JP2000335986A - 被覆肥料粒を含む多孔質セメント硬化体 - Google Patents

被覆肥料粒を含む多孔質セメント硬化体

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元治 玉井
Michio Hashimoto
道生 橋本
Minoru Tokumoto
実 徳本
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Yorigami Maritime Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、有機系材料や無機系材料などで表
面を被覆された粉粒状肥料(以下、被覆粉粒状肥料とい
う)及びまたは肥料成分を含浸させた有機系や無機系の
多孔質からなる粉粒体(以下、肥料含浸粉粒体という)
をむセメント組成物の硬化体であって、該硬化体の内部
に気泡、気孔及び又は連続空隙が設けられている多孔質
コンクリート等の多孔質セメント硬化体を提供する。 【解決手段】 表面が被覆された粉粒状肥料及びまたは
肥料成分を含浸させた多孔質粉粒体を含むセメント組成
物を硬化した多孔質のセメント硬化体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機系材料や無機
系材料などで表面を被覆された粉粒状肥料(以下、被覆
粉粒状肥料という)及びまたは肥料成分を含浸させた有
機系や無機系の多孔質からなる粉粒体(以下、肥料含浸
粉粒体という)をむセメント組成物の硬化体であって、
該硬化体の内部に気泡、気孔及び又は連続空隙が設けら
れている多孔質コンクリート等の多孔質セメント硬化体
に関するものである。この多孔質セメント硬化体を、例
えば河川や海岸などの護岸として、また、水中の魚礁や
藻場造成材料として設置すると、内部に気孔及び又は連
続空隙を持つので、その気孔及び又は空隙を通じて微生
物が侵入し、さらに空気、湿気及び水分が多孔質性セメ
ント硬化体に補給されて、被覆粉粒状肥料の被覆層が徐
々に分解し、あるいは肥料含浸粉粒体から、該硬化体の
表面やその周囲に肥料成分が徐々に溶出していく。した
がって、栄養分が供給され、該硬化体の表面やその周囲
では早期より植物、藻類、微生物の生育が促進され、し
かも長期にわたってそれたの生育に役立ち、多様性生物
が生息するための基盤を創造することになる。
【0002】
【従来の技術】従来、セメントコンクリートは多くの土
木建築物に利用され、経済や文化の発展に大きな貢献を
してきたが、最近では、人間を含む生物にとって好まし
い環境を作り出すための材料としての機能が求められて
いる。例えば、コンクリートに気泡を含ませることによ
り断熱性を高めて建築物の冷暖房の省エネルギーを計っ
たり、あるいは、吸音性を高めて騒音の拡散を防ぐ吸音
板として応用されている。また、舗装材用のコンクリー
トを多孔質にして、排水性を高め、且つ、雨水を地下に
遷元するだけでなく通気性をも付与して、舗装面下の微
小生物の生息環境を改善している。また、傾斜地の表面
土の保護、海岸や河川、湖沼の護岸などに使用するコン
クリートやそれたの成型品を多孔質にしたり、形状を工
夫して、それらの表面や内部あるいは周辺に微小生物が
生息しやすいような環境を作りだしている。しかし、従
来の気泡を含んだコンクリートや多孔質のコンクリート
など、あるいはそれらの形状を工夫したものでは、例え
ば、設置したコンクリートの凹部に自然に植物が生育す
るようになるまでには先ず、凹部に埃や砂が堆積し、植
物の種子が飛来し着床して発芽し、養分が継統的に補給
されるようにならなければならない。そのようになるま
でには、かなりの年月を要する。これを積極的に植物を
発芽させ順調に生育させようとすれば、客土、種子の散
布、養分[肥料]の散布や補給などに相当の工数と時間
及び費用がかかる難点がある。それらのうち、客土や種
子の散布は欠くことができないが、肥料の散布や補給に
かかる工数は、できれば短縮ないし省略したいものであ
る。それが実現できれば、技術的あるいは経済的な効果
はきわめて大きなものになることが期待される。
【0003】また普通コンクリートに比較して、この種
の多孔質のコンクリートを打設あるいは成型体を水中や
海中に沈潰没した場合、その表面に藻類が付着し易いこ
とが分かっている。しかし、そこまで到達するまでには
相当の年月が必要である。その期間を短縮し、さらに積
極的に付着した藻類や水生植物を生育させるような手段
があれば、それを水産資源の枯渇しかけている海域の海
岸や海底に、例えば護岸用ブロック、魚礁などの成型体
として応用すれば、自然環境の回復と共に水産資源の保
全と確保に寄与することが期待できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の気泡
を含ませたコンクリートや多孔質にしたコンクリートな
どでは達成できなかった少ない工数と時間及び費用で、
早期に植物の繁茂や藻類の付着と生育が見られ、且つ、
その生長が順調に進むような環境の場を与えるコンクリ
ート等を鋭意研究した結果、被覆粉粒状肥料及びまたは
肥料含浸粉粒体を含むセメント組成物の多孔質硬化体を
用いることにより、上記目的を達成し得ることを見出し
本発明に到達したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、被
覆粉粒状肥料及びまたは肥料含浸粉粒体を含むセメント
組成物の硬化体であって、該硬化体は内部に気泡、気孔
及びまたは連続空隙を有する多孔質のセメント硬化体で
ある。本発明においては、セメント組成物に含まれる被
覆粉粒肥料及びまたは肥料含浸粉粒体以外の成分として
は、セメント、骨材、空気連行材及びまたはガス発生
剤、気泡、水及びその他所望の混和剤(材)からなる成
分が挙げられ、本発明は、これら成分を必須あるいは好
ましい配合成分として含むセメント組成物を硬化させて
得られる多孔質の硬化体(硬化体1)である。請求項3
の本発明は、被覆粉粒状肥料及びまたは肥料含浸粉粒体
を骨材中に散在させ、且つ、内部に連続空隙を持つよう
にセメント及び必要ならば混和剤(材)からなる結合材
を含ませたセメント組生物を硬化させた多孔質のセメン
ト硬化体(硬化体2)である。
【0006】表面が被覆された粉粒状肥料(以下、被覆
粉粒状肥料ともいう)としては、化学肥料、化成肥料、
配合肥料、複合肥料などを粉粒状化し、その表面を有機
系あるいは無機系の材料などで被覆したものが使用でき
る。本発明に用いる粉粒状化した肥料には、植物の成育
に必要な栄養素、即ち、窒素、燐、カリ、珪素その他の
微量成分、例えばマグネシウム、鉄、ニッケル、亜鉛、
マンガン、コバルト、ホウ素、モリブテン、銅、硫黄や
その他の成分の適当量を含ませたもの、あるいはそれら
に自然界から得られたいわゆる有機肥料などを配合した
ものが用いられ、生育させようとする藻類や水生植物等
に合致するよう適宜選択して使用することができる。本
発明に用いる、被覆粉粒状肥料の有機系の被覆材料とし
ては、ある程度の耐アルカリ性があり、且つ植物の生育
に適し、微生物で分解される樹脂が好適に用いられる。
粉粒状肥料の被覆に用いる樹脂層は単層のものでも構わ
ないが、複数の樹脂を組み合わせて、しかも被覆回数を
複数施した複層のものでもよい。また本発明に用いる、
被覆粉粒状肥料は、2種類以上の粉粒状肥料にそれぞれ
異なる樹脂で被覆したものを適当な割合で混合したもの
でもよい。必要ならば、被覆用の樹脂に無機系充填材
(フィラ−)、例えばシリカ、炭酸カルシウム、タル
ク、カオリン、珪藻土などを配合した樹脂組成物を用い
てもよい。また、被覆粉粒状肥料として、被覆した樹脂
層の上に前記の無機系粉体や各種セメント系粉体などを
まぶしたものを用いることもできる。
【0007】有機系の被覆材料として用いる好適な樹脂
としては、ポリエチレン(PE)、塩素化ポリエチレ
ン、ポリプロピレン(PP)、塩素化ポリプロピレン、
パラフィンワックス、オレフィン樹脂、エチレン・酢酸
ビニル・共重合樹脂・エチレン・酢酸ビニル・塩化ビニ
ル共重合樹脂、エチレン・塩化ビニル共重合樹脂、スチ
レン樹脂、石油樹脂、エステルガム、ロジン、ペンゾク
アナミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹
脂、ポリアミド樹脂などが挙げられ、それらは熱溶融し
たり、有機溶剤に溶解したりして、適当な条件下で粉粒
状肥料の表面に被覆される。なお、反応型の樹脂では、
適当な硬化剤を適量添加して可使時間内に被覆材料とし
て使用する。
【0008】有機系の被覆材料として、水に分散した樹
脂エマルジョンあるいはゴムラテックスと呼ばれている
ものが使用できる。かかる樹脂あるいはゴムとしてはア
クリル酸アルキルエステル系樹脂、スチレン・アクリル
共重合樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン・酢酸ビニル共
重合樹脂、エチレン・高級脂肪酸ビニルエステル・酢酸
ビニル共重合樹脂、酢酸ビニル・高級脂肪酸ビニルエス
テル共重合樹脂、酢酸ビニル・高級脂肪酸ビニルエステ
ル・アクリル共重合樹脂、酢酸ビニル・アクリル共重合
樹脂、エチレン・塩化ビニル共重合樹脂、エチレン・塩
化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン・ブタジェ
ン共重合樹脂、アキリロニトリル・ブタジェン共重合樹
脂、アクリル・ブタジェン共重合樹脂、天然ゴム、クロ
ロプレン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂・
塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合樹脂、ウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂などが挙げられ、これ
ら樹脂は、適当な条件下で粉粒状肥料の表面に被覆され
る。なお反応型の樹脂では、適当な硬化剤を適量添加し
て被覆材料として可使時間内に使用する。
【0009】有機系の被覆材料として、水に溶解した状
態の樹脂を用いることができる.このような樹脂として
は、尿素樹脂、メラニン樹脂、尿素・メラニン共縮合樹
脂などがあり、適当な条件下で粉粒状肥料の表面に被覆
される。なおこれらの樹脂は、その特性から、前記、水
に分散した状態の樹脂と混合して被覆材として使用する
のが好ましく、さらに必要に応じて適当な硬化剤を添加
して被覆材として供される。本発明に用いる、被覆粉粒
状肥料の無機系の被覆材料としては、普通ポルトランド
セメント、白色ポルトランドセメント、早強ポルトラン
ドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、
アルミナセメントなどの各種セメント粉体、コロイダル
シリカ、水ガラス、石膏、硫黄などを挙げることができ
る。これらのうち、アルミナセメント、石膏、硫黄など
が好ましく用いられる。無機系の被覆材料として、セメ
ントや石膏用いる場合、セメントとしてはアルカリ性の
弱いセメントを用い、水セメント比を小さく、且つ、必
要であればメチルセルロースなどの水溶性ポリマーの粘
性調整剤、硬化促進剤、他各種混和剤(材)、樹脂エマ
ルジョンあるいはゴムラテックスなどを併用して用いる
のがよい。無機系の被覆材料として、硫黄を用いる場
合、通常は加熱により硫黄を溶融して粉粒状肥料の表面
に被覆するが、必要ならばこれに前記、各種の合成樹脂
や無機系充填剤などを配合することもできる。
【0010】なお、硫黄を被覆材料の主体とした被覆粉
粒状肥料あるいは肥料含浸粉粒体を本発明のセメント組
成物に混入すると、経日により硫黄が分解して硫酸や硫
酸塩を形成し、それがセメント硬化体を弱体化させるの
で、それらを多量に混入する際には注意が必要である。
したがって、硫黄を被覆材料として使用する場合にはそ
の使用量を適宜調節するのがよい。
【0011】被覆粉粒状肥料を作るに際し、被覆材料と
して有機系材料と無機系材料を組み合わせて被覆するこ
とができる。例えば、まず有機系材料で粉粒状肥料を被
覆しておき、続いてその上に無機系材料を被覆すること
もできる。あるいはこの逆の順序で粉粒状肥料を被覆す
ることもできる。さらに各材料の被覆作業工程を複数回
数繰り返すことにより、複合化した被覆層にすることも
できる。
【0012】被覆粉粒状肥料は、前記のように有機系材
料で被覆したもの、無機系材料で被覆したもの、複合化
した被覆層を持つものに大別することができる。使用に
際しては、それらの中から植物、藻類、微生物の生育に
有効に作用するように適当に選択し、あるいは適当な割
合で配合してセメント組成物成分として使用することが
できる。粉粒状肥料表面への有機系材料あるいは無機系
材料の被覆量は、肥料中の成分がセメントのアルカリ成
分による化学的な作用を受け難いような量で無ければな
らない。また、セメントが肥料中の成分により硬化遅延
や強度発現の妨害を受け難いような量でなければならな
い。そのための被覆量としては、粉粒状肥料中の成分、
粒径、粒度分布、被覆に使用する樹脂の種類、被覆方法
などにより異なるが、該粉粒状肥料の重量に対する被覆
樹脂の重量で表せば最低2%以上にするのが好ましい。
被覆方法としては、パンコ−ティング方法、転動コーテ
ィングン方式、ロータリー方式、流動層方式、噴流方式
などがあり、適宜選択して採用することができる。被覆
粉粒状肥料の粒径は、0.001〜30mmで使用する
のが好ましく、さらに好ましくは0.1〜10mm、も
っとも好ましくは1〜5mmである。見掛け比重は0.
