JP2000323089A - 飛行時間型質量分析装置 - Google Patents

飛行時間型質量分析装置

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JP2000323089A
JP2000323089A JP11133569A JP13356999A JP2000323089A JP 2000323089 A JP2000323089 A JP 2000323089A JP 11133569 A JP11133569 A JP 11133569A JP 13356999 A JP13356999 A JP 13356999A JP 2000323089 A JP2000323089 A JP 2000323089A
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ion
time
pulse
flight
unit
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JP11133569A
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English (en)
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Yoshihiro Nukina
貫名義裕
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Jeol Ltd
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Jeol Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】強力なイオンパルスがMCPに入射して、MC
Pが飽和し、その不感時間に伴うマススペクトルの欠落
とMCP自身の短寿命化とを引き起こしかねない測定条
件に遭遇しても、それらの不都合を回避することのでき
るTOFMSを提供する。 【解決手段】静電セクター電場型TOFMS分光部の2
つの三重収束面に設けられた2つのイオン検出器を用い
て、イオン源から飛来するイオンパルスの電流値を予め
検知し、検知された量を最終イオン検出器にフィードさ
せることにより、最終イオン検出器のゲインを制御し、
最終イオン検出器の飽和を回避させるように構成した。
本発明は、パルスイオン化方式を用いたTOFMSに対
しても適用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飛行時間型質量分
析装置(TOFMS;Time of Flight Mass Spectromet
er)に関し、特に、イオン検出器の飽和を回避すること
のできるTOFMSに関する。
【0002】
【従来の技術】垂直加速型飛行時間型質量分析装置(O
A−TOFMS;Orthogonal Acceleration Time of Fl
ight Mass Spectrometer)は、連続的にイオンを生成す
るイオン源からのイオンビームをイオン溜に導入し、イ
オンビームの導入方向と交差する方向にパルス的にイオ
ンビームを加速し、加速されたイオンパルスが最終イオ
ン検出器で検出されるまでの時間を計測して質量分析を
行なう装置である。
【0003】図1は、静電セクター電場型OA−TOF
MSの構成を、X軸方向から眺めた模式図である。図中
1は、連続的に正イオンを生成する電子衝撃(EI)、
化学イオン化(CI)、高速原子衝撃(FAB)、エレ
クトロスプレイ(ESI)、誘導結合プラズマ(IC
P)などの外部イオン源である。
【0004】外部イオン源1からY軸方向に出射された
イオンビームは、正の電位VFが印加された収束レンズ
2でZ軸方向に収束されて、y0の有効長を持ったイオ
ン溜3に導入される。イオン溜3の近傍には、Push-out
プレート4が備え付けられていると共に、該Push-outプ
レート4に対向する位置には、接地電位のイオン引き出
しグリッド5及び負の電位V2が印加された出口グリッ
ド6が設けられていて、イオンビームの導入方向(Y軸
方向)に対して交差する方向(Z軸方向)に、イオンを
押し出すための電界が形成されるようになっている。
【0005】Push-outプレート4とイオン引き出しグリ
ッド5は、互いに2S0だけ離れて対向していて、外部
イオン源1からのイオンビームは、Push-outプレート4
とイオン引き出しグリッド5の間の空間であるイオン溜
3に導入される。また、イオン引き出しグリッド5と出
口グリッド6は、距離Dだけ離れて対向している。
【0006】Push-outプレート4に、正電圧(振幅2V
P)のPush-outパルス電圧7を印加すると、Push-outプ
レート4、イオン引き出しグリッド5、及び出口グリッ
ド6の間、いわゆる2段加速部8に瞬時に電界勾配が形
成され、イオン溜3のイオンは一斉にZ軸方向に加速さ
れてイオン溜3から排出され、対向する位置に設けられ
た第1の静電セクター電場9及び第2の静電セクター電
場10を経由した後、マイクロ・チャンネル・プレート
(MCP)などで構成された最終イオン検出器11に到
達する。
【0007】尚、厳密に言えば、イオンはイオン溜3に
導入されたときのY軸方向の速度を持っているため、Pu
sh-outプレート4、イオン引き出しグリッド5、及び、
出口グリッド6の間、すなわち2段加速部8に発生した
電界によってZ軸方向の力を受けても、飛行方向はZ軸
