JP2000334886A - 製缶用積層体およびそれを用いたシームレス缶 - Google Patents

製缶用積層体およびそれを用いたシームレス缶

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JP2000334886A
JP2000334886A JP14431699A JP14431699A JP2000334886A JP 2000334886 A JP2000334886 A JP 2000334886A JP 14431699 A JP14431699 A JP 14431699A JP 14431699 A JP14431699 A JP 14431699A JP 2000334886 A JP2000334886 A JP 2000334886A
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郁夫 小松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄肉化率を高くしても破胴が発生せず更なる
薄肉化が図れ、ネックイン部の縮径率を高くしても肌あ
れや孔明きが発生せず、有機樹脂被覆にダメージを与え
ることのない製缶用積層体およびそれを用いたシームレ
ス缶を提供する。 【解決手段】 炭素量が0.001ないし0.005w
t%、平均結晶粒径が7.5μm以下の表面処理鋼板2
の両面に有機樹脂被覆3を施した製缶用積層体4を用い
て、シームレス缶10を製作することで、薄肉化深絞り
成形あるいは薄肉化深絞り−しごき成形して、缶胴にお
ける側壁部の薄肉化率を45%以上に出来て、極めて薄
くでき、再加工性も良いから張り出し成形も出来、バル
ジ缶の製造も出来る。したがって、軽量かつ耐食性が高
く、しかも外観に優れ、その形状もバラエティーに富ん
だものとすることが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製缶用積層体およ
びそれを用いたシームレス缶に関し、より詳しくは、表
面処理した極低炭素鋼の両面に有機樹脂被覆を施してな
る製缶用積層体およびそれを用いたシームレス缶に関す
る。
【0002】
【従来の技術】シームレス缶が有機樹脂被覆を施してな
る製缶用積層体にて製作されていることは、既に公知で
ある。このシームレス缶は、上記製缶用積層体を絞りダ
イスとポンチとで複数段の側壁部の薄肉化を伴う絞り加
工(すなわち、薄肉化深絞り成形)を行い、継ぎ目のな
い底部と側壁部とを有する絞りカップを形成し、缶胴と
するか、この複数段の絞り加工において、絞り成形しな
がらポンチとダイスの間隙でしごき加工(すなわち、薄
肉化深絞り−しごき成形)をして薄肉とした缶胴にする
ことで作られる。
【0003】本出願人は、特開平4−22519号公報
において、炭素量が0.04ないし0.15wt%、平
均結晶粒径が6.0μm以下で、引張強度が65kgf
/mm2 以上で構成する冷延鋼板を基体とし、この冷延
鋼板を表面処理しさらに有機樹脂被覆を施して製缶用積
層体とし、この製缶用積層体に絞り加工を施し絞りカッ
プを形成し、この絞りカップを加工コーナーの曲率半径
の小さいダイスを用いて再絞り加工することにより、側
壁部を曲げ、曲げ戻しにより薄肉化したシームレス缶を
提案している。このシームレス缶は、耐圧強度が十分あ
り、板厚が均一となり、有機樹脂被覆にダメージを与え
ることがない点で優れている。
【0004】さらに、本出願人は、特開平7−2995
33号公報において、炭素量が0.01ないし0.13
wt%で、連続焼鈍後に過時効処理により固溶炭素量が
10ppm以下に低減し、平均結晶粒径が6.5μm以
下であるアルミニウム・キルド表面処理鋼板の両面に有
機樹脂被覆を施して製缶用積層体とし、この製缶用積層
体に絞り−薄肉化再絞り加工あるいは絞り−薄肉化再絞
り−しごき加工を施し、ネックイン部径/缶胴径で定義
