JP2000330079A - 偏波モード分散補償装置 - Google Patents

偏波モード分散補償装置

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JP2000330079A
JP2000330079A JP11144430A JP14443099A JP2000330079A JP 2000330079 A JP2000330079 A JP 2000330079A JP 11144430 A JP11144430 A JP 11144430A JP 14443099 A JP14443099 A JP 14443099A JP 2000330079 A JP2000330079 A JP 2000330079A
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polarization
mode dispersion
polarization mode
controller
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Takashi Ono
隆志 小野
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少数の偏波制御器と光遅延器で、偏波モード
分散の補償範囲を効率的に広げることのできる偏波モー
ド分散補償装置を提供する。 【解決手段】 第1の光遅延器201と第2の光遅延器
202の遅延時間差の比を1:3としておき、信号光2
を受信端で第1の偏波制御器101、第1の光遅延器2
01、第2の偏波制御器102、第2の光遅延器202
の順にそれぞれ通す。第2の光遅延器202の出力を光
分岐器7で2つに分岐し、一方を光受信器8に入力し信
号を復調する。他方を偏波モード分散モニタ9に入力
し、受光した信号のベースバンドスペクトル中の5GH
z成分の強度と2.5GHz成分の強度の和を加算器1
6で求め、モニタ信号17とする。このモニタ信号17
が常に最大となるように、制御器18で第1と第2の偏
波制御器101,102を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバの偏波
モード分散の影響を抑圧する偏波モード分散補償装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ファイバを用いた光通信システ
ムにおいて、伝送速度の高速化に伴うビットレイトの増
加により、光ファイバや光デバイスの偏波モード分散に
よる信号光の波形劣化が問題となってきている。偏波モ
ード分散は、光ファイバのコアのゆがみや応力によって
生じた複屈折の蓄積、光デバイス中の直交する2つの固
有軸(固有偏波モード)間の光学長の差などによって発
生する。光伝送路に偏波モード分散が存在すると、信号
光の直交する2偏波間に伝搬遅延時間差が発生し、受信
波形が崩れるなどの劣化が生じて受信感度が低下する。
また、偏波モード分散は、光ファイバに加わる応力の変
化や温度変化によって経時変化を示すため、受信感度の
変動をもたらす。このため、光伝送路の偏波モード分散
を補償する必要がある。
【0003】この偏波モード分散を補償する方法とし
て、例えば、図7に示すように、光ファイバ3の偏波モ
ード分散とほぼ等しい伝搬遅延時間差を持つ偏波保存フ
ァイバ201と偏波制御器101とを用いて、偏波モー
ド分散を打ち消す方法が本発明の発明者によって提案さ
れている(日本国特許第2739813号)。図7の構
成において、遅延時間差40psの偏波保存ファイバを
使用して伝送速度10Gb/sで光伝送を行った場合の
偏波モード分散と受信感度劣化との関係を図8に示す。
同図において、曲線aが偏波モード分散補償の制御をし
ない場合を示し、曲線bが偏波モード分散補償の制御を
した場合を示す。伝送速度10Gb/sで、1dBの受
信感度劣化を許容する場合、図8の曲線aより、偏波モ
ード分散補償の制御をしない場合は20psの偏波モー
ド分散までしか伝送することができないことが分かる。
【0004】一方、偏波モード分散補償の制御を行った
場合、図8の曲線bに示すように、偏波モード分散が0
psから20psまでは受信感度が劣化するが、20p
sを越えると受信感度の劣化が減少して40psで劣化
はほぼゼロとなり、40psを越えると受信感度の劣化
がまた増大を始め、60psを越えると許容値1dBを
越える特性を示し、補償範囲を60psまで拡大できる
ことが分かる。なお、この残留する劣化は、偏波モード
分散が20psの時には、偏波保存ファイバの遅延時間
差が40psであるため、20ps過剰に補償してしま
うために発生する。同様に偏波モード分散が60psの
時は、20ps補償が足りないために劣化が発生する。
ただし、偏波モード分散が0psの時には、偏波保存フ
ァイバの固有軸と一致するように信号光が入射されるた
め劣化は発生しない。
【0005】なお、偏波モード分散そのもの又は偏波モ
ード分散による波形劣化を検出し、その検出した信号に
応じて偏波制御器を制御する方法には、前述した方法以
外に、受光した信号のベースバンドスペクトル全体と特
定の成分をそれぞれ検出して各々の強度の和が最大にな
るように偏波制御器を制御する方法[F.Heismann,D.A.F
ishman,and D.L.Wilson,"Automatic compensation of f
irst-order polarization mode dispersion in a 10 Gb
/s transmission system",ECOC'98,20-24 Sep.1998,Mad
rid,Spain]や、受光した信号のベースバンドスペクト
ル中の特定成分を検出してその成分の強度が最大になる
ように偏波制御器を制御する方法[T.Takahashi,T.Imai
and M.Aiki,"Automatic compensation technique for
timewisefluctuating polarisation mode dispersiion
in in-line amplifier systems",IEE Electronics Lett
