JP2000330593A - 線形予測係数抽出装置、線形予測係数抽出方法、およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

線形予測係数抽出装置、線形予測係数抽出方法、およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

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JP2000330593A
JP2000330593A JP11143548A JP14354899A JP2000330593A JP 2000330593 A JP2000330593 A JP 2000330593A JP 11143548 A JP11143548 A JP 11143548A JP 14354899 A JP14354899 A JP 14354899A JP 2000330593 A JP2000330593 A JP 2000330593A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 雑音のみの区間を抽出する処理を必要とせ
ず、得られた係数が安定なものとして、雑音が付加され
た音声から高品質な線形予測係数を効率良く取得するこ
と。 【解決手段】 自己相関関数抽出部101が抽出した高
次(M次)の自己相関関数C(r)とピッチ抽出部10
2が抽出したピッチTとに基づいて、自己相関関数補正
処理部103が低次(N次)の自己相関関数Ci(r)
を算出し、その後線形予測係数算出部104が線形予測
係数a(r)を求め、予測係数安定性判定部105が予
測係数の安定性を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、入力ディジタル
音声信号から自己相関関数を求め、求めた自己相関関数
に基づいて線形予測係数を抽出する線形予測係数抽出装
置、線形予測係数抽出方法および記録媒体に関し、特
に、雑音のみの区間を抽出する処理を必要とせず、得ら
れた係数が安定なものとして、雑音が付加された音声か
ら高品質な線形予測係数を効率良く取得することができ
る線形予測係数抽出装置、線形予測係数抽出方法および
記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、急速に普及してきたパーソナルセ
ルラフォン(PDC)やパーソナルハンディフォンシス
テム(PHS)などの各種携帯電話では、通話音声をデ
ィジタル化した後、このディジタル信号を所定の符号化
方式で符号化して伝送する。たとえば、PDCのフルレ
ート方式ではVSELP方式でディジタル信号を符号化
し、ハーフレート方式ではPSI−CELP方式でディ
ジタル信号を符号化する。また、音声入力を自動認識し
て相手番号をダイヤルするいわゆる音声ダイヤル機能を
備えた携帯電話機も普及しつつある。
【0003】かかる携帯電話は、周囲に多くの雑音源が
点在する都市部で使用されることが多く、背景雑音が通
話品質に与える影響が大きな問題となっているため、音
声の背景雑音耐性を高める従来技術が知られている。
【0004】たとえば、入力音声から背景雑音を抑圧
し、伝送対象または認識対象となる音声を強調する従来
技術として、S.F.Boll,”Suppression of Acoustic No
ise inSpeech Using Spectral Subtraction”,IEEE Tr
ans. on ASSP ,Vol.27,No.2,pp.113-120(1979)に開
示されるいわゆるSS法や、J.D.Gibson,B.Koo ,S.D.
