JP2000327768A - 光学情報基材用ポリカーボネート組成物及び光学情報基材 - Google Patents
光学情報基材用ポリカーボネート組成物及び光学情報基材Info
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Abstract
しいとされていた、DVD等の特に高温で成形される高
品質の光学情報基材を、好適に製造できる特定にエステ
ル交換法ポリカーボネートを提供する。 【解決手段】 芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエス
テルとからエステル交換法にて製造された実質的に塩素
原子を含まないポリカーボネートにおいて、(a)重量
平均分子量が13,000〜18,000であり、
(b)該ポリカーボネート中の異種構造の合計量が0.
03〜0.30モル%の範囲にあり、且つ該異種構造の
50モル%以上が特定の分岐構造であり、(c)該ポリ
カーボネート中に含有するナトリウム量が0.3ppm
以下の範囲にあり、更に(d)酸性化合物をポリカーボ
ネート100重量部に対して0.1×10-4〜100×
10-4重量部含有していることを特徴とする光学情報基
材用ポリカーボネート組成物、及び該ポリカーボネート
から製造された光学情報基材。
Description
造されたポリカーボネート組成物に関し、特にCD、D
VD等の光ディスクなどの光学情報基材用に好適に使用
できるポリカーボネート組成物に関する。
性、透明性などに優れたエンジニアリングプラスチック
スとして多くの分野において幅広く用いられている。中
でも近年の情報化の進展により、音楽や映像用記録媒体
及びパソコン等のデジタル情報記録媒体として需要が拡
大しており、ポリカーボネートはCD、CD−ROM、
CD−R、DVD−ROM、DVD−R等の光ディスク
や光カードなどの光学情報基材用途ではなくてはならな
い樹脂となった。
細なグルーブやピットを正確成形することが必要とさ
れ、該用途に使用されるポリカーボネートには高い転写
性と低複屈折等の高い光学特性が要求される。その為、
光学情報基材用ポリカーボネートには高い流動性が要求
され、重量平均分子量が15,000前後の低分子量ポ
リカーボネートが使用されてきた。しかしながら、近
年、記録媒体が従来のCDから記録密度が増大したDV
Dへの移行が始まり、今まで以上のより微細な転写性が
要求されるようになってきた。その為、従来のCD用ポ
リカーボネートを用いてDVDを成形するには、流動性
が不足して充分な転写性が得られなかった。そこで、汎
用のポリカーボネートでは考えられない350〜390
℃という高温に加熱することで溶融粘度を低下させて成
形しているのが現状である。また、保存用記録媒体とし
ての用途が増大してきたため、湿熱条件下におけるディ
スク基板の信頼性への要求も大きくなってきた。
ン法で製造されたポリカーボネートが使用されてきた。
しかしながら、ホスゲン法ポリカーボネートは、その製
造時に毒性のホスゲンを使用することや、溶媒として塩
化メチレンを使用することから、ポリカーボネート中に
不純物として塩素イオンや塩化メチレンが残存するた
め、成形時の熱安定性の低下や金型腐食、及び光学情報
基材の品質低下が発生して問題となっていた。その為、
特開昭63−316313号公報、特開平4−1469
22号公報、特開昭63−97627号公報をはじめと
して、これら不純物を低減した組成物や低減するための
方法が数多く提案されている。
されるようになり、ポリカーボネート中に微量に残留し
ている塩化メチレンから塩酸への転化率が増加して上記
問題が顕在化してきたため、これら不純物のより完全な
除去が望まれている。しかしながら、ポリカーボネート
からこれら不純物を完全に除去するには多大な労力が必
要となるため、近年ではホスゲンや塩化メチレンを使用
しないエステル交換法ポリカーボネートが見直されてき
ている。ところが、エステル交換法で製造されたポリカ
ーボネートは、ホスゲン法で得られたポリカーボネート
に比べて多くの水酸基末端を有しており(「高分子分析
ハンドブック」朝倉書店発行、345頁、1985
年)、このような高温成形下では熱劣化が大きく使用で