されるネックイン部の縮径率が0.9以下としたシーム
レス缶も提案している。このシームレス缶は、ネックイ
ン部の縮径率が大きくても、ネックイン部に肌あれや孔
明きが生じず、有機樹脂被覆にダメージを与えることが
ないという特徴を持っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来例は、シームレス缶の更なる軽量化を目指し、薄
肉化率を高めるために、缶胴の側壁部の薄肉化率を40
%以上、特に45%以上とすると、再絞り加工時に側壁
部の孔明き(所謂ピンホール)の多発および破胴が生じ
るという傾向が見られる。商業生産においては高速プレ
スにより加工を行うのが通例であり、一度破胴が発生す
ると、プレスを停止させ、人手で破胴缶を取り除く作業
をしなければならない。したがって、この破胴は、生産
性を著しく低下させるために、それ以上のシームレス缶
の軽量化が出来ないというのが実情である。
【0006】また、上記製缶用積層体の基体となる鋼板
には、不可避的な非金属介在物が存在するために、薄肉
化率が40%を越えないような場合でも、介在物の大き
さ、形状および分布状態等に依存するが、現状では、あ
る確率(数十ないし数百ppm)で破胴が発生し、この
非金属介在物は生産性の低下、シームレス缶の軽量化の
阻害要件となっている。
【0007】そこで、本発明の目的は、薄肉化率を高く
しても破胴が発生せず更なる薄肉化が図れ、ネックイン
部の縮径率を高くしても肌あれや孔明きが発生せず、有
機樹脂被覆にダメージを与えることもない製缶用積層体
およびそれを用いたシームレス缶を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために提案されたものであって、製缶用の積層体
として、炭素量が数10ppm以下で、平均結晶粒径が
7.5μm以下という特定の素材を採択したことに重要
な技術的特徴がある。従来より、炭素量が数10ppm
以下の極低炭素鋼が、軟質で加工性が良いことから、こ
の特性を応用して自動車用鋼板として広く使用されてい
るおり、さらに、飲料缶の分野でもネックイン部の成形
性が良いために絞り−しごき缶(DI缶)の素材として
用いられている。
【0009】ところが、この極低炭素鋼は、一般的に材
料強度が低く、r値が高いために、限界絞り比が高く、
すなわち、絞り成形性が非常に良い。これは、結晶粒を
大きく成長させて、絞り成形性に適した結晶方位を多く
持っているという特徴があるためであり、通常の絞り成
形あるいは張り出し成形等には適しているが、表面に有
機樹脂を被覆した薄肉化深絞り成形においては、大きな
肌あれが生じ、この肌あれに起因して有機樹脂被覆の割
れを生じたり、鋼板基体と有機樹脂被膜との密着性を損
ない、耐食性の低下を招くという欠点を持っている。
【0010】DI缶でこの極低炭素鋼が用いられるの
は、DI缶では成形時に有機樹脂被膜がなく、通常の絞
り成形後にダイスで直接金属をしごき成形しているため
に、肌あれが問題にならないためである。ところが、有
機樹脂を被覆した上記極低炭素鋼を用いて薄肉化深絞り
成形を行うと、ダイラジアスが小さく従来の絞り成形よ
りも肌あれが大きくなり、有機樹脂被覆に種々のダメー
ジを与え、破胴や耐食性の低下を招いてしまうという問
題がある。また、薄肉化深絞り成形にしごき成形を付与
した場合でも、一度絞り成形で発生した肌あれは、しご
き率を高くしても改善されないことがわかった。
【0011】そこで、本発明者らは、上記極低炭素鋼の
成形性と結晶粒径との関連性に着目し、結晶粒径を小さ
くして行った場合に成形性がどの程度下がるかをさらに
研究した結果、意外にも結晶粒径を小さくすると、肌あ
れ現象が著しく減少し、しかもその小さくした結晶粒径
でも十分な成形性を確保できることを見い出し、本発明
を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明によれば、炭素量が0.