Gray,”Filtering of Colored Noise for Speech Enha
ncement and Coding”,IEEE Trans. on SP ,Vol.39,
No.8,pp.1732-1741(1991)に開示されるいわゆるカルマ
ンフィルタ法や、池田,板倉,”直交櫛形フィルタを用
いた音声中の雑音抑圧”,信学技報,DSP96-70,SP96-4
5 ,pp.23-30(1996)に開示されるいわゆる直交櫛形フィ
ルタ法などが知られている。また、特開平7−7470
9号公報には、VSELP分析パラメータを用いて精度
良く雑音レベルを推定する技術が開示されている。
【0005】ところが、これらの従来技術によれば、背
景雑音をある程度は抑圧できるものの、背景雑音を完全
に雑音を除去することはできず、たとえば上記SS法に
よれば、人工的な雑音が重畳される。また、これらの従
来技術の多くは、雑音のみの区間の推定などのようなそ
れ自体をおこなうことが困難な処理を伴う。
【0006】このため、CELP系の音声符号化方式に
おける各種パラメータの抽出を背景雑音が付加された音
声に対して頑強にする従来技術も提案されており、特
に、音質に強く係わる線形予測係数を背景雑音が付加さ
れた音声に対して頑強にする従来技術が注目されてい
る。なお、この線形予測係数は、少ないパラメータで音
声のフォルマント情報を表すことができるため、CEL
P系の音声符号化方式だけではなく、いくつかの音声認
識手法にも適用されている。
【0007】たとえば、趙,島村,鈴木,”雑音補正に
よる音声のLPC分析の改善”,信学論,Vol.81-A,N
o.11 ,pp.1583-1591(1998)(従来技術1)には、一連
の音声から背景雑音のみの区間を抽出し、その区間の自
己相関関数から雑音の自己相関関数を推定し、これを雑
音が付加された音声から差し引くことによって、音声の
みの自己相関関数を求め、求めた自己相関関数を用いて
線形予測係数を求める技術が開示されている。
【0008】また、國枝,島村,鈴木,”品質劣化音声
のためのLPC分析の一改良法”,信学論,Vol.j80-A
,No.9,pp.1564-1566(1997)(従来技術2)には、有
声音の自己相関関数が周期性を持つという性質と、ラン
ダム性を持つ雑音の自己相関関数が0次付近の低次に集
まる(高次の自己相関関数は無視できるぐらい小さい)
という性質とを利用して、音声からピッチ周期Tを求
め、T,T+1,…,T+N次の自己相関関数を、0,
1,…N次の自己相関関数として、線形予測係数を求め
る技術が開示されている。
【0009】
【発明が解消しようとする課題】しかしながら、この従
来技術1によれば、簡易に線形予測係数を正しい線形予
測係数に近づけることができる反面、雑音のみの区間を
抽出するという極めて困難な処理を要する。
【0010】また、上記従来技術2によれば、かかる従
来技術1のように雑音のみの区間を抽出する処理を要せ
ず、高品質な線形予測係数が得られる反面、得られた係
数が不安定になりやすいという問題がある。
【0011】このように、音質に強く係わる線形予測係
数を背景雑音が付加された音声に対して頑強にし、音声
の背景雑音耐性を高める上記従来技術1および2は、極
めて有効な技術ではあるものの、雑音のみの区間を抽出
するという極めて困難な処理を伴ったり、得られた係数
が不安定になりやすいという問題があった。
【0012】この発明は、上述した従来技術による問題
点を解消するため、雑音のみの区間を抽出する処理を必
要とせず、得られた係数が安定なものとして、雑音が付
加された音声から高品質な線形予測係数を効率良く取得
することができる線形予測係数抽出装置、線形予測係数
抽出方法およびその方法をコンピュータに実行させるプ
ログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒
体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
請求項1の発明に係る線形予測係数抽出装置は、入力デ
ィジタル音声信号から自己相関関数を求め、求めた自己
相関関数に基づいて線形予測係数を抽出する線形予測係