きず、湿熱下での長期信頼性も乏しいものであった。
報基板、特に高温での成形が必要とされるDVD等の記
録密度の高い良好な光情報基板を製造できるエステル交
換法ポリカーボネートがないのが現状であり、本発明は
そのようなエステル交換法ポリカーボネートを提供する
ものである。
を解決する為に高い水酸基末端比率を有するエステル交
換法ポリカーボネートの熱安定性と流動性の関係に着目
して、詳細に解析検討し鋭意研究を重ねてきた。その結
果、ポリカーボネート主鎖中に特定量の異種結合と分岐
構造を導入することで、成形加工温度の低下が可能とな
り、高い水酸基末端比率を有するエステル交換法ポリカ
ーボネートでもDVD等の光学情報基材が成形できると
いう驚くべき事実を見出すとともに、該ポリカーボネー
ト中に含有されるナトリウム量を特定の範囲にし、且つ
特定量の酸性化合物を添加することで特に成形加工時の
溶融安定性を向上させるとともに高温湿熱時の微小光学
欠陥を大幅に低下できることを見い出し本発明に到達し
た。一般的に、酸性化合物の添加はポリカーボネートの
加水分解を加速するため、白濁を増加させる傾向にあっ
た。本発明者らの検討においても、酸性化合物が添加さ
れた重量平均分子量が24,000程度の一般的なポリ
カーボネートから成形された成形品肉厚が3mm程度の
成形品を120℃で耐スチーム試験したところ、無添加
成形品に比べ白濁が激しかった。このような状況下で、
高温湿熱下での光学欠陥が大幅に低下したことは非常に
驚くべき発見であった。
ロキシ化合物と炭酸ジエステルとからエステル交換法に
て製造された実質的に塩素原子を含まないポリカーボネ
ートにおいて、(a)重量平均分子量が13,000〜
18,000であり、(b)該ポリカーボネート中の異
種構造の合計量が0.03〜0.30モル%の範囲にあ
り且つ該異種構造の50モル%以上が式(1)に示す分
岐構造であり、(c)該ポリカーボネート中に含有する
ナトリウム量が0.3ppm以下の範囲にあり、更に
(d)酸性化合物をポリカーボネート100重量部に対
して0.1×10-4〜100×10-4重量部含有してい
ることを特徴とする光学情報基材用ポリカーボネート組
成物、
三価の芳香族残基を示す。) (2)該ポリカーボネートの全末端基に占める水酸基末
端比率が5〜50モル%の範囲にあることを特徴とする
上記(1)記載の光学情報基材用ポリカーボネート組成
物、(3)芳香族ジヒドロキシ化合物の85モル%以上
がビスフェノールAで有り、異種構造の50モル%以上
が式(2)に示す構造単位であることを特徴とする上記
1及び2項記載の光学情報基材用ポリカーボネート組成
物、
情報基材用ポリカーボネート組成物からなる光学情報基
材、を提供するものである。
のポリカーボネートは芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸
ジエステルとからエステル交換法にて製造される。本発
明において、芳香族ジヒドロキシ化合物とは、HO−A
r−OHで示される化合物である(式中、Arは二価の
芳香族残基であり、例えば、フェニレン、ナフチレン、
ビフェニレン、ピリジレンや、−Ar1 −Y−Ar2 −
で表される2価の芳香族基である。その際、Ar1 及び
Ar2 は、各々独立にそれぞれ炭素数5〜70を有する
2価の炭素環式又は複素環式芳香族基を表し、Yは炭素
数1〜30を有する2価のアルカン基を表す。)。
1つ以上の水素原子が、反応に悪影響を及ぼさない他の
置換基、例えば、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数
1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、
ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基
などによって置換されたものであっても良い。複素環式
芳香族基の好ましい具体例としては、1ないし複数の環
形成窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を有する芳香族基
を挙げることができる。2価の芳香族基Ar1 、Ar2
