JP2000316199A - ハウリング防止装置 - Google Patents

ハウリング防止装置

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JP2000316199A
JP2000316199A JP12513299A JP12513299A JP2000316199A JP 2000316199 A JP2000316199 A JP 2000316199A JP 12513299 A JP12513299 A JP 12513299A JP 12513299 A JP12513299 A JP 12513299A JP 2000316199 A JP2000316199 A JP 2000316199A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑な周波数特性を有する部屋でのハウリン
グを充分に防止するとともにそのための処理時間を大幅
に短縮する。 【解決手段】 最初に、CPU40はPEQ311〜3
nをそれぞれスルー状態、に設定するとともに、セレ
クタ22をA側に切り替えて、スピーカ26からホワイ
トノイズを発音させ、周波数特性を実測する。次に、C
PU40は、PEQ311〜PEQ31nの各周波数特性
をシミュレートにより順次定める。この場合、まず、P
EQ311の周波数特性を定め、次に、この周波数特性
を総合周波数特性に反映させるシミュレートを実行し、
シミュレート結果に基づいて最大値を取る周波数を特定
し、当該ピーク特性をフラットにするようにPEQ31
2の周波数特性を定める。以後、同様の操作を繰り返し
PEQ31nまでの周波数特性を設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、使用する部屋が
狭い場合でもハウリングを有効に防止することが可能な
ハウリング防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロホンとスピーカとを同時に使用
するシステムでは、スピーカからの発音がマイクロホン
に回り込むことによってハウリングが発生するので、こ
れを防止するハウリング防止装置を組み込むことが必要
となる。
【0003】ここで、図3に周知のハウリング防止装置
1の構成を示す。この図において、10は、周波数的に
均一なホワイトノイズを発生する信号発生回路である。
11はスピーカ、12はマイクである。131〜13n
それぞれBPF(バンドパスフィルタ)であり、これら
の中心周波数は互いに異なるように設定されている。1
1〜14nはそれぞれピーク&ホールド回路であり、対
応するBPF出力を整流した信号のピーク値を出力す
る。15はセレクタであり、ピーク&ホールド回路14
1〜14nの出力を順次切り替えてA/D変換器16に供
給する。CPU17は、セレクタ15の切替を制御する
とともに、A/D変換器16によりディジタル信号に変
換されたピーク値を測定する。
【0004】かかるハウリング装置では、スピーカ11
から周波数的に均一なホワイトノイズが発音され、マイ
クロホン12により収音される。この際、スピーカ11
からマイクロホン12へは、直接的に伝搬するものもあ
れば、使用する部屋の壁等に反射して間接的に伝搬する
ものもある。CPU17は、セレクタ15を順次切り替
えてBPF131〜13nからのピーク出力を測定し、そ
の出力が高くなっているBPFを検出する。そして、そ
のBPFの周波数帯域のゲインを下げるイコライザ回路
をマイク入力に対し直列に挿入することによってハウリ
ングが抑圧されるようになっている。
【0005】ところで、上述した従来のハウリング防止
装置においてイコラジングが行なわれる帯域数は、主と
して設置スペース等により制約を受けるハードウェアの
関係から、5〜9個程度である。この場合、ハウリング
の発生する周波数がBPF131〜13nの各中心周波数
のいずれかに合致しないと、そのハウリングを充分に防
止することができない、という不具合が発生する。
【0006】上述したように、スピーカ11からのマイ
クロホン12への伝搬は、直接的なものあるし、間接的
なものもある。特に、使用する部屋が狭い場合には、間
接的に伝搬する割合が無視できなくなり、多重反射や干
渉が発生する結果、使用する部屋の周波数特性が複数の