数抽出装置において、前記入力ディジタル音声信号から
自己相関関数を抽出する自己相関関数抽出手段と、前記
自己相関関数抽出手段により抽出された自己相関関数よ
りも低次の自己相関関数を求め、求めた低次の自己相関
関数に基づいて線形予測係数を算出する線形予測係数算
出手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】この請求項1の発明によれば、入力ディジ
タル音声信号から自己相関関数を抽出し、抽出した自己
相関関数よりも低次の自己相関関数を求め、求めた低次
の自己相関関数に基づいて線形予測係数を算出すること
としたので、背景雑音の影響を抑圧した線形予測係数を
求めることができる。
【0015】また、請求項2の発明に係る線形予測係数
抽出装置は、請求項1の発明において、前記入力ディジ
タル音声信号のピッチを抽出するピッチ抽出手段をさら
に備え、前記線形予測係数算出手段は、前記自己相関関
数抽出手段により抽出された自己相関関数および前記ピ
ッチ抽出手段により抽出されたピッチに基づいて、前記
低次の自己相関関数を求めることを特徴とする。
【0016】この請求項2の発明によれば、抽出された
自己相関関数およびピッチに基づいて、低次の自己相関
関数を求めることとしたので、背景雑音の影響を抑圧し
た自己相関関数および線形予測係数を簡便に求めること
ができる。
【0017】また、請求項3の発明に係る線形予測係数
抽出装置は、請求項2の発明において、前記線形予測係
数算出手段は、前記ピッチ抽出手段が抽出したピッチが
Tである場合に、0〜N次の自己相関関数と、T〜T+
N次の自己相関関数とに基づいて、0〜N次の自己相関
関数を算出する自己相関関数補正手段を備えたことを特
徴とする。
【0018】この請求項3の発明によれば、ピッチがT
である場合に、0〜N次の自己相関関数と、T〜T+N
次の自己相関関数とに基づいて、0〜N次の自己相関関
数を算出することとしたので、背景雑音の影響を抑圧し
た自己相関関数および線形予測係数をさらに簡便に求め
ることができる。
【0019】また、請求項4の発明に係る線形予測係数
抽出装置は、請求項3の発明において、前記自己相関関
数補正手段は、0〜N次の自己相関関数と、T〜T+N
次の自己相関関数との線形補間によって、0〜N次の自
己相関関数を算出することを特徴とする。
【0020】この請求項4の発明によれば、0〜N次の
自己相関関数と、T〜T+N次の自己相関関数との線形
補間によって、0〜N次の自己相関関数を算出すること
としたので、背景雑音の影響を抑圧した自己相関関数お
よび線形予測係数をさらに簡便に求めることができる。
【0021】また、請求項5の発明に係る線形予測係数
抽出装置は、請求項1〜4のいずれか一つの発明におい
て、前記線形予測係数算出手段は、前記線形予測係数の
安定性を判定する予測係数安定性判定手段をさらに備
え、該予測係数安定性判定手段の判定結果に基づいて最
終的な線形予測係数を算出することを特徴とする。
【0022】この請求項5の発明によれば、予測係数の
安定性の判定結果に基づいて最終的な線形予測係数を算
出することとしたので、背景雑音の影響を抑圧した安定
な線形予測係数を求めることができる。
【0023】また、請求項6の発明に係る線形予測係数
抽出方法は、入力ディジタル音声信号から自己相関関数
を求め、求めた自己相関関数に基づいて線形予測係数を
抽出する線形予測係数抽出方法において、前記入力ディ
ジタル音声信号から自己相関関数を抽出する自己相関関
数抽出工程と、前記自己相関関数抽出工程により抽出さ
れた自己相関関数よりも低次の自己相関関数を求め、求
めた低次の自己相関関数に基づいて線形予測係数を算出
する線形予測係数算出工程と、を含んだことを特徴とす
る。
【0024】この請求項6の発明によれば、入力ディジ
タル音声信号から自己相関関数を抽出し、抽出した自己
相関関数よりも低次の自己相関関数を求め、求めた低次
の自己相関関数に基づいて線形予測係数を算出すること
としたので、背景雑音の影響を抑圧した線形予測係数を
求めることができる。
【0025】また、請求項7の発明に係る線形予測係数
抽出方法は、請求項6の発明において、前記線形予測係
数算出工程は、前記自己相関関数抽出工程により抽出さ