ers,Vol.30,No.4,348-349(1994)]などが提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法では、補償できる偏波モード分散の範囲が、許容する
受信感度劣化量で決まるため、光伝送路の偏波モード分
散の変動範囲が広い場合には、偏波モード分散の補償範
囲を広げるために、偏波モード分散補償器を多段接続す
る必要がある。この場合、偏波制御器と偏波保存ファイ
バのような光遅延器の個数が増えてしまうため、装置が
大型化し、コストも増加してしまうという課題があっ
た。本発明の目的は、少数の偏波制御器と光遅延器で、
偏波モード分散の補償範囲を効率的に広げることのでき
る偏波モード分散補償装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、この発明の偏波モード分散補償装置は、直交す
る2偏波を有する信号光が入射されると共に、信号光の
偏波状態を制御することのできる偏波制御器と、この偏
波制御器の出射側に接続されて偏波制御器から出射され
る信号光を通すと共に、信号光の直交する2偏波間に遅
延時間差を生じさせる光遅延器とによって構成される偏
波モード分散補償器がn個(nは2以上の整数)直列に
接続された偏波モード分散補償器群と、n個目の偏波モ
ード分散補償器から出射される信号光の偏波モード分散
が最小となるように偏波制御器を制御する制御手段とを
備え、n個の光遅延器の内、m個(mは2以上n以下の
整数)の光遅延器間の各遅延時間差が、所定の比例関係
を有するようにしたことによって特徴づけられる。
【0008】この場合、光遅延器の一構成例は、n個
(nは2以上の整数)の光遅延器の内、m個(mは2以
上n以下の整数)の光遅延器の遅延時間差τi(iは1か
らmまでの整数)が τi=ai・τ0 ただし、 ai=3(i-1) τ0は所定の遅延時間差、の関係を有している。また、
光遅延器の別の一構成例は、n個(nは2以上の整数)
の光遅延器の内、m個(mは2以上n以下の整数)の光
遅延器の遅延時間差τi(iは1からmまでの整数)が τi=ai・τ0 ただし、 ai=2(i-1) τ0は所定の遅延時間差、の関係を有している。また、
光遅延器のほかの一構成例は、n個(nは2以上の整
数)の光遅延器の内、m個(mは2以上n以下の整数)
の光遅延器の遅延時間差τi(iは1からmまでの整数)
が τi=ai・τ0 ただし、 ai=1(i-1) τ0は所定の遅延時間差、の関係を有している。また、
所定の遅延時間差τ0の一構成例は、0よりも大きく
0.8T以下の範囲(Tは1ビットの時間幅)となるよ
うにしたことによって特徴づけられる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に図を用いてこの発明の実施
の形態を説明する。はじめに、この発明の第1の実施の
形態について説明する。この発明の第1の実施の形態に
係る偏波モード分散補償装置は、偏波モード分散補償器
が少ない段数で効率的に動作するように、n個(nは2
以上の整数)の光遅延器の内、m個(mは2以上n以下
の整数)の光遅延器の遅延時間差τi(iは1からmまで
の整数)が τi=ai・τ0 ただし、 ai=3(i-1) τ0は所定の遅延時間差、の関係を有し、上記の式に基
づいて、m個の光遅延器の遅延時間差τ1〜τmを、基本
となる遅延時間差τ0を1としたとき、 τ1:τ2:τ3:τ4:…:τm=1:3:9:27:…:
(m-1) のように3のべき乗の比となるように設定したものであ
る。また、この基本となる遅延時間差τ0は要求される
許容劣化量で決まるものであり、この実施の形態では許
容劣化量を1dBとするため、遅延時間差τ0を40p
sとした。また、光遅延器の個数mは、本発明による偏
波モード分散の補償可能範囲が伝送線路の偏波モード分
散の変動範囲より広くなるように設定する。
【0010】ここでは、この発明の第1の実施の形態の
最も簡単な構成である、偏波モード分散補償器が2つの
場合を例にして説明する。これは、n=m=2に相当す
る。図1は、この発明の第1の実施の形態の構成を示す
ブロック図である。図1において、この発明の第1の実
施の形態に係る偏波モード分散補償装置6は、光送信器
1と光ファイバ3と光アンプ4と光フィルタ5と偏波モ
ード分散補償装置6と光受信器8がこの順で接続された
光伝送路に配置されている。ここで、光送信器1は波長
1.55μmのレーザ光を10Gb/sで強度変調した
信号光2を出力する送信器であり、光ファイバ3は1.
55μm帯ゼロ分散光ファイバである。また、光アンプ
4は光ファイバアンプを用い、光フィルタ5は中心波長
1.55μm、3dB光帯域1nmのバンドパスフィル
タを用いた。
【0011】偏波モード分散補償装置6は、第1の偏波
制御器101と第1の光遅延器201と第2の偏波制御
器102と第2の光遅延器202と光分岐器7と偏波モ
ード分散モニタ9と制御器18とから構成され、1つの
光入力と1つの光出力を有している。この場合、第1の
偏波制御器101と第2の偏波制御器102は、それぞ
れ1つの電気信号入力と1つの光入力と1つの光出力と
を有しており、第1の光遅延器201と第2の光遅延器
202は、それぞれ1つの光入力と1つの光出力とを有
している。光分岐器7は1つの光入力と2つの光出力を
有しており、偏波モード分散モニタ9は1つの光入力と
1つの電気信号出力を有している。制御器18は1つの
電気信号入力と2つの電気信号出力を有している。
【0012】ここで、第1の偏波制御器101の光入力
は偏波モード分散補償装置6の入力として、光フィルタ
5の光出力に接続されている。また、第1の偏波制御器
101の光出力は第1の光遅延器201の光入力に接続
され、第1の光遅延器201の光出力は第2の偏波制御
器102の光入力に接続されている。第2の偏波制御器
102の光出力は第2の光遅延器202の光入力に接続
され、第2の光遅延器202の光出力は光分岐器7の光
入力に接続されている。光分岐器7の第1の光出力は、
偏波モード分散補償装置6の光出力として光受信器8の
光入力に接続されている。また、光分岐器7の第2の光
出力は、偏波モード分散モニタ9の光入力に接続されて
いる。偏波モード分散モニタ9の電気信号出力は、制御
器18の電気信号入力に接続されている。制御器18の
第1の電気信号出力は第1の偏波制御器101の電気信
号入力に接続され、第2の電気信号出力は第2の偏波制