ピークを有するように複雑化する傾向がある。このよう
な場合に、上述した従来の装置を用いても、1つの帯域
でしか改善されないので、充分にハウリングを防止する
ことができないのである。最近では、いわゆるカラオケ
が爆発的に普及しつつあるので、狭い部屋であってもス
ピーカおよびマイクロホンを用いる機会は多数ある。こ
れを含めて、複雑な周波数特性を有する部屋でのハウリ
ングを防止する、という需要は極めて高い。
【0007】そこで、本出願人は、先に係る問題を解決
したハウリング防止装置を提案し、特許を受けている
(第2773656号)。このハウリング防止装置は、
ホワイトノイズ発生するノイズ発生器、ホワイトノイズ
を発音するスピーカ、マイクロホンの出力に任意の周波
数特性を付与する第1〜第nのイコライザ、中心周波数
を可変することが可能なバンドパスフィルタを備えてい
る。このような構成において、まず、第1〜第nのイコ
ライザをスルー状態に設定し、バンドパスフィルタの中
心周波数を移動させながら、スピーカからマイクロホン
までを含んだ一巡のループゲインが測定され、最大レベ
ルとなる周波数が検出される。次に、第1のイコライザ
は、この最大レベルの周波数を抑圧するように粗調整さ
れる。この後、ピーク特性が抑圧された設定状態におい
てループゲインが最大レベルとなる周波数が再び実測さ
れ、第1のイコライザの周波数特性が微調整される。す
なわち、周波数特性を2回実測することにより、まず、
第1のイコライザの周波数特性が決定される。この後、
第2のイコライザについて、粗調整と微調整が行われ、
以後、同様の操作が同様な操作が第nのイコライザまで
に対して順次実行される。これにより、使用する部屋の
周波数特性が複数のピークを有するような場合であって
も、ハウリングを防止することが可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したハ
ウリング防止装置においては、第1〜第nのイコライザ
について周波数特性を各々設定するために、ループゲイ
ンの実測を2n回行う必要があった。このため、第1〜
第nのイコライザに所望の周波数特性を設定するのに長
い時間が係るといった問題があった。また、周波数特性
を実測する期間中はスピーカからホワイトノイズを発音
することになるので、ハウリング防止装置の使用者に不
快感を与えることになる。
【0009】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、所望の周波数特性を設定する
までの時間を大幅に短縮することが可能なハウリング防
止装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
請求項1に記載の発明にあっては、発生する音を収音す
る収音手段と、この収音手段により収音された音を増幅
して発音させる発音手段とを使用する際にハウリングを
防止するハウリング防止装置において、前記収音手段の
出力に、任意の周波数特性を付与する第1〜第nのイコ
ライザを多段接続して成るイコライジング手段と、所定
の信号を前記発音手段に供給して発音させる一方、前記
収音手段により収音された信号を測定することによっ
て、前記発音手段から前記収音手段までの周波数特性を
測定する周波数特性測定手段と、前記周波数特性測定手
段の測定結果と仮定した前記第1〜第nのイコライザの
各周波数特性とに基づいて、前記発音手段から前記イコ
ライザ手段までの総合周波数特性を演算によりシミュレ
ートするシミュレート手段と、前記シミュレート手段の
シミュレート結果に基づいて、前記総合周波数特性のゲ
インが最大となる周波数を検出する検出手段と、前記検
出手段によって検出された周波数に基づいて、前記第1
〜第nのイコライザの周波数特性を順次設定する設定手
段とを備えることを特徴とする。また、請求項2に記載
の発明にあっては、前記設定手段は、前記第1〜第nの
イコライザの各周波数特性がフラットであると仮定した
シミュレート結果に基づいて、前記検出手段により検出
された周波数近傍を抑圧するように、前記第1のイコラ
イザの周波数特性を設定し、次に、この設定状態を反映
した前記シミュレート結果に基づいて、前記検出手段に
より検出された周波数近傍を抑圧するように、前記第2
のイコライザの周波数特性を設定して、以降この動作を
