JP2000315512A - 燃料電池の温度調節装置 - Google Patents

燃料電池の温度調節装置

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JP2000315512A JP11123033A JP12303399A JP2000315512A JP 2000315512 A JP2000315512 A JP 2000315512A JP 11123033 A JP11123033 A JP 11123033A JP 12303399 A JP12303399 A JP 12303399A JP 2000315512 A JP2000315512 A JP 2000315512A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 始動時に燃料電池を迅速に加温すると共に運
転中の燃料電池の温度を適正な運転温度範囲内にし、燃
料電池から生じる熱を有効に利用する。 【解決手段】 燃料電池10を始動する際には、熱交換
媒体が循環ポンプ24から加熱時バイパス管56を介し
てヒータ50,燃料電池10と流れるようバルブ操作を
行なうと共にヒータ50により熱交換媒体を加熱する。
この結果、燃料電池10を効率よく迅速に加温すること
ができる。燃料電池10の運転時に暖房装置60を駆動
するときには、熱交換媒体が、循環ポンプ24から燃料
電池10,ヒータ50,熱交換器62の順に流れるよう
バルブ操作を行なう。暖房装置60で必要な熱量が燃料
電池10からの熱量では不足するときには、ヒータ50
により熱交換媒体を加熱することによって不足する熱量
を補う。この結果、暖房装置60を十分に機能させるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池の温度調
節装置に関し、詳しくは、燃料電池の温度を調節する温
度調節装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の燃料電池の温度調節手段
としては、燃料電池の冷却系統に燃料電池の熱を利用す
る暖房装置と、冷却系統の熱交換媒体を加熱するバーナ
ーとを備えるものが提案されている(例えば、特開平6
−260196号公報など)。この装置では、燃料電
池,暖房装置,バーナーの順に熱交換媒体が循環する循
環路を備え、燃料電池が定常運転状態にあるときには、
燃料電池が生じる熱を用いて暖房を行なうことができる
ようになっている。また、燃料電池を始動するときに
は、熱交換媒体をバーナーによって加熱し、燃料電池を
加温することができるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この装
置では、燃料電池を始動し、燃料電池が運転可能な状態
となっても暖房装置によって十分な暖房効果を得ること
ができない場合を生じるという問題があった。バーナー
により加熱された熱交換媒体は、まず燃料電池に送られ
るから、燃料電池が運転は可能であるが定常運転状態に
至っていないときには、暖房装置には十分な熱が供給さ
れない。また、この装置では、暖房装置に必要な熱量が
燃料電池が生じる熱量より大きいときには、十分に暖房
装置を機能させることができないという問題もあった。
必要な熱を生じるのにバーナーにより熱交換媒体を加熱
すればよいが、燃料電池が定常運転状態にある場合、燃
料電池の冷却の必要のために、熱交換媒体を加熱するこ
とができない。
【0004】本発明の燃料電池の温度調節装置は、始動
時に燃料電池を迅速に加温することを目的の一つとす
る。また、本発明の燃料電池の温度調節装置は、運転中
の燃料電池の温度を適正な運転温度範囲内になるように
することを目的の一つとする。さらに、本発明の燃料電
池の温度調節装置は、燃料電池から生じる熱を有効に利
用することを目的の一つとする。また、本発明の燃料電
池の温度調節装置は、燃料電池から生じるの熱を有効利
用する際の熱量の不足を補うことを目的の一つとする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の燃料電池の温度調節装置は、上述の目的の少なく
とも一部を達成するために以下の手段を採った。
