JP2000335914A - 炭化珪素粉末とそれを用いた複合材料およびそれらの製造方法 - Google Patents

炭化珪素粉末とそれを用いた複合材料およびそれらの製造方法

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JP2000335914A
JP2000335914A JP11150856A JP15085699A JP2000335914A JP 2000335914 A JP2000335914 A JP 2000335914A JP 11150856 A JP11150856 A JP 11150856A JP 15085699 A JP15085699 A JP 15085699A JP 2000335914 A JP2000335914 A JP 2000335914A
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thermal conductivity
silicon carbide
sic
composite material
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Chihiro Kawai
千尋 河合
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
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    • C04B2111/00844Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00 for electronic applications

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放熱基板、特に半導体装置の部材製造用とし
て有用な高い熱伝導性の炭化珪素粉末およびそれを用い
た炭化珪素系複合材料を提供する。 【解決手段】 平均粒径が0.1〜200μm、25℃
の熱伝導率K25が380W/m・K以上、かつ200℃
の熱伝導率K200のK25に対する割合が、54%以上で
ある炭化珪素粉末、およびこの粉末をアルミニウム等の
金属マトリックス中に分散させた複合材料である。この
粉末および複合材料は、ともに従来に無くキャリヤー濃
度が低く、高温での熱伝導性に優れたものである。この
粉末は、炭化珪素粉末に、IVa族金属の粉末を添加混
合した後、不活性ガス雰囲気中、同金属の融点以上の温
度で熱処理することによって得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高熱伝導性の炭化
珪素粉末、同粉末粒子を金属マトリックス中に分散させ
た各種装置・機器、特に半導体装置の放熱基板に有用な
複合材料および同複合材料を用いた半導体装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年半導体装置の高速演算・高集積化に
対する市場の要求は急速に高まりつつある。それととも
に、同装置の半導体素子搭載用放熱基板には、同素子か
ら発生する熱をより一層効率良く逃がすため、その熱伝
導率のより一層の向上が求められてきた。さらに同素子
ならびに同基板に隣接配置された同装置内の他の部材
(周辺部材)との間の熱歪みをより一層小さくするため
に、より一層それらに近い熱膨張係数を有するものであ
ることも求められてきた。 具体的には、半導体素子と
して通常用いられるSi、GaAsの熱膨張係数がそれ
ぞれ4.2×10-6/℃、6.5×10-6/℃であり、
半導体装置の外囲器材として通常用いられるアルミナセ
ラミックスのそれが6.5×10-6/℃程度であること
から、同基板の熱膨張係数はこれらの値に近いことが望
まれる。
【0003】また近年のエレクトロニクス機器の応用範
囲の著しい拡張にともない、半導体装置の使用範囲はよ
り一層多様化しつつある。その中で、高出力の交流変換
機器・周波数変換機器等のいわゆる半導体パワーデバイ
ス機器への利用が増えつつある。これらのデバイスで
は、半導体素子からの発熱が半導体メモリーやマイクロ
プロセッサーに比べ数倍から数十倍(通常例えば数十W)
にも及ぶ。このためこれらの機器に使われる放熱基板
は、その熱伝導率を格段に向上させるとともに、その熱
膨張係数の周辺部材のそれとの整合性を高めることが重
要である。したがってその基本構造も、通常は例えば以
下のようになっている。まずSi半導体素子を第一の放
熱基板である高熱伝導性の窒化アルミニウム(以下単に
AlNとも言う)セラミック基板上に載せる。次いでそ
の第一の放熱基板の下に銅等のより高熱伝導性の金属か
らなる第二の放熱基板を配置する。さらにこの第二の基
板の下に、これを水冷または空冷可能な放熱機構を配置
する。以上のような構造によって外部に遅滞なく熱を逃
がす。したがって複雑な放熱構造とならざるを得ない。
この構造においては、第一の放熱基板であるAlNセラ
ミックスに170W/m・K程度のものを用いるとする
と、第二の放熱基板は、この第一の基板から伝達された
熱をその下の放熱機構に遅滞なく逃がす必要がある。こ
のため第二の基板としては、室温で少なくとも200W
/m・K以上の高い熱伝導率と第一の基板との熱膨張係
数の整合のため、10×10-6/℃以下、特に8×10
-6/℃以下の低い熱膨張係数を有するものが要求され
る。
【0004】またこのような基板には、従来より例えば