5〜2.0程度のものが好ましい。
【0013】本発明の、肥料含浸粉粒体は、乾燥した無
機系あるいは有機系の多孔質の粉粒体を、肥料成分を分
散ないし溶解した水中に浸潰し、肥効成分を該多孔質の
粉粒体に吸着させて乾燥させて作られる。無機系の多孔
質の粉粒体としては、例えば頁岩や粘土などを粉砕して
焼成した加熱膨脹粉粒骨材、あるいは同原料土を粉末化
して造粒し焼成した加熱膨脹粉粒骨材、煉瓦などの焼成
物の粉砕粒、陶器や磁器の粉砕粒、多孔質ガラス粉粒
体、真珠岩や黒よう石などの天然石を粉砕し焼成したパ
ーライトや蛭石、火山礫からなる粉粒体や軽石、石炭殻
などからなる粉粒体などが使用できる。有機系の多孔質
の粉粒体としては、合成樹脂などを発泡させたもので、
ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエ
チレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリビニルア
ルコール、合成ゴム系などの樹脂基材がある。発泡させ
たもののうち親水性があり、吸水性の大きいものが好ま
しい。肥料成分を分散ないし溶解した水は、被覆粉粒状
肥料で説明したような、窒素、燐、カリ、珪素やその他
の必要な微量成分の適当量を含ませて作る。濃度は高い
方が好ましい。肥料含浸粉粒体を作るに際し、無機系あ
るいは有機系の多孔質の粉粒体は、予め加熱、送風など
により乾燥し、肥料成分を分散ないし溶解した水中に一
定の時間浸漬して、肥料成分を含浸、吸収させてから引
上げて加熱、送風などにより乾燥して作るのが好まし
い。
【0014】肥料成分の多孔質粉粒体に対する含浸量
は、重量固形で1〜200%が好適である。得られた多
孔質粉粒体の表面に、必要ならば前記した被覆粉粒状肥
料用いられるのと同様の有機系や無機系の材料を用いて
被覆処理を施してもよい。この場合の被覆量は被覆粉粒
状肥料を作るときよりも少なく済む利点がある。
【0015】肥料含浸粉粒体の粒径は、前記、被覆粉粒
状肥料と同様であり、0.001〜30mmのものが好
ましく使用できる。これから1〜5mmのものを篩分け
して使用することもできる。大きい粒径の肥料含浸粒体
は粗骨材の一部として使用することができる。見掛け比
重は好ましくは0.1〜2.0、さらに好ましくは0.
5〜1.5の範囲である。被覆粉粒状肥料及びまたは肥
料含浸粉粒体の本発明のセメント組成物への混入量は、
セメントの重量に対して好ましくは0.1〜150%、
さらに好ましくは10〜50%であり、本発明の多孔質
のセメント硬化体の使用目的に合致するように適宜選択
できる。被覆粉粒状肥料あるいは肥料含浸粉粒体は、ど
ちらか一方を単独で混入してもよいが、両方を適当な比
重で併用することもできる。本発明に用いるセメントと
しては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランド
セメント、超早強ポルトランドセメント、超速硬セメン
ト、アルミナセメント、高炉セメント、フライアッシュ
セメント、耐硫酸ポルトランドセメント、シリカセメン
トなどが挙げられる。本発明の多孔質のセメント硬化体
は植物や藻類などと接触する機会が多いので、セメント
のアルカリ成分の溶出の小さいものが好ましい。その面
からは、高炉セメントなどの混合セメントを使用するの
が好ましい。
【0016】本発明のセメント組成物に配合する骨材と
しては、例えば細骨材では、砂、海砂、山砂、砕砂、高
炉スラグ砂、転炉スラグ砂、人工軽量粗骨材、火山爍
砂、蛭石、パーライトなどが挙げられ、また粗骨材では
砂利、海砂利、山砂利、砕石、高炉スラグ砕石、転炉ス
ラグ砕石、人工軽量粗骨材、火山爍砂利、石炭殻、パー
ライトなどが挙げられ、それらの中から適宜選択して使
用することができる。また、必要ならば、骨材の一部
を、鉄元素を重量比で5%以上含有する鉄系骨材を使用
することができる。鉄系骨材としては、例えば、鉄鉱石
や転炉スクラブを破砕した粗骨材や細骨材、あるいは各
種の酸化鉄粉、他に、鉄屑、鉄屑粉などをあげることが
できる。骨材の配合(重量比)としては、セメント/細
骨材/粗骨材は1/0〜4/0〜7が好ましい。
【0017】本発明のセメント組成物に必要に応じて混
入する配合成分としては、減水剤、硬化促進剤、保水
剤、気泡安定剤、ポリマーディスパージョン、消泡剤、
着色剤、防錆剤などがあり、それらの中から適宜選択し
て混入することができる。混入量としては、ポリマーデ
ィスパージョンを除く混和剤ではセメントに対して0.
01〜10重量%の範囲内が適当でありポリマーディス
パージョンではポリマー固形分で1〜30重量%の範囲
が適当である。水中に直接打設する場合には、水中不分
離混和剤としてセルロース系あるいはアクリル系などの
混和剤を使用するのが好ましい。
【0018】必要に応じて混入する配合成分としては、
高炉スクラブ粉末が適当である。転炉スラグ粉末、フラ
イアッシュ、天然ポソラン粉末、セメント膨張材、硝子
繊維、ピニロン繊維、カーボン繊維、鉄鋼繊維などがあ
り、適宜選択して混入する。セメント硬化体からのセメ
ントのアルカリ分の溶出を抑制する面からは、高炉スク
ラブ粉末などセメントとポゾラン反応を起こす配合成分
(混和材)を使用するのが好ましい。そのような混和材
の混入量としては、セメントに対して1〜200重量%
の範囲内が適当である。セメント膨脹材としては各種の
ものがあるが、セメントに対して0〜15重量%の範囲
内が好適である。繊維系の混和材としては、剛性の高い
硝子繊維、カーボン繊維、鉄鋼繊維なそが好ましく、そ
れらのセメント混入用の各種市販品、例えば、硝子繊維
では集束タイプで長さ0.1〜20mmのもの、鋼繊維
では径0.5×長さ0.1〜30mmのものなどが使用
できる。それら繊維にセメントに対する混入量は容積比
で0〜10%の範囲内が適当である。ビニロン繊維のよ
うな有機質の繊維は、脆性の改良に効果があり、それら
のセメント混入用の各種市販品、例えば集束タイプでは
長さ1〜20mm、モノフィラメントタイプでは2〜
2,000デニール×長さ1〜30mmのものなどが使
用できる。それら繊維のセメントに対する混入量は容積
比で0〜5%の範囲が適当である。繊維系混和材の混入
は、本発明の多孔質の硬化体の補強材として極めて好ま
しく、特に、剛性の高い繊維と剛性の低い有機質の繊維
を併用することにより、硬化体の脆性を著しく向上させ
ることができる。剛性の高い繊維と有機質の繊維の比率
は、重量比で約1/0.1〜0.5が好ましい。他に、
硬化体中に繊維を入れる方法として、本発明のセメント
硬化体を打設する被着面に、予め連続繊維を敷設してお
く方法により、繊維を硬化体中に埋め込むこともでき
る。
【0019】本発明の被覆粉粒状肥料及びまたは肥料含
浸粉粒体を含むセメント組生物の硬化体は多孔質でなけ
ればならない。これは多孔質にすることにより、その硬
化体を例えば河川などの護岸として設置した場合に、透
水性、通気性が付与されているので、微生物が硬化体内
部まで容易に侵入し、被覆粉粒状肥料の被覆層を分解
し、あるいは、肥料含浸粉粒体から、水分と共に肥効成
分が気孔を通じて溶出し、それが陸生植物や水性植物、
藻類、微生物の養分として効くようになる。また、硬化
体の空隙や気孔が植物の根の水分の補給や呼吸に役立
ち、植物の硬化体への密着性を助けて、風や雨水による
植物の転倒や流出を防ぎ、植物の成長を助長する。
【0020】本発明の多孔質のセメント硬化体を得る方
法として、請求項1記載のセメント硬化体(以下、硬化
体1ともいう)では、例えば下記に説明するa,b及び
cの3種類の気泡を混入する方法が好ましい。aの方法
は、セメント、被覆粉粒状肥料及びまたは肥料含浸粉粒
体、必要とするその他の材料及び起泡剤を含むセメント
組成物を作成し、該セメント組成物に水を加え、機械的
に練り混ぜ、硬化して得られるコンクリート(硬化体
1)中に空気泡を含ませる方法である(通称:ミックス
フォーム方式という)。練り混ぜたセメント組成物を型
枠などに詰めて硬化させることにより、本発明のセメン
ト硬化体を成型品にすることが可能である。aの方法に
ついて、さらに詳しく説明すると、被覆粉粒状肥料及び
または肥料含浸粉粒体、セメント、骨材、水、空気連行
剤及びその他所望の他の混和剤(材)を混入して練り混
ぜ、その組成物中に気泡を発生させる。aの方法での空
気量の調節は空気連行剤の混入量、練り混ぜ時間の調節
などにより行う。空気連行剤の種類としては膠(蛋白
質)系、樹脂石鹸(ロジン)系、界面活性剤系などの市
販品があり、適宜選択して使用することができる。空気
連行剤の混入量は、使用する空気連行剤の種類、混入す
る配合成分に含ませる空気量、混和材(例:高炉スラグ
微粉末など)の種類と量、骨材の種類やそれら無機系材
料の粒径および量、練り混ぜ順序、ミキサ及び攪拌翼の
形状寸法や攪拌時間などにより異なるが、セメントに対
して0.01〜2%が好適である。生成する気泡の大き
さはおよそ0.1〜2mmが好ましい。
【0021】a法での硬化体1の多孔質の程度は、硬化
体1を製造する際の管理の面から空気量で表わすのが好
都合である。好ましい空気量は硬化体1の使用箇所や形
状寸法などにより異なるが、7〜60%が好ましく、さ
らに好ましくは10〜50%である。空気量が少なく、
7%未満では透水性、通気性が低く、本発明の目的に合
致しなくなる。空気量が70%以上になると、透水性、
通気性は満足できるが、硬化体1の強度が著しく低下す
るので好ましくない。
【0022】かくしてa法により練り混ぜた本発明の多
孔質の組成物の硬化養生方法としては、型枠に該組成物
を流し込んだ後、常温で硬化、あるいは蒸気などにより
加熱して硬化させた後、脱型し成型品とする方法を採用
することができる。必要ならばさらに水中養生を継続す
ることもできる。なお上記した被覆粉粒状肥料の被覆
層、あるいは肥料含浸粉粒体の有機系あるいは無機系の
被覆層は、養生中に水蒸気、熱、セメントアルカリなど
で極端に破壊されないような条件に設定する必要があ
る。bの方法は、セメント、被覆粉粒状肥料及びまたは
肥料含浸粉粒体、及び必要とするその他の材料を含むセ
メント組成物を作成し、該セメント組成物と水と練り混
ぜておき、これに起泡機から作った泡を混入して、硬化
し、硬化体1中に気泡を含ませる方法である(通称:ミ
ックスフォーム方式)。組成物を型枠などに詰めて硬化
させることにより、本発明のセメント硬化体を成型品に
することが可能である。
【0023】bの方法としては、予め、被覆粉粒状肥料
及びまたは肥料含浸粉粒体、セメント、骨材、その他必
要な混和剤(材)、必要な最低量の水で練り混ぜてお
き、これに、別に空気連行剤の1種である起泡剤の水溶
液と起泡機から作ったソフトクリーム状の泡を混合し
て、組成物中に起泡を含ませ、硬化体1中に気泡を含ま
せる方法である。b法での空気量の調節は、混合する泡
の量を加減することにより行う。硬化体1に含まれる適
当な空気量はa法と同様である。使用する起泡剤は、前
記、a法で説明したものの中から適宜選択する。硬化体
中に生成する気泡の大きさはおよそ0.1〜2mmであ
る。
【0024】被覆粉粒状肥料及びまたは肥料含浸粉粒体
としては、前記、a法で記載したものと同様のものを適
宜選択し、配合はa法と同様にきめることができる。セ
メントとしては、前記、a法で記載したものと同様のも
のを適宜選択し、配合はa法と同様にきめることができ
る。使用できる骨材としては、前記、a法で記載したも
のの中から適宜選択し、配合はa法と同様に決めること
ができる。必要に応じて混入する混和材としては、前
記、a法で記載したものと同様のものを適宜選択して使
用することができる。かくしてb法により練り混ぜた組
成物の硬化養生方法としては、前記、a法で記載したも