御器102の電気信号入力に接続されている。
【0013】この場合、第1の偏波制御器101と第2
の偏波制御器102には、光ファイバに側圧を加えるこ
とによって偏波状態を変化させるファイバスクイーザ型
偏波制御素子を用いており、任意の入射偏波を任意の出
射偏波に変換することができると共に、偏波の無限追尾
動作が可能である。第1の光遅延器201と第2の光遅
延器202には、偏波保存ファイバを用いており、第1
の光遅延器201と第2の光遅延器202の遅延時間差
の比を1:3としている。この場合、第1の光遅延器2
01の偏波保存ファイバは遅延時間差が40psとなる
長さにし、第2の光遅延器202の偏波保存ファイバは
遅延時間差が120psとなる長さにしている。この偏
波保存ファイバは1.5ps/mの偏波モード分散を持
つため、実際に使用した偏波保存ファイバの長さは、第
1の光遅延器201の偏波保存ファイバが26.7mで
あり、第2の光遅延器202の偏波保存ファイバが80
mである。光分岐器7には、光ファイバカプラを用いて
おり、入射した信号光を2つに分岐している。
【0014】偏波モード分散モニタ9は、光検出器10
と増幅器11と第1の電気フィルタ12と第1の強度検
出器13と第2の電気フィルタ14と第2の強度検出器
15と加算器16とから構成されている。この場合、光
検出器10は1つの光入力と1つの電気信号出力を有し
ており、増幅器11と第1の電気フィルタ12と第1の
強度検出器13と第2の電気フィルタ14と第2の強度
検出器15は、それぞれ1つの電気信号入力と1つの電
気信号出力を有している。また、加算器16は、2つの
電気信号入力と1つの電気信号出力を有している。
【0015】ここで、光検出器10の光入力が偏波モー
ド分散モニタ9の入力として、光分岐器7の第2の光出
力に接続されている。また、光検出器10の電気出力
は、増幅器11の入力に接続され、増幅器11の出力
は、第1の電気フィルタ12の入力と第2の電気フィル
タ14の入力とに接続されている。第1の電気フィルタ
12の出力は、第1の強度検出器13の入力に接続され
ており、第1の強度検出器13の出力は、加算器16の
第1の入力に接続されている。第2の電気フィルタ14
の出力は、第2の強度検出器15の入力に接続されてお
り、第2の強度検出器15の出力は、加算器16の第2
の入力に接続されている。加算器16の出力は、偏波モ
ード分散モニタ9の出力として制御器18の電気信号入
力に接続されている。
【0016】この場合、光検出器10には、pinフォ
トダイオードを用いており、増幅器11には、10Gb
/sの高速信号を次段の回路で使用できるレベルまで増
幅可能な増幅器を用いる。第1の電気フィルタ12に
は、5GHzの成分を通過させるバンドパスフィルタを
用い、第2の電気フィルタ14には、2.5GHzの成
分を通過させるバンドパスフィルタを用いる。第1の強
度検出器13と第2の強度検出器15には、2乗検波器
を用いており、加算器16には、一般的に使用されてい
るものを用いている。
【0017】制御器18は、マイクロプロセッサを内蔵
しており、2つの制御信号301,302を順次出力し
て信号光2の偏波状態に小さい摂動を加え、入力信号の
最大値を探す「山登り法」の制御を行う。光受信器8
は、強度変調された信号光を直接検波受信方式で電気信
号に復調する受信器である。
【0018】次に図1を用いて第1の実施の形態に係る
偏波モード分散補償装置の動作を説明する。光送信器1
で発生させた10Gb/sで強度変調された波長1.5
5μmの信号光2を、偏波モード分散をもった光ファイ
バ3で伝送し、受信端で光アンプ4に入力して増幅す
る。その出力を3dB光帯域1nmの光フィルタ5に通
すことにより、不要な自然放出光雑音を除去する。この
光フィルタ5の出力を、第1の偏波制御器101、第1
の光遅延器201、第2の偏波制御器102、第2の光
遅延器202の順に通す。次に、第2の光遅延器202
の出力を光分岐器7で2つに分岐させ、一方を光受信器
8に入力して信号を復調させる。他方を偏波モード分散
モニタ9に入力し、第1の偏波制御器101と第2の偏
波制御器102を制御するためのモニタ信号17を得
る。
【0019】ここで、偏波モード分散モニタ9は、光検
出器10で受光した信号を増幅器11で増幅した後、ベ
ースバンドスペクトル中のクロック周波数の1/2の成
分(5GHz)の強度を第1の電気フィルタ12と第1
の強度検出器13を用いて検出し、1/4の成分(2.
5GHz)の強度を第2の電気フィルタ14と第2の強
度検出器15を用いて検出する。次に、第1の強度検出
器13の出力と第2の強度検出器15の出力をそれぞれ
加算器16に入力し、加算器16の出力からそれらの和
の信号を得てモニタ信号17として用いる。この強度の
和が常に最大となるように、制御器18で第1の偏波制
御器101と第2の偏波制御器102を制御する。この
制御方法として、信号光2の偏波状態に小さい摂動を加
えることによってモニタ信号17の最大値を探す「山登
り法」を用いる。
【0020】このような構成において、伝送特性を測定
した結果、伝送線路の偏波モード分散の値がほぼ0ps
から150psまでの範囲で時間的に変化した(平均値
は約50ps)が、受信感度劣化は常に1dB以下に抑
えられた。同じ条件で図7の構成の偏波モード分散補償
装置を用いた場合は、60ps以上の偏波モード分散が
発生した時間帯では劣化が1dB以上となり、時には全
く受信できなかった。以上の結果から、本発明の有効性
が確認された。
【0021】次に、この発明の第1の実施の形態に係る
偏波モード分散補償装置の動作原理を説明する。図1に
示す構成において、伝送線路の偏波モード分散が0ps
の場合は、第1の光遅延器201(遅延時間差40p
s)及び第2の光遅延器202(遅延時間差120p
s)には信号光2の偏波状態がそれぞれの光遅延器の固
有軸と一致するように信号光2を入射することにより、
それぞれの遅延時間差は影響を及ぼさない。この結果、
偏波モード分散が0psのとき、劣化は極小値となる。
また、伝送線路の偏波モード分散が40psの場合は、
第1の光遅延器201のみが作用し、第2の光遅延器2
02には信号光2の偏波状態が第2の光遅延器202の
固有軸と一致するように信号光2を入射することによ
り、120psの遅延時間差は影響を及ぼさない。この
