JP2000329511A - データグローブ及びこれを用いた形状認識方法 - Google Patents

データグローブ及びこれを用いた形状認識方法

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JP2000329511A
JP2000329511A JP13878299A JP13878299A JP2000329511A JP 2000329511 A JP2000329511 A JP 2000329511A JP 13878299 A JP13878299 A JP 13878299A JP 13878299 A JP13878299 A JP 13878299A JP 2000329511 A JP2000329511 A JP 2000329511A
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data glove
pressure
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Takeshi Hayakawa
健 早川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人体の手又は手を模倣したハンド構造に装着
して手部や指部の状態を把握するデータグローブにおい
て構成の簡単化及び低コスト化を図る。 【解決手段】 データグローブを、人体の手又は手を模
倣したハンド構造に装着して手部や指部の表面形状又は
動作のデータを取得する。そのために、手部や指部の屈
曲状態を抵抗値の変化として検出するための抵抗パター
ン1cを、電気絶縁材料で形成されるデータグローブの
基材Gに形成しておき、手部や指部の関節が屈曲された
ときの抵抗パターン1cの長さ変化(ΔL)に伴う抵抗
値変化(ΔR)を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人体の手指の表面
形状や動作あるいは人体の手や指を模倣して作成したマ
ニピュレータやロボットハンドの動作等をデータとして
取得するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】仮想現実(バーチャルリアリティ)や遠
隔現実(テレリアリティ)等の分野では、コンピュータ
によって創出される仮想空間(あるいは仮想世界)や操
作者からは隔絶した遠隔世界(あるいは遠隔環境や微小
世界等)に、操作者を模擬した人物像、あるいは架空の
人物像を動画処理で現出させるにあたって、当該人物の
モデルとなる現実の人体や体の一部の形状あるいはその
動きをコンピュータ処理に適した情報として取得するた
めの入力装置(所謂モーションキャプチャー)が知られ
ている。例えば、人体の形状や動きの認識方法には、光
学的、磁気的な検出手段を用いた方法や、人体に付設さ
れる外骨格構造と位置や動きの検出手段(ポテンシオメ
ーター等)を用いた方法等が知られている。
【0003】ところで、人間の手あるいは手の構造をま
ねたマニピュレータ等のように複雑な関節構造をもった
対象について使用する入力装置には、例えば、指の動作
に係るデータを取得するために手にはめて使用できるよ
うに構成したデータグローブが知られており、光学式や
圧電式の素子等が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
装置では、手部や指部の関節について屈曲状態を検出す
るために、多数の圧電素子等をデータグローブ上に配置
すると大掛かりな装置になってしまうため、低コスト化
に支障を来すという問題がある。
【0005】そこで、本発明は、人体の手又は手を模倣
したハンド構造に装着して手部や指部の状態を把握する
データグローブにおいて構成の簡単化及び低コスト化を
図ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るデータグロ
ーブは上記した課題を解決するために、手部や指部の屈
曲状態を抵抗値の変化として検出するための抵抗パター
ンを、電気絶縁材料で形成されるデータグローブの基材
に形成するとともに、手部や指部の関節が屈曲されたと
きの抵抗パターンの長さ変化に伴う抵抗パターンの抵抗
値変化を検出するように構成したものである。
【0007】従って、本発明によれば、手部や指部の関
節が屈曲されたときの抵抗パターンの長さ変化に伴う抵
抗値変化を検出することによって関節の屈曲状態を容易
に把握することができ、しかも、そのためにデータグロ
ーブの構造が複雑化することもないのでコストの低減を
図ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は人体の手又は手を模倣し
たハンド構造に装着して手部や指部の形状又は動作のデ
ータを取得するためのデータグローブ及びこれを用いた
形状認識方法に関するものであるが、本発明では下記に
示す方法を採用している。
【0009】(I)手部や指部の屈曲状態についての検
出法=抵抗パターン(あるいは抵抗体パターン)の長さ
変化に伴う抵抗値変化によって把握する方法 (II)手部や指部の温度や圧力の検出法=温度検出に
は感熱(温)性材料の抵抗値変化を利用し、圧力検出に
は感圧性材料の静電容量の変化を利用した方法。
【0010】先ず、(I)について図1乃至図3に従っ
てその検出原理を説明する。
【0011】図1は関節の屈曲に付随した抵抗パターン
の抵抗値変化を検出するための検出素子1の基本構造を
示すものである。
【0012】検出素子1(あるいは検出用シート)は、
電気絶縁材料で形成された絶縁シート1a(あるいは絶
縁層)の上に複数の抵抗パターン1b、1b、・・・を
形成することによって構成されている。
【0013】そして、同図にX軸及びY軸で示す2次元
直交座標系を設定したときに、各抵抗パターン1bは、
その一端部が絶縁シート1aの右端部からX軸に平行な
方向に沿って延びた後、コ字状(あるいはU字状)に折
れ曲がって再びX軸に平行な方向に延びて絶縁シート1
aの右端部に及んでいる。尚、抵抗パターン1bはこれ
がX軸方向に沿って伸びたときに、その変位量に応じて
抵抗値の変化する材料(カーボン等)を用いて形成され
ている。
【0014】検出素子1′(図1の下方に示す。)は、
上記検出素子1と構造的には全く同じものであるが、そ
の方位を検出素子1に対して90°回転させたものであ
る。つまり、絶縁シート1aの上に形成された複数の抵
抗パターン1b′、1b′、・・・は、その一端部が絶
縁シート1aの上端部からY軸に平行な方向に沿って延
びた後、コ字状(あるいはU字状)に折れ曲がって再び
Y軸に平行な方向に延びて絶縁シート1aの上端部に及
んでいる。尚、抵抗パターン1b′の材料については抵
抗パターン1bの材料と同じものを用いることができ、
当該パターンがY軸方向に沿って伸びたときに、その変
位量に応じて抵抗値が変化する。
【0015】しかして、上記検出素子1と1′とを組み
合せて(但し、抵抗パターン1bと1b′とが接触しな