方向からわずかにY軸方向にずれたものとなる。
【0008】上記加速を受ける際、イオンにはPush-out
プレート4と出口グリッド6の間の電位差に対応する一
定のエネルギーが等しく与えられるため、加速終了時に
は、質量の小さなイオンほど速度が大きく、質量の大き
なイオンほど速度が小さい。このような速度差が生まれ
る結果、2つの静電セクター電場で構成されたTOF分
光部12をイオンが飛行する間に、イオンの質量分散が
行なわれて、軽いイオンから順番に最終イオン検出器1
1に到達し、マススペクトルが測定される。
【0009】このような構成において、最終イオン検出
器に使用されるMCPは、直径10〜25μmで、長さ
0.24〜1.0mmの非常に細い導電性の硝子キャピラ
リーを数百万本束ね、その1本1本が2次電子増倍管と
して機能するものである。2次電子の走行距離は1.0
mm以下と短いために、パルス入力の荷電粒子パルスに
対しては1ナノ秒(ns)の高速応答が可能である。そ
れに対して、2次電子の走行距離が数cm程度の光電子
増倍管(フォト・マルチ・プライヤー)や2次電子増倍
管(SEM管)を最終イオン検出器として用いると、5
ns前後の応答時間を必要とする。
【0010】TOFMSの質量分解能Rは、一般に
(1)式で与えられる。
【0011】 R = M/ΔM = tTOF/2・Δt・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1) ここで、Mはダルトン、ΔMは質量差、tTOFはイオン
+の飛行時間、Δtはイオンパルス時間幅である。イ
オンパルス幅Δtは、計測する場所に依存するが、最終
イオン検出器での幅が狭ければ狭いほど、質量分解能R
を高くすることができる。従って、入射イオンパルスの
時間幅と最終イオン検出器内において2次電子変換増幅
後の出力信号幅は同一であることが理想であるが、最終
イオン検出器自身での時間の広がりは必ず生じ、(1)
式の分母のΔtに加算され、分母が大きくなる。
【0012】通常、高分解能TOFMSでは、最終イオ
ン検出器の入射時点では、Δtは5ns前後である。フ
ォトマルチプライヤーやSEM管を用いたときの時間の
広がりは前述の通り5ns前後なので、高分解能TOF
MSの質量分解能Rには重大な影響を及ぼす。例えば、
最終イオン検出器に入射した時のΔt=5nsが、最終
イオン検出器からの出力時にはΔt≒5+5=10ns
に広がり、TOFMSの質量分解能Rが1/2に低下す
る。このため、特に高分解能TOFMS用最終イオン検
出器には、1ns以下の応答の要求を持つMCPが多用
されるのが通例である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
構成において、MCPを使用した場合の問題点は、その
入出力リニアリティーが小さいことである。MCPのリ
ニアリティーはMCPが固有に持つストリップ電流値で
決まり、SEM管の5桁に比べて、MCPの入出力リニ
アリティーは3桁と狭い。このストリップ電流はMCP
での発生2次電子の電荷を中和する機能も果たし、MC
Pの飽和はMCPの平均出力電流がストリップ電流の5
〜6%で始まると述べられている(浜松ホトニクス株式
会社1995年4月発行の技術資料「MCPアッセンブ
リ技術資料」)。
【0014】当然ながら、MCPゲインを高く設定して
いる場合、MCPの2次電子飽和は生じやすい。この飽
和がいったん生じると、このストリップ電流による中和
に要する時間はマイクロ秒(μs)オーダーとなり、2
次電子の発生量が増大すればするほど長くかかる。この
中和に要する期間においては、MCP自身は不感時間
(Dead time)状態になり、この間に入射したイオンの
ピーク(強度)の出力はゼロとなって、マススペクトル
上からこれらのイオンのスペクトルの欠落が生じるとい
う問題を生じる。更に、度重なるMCPの飽和はMCP
自身の劣化を早め、寿命を短くする。
【0015】ここで、一例として、1μsの不感時間が
生じると、どれくらいの質量範囲のイオンのスペクトル
が欠落するかを考えてみる。質量Mダルトンの1価のイ
オンがVボルトで加速され、自由空間の長さLcmを飛
行する時間(tTOF)は、近似的に下記の(2)式で与
えられる。
【0016】 tTOF ≒ 0.72・L√(M/V)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2) ここで、Lは飛行距離(cm)、Mはイオンの質量(Da
lton)、Vはイオンの加速電圧(ボルト)である。
【0017】例えば、運動エネルギーがV=3000エ
レクトロンボルト(3000ボルトで加速)、飛行距離
L=100cmの場合、M=99と100ダルトンのイ
オンの飛行時間はtTOF≒13.08μsと13.14μ
sで、1ダルトンの時間差は約60nsである。M=2
99と300ダルトンのイオンの飛行時間はtTOF≒2
2.73μsと22.77μsで、1ダルトンの時間差は
約40nsである。この質領域では、1μsが約25ダ
ルトンの質量範囲に相当し、MCPの飽和によるマイク
ロ秒オーダーの不感時間は、かなり広い質量範囲のピー
クの欠落をマススペクトル上に生じるという問題があっ
た。
【0018】本発明の目的は、上述した点に鑑み、大強
度のイオンパルスがMCPに入射して、MCPが飽和
し、その不感時間に伴うマススペクトルの欠落とMCP
自身の短寿命化とを引き起こしかねない測定条件に遭遇
しても、それらの不都合を回避することのできるTOF
