JP2000323280A - 電界発光素子およびその製造方法 - Google Patents

電界発光素子およびその製造方法

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JP2000323280A
JP2000323280A JP11127107A JP12710799A JP2000323280A JP 2000323280 A JP2000323280 A JP 2000323280A JP 11127107 A JP11127107 A JP 11127107A JP 12710799 A JP12710799 A JP 12710799A JP 2000323280 A JP2000323280 A JP 2000323280A
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layer
electroluminescent device
light emitting
hole injection
hole transport
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JP11127107A
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Hidekazu Kobayashi
英和 小林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電界発光素子において、正孔注入層と発光層間
のエネルギーマッチングが十分にし、発光効率を向上さ
せる。 【解決手段】正孔注入層または正孔輸送層3と、発光層
5を、陽極2および陰極6で挟持した構造の電界発光素
子において、正孔注入層または正孔輸送層3と、発光層
5の間に、フッ素化物層4を形成したことを特徴とす
る。かかるフッ素化層の形成工程をプラズマ装置を用い
て行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はテレビ、コンピュー
タなど情報機器、電気電子製品のディスプレイ部に使用
する電界発光素子の構造およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年液晶ディスプレイに替わる発光型デ
ィスプレイとして、発光層として有機材料を用いた電界
発光素子の開発が加速している。有機物を用いた電界発
光素子としては、Appl.Phys.Lett.51
(12),21 September 1987の913
ページに示されているように低分子材料を蒸着法で製膜
して発光層とする方法と、 Appl.Phys.Le
tt.71(1),7July 1997の34ページ
以降に示されているように高分子材料を塗布して発光層
とする方法が主に開発されている。特に高分子系材料を
用いた電界発光素子ではカラー化する際にインクジェッ
ト法を用いる事により、パターニングが容易に出来る事
から注目されている。
【0003】この有機材料を発光層として用いた電界発
光素子において、正孔を効率よく発光層を供給するべく
正孔注入層または正孔輸送層を陽極と発光層の間に設け
ることが多い。従来、高分子材料を発光層として用いる
電界発光素子では、バッファ層や正孔注入層としては導
電性高分子、例えばポリチオフェン誘導体やポリアニリ
ン誘導体を用いていた。低分子材料においては、正孔注
入層または正孔輸送層として、例えば、フェニルアミン
誘導体を用いていた。
【0004】また、電界発光素子の製造方法における正
孔注入または正孔輸送層の製膜方法としては、インクジ
ェット法と、その外の塗布法に別れる。正孔注入層また
は正孔輸送層形成において、インクジェット法では塗布
とパターニングが一度に出来る。また用いる材料が必要
最小限で済む。一方その外の塗布法では、製膜装置とし
てスピンコーターなどの簡単な構造の装置を用いること
ができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の正孔注入層
または正孔輸送層においては、その仕事関数が5.1〜
5.3eV程度であり、その上に形成する発光層の仕事
関数と大きな隔たりがあった。そのため十分な正孔が発
光層に供給されなかった。また従来の正孔注入層または
正孔輸送層においては、陰極から注入され発光層を突き
抜けた電子をトラップする能力が小さく、発光に寄与す
る電子が少なくなる恐れがあり、そのため発光効率も十
分といえなかった。
【0006】また、電界発光素子の製造方法において、