結果、偏波モード分散が40psのときも、劣化は極小
値となる。また、伝送線路の偏波モード分散が80ps
の場合は、第1の光遅延器201と第2の光遅延器20
2の遅延時間差が互いにうち消し合う向きとなるように
それぞれの偏波制御器101,102が動作するため、
全体としては80psの遅延時間差をもった光遅延器と
して動作する。この結果、偏波モード分散が80psの
ときも、劣化は極小値となる。
【0022】同様に、伝送線路の偏波モード分散が12
0psのときは第2の光遅延器202のみが作用し、第
1の光遅延器201には信号光2の偏波状態が第1の光
遅延器201の固有軸と一致するように信号光2を入射
することにより、40psの遅延時間差は影響を及ぼさ
ない。この結果、偏波モード分散が120psのとき
も、劣化は極小値となる。偏波モード分散が160ps
のときは両方の光遅延器201,202が作用すること
により、それぞれの値においてほぼ完全な偏波モード分
散補償が実現される。この結果、偏波モード分散が16
0psのときも、劣化は極小値となる。上記のように、
伝送線路の偏波モード分散が、基本となる遅延時間差τ
0の整数倍のとき受信感度の劣化が極小になる。よっ
て、各光遅延器の遅延時間差の比の組み合わせが連続し
た整数となるようにすればよいことが分かる。
【0023】この場合、第1の光遅延器201と第2の
光遅延器202の遅延時間差の比を、1:3とすること
により、それぞれの数の和と差、およびその数を使用し
ないことで0,1,2,3,4の連続した整数を作るこ
とができる。その結果、図2の曲線cに示すように、伝
送線路の偏波モード分散が0ps、40ps、80p
s、120ps及び160psの時に受信感度劣化が極
小となり、受信感度劣化が1dB以内となる制御可能範
囲を180psまで拡大することができる。ここで、図
2は図1の構成において伝送速度10Gb/sで光伝送
を行った場合の偏波モード分散の値に対する受信感度劣
化を表す図である。同図において、曲線aが偏波モード
分散補償の制御をしない場合を示し、曲線cが偏波モー
ド分散補償の制御をした場合を示す。
【0024】同様に、3段構成の偏波モード分散補償装
置の場合は、それぞれの光遅延器の遅延時間差を1:
3:9とすることにより、それぞれの数の演算で0から
13までの整数をすべてつくることができる。この結
果、制御可能範囲を540psまで拡大できる。すなわ
ち、偏波制御器の数を3つにして遅延時間差の比を1:
3:9とした場合は、なにも制御しなかった場合の許容
範囲と比べて27倍に、従来の偏波モード分散補償装置
を用いた場合の補償範囲と比べて9倍に補償範囲を拡大
できる。このように複数の光遅延器の遅延時間差を3の
べき乗の比とすることで、補償範囲の拡大量を光遅延器
1つ当たり3倍にすることができる。よって、少数の偏
波制御器と光遅延器で、偏波モード分散の補償範囲を効
率的に広げることができる。
【0025】次に、この発明の第2の実施の形態につい
て説明する。この発明の第2の実施の形態に係る偏波モ
ード分散補償装置は、n個(nは2以上の整数)の光遅
延器の内、m個(mは2以上n以下の整数)の光遅延器
の遅延時間差τi(iは1からmまでの整数)が τi=ai・τ0 ただし、 ai=2(i-1) τ0は所定の遅延時間差、の関係を有し、上記の式に基
づいて、m個の光遅延器の遅延時間差τ1〜τmを、基本
となる遅延時間差τ0を1としたとき、 τ1:τ2:τ3:τ4:…:τm=1:2:4:8:…:2
(m-1) のように2のべき乗の比となるように設定したものであ
る。また、この基本となる遅延時間差τ0は要求される
許容劣化量で決まるものであり、この実施の形態では許
容劣化量を0.5dBとするため、遅延時間差τ0を2
0psとした。また、光遅延器の個数mは、本発明によ
る偏波モード分散の補償可能範囲が伝送線路の偏波モー
ド分散の変動範囲より広くなるように設定する。
【0026】ここでは、偏波モード分散補償器が3つの
場合を例にして説明する。これは、n=m=3に相当す
る。図3は、この発明の第2の実施の形態の構成を示す
ブロック図であり、同図において図1と同一符号は同一
部分を示す。図3において、この発明の第2の実施の形
態に係る偏波モード分散補償装置36は、光送信器21
と光ファイバ3と光アンプ4と光フィルタ5と偏波モー
ド分散補償装置36と光受信器8がこの順で接続された
光伝送路に配置されている。ここで、光送信器21には
発振器19が接続されており、信号光2をこの発振器1
9が発生する5kHzの低周波信号20で光周波数変調
する点が第1の実施の形態の光送信器1と異なる。光フ
ァイバ3と光アンプ4と光フィルタ5と光受信器8は、
第1の実施の形態と同じであるので、説明を省略する。
【0027】偏波モード分散補償装置36は、第1の偏
波制御器101と第1の光遅延器201と第2の偏波制
御器102と第2の光遅延器202と第3の偏波制御器
103と第3の光遅延器203と偏波保存光分岐器21
と偏波モード分散モニタ29と制御器38とから構成さ
れ、1つの光入力と1つの光出力を有している。この場
合、第1の偏波制御器101、第2の偏波制御器102
及び第3の偏波制御器103は、それぞれ1つの電気信
号入力と1つの光入力と1つの光出力とを有しており、
第1の光遅延器201、第2の光遅延器202及び第3
の光遅延器203は、それぞれ1つの光入力と1つの光
出力とを有している。偏波保存光分岐器22は、1つの
光入力と2つの光出力を有しており、偏波モード分散モ
ニタ29は、1つの光入力と1つの電気信号出力を有し
ている。制御器38は、1つの電気信号入力と3つの電
気信号出力を有している。
【0028】ここで、第1の偏波制御器101の光入力
は偏波モード分散補償装置36の入力として、光フィル
タ5の光出力に接続されている。また、第1の偏波制御
器101の光出力は第1の光遅延器201の光入力に接
続され、第1の光遅延器201の光出力は第2の偏波制
御器102の光入力に接続されている。第2の偏波制御
器102の光出力は第2の光遅延器202の光入力に接
続され、第2の光遅延器202の光出力は第3の偏波制
御器103の光入力に接続されている。第3の偏波制御
器103の光出力は第3の光遅延器203の光入力に接
続され、第3の光遅延器203の光出力は偏波保存光分