くり返し前記第nのイコライザまで周波数特性を設定す
ることを特徴とする。
【0011】また、請求項3に記載の発明にあっては、
前記周波数特性測定手段は、中心周波数可変のバンドパ
スフィルタと、この中心周波数とは所定関係のカットオ
フ周波数を有する少なくとも1段以上のローパスフィル
タとのカスケード接続を介して信号を測定することを特
徴とする。
【0012】また、請求項4に記載の発明にあっては、
前記設定手段は、所定の周波数範囲での平均レベルを検
出し、ループゲインが最大となる周波数のレベルが前記
平均レベルとなるように、前記第1〜第nのイコライザ
での減衰量をそれぞれ設定することを特徴とする。
【0013】また、請求項5に記載の発明にあっては、
前記設定手段は、前記Q値と前記減衰量との関係を予め
テーブルとして記憶する記憶手段を有し、前記減衰量に
対するQ値を読み出して、抑圧時における周波数特性を
前記第1〜第nのイコライザに対しそれぞれ設定するこ
とを特徴とする。
【0014】また、請求項6に記載の発明にあっては、
前記発音手段による発音レベルを調整する調整手段と、
前記収音手段により収音された信号をゲイン可変に増幅
する増幅手段とを備え、前記設定手段は、前記設定に際
し、前記発音レベルが小さくなるように前記調整手段を
設定する一方、前記増幅手段でのゲインを大きく設定す
ることを特徴とする。
【0015】請求項1に記載の発明によれば、発音手段
から収音手段までを含んだ一巡のループゲインが実測さ
れる。そして、実測された周波数特性と仮定した第1〜
第nのイコライザの周波数特性に基づいて、総合周波数
特性がシミュレートされることになる。そしてシミュレ
ート結果に基づいて、総合周波数特性のピークがフラッ
トになるように各イコライザの周波数特性が設定され
る。したがって、周波数測定の実測は1回だけ行われ、
後はシミュレートにより各イコライザの周波数特性が決
定されるので、処理時間を大幅に短縮することができ
る。
【0016】請求項2に記載の発明によれば、まず、第
1のイコライザは、この最大レベルの周波数を抑圧する
ように設定され、次に、この抑圧された設定状態におい
てループゲインが最大レベルとなる周波数がシュミュレ
ートされる。そして、第2のイコライザは、この時点に
おいて最大レベルとなる周波数を抑圧するように設定さ
れる。同様な操作が第nのイコライザまでに対して設定
され、これにより周波数特性においてピークが複数ある
ような場合であっても、ハウリングを防止することが可
能となる。また、この場合、周波数測定の実測は1回だ
け行われ、後はシミュレートにより各イコライザの周波
数特性が決定されるので、処理時間を大幅に短縮するこ
とができる。
【0017】請求項3に記載の発明によれば、バンドパ
スフィルタと少なくとも1段以上のローパスフィルタと
のカスケード接続を介して信号を測定することにより、
これらフィルタ出力における遮断特性が高域側で良好と
なる。このため、より正確に、低周波数でのループゲイ
ンの測定を行なうことが可能となる。
【0018】請求項4に記載の発明によれば、ループゲ
インのピークレベルを所定の周波数範囲の平均レベルに
合わせて、イコライジングが行なわれるため、単にハウ
リングが防止されるだけではなく、周波数特性をよりフ
ラットとすることが可能となる。
【0019】請求項5に記載に発明によれば、第1〜第
nのイコライザに設定される周波数特性のQ値は、その
減衰量に応じて設定されるので、単にハウリングが防止
されるだけではなく、その際の周波数特性をよりフラッ
トとすることが可能となる。
【0020】請求項6に記載の発明によれば、所定の信
号が前記発音手段により発音される際に、その発音レベ
ルが小さく抑えられる。このため、測定者が不快に感じ
ることがなくなる。
【0021】
【発明の実施の形態】<1.実施形態の構成>以下、図
面を参照してこの発明の一実施形態について説明する。
図1は、この実施形態のハウリング防止装置2の構成を
示すブロック図である。
【0022】この図において、21はホワイトノイズを
ディジタル信号で発生する信号発生回路、22はセレク
タ、23はD/A変換器、24は出力レベルを調整する
ボリューム、25はアンプ、26はスピーカである。そ
して、この発音は、マイクロホン27により収音され
る。28はアンプ、29はA/D変換器、30はゲイン