Cu−W系やCu−Mo系の複合合金からなるものが用
いられてきた。これらの基板は、原料が高価なためにコ
スト高になるとともに重量が大きくなるという問題があ
った。そこで、最近は安価で軽量な材料として各種のア
ルミニウム(以下単にAlとも言う)複合合金が注目され
るようになってきた。中でもAlと炭化珪素(以下単に
SiCとも言う)を主成分とするAl−SiC系複合合
金は、それらの原料が比較的安価であり、軽量かつ高熱
伝導性である。なお通常市販されている純粋なAl、S
iC単体の密度は、それぞれ2.7g/cm3程度、
3.2g/cm3程度、熱伝導率は、それぞれ240W
/m・K程度、200〜300W/m・K程度までであ
るが、さらにその純度や欠陥濃度を調整すれば、その熱
伝導率のレベルはさらに向上するものと思われる。その
ため、特に注目されている材料である。また純粋なSi
C単体、Al単体の熱膨張係数はそれぞれ4.2×10
-6/℃程度、24×10-6/℃程度であり、それらを複
合化することによって、その熱膨張係数が広い範囲で制
御可能となる。したがってこの点でも有利である。
【0005】かかるAl−SiC系複合合金およびその
製造方法については、(1)特開平1−501489号公
報、(2)特開平2−343729号公報、(3)特開昭6
1−222668号公報および(4)特開平9−1577
73号公報に開示されている。(1)は、SiCとAlの
混合物中のAlを溶融させて鋳造法によって固化する方
法に関するものである。 (2)、(3)は、いずれもSi
C多孔体の空隙にAlを溶浸する方法に関するものであ
る。この内(3)は、加圧下でAlを溶浸する、いわゆる
加圧溶浸法に関するものである。また(4)は、SiCと
Alの混合粉末の成形体かまたはそれをホットプレスし
たものを型内に配置し、これを真空中、Alの融点以上
の温度で液相焼結する方法に関するものである。
【0006】本発明者等は、特願平9−136164号
にて、(5)液相焼結法によって得られ、その熱伝導率が
180W/m・K以上のアルミニウム−炭化珪素系複合
材料を提示している。この複合材料は、例えば10〜7
0重量%の粒子状SiC粉末とAl粉末との混合粉末を
成形した後、99%以上の窒素を含み、酸素濃度が20
0ppm以下、露点が−20℃以下の非酸化性雰囲気
中、600〜750℃で焼結する工程によって得られ
る。 また本発明者等は、特願平9−93467号に
て、(6)その熱膨張係数が18×10-6/℃以下、その
熱伝導率が230W/m・K以上であり、焼結後の寸法
が実用寸法に近い、いわゆるネットシェイプなアルミニ
ウム−炭化珪素系複合材料も提示している。さらに本発
明者等は、特願平10−41447号にて、(7)常圧焼
結法とHIP法とを組み合わせた同複合材料の製造方法
を提案している。それによれば、例えば粒子状SiCを
10〜70重量%混合したAl−SiC系混合粉末の成
形体を、窒素ガスを99%以上含む非酸化性雰囲気中、
600℃以上、Alの溶融温度以下の温度範囲で常圧焼
結し、その後金属容器に封入して700℃以上の温度で
HIPすることによって、均質でその熱伝導率が200
W/m・K以上のアルミニウム−炭化珪素系複合材料が
得られている。
【0007】さらに(8)特開平9−157773号公報
には、Al粉末とSiC粉末との混合物をホットプレス
し、成形と焼結とを同時に行う方法が開示されている。
その方法は、Al10〜80体積%、残部SiCの混合
粉末を成形し、Alの溶融点以上の温度下500kg/
cm2以上の圧力でホットプレスするものである。この
方法によって150〜280W/m・Kの熱伝導率のア
ルミニウム−炭化珪素系複合材料が得られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたような複合
材料を大きな放熱量を要求される基板、特に半導体パワ
ーデバイス用の基板のように実用サイズが比較的大きく
放熱量の多い放熱基板として使用するためには、以下に
述べる解決すべきいくつかの課題が残っている。例えば
上記(1)に記載のAl−SiC系複合材料の製造方法で
は、Al溶湯を鋳型に流し込み、SiC粒子を分散させ
て固化する鋳造法を用いる。したがってAlとSiCの
密度差により冷却時に成形体中のSiC粒子の偏析が生
じ、固化体の組成が不均一になり易い。このため固化体
の表面がAlまたはAl合金からなる被覆層(以下この
層をAl被覆層とも言う)により覆われるのは避けられ
ない。通常この被覆層の厚みは、固化体の表面の部所に
よってかなりばらつく。さらにこの被覆層からなる固化
体の表面部とその内部との間では熱膨張係数にかなり差
があるため、両者の界面に熱が伝わるとそこに熱応力が
生じることになる。 それ故この被覆層を残してこの素
材を半導体素子搭載用の放熱基板に用いると、発生した
熱応力によって基板に反りや変形が生じ、その結果半導
体素子や周辺部材と基板との間に亀裂が生じたり、半導
体素子や周辺部材が変形したり、破壊したりする。した
がって、この被覆層は予め完全に除去する必要がある。
しかもこの除去は、上記のように被覆層の厚みにばらつ
きがあるため、軟質延性のAlを主成分とする相と剛性
の高いSiCを含む相とが共存する部分の加工となる。
したがって難加工となる。
【0009】上記(2)および(3)のAl−SiC系複合
材料の製造方法では、AlがSiC多孔体の空隙に溶浸
される。この場合鉄鋼の鋳造時に発生するような溶融A
lの引け巣を防ぎ、またSiCの空隙内にAlを完全に
充填して緻密な複合合金を得る必要がある。このため通