のと同様のものを適宜選択して設定することができる。
cの方法は、セメント、被覆粉粒状肥料及びまたは肥料
含浸粉粒体、及び必要とするその他の材料と共にガスを
発生させる混和剤を含むセメント組成物を作成し、化学
的な反応によりガス泡を発生させ、硬化して得られる硬
化体1中に気泡を含ませる方法である(通称:ポストフ
ォーム方式)。組成物を型枠などに詰めて硬化させるこ
とにより、本発明のセメント硬化体を成型品にすること
が可能である。
【0025】水和の進んだセメントは多孔質であり、本
質的に親水性で、しかも本発明の硬化体1では、セメン
トペーストあるいはモルタルに多くの気泡を含ませてい
るから、独立気泡以外に複数の気泡が連通した気孔を多
く形成していて、この硬化体1の透水性、通気性を著し
く大きくしている。その特性はほぼ気泡量に比例する。
硬化体1を作るに際し、その組成物の練り混ぜ方、材料
の投入順序については特に制限はなく、通常のミキサを
使用して本発明の組成物を練り混ぜることができる。
【0026】cの方法としては、被覆粉粒状肥料及びま
たは肥料含浸粉粒体、セメント、骨材、ガス発生剤、水
及び必その他必要な混和剤(材)からなるセメント組成
物を練り混ぜてガスを発生させて気泡を含ませる。c法
での起泡量の調節は、ガス発生剤の量を加減することに
より行う。硬化体1に含ませる適当な気泡量はa法と同様
である。使用するガス発生剤としては、アルミニウム微
粉末、過酸化水素水溶液などが挙げられる。アルミニウ
ム微粉末の場合、セメントに対して0.02〜1%が好
適で、必要ならばガス発生促進剤、気泡安定剤及び硬化
促進剤などを併用することができる。35%過酸化水素
水溶液の場合、セメントに対して0.1〜2%が好適
で、必要ならばガス発生促進剤、気泡安定剤及び硬化促
進剤などを併用することができる。硬化体中に生成する
気泡の大きさはおよそ0.1〜3mmが好ましい。
【0027】被覆粉粒状肥料及びまたは肥料含浸粉粒体
としては、前記、a法で記載したものと同様のものを適
宜選択し、配合はa法と同様に決めることができる。セ
メントとしては、前記、a法で記載したものと同様のも
のを適宜選択し、配合はa法と同様に決めることができ
る。使用できる骨材としては、前記、a法で記載したも
のと同様のものを適宜選択し、配合はa法と同様に決め
ることができる。必要に応じて混入する混和剤として
は、前記、a法で記載したものと同様のものを適宜選択
して使用することができる。c法により練り混ぜた組成
物の硬化養生方法としては、前記、a法で記載したもの
と同様のものを適宜選択して設定することができる。
【0028】a,b及びcの方法のうち、aの方法が比較
的簡単であるが、それぞれの方法を組み合わせて複合し
た方法としても本発明においては、利用することができ
る。以上、a,b及びcの方法で硬化させた多孔質の硬
化体1の断面構造の模式図を図1に示す。1は骨材、2
はセメントペーストあるいはモルタル、3は気泡、7は
被覆粉粒状肥料及びまたは肥料含浸粉粒体である。骨
材、被覆粉粒状肥料及びまたは肥料含浸粉粒体の間には
多くの気泡を含んだセメントペストあるいはモルタルが
詰まっているのがわかる。水和したセメントは多孔質で
本質的に親水性であり、しかも多くの気孔を含むので、
本発明の硬化体1は透水性、通気性を有し、且つ、肥効
成分を含むので植物や藻類の生育に適している。
【0029】次に、内部に連続空隙を持つ請求項3の発
明の硬化体2の作り方について説明する。まず被覆粉粒
状肥料及びまたは肥料含浸粉粒体、セメント、高性能減
水剤その他所望の混和材及び水で、粘ちょうでしかも若
干の流動性のあるセメントペーストあるいはモルタルを
作る。そして、上記被覆粉粒状肥料及びまたは上記肥料
含浸粉粒体が骨材中に散在されていることが、内部に連
続空隙を持つ硬化体2の製造には必要であるので、これ
に空隙率(100−実績率(%))が35%以上の骨材
を用いて、好ましくは下記、式、(1)で表される充填
率(J)が20〜75%になるような量の粗骨材を混ぜ
る。これを型枠などに詰めて硬化させ、内部に連続空隙
を持つ本発明の硬化体2の成型品にする。 式: (P/v)×100=J (式中、Pはセメントペーストあるいはモルタルの容
積、Vは使用する粗骨材の空隙容積、Jは骨材粒子相互
間に存在する空隙容積に対するセメントペーストあるい
はモルタルの充填率(%)) 粗骨材の粒子相互間に存在する空隙をセメントペースト
あるいはモルタルで、その空隙が残るように、しかも粗
骨材の粒子相互がセメントペーストあるいはモルタルで
結合するようにする。なお、該セメントペーストあるい
はモルタルの作り方として、前記、硬化体1で記載した
a,b,c及びこられを組み合わせた方法により製造す
ることもできる。
【0030】セメントペーストあるいはモルタルのコン
システンシーは、JIS R 5201(セメントの物
理試験)によるフロー値で180〜270が好ましく、
この値は使用する骨材粒径に反比例する。フロー値がこ
の値よりも高いと、粗骨材粒子表面に付着するセメント
ペーストあるいはモルタル層の厚みが小さくなり、粗骨
剤相互の結合面積が小さく、硬化体2の強度は低い。一
方、フロー値がこの値よりも低いと、粗骨材粒子表面に
付着するセメントペーストあるいはモルタル層の厚みが
不均一となり、粗骨材相互の結合面積も不均一になり、
強度物性にも不均一が生じやすい。なお、被覆粉粒状肥
料及びまたは肥料含浸粉粒体の混ぜ方として、セメント
ペーストあるいはモルタルには混入せずに、粗骨材を混
合する際に残りの、被覆粉粒状肥料及びまたは肥料含浸
粉粒体を共に混入することができる。
【0031】硬化体2の空隙量の調節は、主に充填率
(J)の加減、即ち、セメントペーストあるいはモルタ
ルの容積(P)の加減により行うことができるが、使用
する粗骨材の空隙率を調節することによっても可能であ
る。充填率(J)が20%未満では、硬化体2中の空隙
が多く、透水性、通気性に富むが、セメントペーストあ
るいはモルタルの容積(P)が少ないために粗骨材間の
結合が弱くなり、硬化体2の強度が損なわれるので好ま
しくない。一方、充填率(J)が75%を上回ると、粗
骨材間に存在する空隙がセメントペーストあるいはモル
タルで充填され過ぎて、硬化体2の透水性、通気性が損
なわれるので、本発明の目的に沿わなくなる。しかし、
硬化体2の強度は大きくなる。
【0032】硬化体2に使用する粗骨材としては、空隙
率が35%以上(実績率65%以下)のものが好まし
い。35%未満では連続空隙を持つ硬化体2を作るのが
困難になる。使用できる骨材の種類としては、砂利、海
砂利、山砂利、砕石、高炉スラグ砕石、転炉スラグ砕
石、人工軽量粗骨材、火山爍砂利、パーライト、石炭殻
などがあり、適宜選択して使用することができる。必要
ならば粒度を調整し、適当な空隙率を持つようにして使
用する。好ましい粗骨材としては、砕石、高炉スラグ砕
石などがあり、粒径としては好ましくは5〜50mm、
さらに好ましくは10〜20mmである。
【0033】細骨材としては、前記、硬化体1のa法で
例示したものを適宜選択して使用することができるが、
用いる細骨材として、粒径は0.1〜0.3mm程度、
使用量はセメント/細骨材で1/1付近が好適である。
被覆粉粒状肥料及びまたは肥料含浸粉粒体としては、前
記、硬化体1のa法で例示したものを適宜選択し、配合は
前記a法と同様に決めることができる。セメントとして
は、前記、硬化体1のa法で例示したものを適宜選択して
使用することができる。必要に応じて混入する混和材と
しては、前記、a法で例示したものを適宜選択して使用
することができる。かくしてできた多孔質の組成物の硬
化養生方法としては、前記、a法で例示したものを適宜
選択することができる。
【0034】以上、出来上がった多孔質の硬化体2の断
面構造の模式図を図2に示す。4は骨材、5はセメント
ペーストあるいはモルタル、6は空隙、7は被覆粉粒状
肥料及びまたは肥料含浸粉粒体である。骨材、被覆粉粒
状肥料及びまた肥料含浸粉粒体の間に大小の空隙が形成
していて、且つ、セメント−ペーストあるいはセメント
モルタルが詰まっているのがわかる。したがって、本発
明の硬化体2は透水性、通気性を有し、且つ、肥効成分
を含むので植物や藻類の生育に適している。
【0035】かくして得られた本発明の被覆粉粒状肥料
及びまたは肥料含浸粉粒体を含んだセメント系の多孔質
のセメント硬化体は、海や湖沼、河川の水中や水際な
ど、あるいは陸上の耕地、田畑、山林、公園などに設置
することにより、内部に気孔及びまたは連続空隙を持つ
ので、その気孔及びまたは空隙を通じて微生物が侵入
し、さらに空気、湿気及び水分が補給されて、被覆粉粒
状肥料の被覆層が徐徐に分解されて、あるいは肥料含浸
粉粒体から、該硬化体の表面や、その周囲には肥料成分
が徐々に溶出していき、それが植物などに吸収されるの
で、該硬化体の表面やその周囲では早期に植物、藻類の
成育が促進され、微生物も繁殖する。しかも長期にわた
ってそれら生物の生育に役立つ。また、本発明のセメン
ト硬化体を海洋中に設置することにより、その表面には
藻類が早期より多く付着し、しかもその生長速度は大き
い特長を持つ。本発明のセメント硬化体中の気孔及びま
たは空隙は通気性や保水性を持っていて、植物の根に空
気や水分を継続的に供給する。また、気孔及びまたは空
隙に植物の根が張り込むことができるので、植物の風や
雨水による横転や流出を防ぐ。以上のように本発明のセ
メント硬化体は植物にとって好ましい環境を、経済的に
提供することができる。以下に実施例を挙げて本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。なお、実施例中の部及び%は重量部
及び重量%を意味する。
【0036】以下に、試験例および実施例を用いて本発
明をさらに詳細に説明するが本発明はこれらに限定され
るものではない。 試験例 実施例1〜3、比較例1〜3のセメント硬化体を用いて
以下の試験を行った。 植物の成育試験 試験方法 実施例1で製造した硬化体1のブロックを用いて、屋外
の平坦で日当たりのよい花畑の区割りを行った。すなわ
ち、該ブロック4個を長さ方向が東西になるように一列
に敷き並べ、これより21cm離れた所に平行になるよ
うに、このコンクリート製ブロック4個でもう一列を東
西に敷き並べた。両列の東西の端は、このコンクリート
製ブロック2個で繋ぎ、一区画の内法寸法は64×21
cmになるようにした。なお、敷き並べたコンクリート
製ブロックは全て、厚み6cmのうち4cmが土壌中に
埋まるように設置している。5月中旬に、この区画内の
中央点を中心にした東西の線上の土壌表面に、約8cm
の等間隔で深さ約1cmの小さな穴を合計7ヶ所開け、
市販の朝顔の種2粒づつを入れ、穴を埋め戻した。朝顔
が芽を出した後、長さ2mの支柱を合計7本を芽の側に
垂直に立てて、朝顔の成育を観察し9月末に茎の丈高さ
を計測した。なお、3日間以上降雨がない場合、全茎毎
に等しい量の散水を行った。
【0037】比較例1で製造した気泡コンクリートブロ
ックを用いて、試験用の花畑の近くに上記と同方位、同
面積の比較用の花畑を作り、同日に同様に朝顔の種を埋
め込み、芽が出た後、上記と同様に支柱をたてた。
【0038】試験結果 実施例1で製造した硬化体1のブロックを用いた試験区
画の朝顔の茎の地面からの丈高さは、最低125〜最高
227cm、平均158cmであり、径の大きい花が数
多く咲いた。一方、比較例1で製造した気泡コンクリー
トブロックを用いた区画では、茎の地面からの丈高さ
は、最低82〜最高143cm、平均122cmで、試
験区画の朝顔に比較して径の小さい花が数少なく咲い
た。以上の結果から、本発明の被覆粉粒状肥料を含む多