MSを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明にかかるTOFMSは、イオンパルスを出射
するイオン源部と、出射されたイオンパルスを加速する
イオン加速部と、加速されたイオンパルスが所定距離を
飛行した後入射する最終イオン検出器と、イオン源部か
ら出射されたイオンパルスが最終イオン検出器に到達す
るまでの時間を計測する飛行時間型分光部と、飛行時間
型分光部内部に設置された三重収束性を有する複数個の
静電セクター電場と、飛行時間型分光部内部の複数箇所
に設けられ、該飛行時間型分光部に入射するイオンパル
スのイオン強度と、イオン源部からイオンパルス出射後
の経過時間とを併せて測定する測定手段と、該複数箇所
で測定された経過時間の時間差に基づいて、イオンパル
スが最終イオン検出器に到達する時間を予測する予測手
段と、前記イオン強度の測定結果と到達時間の予測結果
とに基づいて、イオンパルス到達前に最終イオン検出器
のゲインを制御する制御手段とから成ることを特徴とし
ている。
【0020】また、前記複数箇所に設けられた、飛行時
間型分光部に入射するイオンパルスのイオン強度とイオ
ン源部からイオンパルス出射後の経過時間とを併せて測
定する測定手段は、飛行時間型分光部におけるイオンパ
ルスの三重収束面上に設けられた中間イオン検出器であ
ることを特徴としている。
【0021】また、前記飛行時間型分光部におけるイオ
ンパルスの三重収束面は、前記複数個の三重収束性を有
する静電セクター電場によって作られていることを特徴
としている。
【0022】また、前記飛行時間型分光部において、複
数個の静電セクター電場によって作られたイオンパルス
の三重収束面の1つは、前記イオン加速部の空間収束面
と一致していることを特徴としている。
【0023】また、前記飛行時間型分光部の複数箇所の
三重収束面に設けられた複数個の中間イオン検出器から
のイオンパルス入射信号に基づいて、イオンパルスを形
成しているイオンの質量数を計算することなく、イオン
パルスが最終イオン検出器に到達する時間を予測するこ
とを特徴としている。
【0024】また、前記イオン源部は、連続的にイオン
を出射する外部イオン源と、該イオン源から出射された
イオンビームが導入されるイオン溜と、パルス電圧の印
加によって、該イオン溜からイオンビームの導入方向と
交差する方向にイオンビームをパルス的に加速するイオ
ン加速部とから成る垂直加速型のイオン源部であること
を特徴としている。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を説明する。図2は、本発明にかかる静電セ
クター電場型OA−TOFMSの一実施例を、Y軸方向
に向けて眺めた模式図である。図中、外部イオン源(図
示せず)から出射されたイオンビームは、収束レンズ
(図示せず)でZ軸方向に収束されて、イオン溜3の中
心軸に沿ってイオン溜3に導入される。
【0026】イオン溜3の近傍にはPush-outプレート4
があり、該Push-outプレート4からZ軸方向に距離2S
0だけ離れて接地電位のイオン引き出しグリッド5、さ
らにイオン引き出しグリッド5から距離Dだけ離れて負
の電位V2が印加された出口グリッド6が設けられてい
る。そして、Push-outプレート4、イオン引き出しプレ
ート5、出口プレート6の3者は、互いに協同して2段
加速部8を構成している。
【0027】Push-outプレート4に、正電圧(振幅2V
P)のPush-outパルス電圧7を印加すると、Push-outプ
レート4、イオン引き出しグリッド5、及び出口グリッ
ド6の間、いわゆる2段加速部8に瞬時に電界勾配が形
成され、イオン溜3のイオンは一斉にZ軸方向に加速さ
れてイオン溜3から排出され、対向する位置に設けられ
た第1の静電セクター電場9及び第2の静電セクター電
場10を経由した後、マイクロ・チャンネル・プレート
(MCP)などで構成された最終イオン検出器11に到
達する。
【0028】尚、厳密に言えば、イオンはイオン溜3に
導入されたときのY軸方向の速度を持っているため、Pu
sh-outプレート4、イオン引き出しグリッド5、及び、
出口グリッド6の間、すなわち2段加速部8に発生した
電界によってZ軸方向の力を受けても、飛行方向はZ軸
方向からわずかにY軸方向にずれたものとなる。
【0029】上記加速を受ける際、イオンにはPush-out
プレート4と出口グリッド6の間の電位差に対応する一
定のエネルギーが等しく与えられるため、加速終了時に
は、質量の小さなイオンほど速度が大きく、質量の大き
なイオンほど速度が小さい。このような速度差が生まれ
る結果、2つの静電セクター電場で構成されたTOF分
光部12をイオンが飛行する間に、イオンの質量分散が
行なわれて、軽いイオンから順番に最終イオン検出器1
1に到達し、マススペクトルが測定される。
【0030】このような構成において、本発明の特徴
は、2段加速部8で加速されたイオンパルスの飛行空間
に存在するイオンの空間収束面を、TOF分光部12を
構成する第1の静電セクター電場9の三重収束面F1
一致させると共に、第1の静電セクター電場の反対側の
三重収束面を、TOF分光部12を構成する第2の静電
セクター電場10の三重収束面F2に一致させ、F1とF
2のそれぞれに、イオンパルスの強度と到達時間をモニ
ターするための中間的なイオン検出器13及び14を置
いたことである。そして、最終イオン検出器11は、第
2の静電セクター電場10の反対側の三重収束面F3
置かれる。
【0031】この中間的なイオン検出器13及び14
は、中央部に矩形の孔部を有しており、入射したイオン
