JP2000323261A - 加熱体、加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents

加熱体、加熱装置及び画像形成装置

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JP2000323261A
JP2000323261A JP11128829A JP12882999A JP2000323261A JP 2000323261 A JP2000323261 A JP 2000323261A JP 11128829 A JP11128829 A JP 11128829A JP 12882999 A JP12882999 A JP 12882999A JP 2000323261 A JP2000323261 A JP 2000323261A
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heater
temperature
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賢一 小川
Yoshiaki Nakajima
義昭 中嶋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱体基材の熱伝導率の範囲を適切に設定す
ることで、熱ストレスによる破壊や、熱の逃げを防止し
た加熱体、加熱装置及び画像形成装置を提供すること。 【解決手段】 基材2と、該基材上に設けられた発熱部
3とを有する加熱体10において、上記基材2の熱伝導
率が、30〜180W/m・K(25℃)の範囲内にあ
ること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱体、加熱装置
及び画像形成装置に関し、特に電子写真におけるトナー
像を記録材上に永久固着させるために使用される定着装
置、及び該定着装置を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、電子写真複写機、プリンタ、フ
ァクシミリ等の画像形成装置の画像加熱定着装置、すな
わち電子写真、静電記録、磁気記録等の適宜の画像形成
プロセス手段により加熱定着性の顕画剤(トナー)を用
いて被記録紙(転写材シート、印刷紙、エレクトロファ
ックスシート、静電記録シートなど)の面に間接(転
写)式もしくは直接方式で形成担持させた目的の画像情
報に対応した未定着顕画剤像を被記録紙面に加熱定着さ
せるための加熱装置としては、従来一般に、熱ローラー
方式の装置が多用されていた。
【0003】この熱ローラー方式の加熱装置は、ハロゲ
ンヒータ等の内蔵熱源により所定の加熱温度に維持させ
た加熱ローラー(定着ローラー)と、これに圧接させた
弾性加圧ローラーとの圧接ニップ部(定着ニップ部)に
被記録紙を導入して挟持搬送させることで加熱ローラー
の熱で被記録紙面の未定着顕画剤像を加熱定着させるも
のである。
【0004】しかしこの熱ローラー方式の画像加熱定着
装置としての加熱装置は、いつでもすぐに画像出力がな
されるようにするために加熱ローラーの温度を常時高温
に維持しておかなければならず、そのために消費エネル
ギーが大きく、また待機中も機内に熱を放出するため機
内昇温の問題も発生していた。また電源を投入してから
加熱ローラーが被加熱材としての被記録紙を加熱するの
に適した所定温度に昇温するまでにかなりの待ち時間を
要する。
【0005】最近では、フィルム加熱方式の加熱装置が
提案され、実用化されている(特開昭63−31318
2号公報、特開平1−263679号公報、特開平2−
157878号公報、特開平4−44075〜4408
3号公報、特開平4−204980〜204984号公
報)。
【0006】これらの加熱装置は、被加熱材を加熱体
(セラミックヒータ等)に耐熱フィルムを介して密着さ
せ、加熱体と耐熱フィルムとを相対移動させて加熱体の
熱を耐熱フィルムを介して被加熱材へ与える方式および
構成のものであり、未定着トナー画像を該画像を担持し
ている被記録紙面に永久固着画像として加熱定着処理す
る手段として活用できる。
【0007】また、例えば、画像を担持した被記録紙を
加熱して艶などの表面性を改質する装置、仮定着処理す
る装置、その他、シート状の被加熱材を加熱処理する手
段として広く使用できる。