岐器22の光入力に接続されている。
【0029】偏波保存光分岐器22の第1の光出力は、
偏波モード分散補償装置36の光出力として光受信器8
の光入力に接続されている。また、偏波保存光分岐器2
2の第2の光出力は、偏波モード分散モニタ29の光入
力に接続されている。偏波モード分散モニタ29の電気
信号出力は、制御器38の電気信号入力に接続されてい
る。制御器38の第1の電気信号出力は第1の偏波制御
器101の電気信号入力に接続され、第2の電気信号出
力は第2の偏波制御器102の電気信号入力に接続さ
れ、第3の電気信号出力は第3の偏波制御器103の電
気信号入力に接続されている。
【0030】この場合、第1の偏波制御器101、第2
の偏波制御器102及び第3の偏波制御器103には、
第1の実施の形態で用いた偏波制御器と同じものが用い
られている。第1の光遅延器201、第2の光遅延器2
02及び第3の光遅延器203には、第1の実施の形態
と同じ偏波保存ファイバが用いられており、第1の光遅
延器201と第2の光遅延器202と第3の光遅延器2
03の遅延時間差の比を1:2:4としている。この場
合、第1の光遅延器201の偏波保存ファイバは遅延時
間差が20psとなる長さにし、第2の光遅延器202
の偏波保存ファイバは遅延時間差が40psとなる長さ
にし、第3の光遅延器203の偏波保存ファイバは遅延
時間差が80psとなる長さにしている。
【0031】この偏波保存ファイバは1.5ps/mの
偏波モード分散を持つため、実際に使用した偏波保存フ
ァイバの長さは、第1の光遅延器201の偏波保存ファ
イバが13.3mであり、第2の光遅延器202の偏波
保存ファイバが26.7mであり、第3の光遅延器20
3の偏波保存ファイバが53.3mである。偏波保存光
分岐器22には、偏波保存光ファイバカプラを用いてお
り、入射した信号光を2つに分岐している。
【0032】偏波モード分散モニタ29は、偏波分離素
子23と光検出器24と増幅器11と電気フィルタ25
と強度検出器13とから構成されている。この場合、偏
波分離素子23は、1つの光入力と2つの光出力を有し
ている。光検出器24は2つの光入力と1つの電気信号
出力を有しており、増幅器11と電気フィルタ25と強
度検出器13は、それぞれ1つの電気信号入力と1つの
電気信号出力を有している。
【0033】ここで、偏波モード分散モニタ29の入力
として、偏波保存光分岐器22の固有軸に対して光学軸
が45度傾くように配置された偏波分離素子23の光入
力が、偏波保存光分岐器22の第2の光出力に接続され
ている。また、偏波分離素子23の第1の光出力は光検
出器24の第1の光入力に接続され、その第2の光出力
は光検出器24の第2の光入力に接続されている。ま
た、光検出器24の電気出力は増幅器11の入力に接続
され、増幅器11の出力は電気フィルタ25の入力に接
続されている。電気フィルタ25の出力は強度検出器1
3の入力に接続され、強度検出器13の出力は偏波モー
ド分散モニタ29の出力として制御器38の電気信号入
力に接続されている。
【0034】この場合、偏波分離素子23は、入射光を
互いに直交する2つの偏波状態に分離して出力する。光
検出器24は、デュアルpinフォトダイオードを用い
ており、増幅器11と合わせてバランス型光受信器を構
成している。電気フィルタ25には、5kHzの成分を
通過させるバンドパスフィルタを用いる。強度検出器1
3は、第1の実施の形態と同じであるので、説明を省略
する。制御器38は、マイクロプロセッサを内蔵してお
り、3つの制御信号301〜303を順次出力して信号
光2の偏波状態に小さい摂動を加え、入力信号の最小値
を探す「山登り法」の制御を行う。
【0035】次に図3を用いて第2の実施の形態による
偏波モード分散補償装置の動作を説明する。光送信器3
1には発振器19が接続されており、この発振器19が
発生する5kHzの低周波信号20で光周波数変調され
た波長1.55μmのレーザ光を発生させ、10Gb/
sで強度変調した信号光2を、偏波モード分散をもった
光ファイバ3で伝送し、受信端で光アンプ4に入力して
増幅する。その出力を3dB光帯域1nmの光フィルタ
5に通すことにより、不要な自然放出光雑音を除去す
る。この光フィルタ5の出力を、第1の偏波制御器10
1、第1の光遅延器201、第2の偏波制御器102、
第2の光遅延器202、第3の偏波制御器103、第3
の光遅延器203の順に通す。次に、第3の光遅延器2
03の出力を偏波保存光分岐器22で2つに分岐させ、
一方を光受信器8に入力して信号を復調させる。他方を
偏波モード分散モニタ29に入力し、第1の偏波制御器
101、第2の偏波制御器102及び第3の偏波制御器
103を制御するためのモニタ信号17を得る。
【0036】ここで、偏波モード分散モニタ29は、偏
波保存光分岐器22で分岐された信号光2の他方を、偏
波分離素子23で互いに直交する2つの偏波状態に分離
する。次に、分離した2つの信号光を光検出器24と増
幅器11で構成されたバランス型光受信器の2つの受光
部にそれぞれ入射し、電気信号に変換して増幅器11か
ら出力する。次に、増幅器11の出力を電気フィルタ2
5に入力して5kHzの復調された低周波信号20成分
だけを抽出する。この電気フィルタ25の出力を強度検
出器13に入力し、低周波信号20の強度を検出してモ
ニタ信号17として用いる。制御器38は、このモニタ
信号17の強度が常に最小となるように、第1の偏波制
御器101、第2の偏波制御器102及び第3の偏波制
御器103を制御する。この制御方法として、信号光2
の偏波状態に小さい摂動を加えることによってモニタ信
号17の最小値を探す「山登り法」を用いる。
【0037】このような構成において、伝送特性を測定
した結果、伝送線路の偏波モード分散の値がほぼ0ps
から150psまでの範囲で時間的に変化した(平均値
は約50ps)が、偏波保存ファイバの偏波モード分散
の最小値を20psに設定したので、受信感度劣化を常
に0.5dB以下に抑えることができた。以上の結果か
ら、本発明の有効性が確認された。
【0038】この第2の実施の形態では、第1の光遅延
器201と第2の光遅延器202と第3の光遅延器20
3の遅延時間差の比を、1:2:4とすることにより、
それぞれの数の和とその数を使用しないことで0から7
までのすべての整数を作ることができる。その結果、図