【0006】本発明の燃料電池の温度調節装置は、燃料
電池の温度を調節する温度調節装置であって、熱交換媒
体により前記燃料電池と熱交換可能な循環路と、前記熱
交換媒体を前記循環路に正逆のいずれかの方向に切り換
えて循環させる媒体循環手段と、前記循環路に設けら
れ、前記熱交換媒体を冷却する冷却手段と、前記熱交換
媒体が前記冷却手段をバイパスするよう前記循環路を切
り換える冷却バイパス手段と、前記循環路に設けられ、
前記熱交換媒体の熱を利用して仕事をする熱利用手段
と、前記熱交換媒体が前記熱利用手段をバイパスするよ
う前記循環路を切り換える熱利用バイパス手段と、前記
燃料電池と隣接して前記循環路に設けられ、前記熱交換
媒体を加熱可能な加熱手段とを備えることを要旨とす
る。
【0007】この本発明の燃料電池の温度調節装置で
は、冷却バイパス手段や熱利用バイパス手段により冷却
手段や熱利用手段を循環路に取り込んだりバイパスさせ
たりすることができる。この結果、燃料電池の温度を調
節することができると共に燃料電池の熱を利用すること
ができる。また、熱交換媒体を加熱することができるか
ら、燃料電池を加温したり、熱利用手段に必要な熱量を
補うことができる。
【0008】こうした本発明の燃料電池の温度調節装置
において、前記燃料電池の状態を検出する状態検出手段
と、該検出された状態に基づいて前記媒体循環手段と前
記冷却バイパス手段と前記熱利用バイパス手段と前記加
熱手段とを制御する制御手段とを備えるものとすること
もできる。こうすれば、燃料電池の状態を所望の状態と
することができる。
【0009】この状態検出手段と制御手段とを備える態
様の本発明の燃料電池の温度調節装置において、前記制
御手段は、前記状態検出手段が前記燃料電池の始動状態
を検出したとき、前記循環路が前記冷却手段および前記
熱利用手段をバイパスするよう前記冷却バイパス手段お
よび前記熱利用バイパス手段を制御すると共に、前記熱
交換媒体が加熱されるよう前記加熱手段を制御し、前記
熱交換媒体が前記加熱手段,前記燃料電池の順に前記循
環路を循環するよう該媒体循環手段を制御する手段であ
るものとすることもできる。こうすれば、燃料電池を迅
速に加温することができる。
【0010】また、状態検出手段と制御手段とを備える
態様の本発明の燃料電池の温度調節装置において、前記
制御手段は、前記状態検出手段が前記燃料電池の運転可
能状態を検出したとき、前記循環路に前記冷却手段およ
び/または前記熱利用手段が取り組まれるよう前記冷却
バイパス手段および前記熱利用バイパス手段を制御する
と共に、前記熱交換媒体が前記燃料電池,前記加熱手
段,前記冷却手段および/または前記熱利用手段の順に
前記循環路を循環するよう該媒体循環手段を制御する手
段であるものとすることもできる。こうすれば、燃料電
池を冷却することができると共に、熱利用手段に必要な
熱が不足するときには熱を補うことができる。この態様
の本発明の燃料電池の温度調節装置において、前記状態
検出手段は前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段
を備え、前記制御手段は、前記温度検出手段により検出
される温度が所定範囲の温度となるよう前記媒体循環手
段と前記冷却バイパス手段と前記熱利用バイパス手段と
前記加熱手段とを制御する手段であるものとすることも
できる。こうすれば、燃料電池を所定範囲の温度で運転
することができる。
【0011】燃料電池を所定範囲の温度で運転する態様
の本発明の燃料電池の温度調節装置において、前記熱利
用手段の状態を検出する熱利用状態検出手段を備え、前
記制御手段は、前記熱利用状態検出手段により検出され
た前記熱利用手段の状態に基づいて前記冷却バイパス手
段と前記熱利用バイパス手段と前記加熱手段とを制御す
る手段であるものとすることもできる。こうすれば、熱
利用手段を所望の状態とすることができる。
【0012】この熱利用状態検出手段を備える態様の本
発明の燃料電池の温度調節装置において、前記制御手段
は、前記熱利用状態検出手段により前記熱利用手段が熱
を利用する状態を検出したとき、前記循環路に前記熱利
用手段が取り組まれるよう前記熱利用バイパス手段を制
御する手段であるものとすることもできる。こうすれ
