JP2000325347A - 超音波診断装置および3次元画像データの再構築方法 - Google Patents

超音波診断装置および3次元画像データの再構築方法

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JP2000325347A
JP2000325347A JP11143454A JP14345499A JP2000325347A JP 2000325347 A JP2000325347 A JP 2000325347A JP 11143454 A JP11143454 A JP 11143454A JP 14345499 A JP14345499 A JP 14345499A JP 2000325347 A JP2000325347 A JP 2000325347A
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dimensional
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ultrasonic
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Naohisa Kamiyama
直久 神山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プローブを手動で移動させてスキャンすると
き、移動速度に大小、むらなどがあっても、空間位置を
加味した無駄の無い断層像の状態で3次元画像データを
収集し、画像再構築に供する。 【解決手段】被検体の3次元領域を超音波ビームで断面
毎にスキャンしてエコー信号を収集するスキャン手段
(12、21、22、32等)と、このエコー信号から
3次元画像データを生成するデータ生成手段(24〜2
7)とを備える。スキャン手段によって3次元領域をス
キャンするときの断面それぞれの空間的位置情報を検出
する位置情報検出手段(15、30、31)と、この空
間的位置情報に基づいて3次元画像データを形成する各
データの空間的配置を最適化する最適化手段(26)と
を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検体の3次元領
域をスキャンして3次元画像を提供する超音波診断装置
および3次元画像データの再構築方法に係り、3次元画
像データを再構築するのに必要十分なデータと空間的位
置との関連に着目した超音波診断に関する。
【0002】本発明の実施に適した典型例は、被検体に
超音波造影剤を投与し、この造影剤からの反射超音波信
号を含む受信信号を用いて断層像を得るコントラストエ
コー法で、とくに、超音波造影剤の主要成分である微小
気泡の存在をより効果的に画像化することができる態様
であるが、本発明は、必ずしもこれに限定されるもので
はない。
【0003】
【従来の技術】超音波信号の医学的な応用は種々の分野
にわたり、超音波診断装置のその1つである。超音波診
断装置は被検体との間で超音波信号の送受を行い、これ
により画像信号を得る装置であり、超音波信号の非侵襲
性を利用して種々の態様で使用されている。この超音波
診断装置の主流は、超音波パルス反射法を用いて生体の
軟部組織の断層像を得るタイプである。この撮像法は非
侵襲で組織の断層像を得ることができ、X線診断装置、
X線CTスキャナ、MRI装置、および核医学診断装置
など、ほかの医用モダリティに比べて、リアルタイム表
示が可能、装置が小形で比較的安価、X線などの被曝が
無い、超音波ドプラ法に拠り血流イメージングができる
など、多くの利点を有している。
【0004】このため心臓、腹部、乳腺、泌尿器、およ
び産婦人科などの診断において広く利用されている。特
に、超音波プローブを体表に当てるだけの簡単な操作に
より、心臓の拍動や胎児の動きをリアルタイムに観察で
き、また被曝なども無いことから何度も繰り返して検査
できる。さらに、装置をベッドサイドに移動させて行っ
て、そこで容易に検査を行うできる等、種々の利点も持
ち合わせている。
【0005】この超音波診断装置の分野において、最近
では、心臓や腹部臓器などの検査を実施する際、静脈か
ら超音波造影剤(以下、造影剤という)を注入して血流
動態の評価を行うコントラストエコー法が注目を浴びて
いる。造影剤を静脈から注入する手法は、造影剤を動脈
から注入する動脈投与型造影エコー法に比べて、侵襲性
が低く、この評価法による診断が普及しつつある。造影
剤の主要成分は微小気泡(マイクロバブル)であり、こ
れが超音波信号を反射する反射源になっている。造影剤
の注入量や濃度が高いほど造影効果も大きくなるが、造
影剤の気泡の性質上、超音波照射によって造影効果時間
が短縮するなどの事態も発生する。このような状況に鑑
み、近年、持続性および耐圧型の造影剤も開発されてい
るが、造影剤が体内に長く止まることは侵襲性の増大に
つながる懸念もある。
【0006】このコントラストエコー法を実施する場
合、被検体部位の関心領域には血流によって造影剤が次
々に供給される。このため、超音波を照射して一度、気
泡を消失させても、次の超音波照射の時点では新しい気
泡がその関心領域に流入していれば造影効果は維持され
ると想定される。しかし、実際には、超音波の送受信は
通常、1秒間に数千回行われること、および、血流速度
の遅い臓器実質や比較的細い血管の血流動態が存在する
ことを考えると、これらの診断画像上では造影剤による
輝度増強を確認する前に次々と気泡が消失し、造影効果
が瞬時に減弱することになる。
【0007】このコントラストエコー法はまた、超音波
エコー信号の非基本波成分を用いて画像化するハーモニ
ックイメージング法によって更に効果的に実施できる。
ハーモニックイメージング法は、造影剤の主要成分であ
る微小気泡が超音波励起されたときに生じる非線形挙動
に因る非基本波成分のみを分離して検出するイメージン
グ法である。具体的には、例えば、2.5MHzで周波
数で超音波信号を送信したときには、そのエコー信号の
各成分の内、5MHzの成分が抽出して画像化される。
生体臓器は比較的、非線形挙動を起こし難いため、5M
Hzの高調波成分が少なく、造影剤の動態を良好なコン
トラスト比の画像として観察できる。
【0008】また、上述のように超音波の照射によって
微小気泡が消失してしまう現象については、本発明者ら
は1つの研究発表を、「67−95,フラッシュエコー
映像法の検討(1),神山直久 他、第7回日本超音波
医学会研究発表会,1996.6」にて行い、フラッシ
ュエコーイメージング(あるいはtransientR
esponse Imaging)と呼ぶイメージング
法によって輝度増強効果が改善されることを報告した。
このイメージング法は原理的には、従来型の1秒間に数
十フレームといった連続スキャンに代えて、数秒間に1
フレームといった間欠的送信にするもので、間欠時間の
間、割らずに密集させた微小気泡を次の送信で一度に消
滅させ、高いエコー信号を得ようとする手法である。
【0009】このような各種の革新的なイメージング法
の開発を並行するかたちで、超音波診断に対してもCT