常SiC多孔体の外周に過剰なAlが溶浸剤として配置
される。溶浸後この過剰なAlが溶浸体の外周に溶出固
着し、その除去に多大の手間がかかる。また予めAlと
SiCを主成分とする混合粉末を成形し、焼結する上記
(5)に記載された方法でもAlの融点を越える温度で焼
結すると、軽度ではあるがこれと同じ現象が生じる。
【0010】そこでこのような外周へのAlの溶出固着
を防止するために、上記(6)に記載されたように、Al
を溶浸する前にSiC多孔体の外周にその溶出防止剤と
同溶浸を促す溶浸促進剤との混合物からなる薄い層を塗
布・形成することも一策ではある。しかしながらこれら
の層の塗布および溶浸後の除去には手間がかかる。
【0011】また上記(3)の加圧溶浸法では、一軸加圧
可能な型内にSiC多孔体を配置し、その上部にAlま
たはAl合金を置いて、真空中でAlを溶融させつつこ
れを外部から一軸加圧してSiC多孔体内に強制的に充
填する工程を踏む。この場合最終的に溶浸体は温度勾配
をつけて下部から徐々に冷却する。この時溶浸体内部の
SiC骨格部とAlによって充填された部分の熱膨張係
数の差が大きいために、冷却時にAlが溶浸体内に引け
てAlが未溶浸の部分(上述の引け巣に相当する)ができ
易い。したがって、冷却時の温度勾配と加圧・加熱のプ
ログラムとを同時に精度良く制御できる複雑な制御機構
が必要になる。したがってその装置はかなり高価なもの
となる。
【0012】さらに上記(4)に記載された型内ホットプ
レスによる方法では、以下に述べるような生産上・品質
上の問題がある。例えばホットプレス装置に連続式のも
のを用いると、真空雰囲気にするとともにその温度をA
lの溶融点以上に上げるため、型の外への溶融物の流出
を抑える必要がある。したがって成分量のばらつきを抑
え目的とする均一組成のものを得ようとすると、非常に
高価な製造装置が必要となる。一方同装置をバッチ式に
する場合には、溶融物の型外への流出は、連続式のもの
に比べいくぶん抑えることはできる。しかしその一方で
成形体の型への装填、所定の温度プログラムでの保持と
冷却の一連の工程を断続的に繰り返すことになるため、
この方式は生産性に欠ける。
【0013】以上詳述したように、従来のAl−SiC
系に代表される金属−SiC系の複合材料の製造には品
質上・生産上のいくつかの課題をかかえている。したが
ってAl−SiC系の複合材料は、特に半導体パワーモ
ジュールのような高い放熱性を要求される基板の一つと
して、その性能面で最近有望視されているにもかかわら
ず、従来から行われてきた鋳造法、溶浸法、焼結法、ホ
ットプレス法やそれらを組み合わせたいずれの方法でも
満足のゆく本来の性能レベルのものは得られていない。
【0014】本発明者は、上記した従来の課題を解決す
るために、特にSiC量の多い組成域での熱伝導性の向
上を重点に置いて研究を重ねてきた。その結果、既に特
願平10−260003号に提示した手段により、Si
C粒子の欠陥や不純物の量を減らすことによって、この
課題を克服できる見通しを得た。しかしながら前記した
パワーモジュールの中でも特に容量の大きなものでは、
実用時に150℃を越える昇温があるため、室温のみな
らず昇温時の高い熱伝導性が要求されている。上記特願
平10−260003号にて提案したように、炭化珪素
粉末の欠陥や不純物の量を少なくすれば、その室温での
熱伝導率はかなり向上するが、その一方でSiCの熱伝
導率は、昇温とともに低下する。これはSiC量の多い
組成域では顕著である。このため高温での熱伝導率の低
下を抑えることは困難であった。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
に粉末の欠陥や不純物の量を下げるだけでなく、さらに
粉末中のキャリヤー濃度を低下させることによって、高
温での熱伝導性の低下を最小限に抑える見通しを得て、
本発明に至った。すなわち本発明で提供される炭化珪素
の粉末は、25℃の熱伝導率K25が380W/m・K以
上、かつ200℃の熱伝導率K200のK25に対する割合
が、54%以上である炭化珪素粉末である。この粉末の
キャリヤー濃度は、1×1018/cm3以下である。
【0016】さらに本発明の提供する複合材料は、以上
述べた炭化珪素の粉末の粒子を金属マトリックス中に分
散させたものである。またマトリックス金属がアルミニ
ウムであり、炭化珪素粉末の粒子の量が50〜90重量
%である材料、中でも特に25℃の熱伝導率が295W
/m・K以上、かつ200℃の熱伝導率が215W/m
・K以上である材料も含む。
【0017】また本発明には、上記した複合材料を用い
た半導体装置が含まれる。
【0018】本発明の炭化珪素粉末は、原料の炭化珪素
粉末に、IVa族金属粉末を添加混合した後、不活性ガ
ス雰囲気中、IVa族金属の融点以上の温度で熱処理す
る方法で得られる。なお好ましくは、IVa族金属はT
iであり、またその熱処理の温度は2000℃以上であ
り、さらにその際の好ましい雰囲気はアルゴン(Ar)
ガスを含む雰囲気である。
【0019】本発明の複合材料は、以上の方法によって
得られた炭化珪素粉末と金属粉末とを混合し、成形後同
金属の融点以上の温度で加熱し焼結する、いわゆる焼結
法によって得られる。またこの炭化珪素粉末を成形した
後、その空孔内に金属の融液を溶浸する、いわゆる溶浸
法によっても得られる。焼結法の場合、通常非酸化性雰
囲気中で焼結するが、短時間であれば大気中でもよい。
またホットプレスや鍛造等の加圧焼結を行ってもよい。