は、例えば、置換又は非置換のフェニレン、置換又は非
置換のビフェニレン、置換または非置換のピリジレンな
どの基を表す。ここでの置換基は前述のとおりのもので
ある。
示される有機基である。
炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコ
キシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキル基、環
構成炭素数5〜10の炭素環式芳香族基、炭素数6〜1
0の炭素環式アラルキル基を表す。kは3〜11の整数
を表し、R5 およびR6 は、各Xについて個々に選択さ
れ、お互いに独立に、水素または炭素数1〜6のアルキ
ル基を表し、Xは炭素を表す。また、R1 、R2 、
R3 、R4 、R5 、R6 において、一つ以上の水素原子
が反応に悪影響を及ぼさない範囲で他の置換基、例えば
炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコ
キシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ
基、エステル基、アミド基、ニトロ基等によって置換さ
れたものであっても良い。) このような2価の芳香族基Arとしては、例えば、下記
式で示されるものが挙げられる。
子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のア
ルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキル基
またはフェニル基であって、m及びnは1〜4の整数
で、mが2〜4の場合には各R7はそれぞれ同一でも異
なるものであってもよいし、nが2〜4の場合には各R
8はそれぞれ同一でも異なるものであってもよい。) さらに、2価の芳香族基Arは、−Ar1 −Z−Ar2
−で示されるものであっても良い(式中、Ar1 、Ar
2 は前述の通りで、Zは単結合又は−O−、−CO−、
−S−、−SO2 −、−SO−、−COO−、−CON
(R1 )−などの2価の基を表す。ただし、R1 は前述
のとおりである。) このような2価の芳香族基Arとしては、例えば、下記
式で示されるものが挙げられる。
のとおりである。) 本発明で用いられる芳香族ジヒドロキシ化合物は、単一
種類でも2種類以上でもかまわない。芳香族ジヒドロキ
シ化合物の代表的な例としてはビスフェノールAが挙げ
られ、芳香族ジヒドロキシ化合物として85モル%以上
の割合で使用することが好ましい。また、これら芳香族
ジヒドロキシ化合物は、塩素原子とアルカリまたはアル
カリ土類金属の含有量が少ない方が好ましく、出来れば
実質的に含有していないことが好ましい。
記式で表される。
す。) Ar3 及びAr4 は、1価の炭素環式又は複素環式芳香
族基を表すが、このAr3 、Ar4 において、1つ以上
の水素原子が、反応に悪影響を及ぼさない他の置換基、
例えば、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10
のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル
基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基などに
よって置換されたものであっても良い。Ar3 、Ar4
は同じものであっても良いし、異なるものであっても良
い。1価の芳香族基Ar3 及びAr4 の代表例として
は、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ピリジル
基を挙げることができる。これらは、上述の1種以上の
置換基で置換されたものでも良い。
ぞれ例えば、下記式で示される基が挙げられる。
記式で示される置換または非置換のジフェニルカーボネ
ート類を挙げることができる。
1〜10を有するアルキル基、炭素数1〜10を有する
アルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキル
基又はフェニル基を示し、p及びqは1〜5の整数であ
