JP2000334896A - ポリスチレン系樹脂多層発泡体及びその多層発泡体よりなる容器 - Google Patents

ポリスチレン系樹脂多層発泡体及びその多層発泡体よりなる容器

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、シート状又は板状のポリスチレン系樹
脂発泡体を熱成形して容器等の成形体を得た場合、成型
体表面に部分的なケロイド状の溶融やクラック等の表面
焼けが発生し、成形体の外観を低下させるとともに、剛
性も低下するという問題があった。本発明は熱成形した
際に表面焼けを生じる虞れのないポリスチレン系樹脂多
層発泡体を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明のポリスチレン系樹脂多層発泡体
は、複数のポリスチレン系樹脂発泡体の層が積層された
シート状又は板状のポリスチレン系樹脂多層発泡体であ
って、該多層発泡体の少なくとも一方の表面側が、揮発
性低分子量成分含有率2000重量ppm以下のポリス
チレン系樹脂発泡体の層で構成されているものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱成形時に発泡体
表面に部分的な溶融等が発生する虞れのないポリスチレ
ン系樹脂多層発泡体及びその多層発泡体を熱成形してな
る外観、剛性に優れた容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シート状又は板状のポリスチレン
系樹脂発泡体(以下、単に発泡体とも言う)は、熱成形
されてトレイ、弁当箱、丼、カップ等の各種容器として
広く使用されている。これらの発泡体を製造する場合、
基材樹脂であるポリスチレン系樹脂、発泡剤および各種
添加剤を、押出機により溶融混練し、この発泡性溶融樹
脂を押出機先端に取付けられた環状のダイスから低圧域
に筒状に押出して発泡させる方法(所謂、押出発泡法)
が採用されている。押出発泡された筒状の発泡体は、マ
ンドレルと呼ばれる円柱形状の冷却装置上を通過させて
冷却した後、切開いてシート状発泡体としたり、マンド
レルによる冷却を行うことなく筒状発泡体を挟圧ロール
間を通過させ発泡体内面を融着させて板状発泡体として
いる。しかしながら、このようにして得られる発泡体は
熱成形すると、その表面が部分的にケロイド状に溶融し
たり、クラック(裂け)が発生したりするという問題が
あった。また、発泡体の片面にポリスチレン系樹脂シー
トを積層した積層体の場合でも、熱成形すると、積層体
の発泡体側表面又は該樹脂シート積層面側の樹脂シート
下層の発泡体表面において同様の現象が発生することが
あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のポリ
スチレン系樹脂発泡体に見られた、熱成形によって発泡
体表面にケロイド状の溶融やクラックが部分的に発生す
る現象を解消したポリスチレン系樹脂多層発泡体及びそ
の多層発泡体を熱成形してなる外観、剛性の優れた容器
を提供することを目的とする。
【0004】本発明者らは、前記課題を解決すべく種々
検討した結果、押出発泡法によってポリスチレン系樹脂
発泡体を製造する方法において、発泡性溶融樹脂をダイ
スより押出す際に、ダイスより揮発性低分子量成分が同
時に放出され、この揮発性低分子量成分が冷却用のマン
ドレルの表面等に凝縮して再度発泡体表面に付着し、発
泡体を汚染することが前記した問題を生じる原因ではな
いかと考えた。本発明者等は更に鋭意研究を続けた結
果、ポリスチレン系樹脂発泡体中に含まれる揮発性低分
子量成分量を一定値以下とすることにより、前記したよ
うな発泡体を熱成形する際の問題が激減することことが
できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明のポリスチ
レン系樹脂多層発泡体は、複数のポリスチレン系樹脂発
泡体の層を有するシート状又は板状のポリスチレン系樹
脂多層発泡体であって、該多層発泡体の少なくとも一方
の表面側が、揮発性低分子量成分含有率2000重量p
pm以下のポリスチレン系樹脂発泡体の層で構成されて
いることを特徴とする。
【0006】本発明のポリスチレン系樹脂多層発泡体
は、揮発性低分子量成分含有率が2000重量ppm以
下のポリスチレン系樹脂発泡体の層と、揮発性低分子量
成分含有率が2000重量ppmを超えるポリスチレン
系樹脂発泡体の層とが積層されたものであっても良い。
本発明多層発泡体において、揮発性低分子量成分含有率
が2000重量ppm以下のポリスチレン系樹脂発泡体
の層は、密度0.05〜0.7g/cm3、厚み0.3
〜4mm、平均気泡径0.02〜0.45mmであるこ
とが好ましい。また、多層発泡体の一方の表面側が揮発
性低分子量成分含有率2000重量ppm以下のポリス
チレン系樹脂発泡体の層で構成され、他方の表面側が揮
発性低分子量成分含有率2000重量ppmを超えるポ
リスチレン系樹脂発泡体の層で構成されているものが好
ましい。更に本発明の多層発泡体は、各ポリスチレン系
樹脂発泡体の層が共押出により積層されていることが好
ましい。
【0007】本発明の容器は、上記多層発泡体を熱成形
してなるものであり、一方の面が揮発性低分子量成分含