また溶浸法の場合、非酸化性雰囲気中で行う。なお本発
明において金属粉末にアルミニウムを主成分とするもの
を用いる場合、好ましい炭化珪素粉末の量は、50〜9
0重量%である。
【0020】出発原料であるSiC粉末は、例えば純度
の低い通常市販されているものでもよいが、本発明の目
的とするキャリヤー濃度の低い粉末を、容易に得るため
には、熱伝導性を低下させる酸素や陽イオン不純物が少
ないものを選ぶのが望ましい。中でも特にFeの含有量
が、1000ppm以下の粉末を用いるのが望ましい。
そのためには、例えば本発明者等が既に特願平10−2
60003号で提案したように、予め市販のSiC粉末
を酸処理するかまたは熱処理するのが望ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】SiCと金属とからなる複合材料
の理論熱伝導率Kは、以下の式(1)のようになる。 K=Km[1+2Vd(R−1)/(R−2)]/[1+Vd(1−R)/(R+2)] 式(1) ただしRはマトリックス金属の熱伝導率Kmに対する分
散相SiCのそれKdとの比Kd/Kmであり、Vdは分散
相SiCの体積分率である。本発明では分散相を構成す
るSiC粉末の熱伝導率を掲げているが、粉末の熱伝導
率の測定は困難であり、直接それを知ることはできな
い。それ故本発明では、例えば純粋なAlとの緻密なA
l−SiC複合材料を作製し、その実測熱伝導率Kの値
と純粋なAlの熱伝導率Kmの値(通常240W/m・
K)を使って式(1)から求めた。
【0022】ところでSiCのようなセラミックス中の
熱伝導は、基本的にはフォノンの伝導によって生じる。
一般にSiCには多くの欠陥が存在し、その結晶格子の
C軸方向の原子の積層状態に起因する積層欠陥や点欠
陥、さらに結晶中への不純物元素の固溶に起因する転
位、塊状原料を粉砕して粉末を調製する過程で導入され
る歪みおよび不純物混入によるキャリヤー濃度の増加等
がある。この内キャリヤー濃度と熱伝導性との関係につ
いては、キャリヤー濃度が増加すると熱伝導率が低下す
る。
【0023】一般にSiC粉末は、酸化珪素(Si
2)または珪素(Si)とコークス等の炭素(C)と
の混合物に通電加熱してSiCの塊を作り、これを粉砕
して製造される。この製造過程で原料中に含まれ、また
加熱時に空気から取り込まれる窒素(N)が、SiC結
晶中に入り込み、そのC原子を置換する。その結果Si
C結晶中には、以下の式(2)にしたがって自由電子
(キャリヤー)が生じ、同結晶はn型の半導体になる。
このようなN原子によるC原子の置換は、Nのイオン半
径と電気陰性度がCのそれらに近いために起こる。 C4 →N3 +e- 式(2) 以上の製造方法では原料中に含まれる微量のNを除くこ
とは極めて難しいので、市販のSiC粉末の結晶中には
Nが含まれている。それ故同粉末のキャリヤー濃度は、
通常1×1017〜1×1018/cm3のレベルである。
一方キャリヤー濃度の低いSiC粉末を確実に得る手段
としては、例えば気相法(ガスプロセス)がある。この
方法は、例えばSiH4ガスとCH4ガスの気相反応を利
用する場合には、これら原料ガス中のN濃度を極力低下
させれば、目的のものが得られる。しかしこのような方
法は、単結晶の合成や薄膜の形成には有利であるが、生
産性に乏しくSiC粉末の量産には向かない。本発明者
は、SiCの熱伝導率がその純度や欠陥の量だけではな
く、特にその温度特性においてキャリヤー濃度も関与す
ることを念頭に置いて、同濃度低減の具体策を探求して
きた。その結果本発明者は、SiC粉末を用い、これに
IVa族金属の粉末を少量添加し熱処理することによっ
て、その目的が達成されることを確認し、本発明に至っ
た。
【0024】ところで陽イオンが多くなると、熱伝導率
が低下するのは以下の理由による。例えばAlの量が多
くなると、Al原子で置換されたSi原子位置が増え、
以下の式(3)に示されるようにSiC結晶中には正孔
が増加する。そしてこの正孔P+は自由電子と結合する
ため、キャリヤー濃度は減る。 Si4+→Al3++P+ 式(3) したがってNを含むSiC粉末にAlを固溶させて行け
ば、見かけ上キャリヤー濃度は減少するが、実際にはそ
の熱伝導率は低下する。これはAl原子自体がフォノン
を散乱させるとともに、その固溶によって結晶欠陥が増
えるためである。Feについても同様であるが、SiC
結晶中にそれが多く固溶すると、積層欠陥の濃度が増
え、熱伝導を阻害する。なおSiC結晶中の不純物の定
量は、例えばFeを例に採ると、以下のように行う。ま
ずSiC自体が溶解しないように王水に漬けると、粉末
中のSiC粉末の結晶外に存在するFeが溶出した水溶
液が得られる。一方SiCも溶解し得るフッ硝酸(フッ
酸HFと硝酸HNO3の混合水溶液)にそれを漬ける
と、粉末中に含まれる全てのFeが溶出した水溶液が得
られる。そこでこれら両水溶液中のFeの量差を確認す
る。
【0025】上記の純度および欠陥量が調製されたSi
C粉末に、IVa族金属(Ti、ZrおよびHf)の粉
末を添加し、その融点以上の温度で熱処理する。IVa
族金属の添加量は、この処理による熱伝導率の向上効果
を考えると、混合粉末中で0.1重量%以上とするのが
望ましい。IVa族金属の中では、Nとの反応性の点で
Tiが最も好ましい。例えばTiを添加した場合、熱処
理時の結晶からの窒素除去のメカニズムは、以下の通り
である。Ti粉末を添加したSiC粉末をTiの融点
(1680℃)以上の温度まで昇温すると、Tiはガス
化する。このTiガスとSiC粉末粒子表面付近のNと