孔質のセメント硬化体1である気泡コンクリート成型品
は植物の成育に役立つことが分かる。
【0039】(イ)実施例2の硬化体2を供試体として
用いた藻類の付着性等の試験 試験方法および試験結果 (a)供試体の外観:全ての供試体は粟おこし(菓子)
状で、1〜6mmの大小の空隙を無数に持つ硬化体で、砕
石表面はセメントぺーストによりほとんど被覆されてい
るが、型枠に接していた部分の骨材の表面は露出してい
る。被覆粉粒状肥料の多くは、セメントペースト中に埋
没しているが、一部は、露出していて、被覆粉粒状肥料
が混入されているのが識別できる。
【0040】(b)圧縮強度:円柱供試体6個につい
て、材令7日(3個)及び28日(3個)における湿空
養生後の圧縮強度を測定した。結果を表1に示す。円柱
試体8個については、7日まで湿空養生を行ない、以
後、材令28日まで気乾養生を行った。
【0041】(c)透水性について定性的試験:供試体
2個について、下記の試験を行なった。すなわち、円柱
供試体を立て、上面から200mlの水を流したとこ
ろ、2個共は直ちに硬化体中の空隙を通り抜けて下方へ
流れていき、極めてポーラスな硬化体になっていること
が確認できた。
【0042】(d)藻類の付着性試験:残りの実施例2
の硬化体2の供試体5個について、下記に説明する場所
に6ヶ間海中に沈潰着して、藻類の付着の試験を行っ
た。表2に藻類の付着量を示す。本発明の供試体への藻
類の付着量は多く、アナアオサやノリ類の付着が認めら
れた。 場所:瀬戸内海、淡路岩屋西2km地点で、日光が入る
自然海域の平均海面から2mの水深。期間:1998年
9月初旬から1999年3月初旬まで6ヶ月間。比較の
ため、比較例2の硬化体(多孔質のコンクリート)およ
び比較例3の硬化体(普通コンクリート)を用いて、藻
類の付着性の試験を上記と同様に行なった。表2に藻類
の付着量を示す。従来の多孔質のコンクリートの藻類の
付着量は、普通コンクリートと比較するとかなり多い
が、本発明の実施例2の硬化体2と比較するとかなり少
ない。
【0043】(e)曲げ強度:直方供試体について、材
令7日(3個)における湿空養生後の曲げ強度を測定し
た。結果を表1にしめす。 表1:曲げ圧縮強度
【表1】
【0044】表2:藻類の付着量
【表2】
【0045】(2)(ロ)実施例3の硬化体2を用いた藻
類の付着性等の試験 試験方法および試験結果 (a)供試体の外観:全ての実施例3の硬化体2の供試体
は、粟おこし(菓子)状で、1〜6mmの大小の空隙を
無数に持つ硬化体で、セメントペースト相は酸化鉄分粉
末を混入しているために、赤褐色を呈している。砕石表
面のほとんどは赤褐色を呈しているが、型枠に接してい
た部分の骨材の表面は露出している。被覆粉粒状肥料の
多くはセメントペースト中に埋没しているが、一部は露
出していて、被覆粉粒状肥料が混入されているのが識別
できる。 (b)透水性について定性的試験:養生後の実施例3の
硬化体2の供試体2個について、上記試験(2)(イ)
(c)の試験と同様に、円柱供試体の上面から水を流し
たところ、水は直ちに硬化体中の空隙を通り抜けて下方
に流れていき、極めてポーラスな硬化体になっているこ
とが確認できた。 (c)藻類の付着性試験:残りの供試体6個について
は、上記試験(2)(イ)(d)の試験と同様に、6ヶ月
間、海中に沈潰漬して藻類の付着性の試験を行なった。
結果を表2中に示す。本発明の供試体への藻類の付着量
は多く、アナアオサやノリ類の付着が認められた。
【0046】
【実施例】実施例1 〔硬化体1 被覆粉粒状肥料混入気泡コンクリートの製
造)新日鉄化学工業(株)製高炉セメントB種100
部、JIS A 5002に相当する住友大阪セメント
(株)製人工軽量細骨材(種類:M)75部、同人工軽
量粗骨材75部、起泡剤(主成分:ドデシルベンゼンス
ルホン酸ソーダ)1部、日本電気硝子(株)製ガラス繊
維(集束タイプ、カット長:6mm)3部、被覆粉粒状
肥料(化成肥料:アンモニア性窒素、可溶性爍酸、水溶
性加里含有、粒径:1〜5mm、見掛け比重1.04、
被覆剤:尿素樹脂・アクリル系樹脂の混合系)30部及
び水56部を高速ミキサーで1分間練り混ぜて生コンク
リートの比重が1.20(計算から求めた空気量:26
%)の被覆粉粒状肥料混入コンクリートを準備した。こ
のコンクリートから、寸法、長さ:21cm、幅:10
cm、厚み:6cmのコンクリート製ブロックを作り、
常温で1週間湿空養生を行い、さらに2週間気乾養生を
行った。
【0047】実施例2 (硬化体2 被覆粉粒状肥料混入多孔質コンクリートの
製造)高炉セメントB種100部、花王(株)製高性能
減水剤(マイティ150)0.6部、水28部を練り混
ぜて、フロー値が205mmのセメントペーストを作
り、これに被覆粉粒状肥料(化成肥料:アンモニア性窒
素、可溶性燐酸、水溶性加里含有、粒径:1〜5mm、
見掛け比重:1.04、被覆材:尿素樹脂・アクリル系
樹脂の混合系)30部を配合し練り混ぜて、フロー値
(JIS R 5201の方法)が190mmの被覆粉
粒肥料混入セメントペーストを作った
【0048】次に、この肥料粒混入セメントモルタル
に、粒径15〜20mmの砕石(空隙率:42%)の空
隙に充填率(本文中の式(1)のJ値)が40%になる
ように混合した。このものの比重は1.88であり空隙
率は22.7%であった。これを直径15×高さ30c
mの円柱型枠14個及び10cm×10cm×40cm
の直方体型枠6個に充填して供試体を成型した。その後
20℃で1日間湿空養生を行ってから脱型し、さらに継
続して湿空養生を行った。
【0049】実施例3 (硬化体2 被覆粉粒状肥料混入多孔質コンクリートの
製造)高炉セメントB種100部、酸化鉄粉末(比重:
6.52)43部、花王(株)製高性能減水材(マイテ
ィ150)0.64部、水35.8部を練り混ぜて、フ
ロー値が202mmのセメントペーストを作り、これに
被覆粉粒状肥料(実施例1で使用したものと同一)30
部を配合し練り混ぜて、フロー値が198の被覆粉粒状
肥料セメントペーストを作った。次に、この被覆粉粒状
肥料混入セメントペーストに粒径13〜20mmの砕石
(比重:2.69、空隙率:41%)の空隙に充填率
(本文中の式(1)のJ値)が40%になるように混合
した。このものの比重は1.91であり、空隙率は2
2.5%であった。これを直径15cm×高さ30cm
の円柱型枠8個に充填した。その後、20℃で1日間湿
空養生を行ってから脱型した。供試体は、さらに材令7
日まで湿空養生を行ない、以後、材令28日まで気乾養
生を行った。
【0050】比較例1 被覆粉粒状肥料を混入しないで、他は実施例1と同様に
して気泡コンクリートブロックを作成した。 比較例2 (多孔質コンクリート)高炉セメントB種100部、花
王(株)製高性能減水剤(マイティ150)0.5部、
水24部を練り混ぜて、フロー値が196mmのセメン
トペーストを作った。このセメントペーストに粒径15
〜20mmの砕石(比重:2.69、空隙率:42%)
の空隙に充填率(本文中の式(1)のJ値)が40%に
なるように混和した。このものの比重は1.91であ
り、空隙率は23.7%であった。これを実施例2と同
様にして多孔質コンクリートの円柱供試体を作成した。
【0051】比較例3 (普通コンクリート)高炉セメントB種100部、川砂
(比重:2.59、粗粒率:2.85)200部、砕石
(粒径:5〜20mm、比重:2.70)350部、水
セメント比:50%の空気量:2.7%、スランプ:1
35mmの砕石コンクリートを練り混ぜて、実施例2と
同様にして円柱供試体を製作した。その後、脱型、養生
条件も実施例2と同様にして製造した。
【本発明の効果】本発明のセメント硬化体は、上述の構
成を有するため、植物、藻類、微生物、魚類の成育用と
して適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多孔質の硬化体1の断面構造の模式図
である。
【図2】本発明の多孔質の硬化体2の断面構造の模式図
である。
【符号の説明】
1 骨材 2 セメントペーストあるいはモルタル 3 気泡 4 骨材 5 セメントペーストあるいはモルタル 6 空隙 7 被覆粉粒状肥料及びまたは肥料含浸粉粒体
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年8月19日(1999.8.1
9)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 被覆肥料粒を含む多孔質セメント硬化
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機系材料や無機
系材料などで表面を被覆された粉粒状肥料(以下、被覆
粉粒状肥料という)及びまたは肥料成分を含浸させた有
機系や無機系の多孔質からなる粉粒体(以下、肥料含浸
粉粒体という)を含むセメント組成物の硬化体であっ
て、該硬化体の内部に気泡、気孔及び又は連続空隙が設
けられている多孔質コンクリート等の多孔質セメント硬
化体に関するものである。この多孔質セメント硬化体
を、例えば河川や海岸などの護岸として、また、水中の
魚礁や藻場造成材料として設置すると、内部に気孔及び
又は連続空隙を持つので、その気孔及び又は空隙を通じ
て微生物が侵入し、さらに空気、湿気及び水分が多孔質
性セメント硬化体に補給されて、被覆粉粒状肥料の被覆
層が徐々に分解し、あるいは肥料含浸粉粒体から、該硬
化体の表面やその周囲に肥料成分が徐々に溶出してい
く。したがって、栄養分が供給され、該硬化体の表面や
その周囲では早期より植物、藻類、微生物の生育が促進
され、しかも長期にわたってそれらの生育に役立ち、多
様性生物が生息するための基盤を創造することになる。
【0002】
【従来の技術】従来、セメントコンクリートは多くの土
木建築物に利用され、経済や文化の発展に大きな貢献を
してきたが、最近では、人間を含む生物にとって好まし
い環境を作り出すための材料としての機能が求められて
いる。例えば、コンクリートに気泡を含ませることによ
り断熱性を高めて建築物の冷暖房の省エネルギーを計っ
たり、あるいは、吸音性を高めて騒音の拡散を防ぐ吸音
板として応用されている。また、舗装材用のコンクリー
トを多孔質にして、排水性を高め、且つ、雨水を地下に
遷元するだけでなく通気性をも付与して、舗装面下の微
小生物の生息環境を改善している。また、傾斜地の表面
土の保護、海岸や河川、湖沼の護岸などに使用するコン
クリートやそれらの成型品を多孔質にしたり、形状を工
夫して、それらの表面や内部あるいは周辺に微小生物が
生息しやすいような環境を作りだしている。しかし、従
来の気泡を含んだコンクリートや多孔質のコンクリート
など、あるいはそれらの形状を工夫したものでは、例え
ば、設置したコンクリートの凹部に自然に植物が生育す
るようになるまでには先ず、凹部に埃や砂が堆積し、植
物の種子が飛来し着床して発芽し、養分が継統的に補給
されるようにならなければならない。そのようになるま
でには、かなりの年月を要する。これを積極的に植物を
発芽させ順調に生育させようとすれば、客土、種子の散
布、養分[肥料]の散布や補給などに相当の工数と時間
及び費用がかかる難点がある。それらのうち、客土や種
子の散布は欠くことができないが、肥料の散布や補給に
かかる工数は、できれば短縮ないし省略したいものであ
る。それが実現できれば、技術的あるいは経済的な効果
はきわめて大きなものになることが期待される。
【0003】また普通コンクリートに比較して、この種
の多孔質のコンクリートを打設あるいは成型体を水中や
海中に沈潰没した場合、その表面に藻類が付着し易いこ
とが分かっている。しかし、そこまで到達するまでには
