JP2000335085A - インク記録方法 - Google Patents

インク記録方法

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JP2000335085A
JP2000335085A JP14451599A JP14451599A JP2000335085A JP 2000335085 A JP2000335085 A JP 2000335085A JP 14451599 A JP14451599 A JP 14451599A JP 14451599 A JP14451599 A JP 14451599A JP 2000335085 A JP2000335085 A JP 2000335085A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録媒体上にインクを供給して画像を形成し
た場合に、記録媒体上においてフェザリングやブリーデ
ィングと呼ばれるインクの滲みが発生するのを防止する
と共に、着色剤に顔料を用いたインクにおいても、この
インクが記録媒体に十分に定着されるようにする。 【解決手段】 記録媒体1上にインクを供給して画像を
形成するインク記録方法において、上記のインク中に2
以上のジエノフィル基(又はジエン基)を有する高分子
化合物を含有させ、このインク中における2以上のジエ
ノフィル基(又はジエン基)を有する高分子化合物を、
記録媒体上において2以上のジエン基(又はジエノフィ
ル基)を有する化合物と反応させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、記録媒体上にイ
ンクを供給して画像を形成するインク記録方法に係り、
特に、上記のようにインクを記録媒体上に供給して画像
を形成した場合に、フェザリングやブリーディングと呼
ばれるインクの滲みが発生するのを防止すると共に、イ
ンクが記録媒体に十分に定着されるようにした点に特徴
を有するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェットプリンター等のイ
ンク記録装置においては、染料や顔料を水系媒体に溶解
或いは分散させたインクをインク吐出装置から紙等の記
録媒体上に吐出させて、記録媒体上にインクによる画像
を形成するようにしていた。
【0003】しかし、上記のようなインクを紙等の記録
媒体上に吐出させて、この記録媒体にインクによる画像
を形成するようにした場合、記録媒体上においてインク
が滲んで、フェザリングやブリーディングと呼ばれるイ
ンクの滲みが生じるという問題があり、また顔料を用い
たインクの場合には、顔料が記録媒体中に浸透せずに記
録媒体上に残った状態となるため、摩擦等によって顔料
が記録媒体上から取れたりするという問題があった。
【0004】そこで、近年においては、特開平7−61
117号公報に示されるように、ジエノフィル基を有す
る着色剤を用いたインクに対してジエン基を有する化合
物を用い、或いはジエン基を有する着色剤を用いたイン
クに対してジエノフィル基を有する化合物を用い、それ
ぞれディールス・アルダー反応させて、記録媒体上にお
けるインクの滲みや、記録媒体に対するインクの定着性
を向上させるようにしたものが提案されている。
【0005】ここで、この公報に示されるように、ジエ
ノフィル基を有する着色剤を用いたインクに対してジエ
ン基を有する化合物を用い、或いはジエン基を有する着
色剤を用いたインクに対してジエノフィル基を有する化
合物を用い、それぞれディールス・アルダー反応させる
にあたり、着色剤に染料を用いたインクにおいては特に
問題は生じないが、着色剤に顔料を用いたインクの場
合、この顔料をインク中において分散させる分散剤が顔
料表面に吸着し、これにより顔料が有するジエノフィル
基又はジエン基が、化合物が有するジエン基又はジエノ
フィル基と十分に反応しなくなって、記録媒体上におけ
るインクの滲みや、記録媒体に対するインクの定着性を
十分に向上させることができなくなるという問題があっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、記録媒体
上にインクを供給して画像を形成する場合における上記
のような問題を解決することを課題とするものである。
【0007】すなわち、この発明のインク記録方法にお
いては、記録媒体上にインクを供給して画像を形成した
場合に、記録媒体上においてフェザリングやブリーディ
ングと呼ばれるインクの滲みが発生するのを防止すると
共に、着色剤に顔料を用いたインクにおいても、このイ
ンクが記録媒体に十分に定着されるようにすることを課
題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の第1のインク