れた自己相関関数と前記入力ディジタル音声信号のピッ
チとに基づいて、前記低次の自己相関関数を求めること
を特徴とする。
【0026】この請求項7の発明によれば、抽出された
自己相関関数およびピッチに基づいて、低次の自己相関
関数を求めることとしたので、背景雑音の影響を抑圧し
た自己相関関数および線形予測係数を簡便に求めること
ができる。
【0027】また、請求項8の発明に係る線形予測係数
抽出方法は、請求項7の発明において、前記線形予測係
数算出工程は、前記入力ディジタル音声信号のピッチが
Tである場合に、0〜N次の自己相関関数と、T〜T+
N次の自己相関関数とに基づいて、0〜N次の自己相関
関数を算出することを特徴とする。
【0028】この請求項8の発明によれば、ピッチがT
である場合に、0〜N次の自己相関関数と、T〜T+N
次の自己相関関数とに基づいて、0〜N次の自己相関関
数を算出することとしたので、背景雑音の影響を抑圧し
た自己相関関数および線形予測係数をさらに簡便に求め
ることができる。
【0029】また、請求項9の発明に係る線形予測係数
抽出方法は、請求項8の発明において、前記線形予測係
数算出工程は、0〜N次の自己相関関数と、T〜T+N
次の自己相関関数との線形補間によって、0〜N次の自
己相関関数を算出することを特徴とする。
【0030】この請求項9の発明によれば、0〜N次の
自己相関関数と、T〜T+N次の自己相関関数との線形
補間によって、0〜N次の自己相関関数を算出すること
としたので、背景雑音の影響を抑圧した自己相関関数お
よび線形予測係数をさらに簡便に求めることができる。
【0031】また、請求項10の発明に係る線形予測係
数抽出方法は、請求項6〜9のいずれか一つに記載の発
明において、前記線形予測係数算出工程は、予測係数の
安定性の判定結果に基づいて最終的な線形予測係数を算
出することを特徴とする。
【0032】この請求項10の発明によれば、予測係数
の安定性の判定結果に基づいて最終的な線形予測係数を
算出することとしたので、背景雑音の影響を抑圧した安
定な線形予測係数を求めることができる。
【0033】また、請求項11の発明に係る記憶媒体
は、請求項6〜10に記載された方法をコンピュータに
実行させるプログラムを記録したことで、そのプログラ
ムを機械読み取り可能となり、これによって、請求項6
〜10の動作をコンピュータによって実現することが可
能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、この
発明に係る線形予測係数抽出装置、線形予測係数抽出方
法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラ
ムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体の好
適な実施の形態を詳細に説明する。
【0035】まず最初に、この実施の形態に係る線形予
測係数抽出装置の構成について図1および図2を用いて
説明する。図1は、この実施の形態に係る線形予測係数
抽出装置100の構成を示す機能ブロック図であり、図
2は、図1に示す線形予測係数抽出装置100の各部が
抽出または算出する自己相関関数および線形予測係数の
次数を示す図である。
【0036】図1および図2に示すように、この線形予
測係数抽出装置100は、自己相関関数抽出部101
と、ピッチ抽出部102と、自己相関関数補正処理部1
03と、線形予測係数算出部104と、予測係数安定性
判定部105とからなる。
【0037】同図に示す線形予測係数抽出装置100に
は、音声信号をディジタル化したフレームが入力され、
具体的には、図1に示すようにマイクなどの音声入力装
置110によって音声のアナログ信号を入力したなら
ば、このアナログ信号を所定のサンプリング周波数や量
子化ビットに基づいてA/D変換装置120でディジタ
ル信号に変換し、このディジタル信号をフレーム構成装
置130を用いて所定のサンプル数Lのフレームとして
線形予測係数抽出装置100に入力する。
【0038】このA/D変換装置120としては、サウ
ンドボード、A/D変換器、サウンドコーディックなど
を使用することができ、また、サンプル数Lは、人間の