り、pが2以上の場合には各R9 はそれぞれ異なるもの
であっても良いし、qが2以上の場合には各R10はそれ
ぞれ異なるものであっても良い。)
ジフェニルカーボネートや、ジトリルカーボネート、ジ
−t−ブチルフェニルカーボネートのような低級アルキ
ル置換ジフェニルカーボネートなどの対称型ジアリール
カーボネートが好ましいが、特にジフェニルカーボネー
トが好適である。これらの炭酸ジエステル類は単独で用
いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
また、これら炭酸ジエステル類は、塩素原子とアルカリ
またはアルカリ土類金属の含有量が少ない方が好まし
く、出来れば実質的に含有していないことが好ましい。
ルとの使用割合(仕込比率)は、用いられる芳香族ジヒ
ドロキシ化合物と炭酸ジエステルの種類や、目標とする
分子量や水酸基末端比率、重合条件等によって異なり特
に限定されない。炭酸ジエステルは芳香族ジヒドロキシ
化合物1モルに対して、通常0.9〜2.5モル、好ま
しくは0.95〜2.0モル、より好ましくは0.98
〜1.5モルの割合で用いられる。また、本発明におい
ては、末端変換や分子量調節のために芳香族モノヒドロ
キシ化合物を併用してもよい。
記化合物を触媒の存在もしくは非存在下で、減圧下もし
くは/及び不活性ガスフロー下で加熱しながら溶融状態
でエステル交換反応にて重縮合する方法をいい、その重
合方法、装置等には制限はない。例えば、攪拌槽型反応
器、薄膜反応器、遠心式薄膜蒸発反応器、表面更新型二
軸混練反応器、二軸横型攪拌反応器、濡れ壁式反応器、
自由落下させながら重合する多孔板型反応器、ワイヤー
に沿わせて落下させながら重合するワイヤー付き多孔板
型反応器等を用い、これらを単独もしくは組み合わせる
ことで容易に製造できる。また、溶融状態でエステル交
換反応を行いプレポリマーを製造した後、固相状態で減
圧下及び/又は不活性ガスフロー下で重合度を高める固
相重合法でも製造できる。
質的に塩素原子を含有していない。具体的には、硝酸
銀溶液を用いた電位差滴定法もしくはイオンクロマト法
による塩素イオンの測定方法で塩素イオンが0.5pp
m以下であり、同時に、燃焼法による塩素原子の測定
方法で塩素原子が検出限界の10ppm以下である。好
ましくは、塩素イオンが上記測定法の検出限界以下の
0.1ppm以下であり、同時に、塩素原子が10p
pm以下である。エステル交換法では、上記の方法で実
質的に塩素原子を含有していない芳香族ジヒドロキシ化
合物と炭酸ジエステルとから製造した場合には、他の塩
素を含有する化合物を添加しない限り実質的に塩素原子
を含有しないポリカーボネートを容易に得ることができ
る。
組成物は、上記によって得られたポリカーボネートにお
いて、(a)該ポリカーボネートの重量平均分子量が1
3,000〜18,000であり、(b)該ポリカーボ
ネート中の異種構造の合計量が0.03〜0.30モル
%の範囲にあり、且つ該異種構造の50モル%以上が化
1に示す分岐構造であり、(c)該ポリカーボネート中
に含有するナトリウム量が0.3ppm以下の範囲にあ
り、更に(d)酸性化合物をポリカーボネート100重
量部に対して0.1×10-4〜10×10-4重量部を含
有していることを特徴としている。
0〜17,000の範囲である。上記範囲より重量平均
分子量が大きい場合には、流動性が悪くDVD等の高密
度情報基板が成形できない。上記範囲より小さい場合に
は、情報基板の機械的強度が低くなり好ましくない。本
発明の重量平均分子量の測定は、GPCを用いて行い測
定条件は下記の方法によった。テトラヒドロフラン溶
媒、ポリスチレンゲルを使用し、標準単分散ポリスチレ
ンの構成曲線から下式による換算分子量較正曲線を用い
て求めた。 MPC=0.3591MPS 1.0388 (MPCはポリカーボネートの分子量、MPSはポリスチレ
ンの分子量である。)本発明ポリカーボネート組成物に
おいて、該ポリカーボネート中の異種構造の量は、該ポ
リカーボネートを構成する芳香族ジヒドロキシ化合物由
来の繰り返し主鎖構造単位に対して、0.03〜0.3
0モル%の範囲にあり、且つ該異種構造の50モル%以