【0008】このようなフィルム加熱方式の加熱装置
は、昇温の速い低熱容量の加熱体や薄膜のフィルムを用
いることができるために短時間に加熱体の温度が上昇
し、待機中に加熱体の通電加熱を行なう必要がなくな
る。そのため被加熱材としての被記録紙をすぐに通紙し
ても該被記録紙が定着部位に到達するまでに加熱体を所
定温度まで十分に昇温させることができる。このような
構成を用いることで省電力化やウェイトタイムの短縮化
(クイックスタート性)が可能となり、画像形成装置等
の機内昇温を低くすることができる等の利点を有してい
る。
【0009】図12(a)は、該加熱装置の概略構成図
である。同図において、10は基板2上に通電により発
熱する抵抗発熱体3を具備した加熱体(所謂セラミック
ヒータ)、7は該ヒーター10の支持部材、8は該支持
部材に外嵌された円筒状のフィルム、9は該フィルム8
を挟みヒーター10と圧接してニップ部Nを形成する加
圧ローラである。
【0010】該ニップ部Nに被記録紙Pが導入され、加
圧ローラー9の回転駆動によりフィルム8と共に搬送さ
れ、該フィルム8を介したヒーター10からの熱で加熱
されてトナー像Tが被記録紙上に定着される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例において
は、以下のような課題があった。
【0012】例えば、ヒーター基板2の材料として熱伝
導の悪い材料を用いた場合、突然高い電圧が入ってきた
際に、ヒーター基板内に大きな熱分布が生じ、それによ
り熱ストレスが発生してヒーター10の破壊に至ること
がある。また、ヒーター基板2の熱伝導の悪さによって
非通紙部の昇温を効率よく外部へ伝達することができな
くて加圧ローラー9・フィルムガイド7等の周辺部材に
熱の蓄積が発生していた。
【0013】ここで該問題点を発生させてしまったヒー
ター10の構成を記しておく。図12(b)は該ヒータ
ー10の表面(加熱面)側の模式平面図である。
【0014】基板2は、アルミナ(純度98%、熱伝導
率24W/m・K(25℃))を材料とし、幅8mm・
長さ270mm・厚み1mmとしたものを使用してい
る。この基材の表面(定着ニップ面側)にAg/Pdを
混合させたペーストを印刷・焼成して抵抗発熱体3を形
成している。そして、この抵抗発熱体3に給電する電極
5,6をAgのペーストを印刷・焼成することにより形
成し、抵抗発熱体上にガラスを印刷・焼成してガラス保
護層17を形成する。
【0015】該抵抗発熱体3の一本の幅は1mmでこの
抵抗発熱体3が基板長手に沿って2本形成されている。
その2本の抵抗発熱体3の間隔は0.5mmである。ま
た、この2本の抵抗発熱体3はヒーター基板2の中心か
ら等距離に形成されている。よって、抵抗発熱体の端部
から基板端部の距離は2.75mmとなる。
【0016】このヒーター10を使用し、以下の条件で
通紙を行った。その条件と結果を以下に示す。環境は、
温度15℃/湿度10%で装置を朝一状態にし、B5サ
イズの厚紙(坪量115g/m2)を連続3枚連続通紙
した。その時の定着温調温度は190℃で朝一状態から
連続で通紙した場合には。190℃温調で3枚通紙され
る。その後さらに連続で通紙した場合、温調温度は18
0℃に降下する。このような温度制御の元で定着工程を
行うと、抵抗体部(ヒーター中央部)とヒーター端部に
は約70degの温度差が生じる。このために、熱スト
レスが約−5kgf/mm2発生している。この時の熱ストレ
スと通紙枚数との関係を図5に記す。
【0017】この図5を見てわかるように、朝一立ち上
げ時が一番熱ストレスの発生が少なく通紙を進めていく
にしたがって熱ストレスは大きくなっていく(横軸=時
間:縦軸=熱ストレス値)。その最大値が先程述べた約
−5kgf/mm2である。以後、同じ条件で連続通紙してい
くと温調温度が低くなるためにヒーター内の温度分布が
少なくなりヒーター10へ加わる熱ストレスは先のピー
ク値よりも小さいものになっていく。
【0018】定着器ユニットとしてヒーター10を組み
込んだときには、コネクタ・加圧ローラー・ザグリ・フ
ィルムガイドの形状などによって約−3kgf/mm2のメカ
的ストレスが生じている。具体的には、ヒーター10と
これを支持するフィルムガイド7との接触面等に製造上
のバリや異物の混入によってヒーター10が局部的に曲
げられることによって該メカ的ストレスが発生する。ま