発光層をインクジェット法によりパターニングする際、
画素間のインクによる汚染が避けられず、ひいてはパタ
ーニングしたはずのインクが混ざり合い、発光色の純度
が低下する問題があった。
【0007】そこで本発明の課題とするところは、従来
の正孔注入層または正孔輸送層と発光層の界面の仕事関
数を調整することにより、より効率の高い、より駆動電
圧の低い電界発光素子、及びその製造方法を提供するこ
とである。
【0008】また本発明は、上述したような高性能の構
成の電界発光素子の製造方法であって、同時に画素間に
撥水性を付与することにより、インクジェット法にて発
光層をパターニングしても画素間での汚染が無く、ひい
ては発光色の純度が極めて高い電界発光素子が製造でき
る方法を提供することを課題とする。
【0009】また本発明は、単層の発光層だけではな
く、複数の発光層の積層構造を持つ素子構造の場合に
も、駆動電圧の低い発光効率の高いカラー電界発光素子
を作製する方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記
(1)乃至(10)の電界発光素子が提供される。 (1)正孔注入層または正孔輸送層と発光層を、陽極お
よび陰極で挟持した構造の電界発光素子において、正孔
注入層または正孔輸送層と、発光層の間に、フッ素化物
からなる層を設けたことを特徴とする電界発光素子。
【0011】上記電界発光素子(1)の構成によれば、
正孔注入層または正孔輸送層と発光層の界面のエネルギ
ーレベルのマッチングを取ることができ、発光効率の向
上、および駆動電圧の低減を実現できる。
【0012】(2)正孔注入層または正孔輸送層が、高
分子材料からなることを特徴とする上記(1)の電界発
光素子。
【0013】上記(2)の構成の電界発光素子は、正孔
注入層または正孔輸送層が溶液を用いて容易に形成され
得る高性能の素子である。
【0014】(3)前記高分子がポリチオフェン誘導体
を含有することを特徴とする上記(2)の電界発光素
子。
【0015】(4)前記高分子が、ポリアニリン誘導体
を含有することを特徴とする上記(2)の電界発光素
子。
【0016】上記(3)及び(4)の構成の電界発光素
子は、適切なイオン化ポテンシャルを持つ正孔注入層ま
たは正孔輸送層が溶液を用いて容易に形成され得る高性
能の素子である。
【0017】(5)正孔注入層または正孔輸送層が、有
機低分子材料からなることを特徴とする上記(1)の電
界発光素子。
【0018】上記(5)の構成の電界発光素子は、適切
なイオン化ポテンシャルを持つ正孔注入層または正孔輸
送層が蒸着法により容易に形成され得る高性能の素子で
ある。
【0019】(6)前記発光層が複数の発光材料からな
る薄膜層の積層構造であることを特徴とする上記(1)
の電界発光素子。
【0020】上記(6)の構成の電界発光素子によれ
ば、積層構造を有するマルチカラー電界発光素子におい
て駆動電圧を低減し発光効率を向上させることができ
る。
【0021】(7)前記発光層が共役高分子からなるこ
とを特徴とする上記(1)の電界発光素子。
【0022】上記(7)の構成の電界発光素子によれ
ば、正孔注入層または正孔輸送層表面上にフッ素化物層
が設けられた構造により、正孔注入層または正孔輸送層
と共役高分子発光層とのエネルギーマッチングが容易に
なされ得る。
【0023】(8)前記共役高分子がポリフルオレン誘
導体であることを特徴とする上記(7)の電界発光素
子。
【0024】(9)前記共役高分子がポリパラフェニレ
ンビニレン誘導体であることを特徴とする上記(7)の
電界発光素子。
【0025】上記(8)及び(9)の構成の電界発光素
子によれば、正孔注入層または正孔輸送層表面上にフッ
素化物からなる層が設けられた構造により、正孔注入層
または正孔輸送層と共役高分子発光層とのエネルギーマ
ッチングが容易になされ得る。
【0026】(10)前記発光層が、有機低分子材料か
らなることを特徴とする上記(1)の電界発光素子。
【0027】上記(10)の構成の電界発光素子によれ
ば、正孔注入層または正孔輸送層表面上にフッ素化物か
らなる層が設けられた構造により、正孔注入層または正
孔輸送層と有機低分子材料からなる発光層とのエネルギ
ーマッチングが容易になされ得る。
【0028】本発明によれば、下記(11)乃至(1
6)の電界発光素子の製造方法が提供される。
【0029】(11)正孔注入層または正孔輸送層と発
光層を、陽極および陰極で挟持した構造の電界発光素子
の製造方法において、陽極上に正孔注入層または正孔輸