有率が2000重量ppm以下のポリスチレン系樹脂発
泡体層で構成され、他方の面が揮発性低分子量成分含有
率が2000重量ppmを超えるポリスチレン系樹脂発
泡体層で構成されている多層発泡体を熱成形してなる容
器の場合、容器外面側が揮発性低分子量成分含有率が2
000重量ppmを超えるポリスチレン系樹脂発泡体層
で構成されてことが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本明細書においてポリスチレン系
樹脂とは、スチレン単独重合体やスチレン系共重合体、
或いはこれらと他の樹脂の混合物が包含される。スチレ
ン系共重合体や混合物の場合、スチレン系モノマー単位
の含有率は少なくとも25重量%以上、好ましくは50
重量%以上のものが用いられる。ポリスチレン系樹脂の
具体例としては、ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレ
ン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ア
クリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、
スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メ
タクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸メチ
ル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、ス
チレン−無水マレイン酸共重合体、ポリスチレン−ポリ
フェニレンエーテル共重合体、ポリスチレンとポリフェ
ニレンエーテルとの混合物などが挙げられる。これらの
樹脂に脆性改善等を目的としてスチレン−共役ジエンブ
ロック共重合体やその水素添加物を混合したものや、リ
サイクル樹脂の混合等を考慮してポリプロピレン系樹脂
や高密度ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂を40
重量%以下の割合で混合したものも使用することができ
る。更にビカット軟化点が110℃以上のポリスチレン
系樹脂を使用することにより、該ポリスチレン系樹脂よ
り得られる発泡体の耐熱性を向上させることができる。
上記ポリスチレン系樹脂には、酸化防止剤、熱安定剤、
帯電防止剤、導電性付与剤、耐候剤、紫外線吸収剤、着
色剤、難燃剤、無機充填剤等を添加することができる。
【0009】尚、本明細書において、上記ビカット軟化
点とは、JIS K7206(試験荷重はA法、伝熱媒
体の昇温速度は50℃/時の条件)にて求められる値で
ある。
【0010】本発明の多層発泡体を製造する代表的な方
法としては、目的とする多層発泡体の層の数に相当す
る各発泡体を押出発泡法により製造し、それらの各発泡
体を熱ロール、熱風等により加熱して積層接着する方
法、目的とする多層発泡体の層の数に相当する複数の
押出機を使用し発泡性溶融樹脂を各々の押出機から一つ
の合流ダイスに供給し、合流ダイスの内部又はダイス出
口付近の外部にてそれらの樹脂を多層発泡体となるよう
に積層して多層発泡体得る方法(所謂、共押出発泡法)
に大別される。
【0011】上記の共押出発泡法によって製造する場
合、各発泡性溶融樹脂の押出発泡温度は、140〜16
5℃であることが望ましい。押出発泡温度が高すぎると
発泡体中の揮発性低分子量成分含有量が高くなる虞れが
ある。また、多層発泡体を構成する各発泡体の溶融粘度
は特に限定されるものではないが、共押出発泡法を考慮
した場合、各発泡体の溶融粘度は、おおむね190℃、
剪断速度100sec -1の条件下で200〜10000
0poiseで相互に近い値であることが望ましく、各
発泡体を構成しているポリスチレン系樹脂の溶融粘度
(poise)の算術平均値の4分の1以上、4倍未満
の値の範囲であることが好ましい。上記の方法は、他
の方法に比べて工程がシンプルで低コスト化が可能であ
り好ましい製造方法である。
【0012】押出発泡によって発泡体を製造するには、
例えば、ポリスチレン系樹脂と気泡調整剤、必要により
その他の添加剤とを押出機にて溶融混練し、その溶融樹
脂を押出機に圧入された発泡剤と混合して発泡性溶融樹
脂とし、押出機先端に取付けられた環状のダイスから発
泡性溶融樹脂を低圧域に筒状に押出発泡する方法が採用
される。押出発泡された筒状発泡体は、マンドレルと呼
ばれる円柱形状の冷却装置上に引き取って冷却した後、
切開いてシート状発泡体としたり、押出された筒状の発
泡体をマンドレル上を通過させることなく筒状の発泡体
の内部が融着可能なうちに挟圧ロール間を通して筒状発
泡体を押しつぶして発泡体の内面を融着させることで板
状発泡体とすることができる。
【0013】ポリスチレン系樹脂発泡体を製造する場合
に用いる発泡剤としては、プロパン、n−ブタン、i−
ブタン、n−ブタンとi−ブタンとの混合物、ペンタ
ン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロブタン、シク
ロペンタン等の環式脂肪族炭化水素、トリクロロフロロ
メタン、ジクロロジフロロメタン、1,1−ジフルオロ
エタン、1,1−ジフルオロ−1−クロロエタン、1,