やMRIと同様に、3次元イメージングのニーズが押し
寄せている。3次元立体像は2次元断層像に加えて、そ
の奥行き方向の情報も加味されるので、組織の形状、血
管の走行動態をより明瞭に知ることができる。
【0010】被検体に対して3次元スキャンを行って、
3次元的に画像データを取得する手法には各種のものが
知られている。その1つは、2次元的に配列された振動
子を有する2次元プローブにより、3次元分布のエコー
をほぼ同時に取り込むという手法が提案されている。
【0011】また別のスキャン法は、従来型である1次
元配列の振動子を有するプローブを用いて比較的簡便に
3次元画像を得る手法も知られている。具体的には、1
次元のプローブを少しずつ空間的に移動させながら2次
元断面をスキャンし、その断面のエコーデータとスキャ
ンの位置情報とを同時に取り込み、記録していくスキャ
ンである。その位置情報は、プローブに取り付けた位置
センサから検出される。被検体内の所望の3次元空間を
スキャン後、位置情報を参照しならが記録データを再構
築し、3次元画像として表示する。とくに、近年のCP
Uの高速化と高機能化に伴って、かかる立体画像の再構
築と表示を非常に短時間で行えるようになっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、1次元
配列のプローブを空間的に動かしてエコーデータの収集
を行う3次元スキャン法は、非常に簡便ではあるが、以
下のような問題も指摘されている。
【0013】(1):かかる3次元スキャンの場合、1
つの3次元画像は、複数枚の断層像データを用いて作成
されるので、一般的には、従来の2次元スキャンのとき
よりも非常に多くの記憶容量を有したメモリが必要にな
る。
【0014】(2):この3次元スキャンを前述したコ
ントラストエコー法、ハーモニックイメージング法、ま
たはフラッシュエコーイメージング法に全く同一手順の
まま適用することができる。しかしながら、プローブは
通常、手動で操作されるので、プローブを完全に適度な
同一速度で移動させることは難しい。したがって、造影
剤の気泡の消失現象を考慮すると、かかる移動速度のむ
らなどに起因してエコー輝度にばらつきが生じ、高画質
で高描出能の3次元画像を得ることができないこともあ
る。
【0015】本発明は、上述した1次元プローブで3次
元領域をスキャンする従来技術が有する問題に鑑みてな
されたもので、プローブを手動で移動させてスキャンす
るとき、移動速度に大小、むらなどがあっても、空間位
置を加味した無駄の無い断層像の状態で3次元像画像デ
ータを収集し、これを画像再構築に供することができる
超音波診断装置および3次元画像の再構築方法を提供す
ることを、その目的する。
【0016】また、本発明は、特に、コントラストエコ
ー法を、1次元プローブを用いて3次元領域をスキャン
することで実施するときに、空間位置を加味した無駄の
無い断層像の状態で3次元エコーデータを収集し、この
データから3次元像を再構築することができる超音波診
断装置および3次元画像の再構築方法を提供すること
を、別の目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述した種々の目的を達
成するため、本発明の超音波診断装置によれば、被検体
の3次元領域を超音波ビームで断面毎にスキャンしてエ
コー信号を収集するスキャン手段と、このエコー信号か
ら3次元画像データを生成するデータ生成手段とを備
え、前記スキャン手段によって前記3次元領域をスキャ
ンするときの前記断面それぞれの空間的位置情報を検出
する位置情報検出手段と、この空間的位置情報に基づい
て前記3次元画像データを形成する各データの空間的配
置を最適化する最適化手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0018】好適には、前記スキャン手段は、前記被検
体の体表面に沿って手動で移動可能であり且つ前記超音
波ビームに関わる超音波信号の送受信を担う1次元のプ
ローブを有する。
【0019】これにより、1次元プローブで3次元領域
をスキャンする場合、プローブを手動で移動させてスキ
ャンするときに、移動速度に大小、むらなどがあって
も、空間位置を加味した無駄の無い断層像の状態で3次
元像画像データを収集し、これを再構築に供することが
できる。
【0020】具体的には、一例として、前記最適化手段
は、前記空間的位置情報に基づき前記断面の内のある断
面とその前の断面との距離を演算する距離演算手段と、
この距離の情報をそのある断面の画像情報に付加する付
加手段と、前記距離の情報に基づきその断面の画像情報
を前記3次元画像データとして採用するか否かを判断す
る判断手段と、この判断手段により採用すると判断され
た画像情報のみを前記3次元画像データへの空間的配置
に提供する提供手段とを備える。
【0021】例えば、前記距離情報をその距離情報が付
加された前記断面の画像情報と共に表示する表示手段を
備える。また、前記距離情報は、前記各断面が平行であ
ると仮定したときの断面間の距離、前記各断面上に定め
た点の移動距離、または前記プローブの前記各断面に対
する基点の移動距離である。
【0022】1つの好適な態様として、前記判断手段
は、前記距離情報が所定のしきい値以上か否かを判断す
る手段であり、前記提供手段は、この判断手段により前
記距離情報が前記しきい値以上であると判断されたとき
には、その画像情報を前記3次元画像データへの空間的
配置に提供する手段と、前記判断手段により前記距離情
報が前記しきい値よりも小さいと判断されたときには、
その画像情報を破棄する手段とを含む。前記しきい値を
操作者が任意に指定可能な指定手段を備えていてもよ
い。
【0023】また、別の態様として、この超音波診断装
置は超音波造影剤を前記被検体に投与した状態でスキャ
ンを行うコントラストエコー法を実施する装置であり、
前記判断手段は、前記距離情報が第1のしきい値以上か
否かを判断する第1の判断手段と、この第1の判断手段
により第1のしきい値未満であると判断された前記距離
情報に対してその第1のしきい値よりも小さい値に設定
した第2のしきい値以上か否かを再度判断する第2の判
断手段とを備え、前記提供手段は、前記第1の判断手段
により前記距離情報が前記第1のしきい値以上であると
判断されたときには、その距離情報が付加された断面の
画像情報を前記3次元画像データへの空間的配置に提供
する手段と、前記第2の判断手段により前記距離情報が
前記第2のしきい値以上であると判断されたときには、
その距離情報が付加された断面の画像情報を補正して前
記3次元画像データへの空間的配置に提供する手段と、
前記第2の判断手段により前記距離情報が前記第2しき
い値よりも小さいと判断されたときには、その距離情報
が付加された断面の画像情報を破棄する手段とを含む。
【0024】一方、前記最適化手段は、前記空間的位置
情報に基づいて前回スキャンした断面と現在のプローブ
位置でスキャンしたときの断面との間の距離情報を監視
する監視手段と、この監視手段により得られる距離情報