001ないし0.005wt%、平均結晶粒径が7.5
μm以下の表面処理鋼板の両面に有機樹脂被覆を施した
ことを特徴とする製缶用積層体が提供される。
【0013】また、本発明によれば、上記製缶用積層体
を薄肉化深絞り成形あるいは薄肉化深絞り−しごき成形
して缶胴としたシームレス缶が提供される。
【0014】また、本発明によれば、前記缶胴における
側壁部の薄肉化率αが、〔(TO −TW )/TO 〕×1
00(%)(T0 :元板厚さ、TW :缶胴全高さ中央部
における側壁部厚さ)で定義され、前記薄肉化率αが4
5%以上である上記シームレス缶が提供される。
【0015】また、本発明によれば、前記缶胴における
側壁部の一部を径方向に3%以上張出し成形してなる上
記シームレス缶が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を各請求項ごとに説
明する。 <請求項1記載の発明>この発明は、図1に示すよう
に、製缶用積層体1の素材構成として、特定の極低炭素
鋼による表面処理鋼板2の両面に有機樹脂被覆3を施す
ことを規定するものである。
【0017】前記表面処理鋼板2は、炭素量が0.00
1ないし0.005wt%、平均結晶粒径が7.5μm
以下の極低炭素鋼板4であることが重要な特徴である。
炭素量が0.001wt%未満では連続焼鈍の際に結晶
粒径が大きくなり過ぎるきらいがあり、コストもかかり
過ぎ現実的でなくなり、0.005wt%を超えると成
形性が低下し、軽量化が困難になり、加えて鋼板の塑性
変形に伴う発熱量も上昇して有機樹脂被覆3に種々のダ
メージを与える。さらに、平均結晶粒径が7.5μmを
超えると、成形性は増すものの、図2に示すシームレス
缶10における肌あれ5が激しくなり有機樹脂被覆3の
割れ、表面処理鋼板2からの剥がれが生じ、特に複数段
の絞り加工の場合、絞り加工の回数が増すにつれて肌あ
れが大きくなり、最悪時には破胴を起こすに至る。
【0018】上記したように、自動車用鋼板として使用
される極低炭素鋼は、通常、炭素量が0.002wt%
近辺、平均結晶粒径が10μm以上のものであり、炭素
量は本発明の範囲内をクリアーしているが、平均結晶粒
径が10μm以上あり、本発明の範囲外であるから、こ
れをシームレス缶とした場合に肌あれが多く発生し、使
用できない。
【0019】上記構成の極低炭素鋼板4の特性は次の通
りである。 (1)成形性 本発明の極低炭素鋼板4は、従来の低炭素鋼板(炭素量
0.03重量%程度)と比較して、軟質で加工性が良
く、材料強度が低くr値が高いので絞り成形性や張出し
成形性が良く、その裏付けとして絞り成形性に適した結
晶方位を多く持っているから、同一工具条件で薄肉化深
絞り成形加工により薄肉化を行うと、従来材に比較して
薄肉化が容易にできる。同様に、薄肉化深絞り−しごき
成形加工の場合も、この極低炭素鋼板4は、軟質等の上
記特性に加えて、加工硬化も小さいので、ダイスにかか
る面圧が高くならず、有機樹脂被覆にダメージを与えな
い。さらに、この極低炭素鋼板4は、上記加工硬化が小
さいので、絞り成形後の缶胴14の側壁部7dの硬度が
低く、ネックイン部8の成形時に皺や割れの発生がな
い。
【0020】(2)破胴防止性 本発明の極低炭素鋼板4は、上記原理により成形性が良
好であるから、缶胴6の側壁部7cの薄肉化率αが45
%を超えるような薄肉化深絞り成形加工をしても、破胴
がない。その理由は、このような薄肉化深絞り成形加工
を1段で行うことが困難であるから、通常複数段の深絞
り成形工程が実施され、第1段目で生じた肌あれが第2
段目以降に持ち越され拡大されて局部的なくびれ(肌あ
れはミクロ的に見ると一種の板厚くびれである)に繋が
って、結果として、有機樹脂被覆に割れ等のダメージを
与え、また破胴を起こす。しかしながら、本発明の極低
炭素鋼板4は第1段目で肌あれ5がほとんど生じず、第
2段目以降に持ち越されることがないために破胴するこ
とがない。
【0021】(3)軽量性 本発明の極低炭素鋼板4は、上記原理により成形性およ
び破胴防止性が良好であるために、薄肉化率αを極限に
まで上げることが出来、従来材では成し得なかった軽量
化を図ることが出来る。