記録方法においては、上記のような課題を解決するた
め、記録媒体上にインクを供給して画像を形成するイン
ク記録方法において、上記のインク中に2以上のジエノ
フィル基を有する高分子化合物を含有させ、このインク
中における2以上のジエノフィル基を有する高分子化合
物を記録媒体上において2以上のジエン基を有する化合
物と反応させるようにしたのである。
【0009】また、この発明の第2のインク記録方法に
おいては、記録媒体上にインクを供給して画像を形成す
るインク記録方法において、上記のインク中に2以上の
ジエン基を有する高分子化合物を含有させ、このインク
中における2以上のジエン基を有する高分子化合物を記
録媒体上において2以上のジエノフィル基を有する化合
物と反応させるようにしたのである。
【0010】ここで、この発明における上記の第1及び
第2のインク記録方法のように、上記のインク中に2以
上のジエノフィル基(又はジエン基)を有する高分子化
合物を含有させ、このインク中における2以上のジエノ
フィル基(又はジエン基)を有する高分子化合物を記録
媒体上において2以上のジエン基(又はジエノフィル
基)を有する化合物と反応させると、記録媒体上におい
てジエノフィル基とジエン基とのディールス・アルダー
反応が、使用する溶媒や、反応に関与しない他の化合物
等に影響されず、また触媒を使用することもなく、常温
もしくは加熱下において速やかに進行し、インクが速や
かに記録媒体に定着されるようになる。
【0011】このため、記録媒体上においてインクが滲
むのが抑制され、フェザリングやブリーディングと呼ば
れるインクの滲みのない良好な画像が得られると共に、
顔料を用いたインクの場合にも、摩擦等によりインクの
顔料が記録媒体上から剥がれて、形成された画像がかす
れるといういうこともなく、安定した良好な画像が得ら
れるようになる。
【0012】ここで、上記の2以上のジエノフィル基を
有する高分子化合物としては、例えば、下記の化1〜化
7における構造式(A1)〜(A20)に示すような高
分子化合物等を用いることができ、特に、ディールス・
アルダー反応の進行を促進させたり、インクに用いた場
合にインクの保存安定性を高めるためには、上記のジエ
ノフィル基が、マレイミド構造の基や、アセチレンジカ
ルボン酸から誘導される基であることが好ましい。
【0013】
【化1】
【0014】
【化2】
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】一方、上記の2以上のジエン基を有する高
分子化合物としては、例えば、下記の化8〜化12にお
ける構造式(B1)〜(B15)に示すような高分子化
合物等を用いることができ、特に、ディールス・アルダ
ー反応の進行を促進させたり、インクに用いた場合にイ
ンクの保存安定性を高めるためには、上記のジエン基
が、フラン構造の基や、チオフェン構造の基であること
が好ましい。
【0021】
【化8】
【0022】
【化9】
【0023】
【化10】
【0024】
【化11】
【0025】
【化12】
【0026】ここで、上記の2以上のジエノフィル基又
は2以上のジエン基を有する高分子化合物を水性インク
に用いる場合には、この高分子化合物が水又は水と水性
有機溶媒との混合溶媒中において溶解したり、乳化した
り、膨潤したりするものであることが好ましい。
【0027】そして、上記のような2以上のジエノフィ
ル基又は2以上のジエン基を有する高分子化合物を得る
にあたっては、ジエン基(又はジエノフィル基)の他に
置換基として−OH,−SH,−NH2 ,−COOH,
グリシジル基を有する化合物と、置換基としてグリシジ
ル基,カルボキシル基,酸ハロゲン化物基,イソシアネ
ート基,酸無水物基,アミノ基,ヒドロキシル基を有す
る高分子化合物とを用い、上記の置換基を介してジエン
基(又はジエノフィル基)を有する化合物を高分子化合
物と結合させて得ることができる。
【0028】ここで、上記のグリシジル基,カルボキシ
ル基,酸ハロゲン化物基,イソシアネート基,酸無水物
基,アミノ基,ヒドロキシル基を有する高分子化合物と
しては、例えば、ビニル重合性の高分子化合物、ポリア
ミド,ポリエステル,ポリウレア,ポリウレタン及びこ
れらの共重合体からなる高分子化合物を用いることがで
きる。
【0029】そして、上記のような基を有するビニル重
合性の高分子化合物を得るにあたっては、例えば、グリ
シジルメタクリレート,アクリル酸,メタクリル酸,ア
クリル酸クロリド,メタクリル酸クロリド,メタクロイ
ルオキシエチルイソシアネート,アクリロイルイソシア
ネート,4−ビニルベンジルイソシアネート,無水マレ
イン酸,アリルアミン,N−[3−(ジメチルアミノ)