ば、熱利用手段により熱を有効に利用することができ
る。
【0013】この循環路に熱利用手段が取り込まれた態
様の本発明の燃料電池の温度調節装置において、前記熱
利用手段は必要な熱量の過不足に関する情報を検出する
情報検出手段を備え、前記制御手段は、前記情報検出手
段により検出された情報に基づいて前記熱加熱手段と前
記冷却バイパス手段とを制御する手段であるものとする
こともできる。こうすれば、熱利用手段を十分に機能さ
せることができる。
【0014】この熱利用手段が情報検出手段を備える態
様の本発明の燃料電池の温度調節装置において、前記制
御手段は、前記情報検出手段が必要な熱量の不足に関す
る情報を検出したとき、前記熱交換媒体が加熱されるよ
う前記加熱手段を制御する手段であるものとすることも
できる。こうすれば、必要な熱量を補うことができる。
【0015】また、熱利用手段が情報検出手段を備える
態様の本発明の燃料電池の温度調節装置において、前記
制御手段は、前記情報検出手段が必要な熱量の過剰に関
する情報を検出したとき、前記熱交換媒体が加熱されな
いよう前記加熱手段を制御する手段であるものとするこ
ともできる。こうすれば過剰な熱の供給を停止すること
ができる。この態様の本発明の燃料電池の温度調節装置
において、前記制御手段は、前記熱交換媒体が加熱され
ないよう前記加熱手段を制御しているにも拘わらず前記
情報検出手段が必要な熱量の過剰に関する情報を検出し
たとき、前記循環路に前記冷却手段が取り組まれるよう
前記冷却バイパス手段を制御する手段であるものとする
こともできる。こうすれば熱利用手段による熱の利用を
適正に行なうことができる。さらに、この態様の本発明
の燃料電池の温度調節装置において、前記制御手段は、
前記循環路に前記冷却手段が取り組まれるよう前記冷却
バイパス手段を制御している状態で前記情報検出手段が
必要な熱量の不足に関する情報を検出したとき、前記加
熱手段による前記熱交換媒体の加熱に先立って前記循環
路が前記冷却手段をバイパスするよう前記冷却バイパス
手段を制御する手段であるものとすることもできる。こ
うすれば、熱を効率的に利用することができる。
【0016】本発明の燃料電池の温度調節装置におい
て、前記熱利用手段は、前記熱交換媒体との熱交換によ
り暖房する暖房装置であるものとすることもできる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例を用いて説明する。図1は、本発明の一実施例である
車載用の燃料電池10の温度調節装置20の構成の概略
を示す構成図である。実施例の温度調節装置20は、燃
料電池10の温度を調節する装置として構成されてお
り、図示するように、燃料電池10と熱交換を行なう熱
交換部23と共に熱交換媒体としての水の循環路を形成
する循環管路22と、この循環管路22に熱交換媒体を
循環させる循環ポンプ24と、熱交換媒体の循環管路2
2における流向を切り換える流向切換機構26と、熱交
換媒体を外気により冷却するラジエータ40と、熱交換
媒体を加熱するヒータ50と、熱交換媒体の熱を利用し
て車室の暖房を行なう暖房装置60と、装置全体をコン
トロールする電子制御ユニット70とを備える。
【0018】燃料電池10は、実施例では、高分子材料
により形成されたプロトン導電性の膜体を電解質として
構成される単電池を複数積層してなる固体高分子型燃料
電池として構成されており、70〜110℃程度で定常
運転される。
【0019】循環ポンプ24は、逆転運転ができない一
方向運転(図1では左から右に熱交換媒体を圧送する方
向への運転)のポンプとして構成されている。流向切換
機構26は、循環管路22の循環ポンプ24の前後に取
り付けられた二つの電磁弁32,34と、電磁弁32と
循環ポンプ24とをバイパスする第1バイパス管路28
と、この第1バイパス管路28に設けられた電磁弁36
と、循環ポンプ24と電磁弁34とをバイパスする第2
バイパス管路30と、この第2バイパス管路30に設け
られた電磁弁38とから構成されている。熱交換媒体
は、電磁弁32と電磁弁34とを開成すると共に電磁弁
36と電磁弁38とを閉成すれば、第1バイパス管路2
8および第2バイパス管路30には流れずに循環管路2
2を循環ポンプ24から燃料電池10,ヒータ50の順