可変アンプである。311〜31nは、互いにカスケード
に接続されたパラメトリックイコライザ(PEQ)であ
り、それぞれ入力信号に対するゲインおよび周波数特性
が、CPU40により制御されるようになっている。
【0023】32はBPF、331〜33kはそれぞれロ
ーパスフィルタ(LPF)である。これらフィルタは、
互いにカスケードに接続されており、LPF331〜3
kのカットオフ周波数fCは、BPF32の中心周波数
Oに対して例えば2倍となるように設定されている。
この結果、BPF32帯域特性は、LPF331〜33k
の影響を受けない一方、BPF32出力の高域側スロー
プが、LPF331〜33kの多段にわたる遮断によって
急速に減衰させられるようになっている。なお、BPF
32の中心周波数fOおよびLPF331〜33kのカッ
トオフ周波数fCは、互いに上記関係を保ったまま、C
PU40の制御のもとで連続的に変化するようになって
いる。
【0024】32はピークプログラムメータ(PPM)
であり、最終段に位置するLPF33kのピークレベル
を検出し、その検出結果をCPU40に供給するように
なっている。これにより、CPU40は、信号発生回路
21の出力レベル、ボリューム24の設定、ゲイン可変
アンプ30のゲイン、およびPPM32の出力とによ
り、その時点において周波数f0に対応するループゲイ
ンを求めることができる。
【0025】<2.実施形態の動作>次に、この実施例
の動作について図2を参照しつつ説明する。
【0026】(周波数特性の実測)はじめに、CPU4
0は、スピーカ26からマイクロホン27までの伝達特
性を含めた全体の周波数特性を測定する(ステップS
1)。まず、CPU40はPEQ311〜31nをそれぞ
れスルー状態、すなわちその入力信号がそのまま出力さ
れる状態に設定するとともに、セレクタ22をA側に切
り替えて、スピーカ26からホワイトノイズを発音させ
る。これにより、マイクロホン27は、スピーカ24と
の間の伝搬特性が付与された音を入力して、その信号を
出力する。
【0027】CPU40は、BPF32およびLPF3
1〜33kを介したマイクロホン27の出力信号を測定
して、その時点においてBPF32に初期設定されてい
る中心周波数に対するループゲインを求める。この際、
CPU40は、マイクロホン27の出力信号中に、ホワ
イトノイズの変化が充分に含まれるように、ボリューム
24およびゲイン可変アンプ30のゲインを次のように
設定する。すなわち、CPU40は、測定時には、ボリ
ューム24のゲインを小さく設定する一方、ゲイン可変
アンプ30のゲインを大きく設定する。
【0028】これにより、測定時の室内では、測定信号
のレベルが小さく抑えられるので、測定者が不快に感じ
ることが少なくなる。また、測定時において、ツィータ
のような許容入力の小さいスピーカに、レベルの大きな
信号が突然に入力することもなくなるので、かかるスピ
ーカの破壊を防止することもできる。
【0029】次に、CPU40は、BPF32の中心周
波数fO およびLPF331〜33kのカットオフ周波数
Cを、上記関係を保ったまま変化させて、BPF32
に設定された中心周波数に対するループゲインを求め
る。詳細には、この実施例は、18〜18,432Hz
の周波数範囲で1/6オクターブ毎に計61ポイントに
て周波数を分け、これらのポイントに対するループゲイ
ンをそれぞれ求め、実測結果を記憶する。
【0030】(シミュレート)次に、各ポイントにおけ
るループゲインが求められたならば、CPU40は、n
個のパラメトリックイコライザPEQ311〜PEQ3
nの各周波数特性をシミュレートにより順次定める。
この場合、CPU40は、シミュレートの回数を内部レ
ジスタを用いて管理し、そこに回数を指示するデータi
(=0)を書き込む(ステップS2)。
【0031】次に、CPU40は、PEQ311〜PE
Q31nの特性を含めた総合周波数特性のシミュレート
を行う。(ステップS2)。具体的には、ステップS1
で実測した周波数特性にステップS5で設定されるPE
Qの周波数特性を加味して総合周波数特性を求める。但
し、第1回目のシミュレートにおいては、まだ、いずれ
のPEQ311〜PEQ31nについて周波数特性が設定
されていないので、PEQ311〜PEQ31nの周波数