が反応して窒化チタン(TiN)が生成する。するとS
iC粉末粒子の表面と内部のNの濃度勾配が生じ、同粒
子内部のNは、その表面に向かって拡散してTiガスと
反応する。このような過程が繰り返されてSiC粒子の
Nの含有量は低下する。このような熱処理を経てNはS
iC結晶粒子内に取り込むことなく、同結晶粒界にTi
Nとして析出する。その結果SiC粉末のキャリヤー濃
度は顕著に低くなる。なおこのような現象は、TiとN
の親和力が極めて高いために生じる。ZrやHfでも基
本的にほぼ同様である。
【0026】本発明の現象を生ぜしめるためには、添加
するIVa族金属の融点以上の温度で熱処理してガスを
発生させればよい。なおZr、Hfの融点は、それぞれ
1857℃、2000℃である。ただしより効率良く熱
処理を進め、SiC粒子中のNの拡散速度を早めるため
には2000℃以上の温度で行うのが望ましい。なお熱
処理温度は、SiCの昇華が激しくなり始める2400
℃までとするのが望ましい。この温度を越えると、Si
CもIVa族金属との反応で昇華性の化合物を作り急速
にガス化する。したがってこの温度を越えると、SiC
は主にガス相として存在するので、固体での回収が難し
くなることがあるからである。熱処理は、アルゴン、ヘ
リウムおよび窒素等の不活性ガス雰囲気中で行う。ただ
し窒素はアルゴンに比べ凝縮によって析出する結晶に欠
陥が生じ易く、またヘリウムは高価であるので、アルゴ
ン(Ar)ガス雰囲気中で行うのが望ましい。その圧力
は大気圧以下でもよいが、望ましくは大気圧以上である
が、IVa族金属の窒化反応が促進されるので高いほど
望ましい。なおIVa族金属を粉末のような固体状態で
介在させず、それらを気相でSiC粒子表面に供給し、
上記条件下で熱処理する方法でも同じ結果は得られる。
このように熱処理されたSiC粉末は、IVa族金属の
窒化物を含む。この窒化物粒子は、極めて微細であるか
非晶質(アモルファス)状態であり、例えば通常の粉末
X線回折では、そのピークを確認できないことが多い。
【0027】Tiを添加した場合を例に採って、その熱
処理プログラム例を以下に述べる。まずTi粉末を少量
添加したSiC粉末を炉内に配置後、真空中1550℃
以上に昇温し、所定時間加熱する。この段階で粉末中の
FeやAlのような陽イオン不純物が系外に昇華して取
り除かれる。その後大気圧のアルゴンガス雰囲気とし、
引き続き2000〜2300℃で所定時間加熱保持す
る。この段階でTiが昇華してSiC粉末粒子の表面の
Nと反応するとともに、SiC表面からSi2C、Si
2およびSiのようなガスが生じる。この過程によっ
てSiC結晶粒子中の積層欠陥濃度が低下する。
【0028】以上の方法によって得られる本発明のSi
C粉末は、通常50ppm以下のFe量および1×10
18/cm3以下のキャリヤー濃度を有する。またその平
均粒径は、通常0.1〜200μmである。この平均粒
径は、出発原料となる粉末の粒径に依存するが、熱処理
中SiC粒子の粒成長のため下限未満にはなり難く、上
限を越えると、SiC粒子中の窒素が抜け難くくなるか
らである。またその25℃の熱伝導率K25は、380W
/m・K以上であり、かつその200℃の熱伝導率K
200は、K25の54%以上である。この熱伝導率は、前
述のように、複合材料および金属の実測熱伝導率から式
(1)を用いて算出された値である。なお複合材料の熱
伝導率の実測は、通常レーザーフラッシュ法で行う。
【0029】本発明の複合材料は、以上のSiC粉末粒
子を金属マトリックス中に分散させたものである。この
複合材料は、前述のように、上記のSiC粉末と金属粉
末とを混合し成形した後、同金属の融点以上の温度で加
熱し焼結することによって得られる。またSiC粉末を
成形し、その空孔内に金属を溶浸することによっても得
られる。好ましい金属としては、比較的安価で熱伝導性
に優れた銅、アルミニウムおよび銀を主成分とするもの
が挙げられる。なお銅の密度、熱伝導率および熱膨張係
数は、それぞれ8.9g/cm3程度、395W/m・
K程度および17ppm/℃程度であり、銀の密度、熱
伝導率および熱膨張係数は、それぞれ10.5g/cm
3程度、418W/m・K程度および19.7ppm/
℃程度である。中でも最も安価かつ軽量であるアルミニ
ウムを主成分とするものが好ましい。この場合のSiC
の量は、50〜90重量%とするのが望ましいが、焼結
法の場合には、その焼結性の点から80重量%までとす
るのが望ましい。SiCの量が50重量%未満では、熱
膨張係数がSiやGaAsのような半導体素子のそれと
の差が大きくなる。一方90重量%を越えると、溶浸法
の場合、金属融液がSiC多孔体の空孔内に浸透し難く
くなるからである。このSiCの量は、熱伝導性、熱膨
張係数および電気特性等の要求されるレベルに応じて適
宜選択される。なお金属がAl以外のCuやAgであっ
ても、以上述べたSiCの量や熱特性や電気特性の制御
の手順は、基本的に同じである。
【0030】焼結は通常非酸化性雰囲気中で行うが、短
時間であれば大気中でもよい。例えばホットプレスのよ
うな加圧焼結も可能であるが、高周波誘導加熱のように
急速に成形体を均熱化できる加熱装置内で予備加熱し、
予熱した型内で熱間鍛造する方法が最も望ましい。これ
によってSiCと金属との間の界面反応が抑えられ、反
応生成物による熱伝導率の低下を最小限に食い止めるこ
とができる。本発明の好ましい製造方法によれば、例え
ばAl−SiC系の場合、SiC量が50重量%以上で
も、安定して250W/m・Kを越える高い熱伝導率の