に流れ、電磁弁32と電磁弁34とを閉成すると共に電
磁弁36と電磁弁38とを開成すれば、ヒータ50,燃
料電池10から第2バイパス管路30を介して循環ポン
プ24に至り、循環ポンプ24から第1バイパス管路2
8を介してラジエータ40側に流れる。
【0020】ラジエータ40は、外気により熱交換媒体
を冷却する熱交換器として構成されており、循環管路2
2に設けられた三方弁42により熱交換媒体がラジエー
タ40を流れるかラジエータバイパス管44を流れるか
を選択できるようになっている。また、循環管路22に
は、ラジエータバルブとしての電磁弁46も取り付けら
れており、熱交換媒体がラジエータ40にもラジエータ
バイパス管44にも流れないようにすることができる。
【0021】ヒータ50は、燃料電池10に隣接して設
けられており、図示しないバッテリから電力の供給を受
けて熱交換媒体を加熱する電気ヒータとして構成されて
いる。なお、ヒータ50は、電子制御ユニット70によ
りオンオフ制御を受ける。循環管路22のヒータ50を
挟んで燃料電池10と反対側には三方弁52が取り付け
られており、加熱時バイパス管56によりラジエータ4
0や暖房装置60をバイパスできるようになっている。
【0022】暖房装置60は、熱交換媒体の熱を利用し
て車室の暖房を行なう装置であり、熱交換媒体と熱交換
をする熱交換器62と、暖房装置60をコントロールす
る暖房装置用電子制御ユニット64とを備える。暖房装
置60は、この他、車室内に設けられた温風吹き出し口
や温度センサや目標温度設定スイッチなど車室の暖房に
必要な各種センサや機器を備えるが、本発明の中核をな
さないから、その図示と説明は省略する。なお、循環管
路22には、暖房装置60の熱交換器62に熱交換媒体
を供給する熱供給管66が分岐しており、この熱供給管
66には電磁弁68が取り付けられている。
【0023】電子制御ユニット70は、CPU72を中
心として構成されたワンチップマイクロプロセッサとし
て構成されており、処理プログラムを記憶したROM7
4と、一時的にデータを記憶するRAM76と、暖房装
置用電子制御ユニット64と通信を行なう図示しない通
信ポートと、図示しない入出力ポートとを備える。この
電子制御ユニット70には、燃料電池10に取り付けら
れた温度センサ79からの燃料電池10の温度Tfcや
燃料電池10が始動されるときにオンとされる始動スイ
ッチ78からの始動信号などが入力ポートを介して入力
されている。また、電子制御ユニット70からは、各電
磁弁32,34,36,38,46,68のアクチュエ
ータ33,35,37,39,47,69への駆動信号
や三方弁42,52のアクチュエータ43,53への駆
動信号,ヒータ50への駆動信号などが出力ポートを介
して出力されている。
【0024】次に、こうして構成された実施例の温度調
節装置20の動作、特に燃料電池10の始動時の動作
と、定常運転時に暖房を用いる際の動作について説明す
る。図2は、燃料電池10を始動する際に実施例の電子
制御ユニット70で実行される始動時処理ルーチンの一
例を示すフローチャートである。このルーチンは、始動
スイッチ78からの信号がオンとされたときに実行され
る。
【0025】この始動時処理ルーチンが実行されると、
電子制御ユニット70のCPU72は、まず、燃料電池
10を加温するための循環管路(加温用循環路)を形成
する処理を実行する(ステップS100)。加温用循環
路の形成は、具体的には、電子制御ユニット70から三
方弁52のアクチュエータ53に駆動信号を出力して熱
交換媒体がラジエータ40や暖房装置60をバイパスし
て加熱時バイパス管56を流れるようにし、電磁弁3
2,34のアクチュエータ33,35に駆動信号を出力
して電磁弁32,34を閉成し、さらに電磁弁36,3
8のアクチュエータ37,39に駆動信号を出力して電
磁弁36,38を開成することにより行なわれる。加温
用循環路を形成したときの様子を図3に示す。図示する
ように、加温循環路を形成すると、循環ポンプ24によ
り圧送される熱交換媒体は、第1バイパス管路28,加
熱時バイパス管56を通ってヒータ50,燃料電池10
に至り、第2バイパス管路30を通って循環ポンプ24
に戻る。