声の定常性からそのサンプリング周波数を8kHzとし
240前後の値とすることができる。ただし、このサン
プル数Lは他の値を用いても良く、また、ディジタル信
号はフレーム構成装置に入力する前後に、図示しない高
域フィルタ装置で直流付近の周波数成分を抑圧すること
もできる。
【0039】自己相関関数抽出部101は、入力フレー
ムの自己相関関数C(r)(r=0,1,…,M)を抽
出する処理部である。この自己相関関数C(r)は、図
2に示すように0〜M次のものであり、このMの値とし
ては、人間の声の定常性からサンプリング周波数8kH
zの場合で160前後の値が望ましいが、必ずしもこの
値に限定されるものではない。なお、この自己相関関数
抽出部101は、かかる入力フレームにハミング窓、ハ
ニング窓または方形窓などの窓関数を適用した後に自己
相関関数を抽出することもできる。
【0040】ピッチ抽出部102は、入力フレームのピ
ッチTを抽出する処理部であり、具体的には、このピッ
チ抽出部102では、ケプストラム法や自己相関法など
を用いて入力フレームのピッチを抽出する。なお、自己
相関法を用いる場合には、自己相関関数抽出部101に
よって抽出された自己相関関数C(r)を用いることが
できる。
【0041】自己相関関数補正処理部103は、自己相
関関数抽出部101により抽出された自己相関関数C
(r)と、ピッチ抽出部102によって抽出された入力
フレームのピッチTとを受け取り、C(r)およびC
(r+T)(r=0,1,…,N)から、補正後の自己
相関関数Ci(r)(r=0,1,…,N)を算出する
処理部である。なお、このNの値としては、人間の声の
ホルマント特性から見て、サンプリング周波数8kHz
で10の値が望ましいが、これに限定されるものではな
い。
【0042】具体的には、パラメータである補間係数を
α(0≦α≦1)としたときに、 Ci(r)=α・C(r)+(1−α)・C(r+T) とする線形補間により、補正後の自己相関関数Ci
(r)(r=0,1,…,N)を求める。なお、この自
己相関関数Ci(r)は0〜N次であり、図2に示すよ
うに自己相関関数C(r)の次数Mよりも小さい。
【0043】線形予測係数算出部104は、自己相関関
数補正処理部103によって補正された自己相関関数C
i(r)を受け取り、線形予測係数a(r)(r=0,
1,…,N)を算出する処理部であり、たとえばLevins
on-Durbin の再帰解法などを用いる。なお、この線形予
測係数a(r)の次数も、図2に示すように0〜N次で
ある。
【0044】予測係数安定性判定部105は、線形予測
係数算出部104によって算出された線形予測係数a
(r)を受け取り、安定性を判定する処理部である。具
体的には、この線形予測係数a(r)から反射係数k
(r)(r=0,1,…,N)を算出し、すべてのrに
ついて、 −1<k(r)<1 を満たすか否かを調べ、すべてのrについてこの条件式
が成立すれば安定であると判定し、ひとつでもrについ
てこの条件式を満たさないrが存在すれば不安定である
と判定する。
【0045】なお、かかる反射係数k(r)は、Levins
on-Durbin の再帰解法の算出途中で逐次的に求められる
値であるため、この予測係数安定性判定部105を線形
予測係数算出部104に含め、線形予測係数a(r)を
算出しながら安定性を判定して演算量を低減することも
できる。
【0046】この予測係数安定性判定部105は、線形
予測係数a(r)に基づく安定性の判定結果が安定であ
る場合には、この時点における線形予測係数a(r)を
最終的に抽出された線形予測係数として出力する。な
お、この線形予測係数a(r)の次数も0〜N次であ
る。
【0047】これに対し、判定結果が安定でない場合に
は、自己相関関数の補正方法を変更するよう自己相関関
数補正処理手段103に指示をおこなう。かかる指示を
受け付けた自己相関関数補正処理手段103は、この指
示にしたがって補正方法を変更する。具体的には、この
自己相関関数補正処理手段103が補正方法として線形
補間を用いた場合には、補間係数αの初期値を所定の値
(たとえば「0」)とし、このときの判定結果が不安定
であれば、補間係数αの値を所定量(たとえば「0.