複合材料が得られる。また本発明のSiC原料粉末の平
均粒径は0.1〜200μmの範囲とするのが望まし
い。より好ましくは5μm以上である。5μm未満で
は、粉末表面の酸素量が多くなることがあり、得られる
複合材料の熱伝導性を低下させるこがある。なお金属が
Al以外のCuやAgであっても、基本的には以上述べ
たことと同じことが言える。
【0031】本発明の好ましい製造方法によれば、キャ
リヤー濃度を1×1017/cm3以下に低下させること
によって、25℃の熱伝導率K25が430W/m・K以
上のSiC粉末が得られる。この粉末を用い、例えばS
iC70重量%−Al30重量%の組成物からなる成形
体を上記のように高周波誘導加熱によって急速加熱した
後、熱間鍛造を行った場合、25℃の熱伝導率が360
W/m・K程度のAl−SiC系複合材料が得られる。
本発明で確認されたSiC粉末の最高の熱伝導率K
25は、そのキャリヤー濃度が3×1015/cm3の場合
であり、550W/m・K程度である。この粉末を用
い、上記と同じ組成のAl−SiC系の組成物を熱間鍛
造したものでは25℃の熱伝導率が420W/m・K程
度となる。なお金属がAl以外のCuやAgであって
も、基本的にはほぼ同様のことが言える。
【0032】本発明の複合材料は、熱伝導性に優れてい
るため放熱性の要る電気・電子機器製品、自動車等の各
種機器の部材として広く利用できる。中でも半導体装置
のヒートシンク材や外囲器材等の各種部品として有利に
用いることができる。またSiC量が50重量%以上、
特に70重量%以上の組成域でも高い熱伝導性のものが
容易に得られ、その結果比較的低い熱膨張係数を兼ね備
えている。したがって半導体装置に使われる半導体素子
を始めとする比較的低い熱膨張係数の各種部材とのその
整合性に優れている。このため、以降の実施例に記載の
ように、実用状態でかなり厳しい冷熱サイクルにも耐え
ることができるので、例えば先に述べたような高出力の
パワーモジュール用のヒートシンクとしても十分な性能
を有している。
【0033】
【実施例】実施例1 表1の「出発原料」欄に記載の平均粒径を有し、6H型
結晶粒子を含み、他の結晶型粒子も含まれるSiC粉末
と、添加成分として平均粒径がいずれも5μmのTi、
ZrおよびHfの粉末とを準備した。これらの粉末を添
加成分が表1の「金属添加量」欄に記載の重量部、残部
がSiCの割合で乾式混合した後、混合物を炭化珪素質
のケースに入れてタングステンヒーター炉内に配置し
た。これを以下のプログラムで熱処理した。まず0.0
1torrの真空中で室温から20℃/分の昇温速度で
1600℃まで昇温し、同温度にて1時間保持した。そ
の後さらに1気圧のアルゴンガスを炉内に導入して、2
0℃/分の昇温速度で表1の「熱処理温度」欄に記載の
温度まで昇温し、その温度にて2時間保持し自然冷却し
た。
【0034】熱処理後各粉末から1gを分取し、室温の
王水100mlに、また別の1gを150℃のフッ硝酸
(フッ酸HFと硝酸HN03との3:1の割合の混酸)
100mlにそれぞれ20時間浸漬し、各々の水溶液に
溶出したFeの量を発光分光分析法によって確認した。
前述のように前者と後者との量差をSiC粉末の結晶粒
子内部のFeの量とした。またキャリヤー濃度は、ラマ
ン分光分析法によって確認した。その結果を平均粒径と
ともに常1の「熱処理SiC粉末」欄に示す。
【0035】次いで上記の各SiC粉末を表1の「複合
材料組成」欄に記載の重量部、残部が新たに用意した平
均粒径がいずれも25μmの純アルミニウム粉末、銅粉
末および銀粉末を表に記載の割合で秤取し、バインダー
として4重量%のパラフィンを添加してエタノール中で
ボールミル混合した。得られたスラリーを噴霧乾燥し顆
粒とした後、外径100mm、厚み10mmの形状に乾
式成形した。これらの各成形体を真空中で加熱してパラ
フィンを除いた。この各試料を高周波誘導加熱炉内に装
入して昇温速度600℃/分で表1の「焼成温度」欄に
記載の温度まで昇温し、同温度で10秒間保持後、予め
450℃に加熱された型に移し、直ちに9ton/cm
2の圧力で熱間鍛造した。鍛造体の相対密度(水中法で
実測した密度を同じ組成の理論密度で割った%値)、熱
伝導率を確認した。熱伝導率は、各温度にてレーザーフ
ラッシュ法によって確認した。これらの結果を表1に示
す。またこれらの各複合材料の熱伝導率値K、使用した
各金属の同値Kmおよび各試料のSiCの体積比率Vd
(表1のVol%値)の数値をそれぞれ式(1)に代入
して、各SiC粒子すなわち同粉末の熱伝導率Kdを算
定した。その結果もまた表1に示す。なお表には載せて
いないが、表1の試料4のSiC粉末と、同じアルミニ
ウムの粉末を、SiC量が20および40重量%の組成
で混合し、上記と同様の加熱・鍛造条件で固化焼結した
試料は、いずれも相対密度100%であり、25℃と2
00℃の熱伝導率は、SiC量20重量%にて前者が2
85W/m・K、後者が250W/m・K、SiC量4
0重量%にて前者が332W/m・K、後者が260W
/m・Kであった。
【0036】
【表1】
【0037】以上の結果より以下のことが分かる。
(1)炭化珪素粉末に、IVa族金属粉末を少量添加し
て不活性ガス雰囲気中、同金属の融点以上の温度で熱処
理することによって、その25℃の熱伝導率が380W
/m・K以上、200℃の熱伝導率が25℃のそれの5
4%以上であり、高温での熱伝導性に優れた炭化珪素粉
末が得られる。これらの粉末の結晶粒子内のキャリヤー