【0022】(4)肌あれ低減性 本発明の極低炭素鋼板4は、結晶粒径を大きく成長させ
て絞り成形性に適した結晶方位を多く持たせることを、
多少犠牲にして結晶粒径の微細化を積極的に図り、肌あ
れの発生を防止した。この肌あれ防止は、外観不良を防
ぐばかりでなく、有機樹脂被覆に種々のダメージを与え
ることがなくなり、絞り成形性を多少犠牲して肌あれ発
生を防止しても、肌あれを原因とした破胴、その破胴を
起こさせないための成形性、軽量性の抑制から来る絞り
成形性のダウンがなくなり、結果的に上記の絞り成形性
を多少犠牲にしたことになっていない。なお、自動車用
鋼板として使用される通常の極低炭素鋼で、薄肉化深絞
り成形加工を行うと、缶胴6の側壁部7cの肌あれ5、
すなわち、この肌あれ5をJIS規格(B 0601)
の平均粗さRa値で表現すると、従来材の2倍となる
が、本発明の極低炭素鋼4では従来材と同等のものが得
られる。
【0023】(5)有機樹脂被覆への適合性 有機樹脂被覆のある鋼板を薄肉化深絞り成形あるい
は薄肉化深絞り成形−しごき成形して缶胴とすると、そ
の過程で塑性変形に伴い発熱する。この熱は、鋼板ばか
りか有機樹脂被覆の温度も高め、さらに熱伝導により成
形工具の温度も高める。シームレス缶の商業的生産では
多量かつ高速でしかも連続であるから、この熱により有
機樹脂被覆を軟化させ、有機樹脂被覆が鋼板から剥離し
たり、成形工具により傷が付いたり、再絞り加工時に必
要とする皺押さえ圧力が鋼板にかからず皺が発生し、薄
肉化が図れないことがある。本発明の極低炭素鋼板4
は、材料強度が低く、さらに加工硬度も小さいので、加
工中の発熱および蓄熱のレベルが低く、剥離、傷付き等
が防止される。
【0024】 本発明の極低炭素鋼板4は、薄肉化深
絞り−しごき成形加工の場合も、軟質等の上記特性に加
えて、加工硬化も小さいので、ダイスにかかる面圧が高
くならず、有機樹脂被覆3にダメージを与えない。すな
わち、缶内面では薄肉化深絞り−しごき成形加工でダイ
スにかかる面圧が高くなると、有機樹脂被覆にマイクロ
クラックの発生、割れが生じ、耐食性が低下する。缶外
面ではダイスのしごき部位で有機樹脂被覆の削れが生
じ、外観を損なうばかりでなく、削れが酷くなると有機
樹脂被覆による強度補強が低下し破胴が生じる。なお、
本発明の極低炭素鋼板4では、上記のように、ダイス面
圧が低下するから成形工具の磨耗が減り、寿命が著しく
延長される。
【0025】 本発明の極低炭素鋼板4は、上記のよ
うに肌あれ低減性を十分有してことにより肌あれ5が発
生せず、有機樹脂被覆3との密着性を保持し、有機樹脂
被覆3の局部変形によるマイクロクラックも発生しない
ので、耐食性を向上保持させることができる。
【0026】(5)張出し成形性 本発明の極低炭素鋼板4は、缶胴6成形後の側壁部7c
の張出し成形性、すなわち、エリクセン値が優れている
ために、張出し成形時に破胴が生じない。したがって、
バルジ缶等を容易に製作出来る。
【0027】前記表面処理鋼板2は、極低炭素鋼板4に
表面処理を施すが、その表面処理は特に限定がないが、
極低炭素鋼板4の両面に錫メッキ層、クロムメッキ層、
薄ニッケルメッキ層、亜鉛メッキ層等の有機樹脂被覆3
との接着性に優れた表面処理層9が形成されている。
【0028】前記有機樹脂被覆3は、その材質は特に限
定されるものではないが、例示すれば、ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリルエステ
ル共重合体、アイオノマー等のオレフィン系樹脂フィル
ム、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィ
ルム、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナ
イロン12等のポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフ
ィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム等の熱可塑性樹脂
フィルムの未延伸または二軸延伸したものが挙げられ
る。
【0029】積層の際に接着剤を使用する場合は、ウレ