送層を形成する工程と、前記正孔注入層または正孔輸送
層上にフロロカーボンガスのプラズマを照射する工程
と、前記フロロカーボンガスのプラズマ照射後に発光層
を形成する工程と、前記発光層上に陰極を形成する工程
とを具備することを特徴とする電界発光素子の製造方
法。
【0030】上記(11)の構成の方法によれば、容易
に正孔注入層または正孔輸送層上にフッ素化物からなる
層を形成して、高性能の電界発光素子を得ることができ
る。
【0031】(12)前記フロロカーボンガスがCF
であることをを特徴とする上記(11)の電界発光素子
の製造方法。
【0032】上記(12)の構成の方法によれば、より
効率的に正孔注入層または正孔輸送層上にフッ素化物か
らなる層を形成することができ、高性能の電界発光素子
を得ることができる。
【0033】(13)前記プラズマを照射する前に酸素
プラズマを照射することを特徴とする上記(11)の電
界発光素子の製造方法。
【0034】上記(13)の構成の方法によれば、より
効率的に正孔注入層または正孔輸送層上にフッ素化物か
らなる層を形成することができ、高性能の電界発光素子
を得ることができる。
【0035】(14)前記電界発光素子が基板上に複数
の画素を有する素子であり、基板上に画素に相当する部
分以外を覆う有機膜を設け、画素に相当する部分の陽極
上に前記正孔注入層または正孔輸送層をインクジェット
法で形成し、前記フロロカーボンガスのプラズマを照射
した後、前記正孔輸送層または正孔注入層が形成された
画素部分に発光層をインクジェット法で形成することを
特徴とする上記(11)の電界発光素子の製造方法。
【0036】上記(14)の構成の方法によれば、前記
フロロカーボンガスのプラズマの照射によりフッ素化物
からなる層が得られ、該フッ素化物からなる層が画素間
に対応して設けられた有機膜上の撥水性を選択的に向上
させ、その結果、発光層をインクジェット法を用いて形
成する際、画素部分に選択的に発光層が得られる。
【0037】ここで、前記正孔注入層又は正孔輸送層と
して、好ましくは導電性の注入層又は輸送層を設ける。
【0038】(15)前記電界発光素子が基板上に複数
の画素を有する素子であり、基板上に画素に相当する部
分以外を覆う撥水性有機膜を設け、画素に相当する部分
の陽極上に前記正孔注入層または正孔輸送層を塗布法で
形成し、前記フロロカーボンガスのプラズマを照射した
後、前記正孔輸送層または正孔注入層が形成された画素
部分に発光層をインクジェット法で形成することを特徴
とする上記(11)の電界発光素子の製造方法。
【0039】上記(15)の構成の方法によれば、前記
正孔注入層または正孔輸送層を塗布法で形成する際に、
画素間の有機膜の撥水性のために画素部分にのみ正孔注
入層または正孔輸送層が得られ、更にフロロカーボンガ
スのプラズマ照射により、画素間に対応する有機膜の撥
水性が選択的に向上され、その結果、発光層をインクジ
ェット法を用いて形成する際、画素部分に選択的に発光
層が得られる。
【0040】ここで、前記正孔注入層又は正孔輸送層と
して、好ましくは導電性の注入層又は輸送層を設ける。
【0041】(16)前記有機膜表面が、水との接触角
において50度以上の接触角を有することを特徴とする
上記(14)または(15)の電界発光素子の製造方
法。
【0042】上記(16)の構成の方法によれば、正孔
注入層または正孔輸送層を塗布法で形成する際に、画素
内に選択的に当該層が得られる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、具体的な実施例を参照して説明する。
【0044】第一の実施形態にかかる電界発光素子の断
面構造を図1に示す。同図に示す構造の素子では、正孔
注入層または正孔輸送層と、発光層を、陽極および陰極
で挟持した構造の電界発光素子において、正孔注入層ま
たは正孔輸送層と、発光層の間に、フッ素化物からなる
層が形成されている。
【0045】当該素子は、例えば以下の方法で作製され
る。まず、パターニングしたITO等からなる透明な陽
極(群)2付き透明基板1上に、酸素プラズマまたはU
V照射処理した後に、正孔注入層または正孔輸送層3と
なりうる物質を製膜する。次にこの表面にフッ素化物層
(フッ素化物からなる層)4を形成し、次にこの表面
に、発光層5となりうる物質を製膜する。続いて、この
表面上に陰極6を形成する。最後に陰極から電線を引き
だし駆動ドライバー回路8を接続し、さらに陰極上に保
護膜7により封止を施し、電界発光素子を完成する。
【0046】通常陽極に用いるITOの仕事関数は4.