いように電気的に絶縁する。)、これを1セットの検出
素子とした場合には、X軸方向への伸びに対する各抵抗
パターン1bの抵抗値変化から、どの程度の形状変化
(X軸方向の変位成分)が起きたかを知ることができ、
また、Y軸方向への伸びに対する各抵抗パターン1b′
の抵抗値変化からどの程度の形状変化(Y軸方向の変位
成分)が起きたかを知ることができる。
【0016】図2は指部の屈曲状態を検出するためにグ
ローブの基材G(絶縁材料で形成されている。)に上記
と同様の抵抗パターン1cを形成した構成例を示してい
る。
【0017】コ字状をした抵抗パターン1cは指の背面
における長手方向に沿って延びており、「L」が自然長
を示し、「R」はそのときの抵抗値を示している。
【0018】図3に示すように、手にグローブをはめて
指を曲げた場合には、上記抵抗パターン1cが指の屈曲
によって伸び(伸び量を「ΔL」とする。但し、ΔL>
0)、これによって抵抗値Rが「R+ΔR」(ΔRは正
又は負値)に変化する。つまり、この例では、DIP関
節(Distal Phalangeal join
t:遠位指節間関節、つまり第2乃至第5指において最
も先端に位置した関節)や、PIP関節(Proxim
al Phalangeal joint:近位指節間
関節、つまり第2乃至第5指において先端から2番目に
位置した関節)の屈曲に対応した抵抗パターン1cの長
さの変化(図の小円参照。)に伴って抵抗値変化ΔRが
生じることになる。
【0019】このように、上記(I)では、手部や指部
の屈曲状態を抵抗値の変化として検出するための抵抗パ
ターンが、電気絶縁材料で形成されるデータグローブの
基材に形成されており、手部や指部の関節が屈曲された
ときに上記抵抗パターンの長さが変化し、かつこのとき
に当該抵抗パターンの抵抗値が変化することを利用して
関節の屈曲状態を検出することができる。尚、抵抗パタ
ーンの長さ「L」が屈曲状態の如何に応じては変化せず
に(ΔL≒0)、このときの抵抗値だけが変化する材料
を使用した場合には、屈曲・伸展の繰り返しに伴うスト
レスの影響が経時変化として問題となるので、上記のよ
うに抵抗パターンの長さ変化に伴って抵抗値が変化する
材料を用いることが望ましい。
【0020】また、上記(II)については、温度検出
と圧力検出とを同じ構造(但し、検出のための使用材料
は異なる。)で実現することが、薄形化や低コスト化等
の観点から好ましい。
【0021】図4及び図5は、検出素子1A(あるいは
検出用シート)の基本構成を示す説明図である。
【0022】検出素子1Aは、平面や曲面に付設して当
該面上での局部的な温度又は圧力を検出するのに適した
構造を有しており、複数のシート状部材、例えば、一対
のシート状部材2、2′を具備している。
【0023】図5の概略的な断面図に示すように、各シ
ート状部材2(2′)は、可撓性を有する基材3と、該
基材3上に形成された平行な電極群4と、該電極群4を
被覆する感熱(温)性材料又は感圧性材料5とによって
構成されている。
【0024】そして、シート状部材2、2′は、それら
の基材3のうち電極群4が形成された面が互いに向かい
合うように配置され、かつ、図6に実線で示すように、
基材3に直交する方向(つまり、電極形成面の法線方
向)から見た場合に、互いの電極群4が直交した関係を
有するマトリックス配置(あるは格子状配置)とされて
いる。つまり、一方のシート状部材2上の電極群4が行
電極群を形成し、他方のシート部材2′上の電極群4が
列電極群を形成しており、「i」、「j」を整数変数と
するとき第i行第j列の指定によって該当する交点位置
付近(図の「領域AR」参照。)での温度や圧力の検出
を行うことができる。
【0025】尚、電極群の配置については、図6に破線
で示すように、電極群4′が互いに所定の角度(例え
ば、60°)をもって交差した配置(斜交配置)とされ
ていても何等構わない。これは配線処理の都合によって
は直交配置を採用することが困難な状況が生じるためで
ある。また、図4、図5に示す構成に限らず、シート状
部材の基材間に電極群及び感熱性又は感圧性の材料を多
層に亘って形成した構成を用いても良い。
【0026】図7はフィルム上に電極群を形成した一対
のシート状部材を組み合せた構成例6を示したものであ
り、中央に行電極シート7を示すとともに、その断面構
造を左側に図示しており、行電極シート7の右側に列電
極シート8を示している。
【0027】行電極シート7では、ポリエステル等のフ
ィルム9を基材としており、その上に互いに平行な電極
10、10、・・・が形成されている。これらの電極に
対する被覆材11、11、・・・としては、感熱(温)
性材料の場合に、例えば、マンガン(Mn)やニッケル
(Ni)等を混合して作られる熱反応性の材料(サーミ
スタの構成材料)が用いられる。また、感圧性材料の場
合には、例えば、伸縮性を有する感圧性の導電性ゴムや
圧電材料が挙げられる。導電性ゴムとしては、ゴム中に
金属粉や炭素繊維等の導電性物質を分散させた感圧導電
ゴムが挙げられ、また、圧電材料としては、圧電性の高
分子材料(フッ化ビニリデン等)、比誘電率ポリマー等
が挙げられる。
【0028】尚、列電極シート8については、行電極シ
ート7と全く同じ構造をしており、ただ電極の方向を上
記電極10、10、・・・に対して直交する方向に選ん
でいるだけである。
【0029】図8はフィルム上に絶縁膜を形成した後
で、その上に電極群を形成した一対のシート状部材を組
み合せた構成例6Aを示したものであり、中央に行電極
シート7Aを示すとともに、その断面構造を左側に図示
しており、行電極シート7Aの右側に列電極シート8A
を示している。
【0030】行電極シート7Aの基材は、ポリエステル
等のフィルム9A上に電気絶縁膜12(例えば、絶縁性
のシリコーン、高分子ゲル等)を形成した構造を有して
おり、電極シート7Aと8Aとを互いに貼り合わせた後
では、基材からフィルム9Aが除去されるようになって
いる。
【0031】また、電気絶縁膜12上に形成される電極
10A、10A、・・・は導電性ポリマーを用いて形成
され、これらの電極は、伸縮性を有する感熱性又は感圧
性の反応膜11A、11A、・・・で被覆されている。
例えば、熱反応膜を形成する場合には、例えば、マンガ
ンやニッケル等を混合して作った熱反応性の材料をシリ
コーンゴムに混入した材料が使用される。
【0032】尚、列電極シート8Aについては、行電極
シート7Aと全く同じ構造をしているのでその説明を省
略する。
【0033】上記した例では、電極群が感熱(温)性材
料又は感圧性材料の被覆によって分離された構成となっ
ているが、電極と電極との間及び感熱(又は感圧)性材
料の隙間に電気絶縁性のポリマーを設けた構成を用いて
も良い。これは、熱や圧力を加えたときに電極や感熱性
(又は感圧性)材料等の保持を確実にするためである。
【0034】図9は絶縁膜が電極同士の間及び反応膜同
士の間に介在された一対のシート状部材を組み合せた構
成例6Bを示したものであり、中央に行電極シート7B
を示すとともに、その断面構造を左側に図示しており、