4の曲線dに示すように、伝送線路の偏波モード分散が
0ps、20ps、40ps、60ps、80ps、1
00ps、120ps及び140psの時に受信感度劣
化が極小となり、受信感度劣化が0.5dB以内となる
制御可能範囲を150psまで拡大することができる。
ここで、図4は、図3の構成において伝送速度10Gb
/sで光伝送を行った場合の偏波モード分散の値に対す
る受信感度劣化を表す図である。同図において、曲線a
が偏波モード分散補償の制御をしない場合を示し、曲線
dが偏波モード分散補償の制御をした場合を示す。
【0039】この第2の実施の形態では、光遅延器の偏
波モード分散の比を2のべき乗となる比としたので、第
1の実施の形態である3のべき乗となる比を選んだ場合
よりも、光遅延器の個数当たりの制御可能範囲は減少す
るが、打ち消し合うことによる遅延時間差の差を使わな
くてもすべての数をつくれるため、制御の安定性がよく
なることが期待される。
【0040】次に、この発明の第3の実施の形態につい
て説明する。この発明の第3の実施の形態に係る偏波モ
ード分散補償装置は、n個(nは2以上の整数)の光遅
延器の内、m個(mは2以上n以下の整数)の光遅延器
の遅延時間差τi(iは1からmまでの整数)が τi=ai・τ0 ただし、 ai=1(i-1) 、 τ0は所定の遅延時間差、の関係を有し、上記の式に基
づいて、m個の光遅延器の遅延時間差τ1〜τmを、基本
となる遅延時間差τ0を1としたとき、 τ1:τ2:τ3:τ4:…:τm=1:1:1:1:…:1
(m-1) のように1のべき乗の比となるように設定したものであ
る。すなわち、第3の実施の形態では、m個の光遅延器
の遅延時間差がすべて同一となるように設定される。ま
た、この基本となる遅延時間差τ0は、要求される最小
劣化量で決まるものであり、この実施の形態では許容劣
化量を0.5dBとするため、遅延時間差τ0を20p
sとした。また、光遅延器の個数mは、本発明による偏
波モード分散の補償可能範囲が伝送線路の偏波モード分
散の変動範囲より広くなるように設定する。
【0041】ここでは、偏波モード分散補償器が8個の
場合を例にして説明する。これは、n=m=8に相当す
る。図5は、この発明の第3の実施の形態の構成を示す
ブロック図であり、同図において図1と同一符号は同一
部分を示す。図5において、この発明の第3の実施の形
態に係る偏波モード分散補償装置46は、光送信器1と
光ファイバ3と光アンプ4と光フィルタ5と偏波モード
分散補償装置46と光受信器8がこの順で接続された光
伝送路に配置されている。ここで、光送信器1と光ファ
イバ3と光アンプ4と光フィルタ5と光受信器8は、第
1の実施の形態と同じであるので、説明を省略する。
【0042】偏波モード分散補償装置46は、第1〜第
8の偏波制御器101〜108と第1〜第8の光遅延器
201〜208と光分岐器7と偏波モード分散モニタ4
9と制御器48とから構成され、1つの光入力と1つの
光出力を有している。この場合、第1〜第8の偏波制御
器101〜108は、それぞれ1つの電気信号入力と1
つの光入力と1つの光出力とを有しており、第1〜第8
の光遅延器201〜208は、それぞれ1つの光入力と
1つの光出力とを有している。光分岐器7は1つの光入
力と2つの光出力を有しており、偏波モード分散モニタ
49は1つの光入力と1つの電気信号出力を有してい
る。制御器48は1つの電気信号入力と8つの電気信号
出力を有している。
【0043】ここで、偏波制御器と、この偏波制御器の
出力側に接続される光遅延器とによって構成される偏波
モード分散補償器が8個直列に接続され、第1の偏波制
御器101の光入力が偏波モード分散補償装置46の入
力として、光フィルタ5の光出力に接続されている。ま
た、第8の光遅延器208の光出力が光分岐器7の光入
力に接続されている。光分岐器7の第1の光出力は、偏
波モード分散補償装置46の光出力として光受信器8の
光入力に接続されている。また、光分岐器7の第2の光
出力は、偏波モード分散モニタ49の光入力に接続され
ている。偏波モード分散モニタ49の電気信号出力は、
制御器48の電気信号入力に接続されている。制御器4
8の第1の電気信号出力は第1の偏波制御器101の電
気信号入力に接続されており、同様に第2〜第8の電気
信号出力が第2〜第8の偏波制御器102〜108の電
気信号入力に接続されている。
【0044】この場合、第1〜第8の偏波制御器101
〜108には、第1の実施の形態で用いた偏波制御器と
同じものが用いられている。第1〜第8の光遅延器20
1〜208には、第1の実施の形態と同じ偏波保存ファ
イバが用いられており、これらの遅延時間差は同一に設
定されている。この場合、各偏波保存ファイバは遅延時
間差が20psとなる長さに設定している。この偏波保
存ファイバは1.5ps/mの偏波モード分散を持つた
め、実際に使用した偏波保存ファイバの長さは、それぞ
れ13.3mである。光分岐器7は、第1の実施の形態
と同じであるので、説明を省略する。
【0045】偏波モード分散モニタ49は、光検出器1
0と増幅器11と電気フィルタ26と強度検出器13と
から構成されている。この場合、光検出器10は、1つ
の光入力と1つの電気出力を有しており、増幅器11と
電気フィルタ26と強度検出器13は、それぞれ1つの
電気信号入力と1つの電気信号出力を有している。ここ
で、光検出器10の光入力が偏波モード分散モニタ49
の入力として、光分岐器7の第2の光出力に接続されて
いる。また、光検出器10の電気出力は、増幅器11の
入力に接続され、増幅器11の出力は、電気フィルタ2
6の入力に接続されている。電気フィルタ26の出力
は、強度検出器13の入力に接続され、強度検出器13
の出力は、偏波モード分散モニタ49の出力として制御
器48の電気信号入力に接続されている。
【0046】この場合、光検出器10と増幅器11と強
度検出器13は、第1の実施の形態と同じであるので、
説明を省略する。電気フィルタ26には、2GHzから
5GHzまでの周波数成分を通過させるバンドパスフィ
ルタを用いる。制御器48は、マイクロプロセッサを内
蔵しており、8つの制御信号301〜308を順次出力
して信号光2の偏波状態に小さい摂動を加え、入力信号
の最大値を探す「山登り法」の制御を行う。
【0047】次に図5を用いて第3の実施の形態による
