
た、最適な数値範囲としては0°(同軸的)以上60°
未満である。これは、針弁1が上昇し噴射が行われる際
に、弁孔6の弁座部8と針弁1の先端部7との隙間を経
て流出する燃料がスリット状噴孔4に到達する時に、も
し角度βが90°を越す角度であるならば、燃料の流れ
出す方向が急激に曲げられることになり、流れの損失が
増大する。その結果、スリット状噴孔4から噴射される
燃料の速度は抑えられることになり、スリット状噴孔4
の近くで偏平で扇形の形状となるはずの液膜の広がりが
抑えられる。そのため、偏平で扇形形状の液膜がスリッ
ト状噴孔4から遠ざかるに従ってその厚みを減少し周囲
空気との接触面積を増大し、周囲空気によって液膜が引
きちぎられ、急速に微細な噴霧へ変化するという効果が
なくなるのである。
【0023】
【第1の実施の形態の作用・効果】上記構成からなる第
1の実施の形態の燃料噴射弁は、前記スリット状噴孔4
の相対向する短手方向(燃料噴射の厚み方向に相当)の
部位を弁孔6側の開口より弁体2の外周壁側の開口にわ
たって末広がり状に拡大形成し、即ち、スリット状噴孔
4の内端9より外端10に亘るスリット状噴孔4の相対
向する短手方向壁部に関して末広がり状に拡大形成する
と共に、該スリット状噴孔4の相対向する長手方向(燃
料噴射の幅方向に相当)の部位を弁孔6側の開口より弁
体2の外周壁側の開口にわたってほぼ平行関係に形成
し、かつ前記スリット状の噴孔4がその弁孔6側の開口
の相対向間距離Wを有し、該Wは、W=0.05mm〜
0.24mmの関係としたことにより、以下の作用効果
を実奏する。
【0024】当該スリット状噴孔4から噴射された燃料
は、流通抵抗少なくスリット状噴孔4の近くでは非常に
偏平で扇形形状の液膜となる。この液膜は、スリット状
噴孔4から遠ざかるに従ってその厚みを減少すると共
に、周囲の空気との接触面積を増大するため、周囲の空
気によって液膜が引きちぎられ、急速に微細な噴霧へと
変化する。
【0025】詳述すれば、前記液膜は、非常に偏平で扇
形形状の液膜となるため、生じた噴霧は、スリット状噴
孔4の長手方向(燃料噴射の幅方向に相当)よりして図
3に示すように噴霧拡がり角δを大きく所望する適正な
値とすることができる。即ち、当該スリット状の噴孔4
から噴射される燃料は、末広がり状に拡大形成したスリ
ット状噴孔4の相対向する短手方向壁部(燃料噴射の厚
み方向に相当)に関して、当該末広がり状に拡大形成し
た通路に沿って安定、円滑に流通案内されるため燃料の
流通抵抗が少なくスリット状の噴孔4の近くでは良好な
扇形状の液膜となる。また、スリット状噴孔の短手方向
(燃料噴射の厚み方向に相当)よりして図4に示すよう
に噴射された噴霧は、偏平な扇形状で所定の偏平角αを
有しているため、周囲の空気を巻き込み易い。即ち、ス
リット状噴孔4はその相対向する長手方向壁部(燃料噴
射の幅方向に相当)に関して、ほぼ平行関係に形成した
当該部位が流通する燃料の外方へ広がろうとする流通成
分を当該ほぼ平行関係の部位で抑えスリット状の噴孔4
の近くでは非常に偏平な液膜とする。さらに、噴霧を巻
き込んだ空気は、噴霧の運動量を奪うため、噴霧の飛翔
速度の減衰が噴霧に巻き込む空気の量によって大きく影
響され、噴霧の到達距離および貫徹力も噴霧に巻き込む
空気の量によって大きく変わる。
【0026】本第1の実施の形態の燃料噴射弁は、スリ
ット状噴孔4の内端9より外端10に亘るスリット状噴
孔4の長手方向壁部に関して燃料噴射弁の軸心に対する
開口方向の角度βを鋭角関係とし、かつ燃料噴射弁の軸
心と前記内端9を結ぶ面内より外方に拡大形成するのを
適宜選択することによって噴霧の角度、到達距離および
貫徹力等を適切なものに選ぶことができる。即ち、第1
の実施の形態の燃料噴射弁によれば、燃料の流れ出す方
向が急激に曲げられることなく流れの損失が少ないた
め、スリット状の噴孔4から噴射される燃料の速度が抑
えられることがなく、スリット状の噴孔4の近くで液膜
の広がりが抑えられない。このため、前記と同様にスリ
ット状噴孔4から噴射された燃料は、燃料に対する流通
抵抗が少なくスリット状噴孔4の近くでは非常に偏平で
扇形形状の液膜となる。
【0027】また、上記構成からなる第1の実施の形態
の燃料噴射弁は、スリット状噴孔4の内端9より外端1
0に亘るスリット状噴孔4の長手方向壁部に関して燃料
噴射弁の軸心に対する開口方向の角度βを鋭角関係と
し、かつ燃料噴射弁の軸心と前記内端9を結ぶ面内より
外方に拡大形成したことにより、当該スリット状噴孔4
から噴射された燃料は、流通抵抗少なくスリット状噴孔
4の近くでは非常に偏平で扇形形状の液膜となる。この
液膜は、スリット状噴孔4から遠ざかるに従ってその厚
みを減少すると共に、周囲の空気との接触面積を増大す
るため、周囲の空気によって液膜が引きちぎられ、急速
に微細な噴霧へと変化し、図8、図9に示すように、噴
霧の微粒化が促進される。
【0028】
【第2の実施の形態】第2の実施の形態の燃料噴射弁
は、図5に示すように、弁座部8に近接してスリット状
噴孔4を設けると共に、弁座部8から弁体2の先端面が
先細形状となし容積小にしサック部3を省略した構成で
ある。上記構成からなる第2の実施の形態の燃料噴射弁
は、スリット状噴孔4から燃料を噴射することによっ
て、スリット状噴孔4で噴射燃料を広く分散させつつ、