上が下記式(1)に示す分岐構造である。芳香族ジヒド
ロキシ化合物としてビスフェノールAを用いた場合に
は、下記式(2)の分岐構造を全異種構造量に対して、
50モル%以上含有することが好ましい。
0.25モル%の範囲であり、特に好ましくは、0.0
5〜0.20モル%の範囲である。上記範囲より少ない
場合には流動性の改善効果が小さく本発明の低温成形の
効果が発現しない。また、上記範囲より多い場合には流
動性は改善されるものも、基板としての機械的強度の低
下や湿熱テストにおいて光学的欠陥が発生して好ましく
ない。本発明において、異種構造とは主鎖が原料として
使用した芳香族ジヒドロキシ化合物から形成される直鎖
状の結合に対して、ポリカーボネート製造過程で自然発
生的に生成した構造や、予め分岐結合等の異種結合を導
入する目的で添加した3官能以上の化合物に示す構造を
いう。自然発生的に生成する異種構造としては、例え
ば、次の構造式に示される構造があるが、これらに特に
限定されない。
ノールAを用いた場合には、次の構造式に示される構造
が挙げられる。
る3官能以上の化合物としては、フェノール性水酸基ま
たはカルボキシル基を有する化合物が挙げられ、例え
ば、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エ
タン、2,2’,2”−トリス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ジイソプロピルベンゼン、α、α’,α”−トリス
(4−ヒドロキシフェニル)トリイソプロピルベンゼ
ン、フロログリシン、4,6−ジメチル−2,4,6−
トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン−2、1,
3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾール、
2,2’−ビス−[4,4−(4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニル)シクロヘキシル]プロパン、トリメリット
酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、ピロメリッ
ト酸等が挙げられる。
種構造を定量する方法は、該ポリカーボネートを完全加
水分解して、逆相液体クロマトグラフィーを用いて定量
した。ポリカーボネートの加水分解はPolymer Degradat
ion and Stability 45(1994),127〜137 に記載されてい
るような常温での加水分解法が、操作が容易で分解過程
での副反応もなく、完全にポリカーボネートを加水分解
できるので好ましく、本発明においては室温(25℃)
で行った。
付与する方法としては、ポリカーボネートをエステル交
換法で製造する際に、通常実施されているように3官能
化合物や多官能化合物を添加して分岐構造を導入する方
法や、3官能化合物や多官能化合物を添加することな
く、重合温度、触媒、滞留時間等の製造条件を選択する
ことで、重合過程で分岐構造を自然発生させてポリカー
ボネート中に導入する方法、及び両者を併用する方法が
挙げられる。本発明においては、製造条件を制御するこ
とで重合過程で自然発生させて導入させる方法が、湿熱
テストにおいて光学的欠陥の発生が少なく、機械的特性
と低温成形性のバランスに優れた組成物が容易に得られ
る為に好ましく用いられる。一般的にエステル交換法で
は、ビスフェノールAポリカーボネートがアルカリの作
用をうけてKolbe-Schmitt 反応に類似した反応によって
次の式に示す構造が生成することが知られているが、反
応条件を制御することで、前記式(2)で示す分岐構造
を全分岐構造に対して50モル%以上含有するように制
御して製造されたポリカーボネートが好ましい。
法としては、特に限定されないが、国際公開出願特許W
O97−32916号公開パンフレットに記載の製法条
件が好ましい。上記範囲より少ない場合には、低温成形
性の改善効果が小さいだけでなく、湿熱テストでの光学
的欠陥が増加して好ましくない。本発明ではポリカーボ
ネート中に含有されるナトリウムの量が0.3ppm以