に応じて前記超音波ビームに供する超音波パルスの断面
毎の照射間隔を制御する照射制御手段とを備えていても
よい。
【0025】この場合、この超音波診断装置は超音波造
影剤を前記被検体に投与した状態でスキャンを行うコン
トラストエコー法を実施する装置であり、前記照射制御
手段は、前記距離ベクトル情報と前記超音波パルスの前
回の照射からの待ち時間とに基づき制御する手段であ
る。例えば、前記待ち時間として診断対象の臓器の関心
領域に流入する血流情報を基に決定し且つその臓器の種
類に応じて最適値を設定可能な設定手段を備えていても
よい。
【0026】さらに、上述した各種の構成において、前
記エコー信号に基づき前記3次元領域の断層像または血
流情報の画像を提供する画像提供手段を備えることが望
ましい。
【0027】一方、本発明に係る3次元画像データの再
構築方法は、被検体の3次元領域を超音波ビームで断面
毎にスキャンしてエコー信号を収集し、このエコー信号
から3次元画像データを生成する方法であり、前記スキ
ャンによって前記3次元領域をスキャンするときの前記
断面それぞれの空間的位置情報を検出し、この空間的位
置情報に基づいて前記3次元画像データを形成する各デ
ータの空間的配置を最適化することを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を、
図面を参照して説明する。
【0029】本発明は、被検体に造影剤を投与してスキ
ャンを行うコントラストエコー法は勿論のこと、造影剤
を投与しないでスキャンを行うイメージング法にあって
も同様に適用できる。とくに、コントラストエコー法を
実施するときには、造影剤に拠る染影度によって血流動
態を観察する場合の関心部位全てに好適に適用可能であ
る。そこで、一例として、以下に説明する本実施形態で
は、肝臓実質若しくは心臓筋肉へ流入する造影剤の染影
度から血流動態を得て、被検体に超音波造影剤を投与
し、異常部位を同定する手法について説明する。
【0030】[第1の実施形態]第1の実施形態を図1
〜図7を参照して説明する。この実施形態に係る超音波
診断装置は、被検体に超音波造影剤を投与し、その染影
度から血流状態を観察する構成を備える。
【0031】図1に、第1の実施形態に係る超音波診断
層装置の全体構成を概略的に示す。図1に示す超音波ド
プラ診断装置は、装置本体11と、この装置本体11に
接続された超音波プローブ(以下、プローブという)1
2、操作パネル13、ECG(心電計)14、及び位置
検出器15を備える。被検体は参照符号Pで示す。
【0032】操作パネル13は、キーボード13A、ト
ラックボール13Bなどを備え、オペレータから各種の
指示、情報を装置本体11に与えて、従来の装置と同様
に装置条件を設定したり、画像上にROI(関心領域)
を設定するために使用される他、本発明に係る設定条件
を変更するために使用される。
【0033】プローブ12は、被検体Pとの間で超音波
信号の送受信を担うデバイスであり、電気/機械可逆的
変換素子としての圧電セラミックなどの圧電振動子を有
する。好適な一例として、複数の圧電振動子がアレイ状
に配列されてプローブ先端に装備され、フェーズドアレ
イタイプのプローブ12が構成されている。これによ
り、プローブ12は装置本体11から与えられるパルス
駆動電圧を超音波パルス信号に変換して被検体内の所望
方向に送信し、また被検体で反射してきた超音波エコー
信号をこれに対応する電圧のエコー信号に変換する。
【0034】装置本体11は図示の如く、プローブ12
に接続された送信ユニット21および受信ユニット2
2、この受信ユニット22の出力側に置かれたレシーバ
ユニット23、Bモード用DSC(デジタル・スキャン
・コンバータ)24、イメージメモリ回路25、3次元
演算回路26、ドプラユニット27、データ合成器2
8、および表示器29を備える。
【0035】また装置本体11は、位置検出器15およ
び操作パネル13に接続された座標メモリ30を備える
一方で、この座標メモリ30とイメージメモリ回路25
との間に介挿された距離演算回路31を備える。さら
に、装置本体11は、ECG14が検出したECG信号
を受ける心拍検出ユニット32を備える。また、装置本
体11には、操作パネル13からの操作情報を受けて、
装置本体11の各回路の動作および設定値を制御するコ
ントローラ33が備えられている。
【0036】イメージメモリ回路25は、その入力側が
BモードDSC24、ドプラユニット27、および距離
演算回路31に接続されるとともに、その出力側が3次
元演算回路26およびデータ合成器28に接続されてい
る。
【0037】このイメージメモリ回路25は、Bモード
DSC24およびドプラユニット27のDSCが出力し
た画像データを、超音波スキャンのラスタ信号列及びビ
デオォーマットのラスタ信号列のいずれか一方または両
方の形態で記憶するメモリを有する。このため、操作者
は診断後に、この画像データを呼び出して利用すること
ができる。この場合、イメージメモリ回路25の画像デ
ータはデータ合成器28を経由して表示器29に送られ
る。また、このメモリに記憶されている画像データは、
後述するように3次元画像の再構築にも用いられる。
【0038】装置本体11の送受信系を説明する。
【0039】送信ユニット21は、パルス発生器21
A、送信遅延回路21B、およびパルサ21Cを有す
る。パルス発生器21Aは、例えば5KHzのレート周
波数fr[Hz](周期1/fr[秒])のレートパルス
を発生する。このレートパルスは、送信チャンネル数分
に分配されて送信遅延回路21Bに送られる。送信遅延
回路21Bには、遅延時間を決めるタイミング信号がコ
ントローラ33から送信チャンネル毎に供給されるよう
になっている。これにより、送信遅延回路21Bはレー
トパルスに指令遅延時間をチャンネル毎に付与する。遅
延時間が付与されたレートパルスが送信チャンネル毎に
パルサ21Cに供給される。パルサ21Cはレートパル
スを受けたタイミングでプローブ12の圧電振動子(送
信チャンネル)毎に電圧パルスを与える。これにより、
超音波信号がプローブ12から放射される。超音波プロ
ーブ12から送信された超音波信号は被検体内でビーム
状に集束されかつ送信指向性が指令スキャン方向に設定
される。この送信ユニット21によって実行されるスキ
ャンの時間間隔は、コントローラ33によって所定時間
値に制御される。
【0040】被検体内では前述した遅延時間にしたがっ
てビームフォーミングがなされる。送信された超音波パ
ルス信号は、被検体内の音響インピーダンスの不連続面
で反射される。この反射超音波信号は再びプローブ12
で受信され、対応する電圧量のエコー信号に変換され
る。このエコー信号はプローブ12から受信チャンネル
毎に受信ユニット22に取り込まれる。
【0041】受信ユニット22は、その入力側から順
に、プリアンプ22A、受信遅延回路22B、および加
算器22Cを備える。プリアンプ22Aおよび受信遅延
回路22Bはそれぞれ、受信チャンネル数分のアンプ回
路または遅延回路を内蔵する。受信遅延回路22Bの遅
延時間は、所望の受信指向性に合わせて遅延時間パター