1」)増加して、再度自己相関関数を再計算する処理を
繰り返す。なお、補間係数αが1の場合には、安定性が
保証されているため、最終的にα=1となるように初期
値および増加値を設定すれば、必ず安定な値が得られ
る。
【0048】上記構成を有する線形予測係数抽出装置1
00を用いることにより、低次な自己相関関数と高次な
自己相関関数とを線形補間して安定な補間係数αを求
め、背景雑音の影響を抑圧し、安定性の保証された線形
予測係数を抽出することができる。
【0049】次に、図1および図2に示した線形予測係
数抽出装置100の処理手順について具体的に説明す
る。図3は、図1および図2に示した線形予測係数抽出
装置100の処理手順を示すフローチャートである。
【0050】同図に示すように、この線形予測係数抽出
装置100では、まず最初に自己相関関数抽出部101
が入力フレームの自己相関関数C(r)(r=0,1,
…,M)を抽出した後(ステップS301)、ピッチ抽
出部102が入力フレームのピッチTを抽出する(ステ
ップS302)。
【0051】その後、自己相関関数補正処理部103
が、自己相関関数C(r)および入力フレームのピッチ
Tから、N次の自己相関関数Ci(r)(r=0,1,
…,N)を算出し(ステップS303)、線形予測係数
算出部104が、自己相関関数Ci(r)に基づいて線
形予測係数a(r)(r=0,1,…,N)を算出する
(ステップS304)。
【0052】そして、予測係数安定性判定部105が、
この線形予測係数a(r)に基づいて予測係数の安定性
を判定し(ステップS305)、安定でない場合には
(ステップS306否定)、補正方式を変更した後(ス
テップS307)、ステップS303に移行して、ステ
ップS303〜S306の処理を繰り返す。
【0053】これに対して、予測係数が安定となった場
合には(ステップS306肯定)、この線形予測係数a
(r)を最終的に抽出された線形予測係数として出力し
て(ステップS308)処理を終了する。
【0054】上述してきたように、本実施の形態では、
自己相関関数抽出部101が抽出した高次(M次)の自
己相関関数C(r)とピッチ抽出部102が抽出したピ
ッチTとに基づいて、自己相関関数補正処理部103が
低次(N次)の自己相関関数Ci(r)を算出し、その
後線形予測係数算出部104が線形予測係数a(r)を
求め、予測係数安定性判定部105が予測係数の安定性
を判定するよう構成したので、背景雑音の影響を抑圧
し、安定性の保証された線形予測係数を抽出することが
できる。
【0055】特に、高次の自己相関関数C(r)(r=
0,1,…,M)を用いて低次の線形予測係数a(r)
(r=0,1,…,N)を求めるよう構成しているた
め、背景雑音の自己相関関数が集中する低次の影響を小
さくした線形予測係数、すなわち背景雑音の影響を抑圧
した線形予測係数を求めることができる。
【0056】なお、かかる線形予測係数抽出装置100
によって抽出された線形予測係数は、音声認識装置や音
声符号化装置などの所定の装置に入力して、音声の認識
または符号化に用いることができる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、入力ディジタル音声信号から自己相関関数を抽
出し、抽出した自己相関関数よりも低次の自己相関関数
を求め、求めた低次の自己相関関数に基づいて線形予測
係数を算出するよう構成したので、背景雑音の影響を抑
圧した線形予測係数を求めることが可能な線形予測係数
抽出装置が得られるという効果を奏する。
【0058】また、請求項2の発明によれば、抽出され
た自己相関関数およびピッチに基づいて、低次の自己相
関関数を求めるよう構成したので、背景雑音の影響を抑
圧した自己相関関数および線形予測係数を簡便に求める
ことが可能な線形予測係数抽出装置が得られるという効
果を奏する。
【0059】また、請求項3の発明によれば、ピッチが
Tである場合に、0〜N次の自己相関関数と、T〜T+
N次の自己相関関数とに基づいて、0〜N次の自己相関
関数を算出するよう構成したので、背景雑音の影響を抑
圧した自己相関関数および線形予測係数をさらに簡便に
求めることが可能な線形予測係数抽出装置が得られると
いう効果を奏する。
【0060】また、請求項4の発明によれば、0〜N次
の自己相関関数と、T〜T+N次の自己相関関数との線
形補間によって、0〜N次の自己相関関数を算出するよ