下の量であることが必要である。好ましくは0.001
〜0.2ppmの範囲であり、特に好ましくは0.00
3〜0.16ppmの範囲である。上記範囲より多い場
合は成形加工中の滞留安定性が低下して好ましくない。
pKa5以下の化合物をいい、特に限定はされない。例
えば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、ホ
ウ酸等の無機酸類、アジピン酸、クエン酸、酢酸等の有
機酸類、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸
等のスルホン酸類、ベンゼンスルホン酸エチル、p−ト
ルエンスルホン酸ブチル等のスルホン酸エステル類等が
挙げられる。これらの中で特に、リン酸、クエン酸、ス
ルホン酸エステル類が好ましく使用される。本発明にお
いて、酸性化合物の使用量はポリカーボネート100重
量部に対して0.1×10-4〜100×10-4重量部の
範囲である。好ましくは0.4×10-4〜50×10-4
重量部の範囲であり、特に好ましくは0.8×10-4〜
20×10-4重量部の範囲である。上記範囲より少ない
場合及び多い場合には、湿熱テスト時の微小光学欠陥が
発生して好ましくない。
は、全末端基に占めるヒドロキシル末端比率が5〜50
モル%の範囲であることが好ましい。好ましくは10〜
40モル%の範囲であり、特に好ましくは15〜30モ
ル%の範囲である。上記範囲より小さい場合には、均一
な品質の情報基板が得られにくい傾向にあり、上記範囲
より大きい場合には高温成形時の安定性が低下する傾向
にある。フェノール性水酸基末端量の測定方法は、一般
にNMRを用いて測定する方法や、チタン法や、UVも
しくはIR法で求める方法が知られているが、本発明に
おいては、酢酸酸性塩化メチレンに溶解し、四塩化チタ
ンを加え、生成した赤色錯体を波長546nmの照射光
で測光定量する方法(チタン法)で求めた。
定剤、酸化防止剤、耐候剤、紫外線吸収剤、離型剤、滑
剤、帯電防止剤、可塑剤等を添加して用いても良い。更
に、これら添加剤等は、重合終了後のポリカーボネート
系樹脂が溶融状態の間に添加してもよいし、ポリカーボ
ネートを一旦ペレタイズした後、添加剤を添加再溶融混
練してもよい。本発明の光情報基板用ポリカーボネート
組成物から光情報基板に成形する方法については特に限
定されず、一般に使用されている光ディスク用射出成形
機が使用できる。
を更に詳細に説明する。なお、本発明は実施例などによ
り限定されるものではない。また、各項目の評価は以下
の方法で測定した。 重量平均分子量:GPCを用いて行い、測定条件は
下記の方法によった。テトラヒドロフラン溶媒、ポリス
チレンゲルを使用し、標準単分散ポリスチレンの構成曲
線から下式による換算分子量較正曲線を用いて求めた。 MPC=0.3591MPS 1.0388 (MPCはポリカーボネートの分子量、MPSはポリスチレ
ンの分子量である。)
55mgをテトラヒドロフラン2mlに溶解した後、5
規定の水酸化カリウムメタノール溶液を0.5ml添加
し、25℃で2時間攪拌して完全に加水分解した。その
後、濃塩酸0.3mlを加え、逆相液体クロマトグラフ
ィーで測定した。逆相液体クロマトグラフィーは、In
ertsil ODS−3カラム(登録商標:GLサイ
エンス社)、溶離液としてメタノールと0.1%リン酸
水溶液からなる混合溶離液を用い、メタノール/0.1
%リン酸水溶液比率を20/80からスタートし100
/0までグラジエントする条件下で測定し、検出は波長
300nmのUV検出器を用いて行い、標準物質の吸光
係数から定量した。
0.4gを塩化メチレン50mlに溶解した。該溶液1
0mlを50mlサンプル瓶に分取し、塩化メチレン1
2mlを加え良く混合した後、四塩化チタン2ml、酢
酸1mlを加え、サンプル瓶を振り攪拌した。該溶液の
波長546nmの吸収強度を分光光度計(島津社製スペ
クトロフォトメーターMPS−2000)を用いて、水
酸基末端量を測定した。但し、吸湿を避けるために測定
は全て窒素下で行った。水酸基末端比率はGPCで測定
した数平均分子量を用いて計算した。
製光ディスク用射出成形機(J35EL II−DK)を用いて、