た、フィルムガイド7には、ヒーター10の熱が伝わり
過ぎて熱効率を下げないように不図示の溝(ザグリ)を
形成させているが、この溝と加圧ローラー9の圧接とに
よって折り曲げの力が生じてしまうのである。
【0019】このような、メカ的ストレスと熱ストレス
を足しあわせると約−8kgf/mm2のストレスがヒーター
に加わっている。この−8kgf/mm2という熱ストレスの
繰り返しは、アルミナにとって破壊(割れ)限界の数値
であり、これをオーバーするとヒーター10はストレス
により破壊されてしまう。
【0020】また、この通紙条件よりも大きな電圧を印
加した場合には、熱的ストレスはヒーター内の温度分布
がさらに大きなものとなり、より破壊に対して悪い方向
へ向かってしまう。この他、メカ的ストレスが増加して
も大きい電圧が入ってきたのと同じようにヒーターはス
トレスにより破壊の方向へ向かってしまうのである。
【0021】以上のように、従来のアルミナ程度の熱伝
導率(約24W/m・K(25℃))では、熱などのス
トレスにとても弱いために、熱伝導率の大きい基材をヒ
ーターとし、基板内の温度分布を一様に近づけることで
熱によるストレスを軽減させる必要がでてくる。
【0022】そこで熱ストレスをためないという点から
熱伝導率が約250W/m・K(25℃)と、アルミナ
に比べて約10倍ほど良い窒化アルミを用いたヒーター
が好ましいと考えられる。
【0023】この窒化アルミからなる基板を使用して、
先と全く同じ条件で通紙を行った。すると、熱ストレス
はアルミナに比べて約1/20程度の約−0・4kgf/m
m2になった。これとメカ的ストレスの約−3kgf/mm2
足し合わせても−3・4kgf/mm2とヒーターが破壊され
る約−8kgf/mm2の半分以下であり、割れる心配はなく
なる。
【0024】しかし、この時のコネクタ接点部の温度
が、以前のアルミナに比べて上昇してしまうことがあっ
た。この現象は、ヒーター自体の熱伝導率が良いために
通紙領域内で発熱した熱量が長手方向に流れ出してしま
いコネクタの接点温度を上昇させているのである。同様
に、この熱伝導率の良いという特性によって通紙可能領
域最大サイズの記録紙を通紙した場合には、ヒーター端
部部分の温度がコネクタ方向へ逃げてしまうため通紙領
域内端部の定着性の悪化(定着不良)を招いてしまうこ
とがあった。
【0025】他にもヒーターを支持しているフィルムガ
イドへ過度に熱が伝わってしまうことがあった。これ
は、通紙領域に対して記録紙サイズが小さく、さらに坪
量が大きいものを通紙した場合に記録紙が通紙されてい
ない場所においてはヒーターの熱が記録紙へ持っていか
れず、加圧ローラーとフィルムガイドだけに熱が伝わっ
てしまうために発生する。特に、フィルムガイドとアル
ミナが接触して伝わる熱量に比べてフィルムガイドに伝
わる熱量の方がはるかに大きいため、この影響が表立っ
て出てくるのである。
【0026】そこで、本発明は加熱体基材の熱伝導率の
範囲を適切に設定することで、熱ストレスによる破壊
や、熱の逃げを防止した加熱体、加熱装置及び画像形成
装置の提供を目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明の加熱体、加熱装
置及び画像形成装置は、上記課題を解決するため、以下
の構成をとるものである。
【0028】〔1〕:基材と、該基材上に設けられた発
熱部とを有する加熱体において、上記基材の熱伝導率
が、30〜180W/m・K(25℃)の範囲内にある
ことを特徴とする加熱体。
【0029】〔2〕:基材と、該基材上に設けられた通
電発熱体と、該基材端部に設けられた該通電発熱体の電
極部とを有する加熱体において、上記基材の熱伝導率
が、30〜180W/m・K(25℃)の範囲内にある
ことを特徴とする加熱体。
【0030】〔3〕:上記基材が、窒化アルミニウム、
炭化珪素、酸化アルミニウム等のセラミックス材料から
製造されていることを特徴とする請求項1又は2に記載
の加熱体。
【0031】〔4〕:〔1〕,〔2〕又は〔3〕に記載
の加熱体を備え、該加熱体からの熱で被加熱材を加熱す
ることを特徴とする加熱装置。
【0032】〔5〕:〔1〕,〔2〕又は〔3〕に記載
の加熱体と、一方の面がこの加熱体と摺動し他方の面が
被加熱材と接して共に移動するフィルムとを備え、該加
熱体による熱で被加熱材を加熱することを特徴とする加