【0026】こうして加温用循環路を形成すると、続い
て循環ポンプ24を駆動すると共に(ステップS10
2)、ヒータ50をオンとする処理を実行する(ステッ
プS104)。こうした処理によりヒータ50で加熱さ
れた熱交換媒体が燃料電池10内の熱交換部23で燃料
電池10を加温する。そして、温度センサ79により検
出される燃料電池10の温度Tfcが閾値Tset以上
となるのを待つ処理を実行する(ステップS106,S
108)。ここで、閾値Tsetは、燃料電池10が運
転可能な温度に設定されるものであり、運転可能な温度
であれば定常運転状態の温度としなくてもよい。
【0027】燃料電池10の温度Tfcが閾値Tset
以上になると、ヒータ50をオフすると共に(ステップ
S110)、循環ポンプ24を停止し(ステップS11
2)、燃料電池10を冷却するための循環管路(冷却用
循環路)を形成する処理を実行して(ステップS11
4)、本ルーチンを終了する。冷却用循環路の形成は、
具体的には、電子制御ユニット70から三方弁52のア
クチュエータ53に駆動信号を出力して熱交換媒体がラ
ジエータ40側を流れるようにし、電磁弁32,34の
アクチュエータ33,35に駆動信号を出力して電磁弁
32,34を開成し、さらに電磁弁36,38のアクチ
ュエータ37,39に駆動信号を出力して電磁弁36,
38を閉成することにより行なわれる。冷却用循環路を
形成したときの様子を図4に示す。図示するように、冷
却用循環路を形成すると、循環ポンプ24により圧送さ
れる熱交換媒体は、燃料電池10を通ってヒータ50に
至り、ラジエータ40かラジエータバイパス管44を通
って循環ポンプ24に戻る。ここで、熱交換媒体がラジ
エータ40を流れるかラジエータバイパス管44を流れ
るかは、三方弁42を切り換えることによって選択する
のであるが、この選択は、電子制御ユニット70が実行
する図示しないルーチンにより、温度センサ79により
検出される燃料電池10の温度Tfcに基づいて熱交換
媒体の冷却が必要か否かによって行なわれる。なお、図
2の始動時処理ルーチンにおいて、ステップS108の
閾値Tsetが燃料電池10の定常運転の温度より低く
設定されているときには、燃料電池10はまだ十分に加
温されていないから、冷却用循環路における三方弁42
はラジエータバイパス管44を選択するよう切り換えら
れることになる。
【0028】次に、暖房装置60を駆動させたときの処
理について説明する。図5は、暖房装置60を駆動させ
たときに実施例の電子制御ユニット70により実行され
る暖房時処理ルーチンの一例を示すフローチャートであ
る。このルーチンは、暖房装置用電子制御ユニット64
から暖房装置60を始動させる信号を通信ポートを介し
て入力し、熱供給管66に取り付けられた電磁弁68を
開成した後に、所定時間毎(例えば、1秒毎)に繰り返
し実行される。
【0029】この暖房時処理ルーチンが実行されると、
電子制御ユニット70のCPU72は、まず、暖房装置
用電子制御ユニット64から出力される熱要求を読み込
む処理を実行する(ステップS200)。熱要求は、実
施例では、車室内に設けられた温度センサにより検出さ
れる車室内の温度と目標温度との偏差などに基づいて暖
房装置用電子制御ユニット64が電子制御ユニット70
に向けて「適正」と「熱の不足」と「熱の過剰」の3値
の信号として出力されるものである。
【0030】熱要求を読み込むと、その要求を判定し
(ステップS202)、判定結果が「適正」のときに
は、暖房装置60に必要十分な熱の供給を行なっている
と判断し、何もせずにそのまま本ルーチンを終了する。
【0031】判定結果が「熱の不足」のときには、ま
ず、ラジエータフラグFRを調べる処理を実行する(ス
テップS204)。ラジエータフラグFRは、ラジエー
タ40側に熱交換媒体を流しているか否かを値として持
つフラグであり、本ルーチンの後段の処理で設定され
る。ラジエータフラグFRが値1のときには、熱交換媒
体をラジエータ40側に流していると判断し、熱交換媒
体をすべて熱供給管66を介して熱交換器62に供給す
るようラジエータバルブとしての電磁弁46を閉成し
(ステップS206)、ラジエータフラグFRに値0を
設定して(ステップS208)、本ルーチンを終了す