プロピル]メタクリルアミド,4−ビニルピリジン,4
−(ジメチルアミノ)スチレン,2−ヒドロキシエチル
メタクリレート,2−ヒドロキシエチルアクリレート,
ビニルアルコール,4−ヒドロキシスチレン等のモノマ
ーを重合させるようにする。また、このようなビニル重
合性高分子に水溶性を付与するためには、親水性又は水
溶性の高い他のビニルモノマーを共重合させるようにす
る。そして、このような親水性又は水溶性の高いビニル
モノマーとしては、例えば、ジメチルアクリルアミド,
ジメチルメタクリルアミド,メタクロイルモルフォリ
ン,アクリロイルモルフォリン,ポリエチレングリコー
ルメタクリル酸エステル,ポリエチレングリコールアク
リル酸エステル等を用いることができる。
【0030】また、上記のような基を有するポリアミ
ド,ポリエステル,ポリウレア,ポリウレタン及びこれ
らの共重合体からなる高分子化合物を得るにあたって、
ポリアミドの場合にはジアミンとジカルボン酸又はジカ
ルボン酸ジハロゲン化物とを、ポリエステルの場合には
ジオールとジカルボン酸又はジカルボン酸ジハロゲン化
物とを、ポリウレアの場合にはジアミンとジイソシアネ
ートとを、ポリウレタンの場合にはジオールとジイソシ
アネートとを重合させるようにし、また共重合物の場合
にはこれらのモノマーを組み合わせて重合させるように
し、高分子の末端が上記のような基となるように、上記
の基を有するモノマーを過剰に用いて重合させるように
する。また、このようなポリアミド,ポリエステル,ポ
リウレア,ポリウレタン及びこれらの共重合体からなる
高分子化合物に水溶性を付与するためには、ポリエチレ
ングリコールジアミン、ポリエチレングリコール、親水
性又は水溶性の4級化可能なアミノ基を有するジアミン
やジオール、カルボン酸又はそのアルカリ金属やアミン
塩を形成できるカルボン酸を有するジメチロールプロパ
ン酸をモノマーとして共重合させるようにする。
【0031】また、この発明におけるインク記録方法に
用いるインクは、上記のような2以上のジエノフィル基
又は2以上のジエン基を有する高分子化合物の他に、水
性媒体中に適当な着色剤を添加させると共に、インクの
特性を向上させるため、例えば、水可溶性樹脂、防カビ
剤、防腐剤、pH調整剤、キレート剤、酸素吸収剤、防
錆剤、消光剤等を加えることができる。
【0032】ここで、上記の水性媒体としては、水を単
独で使用する他、水と水性の有機溶媒との混合溶媒を用
いることができる。
【0033】そして、上記の水性の有機溶媒としては、
インクの乾燥性を高めて、記録媒体へのインクの定着を
速めるため、例えば、メチルアルコール、エチルアルコ
ール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル等の炭素数1〜5の脂肪族アルコール等を、好ましく
は、炭素数1〜3の脂肪族アルコールを加えるようにす
る。
【0034】また、インクにおける保湿性を向上させた
り、その粘度等を調整するために、エチレングリコー
ル,プロピレングリコール,ブチレングリコール,ヘキ
シレングリコール等のモノアルキレングリコール、ジエ
チレングリコール,ジプロピレングリコール等のジアル
キレングリコール、トリエチレングリコール等のトリア
ルキレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類
を加えるようにしたり、またインク中において着色剤が
析出するのを防止するため、尿素、アミド、環式アミ
ド、アルカノールアミン等の両親媒性物質を添加するこ
ともできる。
【0035】さらに、吸湿性や水への溶解度の高い臭化
リチウム,臭化ナトリウム,塩化ナトリウム等の無機塩
類や、酢酸ナトリウム,トルエンスルホン酸ナトリウ
ム,フタル酸ナトリウム,酢酸アンモニウム,酢酸トリ
エタノールアミン塩等の有機塩を添加させることもでき
る。
【0036】また、上記の水性媒体中に添加させる着色
剤としては、従来より一般に使用されている公知の酸性
染料,直接染料,反応性染料等の水溶性染料、油溶性染
料、顔料を用いることができる。
【0037】そして、上記の染料としては、例えば、
C.I.アシッドイエロー17,23,42,44,7
9,142;C.I.アシッドレッド1,8,13,1
4,18,26,27,35,37,42,52,8
7,89,92,97,106,111,114,11
5,186,249,254,289;C.I.アシッ
ドブルー9,29,45,92,249;C.I.アシ
ッドブラック1,2,7,24,26,94;C.I.
ダイレクトイエロー1,12,24,26,33,4
4,50,86,120,142,144;C.I.ダ
イレクトレッド1,4,9,13,17,20,28,
31,39,80,81,89,225,227;C.