の大部分は、イオン検出器13及び14の孔部を通過し
て、後段の最終イオン検出器11に到達することができ
るようになっている。
【0032】また、F1、F2、F3の3面は、いずれも
このTOF分光部12の三重収束面であり、このうち、
1とF3はイオン飛行中心軌道に対して垂直な面、F2
はイオン飛行中心軌道に対して傾斜角度θを持った面で
ある。F1は、このTOF分光部12の対物面に当たる
と共に、前述の如く、2段加速部8の空間収束面に一致
させてある。
【0033】尚、この場合、イオン加速部は、必ずしも
2段加速部である必要はなく、多段加速部であっても良
いが、ここでは2段加速部が説明を行なう上で簡便であ
るため、以下、2段加速部として記述する。
【0034】さて、TOF分光部12を構成する2個の
静電セクター電場9及び10は、同一の光学系ディメン
ジョンを持っている。すなわち、それぞれのセクター電
場中心回転半径re、インナー電極回転半径ra、アウタ
ー電極回転半径rb、電場回転角度φe、自由空間L1
びL2が等しい関係にある。この2個の静電セクター電
場は、いずれも単独で三重収束性(時間、空間、エネル
ギーの収束性)を持つものである。
【0035】ここで、2段加速部8における第1加速部
(Push-outプレート4とイオン引き出しグリッド5の
間)の距離、第2加速部(イオン引き出しグリッド5と
出口グリッド6の間)の距離、及び2段加速部の終端で
ある出口グリッド6から最終イオン検出器11までの距
離を、それぞれ2S0、D、Lとし、2S0の中心点S0
から最終イオン検出器11までの一価のイオン(m+
の飛行時間tTOFを計算する。
【0036】外部イオン源1からイオン溜3内をY軸方
向に飛行しているイオンのZ軸方向の運動エネルギーを
初期エネルギーUi=mvi 2/2とし、このイオンにイ
オン押し出しパルス電圧2VPを与えたときの2段加速
部の第1加速部の電位、及び第2加速部の電位をそれぞ
れEs、及びEdとする。
【0037】すると、2段加速部通過後のイオンが持つ
Z軸方向の運動エネルギーUは、(3)式で与えられ
る。
【0038】 U = Ui+e・S0・Es+e・D・Ed・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3) 2段加速部における第1加速部の電場Es、及び第2加
速部の電場Edを出たときのイオンの速度をそれぞれ
s、及びvdとすると、vsとvdは(4)式、及び
(5)式になる。
【0039】 vs = √(2/m)・√(Ui+e・S0・Es)・・・・・・・・・・・・・(4) vd = √(2/m)・√U・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(5) また、加速場Es及びEdを飛行するイオンの飛行時間t
s及びtdは、(6)式及び(7)式で与えられる。
【0040】 ts = m(vs±vi)/e・Es = √(2m)・{√(Ui+e・S0・Es)±√Ui}/e・Es ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(6) td = m(vd−vs)/e・Ed = √(2m)・{√U−√(Ui+e・S0・Es)}/e・Ed ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(7) 出口グリッド6と空間収束面F1との間の自由空間距離
をL0、1つの静電セクター電場に伴う2つの三重収束
面間の飛行距離をLE、2段加速部で加速された後、出
口グリッド6からTOF分光部を介して最終イオン検出
器11に至るまでの飛行時間をtLとすると、飛行時間
Lは(8)式で与えられる。
【0041】 tL = √(2m)・L/2√U = √(m/2)・(L0+2LE)/√(Ui+e・S0・Es+e・D・Ed ) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(8) 従って、イオンの全飛行時間tTOFは、2段加速部飛行
時の(6)式、及び(7)式に、(8)式を加算した
(9)式となる。
【0042】 tTOF = ts+td+tL・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(9) (6)、(7)、及び(8)式は、いずれも飛行イオン
の質量mの平方根√mに比例するので、(9)式は、装
置定数Kでまとめられて、(10)式で与えられる。
【0043】 tTOF = K・√(m/2U)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(10) ここで、空間収束面F1にイオン検出器13を置いた場
合、Push-outプレート4とイオン引き出しグリッド5と
の中間点S0から空間収束面F1までのイオンの飛行時間
F1は、(8)式の自由空間距離(L0+2LE)を出口
グリッド6から空間収束面F1までの距離L0で置換して
整理した(11)式により算出できる。
【0044】 tF1 = ts+td+tL0 = K0・√(m/2U)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(11) ここで、tL0は出口グリッド6から空間収束面F1まで
のイオンの飛行時間、また、K0は装置定数である。
【0045】現在、特許出願中(特願平11−1210
16号参照)のリフレクター型TOF分光部を用いたイ
オン検出システムの場合には、中間イオン検出器で各質