相当の年月が必要である。その期間を短縮し、さらに積
極的に付着した藻類や水生植物を生育させるような手段
があれば、それを水産資源の枯渇しかけている海域の海
岸や海底に、例えば護岸用ブロック、魚礁などの成型体
として応用すれば、自然環境の回復と共に水産資源の保
全と確保に寄与することが期待できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の気泡
を含ませたコンクリートや多孔質にしたコンクリートな
どでは達成できなかった少ない工数と時間及び費用で、
早期に植物の繁茂や藻類の付着と生育が見られ、且つ、
その生長が順調に進むような環境の場を与えるコンクリ
ート等を鋭意研究した結果、被覆粉粒状肥料及びまたは
肥料含浸粉粒体を含むセメント組成物の多孔質硬化体を
用いることにより、上記目的を達成し得ることを見出し
本発明に到達したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、被
覆粉粒状肥料及びまたは肥料含浸粉粒体を含むセメント
組成物の硬化体であって、該硬化体は内部に気泡、気孔
及びまたは連続空隙を有する多孔質のセメント硬化体で
ある。本発明においては、セメント組成物に含まれる被
覆粉粒肥料及びまたは肥料含浸粉粒体以外の成分として
は、セメント、骨材、空気連行材及びまたはガス発生
剤、気泡、水及びその他所望の混和剤(材)からなる成
分が挙げられ、本発明は、これら成分を必須あるいは好
ましい配合成分として含むセメント組成物を硬化させて
得られる多孔質の硬化体(硬化体1)である。請求項3
の本発明は、被覆粉粒状肥料及びまたは肥料含浸粉粒体
を骨材中に散在させ、且つ、内部に連続空隙を持つよう
にセメント及び必要ならば混和剤(材)からなる結合材
を含ませたセメント組生物を硬化させた多孔質のセメン
ト硬化体(硬化体2)である。
【0006】表面が被覆された粉粒状肥料としては、化
学肥料、化成肥料、配合肥料、複合肥料などを粉粒状化
し、その表面を有機系あるいは無機系の材料などで被覆
したものが使用できる。本発明に用いる粉粒状化した肥
料には、植物の成育に必要な栄養素、即ち、窒素、燐、
カリ、珪素その他の微量成分、例えばマグネシウム、
鉄、ニッケル、亜鉛、マンガン、コバルト、ホウ素、モ
リブデン、銅、硫黄やその他の成分の適当量を含ませた
もの、あるいはそれらに自然界から得られたいわゆる有
機肥料などを配合したものが用いられ、生育させようと
する藻類や水生植物等に合致するよう適宜選択して使用
することができる。本発明に用いる、被覆粉粒状肥料の
有機系の被覆材料としては、ある程度の耐アルカリ性が
あり、且つ植物の生育に適し、微生物で分解される樹脂
が好適に用いられる。粉粒状肥料の被覆に用いる樹脂層
は単層のものでも構わないが、複数の樹脂を組み合わせ
て、しかも被覆回数を複数施した複層のものでもよい。
また本発明に用いる、被覆粉粒状肥料は、2種類以上の
粉粒状肥料にそれぞれ異なる樹脂で被覆したものを適当
な割合で混合したものでもよい。必要ならば、被覆用の
樹脂に無機系充填材(フィラ−)、例えばシリカ、炭酸
カルシウム、タルク、カオリン、珪藻土などを配合した
樹脂組成物を用いてもよい。また、被覆粉粒状肥料とし
て、被覆した樹脂層の上に前記の無機系粉体や各種セメ
ント系粉体などをまぶしたものを用いることもできる。
【0007】有機系の被覆材料として用いる好適な樹脂
としては、ポリエチレン(PE)、塩素化ポリエチレ
ン、ポリプロピレン(PP)、塩素化ポリプロピレン、
パラフィンワックス、オレフィン樹脂、エチレン・酢酸
ビニル共重合樹脂、エチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル
共重合樹脂、エチレン・塩化ビニル共重合樹脂、スチレ
ン樹脂、石油樹脂、エステルガム、ロジン、ペンゾクア
ナミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリエス
テル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹
脂、ポリアミド樹脂などが挙げられ、それらは熱溶融し
たり、有機溶剤に溶解したりして、適当な条件下で粉粒
状肥料の表面に被覆される。なお、反応型の樹脂では、
適当な硬化剤を適量添加して可使時間内に被覆材料とし
て使用する。
【0008】有機系の被覆材料として、水に分散した樹
脂エマルジョンあるいはゴムラテックスと呼ばれている
ものが使用できる。かかる樹脂あるいはゴムとしてはア
クリル酸アルキルエステル系樹脂、スチレン・アクリル
共重合樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン・酢酸ビニル共
重合樹脂、エチレン・高級脂肪酸ビニルエステル・酢酸
ビニル共重合樹脂、酢酸ビニル・高級脂肪酸ビニルエス
テル共重合樹脂、酢酸ビニル・高級脂肪酸ビニルエステ
ル・アクリル共重合樹脂、酢酸ビニル・アクリル共重合
樹脂、エチレン・塩化ビニル共重合樹脂、エチレン・塩
化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン・ブタジェ
ン共重合樹脂、アクリロニトリル・ブタジェン共重合樹
脂、アクリル・ブタジェン共重合樹脂、天然ゴム、クロ
ロプレン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、
塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合樹脂、ウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂などが挙げられ、これ
ら樹脂は、適当な条件下で粉粒状肥料の表面に被覆され
る。なお反応型の樹脂では、適当な硬化剤を適量添加し
て被覆材料として可使時間内に使用する。
【0009】有機系の被覆材料として、水に溶解した状
態の樹脂を用いることができる.このような樹脂として
は、尿素樹脂、メラニン樹脂、尿素・メラニン共縮合樹
脂などがあり、適当な条件下で粉粒状肥料の表面に被覆
される。なおこれらの樹脂は、その特性から、前記、水
に分散した状態の樹脂と混合して被覆材として使用する
のが好ましく、さらに必要に応じて適当な硬化剤を添加
して被覆材として供される。本発明に用いる、被覆粉粒
状肥料の無機系の被覆材料としては、普通ポルトランド
セメント、白色ポルトランドセメント、早強ポルトラン
ドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、
アルミナセメントなどの各種セメント粉体、コロイダル
シリカ、水ガラス、石膏、硫黄などを挙げることができ
る。これらのうち、アルミナセメント、石膏、硫黄など
が好ましく用いられる。無機系の被覆材料として、セメ
ントや石膏用いる場合、セメントとしてはアルカリ性の
弱いセメントを用い、水セメント比を小さく、且つ、必
要であればメチルセルロースなどの水溶性ポリマーの粘
性調整剤、硬化促進剤、他各種混和剤(材)、樹脂エマ
ルジョンあるいはゴムラテックスなどを併用して用いる
のがよい。無機系の被覆材料として、硫黄を用いる場
合、通常は加熱により硫黄を溶融して粉粒状肥料の表面
に被覆するが、必要ならばこれに前記、各種の合成樹脂
や無機系充填剤などを配合することもできる。
【0010】なお、硫黄を被覆材料の主体とした被覆粉
粒状肥料あるいは肥料含浸粉粒体を本発明のセメント組
成物に混入すると、経日により硫黄が分解して硫酸や硫
酸塩を形成し、それがセメント硬化体を弱体化させるの
で、それらを多量に混入する際には注意が必要である。
したがって、硫黄を被覆材料として使用する場合にはそ
の使用量を適宜調節するのがよい。
【0011】被覆粉粒状肥料を作るに際し、被覆材料と
して有機系材料と無機系材料を組み合わせて被覆するこ
とができる。例えば、まず有機系材料で粉粒状肥料を被
覆しておき、続いてその上に無機系材料を被覆すること
もできる。あるいはこの逆の順序で粉粒状肥料を被覆す
ることもできる。さらに各材料の被覆作業工程を複数回
数繰り返すことにより、複合化した被覆層にすることも
できる。
【0012】被覆粉粒状肥料は、前記のように有機系材
料で被覆したもの、無機系材料で被覆したもの、複合化
した被覆層を持つものに大別することができる。使用に
際しては、それらの中から植物、藻類、微生物の生育に
有効に作用するように適当に選択し、あるいは適当な割
合で配合してセメント組成物成分として使用することが
できる。粉粒状肥料表面への有機系材料あるいは無機系
材料の被覆量は、肥料中の成分がセメントのアルカリ成
分による化学的な作用を受け難いような量でなければな
らない。また、セメントが肥料中の成分により硬化遅延
や強度発現の妨害を受け難いような量でなければならな
い。そのための被覆量としては、粉粒状肥料中の成分、
粒径、粒度分布、被覆に使用する樹脂の種類、被覆方法
などにより異なるが、該粉粒状肥料の重量に対する被覆
樹脂の重量で表せば最低2%以上にするのが好ましい。
被覆方法としては、パンコ−ティング方法、転動コーテ
ィング方式、ロータリー方式、流動層方式、噴流方式な
どがあり、適宜選択して採用することができる。被覆粉
粒状肥料の粒径は、0.001〜30mmで使用するの
が好ましく、さらに好ましくは0.1〜10mm、もっ
とも好ましくは1〜5mmである。見掛け比重は0.5
〜2.0程度のものが好ましい。
【0013】本発明の、肥料含浸粉粒体は、乾燥した無
機系あるいは有機系の多孔質の粉粒体を、肥料成分を分
散ないし溶解した水中に浸潰し、肥効成分を該多孔質の
粉粒体に吸着させて乾燥させて作られる。無機系の多孔
質の粉粒体としては、例えば頁岩や粘土などを粉砕して
焼成した加熱膨脹粉粒骨材、あるいは同原料土を粉末化
して造粒し焼成した加熱膨脹粉粒骨材、煉瓦などの焼成
物の粉砕粒、陶器や磁器の粉砕粒、多孔質ガラス粉粒
体、真珠岩や黒よう石などの天然石を粉砕し焼成したパ
ーライトや蛭石、火山礫からなる粉粒体や軽石、石炭殻
などからなる粉粒体などが使用できる。有機系の多孔質
の粉粒体としては、合成樹脂などを発泡させたもので、
ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエ
チレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリビニルア
ルコール、合成ゴム系などの樹脂基材がある。発泡させ
たもののうち親水性があり、吸水性の大きいものが好ま
しい。肥料成分を分散ないし溶解した水は、被覆粉粒状
肥料で説明したような、窒素、燐、カリ、珪素やその他
の必要な微量成分の適当量を含ませて作る。濃度は高い
方が好ましい。肥料含浸粉粒体を作るに際し、無機系あ
るいは有機系の多孔質の粉粒体は、予め加熱、送風など
により乾燥し、肥料成分を分散ないし溶解した水中に一
定の時間浸漬して、肥料成分を含浸、吸収させてから引
上げて加熱、送風などにより乾燥して作るのが好まし
い。
【0014】肥料成分の多孔質粉粒体に対する含浸量
は、重量固形分で1〜200%が好適である。得られた
多孔質粉粒体の表面に、必要ならば前記した被覆粉粒状
肥料に用いられるのと同様の有機系や無機系の材料を用
いて被覆処理を施してもよい。この場合の被覆量は被覆
粉粒状肥料を作るときよりも少なく済む利点がある。
【0015】肥料含浸粉粒体の粒径は、前記、被覆粉粒
状肥料と同様であり、0.001〜30mmのものが好
ましく使用できる。これから1〜5mmのものを篩分け
して使用することもできる。大きい粒径の肥料含浸粒体
は粗骨材の一部として使用することができる。見掛け比
重は好ましくは0.1〜2.0、さらに好ましくは0.