う構成したので、背景雑音の影響を抑圧した自己相関関
数および線形予測係数をさらに簡便に求めることが可能
な線形予測係数抽出装置が得られるという効果を奏す
る。
【0061】また、請求項5の発明によれば、予測係数
の安定性の判定結果に基づいて最終的な線形予測係数を
算出するよう構成したので、背景雑音の影響を抑圧した
安定な線形予測係数を求めることが可能な線形予測係数
抽出装置が得られるという効果を奏する。
【0062】また、請求項6の発明によれば、入力ディ
ジタル音声信号から自己相関関数を抽出し、抽出した自
己相関関数よりも低次の自己相関関数を求め、求めた低
次の自己相関関数に基づいて線形予測係数を算出するよ
う構成したので、背景雑音の影響を抑圧した線形予測係
数を求めることが可能な線形予測係数抽出装置が得られ
るという効果を奏する。
【0063】また、請求項7の発明によれば、抽出され
た自己相関関数およびピッチに基づいて、低次の自己相
関関数を求めるよう構成したので、背景雑音の影響を抑
圧した自己相関関数および線形予測係数を簡便に求める
ことが可能な線形予測係数抽出装置が得られるという効
果を奏する。
【0064】また、請求項8の発明によれば、ピッチが
Tである場合に、0〜N次の自己相関関数と、T〜T+
N次の自己相関関数とに基づいて、0〜N次の自己相関
関数を算出するよう構成したので、背景雑音の影響を抑
圧した自己相関関数および線形予測係数をさらに簡便に
求めることが可能な線形予測係数抽出装置が得られると
いう効果を奏する。
【0065】また、請求項9の発明によれば、0〜N次
の自己相関関数と、T〜T+N次の自己相関関数との線
形補間によって、0〜N次の自己相関関数を算出するよ
う構成したので、背景雑音の影響を抑圧した自己相関関
数および線形予測係数をさらに簡便に求めることが可能
な線形予測係数抽出装置が得られるという効果を奏す
る。
【0066】また、請求項10の発明によれば、予測係
数の安定性の判定結果に基づいて最終的な線形予測係数
を算出するよう構成したので、背景雑音の影響を抑圧し
た安定な線形予測係数を求めることが可能な線形予測係
数抽出装置が得られるという効果を奏する。
【0067】また、請求項11の発明によれば、請求項
6〜10に記載された方法をコンピュータに実行させる
プログラムを記録したことで、そのプログラムを機械読
み取り可能となり、これによって、請求項6〜10の動
作をコンピュータによって実現することが可能な記録媒
体が得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この実施の形態に係る線形予測係数抽出装置の
構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図1に示す線形予測係数抽出装置の各部が抽出
または算出する自己相関関数および線形予測係数の次数
を示す図である。
【図3】図1および図2に示した線形予測係数抽出装置
の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100 線形予測係数抽出装置 101 自己相関関数抽出部 102 ピッチ抽出部 103 自己相関関数補正処理部 104 線形予測係数算出部 105 予測係数安定性判定部 110 音声入力装置 120 A/D変換装置 130 フレーム構成装置

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力ディジタル音声信号から自己相関関
    数を求め、求めた自己相関関数に基づいて線形予測係数
    を抽出する線形予測係数抽出装置において、 前記入力ディジタル音声信号から自己相関関数を抽出す
    る自己相関関数抽出手段と、 前記自己相関関数抽出手段により抽出された自己相関関
    数よりも低次の自己相関関数を求め、求めた低次の自己
    相関関数に基づいて線形予測係数を算出する線形予測係
    数算出手段と、 を備えたことを特徴とする線形予測係数抽出装置。
  2. 【請求項2】 前記入力ディジタル音声信号のピッチを
    抽出するピッチ抽出手段をさらに備え、前記線形予測係
    数算出手段は、前記自己相関関数抽出手段により抽出さ
    れた自己相関関数および前記ピッチ抽出手段により抽出
    されたピッチに基づいて、前記低次の自己相関関数を求
    めることを特徴とする請求項1に記載の線形予測係数抽
    出装置。