8eV程度であり、正孔注入層または正孔輸送層は4.
8〜5.4eV程度である。この上にフッ素化物からな
る層を形成することでこの表面(発光層側の面)でのイ
オン化ポテンシャルを5.7eV程度まで高めることが
できる。また発光材料はイオン化ポテンシャルにおいて
5.8eV程度で、正孔輸送層とのエネルギーギャップ
が0.1eV程度となり、発光層への正孔注入がスムー
スに行われることが可能となる。
【0047】以下、上述した電界発光素子の具体的な例
について説明する。
【0048】(実施例1)本実施例は、前述の第一の実
施形態にかかる図1に示す構造の電界発光素子におい
て、正孔注入層または正孔輸送層が、ポリチオフェン誘
導体を含有するものである。ポリチオフェン誘導体とし
て、バイエル社から発売されているバイトロン Pを用
い、これを陽極(2)となるITOからなる透明電極を
形成したガラス基板(透明基板1)上にスピンコートし
た。さらに200℃の真空状態で1時間乾燥した。その
後、前述した方法により、正孔注入層又は正孔輸送層
(3)、フッ素化物層(4)、発光層(5)、陰極
(群)6を形成し、陰極から電線を引出し駆動ドライバ
回路を接続し、陰極上を保護膜7で封止して電界発光素
子を得た。
【0049】こうして作成した電界発光素子の正孔注入
層(又は輸送層)のイオン化ポテンシャルは5.3eV
であり、フッ素化物層のイオン化ポテンシャルは5.7
7eVであり、正孔注入層又は輸送層側のイオン化ポテ
ンシャルと、発光層における発光材料のイオン化ポテン
シャル(5.8eV程度)とのエネルギーギャップがか
なり小さくなった。
【0050】(実施例2)本実施例は、前述の第一の実
施形態にかかる図1に示す構造の電界発光素子であっ
て、正孔注入層または正孔輸送層が、ポリアニリン誘導
体を含有する例である。ポリアニリン誘導体として、ポ
リアニリンのエメラルジン塩基とカンファースルホン酸
の塩を用い、メタクレゾール溶液を調製し、陽極(2)
となるITOからなる透明電極付き基板(1)上に塗
布、乾燥して正孔注入層又は正孔輸送層を得た。その
後、実施例1と同様の方法で図1に示す構造の電界発光
素子を完成した。こうして作成した正孔注入層(又は輸
送層)のイオン化ポテンシャルは5.2eVであり、フ
ッ素化物層のイオン化ポテンシャルは5.6eVであっ
た。
【0051】(実施例3)本実施例は、前述の第一の実
施形態にかかる図1に示す構造の電界発光素子であっ
て、正孔注入層または正孔輸送層として、有機低分子材
料を用いる例である。正孔注入層または正孔輸送層
(3)として有機低分子材料である銅フタロシアニンを
蒸着法で製膜することにより形成し、それ以外は実施例
1と同様の方法に従って図1に示す構造の電界発光素子
を完成した。こうして作成した正孔注入層(又は輸送
層)のイオン化ポテンシャルは5.3eVであり、フッ
素化物層のイオン化ポテンシャルは5.7eVであっ
た。
【0052】尚、正孔注入または正孔輸送材料として
は、フタロシアニン誘導体の他、フェニルアミン誘導体
など、一般的に用いられるものであれば同様に用いる事
ができる。
【0053】(実施例4)本実施例は、前述の第一の実
施形態にかかる図1に示す構造の電界発光素子であっ
て、発光層がポリフルオレン誘導体である例である。
【0054】前述した第一の実施形態の電界発光素子の
作製方法において、正孔注入層または正孔輸送層(3)
を形成し、フッ素化物層(4)を形成した後、ポリジオ
クチルフルオレンのクロロホルム溶液をスピンコートし
て100nmの膜厚の発光層(5)を得た。その後実施
例1と同様の方法で電界発光素子を完成した。こうして
作成した電界発光素子における、発光層のイオン化ポテ
ンシャルは5.8eVであり、フッ素化物層のイオン化
ポテンシャルは5.7eVと良いマッチングを示してい
た。
【0055】尚、本実施例で用いる発光物質は、ここに