1,1,2−テトラフルオロエタン、メチルクロライ
ド、エチルクロライド、メチレンクロライド等のハロゲ
ン化炭化水素およびこれらの混合物等が挙げられる。ま
た、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレン
テトラミン、アゾビスイソブチロニトリル、重炭酸ナト
リウム等の分解型発泡剤も用いることができる。更に、
二酸化炭素等の無機ガスや水も発泡剤として使用でき
る。これらの発泡剤は適宜混合して用いることができ
る。このなかでも環境への負荷低減、取扱い性の良さ、
低コスト等の面で二酸化炭素、水、脂肪族炭化水素等を
使用することが好ましい。発泡剤の使用量は、特に限定
されないが、おおむね樹脂100g当たり、0.01〜
0.1モルの範囲で、目標とする発泡体密度に応じて適
宜選択することができる。
【0014】気泡調整剤としてはタルク、カオリン、マ
イカ、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チ
タン、クレー、酸化アルミニウム、ベントナイト、ケイ
ソウ土等の無機物粉末又は重炭酸ナトリウム、クエン酸
モノナトリウム塩等が例示される。これらの気泡調整剤
は、通常は単独で使用されるが2種以上組み合わせて用
いてもよい。気泡調整剤として用いる無機物粉末は、粒
子径が小さいほど少量の使用でも発泡体の気泡径を小さ
くする効果が高い。そのような観点から無機物粉末の平
均粒子径(遠心沈降法)は30μm以下であることが好
ましく、20μm以下であることがより好ましく、15
μm以下であることが更に好ましい。ただし、あまりに
も平均粒子径が小さいとその加工のために無機物粉末の
価格が高くなるので0.1μmを下限とすることが好ま
しい。上記無機物粉末の中でも特にタルクが有効である
と共に安価であるので最も好ましい。
【0015】上記方法等により製造される発泡体には、
通常、スチレン二量体やスチレン三量体等の揮発性低分
子量成分が2000重量ppmを超える割合で含有され
ている(以下、揮発性低分子量成分含有率が2000重
量ppmを超えるポリスチレン系樹脂発泡体を、便宜
上、“通常のポリスチレン系樹脂発泡体”と言うことが
ある。)。このような“通常のポリスチレン系樹脂発泡
体”は、その製造工程においてダイスより発泡性溶融樹
脂を押出す際に、揮発性低分子量成分を同時に放出し、
放出された揮発性低分子量成分は冷却用のマンドレルの
表面、挟圧ロール表面等に凝縮し、これが押出発泡され
た発泡体表面に部分的に再付着する虞れがある。そし
て、揮発性低分子量成分の凝縮物が付着している“通常
のポリスチレン系樹脂発泡体”を熱成形すると、発泡体
表面が部分的にケロイド状に溶融したり、クラックが発
生したりする虞れがある。
【0016】本発明のポリスチレン系樹脂多層発泡体
は、複数のポリスチレン系樹脂発泡体の層を有するシー
ト状又は板状の多層発泡体において、少なくとも一方の
表面側が、揮発性低分子量成分の含有率が2000重量
ppm以下のポリスチレン系樹脂発泡体(以下、この発
泡体を便宜上“低揮発性成分含有ポリスチレン系樹脂発
泡体”と呼ぶことがある。)の層で構成されていること
により、上記した“通常のポリスチレン系樹脂発泡体”
の有する問題を解決し得たものである。
【0017】“低揮発性成分含有ポリスチレン系樹脂発
泡体”は、該発泡体を押出発泡する際に放出される揮発
性低分子量成分の量も少なく、放出された揮発性低分子
量成分の凝縮物の発泡体表面への再付着に起因すると考
えられる、発泡体を熱成形する際等の、発泡体表面が部
分的にケロイド状に溶融したり、クラックが発生したり
する現象(以下、単に表面焼け現象とも言う)の発生を
防ぐことができるものと考えられる。
【0018】本発明において、上記ポリスチレン系樹脂
発泡体中の揮発性低分子量成分含有量とは、以下のよう
にして測定した値であり、実質的にはスチレン二量体と
スチレン三量体の合計量である。
【0019】試料の調整及び測定法 1.ポリスチレン系樹脂発泡体約0.2gを正確に秤量
し、ビーカー中の約15mlのテトラヒドロフランに溶
解させる。 2.ポリスチレン系樹脂発泡体がテトラヒドロフランに
完全に溶解したことを確認した後、その約15mlのポ
リスチレン系樹脂テトラヒドロフラン溶液を、約250
mlのn−ペンタン中に滴下してポリスチレン樹脂を析
出させる。更に、ビーカー中に約5mlのテトラヒドロ
フランを入れ、ビーカー中を洗浄し、洗浄に使用した約
5mlのテトラヒドロフランを更に、前記n−ペンタン
中に滴下する操作を2回行う。 3.n−ペンタンに中に析出したポリスチレン系樹脂
を、No.5Bのろ紙を使用してろ別する。尚、ろ過の
際は吸引ろ過を行なわず自然ろ過とする。 4.ろ液の入ったビーカーを15℃の水浴にて保温しつ
つコンプレッサーエアーをろ液に吹きかけながら6〜8
時間かけて、ろ液を約100mlに濃縮する。 5.約100mlに濃縮されたろ液に約40mlのアセ
トニトリルを加え、更に15℃の水浴にて保温しつつコ
ンプレッサーエアーをろ液に吹きかけながら2〜3時間
かけてろ液を約6〜9mlに濃縮する。 6.約6〜9mlに濃縮されたろ液をアセトニトリルで
全量が10mlとなるように希釈したものを測定用試料
とする。7.測定用試料を高速液体クロマトグラフに注
入して測定を行う。