る。このように熱交換媒体をすべて暖房装置60の熱交
換器62に供給することにより、ラジエータ40側に流
れていた熱量を暖房装置60側に供給するのである。ラ
ジエータバルブとしての電磁弁46が開成されている状
態の熱交換媒体の流れの様子を図6に、電磁弁46が閉
成された状態の熱交換媒体の流れの様子を図7に示す。
なお、図6中の三方弁42の切り換えは、電子制御ユニ
ット70により温度センサ79により検出される燃料電
池10の温度Tfcに基づいて行なわれるのは前述し
た。
【0032】一方、ラジエータフラグFRが値0のとき
には、熱交換媒体をすべて熱交換器62に供給している
が、熱が不足していると判断し、ヒータ50をオンとし
て(ステップS210)、ヒータフラグFHに値1を設
定して(ステップS212)、本ルーチンを終了する。
このように、ヒータ50をオンとして熱交換媒体を加熱
することにより暖房装置60で必要な熱量を供給するの
である。なお、ヒータフラグFHは、ヒータ50のオン
オフ状態を値として持つフラグであり、本ルーチンによ
り設定されるものである。
【0033】ステップS202の判定結果が「熱の過
剰」のときには、まず、ヒータフラグFHを調べる処理
を実行する(ステップS214)。ヒータフラグFHが
値1のときには、熱交換媒体は図7に示すように流れて
ヒータ50により加熱されている状態と判断し、ヒータ
50をオフとし(ステップS216)、ヒータフラグF
Hに値0を設定して(ステップS218)、本ルーチン
を終了する。この処理により、ヒータ50がオフとされ
るから、暖房装置60に供給される熱量は減少する。一
方、ヒータフラグFHが値0のときには、ヒータ50を
オフとしていても熱が過剰であると判断し、ラジエータ
バルブとしての電磁弁46を開成し(ステップS22
0)、ラジエータフラグFRに値1を設定して(ステッ
プS222)、本ルーチンを終了する。この処理によ
り、熱交換媒体は図6に示すように流れ、暖房装置60
に供給される熱は減少される。
【0034】以上説明した実施例の温度調節装置20に
よれば、燃料電池10を始動するときには、加熱時バイ
パス管56によりラジエータ40側をバイパスすると共
に流向切換機構26により熱交換媒体をヒータ50,燃
料電池10の順に流し、ヒータ50をオンとして熱交換
媒体を加熱することにより、燃料電池10を効率よく加
温することができる。また、実施例の温度調節装置20
によれば、燃料電池10を始動した後は、この燃料電池
10を加温する装置として機能するものを燃料電池10
を冷却する装置として機能させることができる。
【0035】また、実施例の温度調節装置20によれ
ば、燃料電池10により生じる熱を利用して車室を暖房
することができる。しかも、車室の暖房に更に熱が必要
なときには、熱交換媒体をすべて暖房装置60の熱交換
器62に流したり、ヒータ50により熱交換媒体を加熱
することによって不足する熱を補うことができる。この
結果、燃料電池10により生じる熱では不足する場合、
例えば燃料電池10が充分に暖まっていない場合や外気
により車室から奪われる熱が多く定常運転状態にある燃
料電池10により生じる熱では不足する場合などでも、
車室を十分に暖房することができる。
【0036】実施例の温度調節装置20では、熱交換媒
体として水を用いたが、熱交換媒体として機能する流体
であれば如何なる流体でもよく、例えば、アルコール系
の不凍液やオイルなどを用いるものとしてもよい。
【0037】実施例の温度調節装置20では、一方向運
転の循環ポンプ24を用いたが、逆転可能な双方向運転
のポンプを用いるものとしてもよい。この場合、流向切
換機構26は不要となる。
【0038】実施例の温度調節装置20では、ヒータ5
0を電気ヒータとして構成したが、燃料電池10に用い
る燃料やその他の燃料を燃焼して熱を得て熱交換媒体を
加熱するものとしてもよい。
【0039】実施例の温度調節装置20では、ラジエー
タ40を外気と熱交換する熱交換器として構成したが、
熱交換媒体を冷却可能なものであれば如何なるものであ
っても差し支えない。
【0040】実施例の温度調節装置20では、燃料電池
10により生じる熱を利用して仕事をする熱利用装置と
して車室を暖房する暖房装置60を用いたが、燃料電池