成形温度370℃、金型温度120℃で厚さ0.6mmの
DVD基板の成形を行った。複屈折及び転写性の評価
は、Dr. schenk社製PROmeteus を用いて行った。複屈折
はディスクの半径方向で測定した最大値と最小値との差
(nm)を示し、転写性はディスク中心から50mm位
置の測定値を用いて金型のグループ深さを基準にして計
算した。
DVD−RAMディスク基板3枚を用いて、110℃×
90RH%×150時間の湿熱テストを行った。評価
は、ディスク3枚中に発生した200μm以上の光学欠
陥と200μm以下の微小光学欠陥の数を数えた。な
お、光学的欠陥は拡大レンズを用いて目視で評価した。 基板強度:上記370℃で成形したDVDディスク
基板を用いて、支点間距離40mm、速度2mm/秒で曲
げ試験を行った。曲げ強さが降伏点に到達するまでにD
VDディスクが割れた場合を×、割れなかった場合を○
として評価した。
ネートを酸素プラズマアッシュアーにて低温灰化した
後、フレームレス原子吸光法にて測定した。 成形機内滞留安定性の評価:日本製鋼所製光ディス
ク用射出成形機(J35EL II−DK)を用いて、成形温度3
70℃、金型温度120℃で厚さ0.6mmのDVD基
板を50枚成形した後成形を中断して、10分間成形機
内に樹脂を滞留させた。その後、成形を開始してDVD
基板を得た。成形を中断する直前10枚の平均色調と成
形再開後の最も着色の大きいDVD基板の色調をCIE
LAB法で測定し、両者の色差△Eを求めた。
フェニルカーボネートとからエステル交換法で重合条件
を変えることで分子量、異種構造量、水酸基末端比率、
ナトリウム含有量及び酸性化合物として用いたp−トル
エンスルホン酸ブチル量の異なる表1記載のポリカーボ
ネート組成物を製造した。該ポリカーボネート組成物を
用いてDVD基板を成形し、特性評価を行った。その結
果を表2に示す。実施例1及び2のポリカーボネート組
成物は、370℃でも良好な成形性を有していることか
ら、100%の転写性を示すとともに、良好な基板特性
(複屈折、湿熱テスト、基板強度)有していた。一方、
本願範囲外の比較例は、全ての基板特性を満足するもの
は得られていない。
光情報基板用ポリカーボネート組成物は、通常のエステ
ル交換法ポリカーボネートでは成形できなかったDVD
−RAMのような記録密度の高い光情報基板を良好に得
ることが出来る。また、得られた基板の特性も優れてい
ることから、光学情報基材として好適に使用できる。
Claims (4)
- 【請求項1】 芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエス
テルとからエステル交換法にて製造された実質的に塩素
原子を含まないポリカーボネートにおいて、(a)該ポ
リカーボネートの重量平均分子量が13,000〜1
8,000であり、(b)該ポリカーボネート中の異種
構造の合計量が0.03〜0.30モル%の範囲にあ
り、且つ該異種構造の50モル%以上が下記式(1)に
示す分岐構造であり、(c)該ポリカーボネート中に含
有するナトリウム量が0.3ppm以下の範囲にあり、
更に(d)酸性化合物をポリカーボネート100重量部
に対して0.1×10-4〜100×10-4重量部含有し
ていることを特徴とする光学情報基材用ポリカーボネー
ト組成物。 【化1】 (式中、Ar’は二価の芳香族残基Arから誘導される
三価の芳香族残基を示す。) - 【請求項2】 該ポリカーボネートの全末端基に占める
水酸基末端比率が5〜50モル%の範囲であることを特
徴とする請求項1記載の光学情報基材用ポリカーボネー
ト組成物。 - 【請求項3】 芳香族ジヒドロキシ化合物の85モル%
以上がビスフェノールAであり、異種構造の50%モル
以上が下記式(2)に示す構造単位であることを特徴と
する請求項1又は2記載の光学情報基材用ポリカーボネ
ート組成物。 【化2】 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の光学情
報基材用ポリカーボネート組成物からなる光学情報基
材。
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