行電極シート7Bの右側に列電極シート8Bを示してい
る。
【0035】行電極シート7Bにおいて、フィルム9A
上に形成される電気絶縁膜12Aの上には導電性ポリマ
ー製の電極10B、10B、・・・が形成されており、
これらの間に電気絶縁膜12B、12B、・・・が介在
されることによって各電極が絶縁分離されている。そし
て、電極のうち電気絶縁膜12Aや12Bで覆われてい
ない方の面(図ではフィルム9Aに対して反対側の面)
が、伸縮性を有する感熱性又は感圧性の反応膜11B、
11B、・・・によって各別に覆われており、これらの
間に電気絶縁膜12C、12C、・・・が設けられてい
る。
【0036】尚、列電極シート8Bについては、行電極
シート7Bと全く同じ構造をしているのでその説明を省
略する。
【0037】上記の例では行電極シート及び列電極シー
トのいずれについても電極群を覆う反応膜が設けられた
が、電極群の被覆を一方の電極シートにのみ行う構成を
採用することによって厚みを薄くすることができる。つ
まり、互い対向するシート状部材のうち、一方のシート
状部材に形成された電極群が感熱性材料又は感圧性材料
によって被覆され、他方のシート状部材に形成された電
極群は感熱性材料又は感圧性材料によって被覆されない
ように構成する。
【0038】図10はそのような構成例6Cを示したも
のであり、中央に行電極シート7Bを示すとともに、そ
の断面構造を左側に図示しており、行電極シート7Bの
右側に列電極シート8Cを示し、列電極シート8Cの下
方にその断面構造を示している。
【0039】行電極シート7Bの構造については上記の
通りであり、電極群10B、10B、・・・の表面に伸
縮性の反応膜11B、11B、・・・が形成されてい
る。
【0040】これに対して、列電極シート8Cは、ポリ
エステル等のフィルム9A上に電気絶縁膜12Aが形成
された基材を有し、該電気絶縁膜12Aに電極10C、
10C、・・・が形成されている。そして、これらの電
極の間に電気絶縁膜12B、12B、・・・ が介在さ
れることで各電極の絶縁分離が施されている。
【0041】各電極10Cのうち、電気絶縁膜12Aや
12Bで覆われていない面が露出しており、この面には
感熱性材料又は感圧性材料による被覆が施されていな
い。
【0042】つまり、行電極シート7Bと列電極シート
8Cとを組み合せたときには、行電極シート7B側の反
応膜11Bが列電極シート8Cの各電極10Cに密着す
ることによって、両シートの間で反応膜11Bが兼用さ
れる。
【0043】また、上記の例では、反応膜を電極群の形
成方向、つまり、行方向や列方向に沿って連続的に形成
したが、これらを電極群に対して部分的に形成すること
も可能である。即ち、互い対向するシート状部材のう
ち、基材に直交する方向から見たときに各電極が交差す
る場所においてのみ、電極が反応膜によって被覆される
構成を用いることができ、これによって材料の削減を図
ることができる。
【0044】図11はそのような構成例6Dを示したも
のであり、中央に行電極シート7Cを示すとともに、そ
の断面構造を左側に図示しており、行電極シート7Cの
右側に列電極シート8Cを示し、列電極シート8Cの下
方にその断面構造を示している。
【0045】行電極シート7Cでは、中央の図から分か
るように、電極10B、10B、・・・を覆う伸縮性の
反応膜11C、11C、・・・が互いに分離して配置さ
れている。つまり、ポリエステル等のフィルム9A上に
電気絶縁膜12Aが形成され、これに電極10B、10
B、・・・が形成されており、各電極がこれらの間に介
在する電気絶縁膜12Bによって分離されている。そし
て、各電極10Bのうち電気絶縁膜12Aや12Bで覆
われていない面には伸縮性の反応膜11Cが形成されて
いるが、各反応膜11Cはシートに直交する方向から見
てほぼ四角形の形状を有しており、それらが電気絶縁膜
12Cによって仕切られた構造となっている。
【0046】また、他方の列電極シート8Cについて
は、上記したように電極10Cに対する反応膜の被覆が
施されていない。
【0047】よって、行電極シート7Cと列電極シート
8Cとを組み合せたときには、行電極シート7Cにおい
て電気絶縁膜12Cで分離された各反応膜11Cが列電
極シート8Cの各電極10Cに密着することによって、
当該反応膜11Cを両シートの間で兼用した構成とな
る。
【0048】しかして、上記した構成を温度検出に使用
する際には、基材を構成するフィルム又は電気絶縁膜を
グローブの基材として形成するとともに、このグローブ
を手にはめて計測対象に接触させる。つまり、対象の面
形状に合せてグローブを変形させることで測定対象面に
密着させる。
【0049】そして、行電極シート及び列電極シートの
うちの所望の電極、つまり、整数変数i、jを指標とし
て導入した場合に、第i行第j列に相当する電極(行電
極シートのi番目の電極及び列電極シートのj番目の電
極)を選択することによって、電極の交点付近における
温度に応じた感熱性材料の電気抵抗値の変化を検出する
ことができる。即ち、行電極シートにおけるi番目の電
極と列電極シートにおけるj番目の電極との間の抵抗値
Rがその場所での温度Tの関数となるので、抵抗値Rの
検出から逆に温度Tに係る情報を得ることができる。こ
のようにして第i行第j列の検出データについてのマト
リックス処理によって所望の位置での局部的な温度や対
象範囲を特定した温度分布データを取得することができ
る(例えば、1≦i≦N、1≦j≦M(N、Mは自然
数)とすると、温度データとしてN行M列の行列が得ら
れるが、そのうちの特定の範囲を選択して平均温度や分
散、偏差等を算出することができる。)。
【0050】尚、電極群に対して被覆される感熱性材料
(又は感圧性材料)は面的な広がりを有するため、局部
的な温度や圧力の検出といっても数学的に厳密な意味で
の「点」における検出を意味する訳ではない。そこで、
基材に直交する方向から見たときに各シート状部材の電
極が交差するそれぞれの点を中心とした多数の六角形状
領域(セル)によって温度(又は圧力)検出領域を構成
する。これによって、例えば、人体の表面のように、一
般に不定曲面あるいは自由曲面とされる対象面について
温度や圧力の検出を行う場合には、これに伴う電極の伸
びが各六角形状領域によってそれぞれ均等に分散して吸
収されることで、検出の偏りや検出誤差が生じるのを防
ぐことができる。
【0051】図12はそのような領域区分の仕方を概念
的に示したものであり、「1」乃至「5」の数字を付し
て示す横線hl、hl、・・・が行電極シートにおける
各電極(行電極)を表しており、また、「A」乃至
「I」の記号を付して示す縦線vl、vl、・・・が列
電極シートにおける各電極(列電極)を表している。
【0052】図中に破線で示す六角形状領域k、k、・
・・が温度(又は圧力)の検出領域をそれぞれ示してお
り、行電極と列電極とのマトリックス配置において、各
格子点が六角形領域kをそれぞれ代表する検出ポイント
とされる。例えば、図12(A)において「1」乃至
「3」の数字を付した行電極と「B」乃至「D」の記号