ンの信号としてコントローラ33から与えられる。この
ため、エコー信号は、受信チャンネル毎に、プリアンプ
22Aで増幅され、受信遅延回路22Bにより遅延時間
が与えられた後、加算器22Cで加算される。この加算
により、所望の受信指向性に応じた方向からの反射成分
が強調される。送信指向性と受信指向性との総合により
送受信の総合的な超音波ビームが形成される。
【0042】受信ユニット22の加算器の出力端は、レ
シーバユニット23およびBモードDSC24を順に経
由してデータ合成器28に至る。
【0043】レシーバユニット23は、図示しないが、
対数増幅器、包絡線検波器、A/D変換器を備える。な
お、ハーモニックイメージング法を実施する装置の場
合、このレシーバユニット27には、超音波信号の送信
周波数の、例えば2倍の高周波成分のみを通過させる帯
域通過型フィルタが装備される。このレシーバユニット
により、受信指向性が与えられた方向のエコーデータが
デジタル量で形成され、BモードDSC24に送られ
る。
【0044】BモードDSC24はエコーデータを超音
波スキャンのラスタ信号列からビデオフォーマットのラ
スタ信号列に変換し、これをデータ合成器28に送るよ
うになっている。この画像データは、超音波スキャンの
信号列及びビデオォーマットの信号列の状態でイメージ
メモリ回路25にも送られ、記憶される。
【0045】ドプラユニット27は、レシーバユニット
23における加算エコー信号を受信する。このユニット
27は、図示しないが、直交検波器、クラッタ除去フィ
ルタ、ドプラ偏移周波数解析器、平均速度などの演算
器、DSC、カラー処理回路などを備え、ドプラ偏移周
波数すなわち血流の速度情報やそのパワー情報などがカ
ラーフロー画像データとして得られる。このカラーフロ
ー画像データ(CFMデータ)は、ドプラユニット27
に内蔵のDSCにてノイズキャンセルなどの処理を受け
るとともに、その走査方式が変換されてデータ合成器2
8に送られる。このカラーフロー画像データは、イメー
ジメモリ回路25にも送って記憶される。
【0046】一方、位置検出器15は、プローブ12に
機械的に取り付けられるか、または、検知部のみをプロ
ーブ12に直接取り付けた、例えば磁気センサであり、
これにより、プローブ12の空間的な位置情報を検出す
ることができる。
【0047】本実施形態では、図2(a)、(b)に示
す如く、プローブ12を被検体Pの体表に沿って手動で
移動させる3次元スキャン法を採用している。この移動
の最中に、体内の3次元領域に対し、一定時間毎に体表
上の各位置に対応した断面がスキャンされ、その断面を
構成している各ボクセル位置からのエコー信号が収集さ
れる。したがって、2次元スキャンされる断面の移動と
伴に3次元領域がスキャンされ、3次元スキャンが達成
される。
【0048】同図(b)には、一定時刻t1,t2,
…,ti毎の2次元スキャン断面S1,S2,…,Si
と、その断面間の距離d2,d3,…,di−1,di
の変化の例が例示されている。
【0049】すなわち、一般的表現としては、図3に示
す如く、直交座標系のZ軸を被検体Pの体軸方向にと
り、X軸およびY軸を被検体Pの横方向および前後方向
にとるとき、プローブ12を被検体の体表面に沿って移
動させながら、そのプローブ12をX軸を中心とする回
転方向α、Y軸を中心とした回転方向β、およびZ軸を
中心とした回転方向γに操作することにより3次元スキ
ャンが行われる、と言える。なお、2次元操作が行われ
たときのプローブ12の位置を基準位置P(x ,y
,z)という。
【0050】このため、位置検出器15は、プローブ1
2の基準位置P(x,y,z )、角度θα(X
軸を中心とした回転角度)、角度θβ(Y軸を中心とし
た回転角度)、および角度θγ(Z軸を中心とした回転
角度)を検出して、この検出値に対応した信号(位置情
報)を装置本体11の座標メモリ30に出力する。
【0051】座標メモリ30は、位置検出器15が検出
した位置情報および操作パネル回路21からの操作情報
を記憶する。
【0052】距離演算回路31は、座標メモリ30に記
憶されている位置情報を読み出し、プローブ12を移動
させながらスキャンさせるときの断層像相互間の接近状
態を表す情報を演算するとともに、この情報を含む位置
情報をイメージメモリ回路25内の画像データSiに付
加するように同回路25に書き込む。
【0053】具体的には、断層像の面が互いに平行であ
る場合、かかる接近状態を表す情報として、数学的に記
述される2平面間の距離di(図2(b)参照)、また
は、プローブ12の回転角を無視できるとして、プロー
ブ位置(x、y、z)から移動距離diのいずれかが距
離演算回路31により演算される。
【0054】ただし、断層像の面が互いに平行でない場
合、「距離」の別の定義が必要になる。距離演算の目的
は冗長な画像データを排除することであるから、距離d
iは例えば次のようにして決定すればよい。断層像の中
に基準点を設け、断層像Si−1とSiの基準点間の距
離diを演算すればよい。基準点は、例えば、「中央走
査線上の深度6cmの位置」、「中央走査線上でフォー
カス深度に対応する位置」、「操作者によって指定され
た任意の位置」など、種々の位置を採用することができ
る。
【0055】これにより、イメージメモリ回路25のメ
モリには、BモードDSC24及び/又はドプラユニッ
ト27から一定時間ti毎にスキャンされた画像データ
Siが格納されているから、この画像データSiとその
画像データを収集した位置の情報diとが一義的に対応
付けられる。
【0056】この対応付けされた画像データSi及び位
置情報diは2枚の断面のスキャンが済んだ段階で、次
段の3次元演算回路26に読み出される。この読み出さ
れたデータは隣接断面間の距離diに基づくデータ弁別
処理に付され、必要なデータのみが同回路26内に取り
込まれる。3次元演算回路26の動作の具体例は、後述
の図4にて説明される。
【0057】この3次元演算回路26に取り込まれた画
像データSiは、それぞれの撮像断面の位置情報および
走査線の振り角に基づいて、この演算回路内のメモリ領
域で構成される画像の3次元空間に配置され、実空間に
応じたボリュームデータに再構築される。また、この3
次元演算回路26により、再構築された3次元画像デー
タから鳥瞰図または透視図などの、2次元断面に射影し
た画像データが作成される。この画像データはデータ合
成器28に送られる。
【0058】一方、ECG14は、主に被検体Pの体表
に接触させて使用され、被検体の心電波形データを得
る。このデータは後述する心拍検出ユニットに入力さ
れ、心電図をトリガとした超音波の間欠的送信がなされ
る。
【0059】心拍検出ユニット32は、ECG14から
供給されたECG信号を入力し、その心電波形データを
データ合成器28に表示用として送出する一方で、心臓
画像を心電波形に同期させる、いわゆる心電同期をとる
ためのトリガ信号を作り、このトリガ信号を超音波送信
ユニット21のパルス発生器21Aに送る。
【0060】このように、データ合成器28は、Bモー