示したものの他、イオン化ポテンシャルをマッチングで
きるもので、容易に塗布製膜できるものであれば同様に
用いる事が出来る。
【0056】(実施例5)本実施例は、前述の第一の実
施形態にかかる図1に示す構造の電界発光素子であっ
て、発光層が、有機低分子材料である例である。
【0057】前述した第一の実施形態の電界発光素子の
作製方法において、正孔注入層または正孔輸送層(3)
を形成し、フッ素化物層(4)を形成した後、下記構造
式で表されるDPVBi
【0058】
【化1】
【0059】を蒸着し、膜厚60nmの発光層(5)を
得た。その後、実施例1に従って電界発光素子を完成し
た。こうして作成した電界発光素子における発光層のイ
オン化ポテンシャルは5.8eVであり、フッ素化物層
のイオン化ポテンシャルは5.7eVと良いマッチング
を示している。
【0060】尚、本実施例で用いる発光物質は、ここに
示したものの他、イオン化ポテンシャルでマッチングで
きる有機低分子材料であれば同様に用いることが出来
る。
【0061】(実施例6)本実施例は、前述の第一の実
施形態にかかる図1に示す構造の電界発光素子であっ
て、陽極(2)上に正孔注入層または正孔輸送層(3)
を形成した後に、フロロカーボンガスのプラズマを照射
してフッ素化物層(4)を形成した後、発光層(5)を
形成し、さらに陰極(6)を形成した例である。
【0062】まず、陽極(2)上に正孔注入層または正
孔輸送層(3)を形成した。その後、この表面にフロロ
カーボンガスのプラズマを、具体的にはCFガスのプ
ラズマを大気圧下で照射してフッ素化物層(4)を形成
した。プラズマ発生装置としては、真空中でプラズマを
発生する装置を用いたが、大気圧中でプラズマを発生す
る装置でも同様に用いることもできる。
【0063】こうして作成したフッ素化物層の表面のイ
オン化ポテンシャルは5.77eVであった。
【0064】(実施例7)本実施例では、実施例6にお
いて、前記フロロカーボンガスプラズマを照射する前に
酸素プラズマを照射した。実施例6に沿って正孔注入層
または輸送層を形成した後、酸素プラズマを照射し、さ
らにフロロカーボンガスプラズマ処理したところ、その
表面のイオン化ポテンシャルは5.77eVであった。
これ以外は、実施例1の方法に従って電界発光素子を作
成した。
【0065】かかる電界発光素子についての特性を評価
したところ、発光効率3.1lm/W、150Cd/m
2、駆動電圧5.2Vであった。これはフッ素化物層を
設けずに作製した電界発光素子の効率の実に2倍以上の
高い性能であった。
【0066】次に、第二の実施形態の電界発光素子につ
いて説明する。本実施の形態の電界発光素子は、図1に
示す構造の電界発光素子において、陽極(2)及び陰極
(6)に挟持された複数の部分を画素とし、基板(1)
上には画素部分以外を覆う有機膜を設け(不図示)、画
素部分に導電性材料から成る正孔注入層または正孔輸送
層を形成し、その同じ画素上に発光層をインクジェット
法で形成した電界発光素子である。
【0067】以下、第二の実施形態にかかる電界発光素
子の具体的な実施例を説明する。
【0068】(実施例8)本実施例では、上述した第二
の実施形態にかかる電界発光素子において、陽極(2)
及び陰極(6)に挟持された複数の部分を画素とし、基
板(1)上には画素部分以外を覆う有機膜を設け、画素
部分に導電性材料から成る正孔注入層または正孔輸送層
をインクジェット法で形成し、その同じ画素上に発光層
をインクジェット法で形成したカラー電界発光素子の例
を示す。
【0069】まず、陽極(2)が形成された透明基板
(1)上における画素間に対応する部分にポリイミドか
ら成る有機膜を形成し、次に画素部分に対応する陽極上
にインクジェット法にて実施例1で用いたポリチオフェ
ン誘導体であるバイトロンP(バイエル社製)を吐出し
製膜し200℃にて1時間焼成した。次にこの上に酸素