量のイオンパルスを検出した時に、そのイオン強度が最
終イオン検出器のMCPを飽和させるか否かを先ず判定
し、MCPを飽和させ得るイオン強度を持ったイオンパ
ルスに対しては、イオン溜から中間イオン検出器までの
飛行時間tF1を求め、このtF1の値を用いて(11)式
からイオンの質量mを算出し、さらにこのmを用いて、
イオンの全飛行時間tTOFを(10)式で求めるプロセ
スが必要である。
【0046】一方、本実施例では、TOF分光部の三重
収束面F1、F2、及びF3の3ヶ所にイオン検出器を設
けることにより、最終イオン検出器のMCPを飽和させ
るイオン強度を持つイオンの質量mをその都度算出する
プロセスを省略することができるメリットがある。以
下、本実施例の動作について説明する。
【0047】図2のS0で示す位置は、2段加速部にお
ける第1段目の加速部2S0の中点である。Push-outプ
レート4とイオン引き出しグリッド5は、外部イオン源
(図示せず)からイオン溜3にイオンを導入する当初
は、接地電位(または同電位)に保たれている。そし
て、Push-outプレート4とイオン引き出しグリッド5の
間に導入された全イオンは、実際には、中心点S0を中
心位置として、±S0の空間内に分散している。
【0048】そのような状態において、先ず第1段目の
加速部2S0の空間に存在する全イオンをTOF分光部
12の光軸に沿って加速・排出するために、イオン引き
出しグリッド5に対する電位差として、Push-outプレー
ト4にイオン押し出し用のPush-outパルス電圧7(振幅
2VP)を印加する。この印加周期は、マススペクトル
を測定する周期に従う。Push-outパルス電圧7の印加時
に、第一段目の加速部2S0には、電場Es(=VP
0)が発生する。2S0の空間に存在した全イオンの運
動エネルギー幅は、最大で2VP(=2S0/Es)エレ
クトロンボルト(eV)になる。この運動エネルギー幅
は、TOF分光部12をイオンが飛行する際にイオンが
持つ運動エネルギーUの±10%程度の割合を占めると
仮定すると、U=3keVならば、±数百eVの広いエ
ネルギー幅を持つことになる。
【0049】従って、空間収束面や三重収束面以外のT
OF分光部では、同じ質量のイオン群であっても、その
飛行時間の広がりは飛行時間の±10%になる。
【0050】一方、2段加速部8の第2段目の加速場と
してのイオン引き出しグリッド5と出口グリッド6の間
の距離Dの部分には、一般に一定の電場Edが常時与え
られている。中心点S0上にイオンが偏在し、Z軸方向
(TOF分光部12の光軸方向)に運動エネルギーを持
たない場合は、TOFMSにとっては理想的な場合であ
るが、この場合は、イオン押し出し用のPush-outパルス
電圧7がPush-outプレート4に印加されると、2段加速
部でZ軸方向(TOF分光部12の光軸方向)に運動エ
ネルギーを得て、出口グリッド6を通過した後の運動エ
ネルギーUは、U=e・S0・Es+e・D・Edとな
る。
【0051】従って、イオンが2段加速部の第一段目で
ある2S0の空間に散在し、かつ、Z軸方向(TOF分
光部12の光軸方向)に運動エネルギーを持たない場合
は、全イオンの運動エネルギーUの幅が±e・S0・Es
に広がるが、それにもかかわらず、イオンが自由空間L
0を飛行して空間収束面F1に近づくと、イオンは時間収
束し、同一質量のイオン群は非常に狭い時間幅のイオン
パルスとなって、空間収束面F1にほぼ同時刻に到達す
る。
【0052】質量の異なるイオン群は、(10)式に従
った飛行時間差に基づいて質量分散され、順次、空間収
束面F1に飛来する。イオン群は、それぞれの質量ごと
に時間幅の狭いイオンパルスとなっているため、各質量
のイオンm+の空間収束面F1への到達時間は精度良く捉
えられ、モニターされる。
【0053】尚、イオン押し出し用のPush-outパルス電
圧7がPush-outプレート7に印加される前に、2段加速
部8の第一段目の空間2S0をドリフトしているイオン
が、初期運動エネルギーのZ軸方向成分としてUiを持
つ場合は、同一質量のイオン群であるにもかかわらず、
空間収束面F1においてもUiの影響が解消されず、イオ
ンパルスは時間的な広がりを生じ、数ns程度の時間幅
になる。この現象は、Turn Round Effectと呼ばれる。
【0054】図3は、TOF分光部12の3つの三重収
束面F1、F2、及びF3に設けられたイオン検出器とM
CPゲイン制御回路のブロックダイヤグラムである。図
3において、8は2段加速部、12はTOF分光部であ
る。また、13、14、及び11は、TOF分光部12
の三重収束面F1、F2、及びF3に設けられた3つのイ
オン検出器である。最後の三重収束面F3に設けられた
イオン検出器11は、マススペクトルを測定するための
最終イオン検出器、MCPである。
【0055】このような構成において、静電セクター電
場型TOF分光部の対物面であると共に空間収束面でも
ある第1の三重収束面F1に矩形スリットを置くと、イ
オンパルスの像を矩形にすることができる。そのため、
ここに矩形スリットを設け、TOF分光部12を飛行す
るイオンパルスの形を矩形に規制する。また、それと同
様の目的で、第2の三重収束面F2にも矩形スリットを
設ける。これらF1とF 2の2ヶ所の規制スリットによっ
てカットされる一部のイオンパルスをイオン検出器13
及び14で受光することにより、入射するイオンパルス
のイオン強度とイオンパルス出射後の経過時間tF1及び
F2を測定する。
【0056】三重収束面F1及びF2に設けられるイオン