特性はフラットなものとして取り扱う。一方、2回目の
シミュレートにおいては、ステップS5においてPEQ
311の周波数特性が設定されるので、PEQ311の周
波数特性と実測した周波数特性とを重ね合わせて総合周
波数特性をシミュレートする。さらに、3回目のシミュ
レートにおいては、PEQ311およびPEQ312の周
波数特性と実測した周波数特性とを重ね合わせて総合周
波数特性をシミュレートする。以降、既に定められたP
EQの周波数特性を反映させながら総合周波数特性をシ
ミュレートする。
【0032】(PEQの周波数特性の設定)次に、CP
U40は、ステップ3のシミュレート結果に基づいて、
総合周波数特性のうちループゲインが最大となる周波数
Aを検出する(ステップS4)。この後、CPU40
は、周波数fAを、周波数特性の補正する際の中心周波
数としてPEQの周波数特性を設定する(ステップS
5)。具体的には、例えば、100〜10kHzに限っ
た周波数域のループゲインの平均値と周波数fAでのル
ープゲインとの差を減衰量とするゲインを設定し、さら
に、この減衰特性のQ値をゲインに対応してPEQに設
定する。ここで、PEQに設定されるQ値とゲインとの
対応は、予めテーブルとして記憶されており、設定した
ゲインに対応するQ値が読み出されて設定されるように
なっている。
【0033】また、周波数特性の設定と対象となるPE
Qは、内部レジスタに格納されたデータiの値を参照し
て行われる。CPU40はi=0のときPEQ311
周波数特性を設定し、i=1のときPEQ312の周波
数特性を設定し、以後、順次、PEQ313〜PEQ3
nの周波数特性を設定していく。なお、CPU40は
各PEQ313〜PEQ31nに設定した周波数特性デー
タを記憶し、これを管理する。この後、CPU40は、
内部レジスタに記憶するデータiの値を「1」だけイン
クリメントし(ステップS6)、次に、全てのPEQに
ついて設定が終了したか否かを判定する(ステップS
7)。この判定においてCPU40は、データiの値が
n以上であるか否かを調べ、n以上であるならば、PE
Qの設定を終了して、セレクタ22をB側に切り替え
る。一方、データiの値がn未満である場合には、ステ
ップS3に戻り、ステップS3からステップS7までの
処理を繰り返す。
【0034】このように総合周波数特性のシミュレート
とPEQの設定を繰り返すことにより、PEQ311
PEQ31nでは、ハウリングが発生する可能性の高い
周波数特性の各ピークをフラットに近づけることができ
る。しかも、あるPEQについて周波数特性が設定され
ると、次のシミュレートでは、当該PEQで設定された
周波数特性を反映させて総合周波数特性を計算により求
め、このシミュレート結果に基づいて次のREQの周波
数特性を設定する。したがって、実測した周波数特性に
複数のピークがある場合に、各ピークに対応させてPE
Q311〜PEQ31nの周波数特性を各々算出する場合
と比較して、使用する部屋をも含めた装置全体の周波数
特性をよりフラットに近づけられる。また、ゲインとQ
値とを対応づけて設定することにより、標準的な部屋で
発生しうる定在波等の影響を少なくすることができる。
【0035】また、上述したシミュレートは、CPU4
0の演算によって行われるため、実測する場合と比較し
て処理時間を大幅に短縮することができる。例えば、一
回の周波数特性を実測するのに時間Tだけ係るものとす
ると、n個のPEQについて周波数特性を実測する場合
には、処理時間はn・Tとなる。一方、上述した実施例
にあって、シミュレートに係る時間は実測時間Tに比較
して極わずかである。したがって、処理時間を1/nに
短縮することができる。特に、実測する期間は、スピー
カ26からノイズが発音されるので、このハウリング防
止装置2をカラオケ装置として用いる場合には、ユーザ
に不快感を与えることになるが、この実施例では実測時
間が短いので、使用上の不快感を大幅に緩和することが
できる。
【0036】<3.変形例>本発明は、上述した実施形
態に限定されるものではなく、例えば、以下に述べる各
種の変形が可能である。 (1)PEQとループゲインが最大となる周波数との対
応は、必ずしも、実施例通りの順番でなくても良い。ま
た、ホワイトノイズの替わりに、ピンクノイズやスイー
プ信号等を試験信号として用いても良い。なお、試験信