熱装置。
【0033】〔6〕:〔1〕,〔2〕又は〔3〕に記載
の加熱体と、この加熱体と摺動するフィルムと、このフ
ィルムを介して前記加熱体とニップを形成する加圧部材
とを有し、前記ニップで挟持され、搬送される被加熱材
を該加熱体による熱で加熱することを特徴とする加熱装
置。
【0034】〔7〕:フィルムの一面側に加熱体を、他
面側に被加熱材を密着させるために用いる加圧部材を有
し、前記フィルムを介して加熱体の熱エネルギーを被加
熱材に付与する加熱装置であり、前記加熱体が〔1〕,
〔2〕又は〔3〕に記載の加熱体であることを特徴とす
る加熱装置。
【0035】〔8〕:記録材上に画像を形成する像形成
手段と、該記録材上の画像を加熱する像加熱手段とを有
する像加熱手段を有する画像形成装置において、像加熱
手段として〔4〕,〔5〕,〔6〕又は〔7〕に記載の
加熱装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【0036】
〔9〕:記録材上に未定着画像を形成する
像形成手段と、該未定着画像を加熱して該記録材上に定
着させる定着手段とを有する画像形成装置において、該
定着手段として〔4〕,〔5〕,〔6〕又は〔7〕に記
載の加熱装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【0037】
【発明の実施の形態】図1はフィルム加熱方式の加熱装
置(画像加熱定着装置)の要部の横断面模式図、図2
は、加熱体の表面図、図3はその加熱体の断面を示す模
式図である。
【0038】この加熱装置は加圧ローラー駆動式の装置
であり、加熱体10を保持させた加熱体ホルダ7に円筒
状の耐熱性フィルム8(ポリイミドなどの基材フィルム
上にPFAやPTFE等の離型性の耐熱樹脂を被覆した
フィルム)をルーズに外嵌させ、加圧ローラー9を該フ
ィルム8を挟ませて加熱体10に対して所定の押圧力を
もって圧接させて加熱体10との間にフィルム8を挟ん
で定着ニップ部Nを形成させてある。
【0039】この加圧ローラー9は不図示の駆動手段に
より矢示Aの反時計方向に回転駆動される。その加圧ロ
ーラー9の回転が該ローラー9とフィルム8の外面との
摩擦力でフィルム8に作用して、円筒状フィルム8が加
熱体10を保持させた加熱体ホルダ7の外回りを矢示A
の時計方向(加熱体10の幅方向)に回転する。
【0040】そしてフィルム8の回転がなされ、加熱体
10が所定に昇温した状態において、定着ニップ部Nの
フィルム8と加圧ローラー9との間にシート状の被加熱
材である未定着トナー像Tを担持した被記録紙Pが導入
される。そしてフィルム面に被記録紙Pが密着してその
フィルム8と一緒に定着ニップ部Nを通過することで、
加熱体10の熱がフィルム8を介して被記録紙Pに付与
され未定着トナー像Tが被記録紙面に熱定着される。定
着ニップ部Nを通った被記録紙Pはフィルム8の面から
曲率分離されて搬送される。
【0041】加熱体(セラミックヒータ)10は図2に
示すように、加熱体基板2、該加熱体基板2の片面側に
形成具備させた抵抗発熱体(通電発熱体)パターン3、
導体パターン4、2つの給電電極パターン5,6、該抵
抗発熱体パターン3及び導体パターン4部分を被覆させ
た表面保護層17等よりなる。加熱体基板2は、後述す
る耐熱性フィルム8、被加熱材としての被記録紙Pの搬
送・移動方向Aに対して直交する方向を長手とする横長
・薄肉である。また基板2は、耐熱性、電気絶縁性およ
び低熱容量のセラミック基材である。
【0042】こういったセラミックヒーターは一般に広
く使用され、量産体制も整っており、熱伝導率などのば
らつきも少なく安定性に優れ、さらに使用範囲が広いた
めにコスト的にも安く手に入るために使用している。
【0043】抵抗発熱体3は、例えば、銀パラジウム
(Ag/Pb)、Ta2N等の電気抵抗材料ペースト
(抵抗ペースト)を例えば厚み10μm,幅1〜3mm
の細帯状にセラミック基材面長手に沿ってスクリーン印
刷等により塗工し焼成することで形成したものである。
【0044】導体パターン4は上記の抵抗発熱体3に略
並行させて細帯状にセラミック基材面長手に沿って形成
してある。
【0045】そして、セラミック基材2の一端部側に
は、上記2つの給電電極パターン5および6が並べて形
成されており、一方の給電電極パターン5と導電パター
ン4の一端部を接続させ、他方の導体パターン4の同じ