を付した列電極とによって囲まれた範囲内に位置する六
角形状領域については、その中心に位置する「2」行
「C」列の検出ポイントが当該領域を代表する。
【0053】尚、図12(A)では「1」、「3」、
「5」の行電極と「B」、「D」、「F」、「H」の列
電極との交点位置や、「2」、「4」の行電極と
「A」、「C」、「E」、「G」、「I」の列電極との
交点位置を中心とする六角形状領域を例示しているが、
破線で示す六角形状領域を行方向又は列方向に単位ピッ
チ分ずらしてみれば容易に分かるように(図12(B)
参照。)、「1」、「3」、「5」の行電極と「A」、
「C」、「E」、「G」、「I」の列電極との交点位置
や、「2」、「4」の行電極と「B」、「D」、
「F」、「H」の列電極との交点位置を中心とする六角
形状領域が同時に構成されており、各交点がそれぞれの
領域を代表している。
【0054】上記した構成を圧力検出に使用する際に
は、基材を構成するフィルム又は電気絶縁膜をグローブ
の基材として形成するとともに、このグローブを手には
めて計測対象に接触させる(つまり、対象の面形状に合
せてグローブを変形させることで測定対象面に密着させ
る。)。
【0055】そして、行電極シート及び列電極シートの
うちの所望の電極、つまり、整数変数i、jについて第
i行第j列に相当する電極(行電極シートのi番目の電
極及び列電極シートのj番目の電極)を選択する。該電
極の交点付近における圧力に応じて感圧性材料が圧迫さ
れると、その静電容量の変化を検出することができる。
即ち、行電極シートにおけるi番目の電極と列電極シー
トにおけるj番目の電極との間にコンデンサが形成さ
れ、その等価静電容量値Cがその場所での圧力Pの関数
となるので、等価静電容量値Cから逆算して圧力Pに係
る情報を得ることができる。このようにして第i行第j
列の検出データについてのマトリックス処理によって所
望の位置での局部的な圧力や対象範囲を特定した圧力分
布データを取得することができる。
【0056】尚、以上の説明では温度検出と圧力検出と
を分けて説明したため、これらの検出を別個の検出手段
で行うかのように感じられるが、温度検出及び圧力検出
の両者の機能を有する検出手段を一つの検出用シートで
作成することができる。
【0057】図13はそのような装置の断面構造を例示
したものであり、基材13と基材13′との間に複数の
層が挟まれた多層構造となっている。
【0058】例えば、図の大円内に拡大して示すよう
に、A1層はフィルム等の基材13上に形成された絶縁
膜14によって形成されており、その右隣のA2層に
は、導電性ポリマー製の電極15及びその分離用の絶縁
膜16が含まれる。そして、A2層の右隣のA3層に
は、電極15を被覆する感熱性材料又は感圧性材料の形
成部分17及びその分離用の絶縁膜18が含まれてお
り、さらにその右隣にはA2層、A1層がこの順番で繰
り返される。つまり、基材13、13′に対して直交す
る方向において、A1、A2、A3(感熱性材料又は感
圧性材料のいずれかの層を含む)、A2、A1という層
パターン(図では、パターンXの2回以上の繰り返しを
意味する記号、「(X)+=XX・・・」を用いて、当
該層パターンを「(A1A2A3A2)+A1」と表記
している。)が繰り返し現れる。
【0059】例えば、基材13と基材13′との間に、
上記層パーンの繰り返しが2回含まれている場合、つま
り、層パターン「A1A2A3A2A1A2A3A2A
1」が含まれている場合には、2つのA3層のうちの一
方の層には感熱性材料が含まれ、他方の層には感圧性材
料が含まれる。上記層パーンが3回以上に亘って繰り返
される一般の場合には、そのうちのあるA3層には感熱
性材料が含まれ、これとは別のA3層には感圧性材料が
含まれる。
【0060】尚、基材13や13′に近い方のA2層を
感熱性材料の層とすることが熱伝導に係る検出感度の観
点から好ましい。
【0061】また、図13の例ではA2層と次のA2層
との間に絶縁膜14だけのA1層が介在されているが、
図14に示すように、この層をなくす(基材13、1
3′に隣接する層としてのみ形成する。)とともにA2
層の共通化によって、簡易かつ薄い構成を用いることが
できる。つまり、この場合には、基材13に対してA1
層が形成され、図の右方に沿ってA2層、A3層(感熱
性材料又は感圧性材料のいずれかの層を含む)が交互に
繰り返されるパターン(図では、上記した記号を使っ
て、これを「A1(A2A3)+A2A1」と表記して
いる。)を経た後、A1層、基材13′が配置された構
造となる。
【0062】例えば、基材13と基材13′との間に、
上記層パーンの繰り返しが2回含まれている場合、つま
り、層パターン「A1A2A3A2A3A2A1」が含
まれている場合には、2つのA3層のうちの一方の層に
は感熱性材料が含まれ、他方の層には感圧性材料が含ま
れる。上記層パーンが3回以上に亘って繰り返される一
般の場合には、そのうちのあるA3層には感熱性材料が
含まれ、これとは別のA3層には感圧性材料が含まれ
る。
【0063】また、図13や図14では説明及び図示の
便宜上、A2層に含まれる電極の形成方向が常に同じで
あるとしているが、上記したように電極の形成方向は、
例えば、基材13、13′に直交する方向からみて格子
状に延びるマトリックス配置とされるので、A3層を挟
んで互いに反対側に隣接する層A2、A2内に形成され
る電極の形成方向が互いに直交関係となる(つまり、一
方の層内の電極が行電極となり、他方の層内の電極を列
電極となる。)。
【0064】さらに、A3層として感熱性材料又は感圧
性材料以外の他の物理的性質をもった材料を用いて形成
される層を含めても良い。
【0065】このように基材と基材との間に、電極群及
びその被覆材である感熱性材料又は感圧性材料を含む複
数の層を積層して挟み込んだサンドイッチ構造を用いる
ことによって、測定対象面における局部的な温度及び圧
力の検出が可能となる。
【0066】従来の光学式や機械式のモーションキャプ
チャーでは手で触った物体の温度までは予測することが
できなかったが、上記したように、手部や指部の温度や
圧力を検出するための検出部がデータグローブの基材に
形成された構成を採用することによって入手情報の不足
を補うことができる。
【0067】図15は前記した抵抗パターン、圧力や温
度の検出部を兼ね備えたデータグローブの要部構成を概
略的に示したものであり、絶縁材料で形成された図示し
ない基材(図の紙面を基材と考えても良い。)には、コ
字状をした抵抗パターン19(図に斜線を付して示
す。)と、圧力や温度の検出素子部20、20、・・・
(図に丸印で示す。)とが厚み方向に亘って積層された
構造を有している。尚、検出素子部20は上記したよう
に行電極と列電極(これらの電極は抵抗パターン19に
対しても、また電極相互についても接触していない。)
との間に介在される感熱性材料又は感圧性材料によって
構成されており、図13や図14に示したように感熱層
及び感圧層を積層した構成を用いても良いし、また、各