I.ダイレクトブルー1,2,6,15,22,25,
71,76,79,86,87,98,163,16
5,199,202;C.I.ダイレクトブラック1
9,22,32,38,51,56,71,74,7
5,77,168,171;C.I.ベーシックイエロ
ー1,2,11,13,14,15,19,21,2
3,24,28,29,32,36,40,41,4
5,49,53,63,64,65,67,70,7
3,77,87,91;C.I.ベーシックレッド2,
12,13,14,15,18,22,23,24,2
7,35,36,38,39,46,49,51,5
2,68,70,73,78,82,102,104,
109,112;C.I.ベーシックブルー1,3,
5,7,9,21,22,26,35,41,45,5
4,62,65,66,67,69,75,77,8
9,92,93,105,117,120,122,1
24,129,137,141,155;C.I.ベー
シックブラック2,8;C.I.リアクティブイエロー
1,5,11,13,14,20,21,22,25,
40,47,51,55,65,67;C.I.リアク
ティブレッド1,14,17,25,26,32,3
7,44,46,55,66,74,79,96,9
7;C.I.リアクティブブルー1,2,7,14,1
5,23,32,35,38,41,63,80,9
5;C.I.リアクティブブラック3,4,7,11,
12,17等を使用することができる。
【0038】また、上記の顔料としては、アゾ系,フタ
ロシアニン系,アントラキノン系,キナクリドン系,ジ
オキサジン系,インジゴ系,チオインジゴ系,ペリレン
系,アニリンブラック,アゾメチン系,ローダミンBレ
ーキ系,カーボンブラック,表面修飾によって水分散性
が高められたカーボンブラック等を使用することがで
き、具体的には、C.I.ピグメントイエロー1,2,
3,13,16,83,93,95,151,154,
180;C.I.ピグメントレッド5,7,12,4
8,57,112,122;C.I.ピグメントブルー
1,2,3,15:3,16等が用いられる。
【0039】そして、水系媒体中に加える染料や顔料の
量については、その量があまり少ないと、インクに十分
な色彩が付与されない一方、その量が多くなりすぎる
と、染料が十分に溶解されなかったり、顔料の分散が十
分に行えなくなるため、一般にこれらの染料や顔料を
0.1〜20重量%の範囲で加えるようにする。
【0040】また、上記の水可溶性樹脂としては、例え
ば、ヒドロキシエチルセルロース,カルボキシメチルセ
ルロース,ビスコース等のセルロース誘導体、アルギン
酸,アラビアゴム,トラガントゴム,リグニンスルホン
酸,ゼラチン等の天然高分子類、りん酸でん粉,カルボ
キシメチルでん粉塩等のでん粉誘導体、ポリアクリル
酸,ポリメタクリル酸,ポリビニル硫酸,ポリビニルス
ルホン酸,縮合ナフタレンスルホン酸,エチレン−アク
リル酸共重合体,スチレン−アクリル酸共重合体,スチ
レン−メタクリル酸共重合体,アクリル酸エステル−ア
クリル酸共重合体,アクリル酸エステル−メタクリル酸
共重合体,スチレン−マレイン酸共重合体,スチレン−
マレイン酸エステル共重合体,スチレン−イタコン酸共
重合体,イタコン酸エステル−イタコン酸共重合体,ビ
ニルナフタレン−アクリル酸共重合体,ビニルナフタレ
ン−メタクリル酸共重合体,ビニルナフタレン−イタコ
ン酸共重合体,フェノール樹脂,ポリアミド樹脂,ポリ
イミド樹脂,ポリアミック酸樹脂,エポキシ樹脂,ポリ
エステル樹脂,ポリウレタン樹脂,ポリウレタン−ウレ
ア樹脂,ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル,ポリオキシエチレンアルキルアミン,ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル,ポリビニルアルコー
ル,ポリビニルピロリドン,ポリアルキレンカチオン,
フタル化ゼラチン,両性イオン基を有する高分子等の合
成樹脂を用いることができる。
【0041】そして、この発明におけるインク記録方法
において、インク中における2以上のジエノフィル基
(又はジエン基)を有する高分子化合物を、記録媒体上
において2以上のジエン基(又はジエノフィル基)を有
する化合物と反応させるにあたっては、例えば、2以上
のジエノフィル基(又はジエン基)を有する高分子化合
物を含むインクを記録媒体上に供給した後、この記録媒
体上に2以上のジエン基(又はジエノフィル基)を有す
る化合物を供給させるようにしたり、2以上のジエン基