検出器13及び14には、同一のレスポンスを持たせる
ことが重要であり、そうすることにより、F1〜F2間の
イオンパルスの飛行時間差の計測誤差を最小化すること
ができるが、仮にレスポンスが異なっていても、予め既
知のイオンを用いてキャリブレーションを行なえば、両
検出器のレスポンスの差を補正することは可能である。
【0057】また、図中15及び16は、最終イオン検
出器11を飽和させ得るイオン強度を持ったイオンパル
ス群が、三重収束面F1及びF2に到達したことを示すパ
ルス列を発生させる回路である。この回路では、三重収
束面F1及びF2に置かれたイオン検出器13及び14へ
のイオンパルスの入力を、アンプ17及び18で増幅
し、このイオンパルスがF3に置かれた最終イオン検出
器11のMCPを飽和させるイオン強度を持っているか
否かを、ディスクリミネーター19及び20の設定電圧
レベルで判定する。
【0058】ところで、三重収束面F3に置かれた最終
イオン検出器11のMCPを飽和させるイオン強度は、
予め設定するMCPゲインから簡単に逆算することがで
きる。そのため、F1、F2、及びF3に置かれた3つの
イオン検出器13、14、及び11が受光するイオン量
の相対比は、この逆算結果に基づいて、適切な比率(例
えば、F1:F2:F3=5:5:100、あるいはF1
2:F3=1:1:10など)に設定することが可能で
ある。
【0059】また、この比は、イオン検出器13及び1
4の後段に置かれたアンプ17及び18のゲイン及びデ
ィスクリミネーター19及び20の設定電圧レベルの選
定によって、必要最小量のイオンをF1及びF2に設けた
規制スリットによりカットしてモニターするように設定
することもできる。
【0060】また、パルス列発生回路15及び16に内
蔵された21及び22は反転回路である。三重収束面F
1に置かれたイオン検出器13からのイオンパルス入射
信号に基づいて、時刻tF1に反転回路21からパルス信
号を発生させるに充分なイオン強度を持ったイオンパル
スであれば、三重収束面F2に置かれたイオン検出器1
4においても必ず時刻tF2に反転回路22からパルス信
号が出力されるように、イオン検出器13及び14間の
感度差、アンプ17及び18間のゲイン差、ディスクリ
ミネーター19及び20間の設定電圧レベル差を無くし
ておく。
【0061】図中23は、パルス列発生回路15及び1
6からのパルス列を用いて、最終イオン検出器11のM
CPゲインを制御するタイミングパルス列24を発生さ
せるMCP電源制御回路である。このタイミングパルス
列24に同期して、MCP電源25の出力電圧VMCP
6を低下させ、最終イオン検出器11の検出感度を下げ
ることにより、イオンパルスが最終イオン検出器11に
入射しても、最終イオン検出器11が飽和しないように
制御する。
【0062】図4は、Push-outパルス電圧7をPush-out
プレート4に印加後の各部の動作タイミングを示すタイ
ムチャートである。図中、はイオンパルスの飛行時
間、はイオン押し出し用のPush-outパルス電圧の印加
タイミング、はイオンパルスのインテンスピークの出
現のタイミング、はF1面のイオン検出器に入射した
イオンパルスによる出力信号のタイミング、はF2
のイオン検出器に入射したイオンパルスによる出力信号
のタイミング、はMCPゲインの切り換えパルス列、
はMCPゲインの変化である。
【0063】今、出射点S0を出射したイオンパルスが
3つの三重収束面F1、F2、及びF3に到達するまでの
時間差を、それぞれtF1、t12、及びt23で表わすと、
TOFはで示すように(11)式のようになる。
【0064】 tTOF = tF3 = tF1+t12+t23 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(11) ここで、tF1は出射点S0から第1の三重収束面F1まで
のイオンパルスの飛行時間、t12は第1の三重収束面F
1から第2の三重収束面F2までのイオンパルスの飛行時
間、t23は第2の三重収束面F2から第3の三重収束面
3までのイオンパルスの飛行時間である。
【0065】本実施例のTOFMSでは、TOF分光部
に同一ディメンジョンの静電セクター電場を2個用いて
いるため、F1〜F2間の飛行時間t12とF2〜F3間の飛
行時間t23が一致する(すなわちt12=t23)ので、t
12の値をtF1とtF2の時間差として実測すれば、t12
みならず、t23の値もただちに判り、tTOFの値を簡単
に予測することができる。
【0066】 tTOF = tF1+t12+t23 = tF1+2t12 = tF1+2(tF2−tF1) = 2tF2−tF1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(12) 結局、(12)式に示すように、tF2の実測値を2倍し
た値からtF1の実測値を差し引くというアルゴリズムを
用いれば、イオンの質量mを算出することなく、最終イ
オン検出器にイオンパルスが到達する時間tTOFが求ま
る。
【0067】MCPゲインの切り換えは、MCPゲイン
切り換えパルスの出力のタイミングと、出力パルスの時
間幅とによって制御される。すなわち、におけるMC
Pゲインの切り換えパルスのDwell time(ΔtD)は、
イオンの飛行時間tTOFを中心に、前後にΔtD/2ずつ
振り分けられる。ΔtDの時間幅の目安は、(1)式に
おけるΔtの5倍程度を取っても50ns以下であり、
MCP電圧用電源21の高速切り換え用スイッチの応答