側の一端部を給電電極パターン6に導通させてある。導
体パターン4の他端部は各々抵抗発熱体3と導通させて
ある。
【0046】上記の導体パターン4、2つの給電電極パ
ターン5,6はいずれもAg等の導電材料ペーストをス
クリーン印刷等によりセラミック基材の面にパターン塗
工して焼成して形成したものである。
【0047】上記の互いに略並行の抵抗発熱体3と導体
パターン4は、セラミック基材の長手方向一端側に設け
た2つの給電電極パターン5・6間でヒーター長手に関
して通電の往路と復路を形成している。
【0048】このヒーター10を、抵抗発熱体3を形成
した面側を下向きに露呈させて剛性・断熱性を有するヒ
ーターホルダ(ステー)7に保持させて固定配設してあ
る。このヒーター10は、給電電極パターン5・6に不
図示の給電回路から給電することにより抵抗発熱体3が
長手全長にわたって発熱することで昇温し、その昇温が
図3中の検温素子(サーミスター)20で検知され、そ
の検知温度が不図示の温度制御回路ヘフイードバックさ
れてヒーター10の温度が所定の温度に維持されるよう
に抵抗発熱体3への通電が制御される。
【0049】8は厚さ例えば40μm〜100μm程度
のポリイミド等の耐熱性フィルム、9は該フィルム8を
ヒーター10のフィルム摺動面である表面保護層面に押
圧する加圧部材としての加圧ローラである。
【0050】フィルム8はこの加圧ローラー9によりヒ
ーター10に押圧され、不図示の駆動手段あるいは加圧
ローラー9に駆動され、矢示A方向に所定速度でヒータ
ー下面(表面保護層17面)に接触摺勤しながら移動す
る。またこの抵抗発熱体3は、加圧ローラー9とヒータ
ー10によって形成されるニップNの中に収められる。
【0051】そして、図3に示すようにヒーター10の
温度を検出し、抵抗発熱体3に加える電力を制御して温
度を制御するために、基板裏面側にサーミスター20を
取り付けている。
【0052】該ヒーター10に取り付けるサーミスター
20は、チップ型のサーミスターであり、このサーミス
ター20はアルミナ基材21上にサーミスター材料14
と、その電極13と、該サーミスタ材料の保護層15を
積層して作られる。このようなサーミスター20を耐熱
性のある導電性接着剤22で、ヒーター裏面に設けた電
極12に接着している。
【0053】本例のヒーター10において、基板2は、
幅が8mm・長さが270mm・厚みが1mmのものを
使用している。また、抵抗発熱体3の一本の幅は1mm
でこの抵抗発熱体3が基板長手に沿って2本形成されて
いる。その2本の抵抗発熱体3の間隔は0.5mmであ
る。また、この2本の抵抗発熱体3はヒーター基板2の
中心から等距離に形成されている。よって、抵抗発熱体
3の端部から基板端部の距離は2.75mmとなる。ヒ
ーター基板(基材)2は、例えば窒化アルミニウム、炭
化珪素、酸化アルミニウム等のセラミック材料から製造
され、材料の配合組成を調整することにより種々の熱伝
導率のものを得ることができる。
【0054】〈比較例〉まず、比較のため、上記構成の
加熱装置において、ヒーターの基材の熱伝導率が低すぎ
る(25W/m・K)ものを使用した場合を記す。
【0055】この熱伝導率で問題点が発生するものは主
にヒーター熱ストレスと非通紙部昇温による加圧ローラ
破壊であるので、第一にヒーターの熱ストレスに関して
記載を行う。
【0056】通紙環境は温度15℃/湿度10%で、本
体を朝一状態にしてB5サイズで坪量105g/m2
厚紙を連続で3枚通紙する。
【0057】先の発明が解決しようとする課題にも記載
したように上記熱伝導率を特徴とした基材によって図5
のような熱ストレスが生じている。熱ストレスは、ヒー
ター中央に位置する抵抗体部が発熱する一方、ヒーター
の端部は抵抗体がないために発熱せず温度は中央部に比
べて低い状態にある。ここで、ヒーターの中央部は高い
温度のために伸び方向の力が生じる。それに比べて、端
部では中央とは違い中央部とは相対的には縮み方向の力
が生じている。この相対的な熱ひずみによってヒーター
が破壊されてしまうのである。
【0058】次に非通紙部昇温に関して説明を行う。図
6に示した加圧ローラー温度を見てわかるように非通紙
部昇温は、一枚目よりも二枚目、二枚目よりも三枚目と
枚数が増えるにしたがって高くなっていく傾向にある
(横軸=時間:縦軸=温度)。一枚目後端で加圧ローラ