(又はジエノフィル基)を有する化合物を記録媒体上に
供給した後、2以上のジエノフィル基(又はジエン基)
を有する高分子化合物を含むインクを記録媒体上に供給
させるようにしたり、また2以上のジエノフィル基(又
はジエン基)を有する高分子化合物を含むインクの他
に、2以上のジエン基(又はジエノフィル基)を有する
化合物を含むインクを用い、これらのインクを一緒に記
録媒体上に供給する等の方法を用いることができる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態に係る
インク記録方法を添付図面に基づいて具体的に説明す
る。
【0043】(実施形態1)実施形態1においては、図
1に示すように、記録媒体1上にインクを吐出させるイ
ンク吐出装置10よりも記録媒体1の搬送方向上流側の
位置に、2以上のジエン基(又はジエノフィル基)を有
する化合物を含む溶液を記録媒体1に供給する供給装置
20として、2以上のジエン基(又はジエノフィル基)
を有する化合物を含む溶液を記録媒体1に塗布する塗布
ローラ21を設けている。
【0044】そして、この塗布ローラ21によって記録
媒体1に2以上のジエン基(又はジエノフィル基)を有
する化合物を含む溶液を塗布した後、上記のインク吐出
装置10から2以上のジエノフィル基(又はジエン基)
を有する高分子化合物を含むインクを上記の記録媒体1
上に吐出させて、記録媒体1に画像を形成するようにし
ている。
【0045】ここで、このように2以上のジエン基(又
はジエノフィル基)を有する化合物を含む溶液が塗布さ
れた記録媒体1上に2以上のジエノフィル基(又はジエ
ン基)を有する高分子化合物を含むインクを吐出させる
と、記録媒体1上において、上記の溶液に含有された2
以上のジエン基(又はジエノフィル基)を有する化合物
と、インクに含有された2以上のジエノフィル基(又は
ジエン基)を有する高分子化合物とにおいてディールス
・アルダー反応が生じ、インクが速やかに記録媒体に定
着されるようになる。
【0046】(実施形態2)実施形態2においては、図
2に示すように、記録媒体1上にインクを吐出させるイ
ンク吐出装置10よりも記録媒体1の搬送方向下流側の
位置に、2以上のジエン基(又はジエノフィル基)を有
する化合物を含む溶液を記録媒体1に供給する供給装置
20として、2以上のジエン基(又はジエノフィル基)
を有する化合物を含む溶液を記録媒体1に塗布する塗布
ローラ21を設けている。
【0047】そして、上記のインク吐出装置10から記
録媒体1上に2以上のジエノフィル基(又はジエン基)
を有する高分子化合物を含むインクを吐出させた後、上
記の塗布ローラ21によりインクが吐出された記録媒体
1に2以上のジエン基(又はジエノフィル基)を有する
化合物を含む溶液を塗布し、記録媒体1上において、上
記の溶液に含有された2以上のジエン基(又はジエノフ
ィル基)を有する化合物と、インクに含有された2以上
のジエノフィル基(又はジエン基)を有する高分子化合
物とをディールス・アルダー反応させて、インクを速や
かに記録媒体に定着させるようにしている。
【0048】(実施形態3)実施形態3においては、図
3に示すように、記録媒体1上にインクを吐出させるイ
ンク吐出装置10よりも記録媒体1の搬送方向上流側の
位置に、2以上のジエン基(又はジエノフィル基)を有
する化合物を含む溶液を記録媒体1に供給する供給装置
20として、2以上のジエン基(又はジエノフィル基)
を有する化合物を含む溶液を記録媒体1に吐出させる吐
出装置22を設けている。
【0049】そして、この吐出装置22によって記録媒
体1に2以上のジエン基(又はジエノフィル基)を有す
る化合物を含む溶液を吐出させた後、この記録媒体1上
に上記のインク吐出装置10から2以上のジエノフィル
基(又はジエン基)を有する高分子化合物を含むインク
を吐出させ、記録媒体1上において、上記の溶液に含有
された2以上のジエン基(又はジエノフィル基)を有す
る化合物と、インクに含有された2以上のジエノフィル
基(又はジエン基)を有する高分子化合物とをディール
ス・アルダー反応させて、インクを速やかに記録媒体に
定着させるようにしている。
【0050】(実施形態4)実施形態4においては、図
4に示すように、記録媒体1上にインクを吐出させるイ
ンク吐出装置10よりも記録媒体1の搬送方向下流側の
位置に、2以上のジエン基(又はジエノフィル基)を有
する化合物を含む溶液を記録媒体1に供給する供給装置
20として、2以上のジエン基(又はジエノフィル基)
を有する化合物を含む溶液を記録媒体1に吐出させる吐
出装置22を設けている。
【0051】そして、上記のインク吐出装置10から記