ドDSC24から送られてくるBモード画像データ(グ
レースケール画像)、ドプラユニット27から送られて
くるCFMモード画像データ(カラーフロー画像)、心
拍検出ユニット32から送られてくる心電波形データ、
3次元演算回路26の演算データ、および/または所望
の設定パラメータを並べる、あるいは重ねるなどの処理
によって1フレームの画像データに再構築する。CFM
モード画像データは、このデータ合成器28により、B
モード画像データに重畳した形式で合成される。このフ
レーム画像データは表示器29により順次読み出され
る。
【0061】表示器29では、画像データを内蔵D/A
変換器でアナログ量に変換し、TVモニタなどのディス
プレイに被検体の断層像として表示する。
【0062】さらに、コントローラ33は、操作パネル
13からの操作データを受けるA/D変換器およびCP
U(中央処理装置)のほか、このCPUに接続されたメ
モリを備える。CPUはインターフェイスを介して操作
パネル13、送信ユニット21、受信ユニット22、お
よび図示しないその他のユニット及び回路に接続され、
それらの制御やパラメータ設定を行う。
【0063】本実施形態に係る超音波診断装置の全体的
な動作を説明する。
【0064】スキャンに際し、プローブ12は、一例と
して、図2(a)に示す如く被検体Pの体表に沿って平
行に移動させられる。これにより、同図(b)に表すよ
うに、断層像S1,S2,…,Snからエコー信号が収
集される。操作者が手動でプローブ12を移動させる場
合、通常、断層像S1,S2,…,Snの間の距離di
はばらつくことが考えられる。断層像S1,S2,…,
Snのエコーデータは一定時間Δt毎の時刻t1,t
2,…,tnで収集されるから、プローブ移動速度のば
らつきは断層像間の距離dのばらつきとなって現れる。
同図(b)において、断層像S1とS2との間の距離は
d2で、断層像S2とS3との間の距離はd3で、断層
像Si−1とSiとの間の距離はdiでいった具合に表
すとき、この距離diの値が変わるのである。
【0065】そこで、3次元演算回路26は図4に示す
処理を行って、3次元スキャン時の距離diの変動に関
わる不都合を排除しながら、3次元画像データの再構築
および2次元射影を実行する。
【0066】3次元演算回路26は、この距離dについ
て予め設定してあるしきい値Dを読み出すか、または操
作者が操作パネル13からその都度、任意な値を設定す
ることで、しきい値Dを設定する(ステップS1)。こ
のしきい値Dは、3次元スキャン時の断層像間の必要以
上に近い距離dを弁別するために設定される。後述する
ように、この距離dが隣の断層像と近すぎる断層像の画
像データは破棄され、3次元配置のデータおよび2次元
射影のデータから外される。
【0067】次いで、この3次元演算回路26は、ある
時刻tで収集した断層像の画像データSiと距離diを
読み出し(ステップS2)、di(Dか否かを判断する
(ステップS3)。この判断でNOとなるとき、すなわ
ちdi<Dの関係が成立するときは、次いで、読み出し
た画像データSiについて補正データを作成して使用す
るか否かを判断する(ステップS4)。この補正を実行
するか否かの判断ステップは、アルゴリズムとして、
「補正する」または「補正しない」のいずれか一方に予
め設定しておいてもよいし、その都度、オペレータの操
作情報などを参照して「補正する」又は「補正しない」
のアルゴリズムを設定してもよい。
【0068】この判断ステップS4がYESとなると
き、すなわち画像データSiの補正を行う場合、3次元
演算回路26は次いで、適宜に定めた別のしきい値D1
(0<D1<D)について、D1(diが成立するか否
かを判断する(ステップS5)。この判断がYES、す
なわちD1(diが成立するときには、次いで画像デー
タSiの所定の補正を行う(ステップS6)。
【0069】これに対し、ステップS5の判断において
NO、すなわちdi<D1のときには、いまワークエリ
アに読み込んだ画像データSiおよび距離diをその記
憶領域から破棄する(ステップS7)。ステップS4に
おいてNOと判断されたとき、すなわち画像データの補
正処理を行わない場合で、かつ、距離diがそのしきい
値Dよりも小さいときにも、ステップS7に処理を進め
て不要なデータが破棄される。
【0070】3次元演算回路26は、ステップS6で補
正処理が済んだ画像データSi、又は、ステップS3で
断層間の距離diが十分にある(距離di(D)と判断
された画像データSiについて、ステップS8の処理を
行う。すなわち、画像データSiを3次元メモリ空間に
位置情報diに基づき配置する。
【0071】次いで、ステップS8の3次元データ配置
処理、または、ステップS7のデータ破棄処理を終えた
後、ステップS9に進み、上述した一連の処理が全ての
断層像の画像データについて完了したか否かを判断す
る。この判断でNOとなるときは、残っている断層像の
画像データが在るので、ステップS2に戻って上述した
処理を繰り返す。
【0072】反対に、このステップS9の判断がYES
になると、配置した3次元データの2次元面への射影処
理を行う(ステップS10)。この後、射影処理された
2次元画像データをデータ合成器28に出力し(ステッ
プS11)、表示器29にその画像データを適宜な態様
で表示させる。
【0073】このように、前の断層像との距離diを現
在の断層像の画像データSiに付加し、その画像データ
Siの位置情報と伴に記憶し、距離diに基づいてデー
タを採用するか破棄するかを決めている。これにより、
現在の断層像が前の断層像に空間的に必要以上に近い場
合、3次元再構築のときに冗長なデータになるだけであ
るから、このような現在の断層像の画像データはメモリ
から確実に破棄される。
【0074】このため、操作者がプローブを平行に移動
させているときに、動かす速度を緩めたり、うっかりプ
ローブを止めてしまった後、再移動させた場合でも、速
度が緩められた期間の冗長な画像データやプローブ移動
が止まっていた期間の画像データはイメージメモリ回路
25には記録されない。
【0075】したがって、イメージメモリ回路25のメ
モリ領域を無駄に占有することが無いから、その記憶領
域は少なくて済む。また、かかるデータ破棄によって、
再構築のための演算量が少なくなる。
【0076】なお、断層像間の距離dの情報は単に弁別
処理に付すだけでなく、更に有効に利用することもでき
る。例えば、3次元演算回路26において、3次元画像
データを再構築する前に断層像を表示したい場合、距離
diの値を、その断層像の画像データの付帯情報として
一緒に表示させることができる。この処理は、操作パネ
ル13から指令を受けたコントローラ33が3次元演算
回路26にその指令する伝え、この演算回路26がその
指令に応じて断層像の画像データSiとその距離diを
読み出してデータ合成器28に送出することで達成され
る。
【0077】この第1の実施形態に係る超音波診断装置
は、その一つの使用法として、コントラストエコー法に
より好適に使用できる。以下、この使用法を説明する。
【0078】コントラストエコー法は造影剤を被検体に