号の種類に応じて、周波数特性が変わるので、周波数特
性を補正するための補正カーブを試験信号の種類に応じ
て記憶しておき、CPU40は対応する補正カーブに従
って実測された周波数特性を補正することが望ましい。
【0037】(2)また、上述した実施例では、A/
D、D/Aを用いて装置内でディジタルに変換して処理
したが、スイッチド・キャパシタ・フィルタ等を用いて
アナログのまま処理をすることも可能である。
【0038】(3)また、上述した実施例では、マイク
ロホン27の位置を1箇所に固定して測定したが、カラ
オケボックス等では、歌い手がデュエット等で歌唱する
場合もある。このような場合には、複数の地点でマイク
ロホン27が使用されるため、ハウリングを十分抑制す
ることができない場合が起こり得る。 上述した実施例では、第1地点の測定結果とシミュレー
トによって各PEQ311〜PEQ31nに設定すべき周
波数特性データが生成され、これが記憶されるようにな
っている。また、マイクロホン27を第1地点から第2
地点に移し、そこで、上述した周波数特性の測定とシミ
ュレートを実行することによって、第2地点に対応する
周波数特性データを算出することが可能である。この変
形例では、第1地点の周波数特性データと第2地点の周
波数特性データを比較することによって、マイクロホン
27をどちらで使用してもハウリングを抑制することが
できる周波数特性データを生成している。以下、図5を
参照して変形例の動作を説明する。
【0039】初期状態おいてPEQ311〜PEQ31n
の周波数特性データは、デフォルト値を指示し、各PE
Q311〜PEQ31nの周波数特性はフラットなものと
なっている。この状態で、マイクロホン27を第1地点
に位置させて、周波数特性の測定とシミュレートを実行
する。これにより、各PEQ311〜PEQ31nに周波
数特性データSET11,SET12,…SET1nが設定される。この
場合、周波数特性データは、例えば、イコライザの抑制
ゲインと中心周波数から構成されている。また、ループ
ゲインの大きなピークから順に周波数特性データは設定
されるので、抑制ゲインは、SET11,SET12,…SET1nの順
に大きい。
【0040】次に、ユーザが第1地点から第2地点にマ
イクロホン27を移動させ、そこで周波数特性の測定と
シミュレートを実行する。すると、周波数特性データSE
T21,SET22,…SET2nが得られる。CPU40は、これら
のデータと第1地点で得られたSET11,SET12,…SET1nと
に基づいて、抑制ゲインの比較を実行する。そして、抑
制ゲインの大きい順にソートを行って、最も大きいもの
からn個のデータを特定する。例えば、SET21に対応す
る抑制ゲインがSET11に対応する抑制ゲインとSET12に対
応する抑制ゲインの中間にあり、かつ、SET22に対応す
る抑制ゲインがSET1nに対応する抑制ゲインより小さい
と仮定すると、各PEQ311〜PEQ31nに設定すべ
き周波数特性データは、図に示すようにSET11,SET21,SE
T12,…SET1n-1となる。
【0041】このように、第1地点の周波数特性データ
を記憶しておき、マイクロホン27の位置を第2地点に
移動して、再び周波数特性データを求め、両者を比較し
て、最もハウリングが発生し易いピーク周波数から順に
イコライジングを施すようにしたので、複数の地点のハ
ウリングを効果的に抑制することが可能となる。なお、
以上の処理を繰り返し実行して、第3地点、第4地点…
のハウリングを抑制するようにしてもよいことは勿論で
ある。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、複雑な周波数特性を有する部屋でのハウリングを充
分に防止するとともに、そのための処理時間を大幅に短
縮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による実施例の構成を示すブロック
図である。
【図2】 この発明による実施例の動作を示すフローチ
ャートである。
【図3】 従来のハウリング防止装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図4】 バンドパスフィルタの特性を示す図である。
【図5】 変形例に係るハウリング防止装置の動作を説