濃度が、1×1018/cm 3以下である。(2)この粉
末を用いて、Al他の金属との混合物を同金属の融点以
上の温度で熱間鍛造によって固化焼結すると、SiC量
が50重量%以上の組成域内でも、高温での熱伝導性に
優れた複合材料が得られ、特にAl−SiC系では25
℃の熱伝導率が295W/m・K以上、200℃の熱伝
導率が215W/m・K以上の高温での熱伝導性に優れ
た複合材料も得られる。(3)一方IVa族金属粉末を
添加せずに、同じ熱処理を行った粉末では、25℃の熱
伝導率が同じ複合化組成および同じ複合化条件で作製し
た本発明例のものに比べ低く、25℃から200℃の間
の熱伝導率の低下割合も大きい。
【0038】実施例2 実施例1の試料番号1、2、3、5、9、15および1
6と同様の条件で調製したSiC粉末を、実施例1と同
様にして顆粒状に造粒した。これらの各粉末を乾式粉末
プレスによって、実施例1と同じ形状に成形した。次い
で成形体中のパラフィンを除去するとともに、その空孔
率を調製するため、アルゴンガス減圧雰囲気中1300
〜1500℃で焼成した。得られた多孔体の空孔率を表
2の「空孔率」欄に示す。その後別途用意した純アルミ
ニウム、電気銅および銀の板を各SiC多孔体の下に敷
いて、窒素中表2の「溶浸温度」欄に記載の温度で1時
間保持し、各金属融液を多孔体の空孔内に溶浸した。得
られた複合材料の相対密度、25℃、100℃および2
00℃の各温度での熱伝導率、および熱膨張係数を確認
し、その結果を表2にまとめた。
【0039】
【表2】
【0040】また別途上記と同じ試料番号のSiC粉末
に、アルミニウム合金・純銅および純銀の粉末を表3の
「混合組成」欄に記載の割合で乾式混合した。なおアル
ミニウム合金粉末は、ガスアトマイズ法で急冷凝固させ
て得たSiを3重量%添加した平均粒径が50μmの粉
末を、また銅粉末および銀粉末は、電解法で得たいずれ
も平均粒径が70μm粉末を、それぞれ使用した。混合
粉末は、実施例1と同じ形状の成形体とし、窒素中表3
の「焼結温度」欄に記載の温度で1時間保持し焼結し
た。得られた複合材料の相対密度、25℃、100℃お
よび200℃の各温度での熱伝導率、および熱膨張係数
を確認し、その結果を表3にまとめた。
【0041】
【表3】
【0042】以上の結果より以下のことが分かる。
(1)IVa族金属粉末を少量添加して熱処理し、結晶
粒子内のキャリヤー濃度を低下させた本発明のSiC粉
末を用い、Al他の金属と溶浸法または焼結法で複合化
すると、高温での熱伝導性に優れた複合材料が得られ、
その場合、例えばAl−SiC系では、25℃の熱伝導
率が250W/m・K以上、200℃の熱伝導率が25
℃のそれの54%以上であり、高温での熱伝導性に優れ
た複合材料が得られる。(3)一方IVa族金属粉末を
添加せずに、同じ熱処理を行ったSiC粉末を用いて得
た複合材料では、25℃の熱伝導率が同じ複合化組成お
よび同じ複合化条件で作製した本発明例のものに比べ低
く、25℃から200℃の間の熱伝導率の低下割合も大
きい。
【0043】実施例3 実施例1の試料3、5、9、15、25および27、実
施例2の試料33、実施例3の試料44と同じ製法で得
た複合材料50個ずつを、長さ200mm、幅200m
m、厚み3mmの基材に仕上げ加工した。これを図1に
模式的に示すようなパワーモジュールに放熱基板として
実装して、各実装段階も含めて温度サイクル試験を行っ
た。図1において、1は本発明の上記複合材料からなる
第二の放熱基板、2は同基板上に配置され、その上面に
(図示しないが)銅回路が形成されたセラミックスからな
る電気絶縁性の第一の基板、3はSi半導体素子、4は
第二の放熱基板の下に配置された放熱構造体である。な
おこのジャッケットは、本実施例では水冷ジャケットで
あるが、他に空冷のフィン等もある。なお同図には半導
体素子周辺の配線等については省略してある。本実施例
では、Si半導体素子を第一のセラミックス製基板を介
して6個搭載したモジュールとした。
【0044】実装に先立ち第二の基板に直接第一の基板
を半田付けできないため、第二の基板の主面に予め平均
厚み5μmの無電解ニッケルメッキ層と平均厚み3μm
の電解ニッケルメッキ層を形成した。この内各4個の試
片は、ニッケルメッキ上に直径5mmの半球状のAg−
Sn系半田によって直径1mmの銅線をメッキ面に垂直
な方向に取り付けた。この試片の基板本体を治具に固定
して銅線を掴みメッキ面に垂直な方向に引っ張り、基板
へのメッキ層の密着強度を確認した。その結果いずれの
基板のメッキ層も1kg/mm2以上の引っ張り力でも
剥がれなかった。またメッキ層が形成された別の試片の
内から10個を抜き取って、−60℃で30分保持、1
50℃で30分保持の昇降温を1000サイクル繰り返
すヒートサイクル試験を実施し、試験後上記と同様の密
着強度を確認したところ、いずれの試片もメッキの密着
性で上記レベルを満足する結果が得られた。以上の結果
より本発明の複合材料からなる基板へのメッキの密着性
は、実用上問題の無いレベルであることが判明した。
【0045】次に第二の基板上に搭載するセラミックス
製の第一の基板として、熱伝導率が150W/m・K、
熱膨張係数が4.5×10-6/℃、3点曲げ強度450
MPaの窒化アルミニウムセラミックス製の基板Aおよ
び熱伝導率が120W/m・K、熱膨張係数が3.7×
10-6/℃、3点曲げ強度1300MPaの窒化珪素セ
ラミックス製の基板Bの二種の銅回路を形成した第一の
基板を、それぞれ18個ずつ準備した。これらの基板の