プラズマおよびCFプラズマ処理を施して、次にこれ
ら画素の内、青色画素となる画素部分にポリジオクチル
フルオレンのキシレン溶液をインクジェット法にて吐出
乾燥して発光層を形成した。次に緑色画素となる画素部
分に、緑色ドーパントを混合したポリジオクチルフルオ
レンのキシレン溶液をインクジェット法にて吐出乾燥し
て発光層を形成した。次に赤色画素となる画素部分に、
赤色ドーパントを混合したポリジオクチルフルオレンの
キシレン溶液をインクジェット法にて吐出乾燥して発光
層を形成した。その後、実施例1と同様の方法に従って
電界発光素子を完成した。
【0070】これにより、画素間に導電性を有する正孔
注入層(又は輸送層)を付着することが無いため画素間
のクロストークの無い、マルチカラー表示できる電界発
光素子を作成できた。
【0071】尚、本実施例において、画素間に形成され
る有機膜については、その表面と水の接触角が50度以
上となる材料を用いることが好ましい。
【0072】(実施例9)本実施例では、実施例8の複数
画素を有する電界発光素子において、基板上に画素以外
を覆う撥水性有機膜を設け、導電性正孔注入層または輸
送層を、塗布法により画素部のみに形成し、さらにその
画素上にインクジェット法にて発光層を形成した例を示
す。
【0073】まず、陽極をパターニングした基板上に撥
水性を有するポリイミドから成る有機膜を形成し、さら
にパターニングした。次に基板全面にスピンコート法に
て実施例1で用いたポリチオフェン誘導体であるバイエ
ル社製バイトロンPを製膜し、画素間は撥かせて画素と
なる部分にのみバイトロンPを製膜した。次いで、20
0℃にて1時間焼成した。次にこの上に酸素プラズマお
よびCFプラズマ処理を施して、次にこれら画素の
内、青色画素となる画素上にポリジオクチルフルオレン
のキシレン溶液をインクジェット法にて吐出乾燥し発光
層を得た。次に緑色画素となる画素上に、緑色ドーパン
トを混合したポリジオクチルフルオレンのキシレン溶液
をインクジェット法にて吐出乾燥し発光層を得た。次に
赤色画素となる画素上に、赤色ドーパントを混合したポ
リジオクチルフルオレンのキシレン溶液をインクジェッ
ト法にて吐出乾燥し発光層を得た。その後実施例1と同
様の方法に従って電界発光素子を完成した。
【0074】これにより、画素間に導電性を有する正孔
注入層又は輸送層を付着することが無いため画素間のク
ロストークの無い、マルチカラー表示できる電界発光素
子を作成できた。
【0075】尚、本実施例において、画素間に形成され
る有機膜表面については、水の接触角が50度以上とな
る材料を用いることが好ましい。
【0076】次に、第三の実施形態にかかる電界発光素
子を説明する。当該実施形態にかかる電界発光素子の断
面構造を図2に示す。
【0077】同図に示す電界発光素子では、基板21上
にパターンングされた隔壁23が形成された、隔壁23
間に赤発光画素、緑発光画素、及び青発光画素に対応す
る画素部分が設けられている。赤発光画素では、陽極2
2及び正孔注入層(又は正孔輸送層)24上に、フッ素
化物層25を介して第一の発光層1 26、緑発光画素
ではフッ素化物層25を介して第二の発光層2 27、
青発光画素ではフッ素化物層25を介して第三の発光層
3 28が夫々設けられている。赤発光画素及び緑発光
画素では更に第三の発光層28が積層されて発光層が二
層構造となっている。これら各画素の発光層上には薄膜
層29及び陰極30が積層され、全体が保護膜31で封
止されている。
【0078】以下、第三の実施形態の電界発光素子の具
体例を説明する。
【0079】(実施例10)本実施例では、前述した図
2に示すような発光層が二層構造となっている例を示
す。
【0080】まず基板21上に陽極群22を形成し、引
き続き隔壁23、正孔注入層24(ここではバイエル社
製バイトロンで膜厚20nm)を形成した。次にこの正
孔注入層(又は輸送層)24上にOプラズマを掛け、