時間を考えて、Δtの10倍の100nsを取ったとし
ても、このイオンパルスの質量mが数百ダルトン以下な
らば、数ダルトンの範囲のマススペクトルが欠落する程
度、ないしは数ダルトンの範囲のマススペクトルが低い
ゲインで測定される程度の影響に収まる。要は、ΔtD
の時間幅は、TOFMS装置に応じた最適値を設定すれ
ば良い。
【0068】また、において、予め初期設定されたM
CPゲインをGA、強力なイオンパルスの入射を予測し
てMCP電圧を下げたときのMCPゲインをGB(=k
・GA、k≪1)とすると、MCPにイオンパルスが入
射すると予測される時間よりもΔtD/2だけ前に、M
CPゲインはGAからGBに下げられ、イオンパルス入射
後、ΔtD/2だけ後に、MCPゲインはGBからGA
戻される。この間のMCPゲインの低下率k(=GB
A)は、1/10〜1/1000の範囲の適切な値に
設定しておくと良い。
【0069】尚、MCPの初期ゲインGAと、MCPの
飽和を回避させるために低下させたゲインGBとを、デ
ータとして記憶させておけば、低いゲインGBで測定し
たスペクトル部分に対して、測定終了後にゲインの低下
率kの逆数1/kを乗じることによって、同一ゲインで
得られるマススペクトルに近いスペクトルに復元させる
こともできる。
【0070】図5は、一例として、3種類の質量の異な
るイオン種を含むイオンパルスが出射点S0から出射し
た後の各イオン種の飛行時間を示したタイミングチャー
トである。図中、P1、P2、及びP3の3本線は、3種
類の質量の異なるイオン種に由来するイオンパルスを示
している。はイオン押し出し用のPush-outパルス電
圧、は出射点S0で発生した直後のイオンパルス、
は質量分散されて第1の三重収束面F1に飛来するイオ
ンパルス群、は第1の三重収束面F1に置かれたイオ
ン検出器へのイオンパルス群の入射に基づいてパルス列
発生回路から出力されるパルス列、はさらに質量分散
されて第2の三重収束面F2に飛来するイオンパルス
群、は第2の三重収束面F2に置かれたイオン検出器
へのイオンパルス群の入射に基づいてパルス列発生回路
から出力されるパルス列、はさらに質量分散されて第
3の三重収束面F3に飛来するイオンパルス群、は第
3の三重収束面F3に置かれた最終イオン検出器MCP
へのイオンパルス群の入射に備えてMCPゲインを変更
するために、MCP電源制御回路からMCP電源に対し
て出力されるパルス列である。
【0071】今、イオンパルス群がP1、P2、P3、・・
・、Pnのn本のイオン強度の強い質量ピークを含むとす
ると、3つの三重収束面F1、F2、及びF3に各質量ピ
ークが到達する時間tPi1、tPi2、及びtPi3は、(1
2)式のアルゴリズムに基づいて、図6のようになる
(ここでi=1、2、3、・・・、n)。
【0072】従って、図6より、図3に示したタイミン
グパルス列24は、図5ののパルス列ΣtPi1、及び
図5ののパルス列ΣtPi2から、Σ(2tPi2
Pi1)として簡単に求めることができる(ここでi=
1、2、3、・・・、n)。
【0073】尚、イオンパルスが最終イオン検出器であ
るMCPに入射する時間の前後に、高速かつタイミング
良くMCPゲインを低下及び復帰させるためには、高速
高圧の電気回路を要するが、例えば、水銀リレーやQス
イッチの使用によらず、高耐圧用高速MOSFETスイ
ッチ等の半導体素子を用いて5nsから10nsの速度
で切り換えさせることにより、MCP電圧を500〜1
kVの幅で高速に変化させることも可能である。
【0074】また、本実施例では、2個の同一ディメン
ジョンを有する静電セクター電場を用いたOA−TOF
MSを例にとって説明したが、最終イオン検出器以前の
2ヶ所の三重収束面に1個ずつ合計2個の中間イオン検
出器を設けるということであれば、静電セクター電場の
数は3個以上の同一三重収束性を有する静電セクター電
場の組み合わせであっても良い。また、これらの静電セ
クター電場は、円筒形状、球状、トロイダル形状を問わ
ない。また、TOFMSの製造上は、同一形状の静電セ
クター電場を使用した方がメリットがあるが、静電セク
ター電場の形が相似則に従ったものであれば、飛行時間
に相似比κ(κ≠0)を掛け合わせて使用すれば、それ
でも良い。すなわち、MCPを制御するパルス列は、Σ
{(1+κ)tPi2−tPi1}として求めることができる
(ただしi=1、2、3、・・・、n)。
【0075】また、本発明はOA−TOFMSに限定さ
れるものではない。イオン加速部の空間収束面をTOF
分光部の対物面に一致させたものに限定されるが、イオ
ン加速部は、2段加速式のみならず多段加速式であって
も良く、イオン源にパルスイオン化方式を用いたTOF
MSに対しても適用可能である。
【0076】また、最終イオン検出器としては、MCP
以外に、MCPよりも安価で、MCPのような口径の細
い硝子キャピラリーを束ねて用いることなく、多数の球
状粒子の隙間で電子を乱反射させることによって2次電
子を増幅させることができるマイクロ・スフェア・プレ
ート(MSP)等を用いることもできる。
【0077】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明の静電セクタ
ー電場型TOFMSによれば、TOF分光部の2つの三
重収束面に設けられた2つのイオン検出器を用いて、イ
オン源から飛来するイオンパルスの電流値を予め検知
し、検知された量を最終イオン検出器にフィードさせる
ことにより、最終イオン検出器にイオンパルスが到達す
る以前に最終イオン検出器のゲインを制御し、最終イオ