録媒体1上に2以上のジエノフィル基(又はジエン基)
を有する高分子化合物を含むインクを吐出させた後、こ
の記録媒体1に上記の吐出装置22から2以上のジエン
基(又はジエノフィル基)を有する化合物を含む溶液を
吐出させ、記録媒体1上において、上記の溶液に含有さ
れた2以上のジエン基(又はジエノフィル基)を有する
化合物と、インクに含有されたジエノフィル基(又はジ
エン基)を有する2以上の高分子化合物とをディールス
・アルダー反応させて、インクを速やかに記録媒体に定
着させるようにしている。
【0052】(実施形態5)実施形態5においては、図
5に示すように、2以上のジエン基(又はジエノフィル
基)を有する化合物を含む溶液を記録媒体1に供給する
供給装置20として、2以上のジエン基(又はジエノフ
ィル基)を有する化合物を含む溶液を記録媒体1に吐出
させる吐出装置22を、記録媒体1上にインクを吐出さ
せるインク吐出装置10と並設させ、この吐出装置22
とインク吐出装置10とを往復移動させるようにしてい
る。
【0053】そして、先の移動時には、インク吐出装置
10から記録媒体1上に2以上のジエノフィル基(又は
ジエン基)を有する高分子化合物を含むインクを吐出さ
せた後、この記録媒体1に上記の吐出装置22から2以
上のジエン基(又はジエノフィル基)を有する化合物を
含む溶液を吐出させる一方、戻りの移動時には、記録媒
体1に上記の吐出装置22から2以上のジエン基(又は
ジエノフィル基)を有する化合物を含む溶液を吐出させ
た後、この記録媒体1上にインク吐出装置10から2以
上のジエノフィル基(又はジエン基)を有する高分子化
合物を含むインクを吐出させ、記録媒体1上において、
上記の溶液に含有された2以上のジエン基(又はジエノ
フィル基)を有する化合物と、インクに含有された2以
上のジエノフィル基(又はジエン基)を有する高分子化
合物とをディールス・アルダー反応させて、インクを速
やかに記録媒体に定着させるようにしている。
【0054】
【実施例】次に、この発明に係るインク記録方法につい
て具体的な実施例を挙げて説明すると共に、この発明の
実施例によると、定着性に優れた良好な画像が得られる
ことを、比較例を挙げて明らかにする。
【0055】(実施例1〜28)これらの実施例におい
ては、2以上のジエン基を有する高分子化合物を含むイ
ンクと、2以上のジエノフィル基を有する化合物を含む
溶液とを用いるようにした。
【0056】ここで、これらの実施例においては、イン
クにおける2以上のジエン基を有する高分子化合物とし
て、下記の表1に示すように、前記の構造式(B9),
(B11),(B15)に示される高分子化合物であっ
て、k,l,m,nが同表に示す割合になったものを用
い、カーボンブラック分散液(Cabot社製:Cab
−O−Jet300)が5重量%、イソプロピルアルコ
ールが2重量%、下記の表1に示す各高分子化合物がそ
れぞれ同表に示す添加量(重量%)になるように蒸留水
を加え、これらを混合させて各インクを調製した。
【0057】一方、上記の溶液においては、2以上のジ
エノフィル基を有する化合物として、下記の表2に示す
ように、前記の構造式(A2),(A10),(A1
7),(A18),(A20)に示される高分子化合物
であって、k,l,m,nが同表に示す割合になったも
のを用い、各高分子化合物がそれぞれ同表に示す添加量
(重量%)になるように蒸留水を加えて、各溶液を調製
した。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】そして、実施例1〜14においては、上記
のインクと溶液とを用い、前記の実施形態1に示すよう
に、塗布ローラ21によって記録媒体1に上記の2以上
のジエノフィル基を有する化合物を含む溶液を塗布した
後、インク吐出装置10から上記の2以上のジエン基を
有する高分子化合物を含むインクを記録媒体1上に吐出
させて、記録媒体1に画像を形成するようにした。
【0061】また、実施例15〜28においては、上記
のインクと溶液とを用い、前記の実施形態5に示すよう
に、上記の2以上のジエノフィル基を有する化合物を含
む溶液を吐出させる吐出装置22と、上記の2以上のジ
エン基を有する高分子化合物を含むインクを吐出させる
インク吐出装置10と並設し、この吐出装置22とイン
ク吐出装置10とを往復移動させ、インク吐出装置10
から記録媒体1上に上記のインクを吐出させた後、この
記録媒体1に上記の吐出装置22から上記の溶液を吐出
させる操作と、記録媒体1に上記の吐出装置22から上
記の溶液を吐出させた後、この記録媒体1上にインク吐