明するための図である。
【符号の説明】
24……調整手段、26……スピーカ(発音手段)、2
7……マイクロホン(収音手段)、30……ゲイン可変
アンプ(増幅手段)、311〜31n……パラメトリック
イコライザ(イコライジング手段)、32……BPF、
33……LPF、34……ピークプログラムメータ(検
出手段)、40……CPU(設定手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西田 晃 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内 Fターム(参考) 5D020 CC05 CE01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発生する音を収音する収音手段と、この
    収音手段により収音された音を増幅して発音させる発音
    手段とを使用する際にハウリングを防止するハウリング
    防止装置において、 前記収音手段の出力に、任意の周波数特性を付与する第
    1〜第nのイコライザを多段接続して成るイコライジン
    グ手段と、 所定の信号を前記発音手段に供給して発音させる一方、
    前記収音手段により収音された信号を測定することによ
    って、前記発音手段から前記収音手段までの周波数特性
    を測定する周波数特性測定手段と、 前記周波数特性測定手段の測定結果と仮定した前記第1
    〜第nのイコライザの各周波数特性とに基づいて、前記
    発音手段から前記イコライザ手段までの総合周波数特性
    を演算によりシミュレートするシミュレート手段と、 前記シミュレート手段のシミュレート結果に基づいて、
    前記総合周波数特性のゲインが最大となる周波数を検出
    する検出手段と、 前記検出手段によって検出された周波数に基づいて、前
    記第1〜第nのイコライザの周波数特性を順次設定する
    設定手段とを備えることを特徴とするハウリング防止装
    置。
  2. 【請求項2】 前記設定手段は、前記第1〜第nのイコ
    ライザの各周波数特性がフラットであると仮定したシミ
    ュレート結果に基づいて、前記検出手段により検出され
    た周波数近傍を抑圧するように、前記第1のイコライザ
    の周波数特性を設定し、次に、この設定状態を反映した
    前記シミュレート結果に基づいて、前記検出手段により
    検出された周波数近傍を抑圧するように、前記第2のイ
    コライザの周波数特性を設定して、以降この動作をくり
    返し前記第nのイコライザまで周波数特性を設定するこ
    とを特徴とする請求項1に記載のハウリング防止装置。
  3. 【請求項3】 前記周波数特性測定手段は、中心周波数
    可変のバンドパスフィルタと、この中心周波数とは所定
    関係のカットオフ周波数を有する少なくとも1段以上の
    ローパスフィルタとのカスケード接続を介して信号を測
    定することを特徴とする請求項1記載のハウリング防止
    装置。
  4. 【請求項4】 前記設定手段は、所定の周波数範囲での
    平均レベルを検出し、ループゲインが最大となる周波数
    のレベルが前記平均レベルとなるように、前記第1〜第
    nのイコライザでの減衰量をそれぞれ設定することを特
    徴とする請求項2記載のハウリング防止装置。
  5. 【請求項5】 前記設定手段は、前記Q値と前記減衰量
    との関係を予めテーブルとして記憶する記憶手段を有
    し、前記減衰量に対するQ値を読み出して、抑圧時にお
    ける周波数特性を前記第1〜第nのイコライザに対しそ
    れぞれ設定することを特徴とする請求項4記載のハウリ
    ング防止装置。
  6. 【請求項6】 前記発音手段による発音レベルを調整す
    る調整手段と、前記収音手段により収音された信号をゲ
    イン可変に増幅する増幅手段とを備え、 前記設定手段は、前記設定に際し、前記発音レベルが小
    さくなるように前記調整手段を設定する一方、前記増幅
    手段でのゲインを大きく設定することを特徴とする請求
    項1記載のハウリング防止装置。
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