10により生じる熱を利用して仕事をするものであれば
他の如何なる熱利用装置であってもよい。なお、この場
合の仕事は、機械仕事を意味するものではなく、エネル
ギ的な意味合いのものである。
【0041】実施例の温度調節装置20では、燃料電池
10として固体高分子型燃料電池を用いたが、リン酸型
燃料電池など他の燃料電池を持ちいるものとしてもよ
い。また、実施例の温度調節装置20では、車載される
燃料電池10に適用するものとしたが、車載用の燃料電
池以外の燃料電池の温度を調節するものに適用する構成
としてもよい。
【0042】以上、本発明の実施の形態について実施例
を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である燃料電池10の温度
調節装置20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】 燃料電池10を始動する際に実施例の電子制
御ユニット70で実行される始動時処理ルーチンの一例
を示すフローチャートである。
【図3】 加温用循環路を形成したときの熱交換媒体が
流れる様子を例示する説明図である。
【図4】 冷却用循環路を形成したときの熱交換媒体が
流れる様子を例示する説明図である。
【図5】 暖房装置60を駆動させたときに実施例の電
子制御ユニット70により実行される暖房時処理ルーチ
ンの一例を示すフローチャートである。
【図6】 暖房装置60が駆動されたときの熱交換媒体
が流れる様子を例示する説明図である。
【図7】 暖房装置60が熱の不足を要求したときの熱
交換媒体が流れる様子を例示する説明図である。
【符号の説明】
10 燃料電池、20 温度調節装置、22 循環管
路、23 熱交換部、24 循環ポンプ、26 流向切
換機構、28 第1バイパス管路、30 第2バイパス
管路、32,34,36,38,46,68 電磁弁、
33,35,37,39,47,69 アクチュエー
タ、40 ラジエータ、42,52 三方弁、43,5
3 アクチュエータ、44 ラジエータバイパス管、5
0 ヒータ、56 加熱時バイパス管、60 暖房装
置、62 熱交換器、64 暖房装置用電子制御ユニッ
ト、66 熱供給管、70 電子制御ユニット、72
CPU、74 ROM、76 RAM、78 始動スイ
ッチ、79 温度センサ。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料電池の温度を調節する温度調節装置
    であって、 熱交換媒体により前記燃料電池と熱交換可能な循環路
    と、 前記熱交換媒体を前記循環路に正逆のいずれかの方向に
    切り換えて循環させる媒体循環手段と、 前記循環路に設けられ、前記熱交換媒体を冷却する冷却
    手段と、 前記熱交換媒体が前記冷却手段をバイパスするよう前記
    循環路を切り換える冷却バイパス手段と、 前記循環路に設けられ、前記熱交換媒体の熱を利用して
    仕事をする熱利用手段と、 前記熱交換媒体が前記熱利用手段をバイパスするよう前
    記循環路を切り換える熱利用バイパス手段と、 前記燃料電池と隣接して前記循環路に設けられ、前記熱
    交換媒体を加熱可能な加熱手段とを備える燃料電池の温
    度調節装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の燃料電池の温度調節装置
    であって、 前記燃料電池の状態を検出する状態検出手段と、 該検出された状態に基づいて前記媒体循環手段と前記冷
    却バイパス手段と前記熱利用バイパス手段と前記加熱手
    段とを制御する制御手段とを備える燃料電池の温度調節
    装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記状態検出手段が前
    記燃料電池の始動状態を検出したとき、前記循環路が前
    記冷却手段および前記熱利用手段をバイパスするよう前
    記冷却バイパス手段および前記熱利用バイパス手段を制
    御すると共に、前記熱交換媒体が加熱されるよう前記加
    熱手段を制御し、前記熱交換媒体が前記加熱手段,前記
    燃料電池の順に前記循環路を循環するよう該媒体循環手