ー温度は80℃、二枚目後端で加圧ローラー温度は12
0℃、最後の三枚目では140℃まで温度上昇が続く。
図6には3枚通紙した例を示したが100枚通紙後には
加圧ローラーの非通紙部温度は250℃まで温度上昇す
る。この250℃という温度は、加圧ローラーの表面コ
ートに対して限界の温度であり、さらに温度上昇を続け
ると表面コートが剥がれて加圧ローラー表面の離型性が
劣化してしまう。
【0059】さらにこの時、ヒーターからフィルムガイ
ドヘ伝わる熱量(ヒーターとフィルムガイドが接触して
いるポイントの温度)についても、通紙枚数が増えるに
したがって多くなっていく。この時のヒーター温度を図
7に示す(横軸=時間:縦軸=温度)。3枚連続で通紙
した場合では、ヒーター自体の温度はほぼ一律に260
℃である。この時使用しているフィルムガイドの耐熱温
度は300℃であるためにマージンは少なくなってい
る。
【0060】次に、ヒーターの基材の熱伝導率が高すぎ
る(200W/m・K)のものを使用した場合を記す。
【0061】まずこの熱伝導率で問題点が発生するもの
は主に端部定着性悪化と非通紙部でのフィルムガイドの
溶けである。まず端部定着性に関して記載を行う。
【0062】通紙環境は温度7.5℃/湿度10%で、
本体を朝一状態にしてレターサイズで坪量95g/m2
の厚紙を連続で3枚通紙する。
【0063】上述の如く、熱伝導率の高すぎる基板2を
使用した場合には、フィルムガイドへの熱の逃げやコネ
クタ方向への熱の逃げが多くなることで端部の温度ダレ
が生じてしまい、定着性に影響が現われている。本例で
は、加圧ローラー通紙中央部と端部との温度差が約5〜
10degあり、端部の定着性が悪くなってしまう。
【0064】〈実施例1〉本実施例について以下に説明
を行う。
【0065】まず、上記構成の加熱装置において、ヒー
ターの基材の熱伝導率が30W/m・K(25℃)と低
い側のものを使用した場合を記す。
【0066】この熱伝導率で問題点が発生するものは従
来/比較例と同様にヒーター熱ストレスと非通紙部昇温
による加圧ローラの破壊である。
【0067】まずヒーターの熱ストレスに関して記載を
行う。
【0068】通紙条件は従来/比較例と同様、温度15
℃/湿度10%で、本体を朝一状態にしてB5サイズで
坪量105g/m2の厚紙を連続で3枚通紙する。
【0069】この時、本例のヒーター10には図8のよ
うな熱ストレスが生じている(横軸=時間:縦軸=熱ス
トレス値)。
【0070】また、定着温調温度は朝一状態から連続で
通紙した場合、190℃温調で3枚通紙される。その後
さらに連続で通紙した場合温調温度は180℃に降下す
る。このような定着ヒーターと温度制御を用いて定着工
程を行うと、抵抗発熱体3が形成されている部分(抵抗
体部)とヒーター端部には約60degの温度差が生
じ、 σ=A/κ ・・・(1) σ:熱ストレス値[kgf/mm2] κ:熱伝導率[W/m・K(25℃)] A:温度差を含んだ変数 上記(1)の式より計算した結果、図8に示したとお
り、σ=約−3kgf/mm2の熱ストレスが発生しているこ
とがわかる。なお、朝一立ち上げ時が一番熱ストレスの
発生が低く通紙を進めていくに従って熱ストレスは大き
くなっていく。
【0071】従来の形態にある熱伝導率24W/m・K
(25℃)の基材では−5kgf/mm2の熱応力が発生して
いたが、この熱応力も上記(1)式によって導かれるた
めに、基材の熱伝導率が低いところにある場合には、少
しの熱伝導率の違いによって熱応力の減衰も極端に変動
するため、温度差が10degしかなくても熱ストレス
は2kgf/mm2もの差が発生する。
【0072】つまり、熱伝導率の悪い基材を定着ヒータ
ーに使用した場合には少しの温度差でも熱応力が発生し
やすく熱によって基材が割れやすくなる。
【0073】次に非通紙部昇温に関して説明を行う。図
9に示したように、非通紙昇温は枚数が増えるにしたが
って顕著になっていくが、記録紙後端の三枚目の温度で
は137℃となり、この時の加圧ローラー温度は比較例
の形態と比較すると約3deg低い値を示している(横
軸=時間:縦軸=温度)。この約3degの温度低下
は、スループット(記録紙を一分間に排出する枚数)を
増加させるまでの効果は無いにしても、加圧ローラーの
温度は下がるので加圧ローラーに対しての寿命を伸ばす
ことにつながるものである。これと同様に、ヒーターか