偏波モード分散補償装置の動作を説明する。光送信器1
で発生させた10Gb/sで強度変調された波長1.5
5μmの信号光2を、偏波モード分散をもった光ファイ
バ3で伝送し、受信端で光アンプ4に入力して増幅す
る。その出力を3dB光帯域1nmの光フィルタ5に通
すことにより、不要な自然放出光雑音を除去する。この
光フィルタ5の出力を、8個直列に接続された偏波モー
ド分散補償器に通した後、光分岐器7で2つに分岐さ
せ、一方を光受信器8に入力して信号を復調させる。他
方を偏波モード分散モニタ49に入力し、第1〜第8の
偏波制御器101〜108を制御するためのモニタ信号
17を得る。
【0048】ここで、偏波モード分散モニタ9は、光検
出器10で受光した信号を増幅器11で増幅した後、バ
ンドパス特性を持つ電気フィルタ26で受光した信号の
ベースバンドスペクトル中から2GHzから5GHzま
での周波数成分を抽出して強度検出器13に入力する。
これにより、2GHzから5GHzまでの周波数成分の
強度が得られ、これをモニタ信号17として用いる。制
御器48は、このモニタ信号17の強度が常に最大とな
るように、第1〜第8の偏波制御器101〜108を制
御する。この制御方法として、信号光2の偏波状態に小
さい摂動を加えることによってモニタ信号17の最大値
を探す「山登り法」を用いる。
【0049】このような構成において、伝送特性を測定
した結果、伝送線路の偏波モード分散の値がほぼ0ps
から150psまでの範囲で時間的に変化した(平均値
は約50ps)が、偏波保存ファイバの偏波モード分散
の最小値を20psに設定したので、受信感度劣化を常
に0.5dB以下に抑えることができた。以上の結果か
ら、本発明の有効性が確認された。
【0050】この第3の実施の形態では、第1〜第8の
光遅延器の遅延時間差を同一にすることにより、それぞ
れの数の和とその数を使用しないことで0から8までの
すべての整数を作ることができる。その結果、図6の曲
線eに示すように、伝送線路の偏波モード分散が0p
s、20ps、40ps、60ps、80ps、100
ps、120ps、140ps及び160psの時に受
信感度劣化が極小となり、受信感度劣化を0.5dB以
内にする制御可能範囲を170psまで拡大することが
できる。ここで、図6は、図5の構成において伝送速度
10Gb/sで光伝送を行った場合の偏波モード分散の
値に対する受信感度劣化を表す図である。同図におい
て、曲線aが偏波モード分散補償の制御をしない場合を
示し、曲線eが偏波モード分散補償の制御をした場合を
示す。
【0051】この第3の実施の形態では、各光遅延器2
01〜208の遅延時間差を同一としたので、偏波モー
ド分散の比がすべて1となり、第1の実施の形態である
3のべき乗となる比や第2の実施の形態である2のべき
乗となる比を選んだ場合よりも、光遅延器の個数当たり
の制御可能範囲は減少するが、偏波モード分散補償器を
多段に接続することにより、細かな制御が可能となり高
次の偏波モード分散まで補償できる。この結果、残留す
る劣化量を小さくすることができる。
【0052】なお、この発明の第1〜第3の実施の形態
では10Gb/sの信号光を用いたので、基本となる遅
延時間差τ0として20psや40psを用いたが、ビ
ットレイトを変えると遅延時間差τ0を変える必要があ
る。この場合、1ビットの時間幅をTとすれば、τ0と
して0よりも大きく0.8T以下の範囲で選ぶことによ
り、劣化量を所定値以下に抑えることができる。なお、
Tはデータ伝送に使用するクロック周波数の逆数でもあ
る。よって、10Gb/sの場合は1ビットの時間幅は
100psとなり、0.8Tは遅延時間差τ0の80p
sに相当する。この場合の最大劣化量は約5dBであ
る。したがって、最大劣化量を約5dB以下に抑えるこ
とができる。ただし、この5dBという値は使用する送
受信器の特性によって変わるものであり、絶対的な値で
はない。
【0053】以上、この発明の実施の形態について説明
したが、この発明はこれらの構成に限定されるものでは
なく、いろいろな変形が可能である。例えば、信号光2
の波長は通常光通信で使用される1.55μmに限定さ
れるものではなく、ほかの波長であってもよい。光ファ
イバ3も限定されるものではなく、いかなる種類、分散
の光ファイバに対しても、この発明は有効である。ま
た、この発明の実施の形態では光遅延器として偏波保存
ファイバを用いたが、これに限定されるものではない。
例えば、偏波分離素子を使って信号光を直交する2偏波
に分離し、分離した信号光間に遅延時間差を与えた後、
偏波多重素子(偏波分離素子と同じ構造)で合波する光
遅延器を用いてもよい。また、この光遅延器において、
可動ミラーなどを使って光路長差を可変にし、偏波モー
ド分散の値を変えられるような構造の可変光遅延器を用
いてもよい。また、光結晶中の複屈折を使って偏波モー
ド分散を発生させる光部品を用いてもよい。
【0054】また、ビットレイトとして10Gb/sの
結果について示したが、これに限定されるものではな
く、これより速くても遅くてもよい。もちろん波長分割
多重(WDM)光通信にも適用できる。受信感度を向上
させるために光プリアンプ受信を用いたが、ここで使用
する光アンプは光ファイバアンプ以外に、半導体光アン
プ、ラマンアンプ、パラメトリックアンプ等、いかなる
タイプのアンプでも使用可能である。また、光プリアン
プ受信を用いなくても、本発明の動作には関係しない。
光検出器としてpinフォトダイオード以外に、アバラ
ンシェ・フォトダイオード(APD)など、どのような
構造の光検出器でも使用できる。
【0055】変復調方式として強度変調・直接検波受信
方式を用いたが、これに限定されるものではなく、変調
方式として周波数変調、位相変調、偏波変調、デュオバ
イナリ変調など、いかなる変調方式でも適用可能であ
る。復調方式も同様で、光干渉計と直接検波を組み合わ
せたものなどいかなる復調方式でも適用可能である。こ
の発明の実施の形態では偏波モード分散補償器を2段、
3段又は8段直列接続した構成の偏波モード分散補償装
置を示したが、これ以下の段数でも、これ以上の段数で
もよいことは当然である。
【0056】また、偏波制御器と光遅延器を1セットと
してこれらを複数段接続する際の位置関係は、それぞれ
の光遅延器の遅延時間差の大小に関係はなく、順番が反