5〜1.5の範囲である。被覆粉粒状肥料及びまたは肥
料含浸粉粒体の本発明のセメント組成物への混入量は、
セメントの重量に対して好ましくは0.1〜150%、
さらに好ましくは10〜50%であり、本発明の多孔質
のセメント硬化体の使用目的に合致するように適宜選択
できる。被覆粉粒状肥料あるいは肥料含浸粉粒体は、ど
ちらか一方を単独で混入してもよいが、両方を適当な比
率で併用することもできる。本発明に用いるセメントと
しては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランド
セメント、超早強ポルトランドセメント、超速硬セメン
ト、アルミナセメント、高炉セメント、フライアッシュ
セメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、シリカセメ
ントなどが挙げられる。本発明の多孔質のセメント硬化
体は植物や藻類などと接触する機会が多いので、セメン
トのアルカリ成分の溶出の小さいものが好ましい。その
面からは、高炉セメントなどの混合セメントを使用する
のが好ましい。
【0016】本発明のセメント組成物に配合する骨材と
しては、例えば細骨材では、砂、海砂、山砂、砕砂、高
炉スラグ砂、転炉スラグ砂、人工軽量粗骨材、火山爍
砂、蛭石、パーライトなどが挙げられ、また粗骨材では
砂利、海砂利、山砂利、砕石、高炉スラグ砕石、転炉ス
ラグ砕石、人工軽量粗骨材、火山爍砂利、石炭殻、パー
ライトなどが挙げられ、それらの中から適宜選択して使
用することができる。また、必要ならば、骨材の一部
を、鉄元素を重量比で5%以上含有する鉄系骨材を使用
することができる。鉄系骨材としては、例えば、鉄鉱石
や転炉スクラブを破砕した粗骨材や細骨材、あるいは各
種の酸化鉄粉、他に、鉄屑、鉄屑粉などをあげることが
できる。骨材の配合(重量比)としては、セメント/細
骨材/粗骨材は1/0〜4/0〜7が好ましい。
【0017】本発明のセメント組成物に必要に応じて混
入する配合成分としては、減水剤、硬化促進剤、保水
剤、気泡安定剤、ポリマーディスパージョン、消泡剤、
着色剤、防錆剤などがあり、それらの中から適宜選択し
て混入することができる。混入量としては、ポリマーデ
ィスパージョンを除く混和剤ではセメントに対して0.
01〜10重量%の範囲内が適当でありポリマーディス
パージョンではポリマー固形分で1〜30重量%の範囲
が適当である。水中に直接打設する場合には、水中不分
離混和剤としてセルロース系あるいはアクリル系などの
混和剤を使用するのが好ましい。
【0018】必要に応じて混入する配合成分としては、
高炉スクラブ粉末が適当である。転炉スラグ粉末、フラ
イアッシュ、天然ポソラン粉末、セメント膨張材、硝子
繊維、ピニロン繊維、カーボン繊維、鉄鋼繊維などがあ
り、適宜選択して混入する。セメント硬化体からのセメ
ントのアルカリ分の溶出を抑制する面からは、高炉スク
ラブ粉末などセメントとポゾラン反応を起こす配合成分
(混和材)を使用するのが好ましい。そのような混和材
の混入量としては、セメントに対して1〜200重量%
の範囲内が適当である。セメント膨脹材としては各種の
ものがあるが、セメントに対して0〜15重量%の範囲
内が好適である。繊維系の混和材としては、剛性の高い
硝子繊維、カーボン繊維、鉄鋼繊維などが好ましく、そ
れらのセメント混入用の各種市販品、例えば、硝子繊維
では集束タイプで長さ0.1〜20mmのもの、鋼繊維
では径0.5×長さ0.1〜30mmのものなどが使用
できる。それら繊維のセメントに対する混入量は容積比
で0〜10%の範囲内が適当である。ビニロン繊維のよ
うな有機質の繊維は、脆性の改良に効果があり、それら
のセメント混入用の各種市販品、例えば集束タイプでは
長さ1〜20mm、モノフィラメントタイプでは2〜
2,000デニール×長さ1〜30mmのものなどが使
用できる。それら繊維のセメントに対する混入量は容積
比で0〜5%の範囲が適当である。繊維系混和材の混入
は、本発明の多孔質の硬化体の補強材として極めて好ま
しく、特に、剛性の高い繊維と剛性の低い有機質の繊維
を併用することにより、硬化体の脆性を著しく向上させ
ることができる。剛性の高い繊維と有機質の繊維の比率
は、重量比で約1/0.1〜0.5が好ましい。他に、
硬化体中に繊維を入れる方法として、本発明のセメント
硬化体を打設する被着面に、予め連続繊維を敷設してお
く方法により、繊維を硬化体中に埋め込むこともでき
る。
【0019】本発明の被覆粉粒状肥料及びまたは肥料含
浸粉粒体を含むセメント組生物の硬化体は多孔質でなけ
ればならない。これは多孔質にすることにより、その硬
化体を例えば河川などの護岸として設置した場合に、透
水性、通気性が付与されているので、微生物が硬化体内
部まで容易に侵入し、被覆粉粒状肥料の被覆層を分解
し、あるいは、肥料含浸粉粒体から、水分と共に肥効成
分が気孔を通じて溶出し、それが陸生植物や水性植物、
藻類、微生物の養分として効くようになる。また、硬化
体の空隙や気孔が植物の根の水分の補給や呼吸に役立
ち、植物の硬化体への密着性を助けて、風や雨水による
植物の転倒や流出を防ぎ、植物の成長を助長する。
【0020】本発明の多孔質のセメント硬化体を得る方
法として、請求項1記載のセメント硬化体(以下、硬化
体1ともいう)では、例えば下記に説明するa,b及び
cの3種類の気泡を混入する方法が好ましい。aの方法
は、セメント、被覆粉粒状肥料及びまたは肥料含浸粉粒
体、必要とするその他の材料及び起泡剤を含むセメント
組成物を作成し、該セメント組成物に水を加え、機械的
に練り混ぜ、硬化して得られるコンクリート(硬化体
1)中に空気泡を含ませる方法である(通称:ミックス
フォーム方式という)。練り混ぜたセメント組成物を型
枠などに詰めて硬化させることにより、本発明のセメン
ト硬化体を成型品にすることが可能である。aの方法に
ついて、さらに詳しく説明すると、被覆粉粒状肥料及び
または肥料含浸粉粒体、セメント、骨材、水、空気連行
剤及びその他所望の他の混和剤(材)を混入して練り混
ぜ、その組成物中に気泡を発生させる。aの方法での空
気量の調節は空気連行剤の混入量、練り混ぜ時間の調節
などにより行う。空気連行剤の種類としては膠(蛋白
質)系、樹脂石鹸(ロジン)系、界面活性剤系などの市
販品があり、適宜選択して使用することができる。空気
連行剤の混入量は、使用する空気連行剤の種類、混入す
る配合成分に含ませる空気量、混和材(例:高炉スラグ
微粉末など)の種類と量、骨材の種類やそれら無機系材
料の粒径および量、練り混ぜ順序、ミキサ及び攪拌翼の
形状寸法や攪拌時間などにより異なるが、セメントに対
して0.01〜2%が好適である。生成する気泡の大き
さはおよそ0.1〜2mmが好ましい。
【0021】a法での硬化体1の多孔質の程度は、硬化
体1を製造する際の管理の面から空気量で表わすのが好
都合である。好ましい空気量は硬化体1の使用箇所や形
状寸法などにより異なるが、7〜60%が好ましく、さ
らに好ましくは10〜50%である。空気量が少なく、
7%未満では透水性、通気性が低く、本発明の目的に合
致しなくなる。空気量が70%以上になると、透水性、
通気性は満足できるが、硬化体1の強度が著しく低下す
るので好ましくない。
【0022】かくしてa法により練り混ぜた本発明の多
孔質の組成物の硬化養生方法としては、型枠に該組成物
を流し込んだ後、常温で硬化、あるいは蒸気などにより
加熱して硬化させた後、脱型し成型品とする方法を採用
することができる。必要ならばさらに水中養生を継続す
ることもできる。なお上記した被覆粉粒状肥料の被覆
層、あるいは肥料含浸粉粒体の有機系あるいは無機系の
被覆層は、養生中に水蒸気、熱、セメントアルカリなど
で極端に破壊されないような条件に設定する必要があ
る。bの方法は、セメント、被覆粉粒状肥料及びまたは
肥料含浸粉粒体、及び必要とするその他の材料を含むセ
メント組成物を作成し、該セメント組成物と水と練り混
ぜておき、これに起泡機から作った泡を混入して、硬化
し、硬化体1中に気泡を含ませる方法である(通称:ミ
ックスフォーム方式)。組成物を型枠などに詰めて硬化
させることにより、本発明のセメント硬化体を成型品に
することが可能である。
【0023】bの方法としては、予め、被覆粉粒状肥料
及びまたは肥料含浸粉粒体、セメント、骨材、その他必
要な混和剤(材)、必要な最低量の水で練り混ぜてお
き、これに、別に空気連行剤の1種である起泡剤の水溶
液と起泡機から作ったソフトクリーム状の泡を混合し
て、組成物中に起泡を含ませ、硬化体1中に気泡を含ま
せる方法である。b法での空気量の調節は、混合する泡
の量を加減することにより行う。硬化体1に含まれる適
当な空気量はa法と同様である。使用する起泡剤は、前
記、a法で説明したものの中から適宜選択する。硬化体
中に生成する気泡の大きさはおよそ0.1〜2mmであ
る。
【0024】被覆粉粒状肥料及びまたは肥料含浸粉粒体
としては、前記、a法で記載したものと同様のものを適
宜選択し、配合はa法と同様にきめることができる。セ
メントとしては、前記、a法で記載したものと同様のも
のを適宜選択し、配合はa法と同様にきめることができ
る。使用できる骨材としては、前記、a法で記載したも
のの中から適宜選択し、配合はa法と同様に決めること
ができる。必要に応じて混入する混和材としては、前
記、a法で記載したものと同様のものを適宜選択して使
用することができる。かくしてb法により練り混ぜた組
成物の硬化養生方法としては、前記、a法で記載したも
のと同様のものを適宜選択して設定することができる。
cの方法は、セメント、被覆粉粒状肥料及びまたは肥料
含浸粉粒体、及び必要とするその他の材料と共にガスを
発生させる混和剤を含むセメント組成物を作成し、化学
的な反応によりガス泡を発生させ、硬化して得られる硬
化体1中に気泡を含ませる方法である(通称:ポストフ
ォーム方式)。組成物を型枠などに詰めて硬化させるこ
とにより、本発明のセメント硬化体を成型品にすること
が可能である。
【0025】水和の進んだセメントは多孔質であり、本
質的に親水性で、しかも本発明の硬化体1では、セメン
トペーストあるいはモルタルに多くの気泡を含ませてい
るから、独立気泡以外に複数の気泡が連通した気孔を多
く形成していて、この硬化体1の透水性、通気性を著し
く大きくしている。その特性はほぼ気泡量に比例する。
硬化体1を作るに際し、その組成物の練り混ぜ方、材料
の投入順序については特に制限はなく、通常のミキサを
使用して本発明の組成物を練り混ぜることができる。
【0026】cの方法としては、被覆粉粒状肥料及びま
たは肥料含浸粉粒体、セメント、骨材、ガス発生剤、水
及び必その他必要な混和剤(材)からなるセメント組成
物を練り混ぜてガスを発生させて気泡を含ませる。c法
での起泡量の調節は、ガス発生剤の量を加減することに
より行う。硬化体1に含ませる適当な気泡量はa法と同様
である。使用するガス発生剤としては、アルミニウム微
粉末、過酸化水素水溶液などが挙げられる。アルミニウ
ム微粉末の場合、セメントに対して0.02〜1%が好