【0020】測定装置(高速液体クロマトグラフ) 液送ポンプLC−6A(2台)、自動試料注入装置SI
L−6A、紫外分光光度計検出器SPD−6A、カラム
オーブンCTO−6A、システムコントローラSCL−
6A、データ処理装置C−R3A、全て(株)島津製作
所製
【0021】測定条件 カラム:ULTRON VX−ODS(充填材ODSシ
リカ、内径4.6mm.長さ250mm、粒径5μ
m)、信和化工(株)製 カラム温度:50℃ 移動相:アセトニトリル:水(体積比6:4)を初期濃
度とし、測定試料注入直後から13分間のリニアグラジ
エントによりアセトニトリルのみとした後、更に22分
間溶出。 流速:1.5ml/min. 検出波長:225nm 注入量:5〜100μlの範囲で適宜調節 検量線:スチレン二量体及びスチレン三量体の標準試料
(関東化学(株)製)を使用し、絶対検量線法により定
量する。
【0022】“低揮発性成分含有ポリスチレン系樹脂発
泡体”を得るためには、一つには原料ポリスチレン系樹
脂として揮発性低分子量成分の含有量が2000重量p
pm以下のものを選択して使用すること、より好ましく
は1000重量ppm以下のものを選択して使用するこ
とである。特にポリスチレン系樹脂を重合する際、重合
時の熱履歴において熱的処理時間が短いもの、重合時に
重合系内に存在する酸素量を少なくしたものや、脱揮時
の真空度を高くしたもの等が好適である。ポリスチレン
系樹脂は、懸濁重合、塊状重合、溶液重合、乳化重合等
の重合法によるもののうち、特に懸濁重合によるものが
好ましい。また、押出発泡工程においては押出機内での
ポリスチレン系樹脂の溶融混練時に、不必要な剪断力が
樹脂に働かないようなスクリューを備えた押出機を選択
すること、ベント押出機を使用し揮発性低分子量成分を
ベント口より排出させて押出発泡させる方法等を採用す
ることも、“低揮発性成分含有ポリスチレン系樹脂発泡
体”を得るために好適な方法である。
【0023】本発明のポリスチレン系樹脂多層発泡体
は、上記した“低揮発性成分含有ポリスチレン系樹脂発
泡体”の層のみが、2層以上積層された構成を有してい
ても、少なくとも一方の面が“低揮発性成分含有ポリス
チレン系樹脂発泡体”で構成され、且つ“低揮発性成分
含有ポリスチレン系樹脂発泡体”と“通常のポリスチレ
ン系樹脂発泡体”の層とが2層以上積層された構成を有
していても良い。本発明の多層発泡体の全体としての密
度は、0.05〜0.7g/cm3が好ましく、更に好
ましくは0.1〜0.5g/cm3である。密度が0.
05g/cm3未満の場合、多層発泡体を成形して得た
容器の強度が不足することがあるばかりでなく、加熱成
形するときに伸びが不足して容器に穴が開く場合があ
る。一方、密度が0.7g/cm3を超えると軽量性、
経済性が問題となるとともに、容器の断熱性が低下し容
器に食品を入れて加熱すると、手で持てないくらいに熱
くなり、発泡体製容器の特徴である断熱性が不十分なこ
とがある。また、多層発泡体の厚みは、好ましくは0.
7〜7mm、更に好ましくは0.7〜3mmである。厚
みが0.7mm未満では強度や断熱性の点で実用に耐え
得ない虞れがある。厚みが7mmを超えると、加熱成形
の際に発泡体の内部と外部との間の加熱ムラが起こりや
すく、精密な温度制御が必要となる。
【0024】また、“低揮発性成分含有ポリスチレン系
樹脂発泡体”の層のみが2層以上積層された構成の多層
発泡体の場合、各“低揮発性成分含有ポリスチレン系樹
脂発泡体”の層は、平均気泡径が0.02〜0.45m
mであることが好ましく、更に好ましくは0.03〜
0.3mmである。外観、印刷適性が良好なものとする
うえでは上記平均気泡径は細かいものが好ましいが、あ
まり細かすぎると発泡体の成形性、剛性の面において不
十分なものとなってしまう。一方、平均気泡径が大きす
ぎると外観、印刷適性において良好なものが得られなく
なる。更に、各“低揮発性成分含有ポリスチレン系樹脂
発泡体”の層は、連続気泡率が40%以下であることが
好ましく、更に好ましくは25%以下である。連続気泡
率が高いものは熱成形等の際に発泡体の二次発泡性が低
下するため、発泡体の金型再現性の悪化(金型形状通り
の成型体が得られ難くなる。)、成形体の肉厚不足の発
生等、熱成形性の低下が見られる。また、得られる成形
体の強度も同じ密度では弱くなる。しかし、吸水性素材
等の用途に使用する場合は、連続気泡率は必ずしも低い
ものでなくても良く、50%以上のものであっても良
い。尚、本発明において発泡体の連続気泡率はASTM
D2856、手順Cによって求められる値である。
【0025】“低揮発性成分含有ポリスチレン系樹脂発
泡体”の層と、“通常のポリスチレン系樹脂発泡体”の
層とが積層された構成の多層発泡体の場合、“低揮発性
成分含有ポリスチレン系樹脂発泡体”の層の厚みを0.
3〜4mmとすることが、製造コスト等の面から好まし
い。尚、揮発性低分子量成分2000重量ppm以下の
ポリスチレン系樹脂発泡体層の厚みが薄い多層発泡体を
得る場合、具体的には0.7mm未満の“低揮発性成分
含有ポリスチレン系樹脂発泡体”の層を有するものの場
合には、特に共押出発泡法により多層発泡体を得るのが
好適である。またこの多層発泡体の場合も、“低揮発性
成分含有ポリスチレン系樹脂発泡体”の層は、密度0.