出装置10から上記のインクを吐出させる操作とを繰り
返して、記録媒体1に画像を形成するようにした。
【0062】(実施例29〜54)これらの実施例にお
いては、2以上のジエノフィル基を有する高分子化合物
を含むインクと、2以上のジエン基を有する化合物を含
む溶液とを用いるようにした。
【0063】ここで、これらの実施例においては、イン
クにおける2以上のジエノフィル基を有する高分子化合
物として、下記の表3に示すように、前記の構造式(A
17),(A18)に示される高分子化合物であって、
k,l,m,nが同表に示す割合になったものを用い、
カーボンブラック分散液(Cabot社製:Cab−O
−Jet300)が5重量%、イソプロピルアルコール
が2重量%、下記の表3に示す各高分子化合物がそれぞ
れ同表に示す添加量(重量%)になるように蒸留水を加
え、これらを混合させて各インクを調製した。
【0064】一方、上記の溶液においては、2以上のジ
エン基を有する化合物として、下記の表4に示すよう
に、前記の構造式(B2),(B4),(B9),(B
11),(B15)に示される高分子化合物であって、
k,l,m,nが同表に示す割合になったものを用い、
各高分子化合物がそれぞれ同表に示す添加量(重量%)
になるように蒸留水を加えて、各溶液を調製した。
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】そして、実施例29〜41においては、上
記のインクと溶液とを用い、上記の実施例1〜14の場
合と同様に、前記の実施形態1に示すようにして、記録
媒体1に画像を形成するようにした。
【0068】また、実施例42〜54においては、上記
のインクと溶液とを用い、上記の実施例15〜28の場
合と同様に、前記の実施形態5に示すようにして、記録
媒体1に画像を形成するようにした。
【0069】(比較例1〜10)これらの比較例におい
ては、下記の表5及び表6に示すように、上記のインク
と溶液との少なくとも一方に、ジエノフィル基(又はジ
エン基)を有する高分子化合物を含有させないようにし
た。
【0070】ここで、比較例1,6においては、インク
中に前記の構造式(A17)に示される高分子化合物で
あって、k,l,m,nが同表に示す割合になったもの
を、比較例2,7においては、インクに前記の構造式
(B15)に示される高分子化合物であって、k,l,
m,nが同表に示す割合になったものを含有させるよう
にし、カーボンブラック分散液(Cabot社製:Ca
b−O−Jet300)が5重量%、イソプロピルアル
コールが2重量%、下記の表5に示す各高分子化合物が
それぞれ同表に示す添加量(重量%)になるように蒸留
水を加え、これらを混合させて各インクを調製する一
方、上記の溶液にはジエノフィル基(又はジエン基)を
有する高分子化合物を含有させないようにした。
【0071】また、比較例3,8においては、上記の溶
液中に前記の構造式(A17)に示される高分子化合物
であって、k,l,m,nが同表に示す割合になったも
のを、比較例4,9においては、溶液中にインクに前記
の構造式(B15)に示される高分子化合物であって、
k,l,m,nが同表に示す割合になったものを、同表
に示す添加量(重量%)になるように蒸留水を加えて各
溶液を調製する一方、インク中にきジエノフィル基(又
はジエン基)を有する高分子化合物を含有させないよう
にした。
【0072】また、比較例5,10においては、上記の
インクと溶液との双方にジエノフィル基(又はジエン
基)を有する高分子化合物を含有させないようにした。
【0073】
【表5】
【0074】
【表6】
【0075】そして、比較例1〜5においては、上記の
インクと溶液とを用い、上記の実施例1〜14の場合と
同様に、前記の実施形態1に示すようにして、記録媒体
1に画像を形成するようにした。
【0076】また、比較例6〜10においては、上記の
インクと溶液とを用い、上記の実施例15〜28の場合
と同様に、前記の実施形態5に示すようにして、記録媒
体1に画像を形成するようにした。
【0077】そして、上記の実施例1〜54及び比較例
1〜10に示すようにして記録媒体1上に形成した各画
像について、それぞれ耐摩擦性の評価を行い、その結果
を下記の表7に示した。
【0078】ここで、耐摩擦性については、上記のよう
にして記録媒体1上に形成した各画像に対して、直径4
5mm,質量609gの円形の重りの底面に、白色の普
通紙(ミノルタ社製:EPペーパー)を張り付けたもの
を上方から接触させ、この状態で、上記の重りを6.2
5秒間に50mmの幅で5往復させた後、重りの底面に