引き続きCFプラズマを掛けてフッ素化物層25を形
成した。次に赤発光させる画素に対応する部分には第一
の発光層1(26)としてローダミン101を1%ドー
プしたポリパラフェニレンビニレン(RPPV)前駆体
溶液をインクジェット法にて塗布し、150℃N2中で
4時間焼成し、膜厚40nmとした。次に緑発光させる
画素に対応する部分には第二の発光層2(27)として
ポリパラフェニレンビニレン(PPV)前駆体溶液をイ
ンクジェット法にて塗布し、150℃N2中で4時間焼
成し、膜厚30nmとした。青発光させる画素に対応す
る部分にはインクジェット法では何も塗布せず、この基
板表面に第三の発光層3(28)として、ポリジオクチ
ルフルオレンのキシレン溶液をスピンコートし、膜厚4
5nmとした。次に薄膜層29として弗化リチウムを2
nmの膜厚に蒸着し、引き続きカルシウム100nmさ
らにアルミニウム200nmを陰極30として蒸着し
た。その上を保護基板と封止材を設け保護層31とし
た。さらに取り出し電極部からコントローラ回路に接続
し(不図示)、表示を行なった。
【0081】こうして作成した電界発光素子の特性につ
いて、 CF処理をしないことを除いて同様に方法で
作製した電界発光素子の特性と対比の上で評価したとこ
ろ、赤発光画素の効率は0.15lm/W駆動電圧は6
V(CF処理しない素子では7V)、緑発光画素の効
率は0.12lm/W駆動電圧は5.8V(CF処理
しない素子では6.8V)、青発光画素の効率は0.3
lm/W駆動電圧4.5V(CF処理しない素子では
5V)であった。
【0082】一方、予め基板上に各画素に対応してTF
T素子を設け、前述したような画素構造を持つ電界発光
素子を作製し、動画表示させた場合の消費電力は、画素
数320×240で2インチサイズでおよそ1Wで、表
示輝度30Cd/mであった。
【0083】本実施例において、各層の膜厚はここに示
した値に限らない。また発光材料もここに示したものに
限らない。また用いる基板上にTFTアレイを形成して
おけば動画表示が可能である。また、陽極及び陰極の電
極構造を、単純マトリックス駆動用にストライプ状電極
群を形成しておき、対向電極側も先の電極群に直交する
ストライプ状電極群とすれば、単純マトリックス駆動す
ることが可能である。
【0084】
【発明の効果】以上本発明によれば、電界発光素子にお
いて、正孔注入層または正孔輸送層表面にフッ素化物層
を形成することにより、正孔注入層または正孔輸送層と
発光層の間のエネルギーマッチングを容易に取ることが
出来るようになり、発光効率を向上する事が出来るよう
になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態にかかる電界発光素子
の構造を示す断面図。
【図2】本発明の第二の実施形態にかかる電界発光素子
の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 陽極(群) 3 正孔注入層または正孔輸送層 4 フッ素化物層 5 発光層 6 陰極(群) 7 保護膜 8 駆動ドライバー回路 21 基板 22 陽極群 23 隔壁 24 正孔注入層 25 フッ素化物層 26 第一の発光層1 27 第二の発光層2 28 第三の発光層3 29 薄膜層 30 陰極 31 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/14 H05B 33/14 A

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正孔注入層または正孔輸送層と発光層
    を、陽極および陰極で挟持した構造の電界発光素子にお
    いて、正孔注入層または正孔輸送層と、発光層の間に、
    フッ素化物からなる層を設けたことを特徴とする電界発
    光素子。
  2. 【請求項2】 正孔注入層または正孔輸送層が、高分子