投与して行うが、この造影剤の主成分を成す微小気泡
(マイクロバブル)は、超音波を照射することで容易に
崩壊することが知られている。そこで、フラッシュエコ
ー法はこの崩壊による不都合を改善するもので、スキャ
ン面(スライス)の微小気泡を崩壊させた後、その面に
再び微小気泡が充満するのを待って送信を行う、いわゆ
る間欠送信法を用いている。
【0079】本発明に係る3次元スキャン法によりプロ
ーブ12を移動させる場合、微小気泡の崩壊に関して、
図5に示すような事態が発生する。同図(a)は、微小
気泡MBがスライス(スキャン面)SLに充満した時
点で超音波ビーム52を照射する模式図である。このと
きに得られるエコー信号の強度をIとする。符号VS
は血管を、符号TSは生体組織をそれぞれ示す。
【0080】同図(b)は、同図(a)に示す照射の後
で行う次の照射によるスライスSL が前回のスライス
SLに一部重複している状態での超音波照射を示す。
これは、照射の時間間隔が短い(フレームレートが高
い)ときやプローブ12の移動速度が遅いときに起こる
状態である。エコー信号の強度はスライスSLに含ま
れる微小気泡MBの数に相関するため、この同図(b)
の照射状態で発生するエコー信号強度は、模式的な観点
から言えば、上述した強度Iの1/4程度まで低下す
る。
【0081】これとは反対に、同図(c)は次の超音波
照射時のスライスSL'が前回のスライスSLから
十分に離れている状態を示す。このときにはスライスS
'内に微小気泡MBが十分に存在しているため、エ
コー信号の強度は同図(a)のときと同様にIになる
と考えられる。
【0082】つまり、コントラストエコー法を実施する
場合、スライス間の空間的な距離が短か過ぎると、3次
元エコーデータを再構築する上で、データが冗長である
ばかりでなく、その信号強度のばらつきも生じる。
【0083】しかしながら、前述した第1の実施形態の
超音波診断装置でコントラストエコー法を実施すれば、
そのような冗長データ(信号)及び信号強度のばらつき
を排除することができる。
【0084】具体的には、前述した距離のしきい値D
を、スライスを重複させない値に設定する。しきい値D
は、収束した超音波ビームのスライス厚に依存するの
で、プローブの種類、スキャンモード、送信周波数、送
信駆動素子数、フォーカス点などの設定条件に基づき、
スライスの重複状態を排除可能な適宜な値に設定する。
例えば、送信周波数が低いほど、しきい値Dを大きくす
る;送信駆動素子数が大きいほど、しきい値Dを大きく
する;フォーカス点が近いほど、しきい値Dを大きくす
る、などである。または、このしきい値Dを診断部位に
依存した血流速度情報(例えば、心腔の場合、血流速度
は速い;腎臓の場合、血流速度は比較的速い;肝臓の場
合、血流速度は遅い、など)に基づいて設定してもよ
い。勿論、操作者がしきい値Dに任意な値に設定しても
よい。
【0085】このように、しきい値Dをコントラストエ
コー法の元で3次元スキャンするときの適宜な値に設定
することにより、前述した図4のステップS3、S7の
処理が有効に作用する。プローブ12を移動させる速度
が遅く、前後のスライスの一部又は全部が互いに重複す
るような場合であっても、そのような事態で収集したエ
コーデータは弁別処理に付され、自動的に破棄される。
したがって、そのような冗長なデータは3次元データの
再構築に何ら関係せず、メモリ領域を無駄に占有するこ
ともない。
【0086】また、図4のステップS4〜S6の処理が
有効に作用する。コントラストエコー法の元で行った3
次元スキャンの収集データの内、冗長と思われるデータ
が在る場合でも、これを補正して使用することができ
る。これを説明すると、造影剤を含んだ媒体をスキャン
した場合、前回のスライス(スキャン断面)との距離と
その得られるエコー信号強度との関係は、定性的には、
図6に示すように表される。ここで、エコー信号の強度
が一定となる臨界点が上述のしきい値に相当する。この
ことは、本発明者が既に「フラッシュエコー映像法の検
討(3)…スキャン断面およびタイミングの関係:日本
超音波医学会研究発表会:68−155,1996年1
1月」で報告している。
【0087】そこで、スライス間の距離diが0<D1
<di<Dの条件に該当する場合、その距離diが付さ
れている断層像の画像データSiに対して、図6に示す
強度曲線を補正する処理を行う(図4、ステップS5、
S6)。この補正処理は、輝度補正であり、図6の曲線
を補償可能な図7に示す曲線データを予め得ておいて、
この補償用データを加算することで行う。この結果、超
音波ビームが重複することに因る気泡数の影響を補正し
た、均一な強度(輝度)のエコー画像が得られる。
【0088】また、この補正処理で距離diを弁別する
際、その下限値D1を定めている。この下限値D1は0
以上の適宜な値に設定される。このため、プローブ12
の移動が全く止まってしまった状態で収集されるエコー
データは、冗長な部類に弁別され、メモリから破棄され
る(図4、ステップS5,S7)。これにより、しきい
値D以下の距離diを呈する断層像のデータを、補正し
て3次元画像再構築用に使用することができる。
【0089】以上の構成に拠る利点を要約すると、以下
のようになる。第1に、エコーデータが重複するような
ほぼ同一断面からのデータを自動的に破棄(消去)して
3次元画像を構築することができる。第2に、冗長なエ
コーデータをイメージメモリ回路25のメモリから破棄
でき、メモリを有効活用できる。第3に、コントラスト
エコー法を実施する場合、造影剤の微小気泡が消失して
しまった後の断面でスキャンを行うことが無く、必ず造
影剤が存在している断面でスキャンを行い、3次元画像
を構築できる。これにより、造影剤の特性を十分に発揮
させた画像を確実に得ることができる。第4に、前回の
超音波照射によって気泡消失の影響を受けたエコー輝度
を補正し、収集したエコーデータを極力使用することが
でき、データ収集の効率を上げることができる。
【0090】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態に係る超音波診断装置を、図8を参照して説明
する。なお、ここで、前述した第1の実施形態の装置と
同一または同等の構成要素には同一符号を用いて、その
説明を省略または簡略化する。
【0091】この超音波診断装置は、スキャンする断面
間の距離を事前に予測判定し、この判定結果に基づいて
超音波照射を行うことを特徴とする。
【0092】この特徴を実現させるため、超音波診断装
置の装置本体11には、図8に示す如く、距離判定回路
41およびタイミング発生器42を付加している。距離
判定回路41は、前述した座標メモリ30から位置情報
をリアルタイムに読み出して監視する回路である。座標
メモリ30には前述したように、位置検出器15が検出
したプローブ12の位置情報がリアルタイムに書き込ま
れている。
【0093】距離判定回路41は、具体的には、座標メ
モリ30からの距離情報に基づいて、前回の断面Siと
現在のプローブ位置から予測される今回の断面Si+1
との間の距離di+1を推定する。この段階では未だ、