05〜0.7g/cm3、平均気泡径0.02〜0.4
5mmであることが好ましく、より好ましくは密度0.
1〜0.5g/cm3、平均気泡径0.15〜0.45
mm、連続気泡率40%以下である。更に、低揮発性成
分含有ポリスチレン系樹脂発泡体”の層は、連続気泡率
40%以下であることが好ましく、より好ましくは連続
気泡率25%以上である。尚、吸水性素材等の用途によ
っては、連続気泡率は50%以上であって良い。
【0026】一方、多層発泡体を構成する“通常のポリ
スチレン系樹脂発泡体”の層は、従来のポリスチレン系
樹脂発泡体により構成すれば良く、その密度は、好まし
くは0.05〜0.7g/cm3、更に好ましくは0.
1〜0.5g/cm3である。“通常のポリスチレン系
樹脂発泡体”の層の密度が0.05g/cm3未満で
は、成形性、成形体の強度において不十分となる虞れが
ある。一方、0.7g/cm3を超えると軽量性、断熱
性が不十分となることがある。また、“通常のポリスチ
レン系樹脂発泡体”の層の厚みは0.5〜5mmである
ことが成形性、成形体の強度等の面から好ましく、更に
好ましくは0.9〜4mmである。また、“通常のポリ
スチレン系樹脂発泡体”の層の平均気泡径は、好ましく
は0.02〜0.45mm、更に好ましくは0.02〜
0.4mmである。上記平均気泡径が細かすぎると発泡
体の成形性、剛性の面において不十分なものとなってし
まい、平均気泡径が大きすぎると外観、印刷適性におい
て良好なものが得られなくなる。また、“通常のポリス
チレン系樹脂発泡体”の層の連続気泡率は、好ましくは
40%以下、更に好ましくは25%以下である。連続気
泡率が高い多層発泡体は、熱成形等の際に発泡体の二次
発泡性が低下するために発泡体の金型再現性悪化、成形
体の厚み厚薄の発生等の熱成形性の低下が見られる。
【0027】本発明の多層発泡体は、“低揮発性成分含
有ポリスチレン系樹脂発泡体”の層と、“通常のポリス
チレン系樹脂発泡体”の層とが、各々1層づつ積層され
た2層構成のものに限定されるものではなく、“通常の
ポリスチレン系樹脂発泡体”の層を芯層とし、その両面
に“低揮発性成分含有ポリスチレン系樹脂発泡体”の層
が積層された構成のもの、“通常のポリスチレン系樹脂
発泡体”の層同士が積層されたものに、“低揮発性成分
含有ポリスチレン系樹脂発泡体”の層が積層された構成
のもの、“低揮発性成分含有ポリスチレン系樹脂発泡
体”の層と、“通常のポリスチレン系樹脂発泡体”の層
とを、非発泡ポリスチレン系樹脂を介して積層したもの
等、複数の発泡体の層が積層されたものであっても、積
層されている各発泡体の層間に、非発泡樹脂からなる層
を有するものであってもよく、少なくとも“低揮発性成
分含有ポリスチレン系樹脂発泡体”の層が、多層発泡体
の一方の表面側に形成されているものであればよい。
【0028】本発明の多層発泡体は、その少なくとも一
方の表面側が、上記した“低揮発性成分含有ポリスチレ
ン系樹脂発泡体”の層で形成されていることにより、発
泡体の片面を加熱板に接触させて軟化させた後、金型に
て成形する所謂熱板成形等の如き、発泡体の片側から加
熱して成形を行なう場合において、“低揮発性成分含有
ポリスチレン系樹脂発泡体”の層側を加熱するようにす
れば、発泡体の表面焼け現象発生を防ぐことができる。
また、多層発泡体の両面側が、前記“低揮発性低成分含
有ポリスチレン系樹脂発泡体”の層で形成されている場
合には、どちらの面から加熱を行っても多層発泡体の表
面焼け現象の発生を防止できる。
【0029】また、一方の表面側が“低揮発性成分含
有ポリスチレン系樹脂発泡体”の層により構成され、他
方の表面側が“通常のポリスチレン系樹脂発泡体”の層
で構成される多層発泡体(2層構成に限らず、3層以上
の構成の場合も含む)を、前記した環状ダイスを用いた
共押出発泡法によって製造し、且つ押出発泡された筒状
の多層発泡体をマンドレルで冷却した後、切り開いてシ
ート状発泡体を得る場合、“低揮発性成分含有ポリスチ
レン系樹脂発泡体”の層が、筒状の多層発泡体の内面側
(即ちマンドレルと接する側)に形成されるようにして
押出発泡することが好ましい。
【0030】また、共押出発泡された筒状の多層発泡
体を、マンドレルで冷却することなく挟圧ロールによっ
て押しつぶして内面側を融着させることにより板状発泡
体とする場合、“低揮発性成分含有ポリスチレン系樹脂
発泡体”の層が、筒状多層発泡体の外面側(挟圧ロール
と接する側)に形成されるようにして押出発泡すること
が好ましい。
【0031】上記、、の方法により得られた多層発
泡体は、どちらの面から加熱を行っても多層発泡体の表
面焼け現象の発生を防止できる。
【0032】“低揮発性成分含有ポリスチレン系樹脂発
泡体”は、“通常のポリスチレン系樹脂発泡体”に比
べ、剛性に優れる反面、成形時の伸びや柔軟性の面で多
少改善の余地がある。その為、上記したように多層発泡
体の片面を“低揮発性成分含有ポリスチレン系樹脂発泡
体”の層にて形成し、他方の片面を“通常のポリスチレ
ン系樹脂発泡体”の層にて形成することにより、多層発
泡体の熱成形時の伸び、脆性が改善され、深絞り等の熱
成形性、抜き加工性に優れたものとなる。
【0033】また、本発明の多層発泡体の印刷適性及び
成形性をより向上させるために、一方の表面側の発泡体
の層の平均気泡径を20〜140μmとし、他方の表面
側の発泡体の層の平均気泡径を150〜450μmとす