検出素子部20を圧力検出用素子とするか又は温度検出
用素子とするかを平面的なパターン配置として規定する
(例えば、圧力検出用素子と温度検出用素子とを交互に
配置する等)こともできる。
【0068】図15では圧力又は温度検出用の電極パタ
ーンの一部と、抵抗パターン19の一部19aとを共用
した構成(つまり、電極パターンを抵抗パターンとして
兼用した構成)を採用しているが、これによって配線数
を削減することができる。
【0069】図16及び図17はデータグローブ21に
おける検出手段の配置例を概略的に示すものであり、図
16は手の背面側から見たデータグローブを示し、図1
7は掌面から見たデータグローブを示している。
【0070】図16において、データグローブ21のう
ち、斜線を付して示す領域22、22、・・・には上記
した抵抗パターンが形成されている。即ち、指部の屈曲
状態を知るためには、各指部の背面において指の骨に沿
ってコ字状(あるいはU字状)の抵抗パターンを配置す
る必要がある。尚、指部の他に、MP関節(Metac
arpo Phalangeal joint:中手指
節関節、つまり、第2乃至第5指の付け根の関節)に対
応した領域22MP、あるいは手首の関節部に対応した
領域等にも抵抗パターンが形成されている(MP関節や
手首の屈曲状態を検出するため。)。
【0071】尚、破線はデータグローブ21において爪
に対応する部分を示している。
【0072】図17において手首の関節部に対応した側
縁領域、つまり、斜線を付して示す領域22、22にも
抵抗パターンが形成されている。
【0073】掌面のうち白地で示す領域23、23、・
・・には、上記した圧力や温度の検出素子群が配置・形
成されており、また、同図に梨地で示す領域は、圧力や
温度の検出素子群の配線領域(配線パターンの形成領
域)とされ、該領域は掌面のうち手部や指部の周縁近傍
に設けられている。つまり、温度検出部や圧力検出部を
データグローブの掌面全面に亘って設けたのでは配線処
理が難しくなるため、データグローブ21の基材のう
ち、手部や指部の屈曲状態を検出する抵抗パターンや、
圧力検出又は温度検出のための検出部が形成されていな
い場所に、データ出力用の配線パターンを形成すること
により、温度や圧力の検出にとって必要かつ十分な数及
び位置を限定することが好ましい。
【0074】尚、図17において、黒色で示す領域2
4、24、・・・は手や指を曲げたときに圧力が著しく
変化する領域を示している。
【0075】図18はデータグローブのうちのある指部
だけを概略的に示したものであり、上方に示す図が指部
25の背面からみた平面図、その下方の図が指部25の
側面図をそれぞれ示している。
【0076】上側に示す図において設定されたX−Yの
2次元直交座標系については、X軸が指の長手方向に沿
う軸とされ、これに直交して図の上下方向に延びる軸が
Y軸とされている。
【0077】この例において、指部の背面のうちX軸に
平行な方向に沿う領域26には、抵抗パターンと、圧力
や温度の検出部が設けられている。即ち、領域26の右
端からX軸方向に延びる配線27、27は領域26内の
抵抗パターンに接続されており、抵抗パターンの一部が
圧力や温度の検出部の電極パターンにも兼用されている
(図15参照。)。
【0078】領域26の下端からY軸に平行な方向に延
びる多数の配線28、28、・・・は、領域26内の圧
力や温度の検出素子部の電極パターンにそれぞれ各別に
接続されるが、このような配線を同じ面内に形成する
と、図示するように配線の引き回しが複雑となる(∵各
配線は指部から手部の方向に集まって引き出される必要
があり、これによって配線群がデータグローブの側面に
集中してしまうため。)ので、場合によっては配線処理
に必要な領域を確保することが困難な状況に陥ってしま
う虞がある。そこで、このような不都合を回避するため
には、配線を多層構造にして各配線が同一面内で交差し
ないように形成することが望ましい。
【0079】図18の下方に示す図において、指部25
の掌面側に位置してX軸に平行な方向に延びる領域29
には圧力や温度の検出素子部が設けられており、この場
合にも配線群30、30、・・・についての多層化を採
用しないと、Y軸方向における配線群がデータグローブ
の側面(の同一面内)に集中してしまうという問題をか
かえてしまうことになる。
【0080】次に、本発明に係る形状認識方法、つま
り、人体の手又は手を模倣したハンド構造にデータグロ
ーブを装着して手部や指部の形状や動作データを取得す
るための方法について説明する。
【0081】上記した(I)の事項に対応して、本発明
では、手部や指部の屈曲状態を検出するための抵抗パタ
ーンを電気絶縁材料で形成されるデータグローブの基材
に形成しておき、その後に手部や指部の関節が屈曲され
て抵抗パターンの長さが変化したときの当該抵抗パター
ンの抵抗値変化を検出して手部や指部の屈曲状態を示す
データを取得する。
【0082】つまり、図2において、抵抗パターン1c
への印加電圧を「E」とすると、指を曲げない状態で
は、そのときの抵抗値RでEを割った電流値が検出され
るが、指の屈曲(図3参照。)によって抵抗パターン1
cの長さ変化「ΔL」が生じたときには抵抗値が「R+
ΔR」に変化するので、この値でEを割った電流値が検
出されることになる。従って、指や手を曲げない状態
や、指や手を徐々に曲げていったときの抵抗値変化を予
め測定して両者の関係を関数式又はデータテーブルとし
て確立しておけば、逆に抵抗値変化から指や手の屈曲状
態を算定することができる。
【0083】また、図16の例では各指部の背面に位置
した領域22、22、・・・に抵抗パターンを形成する
ことにより指や手の屈曲を検出できるようにしたが、デ
ータグローブのうちMP関節部に対応する部分(領域2
3MP参照。)だけに抵抗パターンを設け、その関節角
度に基づいてDIP関節、PIP関節の屈曲角度を推測
する方法(あるいはPIP関節の角度からDIP関節の
角度を推測する方法等)を採用すると、第2乃至第5指
の背面に対応したデータグローブの部分に抵抗パターン
を設ける必要がなくなるので処理時間を短縮化すること
ができるという利点がある。
【0084】即ち、この場合には、抵抗パターンをMP
関節(中手指節関節)に対応した基材上に配置するとと
もに、MP関節の角度変化に対するDIP関節(遠位指
節間関節)、PIP関節(近位指節間関節)の各角度変
化の関数関係を事前に調べておき、その後にMP関節が
屈曲されたときにこれに対応する抵抗パターンの抵抗値
の変化を検出して、当該関節の角度変化を算出するとと
もに、この角度変化に基づいて上記関数関係に従いDI
P関節、PIP関節の各角度変化を算出することができ
る。
【0085】図19及び図20は本方法について説明す
るための図であり、図19には指の屈曲状態の数例を模
式的に示しており、(a)は指をまっすぐにした状態、
(b)は各関節をそれぞれある角度をもって屈曲させた
状態、(c)は各関節を(b)の状態からさらに大きく
屈曲させた状態をそれぞれ示している。尚、「○」印中