らフィルムガイドへ伝わる熱量についても、通紙枚数が
増えるにしたがって増えていくが、ヒーター10とフィ
ルムガイド7が接触している部分での温度はほぼ一律に
255℃になっているためフィルムガイド7の溶けに対
するマージンは若干ながら確保されているのである。こ
のように従来使用していた熱伝導率のヒーター基材では
上記2点の問題が発生したのであるが、本実施例に使用
した熱伝導率30W/m・K(25℃)のヒーター基材
を使用することで先の問題点を解決/軽減することが可
能になる。
【0074】〈実施例2〉次に上記構成の加熱装置にお
いて、ヒーター基材の熱伝導率が180W/m・K(2
5℃)と高い側のものを使用した場合を記す。
【0075】この熱伝導率で問題点が発生するものは、
主に端部定着性悪化と非通紙部のフィルムガイド溶けで
ある。まず端部定着性に関して記載を行う。
【0076】通紙環境は温度7.5℃/湿度10%で、
本体を朝一状態にし、レターサイズで坪量95g/m2
の厚紙を連続で3枚通紙する。
【0077】上述の如く熱伝導率が高い基板2を用いる
と、フィルムガイドへの熱の逃げやコネクタ方向への熱
の逃げが多くなることで端部の温度ダレが生じて、定着
性に影響が現われる傾向があるが、本例では問題の発生
しないレベル内である為、180W/m・K(25℃)
の基材を使用することが可能である。また、接点5,6
の昇温も許容できる範囲内であった。
【0078】次に非通紙部昇温によるフィルムガイドの
溶けに関して説明を行う。図10に示した加圧ローラー
温度を見てわかるように非通紙昇温は、枚数が増えるに
したがって顕著になっていく(横軸=時間:縦軸=温
度)。
【0079】一枚目後端で加圧ローラー温度は70℃、
二枚目後端で加圧ローラー温度は110℃、最後の三枚
目では120℃まで温度上昇が続く。しかし比較例・実
施例1に比べて低く、実施例1と比較を行うと約17d
eg低い値になる。これは、加圧ローラー9にとっては
寿命の向上につながり耐久性も向上する。
【0080】一方この時、ヒーター10からフィルムガ
イドへ伝わる熱量についても、通紙枚数が増えるにした
がって増えていく。この図を図11に示す(横軸=時
間:縦軸=温度)。3枚連続で通紙した場合では、ヒー
ター自体の温度はほぼ一律に290℃である。この時使
用しているフィルムガイドの耐熱温度は300℃であ
り、マージンはかなり少なくなっているが、問題の発生
しないレベル内である為、使用することが可能である。
【0081】このように、フィルムガイドの融け/破壊
に対しては若干マージンが少なくなるが、非通紙部昇温
に関してはかなり改善されオフセットなどの問題は少な
くなる。さらに、式(1)で示される熱ストレスに関し
ても、熱伝導率の良い基材を使用することで少なくなる
傾向にある。温度差(中央部と端部)は約20degで
あるため、熱応力は、測定条件が同じ場合で約−0.9
kgf/mm2である。従って熱ストレス−0.9kgf/mm2
メカストレス−5kgf/mm2を足しあわせても−5.9
(<−8)kgf/mm2である為ヒーター破壊へは至らな
い。
【0082】以上のようにヒーター基板2の熱伝導率を
30〜180W/m・K(25℃)の範囲内に設定する
ことで、熱ストレスの防止と熱の逃げ防止とが両立で
き、ヒーター割れ、フィルムガイドの融け、接点の昇
温、加圧ローラ破壊などの問題をなくすことが可能にな
る。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
加熱体基材の熱伝導率の範囲を適切に設定することで、
熱ストレスによる破壊や、熱の逃げを防止した加熱体、
加熱装置及び画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の定着器の横断面模式図
【図2】 ヒーターの表面側の模式平面図
【図3】 ヒーターのサーミスター設置部分の模式平面
【図4】 ヒーターの寸法関係の説明図
【図5】 従来の加熱装置に用いている加熱体にかかる
熱ストレス値と通紙枚数の関係を表した図
【図6】 比較例の加熱装置に用いている加圧ローラー
温度をあらわした図
【図7】 比較例の加熱装置に用いている加熱体温度を
あらわした図
【図8】 実施例1の加熱装置に用いている加熱体にか
かる熱ストレス値と通紙枚数の関係を表した図
【図9】 実施例1のの加熱装置に用いている加圧ロー