タン系接着剤、エポキシ系接着剤、酸変性オレフィン樹
脂系接着剤、コポリアミド系接着剤、コポリエステル系
接着剤等が使用される。
【0030】さらに、前記有機樹脂被覆3を例示すれ
ば、フェノールエポキシ、アミノ−エポキシ等の変性エ
ポキシ塗料、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体ケン化物、塩化ビニル−酢酸
ビニル−無水マレイン酸共重合体、エポキシ変性−ビニ
ル塗料または変性ビニル塗料、エポキシアミノ変性−ビ
ニル塗料または変性ビニル塗料、エポキシフェノール変
性−ビニル塗料または変性ビニル塗料、アクリル塗料、
スチレン−ブタジエン共重合体等の合成ゴム系塗料等の
熱可塑性または熱硬化性塗料の単独または2種以上の組
み合わせであっても良い。
【0031】本発明の極低炭素鋼板4の製造方法は、特
に限定されるものではないが、結晶粒径微細化は、例え
ば、熱延仕上げ圧延後、水を散布する等の冷却強化によ
り達成できる。また、圧延後の極低炭素鋼板の巻き取り
温度を素早く下げることによっても、結晶粒径微細化を
達成できる。さらに、極低炭素鋼にニオブ(Nb)を添
加することによっても、結晶粒径微細化を達成できる。
【0032】<請求項2記載の発明>この発明は、上記
記載の製缶用積層体1を成形してなるシームレス缶10
を規定するものである。製缶用積層体1を薄肉化深絞り
成形あるいは薄肉化深絞り−しごき成形して缶胴6と
し、最終的にシームレス缶10を得るには、以下の工程
による。
【0033】まず、図3の工程図に示すように、まずa
の製缶用積層体1から円板を打ち抜き、前絞り工程で径
の大きい前絞りポンチとダイスとを用いて、底部11と
側壁部7とを有する前絞りカップ12を成形し(b参
照)、この前絞りカップ12をこれの内部に挿入した環
状の保持材と再絞りダイス(図示せず)とで保持し、こ
れら保持材と再絞りダイスと同軸にかつ保持材内を出し
入れ可能に設けた再絞りポンチと再絞りダイスとを、互
いに噛み合うように相対的に移動させ、前絞りカップ1
2よりも小径のカップ13に再絞り成形する(c参
照)。
【0034】その際、カップ13の側壁部7bを形成す
るに当たり、再絞りダイスの曲率半径の小さい(半径が
元板厚の1ないし2.9倍)作用コーナー部において曲
げ−曲げ戻し変形による薄肉化(薄肉化深絞り成形)を
行う。同様にして、さらに小径のカップ14に再絞り成
形する(d参照)。あるいは、上記2度の再絞り成形に
際して、薄肉化深絞り成形しながら、再絞りパンチと再
絞りダイスとの間で側壁部7bおよび7cにしごき加工
を与えて、カップ14としても良い。
【0035】続いて、このカップ14を底部加工して、
所望の形状、例えばチャイム部15a、環状突部15b
および中央パネル部15cを有する形状にする(図3、
d)。底部加工された缶14は、側壁部7cの上部をフ
ランジ部16と共に切断された後、外面印刷が施され
る。次いで、例えば、特開平5−277572号公報に
記載されるスピニング法で、図4に示すように、開口端
部7dに嵌入された回転支持体17によって、缶体14
を強制回転しつつ、成形ロール18を、1点鎖線の位置
から側壁部7cに向かって移動させて、回転支持体17
と、回転支持体17より小径で、側壁部7c内面に接触
するよう、偏心的に回転支持体17に対して近接して設
けられたワークロール19の間の開口端部7dの部分に
押入させながら、側壁部7cをワークロール19と共に
回転支持体17から離れる軸心方向に移動させて(図
4、)、開口端部7dに前ネックイン部8’、8’a
および前フランジ部20’を形成する(図4、)。
【0036】次に、整形工具(図示せず)により、前ネ
ックイン部8’,8’aおよび前フランジ部20’を整
形して図2に示すような、断面円弧状の肩部8aおよび
接地面15dに実質的に平行なフランジ部20を形成
し、最終的にシームレス缶10とする。
【0037】<請求項3記載の発明>この発明は、缶胴
6における側壁部7cの薄肉化率αが45%以上である
シームレス缶10を規定するものである。すなわち、缶
胴6における側壁部7cの薄肉化率αは、〔(TO −T