に「+」の記号を付した部分が関節部を表している。
【0086】図20は横軸にMP関節の角度変化(これ
を「ΔMP」と記す。)をとり、縦軸にDIP関節の角
度変化(これを「ΔDIP」と記す。)及びPIP関節
の角度変化(これを「ΔPIP」と記す。)を示す2軸
をとって、ΔMPに対するΔDIPやΔPIPの関数関
係を概念的に示したグラフ図である。尚、各角度変化に
ついては、ΔMPの角度基準が図19(a)のように関
節をまっすぐにした状態とされ、ΔDIP、ΔPIPは
隣接する関節部の屈曲角に対する相対角度である。
【0087】図20に示すグラフ線gdはΔMPに対す
るΔDIPの変化を示し、また、グラフ線gpはΔMP
に対するΔPIPの変化を示している。尚、図ではこれ
らの関数関係が1次関数関係によって近似されるように
簡略化して示しているが、2次以上の多項式で表される
曲線や、自由曲線(ラグランジェの補間曲線、ファーグ
ソン曲線、スプライン補間曲線、べジェ多項式曲線、B
−スプライン曲線等。)による近似処理が必要な場合に
はそれぞれの補間処理に依れば済む(その処理方法につ
いては公知であるので、説明を割愛する。)。
【0088】図20においてΔMPが点Aに示す値とし
て検出された場合には、グラフ線gdやgpをたどって
点Aに対応するΔDIP値(点B参照。)、ΔPIP値
(点C参照。)を求めることができる。尚、このように
MP関節の角度変化からDIP関節やPIP関節の角度
変化を推定できる理由は、これらの各関節の自然な動き
が完全に独立した関係にないことに依る(このことは、
例えば、自力でDIP関節だけを単独に曲げることがで
きないことからも分かる。)。
【0089】温度や圧力情報を取得するにあたっては、
上記したように、掌面のうち手部や指部の周縁近傍に形
成された配線領域を除いた領域での圧力又は温度を検出
すると、形状データに加えて触覚情報又は温度情報を取
得することができる。
【0090】つまり、データグローブを手に装着して手
や指を曲げると抵抗パターンの抵抗値変化によってそれ
らの屈曲状態を把握することができるが、さらにデータ
グローブで対象物を触ったり、あるいは掴んだりしたと
きの圧力や、焚き火等の熱源にデータグローブを近づけ
たときの温度や対象物を掴んだときの温度等を認識する
ことができるようになる。
【0091】ところで、抵抗パターンの数、圧力や温度
の検出素子の数が多い場合には、取得したデータの処理
に負担がかかる虞があるため、このような不都合を避け
るためには、手指の屈曲や伸展時に圧力が大幅に変化す
る領域を予め調べておき、当該領域については圧力検出
を行わないか又は検出値を使用データから外して無視す
ることが好ましい。
【0092】例えば、図17において領域24、24、
・・・は手指の屈曲・伸展によって圧力が著しく変化す
る場所であるため、これらを予め突き止めておくことで
情報処理上の負担を減らすことができる。
【0093】そのための処理手順例を簡単に示すと、下
記(i)乃至(iv)のようになる。
【0094】(i)データグローブを手にはめる (ii)対象者に手指の伸展から屈曲に至る一定の動作
を実行してもらう (iii)(ii)の動作中における抵抗パターンの抵
抗値変化「ΔR」と、掌面の圧力変化「ΔP」との数値
的関係を取得するとともに、圧力値に対して所定の閾値
を設定してこれを越えた位置や範囲を示す場所情報をデ
ータ化してROM(リード・オンリー・メモリ)や補助
記憶装置(あるいは外部記憶装置)等の記憶手段に格納
しておく (iv)データグローブの使用時には(iii)で記憶
しておいた場所情報を参照しながら圧力検出を行わない
(あるいは検出値を無視する)位置や領域を決定する。
【0095】尚、(ii)においては、対象者にヘッド
マウントディスプレイ(HMD)等の視覚表示装置を装
着して、当該装置上に模倣すべき手指の動きを映し出す
方法を用いることが好ましい。つまり、カメラ撮影によ
って得られる、対象者の手指の画像情報を動画像として
映し出した映像と、これから模倣すべき手指の動きを示
す仮想映像を視覚表示装置に表示させ、対象者には、実
際の手指を示す映像が仮想映像に重ね合さるように動き
を仮想の手に追従させることで動作を倣ってもらうと、
口頭での説明や指示者の動作をまねるよりも能率的であ
る。
【0096】また、データグローブを使用した手指の動
作には、データグローブによって物を把持した状態で行
われる動作と物の把持しない状態で行われる動作が含ま
れるが、後者の動作においては手指の曲がり率を検出す
る際に使用することができる。
【0097】本発明ではデータグローブを使用して対象
物を把持したときの当該対象物の形状を認識することも
可能であり、そのためには、下記(1)乃至(5)の手
順で処理を行う。
【0098】(1)把持の対象となる基準物体(形状、
大きさ、重量等が既知とされる物体や試料等)を用意す
る (2)データグローブをはめて(1)の基準物体を把持
したときの手指の曲がり角度や掌面の圧力、温度のデー
タを取得して記憶又は学習させる (3)手順(2)を全ての基準物体について終了するま
で繰り返した後、手順(4)に進む (4)データグローブで未知の対象物を把持して、その
ときの手指の曲がり角度や掌面の圧力、温度のデータを
取得する (5)手順(4)で得たデータと手順(2)で記憶し又
は学習したデータとを照合して対象物の形状や大きさ等
を識別する。
【0099】図21は対象物の形状認識における初期学
習の処理例を示すフローチャート図であり、ステップS
1でデータグローブを手にはめた後に、次ステップS2
で基準物体を選択し、ステップS3でこれを握る。
【0100】ステップS4では、このときの抵抗パター
ンの抵抗値変化又は指部の背面での圧力変化、そして掌
面での圧力や温度の変化についてデータを取得した後、
これを記憶装置に保存しておく。
【0101】次ステップS5では、基準物体の選択が全
て終了したか否かを判断し、未終了時には前ステップS
2に戻る。
【0102】尚、対象物の形状認識の際には、この未知
なる対象物をデータグローブを用いて掴んだときの抵抗
パターンの抵抗値変化又は指部の背面での圧力変化、そ
して掌面での圧力や温度の変化についてデータを取得し
て、これを学習済データから検索して推定すれば良い。
これは、指の曲がりや掌面での圧力、温度と、対象物と
の間に相関関係が認められることに依拠しており、従っ
て、多種多様な形状や大きさ等のデータを数多く所有し
てこれをデータベース化しておくことが認識の可否や精
度を決定する上で重要である。
【0103】しかして、本発明によれば、データグロー
ブを手にはめることで手や指の形状や動きのデータを取
得することができるとともに、データグローブで掴んだ
対象物の形状等についての認識が可能である。また、こ
のようなデータグローブを、人体の手の関節構造を模写
したロボットハンドやマニピュレータに装着した場合に
は、その関節駆動の状態を示す情報を取得してこれを制
御上のフィードバック信号として利用することができ、
しかも、ロボットハンドが掴んだ対象物の形状や大き