今回のスキャン照射は行われていない。なお、この距離
は第1の実施形態の場合と同一である。
【0094】次いで、距離判定回路41は、推定した距
離di+1がしきい値Dよりも大きいか否かの数値比較
を行う。この結果、di+1>Dの条件が成立したとき
には、これを知らせる信号S1をタイミング発生器42
に送る。
【0095】タイミング発生器42は、前述した心拍検
出ユニット32の検出信号S2をも受ける。このタイミ
ング発生器42は、両信号S1,S2のアンド条件の成
立状態を監視しており、このアンド条件が成立したとき
に、タイミング信号S3を送信ユニット21のパルス発
生器21Aに送出するようになっている。パルス発生器
21Aは、このタイミング信号S3を受けたときにの
み、送信トリガ用のパルス信号を送信遅延回路21Bに
向けた発生させる。
【0096】この結果、ECG信号を利用して心拍のあ
る時相でのみ超音波送受信を行っている場合、かかる心
拍時相の到来とスキャン断面の距離が十分に確保された
状態とが確立したときにのみ、プローブ12が送信ユニ
ット21により駆動される。この結果、超音波パルスの
送受信が行われる。
【0097】このように第2の実施形態によれば、プロ
ーブ12を動かしながらも、プローブの動く位置をリア
ルタイムに把握し、スキャン断面間の距離情報を推定的
に判定することができる。したがって、スキャン断面間
の距離がしきい値D以上の適切な間隔になったときにの
みエコーデータを収集できる。逆に言えば、無駄な送受
信を行う必要が無く、第1の実施形態のように送受信後
に、収集したデータを破棄すると後処理を行う必要が無
くなる。その分、3次元演算回路26の演算負荷が軽く
なるとともに、常に最適枚数の断層像データにより3次
元画像を再構築することができる。
【0098】なお、本実施形態において、ECG信号系
の装置を搭載しない場合、タイミング発生器42は、ス
キャン断面間に十分な距離が確保された旨を告知する信
号S1のみに応答してタイミング信号S3を発生させる
ようにしてもよい。
【0099】この第2の実施形態もまた、コントラスト
エコー法を実施するときに特に顕著な効果を発揮する。
既に第1の実施形態で説明したように、コントラストエ
コー法を実施する場合、今回の照射断面が前回のそれよ
りも超音波ビーム厚さに相当する距離D以上、離れてい
ない場合、図5で説明した如く、造影剤からのエコー信
号の強度は減弱してしまう。しかし、本実施形態の超音
波診断装置によれば、前回の照射断面と現在のプローブ
位置から予測される照射断面との間の距離dをリアルタ
イムに監視し、その距離dがしきい値Dを超えた時点で
即座に超音波パルスが送信される。これにより、常に、
十分な量の造影剤が存在する領域を確実に照射すること
ができる。したがって、殆ど同一の輝度を有する断層像
を取得して、輝度むらの無い3次元コントラスト画像を
提供することができる。
【0100】さらに、第2の実施形態の超音波診断装置
は、関心領域に流入する血流情報を考慮し、以下のよう
に変形して実施できる。フラッシュエコー法の検討結果
によれば、たとえプローブを固定した状態であっても、
臓器に新たな血液(造影剤)の流入を待ってから再照射
すれば、鮮明なコントラストエコーを得ることができる
という事実が解明されている。この待ち時間は、微小血
流のパフュージョンの検出まで含めると、約5〜10秒
である。比較的大きな血管系では、この待ち時間は短く
て済む。
【0101】そこで、距離dの値のみを監視していた上
述の第2の実施形態において、タイミング発生器42に
この待ち時間を考慮したアルゴリズムを実施するCPU
等の要素を更に組み込む。このアルゴリズムの例は以下
のようである。距離d,距離のしきい値D,時間t,お
よび予め設定した待ち時間T0(前回の断面照射からの
待ち時間)として、
【外1】 というように処理すればよい。
【0102】これにより、例えばプローブ12の移動速
度が非常に遅い場合であっても、一定時間が経つと超音
波照射が成され、良好なエコーが得られる。
【0103】なお、操作パネル13を、診断対象の臓器
の関心領域に流入する血流情報を基に決定し且つその臓
器の種類に応じて最適待ち時間を設定可能な設定手段と
して用いることができる。
【0104】上述した各実施形態およびその変形例は単
なる例示であって、本発明の範囲を限定することを意図
するものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲の記
載にしたがって決まるもので、本発明の範囲を逸脱しな
い範囲において様々な態様の超音波診断装置を実施する
ことができる。
【0105】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明によれ
ば、被検体の3次元領域をスキャンするときの断面それ
ぞれの空間的位置情報を検出し、この空間的位置情報に
基づいて3次元画像データを形成する各データの空間的
配置を最適化するので、空間的に冗長なデータを排除し
て必要十分な空間的な距離間隔の超音波エコーデータを
確実に収集でき、3次元画像データを再構築できる。こ
れにより、メモリに必要な記憶容量や演算負荷の軽減も
図ることができる。
【0106】とくに、コントラストエコー法において、
造影剤の気泡が充満る領域を選択的に照射可能で、エコ
ー強度の高い断層像データを得ることができる。また、
全ての断層像において造影剤によるエコー輝度を、プロ
ーブの移動速度によらず、均質に取得できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る超音波診断装置
のブロック図。
【図2】プローブを手動で移動させながら3次元スキャ
ンを実施するときの各断面位置の経時的な変化を説明す
る図。
【図3】3次元スキャンの概念図。
【図4】第1の実施形態における3次元演算回路の処理
の概要を説明するフローチャート。
【図5】コントラストエコー法を実施するときのプロー
ブの移動距離と超音波造影剤の濃度と関係を説明する
図。
【図6】コントラストエコー法を実施するときの距離と
エコー強度の関係を定性的に説明する図。
【図7】コントラストエコー法を実施するときの距離と
エコー強度補正量の関係を定性的に説明する図。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る超音波診断装置
のブロック図。
【符号の説明】
11 装置本体 12 超音波プローブ 13 操作パネル 14 ECG 15 位置検出器 21 送信ユニット 22 受信ユニット 23 レシーバユニット 24 BモードDSC 25 イメージメモリ回路 26 3次元演算回路 27 ドプラユニット 28 データ合成器 29 表示器 30 座標メモリ 31 距離演算回路 32 心拍検出ユニット 33 コントローラ 41 距離判定回路 42 タイミング発生器

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体の3次元領域を超音波ビームで断
    面毎にスキャンしてエコー信号を収集するスキャン手段