ン検出器の飽和を回避させるように構成したので、最終
イオン検出器の飽和に伴うDead timeに由来するマスス
ペクトルの部分的な欠落を防止することができ、最終イ
オン検出器自身の短寿命化を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の静電セクター電場型垂直加速型飛行時間
型質量分析装置を示す図である。
【図2】本発明にかかる静電セクター電場型垂直加速型
飛行時間型質量分析装置の一実施例を示す図である。
【図3】本発明にかかる静電セクター電場型垂直加速型
飛行時間型質量分析装置のMCPゲイン制御回路のブロ
ックダイヤグラムの一例を示す図である。
【図4】本発明にかかる静電セクター電場型垂直加速型
飛行時間型質量分析装置のMCPゲイン制御回路各部の
タイミングチャートの一例を示す図である。
【図5】本発明にかかる静電セクター電場型垂直加速型
飛行時間型質量分析装置のMCPゲイン制御回路各部の
タイミングチャートの一例を示す図である。
【図6】本発明にかかる静電セクター電場型垂直加速型
飛行時間型質量分析装置で観測されるイオンパルス群の
飛行時間の一例をまとめた表である。
【符号の説明】
1・・・外部イオン源、2・・・収束レンズ、3・・・イオン
溜、4・・・Push-outプレート、5・・・イオン引き出しグリ
ッド、6・・・出口グリッド、7・・・Push-outパルス、8・・
・2段加速部、9・・・第1の静電セクター電場、10・・・
第2の静電セクター電場、11・・・最終イオン検出器、
12・・・TOF分光部、13・・・イオン検出器、14イオ
ン検出器、15・・・パルス列発生回路、16・・・パルス列
発生回路、17・・・アンプ、18・・・アンプ、19・・・デ
ィスクリミネーター、20・・・ディスクリミネーター、
21・・・反転回路、22・・・反転回路、23・・・MCP電
源制御回路、24・・・タイミングパルス列、25・・・MC
P電源、26・・・出力電圧VMCP

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオンパルスを出射するイオン源部と、出
    射されたイオンパルスを加速するイオン加速部と、加速
    されたイオンパルスが所定距離を飛行した後入射する最
    終イオン検出器と、イオン源部から出射されたイオンパ
    ルスが最終イオン検出器に到達するまでの時間を計測す
    る飛行時間型分光部と、飛行時間型分光部内部に設置さ
    れた三重収束性を有する複数個の静電セクター電場と、
    飛行時間型分光部内部の複数箇所に設けられ、該飛行時
    間型分光部に入射するイオンパルスのイオン強度と、イ
    オン源部からイオンパルス出射後の経過時間とを併せて
    測定する測定手段と、該複数箇所で測定された経過時間
    の時間差に基づいて、イオンパルスが最終イオン検出器
    に到達する時間を予測する予測手段と、前記イオン強度
    の測定結果と到達時間の予測結果とに基づいて、イオン
    パルス到達前に最終イオン検出器のゲインを制御する制
    御手段とから成ることを特徴とする飛行時間型質量分析
    装置。
  2. 【請求項2】前記複数箇所に設けられた、飛行時間型分
    光部に入射するイオンパルスのイオン強度とイオン源部
    からイオンパルス出射後の経過時間とを併せて測定する
    測定手段は、飛行時間型分光部におけるイオンパルスの
    三重収束面上に設けられた中間イオン検出器であること
    を特徴とする請求項1記載の飛行時間型質量分析装置。
  3. 【請求項3】前記飛行時間型分光部におけるイオンパル
    スの三重収束面は、前記複数個の三重収束性を有する静
    電セクター電場によって作られていることを特徴とする
    請求項2記載の飛行時間型質量分析装置。
  4. 【請求項4】前記飛行時間型分光部において、複数個の
    静電セクター電場によって作られたイオンパルスの三重
    収束面の1つは、前記イオン加速部の空間収束面と一致
    していることを特徴とする請求項2または3記載の飛行
    時間型質量分析装置。
  5. 【請求項5】前記飛行時間型分光部の複数箇所の三重収
    束面に設けられた複数個の中間イオン検出器からのイオ
    ンパルス入射信号に基づいて、イオンパルスを形成して
    いるイオンの質量数を計算することなく、イオンパルス
    が最終イオン検出器に到達する時間を予測することを特
    徴とする請求項2、3、または4記載の飛行時間型質量
    分析装置。
  6. 【請求項6】前記イオン源部は、連続的にイオンを出射
    する外部イオン源と、該イオン源から出射されたイオン
    ビームが導入されるイオン溜と、パルス電圧の印加によ
    って、該イオン溜からイオンビームの導入方向と交差す
    る方向にイオンビームをパルス的に加速するイオン加速
    部とから成る垂直加速型のイオン源部であることを特徴
    とする請求項1、2、3、4、または5記載の飛行時間
    型質量分析装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014501428A (ja) * 2010-12-17 2014-01-20 サーモ フィッシャー サイエンティフィック (ブレーメン) ゲーエムベーハー イオン検出システムおよび方法

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