るが好ましい。この場合、平均気泡径が150〜450
μmの発泡体の層を“低揮発性成分含有ポリスチレン系
樹脂発泡体”で構成し、平均気泡径を20〜140μm
の発泡体の層を“通常のポリスチレン系樹脂発泡体”で
構成すると成形性の面で特に好ましい。また本発明の多
層発泡体は、用途に応じて連続気泡率や厚みが異なる各
発泡体の層を積層接着することができる。
【0034】また本発明の“低揮発性成分含有ポリスチ
レン系樹脂発泡体”の層を有する多層発泡体は、無発泡
の熱可塑性樹脂の層が積層された構造のものであっても
構わない。無発泡の熱可塑性樹脂の層を構成する熱可塑
性樹脂としては、ハインパクトポリスチレン等のポリス
チレン系樹脂、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン系
樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナレフタレート等のポリエステル
系樹脂等が挙げられる。
【0035】無発泡の熱可塑性樹脂の層を有する多層発
泡体の代表的な製造方法としては、 前記した押出発泡法により多層発泡体を製造し、その
後、この発泡体に対して、製造ライン上または別ライン
で、シート状熱可塑性樹脂を熱ロール等を通して積層接
着する方法、各発泡体の層と熱可塑性樹脂の層とを共
押出法によって積層接着する方法、押出機により多層
発泡体を製造し、その後、この発泡体に対して、製造ラ
イン上または別ラインで、別の押出機より押出された熱
可塑性樹脂を積層接着する方法、押出発泡法により各
発泡体を製造し、これらの発泡体に対して、製造ライン
上または別ラインでシート状熱可塑性樹脂を積層し、熱
風又は熱ロール等で各発泡体及びシート状熱可塑性樹脂
を積層接着する方法等がある。また、無発泡のシート状
熱可塑性樹脂の厚みは0.01〜0.5mmが好まし
く、特に0.02〜0.2mmが好ましい。0.01m
m未満では熱成形する際に伸ばされて更に薄くなるため
に破れやピンホールが生じやすい。厚みが0.5mmを
超える場合は発泡体との接着が難しくなり、コスト高と
なってしまう。無発泡の熱可塑性樹脂層中には、必要に
応じて各種の添加剤、例えば酸化防止剤、熱安定剤、帯
電防止剤、導電性付与剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃
剤、無機充填剤等を添加することができる。
【0036】本発明の容器は、前述した多層発泡体を熱
成形してなる容器である。多層発泡体の熱成形方法とし
ては、これらを加熱軟化させ、金型を使用した真空成形
法及び/又は圧空成形法、更にはそれらを応用したマッ
チドモールド成形法、プラグアシスト成形法等の成形法
が挙げられ、主にトレイ、カップ、丼、弁当箱等の容器
に成形される。尚、“低揮発性成分含有ポリスチレン系
樹脂発泡体”の層が片面側のみに設けられている多層発
泡体の場合、容器の内側側に“低揮発性成分含有ポリス
チレン系樹脂発泡体”の層が位置するように多層発泡体
を熱成形することが熱成形の面で好ましい。本発明容器
は外観、剛性において優れたものであり、特に“低揮発
性成分含有ポリスチレン系樹脂発泡体”の層が容器内面
側に位置し、“通常のポリスチレン系樹脂発泡体”の層
が容器外面側に位置している容器は、更に脆性も改善さ
れ、柔軟性、外観、剛性に優れ、丼、カップ等の深絞り
容器や剛性を必要とする積み重ね高さの低いロースタッ
クトレイに好適なものである。
【0037】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
【0038】実施例1 ポリスチレン樹脂A(電気化学工業(株)製のポリスチ
レン樹脂、商品名『GX-0196』)を95.5重量部、
気泡調整剤としてタルクを1重量部の割合で60mm径
の押出機に投入して加熱した後、イソブタン65重量%
とノルマルブタン35重量%からなる混合ブタン発泡剤
3.5重量部を押出機内の溶融ポリスチレン樹脂Aに圧
入して約200℃で溶融混練した。次いで上記押出機と
接続された90mm径の押出機内に、上記溶融混練物を
押出して該押出機内で冷却して約157℃の発泡性溶融
樹脂を得た。一方、ポリスチレン樹脂B(出光石油化学
(株)製のポリスチレン樹脂、商品名『HH32』)を
95.5重量部、気泡調整剤としてタルクを1重量部の
割合で、他の60mm径の押出機に投入して加熱した
後、イソブタン65重量%とノルマルブタン35重量%
からなる混合ブタン発泡剤3.5重量部を押出機内の溶
融ポリスチレン樹脂Bに圧入して約200℃で溶融混練
した後、上記押出機と接続された90mm径の押出機内
に押出して冷却し、約157℃の発泡性溶融樹脂を得
た。各押出機内の発泡性溶融樹脂を合流環状ダイスで合
流させて積層した後、約157℃で該ダイスから共押出
ししてポリスチレン樹脂Aからなる発泡体の層が内面側
となるように、筒状に発泡させると共にその直径を拡大
させつつ表面を冷却し、更に筒状発泡体の内側をマンド
レルに接するようにして移送しながら更に冷却させ、マ
ンドレル下流側に固定された1つのカッターナイフによ
り押出方向に沿って筒状発泡体を切開いた。次いでその
切断部から押し広げることによりシート状にして連続的
にロール状に巻取った。尚、得られた多層発泡シート
は、幅が1040mm、厚みが2.5mm、密度が0.