当該噴霧燃料と空気との混合を促進できる。また、第2
の実施の形態の燃料噴射弁は、前記実施の形態に比して
燃料流量の確保と燃料の噴射切れ等の点で実用上優れた
作用効果を奏する。
【0029】
【応用例】図6および図7は、前記第1の実施の形態の
燃料噴射弁を4弁タイプの筒内燃料噴射式内燃機関に応
用した例を示す。第1の実施の形態の燃料噴射弁は、ス
リット状噴孔4を燃焼室22に臨ませるように、吸気ス
ワールを発生しない吸気ポート27と吸気弁28および
排気ポートと排気弁(それぞれ図示せず)を備えたシリ
ンダヘッド25に配設してある。シリンダブロック26
に設けられたシリンダ24には、ピストン21が往復動
可能に設けられている。ピストン21には、側面にピス
トンリング29が複数設けられ燃焼室22からのガスの
吹き抜けを防止して成る。また、ピストン21の直径
は、70〜100mmで、上面には吸気弁側に深さ数m
m〜数十mmの浅いキャビテイ22が燃料噴射弁23か
らの燃料噴霧を均等に分散させるように設けられてい
る。燃料噴射弁23は、燃料の噴射方向が図7に示すよ
うに、燃料噴射弁23から点火栓Pに向かって左右に偏
平で扇形の燃料噴霧を噴射する。ピストン21の圧縮行
程後期に燃料噴射弁23から燃料が噴射されると、キャ
ビテイ22に対して偏平で扇状に燃料噴霧が広がる。本
応用例の内燃機関は、燃料の供給分散が良いため強い吸
気スワールを必要とせず、吸気スワールを用いなくても
空気利用率が格段に高くなり、燃料噴霧の貫徹力が適度
であるため、着火前に燃焼室22の壁面に燃料が付着す
ることがなく、急速に燃焼が実現される。本応用例の内
燃機関は、火花点火式であるが、これに限らず圧縮着火
式内燃機関とすることができる。この場合、シリンダヘ
ッドに取り付けた点火栓Pは不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の燃料噴射弁を示す縦断正面
【図2】第1の実施の形態の燃料噴射弁を示す縦断側面
【図3】第1の実施の形態の燃料噴射弁における噴霧形
状を模式的に示す縦断正面図
【図4】第1の実施の形態の燃料噴射弁における噴霧形
状を摸式的に示す縦断側面図
【図5】第2の実施の形態の燃料噴射弁を示す縦断側面
【図6】第1の実施の形態の燃料噴射弁を応用した内燃
機関を示す縦断側面図
【図7】第1の実施の形態の燃料噴射弁を応用した内燃
機関を示す平面図
【図8】第1の実施の形態の燃料噴射弁と従来の燃料噴
射弁との噴射量と噴霧平均粒径の関係を示す線図
【図9】第1の実施の形態の燃料噴射弁の内端の幅と噴
霧平均粒径の関係を示す線図
【図10】従来の燃料噴射弁を応用した内燃機関の噴霧
形状を摸式的に示す平面図
【符号の説明】
4 スリット状の噴孔 3 サック部 9 内端 10 外端 W 内端の幅 2 弁体 6 弁孔 1 針弁 8 弁座部 7 先端部 12 圧力室 11 燃料供給通路 13 接続通路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁体に設けた弁孔にリフト可能に設けら
    れた針弁と、針弁の先端部が当接する前記弁孔の弁座部
    と、前記弁孔の弁座部に針弁の先端部を介して連通し弁
    体の先端に開口すると共に、針弁の弁座部からのリフト
    により燃料を噴射供給するスリット状の噴孔とを備えた
    燃料噴射弁であって、前記スリット状噴孔の相対向する
    短手方向(燃料噴射の厚み方向に相当)の部位は弁孔側
    の開口より弁体の外周壁側の開口にわたって末広がり状
    に拡大形成すると共に、該スリット状噴孔の相対向する
    長手方向(燃料噴射の幅方向に相当)の部位は弁孔側の
    開口より弁体の外周壁側の開口にわたってほぼ平行関係
    に形成し、かつ前記スリット状の噴孔がその弁孔側の開
    口の相対向間距離Wを有し、該Wは、W=0.05mm
    〜0.24mmの関係としたことを特徴とする燃料噴射
    弁。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記Wが、W=0.
    06mm〜0.20mmの関係としたことを特徴とする
    燃料噴射弁。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の一にお
    いて、前記スリット状の噴孔がその開口方向と燃料噴射
    弁の軸心とのなす角度βが、β=0°〜90°の関係と
    したことを特徴とする燃料噴射弁。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3に記載の一にお
    いて、前記スリット状の噴孔がその開口方向と燃料噴射
    弁の軸心とのなす角度βが、β=0°〜60°の関係と
    したことを特徴とする燃料噴射弁。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4に記載の一にお
    いて、前記末広がり状に拡大形成するスリット状噴孔の
    相対向する短手方向(燃料噴射の厚み方向に相当)の部
    位間の挟み角γを有し、当該挟み角γは、γ≧60°の
    関係としたことを特徴とする燃料噴射弁。
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