対になってもよいし、一部だけ順番が入れ替わってもよ
い。また、光遅延器の遅延時間差の比がすべて異なって
いる必要はなく、例えば1:3:1のように同じ遅延時
間差のものが含まれていてもよい。
【0057】また、この発明の実施の形態では10Gb
/sの信号光を用いたので、基本となる遅延時間差τ0
として、20psや40psを用いたが、この値よりも
大きくても小さくてもよく、許容する劣化量によって変
わる。例えば5dB程度の劣化を許容すれば、τ0は8
0ps程度に設定することもできる。また、0.5dB
以下の劣化に抑えたい場合は、τ0を20ps以下に設
定するとともに偏波モード分散補償器の段数を多くする
ことによって、小さい劣化量と広い制御可能範囲を両立
することができる。
【0058】偏波制御器は、ファイバスクイーザ型以外
に、光導波路型、波長板回転型、光ファイバループ回転
型、液晶型など、いかなるタイプの偏波制御器でも使用
できる。また、偏波制御器と光遅延器を、ニオブ酸リチ
ウム基板、石英基板、光半導体基板、有機材料基板など
に集積し、小型化することもできる。偏波制御器の制御
方法として、最大値(又は最小値)制御法である「山登
り法」を用いたが、これに限定されるものではなく、正
弦波信号で偏波状態を微小変調し、同期検波で最適点を
探すような制御方法でも適用可能である。
【0059】また、この発明の実施の形態では、装置の
小型化のために1つの制御器で複数の偏波制御器を制御
したが、もちろん偏波制御器ごとに1つの制御器を使用
するようにしてもよい。この場合は、制御器ごとに摂動
の周波数を変えるなどの工夫が必要である。また、この
発明の実施の形態では、偏波モード分散モニタとして、
ベースバンドスペクトルの強度を検出する方式と、光F
M−AM変換を用いた方式について述べたが、これに限
定されるものではなく、信号光の偏光度を検出する方法
など、他のいかなるモニタ方式でも用いることができ
る。また、強度検出器は、二乗検波器に限られるもので
はなく強度を検出できるものならばどのような回路形式
でもよい。また、ベースバンドスペクトルの強度に限ら
ず、振幅検出器を用いてベースバンドスペクトルの振幅
を検出し、これを偏波制御に用いることもできる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、少数の偏波制御器と光遅延器で、偏波モード分散の
補償範囲を効率的に広げることのできる偏波モード分散
補償装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】 図1の構成における偏波モード分散の値に対
する受信感度劣化を表す図である。
【図3】 第2の実施の形態の構成を示すブロック図で
ある。
【図4】 図3の構成における偏波モード分散の値に対
する受信感度劣化を表す図である。
【図5】 第3の実施の形態の構成を示すブロック図で
ある。
【図6】 図5の構成における偏波モード分散の値に対
する受信感度劣化を表す図である。
【図7】 従来技術の構成を示すブロック図である。
【図8】 従来技術の偏波モード分散の値に対する受信
感度劣化を表す図である。
【符号の説明】
1,21…光送信器、2…信号光、3…光ファイバ、4
…光アンプ、5…光フィルタ、6,36,46,56…
偏波モード分散補償装置、7…光分岐器、8…光受信
器、9,29,49…偏波モード分散モニタ、10,2
4…光検出器、11…増幅器、12,14,25,26
…電気フィルタ、13,15…強度検出器、16…加算
器、17…モニタ信号、18,38,48,58…制御
器、19…発振器、20…低周波信号、22…偏波保存
光分岐器、23…偏波分離素子、101〜108…偏波
制御器、201〜208…光遅延器(偏波保存ファイ
バ)、301〜308…制御信号。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号光が入射されると共に、前記信号光
    の偏波状態を制御することのできる偏波制御器と、 この偏波制御器の出射側に接続されて前記偏波制御器か
    ら出射される前記信号光を通すと共に、前記信号光の直
    交する2偏波間に遅延時間差を生じさせる光遅延器とに
    よって構成される偏波モード分散補償器がn個(nは2
    以上の整数)直列に接続された偏波モード分散補償器群
    と、 n個目の前記偏波モード分散補償器から出射される前記
    信号光の偏波モード分散が最小となるように前記偏波制
    御器を制御する制御手段とを備えた偏波モード分散補償
    装置であって、 n個の前記光遅延器の内、m個(mは2以上n以下の整
    数)の光遅延器間の各遅延時間差が、所定の比例関係を
    有することを特徴とする偏波モード分散補償装置。
  2. 【請求項2】 n個(nは2以上の整数)の前記光遅延
    器の内、m個(mは2以上n以下の整数)の光遅延器の
    遅延時間差τi(iは1からmまでの整数)が τi=ai・τ0 ただし、 ai=3(i-1) τ0は所定の遅延時間差、であることを特徴とする請求
    項1記載の偏波モード分散補償装置。
  3. 【請求項3】 n個(nは2以上の整数)の前記光遅延
    器の内、m個(mは2以上n以下の整数)の光遅延器の
    遅延時間差τi(iは1からmまでの整数)が τi=ai・τ0 ただし、 ai=2(i-1) τ0は所定の遅延時間差、であることを特徴とする請求
    項1記載の偏波モード分散補償装置。
  4. 【請求項4】 n個(nは2以上の整数)の前記光遅延
    器の内、m個(mは2以上n以下の整数)の光遅延器の
    遅延時間差τi(iは1からmまでの整数)が τi=ai・τ0 ただし、 ai=1(i-1) τ0は所定の遅延時間差、であることを特徴とする請求
    項1記載の偏波モード分散補償装置。
  5. 【請求項5】 前記所定の遅延時間差τ0が、0よりも
    大きく0.8T以下の範囲(Tは1ビットの時間幅)で
    あることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか
    に記載の偏波モード分散補償装置。
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