11g/cm3であった。
【0039】参考例1 ポリスチレン樹脂Aを95.5重量部、気泡調整剤とし
てタルクを1重量部の割合で60mm径の押出機に投入
して加熱した後、イソブタン65重量%とノルマルブタ
ン35重量%からなる混合ブタン発泡剤3.5重量部を
押出機内の溶融ポリスチレン樹脂Aに圧入して約200
℃で溶融混練した。次いで上記押出機と接続された90
mm径の押出機内に上記溶融混練物を押出し、該押出機
内で約157℃まで冷却した後、同温度で環状ダイスか
ら押出して筒状に発泡させると共に、その直径を拡大さ
せつつ表面を冷却し、更に筒状発泡体の内側をマンドレ
ルに接するようにして移送しながら更に冷却させ、マン
ドレル下流側に固定された1つのカッターナイフにより
押出方向に沿って筒状発泡体を切開いた。次いでその切
断部から押し広げることによりシート状にして連続的に
ロール状に巻取った。尚、得られた発泡シートは幅が1
040mm、厚みが2.3mm、密度が0.11g/c
3であった。
【0040】参考例2 ポリスチレン樹脂A、タルク及びイソブタン65重量%
とノルマルブタン35重量%からなる混合ブタン発泡剤
とを約250℃で溶融混練した以外は、参考例1と同様
にしてシート状のポリスチレン系樹脂発泡体を得た。
【0041】比較例1 ポリスチレン樹脂Aのかわりにポリスチレン樹脂Bを用
いた以外は参考例1と同様にして、シート状のポリスチ
レン系樹脂発泡体を得た。
【0042】上記各実施例、参考例及び比較例にて得ら
れた多層発泡体又は発泡体について、揮発性低分子量成
分の含有率等の諸物性を測定した結果を表1に示す。ま
た、該多層発泡体又は発泡体について熱成形を行なった
結果も併せて表1に示す。表1の物性及び評価について
は以下の通り行なった。尚、揮発性低分子量成分含有
率、連続気泡率は前記した方法により測定した。
【0043】発泡体の密度 単層の発泡体については、縦2cm×横2cm×発泡体
厚み(cm)の試験片を切り出し、試験片の重量(g)
を測定し、該重量を縦2cm×横2cm×発泡体厚み
(cm)より求められる試験片体積(cm3)で割るこ
とにより求めた。また、多層発泡体の場合は、積層され
ている各々の発泡体において、縦2cm×横2cm×任
意の発泡体厚み(cm)の試験片を切り出し、試験片の
重量(g)を測定し、該重量を縦2cm×横2cm×発
泡体厚み(cm)より求められる試験片体積(cm3
で割ることにより求める。但し、試験片の厚みについて
は出来るだけ厚く設定した。尚、各発泡体の層のうち、
いずれか一つの発泡体が薄い場合は、その層の発泡体の
密度を、他の層の発泡体の密度と多層発泡体全体の密度
より逆算して求めても良い。
【0044】発泡体の厚み 発泡体の厚み方向垂直断面の任意の20カ所の厚みを測
定し、それらの値の算術平均値を採用した。
【0045】平均気泡径 発泡体の全厚み(mm)(多層発泡体の場合は、各発泡
体層の全厚み(mm))に亘って発泡体厚み方向に直線
を引き、該直線の長さ(mm)を直線上の気泡数にて割
ることにより求めた。
【0046】成形性 実施例、参考例及び比較例にて得られた多層発泡体又は
発泡体を、単発成形機にて開口部形状が直径150m
m、底面部直径120mm、深さ60mm又は30mm
の円錐台形状の容器成形用の金型を使用して真空成形に
よりカップを成形した時の成形性を以下の基準で評価し
た。尚、実施例1の多層発泡体については“低揮発性成
分含有ポリスチレン系樹脂発泡体”の層が、カップ内面
側となるように成形を行なった。 ◎:深さ60mmの金型を使用して成形された容器の金
型再現性が良好である。 ○:深さ30mmの金型を使用して成形された容器の金
型再現性が良好であり、深さ60mmの金型を使用して
成形された容器の金型再現性が多少劣る。 ×:深さ30mmの金型を使用して成形された容器の金
型再現性が劣る。
【0047】外観 上記、深さ30mmの金型を使用して成形された、50
00個の容器の外観を観察し以下の基準にて評価を行な
った。 ○:容器の表面にケロイド状の溶融又はクラックの発生
が見られるものが一つもない。 ×:容器の表面にケロイド状の溶融及び/又はクラック
の発生が見られるものがある。
【0048】剛性 上記、深さ30mmの金型を使用して成形された容器
を、開口面が鉛直方向となるようにリップ強度測定装置
に装着し、開口面を形成しているリップ部を鉛直方向に
10mm圧縮した時の応力をリップ強度(gf)とし、
以下の基準で評価を行った。 ○:リップ強度が500gf以上である。 △:リップ強度が500gf未満である。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明のポリスチレン系樹脂多層発泡体
は、熱成形時に発泡体表面において、ケロイド状の溶融