形状は、いずれも長さ90mm、幅60mm、厚み1m
mとした。これらの基板を第二の基板の200mm角の
主面上に2行3列で等間隔に配置し、同基板のニッケル
メッキ層を形成した面上にAg−Sn系半田によって固
定した。次にこのアッセンブリーの第二の基板の裏面側
と水冷ジャケットとを、その接触面にシリコンオイルコ
ンパウンドを塗布介在させてボルト閉め固定した。なお
この場合の第一の基板の取り付け穴は、予め素材段階で
その四隅に開けておいた下穴部に炭酸ガスレーザーを照
射して、それを直径3mmまで拡げる方法によって形成
した。この加工は他のセラミックス材やCu−W、Cu
−Moを対象とした場合に比べ、高精度かつ高速で行う
ことができた。この傾向は特に熱伝導率が高くなればな
るほど顕著であった。
【0046】これらの各試片の中から第一の基板がAと
Bの物を各15個ずつ選び、上記と同じ単サイクル条件
で2000サイクルのヒートサイクル試験を行い、その
500サイクル毎のモジュールの出力の変化を確認し
た。その結果、全てのモジュールが、実用上問題が無い
とされる1000サイクルまで、さらに2000サイク
ルまで試験を続行したが、その出力の低下は観測されな
かった。以上の結果より、本発明の炭化珪素系複合材料
からなる第一の基板を用いたパワーモジュールは、実用
上問題の無いレベルのものとなることが分かる。
【0047】なお本発明の材料をこの種のモジュールに
比べ低出力・低熱(サイクル)負荷の高容量のパーソナル
コンピューター等の半導体素子搭載装置に放熱基板とし
て実装・評価も行ったが、その信頼性・実用性能上何ら
問題は無かった。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
炭化珪素(SiC)粉末にIVa族金属を少量添加し、不
活性ガス雰囲気中、添加したIVa族金属の融点以上の
温度で熱処理することによって、25℃の熱伝導率が3
80W/m・K以上であり、200℃の熱伝導率が、2
5℃のそれの54%以上の、従来に無い高温熱伝導性に
優れ、特にそのキャリヤー濃度が1×10-18/cm3
下の炭化珪素粉末が提供できる。この粉末をアルミニウ
ム等の金属と複合化することによって、粉末同様ハイレ
ベルで高温での熱伝導性に優れた複合材料が容易に得ら
れる。この材料は、SiC量が50重量%以上の熱膨張
係数の低い組成域においても、従来に無い高い熱伝導性
を有する。このため半導体装置の半導体素子および他の
部材とも熱膨張係数の整合性が顕著に良いので、この材
料からなる部材は、使用条件の厳しい、例えば高出力の
パワーモジュールのような半導体装置に適用しても問題
無く使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の材料を基板に用いた半導体装置(パワ
ーモジュール)を模式的に示す図である。材料を基板に
用いた半導体装置(パワーモジュール)を模式的に示す図
である。
【符号の説明】
1、炭化珪素系複合材料からなる第一基板 2、第二基板 3、半導体素子 4、放熱構造体

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 25℃の熱伝導率K25が380W/m・
    K以上、かつ200℃の熱伝導率K200のK25に対する
    割合が、54%以上である炭化珪素粉末。
  2. 【請求項2】 平均粒径が0.1〜200μmである請
    求項1に記載の炭化珪素粉末。
  3. 【請求項3】 キャリヤー濃度が1×1018/cm3
    下である請求項1または2に記載の炭化珪素粉末。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の炭
    化珪素粉末の粒子を金属マトリックス中に分散させた複
    合材料。
  5. 【請求項5】 前記金属がアルミニウムを主成分とする
    金属であり、炭化珪素粉末粒子の量が50〜90重量%
    である請求項4に記載の複合材料。
  6. 【請求項6】 25℃の熱伝導率K25が295W/m・
    K以上、かつ200℃の熱伝導率K200が215W/m
    ・K以上である請求項5に記載の複合材料。
  7. 【請求項7】 請求項4ないし6のいずれかに記載の複
    合材料を用いた半導体装置。
  8. 【請求項8】 原料の炭化珪素粉末に、IVa族金属の
    粉末を添加混合した後、不活性ガス雰囲気中、該金属の
    融点以上の温度で熱処理する炭化珪素粉末の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記原料の平均粒径が0.1〜200μ
    mである請求項8に記載の炭化珪素粉末の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記IVa族金属がTiである請求項
    8または9に記載の炭化珪素粉末の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記熱処理の温度が、2000℃以上
    である請求項8ないし10のいずれかに記載の炭化珪素
    粉末の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記熱処理の雰囲気が、アルゴンを含
    む雰囲気である請求項8ないし11のいずれかに記載の
    炭化珪素粉末の製造方法。
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