適で、必要ならばガス発生促進剤、気泡安定剤及び硬化
促進剤などを併用することができる。35%過酸化水素
水溶液の場合、セメントに対して0.1〜2%が好適
で、必要ならばガス発生促進剤、気泡安定剤及び硬化促
進剤などを併用することができる。硬化体中に生成する
気泡の大きさはおよそ0.1〜3mmが好ましい。
【0027】被覆粉粒状肥料及びまたは肥料含浸粉粒体
としては、前記、a法で記載したものと同様のものを適
宜選択し、配合はa法と同様に決めることができる。セ
メントとしては、前記、a法で記載したものと同様のも
のを適宜選択し、配合はa法と同様に決めることができ
る。使用できる骨材としては、前記、a法で記載したも
のと同様のものを適宜選択し、配合はa法と同様に決め
ることができる。必要に応じて混入する混和剤として
は、前記、a法で記載したものと同様のものを適宜選択
して使用することができる。c法により練り混ぜた組成
物の硬化養生方法としては、前記、a法で記載したもの
と同様のものを適宜選択して設定することができる。
【0028】a,b及びcの方法のうち、aの方法が比較
的簡単であるが、それぞれの方法を組み合わせて複合し
た方法としても本発明においては、利用することができ
る。以上、a,b及びcの方法で硬化させた多孔質の硬
化体1の断面構造の模式図を図1に示す。1は骨材、2
はセメントペーストあるいはモルタル、3は気泡、7は
被覆粉粒状肥料及びまたは肥料含浸粉粒体である。骨
材、被覆粉粒状肥料及びまたは肥料含浸粉粒体の間には
多くの気泡を含んだセメントペストあるいはモルタルが
詰まっているのがわかる。水和したセメントは多孔質で
本質的に親水性であり、しかも多くの気孔を含むので、
本発明の硬化体1は透水性、通気性を有し、且つ、肥効
成分を含むので植物や藻類の生育に適している。
【0029】次に、内部に連続空隙を持つ請求項3の発
明の硬化体2の作り方について説明する。まず被覆粉粒
状肥料及びまたは肥料含浸粉粒体、セメント、高性能減
水剤その他所望の混和材及び水で、粘ちょうでしかも若
干の流動性のあるセメントペーストあるいはモルタルを
作る。そして、上記被覆粉粒状肥料及びまたは上記肥料
含浸粉粒体が骨材中に散在されていることが、内部に連
続空隙を持つ硬化体2の製造には必要であるので、これ
に空隙率(100−実績率(%))が35%以上の骨材
を用いて、好ましくは下記、式(1)で表される充填率
(J)が20〜75%になるような量の粗骨材を混ぜ
る。これを型枠などに詰めて硬化させ、内部に連続空隙
を持つ本発明の硬化体2の成型品にする。 式(1): (P/V)×100=J (式中、Pはセメントペーストあるいはモルタルの容
積、Vは使用する粗骨材の空隙容積、Jは骨材粒子相互
間に存在する空隙容積に対するセメントペーストあるい
はモルタルの充填率(%)) 粗骨材の粒子相互間に存在する空隙をセメントペースト
あるいはモルタルで、その空隙が残るように、しかも粗
骨材の粒子相互がセメントペーストあるいはモルタルで
結合するようにする。なお、該セメントペーストあるい
はモルタルの作り方として、前記、硬化体1で記載した
a,b,c及びこられを組み合わせた方法により製造す
ることもできる。
【0030】セメントペーストあるいはモルタルのコン
システンシーは、JIS R 5201(セメントの物
理試験)によるフロー値で180〜270が好ましく、
この値は使用する骨材粒径に反比例する。フロー値がこ
の値よりも高いと、粗骨材粒子表面に付着するセメント
ペーストあるいはモルタル層の厚みが小さくなり、粗骨
剤相互の結合面積が小さく、硬化体2の強度は低い。一
方、フロー値がこの値よりも低いと、粗骨材粒子表面に
付着するセメントペーストあるいはモルタル層の厚みが
不均一となり、粗骨材相互の結合面積も不均一になり、
強度物性にも不均一が生じやすい。なお、被覆粉粒状肥
料及びまたは肥料含浸粉粒体の混ぜ方として、セメント
ペーストあるいはモルタルには混入せずに、粗骨材を混
合する際に残りの、被覆粉粒状肥料及びまたは肥料含浸
粉粒体を共に混入することができる。
【0031】硬化体2の空隙量の調節は、主に充填率
(J)の加減、即ち、セメントペーストあるいはモルタ
ルの容積(P)の加減により行うことができるが、使用
する粗骨材の空隙率を調節することによっても可能であ
る。充填率(J)が20%未満では、硬化体2中の空隙
が多く、透水性、通気性に富むが、セメントペーストあ
るいはモルタルの容積(P)が少ないために粗骨材間の
結合が弱くなり、硬化体2の強度が損なわれるので好ま
しくない。一方、充填率(J)が75%を上回ると、粗
骨材間に存在する空隙がセメントペーストあるいはモル
タルで充填され過ぎて、硬化体2の透水性、通気性が損
なわれるので、本発明の目的に沿わなくなる。しかし、
硬化体2の強度は大きくなる。
【0032】硬化体2に使用する粗骨材としては、空隙
率が35%以上(実績率65%以下)のものが好まし
い。35%未満では連続空隙を持つ硬化体2を作るのが
困難になる。使用できる骨材の種類としては、砂利、海
砂利、山砂利、砕石、高炉スラグ砕石、転炉スラグ砕
石、人工軽量粗骨材、火山爍砂利、パーライト、石炭殻
などがあり、適宜選択して使用することができる。必要
ならば粒度を調整し、適当な空隙率を持つようにして使
用する。好ましい粗骨材としては、砕石、高炉スラグ砕
石などがあり、粒径としては好ましくは5〜50mm、
さらに好ましくは10〜20mmである。
【0033】細骨材としては、前記、硬化体1のa法で
例示したものを適宜選択して使用することができるが、
用いる細骨材として、粒径は0.1〜0.3mm程度、
使用量はセメント/細骨材で1/1付近が好適である。
被覆粉粒状肥料及びまたは肥料含浸粉粒体としては、前
記、硬化体1のa法で例示したものを適宜選択し、配合は
前記a法と同様に決めることができる。セメントとして
は、前記、硬化体1のa法で例示したものを適宜選択して
使用することができる。必要に応じて混入する混和材と
しては、前記、a法で例示したものを適宜選択して使用
することができる。かくしてできた多孔質の組成物の硬
化養生方法としては、前記、a法で例示したものを適宜
選択することができる。
【0034】以上、出来上がった多孔質の硬化体2の断
面構造の模式図を図2に示す。4は骨材、5はセメント
ペーストあるいはモルタル、6は空隙、7は被覆粉粒状
肥料及びまたは肥料含浸粉粒体である。骨材、被覆粉粒
状肥料及びまた肥料含浸粉粒体の間に大小の空隙が形成
していて、且つ、セメント−ペーストあるいはセメント
モルタルが詰まっているのがわかる。したがって、本発
明の硬化体2は透水性、通気性を有し、且つ、肥効成分
を含むので植物や藻類の生育に適している。
【0035】かくして得られた本発明の被覆粉粒状肥料
及びまたは肥料含浸粉粒体を含んだセメント系の多孔質
のセメント硬化体は、海や湖沼、河川の水中や水際な
ど、あるいは陸上の耕地、田畑、山林、公園などに設置
することにより、内部に気孔及びまたは連続空隙を持つ
ので、その気孔及びまたは空隙を通じて微生物が侵入
し、さらに空気、湿気及び水分が補給されて、被覆粉粒
状肥料の被覆層が徐徐に分解されて、あるいは肥料含浸
粉粒体から、該硬化体の表面や、その周囲には肥料成分
が徐々に溶出していき、それが植物などに吸収されるの
で、該硬化体の表面やその周囲では早期に植物、藻類の
成育が促進され、微生物も繁殖する。しかも長期にわた
ってそれら生物の生育に役立つ。また、本発明のセメン
ト硬化体を海洋中に設置することにより、その表面には
藻類が早期より多く付着し、しかもその生長速度は大き
い特長を持つ。本発明のセメント硬化体中の気孔及びま
たは空隙は通気性や保水性を持っていて、植物の根に空
気や水分を継続的に供給する。また、気孔及びまたは空
隙に植物の根が張り込むことができるので、植物の風や
雨水による横転や流出を防ぐ。以上のように本発明のセ
メント硬化体は植物にとって好ましい環境を、経済的に
提供することができる。以下に実施例を挙げて本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。なお、実施例中の部及び%は重量部
及び重量%を意味する。
【0036】以下に、試験例および実施例を用いて本発
明をさらに詳細に説明するが本発明はこれらに限定され
るものではない。 試験例 実施例1〜3、比較例1〜3のセメント硬化体を用いて
以下の試験を行った。 植物の成育試験 試験方法 実施例1で製造した硬化体1のブロックを用いて、屋外
の平坦で日当たりのよい花畑の区割りを行った。すなわ
ち、該ブロック4個を長さ方向が東西になるように一列
に敷き並べ、これより21cm離れた所に平行になるよ
うに、このコンクリート製ブロック4個でもう一列を東
西に敷き並べた。両列の東西の端は、このコンクリート
製ブロック2個で繋ぎ、一区画の内法寸法は64×21
cmになるようにした。なお、敷き並べたコンクリート
製ブロックは全て、厚み6cmのうち4cmが土壌中に
埋まるように設置している。5月中旬に、この区画内の
中央点を中心にした東西の線上の土壌表面に、約8cm
の等間隔で深さ約1cmの小さな穴を合計7ヶ所開け、
市販の朝顔の種2粒づつを入れ、穴を埋め戻した。朝顔
が芽を出した後、長さ2mの支柱を合計7本を芽の側に
垂直に立てて、朝顔の成育を観察し9月末に茎の丈高さ
を計測した。なお、3日間以上降雨がない場合、全茎毎
に等しい量の散水を行った。
【0037】比較例1で製造した気泡コンクリートブロ
ックを用いて、試験用の花畑の近くに上記と同方位、同
面積の比較用の花畑を作り、同日に同様に朝顔の種を埋
め込み、芽が出た後、上記と同様に支柱をたてた。
【0038】試験結果 実施例1で製造した硬化体1のブロックを用いた試験区
画の朝顔の茎の地面からの丈高さは、最低125〜最高
227cm、平均158cmであり、径の大きい花が数
多く咲いた。一方、比較例1で製造した気泡コンクリー
トブロックを用いた区画では、茎の地面からの丈高さ
は、最低82〜最高143cm、平均122cmで、試
験区画の朝顔に比較して径の小さい花が数少なく咲い
た。以上の結果から、本発明の被覆粉粒状肥料を含む多
孔質のセメント硬化体1である気泡コンクリート成型品
は植物の成育に役立つことが分かる。
【0039】(イ)実施例2の硬化体2を供試体として
用いた藻類の付着性等の試験 試験方法および試験結果 (a)供試体の外観:全ての供試体は粟おこし(菓子)
状で、1〜6mmの大小の空隙を無数に持つ硬化体で、砕
石表面はセメントぺーストによりほとんど被覆されてい
るが、型枠に接していた部分の骨材の表面は露出してい
る。被覆粉粒状肥料の多くは、セメントペースト中に埋
没しているが、一部は、露出していて、被覆粉粒状肥料
が混入されているのが識別できる。
【0040】(b)圧縮強度:円柱供試体6個につい
て、材令7日(3個)及び28日(3個)における湿空
養生後の圧縮強度を測定した。結果を表1に示す。円柱
試体8個については、7日まで湿空養生を行ない、以
後、材令28日まで気乾養生を行った。