ラー温度をあらわした図
【図10】 実施例2の加熱装置に用いている加圧ロー
ラー温度をあらわした図
【図11】 実施例2の加熱装置に用いている加熱体温
度をあらわした図
【図12】 従来の加熱装置の概略構成図
【符号の説明】
2 加熱体基板(ヒーター基板) 3 抵抗発熱体(抵抗発熱体パターン) 4 導体パターン 5,6接点(給電電極パターン) 7 加熱体ホルダ(フィルムガイド) 8 フィルム 9 加圧ローラー 10 加熱体(ヒーター) 12,13 電極 14 サーミスター材料 15 保護層 17 表面保護層(ガラス保護層) 20 サーミスター 21 アルミナ基材 22 導電性接着剤 N ニップ部(定着ニップ部) P 被記録材(被記録紙) T トナー像
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 耕平 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA02 AA32 BA26 BE03 3K058 AA86 BA18 CA23 CA61 CE13 CE19 DA26 GA06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、該基材上に設けられた発熱部と
    を有する加熱体において、 上記基材の熱伝導率が、30〜180W/m・K(25
    ℃)の範囲内にあることを特徴とする加熱体。
  2. 【請求項2】 基材と、該基材上に設けられた通電発熱
    体と、該基材端部に設けられた該通電発熱体の電極部と
    を有する加熱体において、 上記基材の熱伝導率が、30〜180W/m・K(25
    ℃)の範囲内にあることを特徴とする加熱体。
  3. 【請求項3】 上記基材が、窒化アルミニウム、炭化珪
    素、酸化アルミニウム等のセラミックス材料から製造さ
    れていることを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱
    体。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3に記載の加熱体を備
    え、該加熱体からの熱で被加熱材を加熱することを特徴
    とする加熱装置。
  5. 【請求項5】 請求項1,2又は3に記載の加熱体と、
    一方の面がこの加熱体と摺動し他方の面が被加熱材と接
    して共に移動するフィルムとを備え、該加熱体による熱
    で被加熱材を加熱することを特徴とする加熱装置。
  6. 【請求項6】 請求項1,2又は3に記載の加熱体と、
    この加熱体と摺動するフィルムと、このフィルムを介し
    て前記加熱体とニップを形成する加圧部材とを有し、前
    記ニップで挟持され、搬送される被加熱材を該加熱体に
    よる熱で加熱することを特徴とする加熱装置。
  7. 【請求項7】 フィルムの一面側に加熱体を、他面側に
    被加熱材を密着させるために用いる加圧部材を有し、前
    記フィルムを介して加熱体の熱エネルギーを被加熱材に
    付与する加熱装置であり、前記加熱体が請求項1,2又
    は3に記載の加熱体であることを特徴とする加熱装置。
  8. 【請求項8】 記録材上に画像を形成する像形成手段
    と、該記録材上の画像を加熱する像加熱手段とを有する
    像加熱手段を有する画像形成装置において、 像加熱手段として請求項4,5,6又は7に記載の加熱
    装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 【請求項9】 記録材上に未定着画像を形成する像形成
    手段と、該未定着画像を加熱して該記録材上に定着させ
    る定着手段とを有する画像形成装置において、 該定着手段として請求項4,5,6又は7に記載の加熱
    装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021179464A (ja) * 2020-05-11 2021-11-18 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 ヒーター、定着装置、画像形成装置

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