    と、このエコー信号から3次元画像データを生成するデ
    ータ生成手段とを備えた超音波診断装置において、 前記スキャン手段によって前記3次元領域をスキャンす
    るときの前記断面それぞれの空間的位置情報を検出する
    位置情報検出手段と、この空間的位置情報に基づいて前
    記3次元画像データを形成する各データの空間的配置を
    最適化する最適化手段とを備えたことを特徴とする超音
    波診断装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の超音波診断装置におい
    て、 前記スキャン手段は、前記被検体の体表面に沿って手動
    で移動可能であり且つ前記超音波ビームに関わる超音波
    信号の送受信を担う1次元のプローブを有することを特
    徴とする超音波診断装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の超音波診断装置におい
    て、 前記最適化手段は、前記空間的位置情報に基づき前記断
    面の内のある断面とその前の断面との距離を演算する距
    離演算手段と、この距離の情報をそのある断面の画像情
    報に付加する付加手段と、前記距離の情報に基づきその
    断面の画像情報を前記3次元画像データとして採用する
    か否かを判断する判断手段と、この判断手段により採用
    すると判断された画像情報のみを前記3次元画像データ
    への空間的配置に提供する提供手段とを備えたことを特
    徴とする超音波診断装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の超音波診断装置におい
    て、 前記距離情報をその距離情報が付加された前記断面の画
    像情報と共に表示する表示手段を備えたことを特徴とす
    る超音波診断装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の超音波診断装置におい
    て、 前記距離情報は、前記各断面が平行であると仮定したと
    きの断面間の距離、前記各断面上に定めた点の移動距
    離、または前記プローブの前記各断面に対する基点の移
    動距離であることを特徴とする超音波診断装置。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の超音波診断装置におい
    て、 前記判断手段は、前記距離情報が所定のしきい値以上か
    否かを判断する手段であり、 前記提供手段は、この判断手段により前記距離情報が前
    記しきい値以上であると判断されたときには、その画像
    情報を前記3次元画像データへの空間的配置に提供する
    手段と、前記判断手段により前記距離情報が前記しきい
    値よりも小さいと判断されたときには、その画像情報を
    破棄する手段とを含む、ことを特徴とする超音波診断装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の超音波診断装置におい
    て、 前記しきい値を操作者が任意に指定可能な指定手段を備
    えたことを特徴とする超音波診断装置。
  8. 【請求項8】 請求項3に記載の超音波診断装置におい
    て、 この超音波診断装置は超音波造影剤を前記被検体に投与
    した状態でスキャンを行うコントラストエコー法を実施
    する装置であり、 前記判断手段は、前記距離情報が第1のしきい値以上か
    否かを判断する第1の判断手段と、この第1の判断手段
    により第1のしきい値未満であると判断された前記距離
    情報に対してその第1のしきい値よりも小さい値に設定
    した第2のしきい値以上か否かを再度判断する第2の判
    断手段とを備え、 前記提供手段は、前記第1の判断手段により前記距離情
    報が前記第1のしきい値以上であると判断されたときに
    は、その距離情報が付加された断面の画像情報を前記3
    次元画像データへの空間的配置に提供する手段と、前記
    第2の判断手段により前記距離情報が前記第2のしきい
    値以上であると判断されたときには、その距離情報が付
    加された断面の画像情報を補正して前記3次元画像デー
    タへの空間的配置に提供する手段と、前記第2の判断手
    段により前記距離情報が前記第2しきい値よりも小さい
    と判断されたときには、その距離情報が付加された断面
    の画像情報を破棄する手段とを含む、ことを特徴とする
    超音波診断装置。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の超音波診断装置におい
    て、 前記最適化手段は、前記空間的位置情報に基づいて前回
    スキャンした断面と現在のプローブ位置でスキャンした
    ときの断面との間の距離情報を監視する監視手段と、こ
    の監視手段により得られる距離情報に応じて前記超音波
    ビームに供する超音波パルスの断面毎の照射間隔を制御
    する照射制御手段とを備えたことを特徴とする超音波診
    断装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の超音波診断装置にお
    いて、 この超音波診断装置は超音波造影剤を前記被検体に投与
    した状態でスキャンを行うコントラストエコー法を実施
    する装置であり、 前記照射制御手段は、前記距離ベクトル情報と前記超音
    波パルスの前回の照射からの待ち時間とに基づき制御す
    る手段であることを特徴とする超音波診断装置。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の超音波診断装置に
    おいて、 前記待ち時間として診断対象の臓器の関心領域に流入す
    る血流情報を基に決定し且つその臓器の種類に応じて最
    適値を設定可能な設定手段を備えた超音波診断装置。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至11の何れか一項に記載
    の超音波診断装置において、 前記エコー信号に基づき前記3次元領域の断層像または
    血流情報の画像を提供する画像提供手段を備えたことを
    特徴とする超音波診断装置。
  13. 【請求項13】 被検体の3次元領域を超音波ビームで
    断面毎にスキャンしてエコー信号を収集し、このエコー
    信号から3次元画像データを生成する3次元画像データ
    の再構築方法において、 前記スキャンによって前記3次元領域をスキャンすると
    きの前記断面それぞれの空間的位置情報を検出し、この
    空間的位置情報に基づいて前記3次元画像データを形成
    する各データの空間的配置を最適化することを特徴とす
    る再構築方法。
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