やクラックが部分的に発生する等の虞れがなく、外観良
好で剛性に優れた成形体を得ることできる。また、発泡
体を数日間連続的に製造する場合、従来のように生産を
一時停止させてマンドレルや挟圧ロール等の表面の清掃
を行う等の必要が殆どなく、生産性が良好なものであ
る。更に、“低揮発性成分含有ポリスチレン系樹脂発泡
体”の層と“通常のポリスチレン系樹脂発泡体”の層と
が積層されている多層発泡体の場合、上記の効果に加
え、熱成形時の伸び、脆性が改善され深絞り等の熱成形
性、抜き加工性に優れたものとなり、特に一方の表面側
を“低揮発性成分含有ポリスチレン系樹脂発泡体”の層
で構成され、他方の表面側を“通常のポリスチレン系樹
脂発泡体”の層で構成されているものは更に、これらの
効果に優れるものとなる。また、“低揮発性成分含有ポ
リスチレン系樹脂発泡体”の層と、“通常のポリスチレ
ン系樹脂発泡体”の層とを積層してなる多層発泡体は、
“通常のポリスチレン系樹脂発泡体”を構成する樹脂に
比して生産性の低い“低揮発性成分含有ポリスチレン系
樹脂発泡体”を構成する樹脂の絶対量を少なくすること
ができるため、生産コストをおさえることが出来る。
【0051】また、本発明の容器は外観、剛性において
優れたものであり、特に“低揮発性成分含有ポリスチレ
ン系樹脂発泡体”の層が容器内側に位置し、“通常のポ
リスチレン系樹脂発泡体”の層が容器外面に位置してい
る容器は、更に脆性も改善され、柔軟性、外観、剛性に
優れ、丼、カップ等の深絞り容器や、ロースタックトレ
イに好適なものである。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AC10 AH01H AK12A AK12B BA02 BA03 BA04 BA05 BA16 BA27 CA01 DJ01A DJ01B EH20 EH20A EH20B GB16 GB23 JA09A JA09B JA13A JA20A JB20A JB20B JK01 JK13 JK14 JK17 JL01 YY00A YY00B 4F207 AA13A AA13C AG03 AG20 AH55 KA01 KA11 KB26 KF01 4F208 AA13A AA13C AG03 AG20 AH55 MA01 MB01 MC01 MG05 MG13 MG22

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のポリスチレン系樹脂発泡体の層が
    積層されたシート状又は板状のポリスチレン系樹脂多層
    発泡体であって、該多層発泡体の少なくとも一方の表面
    側が、揮発性低分子量成分含有率2000重量ppm以
    下のポリスチレン系樹脂発泡体の層で構成されているこ
    とを特徴とするポリスチレン系樹脂多層発泡体。
  2. 【請求項2】 揮発性低分子量成分含有率が2000重
    量ppm以下のポリスチレン系樹脂発泡体の層ととも
    に、揮発性低分子量成分含有率が2000重量ppmを
    超えるポリスチレン系樹脂発泡体の層を有する請求項1
    記載のポリスチレン系樹脂多層発泡体。
  3. 【請求項3】 揮発性低分子量成分含有率が2000重
    量ppm以下のポリスチレン系樹脂発泡体の層が、密度
    0.05〜0.7g/cm3、厚み0.3〜4mm、平
    均気泡径0.02〜0.45mmの発泡体の層である請
    求項1又は2記載のポリスチレン系樹脂多層発泡体。
  4. 【請求項4】 多層発泡体の一方の表面側が揮発性低分
    子量成分含有率が2000重量ppm以下のポリスチレ
    ン系樹脂発泡体の層で構成され、他方の表面側が揮発性
    低分子量成分含有率が2000重量ppmを超えるポリ
    スチレン系樹脂発泡体の層で構成されている請求項2又
    は3記載のポリスチレン系樹脂多層発泡体。
  5. 【請求項5】 各ポリスチレン系樹脂発泡体の層が共押
    出により積層されている請求項1〜4のいずれかに記載
    のポリスチレン系樹脂多層発泡体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のポリス
    チレン系樹脂多層発泡体を熱成形してなることを特徴と
    する容器。
  7. 【請求項7】 請求項4記載のポリスチレン系樹脂多層
    発泡体を熱成形してなる容器であって、容器外面側が揮
    発性低分子量成分含有率2000重量ppmを超えるポ
    リスチレン系樹脂発泡体の層で構成されていることを特
    徴とする容器。
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