【0041】(c)透水性について定性的試験:円柱供
試体2個について、下記の試験を行なった。すなわち、
円柱供試体を立て、上面から200mlの水を流したと
ころ、2個共、直ちに硬化体中の空隙を通り抜けて下方
へ流れていき、極めてポーラスな硬化体になっているこ
とが確認できた。
【0042】(d)藻類の付着性試験:残りの実施例2
の硬化体2の円柱供試体6個について、下記に説明する
場所に6ヶ間海中に沈潰着して、藻類の付着の試験を行
った。表2に藻類の付着量を示す。本発明の供試体への
藻類の付着量は多く、アナアオサやノリ類の付着が認め
られた。 場所:瀬戸内海、淡路岩屋西2km地点で、日光が入る
自然海域の平均海面から2mの水深。期間:1998年
9月初旬から1999年3月初旬まで6ヶ月間。比較の
ため、比較例2の硬化体(多孔質のコンクリート)およ
び比較例3の硬化体(普通コンクリート)を用いて、藻
類の付着性の試験を上記と同様に行なった。表2に藻類
の付着量を示す。従来の多孔質のコンクリートの藻類の
付着量は、普通コンクリートと比較するとかなり多い
が、本発明の実施例2の硬化体2と比較するとかなり少
ない。
【0043】(e)曲げ強度:直方供試体について、材
令7日(3個)及び28日(3個)における湿空養生後
の曲げ強度を測定した。結果を表1にしめす。 表1:曲げ圧縮強度
【表1】
【0044】表2:藻類の付着量
【表2】
【0045】(2)(ロ)実施例3の硬化体2を用いた
藻類の付着性等の試験 試験方法および試験結果 (a)供試体の外観:全ての実施例3の硬化体2の供試体
は、粟おこし(菓子)状で、1〜6mmの大小の空隙を
無数に持つ硬化体で、セメントペースト相は酸化鉄分粉
末を混入しているために、赤褐色を呈している。砕石表
面のほとんどは赤褐色を呈しているが、型枠に接してい
た部分の骨材の表面は露出している。被覆粉粒状肥料の
多くはセメントペースト中に埋没しているが、一部は露
出していて、被覆粉粒状肥料が混入されているのが識別
できる。 (b)透水性について定性的試験:養生後の実施例3の
硬化体2の円柱供試体2個について、上記試験(2)
(イ)(c)の試験と同様に、円柱供試体の上面から水
を流したところ、水は直ちに硬化体中の空隙を通り抜け
て下方に流れていき、極めてポーラスな硬化体になって
いることが確認できた。 (c)藻類の付着性試験:残りの円柱供試体6個につい
ては、上記試験(2)(イ)(d)の試験と同様に、6ヶ
月間、海中に沈潰漬して藻類の付着性の試験を行なっ
た。結果を表2中に示す。本発明の供試体への藻類の付
着量は多く、アナアオサやノリ類の付着が認められた。
【0046】
【実施例】実施例1 〔硬化体1 被覆粉粒状肥料混入気泡コンクリートの製
造)新日鉄化学工業(株)製高炉セメントB種100
部、JIS A 5002に相当する住友大阪セメント
(株)製人工軽量細骨材(種類:M)75部、同人工軽
量粗骨材75部、起泡剤(主成分:ドデシルベンゼンス
ルホン酸ソーダ)1部、日本電気硝子(株)製ガラス繊
維(集束タイプ、カット長:6mm)3部、被覆粉粒状
肥料(化成肥料:アンモニア性窒素、可溶性爍酸、水溶
性加里含有、粒径:1〜5mm、見掛け比重1.04、
被覆剤:尿素樹脂・アクリル系樹脂の混合系)30部及
び水56部を高速ミキサーで1分間練り混ぜて生コンク
リートの比重が1.20(計算から求めた空気量:26
%)の被覆粉粒状肥料混入コンクリートを準備した。こ
のコンクリートから、寸法、長さ:21cm、幅:10
cm、厚み:6cmのコンクリート製ブロックを作り、
常温で1週間湿空養生を行い、さらに2週間気乾養生を
行った。
【0047】実施例2 (硬化体2 被覆粉粒状肥料混入多孔質コンクリートの
製造)高炉セメントB種100部、花王(株)製高性能
減水剤(マイティ150)0.6部、水28部を練り混
ぜて、フロー値が205mmのセメントペーストを作
り、これに被覆粉粒状肥料(化成肥料:アンモニア性窒
素、可溶性燐酸、水溶性加里含有、粒径:1〜5mm、
見掛け比重:1.04、被覆材:尿素樹脂・アクリル系
樹脂の混合系)30部を配合し練り混ぜて、フロー値
(JIS R 5201の方法)が190mmの被覆粉
粒肥料混入セメントペーストを作った
【0048】次に、この肥料粒混入セメントモルタル
に、粒径15〜20mmの砕石(空隙率:42%)の空
隙に充填率(本文中の式(1)のJ値)が40%になる
ように混合した。このものの比重は1.88であり空隙
率は22.7%であった。これを直径15×高さ30c
mの円柱型枠14個及び10cm×10cm×40cm
の直方体型枠6個に充填して供試体を成型した。その後
20℃で1日間湿空養生を行ってから脱型し、さらに継
続して湿空養生を行った。
【0049】実施例3 (硬化体2 被覆粉粒状肥料混入多孔質コンクリートの
製造)高炉セメントB種100部、酸化鉄粉末(比重:
6.52)43部、花王(株)製高性能減水材(マイテ
ィ150)0.64部、水35.8部を練り混ぜて、フ
ロー値が202mmのセメントペーストを作り、これに
被覆粉粒状肥料(実施例1で使用したものと同一)30
部を配合し練り混ぜて、フロー値が198の被覆粉粒状
肥料セメントペーストを作った。次に、この被覆粉粒状
肥料混入セメントペーストに粒径13〜20mmの砕石
(比重:2.69、空隙率:41%)の空隙に充填率
(本文中の式(1)のJ値)が40%になるように混合
した。このものの比重は1.91であり、空隙率は2
2.5%であった。これを直径15cm×高さ30cm
の円柱型枠8個に充填した。その後、20℃で1日間湿
空養生を行ってから脱型した。供試体は、さらに材令7
日まで湿空養生を行ない、以後、材令28日まで気乾養
生を行った。
【0050】比較例1 被覆粉粒状肥料を混入しないで、他は実施例1と同様に
して気泡コンクリートブロックを作成した。 比較例2 (多孔質コンクリート)高炉セメントB種100部、花
王(株)製高性能減水剤(マイティ150)0.5部、
水24部を練り混ぜて、フロー値が196mmのセメン
トペーストを作った。このセメントペーストに粒径15
〜20mmの砕石(比重:2.69、空隙率:42%)
の空隙に充填率(本文中の式(1)のJ値)が40%に
なるように混和した。このものの比重は1.91であ
り、空隙率は23.7%であった。これを実施例2と同
様にして多孔質コンクリートの円柱供試体を作成した。
【0051】比較例3 (普通コンクリート)高炉セメントB種100部、川砂
(比重:2.59、粗粒率:2.85)200部、砕石
(粒径:5〜20mm、比重:2.70)350部、水
セメント比:50%の空気量:2.7%、スランプ:1
35mmの砕石コンクリートを練り混ぜて、実施例2と
同様にして円柱供試体を製作した。その後、脱型、養生
条件も実施例2と同様にして製造した。
【本発明の効果】本発明のセメント硬化体は、上述の構
成を有するため、植物、藻類、微生物、魚類の成育用と
して適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多孔質の硬化体1の断面構造の模式図
である。
【図2】本発明の多孔質の硬化体2の断面構造の模式図
である。
【符号の説明】 1 骨材 2 セメントペーストあるいはモルタル 3 気泡 4 骨材 5 セメントペーストあるいはモルタル 6 空隙 7 被覆粉粒状肥料及びまたは肥料含浸粉粒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 592010276 玉井 元治 大阪府富田林市楠風台1−5−12 (72)発明者 玉井 元治 大阪府富田林市楠風台1丁目5番12号 (72)発明者 橋本 道生 神戸市灘区篠原北町3丁目3番25号 (72)発明者 徳本 実 奈良県生駒郡三郷町城山台1丁目10番2号 Fターム(参考) 4G019 LA02 LB01 LB02 LB04 LB06 LD02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面が被覆された粉粒状肥料及びまたは
    肥料成分を含浸させた多孔質粉粒体を含むセメント組成
    物を硬化した多孔質のセメント硬化体。
  2. 【請求項2】 表面が被覆された粒径が0.001〜3
    0mmの粉粒状肥料をセメントに対して0.1〜150
    重量%、及びまたは肥料成分を含浸させた粒径が、0.
    001〜30mmの多孔質粉粒体をセメントに対して
    0.1〜150重量%含むセメント組成物を硬化した多
    孔質のセメント硬化体。
  3. 【請求項3】表面が被覆された粉粒状肥料及びまたは肥
    量成分を含浸させた多孔質粉粒体を含み、該粉粒状肥料
    及びまたは該多孔質粉粒体が骨材中に散在したセメント
    組成物を硬化した内部に連続空隙を持つ多孔質のセメン
    ト硬化体。
  4. 【請求項4】表面が被覆された粒径が0.001〜30
    mmの粉粒状肥料をセメントに対して0.1〜150重
    量%、及びまたは肥量成分を含浸させた粒径が0.00
    1〜30mmの多孔質粉粒体をセメントに対して0.1
    〜150重量%含み、該粉粒状肥料及びまたは該多孔質
    粉粒体が骨材中に散在したセメント組成物を硬化した内
    部に連続空隙を持つ多孔質のセメント硬化体。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4記載のセメント組成
    物の配合成分として、鉄元素を5重量%以上含有する請
    求項1乃至請求項4記載の多孔質のセメント硬化体。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5記載の多孔質のセメント硬化
    体からなる植物、藻類、微生物、魚類の成育用成型体。
  7. 【請求項7】請求項1乃至5記載の多孔質のセメント硬化
    体からなる魚礁。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002210863A (ja) * 2001-01-19 2002-07-31 Motoharu Tamai 複合セメント硬化体の製造方法
JP2008169097A (ja) * 2007-01-15 2008-07-24 Tobishima Corp 吸音パネルの製造方法
WO2015136290A1 (en) * 2014-03-12 2015-09-17 Enviromate Limited Construction material and method of manufacturing the same
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CN115074132A (zh) * 2022-05-18 2022-09-20 山东省农业科学院 一种盐碱地土壤调节微生物制剂的制备工艺

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