    材料からなることを特徴とする請求項1記載の電界発光
    素子。
  3. 【請求項3】 前記高分子材料が、ポリチオフェン誘導
    体を含有することを特徴とする請求項2記載の電界発光
    素子。
  4. 【請求項4】 前記高分子材料が、ポリアニリン誘導体
    を含有することを特徴とする請求項2記載の電界発光素
    子。
  5. 【請求項5】 前記正孔注入層または正孔輸送層が、有
    機低分子材料からなることを特徴とする請求項1記載の
    電界発光素子。
  6. 【請求項6】 前記発光層が複数の発光材料からなる薄
    膜層の積層構造であることを特徴とする請求項1記載の
    電界発光素子。
  7. 【請求項7】 前記発光層が共役高分子からなることを
    特徴とする請求項1記載の電界発光素子。
  8. 【請求項8】 前記共役高分子がポリフルオレン誘導体
    であることを特徴とする請求項7記載の電界発光素子。
  9. 【請求項9】 前記共役高分子がポリパラフェニレンビ
    ニレン誘導体であることを特徴とする請求項7記載の電
    界発光素子。
  10. 【請求項10】 前記発光層が、有機低分子材料からな
    ることを特徴とする請求項1記載の電界発光素子。
  11. 【請求項11】 正孔注入層または正孔輸送層と発光
    層を、陽極および陰極で挟持した構造の電界発光素子の
    製造方法において、陽極上に正孔注入層または正孔輸送
    層を形成する工程と、前記正孔注入層または正孔輸送層
    上にフロロカーボンガスのプラズマを照射する工程と、
    前記フロロカーボンガスのプラズマ照射後に発光層を形
    成する工程と、前記発光層上に陰極を形成する工程とを
    具備することを特徴とする電界発光素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記フロロカーボンガスがCFであ
    ることをを特徴とする請求項11記載の電界発光素子の
    製造方法。
  13. 【請求項13】 前記プラズマを照射する前に酸素プラ
    ズマを照射することを特徴とする請求項11記載の電界
    発光素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記電界発光素子が基板上に複数の画
    素を有する素子であり、基板上に画素に相当する部分以
    外を覆う有機膜を設け、画素に相当する部分の陽極上に
    前記正孔注入層または正孔輸送層をインクジェット法で
    形成し、前記フロロカーボンガスのプラズマを照射した
    後、前記正孔輸送層または正孔注入層が形成された画素
    部分に発光層をインクジェット法で形成することを特徴
    とする請求項11記載の電界発光素子の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記電界発光素子が基板上に複数の画
    素を有する素子であり、基板上に画素に相当する部分以
    外を覆う撥水性有機膜を設け、画素に相当する部分の陽
    極上に前記正孔注入層または正孔輸送層を塗布法で形成
    し、前記フロロカーボンガスのプラズマを照射した後、
    前記正孔輸送層または正孔注入層が形成された画素部分
    に発光層をインクジェット法で形成することを特徴とす
    る請求項11記載の電界発光素子の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記有機膜の表面が、水との接触角に
    おいて50度以上の接触角を有することを特徴とする請
    求項14または15記載の電界発光素子の製造方法。
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