W )/T O 〕×100(%)で定義され、ここで、TO
は元板厚さであり、図1に示す加工前の製缶用積層体1
の厚さであって、TW は図2に示す缶胴6の全高さ中央
部6aにおける側壁部7cの厚さである。この薄肉化率
αが45%以上であることは、前述したように、有機樹
脂被覆3が有る状態から成形したものでは、本発明の製
缶用積層体1により初めて、破胴および側壁部の孔明き
等の不良発生がなく実現できるものである。
【0038】<請求項4記載の発明>この発明は、缶胴
6における側壁部7cの一部を径方向に3%以上の張出
し成形をしたシームレス缶10を規定するものである。
すなわち、缶胴6における側壁部7cの一部を張出し成
形することは、側壁部7cにさらに再加工を施すことで
あり、本発明の製缶用積層体1により初めて実現出来る
ものである。すなわち、前述したように、本発明の製缶
用積層体1の極低炭素鋼板4は、缶胴6成形後の側壁部
7cの張出成形性、すなわち、エリクセン値が優れてい
るために、張出成形時に破胴が生じず、所謂バルジ缶を
容易に作ることが出来る。
【0039】側壁部7cの張出し成形は側壁部の板厚T
w が大きく影響する。一般的に板厚Tw が厚ければ、張
出し成形性が良好である。従来材では側壁部7cに張出
し加工を施す場合は、板厚を十分に厚くしておかなけれ
ば成形できないので、缶の軽量化が困難であったが、上
記特定の特性を備えた本発明の製缶用積層体1を用いる
ことにより、初めて側壁部板厚TW を薄くすることが可
能になったため、これにより、軽量なバルジ缶が得られ
る。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、薄肉化率を高くしても
破胴が発生しないから更なる薄肉化が図れ、ネックイン
部の縮径率を高くしても肌あれや孔明きが発生せず、有
機樹脂被覆にダメージを与えることもない製缶用積層体
を提供することができる。その結果、この製缶用積層体
により製作したシームレス缶は、薄肉化深絞り成形ある
いは薄肉化深絞り−しごき成形して、缶胴における側壁
部の薄肉化率を45%以上に出来て、極めて薄くでき、
再加工性も良いから張り出し成形も出来、バルジ缶の製
造も出来る。したがって、軽量かつ耐食性が高く、しか
も外観に優れ、その形状もバラエティーに富んだものと
することが出来る。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
なお、この実施例は、本発明の好ましい一実施態様を説
明するためのものであり、これによって本発明が制限さ
れるものではない。
【0042】<実施例1,2、比較例1ないし5>表1
に示すように、炭素量、調質、平均結晶粒径が異なる厚
さ0.18mmよりなるティンフリー・スチールを作成
し、その両面にポリエチレンテレフタレート/イソフタ
レート共重合体のフィルム(缶内面側に厚さ25μm、
缶外面側に厚さ15μm)を熱接着した樹脂被覆積層体
より直径154mmの円形ブランクを打ち抜き(図3、
a)、絞り加工(図3、b)2度の薄肉化再絞り−しご
き加工[第1再絞り(図3、c)、第2再絞り(図3、
d)]により、胴径66mm(公称缶径#211に相
当)の缶胴14を作成した。
【0043】
【表1】
【0044】最終の薄肉化再絞り−しごき加工(第2再
絞り)でのポンチとダイスの間のクリアランスを変え、
それぞれ側壁部7cの薄肉化率αが48%、55%とな
る缶胴に成形し、その破胴発生率を表2に示した(成形
試験数各20缶)。
【0045】
【表2】
【0046】また、薄肉化率αが48%の缶胴について
は以下の試験を行った。缶胴14のフランジ部16上面
から約10mm下方の7d内面部分の表面粗さ(平均粗
さ Ra)をJIS B 0601にしたがって測定し
た結果を表3に示した。なお、ここでは、樹脂被覆層を
剥離後、鋼材表面の粗さを測定した。缶胴14の側壁部
から、缶胴全高さの中央部6aが中心になるように一辺
90mmの正方形試験片を切り出し、缶外面側へ張出し
成形されるように、JISZ 2247記載の方法に従
って、エリクセン試験を行った。結果を表3に示した。
【0047】缶胴14を段落番号0035において説明