さ、温度等を識別することができるようになる。
【0104】
【発明の効果】以上に記載したところから明らかなよう
に、請求項1に係る発明によれば、データグローブの基
材に抵抗パターンを形成し、手部や指部の関節が屈曲さ
れたときの抵抗パターンの長さ変化に伴う抵抗値変化を
検出することによって関節の屈曲状態を容易に把握する
ことができ、しかも、そのためにデータグローブの構造
が複雑化することがないのでコストの低減が可能にな
る。
【0105】請求項2に係る発明によれば、抵抗パター
ンを各指部の背面又は中手指節関節又は手首関節に対応
した基材上に配置することで手や指の屈曲状態を効率良
く認識することができる。
【0106】請求項3に係る発明によれば、手部や指部
の圧力又は温度を検出するための検出部を設けることに
よって、手や指に加わる圧力や温度を手指の状態と同時
に検出することができる。
【0107】請求項4や請求項5に係る発明によれば、
電極群同士が交差する多数の場所を温度や圧力の検出ポ
イントとして局部的な検出を行うことができるので、多
数の独立したセンサを基材に対して個々に付設する必要
がなくなり、これによって、コストの低減及びデータグ
ローブの薄肉化が可能になる。また、可撓性を有する基
材上に電極群を形成することで、測定対象の面形状に合
せてデータグローブの形状を自在に変形させることがで
きる。
【0108】請求項6乃至請求項8に係る発明によれ
ば、掌面のうち手部や指部の周縁近傍に配線領域を設け
ることによってデータ取得に必要な配線領域を確保する
とともに、手部や指部の圧力又は温度を検出するための
検出部を、配線領域を除いた掌面の領域だけに形成する
ことで、検出素子数を必要最小限度に削減してデータ処
理の負担を軽減することができる。
【0109】請求項9に係る発明によれば、データグロ
ーブの基材のうち、手部や指部の屈曲状態を検出する抵
抗パターン又は圧力検出若しくは温度検出のための検出
部が形成されていない場所にデータ出力用の配線パター
ンを形成することによって、基材上で多数の形成パター
ンが交錯しないようにし、配線に必要な占有面積を確保
することができる。尚、指の動作についてのデータ取得
を行う際にはデータグローブにおいて特殊な配線処理が
必要とされるが、本発明によればそのような配線処理上
の負担が軽減される。
【0110】請求項10に係る発明によれば、手部や指
部の関節が屈曲されたときの抵抗パターンの長さ変化に
伴う抵抗値変化を検出して手部や指部の屈曲状態を示す
データを取得することによって、手や指の状態をリアル
タイムで認識することができる。
【0111】請求項11に係る発明によれば、中手指節
関節が屈曲されたときにこれに対応する抵抗パターンの
抵抗値の変化を検出して、当該関節の角度変化を算出す
るとともに、この角度変化に基づいて遠位指節間関節、
近位指節間関節の各角度変化を算出することによって各
指に対して個々に抵抗パターンを付設する必要がなくな
るので、データグローブの構成を簡単化することがで
き、データ処理の負担が軽減される。
【0112】請求項12に係る発明によれば、掌面のう
ち手部や指部の周縁近傍に形成された配線領域を除いた
領域での圧力又は温度を検出することによって、形状デ
ータに加えて触覚情報又は温度情報を取得することがで
き、圧力又は温度の検出素子数を必要最小限度に抑える
ことでデータ量を低減することができる。
【0113】請求項13に係る発明によれば、手指の屈
曲や伸展時に圧力が大幅に変化する領域を予め調べてお
き、当該領域については圧力検出を行わないか又は当該
領域での検出値を無視するようにし、手や指の曲がりに
よって巻き込まれる領域については圧力検出の対象領域
から除くことでデータ処理時間を短縮することができ
る。
【0114】請求項14に係る発明によれば、データグ
ローブで把持した対象の形状や大きさ等を既得の学習デ
ータに基づいて識別することができるので、撮像手段を
有する視覚装置に依らなくても形状予測が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2及び図3とともに、本発明に係る検出原理
についての説明するための図であり、本図は抵抗パター
ンの配置を示す概略図である。
【図2】指部の屈曲状態を検出するためにグローブの基
材に抵抗パターンを形成した構成例を示す図である。
【図3】指部の屈曲状態を示す図である。
【図4】図5乃至図12とともに、圧力や温度の検出原
理について説明するための図であり、本図は検出素子の
基本構成を示す図である。
【図5】検出素子の断面構造を示す概略図である。
【図6】電極配置についての説明図である。
【図7】図8乃至図14とともに検出用シートの構成例
を部分的に示すものであり、本図は、フィルム上に電極
群を形成した一対のシート状部材を組み合せた構成例を
示す図である。
【図8】フィル上に絶縁膜を形成した後で、その上に電
極群を形成した一対のシート状部材を組み合せた構成例
を示す図である。
【図9】絶縁膜が電極同士の間及び反応膜同士の間に介
在された一対のシート状部材を組み合せた構成例を示す
図である。
【図10】一対のシート状部材のうち、片方のシート状
部材に形成された電極群が感熱性(又は感圧性)材料に
よって被覆されないように構成した例を示す図である。
【図11】一対のシートシート状部材のうち、片方のシ
ート状部材には電極の交差場所付近にのみ、反応膜によ
る被覆が施されるように構成した例を示す図である。
【図12】多数の六角形状領域によって温度や圧力の検
出領域を構成する場合の区分についての説明図である。
【図13】圧力及び温度の検出を行うための多層構造を
有する構成例の説明図である。
【図14】図13の構成を簡単化した構成例を示す説明
図である。
【図15】データグローブにおける抵抗パターン、圧力
や温度の検出部の配置例を概略的に示す図である。
【図16】図17とともにデータグローブの構成例を示
す図であり、本図はデータグローブを背面から見た図で
ある。
【図17】データグローブを掌面から見た図である。
【図18】データグローブにおける配線処理についての
説明図である。
【図19】指部の動きを(a)乃至(c)へと順を追っ
て示す図である。
【図20】指部においてMP関節の角度変化と、DIP
関節、PIP関節の角度変化との関係について説明する
ためのグラフ図である。
【図21】対象物の形状認識における初期学習の処理例
を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1a…基材、1b、1b′、1c、19…抵抗パター
ン、2、2′…シート状部材、3…基材、4、4′…電
極群、5…感熱性材料又は感圧性材料、21…データグ
ローブ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人体の手又は手を模倣したハンド構造に
    装着して手部や指部の形状又は動作のデータを取得する
    ためのデータグローブにおいて、 (イ)手部や指部の屈曲状態を抵抗値の変化として検出