張り付けた上記の普通紙について、波長570nmにお
ける反射率を分光測色計(ミノルタ社製:CM3700
d)を用いて測定した。そして、このようにして測定し
た各反射率x1 と、上記の白紙の普通紙同士を接触させ
た後における反射率x0 (78.4%)との比(x1
0 )を求め、x1 /x0 の値が0.9以上1.0以下
の範囲の場合を◎、0.8以上0.9未満の場合を○、
0.7以上0.8未満の場合を△、0.7未満の場合を
×で示した。なお、x1 /x0 の値が1に近いほど、記
録媒体1に形成された画像の耐摩擦性が優れ、記録媒体
1に対するインクの定着性が向上している。
【0079】
【表7】
【0080】この結果から明らかなように、実施例1〜
54に示すインク記録方法のように、インク中に2以上
のジエノフィル基(又はジエン基)を有する高分子化合
物を含有させ、このインク中における2以上のジエノフ
ィル基(又はジエン基)を有する高分子化合物を記録媒
体1上において2以上のジエン基(又はジエノフィル
基)を有する化合物と反応させると、このような反応を
行わない比較例1〜10の場合に比べて、記録媒体1に
インクが十分に定着され、耐摩耗性に優れた良好な画像
が得られるようになった。
【0081】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明における
インク記録方法においては、インク中に2以上のジエノ
フィル基(又はジエン基)を有する高分子化合物を含有
させ、このインク中における2以上のジエノフィル基
(又はジエン基)を有する高分子化合物を記録媒体上に
おいて2以上のジエン基(又はジエノフィル基)を有す
る化合物と反応させるようにしたため、記録媒体上にお
いてジエノフィル基とジエン基とのディールス・アルダ
ー反応が速やかに進行し、インクが速やかに記録媒体に
定着されるようになった。
【0082】この結果、この発明におけるインク記録方
法においては、記録媒体上においてインクが滲むのが抑
制され、フェザリングやブリーディングと呼ばれるイン
クの滲みのない良好な画像が得られると共に、顔料を用
いたインクの場合にも、摩擦等によりインクの顔料が記
録媒体上から剥がれて、形成された画像がかすれるとい
ういうこともなく、安定した良好な画像が得られるよう
になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態1に係るインク記録方法を
実施する装置の概略説明図である。
【図2】この発明の実施形態2に係るインク記録方法を
実施する装置の概略説明図である。
【図3】この発明の実施形態3に係るインク記録方法を
実施する装置の概略説明図である。
【図4】この発明の実施形態4に係るインク記録方法を
実施する装置の概略説明図である。
【図5】この発明の実施形態5に係るインク記録方法を
実施する装置の概略説明図である。
【符号の説明】
1 記録媒体 10 インク吐出装置 20 供給装置 21 塗布ローラ 22 吐出装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41J 3/04 101Z Fターム(参考) 2C056 EA05 EA21 FA10 FC01 FC02 HA42 HA44 2H086 BA02 BA15 BA34 BA59 4J038 CE052 CG141 CG171 CG172 CH201 CQ001 CR071 GA01 GA02 GA08 GA09 PB11 PC10 4J039 AD10 AD12 BE02 EA47 GA24

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体上にインクを供給して画像を形
    成するインク記録方法において、上記のインク中に2以
    上のジエノフィル基を有する高分子化合物を含有させ、
    このインク中における2以上のジエノフィル基を有する
    高分子化合物を記録媒体上において2以上のジエン基を
    有する化合物と反応させることを特徴とするインク記録
    方法。
  2. 【請求項2】 記録媒体上にインクを供給して画像を形
    成するインク記録方法において、上記のインク中に2以
    上のジエン基を有する高分子化合物を含有させ、このイ
    ンク中における2以上のジエン基を有する高分子化合物
    を記録媒体上において2以上のジエノフィル基を有する
    化合物と反応させることを特徴とするインク記録方法。
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