したスピニング法で、ネックイン加工およびフランジ加
工を行い、シームレス缶10とした。このときのネック
イン部8bの内径は57.3mmであった。その成形結
果を表3に併せて示した。なお、比較例1は、開口端部
付近の大きなしわおよび割れの発生により、成形不可能
であった。
【0048】ネックイン加工およびフランジ加工後に、
シームレス缶体10の内面側の金属露出をエナメルレー
タ値(ERV:「包装技術便覧」日刊工業新聞社、昭和
58年発行、p1845に記載の方法により測定)で評
価した結果を表3に併せて示した。
【0049】
【表3】
【0050】表2によれば、実施例1,2は薄肉化率が
55%になっても破胴発生率は0%であるのに対し、比
較例1ないし5の破胴発生率は10ないし100%とい
ずれも破胴が発生した。
【0051】表3によれば、実施例1,2は、肌あれの
1つの指標である平均粗さが従来の極低炭素鋼板(比較
例4,5)に比べて大幅に改善され、肌あれ評価が優れ
ている比較例1ないし3とほぼ同等の結果を示している
ことがわかる。
【0052】また、実施例1,2はエリクセン値が高
く、張出し成形性が非常に良いことがわかる。比較例
4,5は、比較例1ないし3に比べると、比較的エリク
セン値が高いが、張出し成形で肌あれの拡大が顕著であ
った。また、ネックイン成形性および缶内面側金属露出
(ERV)ともに実施例1,2が優れていることがわか
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の製缶用積層体の素材構成を
示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態のシームレス缶を示す半裁断
面図である。
【図3】本発明の実施形態のシームレス缶の製造工程を
示す断面図である。
【図4】スピニング法によるシームレス缶の製造工程の
一部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 製缶用積層体 2 表面処理鋼板 3 有機樹脂被覆 4 極低炭素鋼板 5 肌あれ 6 缶胴 6a 側壁中央部 7a〜7d 側壁部 8,8a,8b ネックイン部 9 表面処理層 10 シームレス缶 12 前絞りカップ 13,14 再絞りカップ 15a〜15c 底部形状 16 再絞り後フランジ部 17 回転支持体 18 成形ロール 19 ワークロール 20 フランジ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 1/12 B65D 1/00 B Fターム(参考) 3E033 AA07 BA08 BA13 BB08 CA05 DA08 DD05 EA04 EA10 FA10 GA02 4F100 AA37A AB03A AK01B AK01C AK42 AK42J BA03 BA06 BA10B BA10C BA13 EJ64A GB16 JA11A JA20 JB02 JL01 JL03 YY00 YY00A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素量が0.001ないし0.005w
    t%、平均結晶粒径が7.5μm以下の表面処理鋼板の
    両面に有機樹脂被覆を施したことを特徴とする製缶用積
    層体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の製缶用積層体を薄肉化深
    絞り成形あるいは薄肉化深絞り−しごき成形して缶胴と
    したことを特徴とするシームレス缶。
  3. 【請求項3】 前記缶胴における側壁部の薄肉化率α
    は、〔(TO −TW )/TO 〕×100(%)(T0
    元板厚さ、TW :缶胴全高さ中央部における側壁部厚
    さ)で定義され、前記薄肉化率αが45%以上である請
    求項2記載のシームレス缶。
  4. 【請求項4】 前記缶胴における側壁部の一部を径方向
    に3%以上張出し成形してなる請求項2または3記載の
    シームレス缶。
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