    段を制御する手段である請求項2記載の燃料電池の温度
    調節装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記状態検出手段が前
    記燃料電池の運転可能状態を検出したとき、前記循環路
    に前記冷却手段および/または前記熱利用手段が取り組
    まれるよう前記冷却バイパス手段および前記熱利用バイ
    パス手段を制御すると共に、前記熱交換媒体が前記燃料
    電池,前記加熱手段,前記冷却手段および/または前記
    熱利用手段の順に前記循環路を循環するよう該媒体循環
    手段を制御する手段である請求項2記載の燃料電池の温
    度調節装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の燃料電池の温度調節装置
    であって、 前記状態検出手段は、前記燃料電池の温度を検出する温
    度検出手段を備え、 前記制御手段は、前記温度検出手段により検出される温
    度が所定範囲の温度となるよう前記媒体循環手段と前記
    冷却バイパス手段と前記熱利用バイパス手段と前記加熱
    手段とを制御する手段である燃料電池の温度調節装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の燃料電池の温度調節装置
    であって、 前記熱利用手段の状態を検出する熱利用状態検出手段を
    備え、 前記制御手段は、前記熱利用状態検出手段により検出さ
    れた前記熱利用手段の状態に基づいて前記冷却バイパス
    手段と前記熱利用バイパス手段と前記加熱手段とを制御
    する手段である燃料電池の温度調節装置。
  7. 【請求項7】 前記制御手段は、前記熱利用状態検出手
    段により前記熱利用手段が熱を利用する状態を検出した
    とき、前記循環路に前記熱利用手段が取り組まれるよう
    前記熱利用バイパス手段を制御する手段である請求項6
    記載の燃料電池の温度調節装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の燃料電池の温度調節装置
    であって、 前記熱利用手段は、必要な熱量の過不足に関する情報を
    検出する情報検出手段を備え、 前記制御手段は、前記情報検出手段により検出された情
    報に基づいて前記熱加熱手段と前記冷却バイパス手段と
    を制御する手段である燃料電池の温度調節装置。
  9. 【請求項9】 前記制御手段は、前記情報検出手段が必
    要な熱量の不足に関する情報を検出したとき、前記熱交
    換媒体が加熱されるよう前記加熱手段を制御する手段で
    ある請求項8記載の燃料電池の温度調節装置。
  10. 【請求項10】 前記制御手段は、前記情報検出手段が
    必要な熱量の過剰に関する情報を検出したとき、前記熱
    交換媒体が加熱されないよう前記加熱手段を制御する手
    段である請求項8記載の燃料電池の温度調節装置。
  11. 【請求項11】 前記制御手段は、前記熱交換媒体が加
    熱されないよう前記加熱手段を制御しているにも拘わら
    ず前記情報検出手段が必要な熱量の過剰に関する情報を
    検出したとき、前記循環路に前記冷却手段が取り組まれ
    るよう前記冷却バイパス手段を制御する手段である請求
    項10記載の燃料電池の温度調節装置。
  12. 【請求項12】 前記制御手段は、前記循環路に前記冷
    却手段が取り組まれるよう前記冷却バイパス手段を制御
    している状態で前記情報検出手段が必要な熱量の不足に
    関する情報を検出したとき、前記加熱手段による前記熱
    交換媒体の加熱に先立って前記循環路が前記冷却手段を
    バイパスするよう前記冷却バイパス手段を制御する手段
    である請求項11記載の燃料電池の温度調節装置。
  13. 【請求項13】 前記熱利用手段は、前記熱交換媒体と
    の熱交換により暖房する暖房装置である請求項1ないし
    12いずれか記載の燃料電池の温度調節装置。
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