  3. 【請求項3】 前記線形予測係数算出手段は、前記ピッ
    チ抽出手段が抽出したピッチがTである場合に、0〜N
    次の自己相関関数と、T〜T+N次の自己相関関数とに
    基づいて、0〜N次の自己相関関数を算出する自己相関
    関数補正手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載
    の線形予測係数抽出装置。
  4. 【請求項4】 前記自己相関関数補正手段は、0〜N次
    の自己相関関数と、T〜T+N次の自己相関関数との線
    形補間によって、0〜N次の自己相関関数を算出するこ
    とを特徴とする請求項3に記載の線形予測係数抽出装
    置。
  5. 【請求項5】 前記線形予測係数算出手段は、前記線形
    予測係数の安定性を判定する予測係数安定性判定手段を
    さらに備え、該予測係数安定性判定手段の判定結果に基
    づいて最終的な線形予測係数を算出することを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれか一つに記載の線形予測係数抽
    出装置。
  6. 【請求項6】 入力ディジタル音声信号から自己相関関
    数を求め、求めた自己相関関数に基づいて線形予測係数
    を抽出する線形予測係数抽出方法において、 前記入力ディジタル音声信号から自己相関関数を抽出す
    る自己相関関数抽出工程と、 前記自己相関関数抽出工程により抽出された自己相関関
    数よりも低次の自己相関関数を求め、求めた低次の自己
    相関関数に基づいて線形予測係数を算出する線形予測係
    数算出工程と、 を含んだことを特徴とする線形予測係数抽出方法。
  7. 【請求項7】 前記線形予測係数算出工程は、前記自己
    相関関数抽出工程により抽出された自己相関関数と前記
    入力ディジタル音声信号のピッチとに基づいて、前記低
    次の自己相関関数を求めることを特徴とする請求項6に
    記載の線形予測係数抽出方法。
  8. 【請求項8】 前記線形予測係数算出工程は、前記入力
    ディジタル音声信号のピッチがTである場合に、0〜N
    次の自己相関関数と、T〜T+N次の自己相関関数とに
    基づいて、0〜N次の自己相関関数を算出することを特
    徴とする請求項7に記載の線形予測係数抽出方法。
  9. 【請求項9】 前記線形予測係数算出工程は、0〜N次
    の自己相関関数と、T〜T+N次の自己相関関数との線
    形補間によって、0〜N次の自己相関関数を算出するこ
    とを特徴とする請求項8に記載の線形予測係数抽出方
    法。
  10. 【請求項10】 前記線形予測係数算出工程は、予測係
    数の安定性の判定結果に基づいて最終的な線形予測係数
    を算出することを特徴とする請求項6〜9のいずれか一
    つに記載の線形予測係数抽出方法。
  11. 【請求項11】 前記請求項6〜10のいずれか一つに
    記載された方法をコンピュータに実行させるプログラム
    を記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能
    な記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103477387A (zh) * 2011-02-14 2013-12-25 弗兰霍菲尔运输应用研究公司 使用频谱域噪声整形的基于线性预测的编码方案
US9037457B2 (en) 2011-02-14 2015-05-19 Fraunhofer-Gesellschaft Zur Foerderung Der Angewandten Forschung E.V. Audio codec supporting time-domain and frequency-domain coding modes
US9153236B2 (en) 2011-02-14 2015-10-06 Fraunhofer-Gesellschaft Zur Foerderung Der Angewandten Forschung E.V. Audio codec using noise synthesis during inactive phases

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