    するための抵抗パターンが、電気絶縁材料で形成される
    データグローブの基材に形成されていること、 (ロ)手部や指部の関節が屈曲されたときに上記抵抗パ
    ターンの長さが変化し、かつこのときに当該抵抗パター
    ンの抵抗値が変化すること、 を特徴とするデータグローブ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載したデータグローブにお
    いて、 抵抗パターンを各指部の背面又は中手指節関節又は手首
    関節に対応した基材上に配置したことを特徴とするデー
    タグローブ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載したデータグローブにお
    いて、 手部や指部の圧力又は温度を検出するための検出部がデ
    ータグローブの基材に形成されていることを特徴とする
    データグローブ。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載したデータグローブにお
    いて、 (イ)温度検出のための検出部が、可撓性を有する基材
    と、該基材上に形成された平行な電極群と、該電極群を
    被覆する感熱性材料とによって構成された複数のシート
    状部材を具備していること、 (ロ)上記シート状部材は、それらの基材のうち電極群
    が形成された面が互いに向かい合うように配置され、か
    つ、基材に直交する方向から見た場合に、互いの電極群
    が直交関係を有するマトリックス配置又は両者が所定の
    角度をもって交差した配置とされていること、 を特徴とするデータグローブ。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載したデータグローブにお
    いて、 (イ)圧力検出のための検出部が、可撓性を有する基材
    と、該基材上に形成された平行な電極群と、該電極群を
    被覆する感圧性材料とによって構成された複数のシート
    状部材を具備していること、 (ロ)上記シート状部材は、それらの基材のうち電極群
    が形成された面が互いに向かい合うように配置され、か
    つ、基材に直交する方向から見た場合に、互いの電極群
    が直交関係を有するマトリックス配置又は両者が所定の
    角度をもって交差した配置とされていること、 を特徴とするデータグローブ。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載したデータグローブにお
    いて、 手部や指部の圧力又は温度を検出するための検出部が、
    掌面のうち手部や指部の周縁近傍に形成された配線領域
    を除いた領域に設けられていることを特徴とするデータ
    グローブ。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載したデータグローブにお
    いて、 温度検出部が、掌面のうち手部や指部の周縁近傍に形成
    された配線領域を除いた領域に設けられていることを特
    徴とするデータグローブ。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載したデータグローブにお
    いて、 圧力検出部が、掌面のうち手部や指部の周縁近傍に形成
    された配線領域を除いた領域に設けられていることを特
    徴とするデータグローブ。
  9. 【請求項9】 請求項3に記載したデータグローブにお
    いて、 データグローブの基材のうち、手部や指部の屈曲状態を
    検出する抵抗パターン又は圧力検出若しくは温度検出の
    ための検出部が形成されていない場所にデータ出力用の
    配線パターンを形成したことを特徴とするデータグロー
    ブ。
  10. 【請求項10】 人体の手又は手を模倣したハンド構造
    にデータグローブを装着して手部や指部の形状又は動作
    のデータを取得する、データグローブを用いた形状認識
    方法において、 (イ)手部や指部の屈曲状態を検出するための抵抗パタ
    ーンを、電気絶縁材料で形成されるデータグローブの基
    材に形成しておき、 (ロ)その後に手部や指部の関節が屈曲されたときの上
    記抵抗パターンの長さ変化に伴う抵抗値の変化を検出し
    て手部や指部の屈曲状態を示すデータを取得すること、 を特徴とするデータグローブを用いた形状認識方法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載したデータグローブ
    を用いた形状認識方法において、 抵抗パターンを中手指節関節に対応した基材上だけに配
    置するとともに、中手指節関節の角度変化に対する遠位
    指節間関節、近位指節間関節の各角度変化の関数関係を
    事前に調べておき、 その後に中手指節関節が屈曲されたときにこれに対応す
    る抵抗パターンの抵抗値の変化を検出して、当該関節の
    角度変化を算出するとともに、この角度変化に基づいて
    上記関数関係に従い遠位指節間関節、近位指節間関節の
    各角度変化を算出するようにしたことを特徴とするデー
    タグローブを用いた形状認識方法。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載したデータグローブ
    を用いた形状認識方法において、 掌面のうち手部や指部の周縁近傍に形成された配線領域
    を除いた領域での圧力又は温度を検出することによっ
    て、形状データに加えて触覚情報又は温度情報を取得す
    ることを特徴とするデータグローブを用いた形状認識方
    法。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載したデータグローブ
    を用いた形状認識方法において、 手指の屈曲や伸展時に圧力が大幅に変化する領域を予め
    調べておき、当該領域については圧力検出を行わないか
    又は検出値を無視するようにしたことを特徴とするデー
    タグローブを用いた形状認識方法。
  14. 【請求項14】 請求項10に記載したデータグローブ
    を用いた形状認識方法において、 (イ)把持の対象となる基準物体や試料を用意した後、 (ロ)データグローブをはめて上記(イ)の基準物体や
    試料を把持したときの手指の曲がり角度や掌面の圧力、
    温度のデータを取得して記憶又は学習させ、 (ハ)その後に、データグローブで未知の対象物を把持
    して、そのときの手指の曲がり角度や掌面の圧力、温度
    のデータを取得し、当該データを上記(ロ)で記憶し又
    は学習したデータと照合して対象物の形状や大きさ、温
    度を識別するようにしたことを特徴とするデータグロー
    ブを用いた形状認識方法。
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