JP2000336068A - 新規カルボン酸誘導体及びその製造方法 - Google Patents

新規カルボン酸誘導体及びその製造方法

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JP2000336068A JP2000044940A JP2000044940A JP2000336068A JP 2000336068 A JP2000336068 A JP 2000336068A JP 2000044940 A JP2000044940 A JP 2000044940A JP 2000044940 A JP2000044940 A JP 2000044940A JP 2000336068 A JP2000336068 A JP 2000336068A
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利仁 熊谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】2−アミノ−4−オキソビシクロ[3.1.
0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸の効率的な合成に
有用な化合物を提供すること。 【解決手段】下記式 【化1】 [式中、R1は水素原子、C1〜C6アルキル基、C3〜C
6シクロアルキル基、C3〜C6シクロアルキルC1〜C6
アルキル基、アリール基、アリールC1〜C6アルキル
基、C1〜C6アルコキシC1〜C6アルキル基、C1〜C6
ヒドロキシアルキル基、C1〜C6アルキルチオC1〜C6
アルキル基、C1〜C6メルカプトアルキル基、テトラヒ
ドロフラニル基又はテトラヒドロピラニル基を示す。R
2とR3は同一又は異なってC1〜C6アルキル基、C3
6シクロアルキル基、C3〜C6シクロアルキルC1〜C
6アルキル基、アリール基又はアリールC1〜C6アルキ
ル基を示すか、或いは一緒になって−(CH2n−(n
は2又は3)を示す。Y1及びY2は同一又は異なって硫
黄原子、酸素原子又は窒素原子を示す。]で表される2
−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボ
ン酸誘導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2−オキソビシク
ロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸誘導体及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】グルタミン酸受容体の一種であるメタボ
ロトピックグルタミン酸受容体は薬理学的に3つのグル
ープに分類されている。その中で、グループ2(mGl
uR2/mGluR3)は、アデニルサイクラーゼと結
合し、サイクリックアデノシン1リン酸(cAMP)の
ホルスコリン刺激性の蓄積を抑制する(Trends Pharmac
ol. Sci., 14 13(1993))ことから、グループ2メタボ
ロトピックグルタミン酸受容体に作用する化合物は精神
分裂病、不安及びその関連疾患、うつ病、二極性障害、
てんかん等の精神医学的障害、例えば薬物依存症、認知
障害、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、パーキ
ンソン病、筋硬直に伴う運動障害、脳虚血、脳不全、脊
髄障害、頭部障害等の神経学的疾患に治療効果および予
防効果を有するとされている。
【0003】本発明者らは、グループ2メタボトロピッ
クグルタミン酸受容体に作用する有用な化合物の一つと
して、2−アミノ−4−オキソビシクロ[3.1.0]
ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(7)を発明した(特
願平10−246344号)。特願平10−24634
4号明細書には、その製造方法として、下記に示すごと
く、エノン誘導体(8)にベンジルアルコールを付加して
ベンジルオキシ化合物(9)とした後、ヒダントイン化
によってこれをヒダントイン誘導体(10)とし、次い
で脱ベンジル化、酸化及びチオケタール化によってチオ
ケタール−ヒダントイン誘導体(11)に変換し、更
に、加水分解する合成法が提案されている(下記反応式
中、R2、R3及びR5は同一又は異なって炭素数1−1
0の低級アルキル基を示す。ただし、R2及びR3は一緒
になって−(CH2n−(nは2又は3)を示すことが
ある)。
【化6】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、精神
分裂病、不安及びその関連疾患、うつ病、二極性障害、
てんかん等の精神医学的障害、更に、薬物依存症、認知
障害、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、パーキ
ンソン病、筋硬直に伴う運動障害、脳虚血、脳不全、脊
髄障害、頭部障害等の神経学的疾患に治療効果および予
防効果を有するグループ2メタボトロピックグルタミン
酸受容体に作用する2−アミノ−4−オキソビシクロ
[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸の効率
的な合成に有用な新規合成中間体及びその製造方法を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、フルフリルアルコールより容易に供給される
4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン又はその水酸基
を保護したタイプの化合物を出発原料として得られる、
2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カル
ボン酸誘導体(1)が、2−アミノ−4−オキソビシク
ロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(7)
の効率的な合成に有用であることを見出し、本発明を完
成した。
【0006】すなわち、本発明の1つの形態は、式(1)
【化7】 [式中、R1は水素原子、C1〜C6アルキル基、C3〜C
6シクロアルキル基、C3〜C6シクロアルキルC1〜C6
アルキル基、アリール基、アリールC1〜C6アルキル
基、C1〜C6アルコキシC1〜C6アルキル基、C1〜C6
ヒドロキシアルキル基、C1〜C6アルキルチオC1〜C6
アルキル基、C1〜C6メルカプトアルキル基、テトラヒ
ドロフラニル基又はテトラヒドロピラニル基を示す。R
2とR3は同一又は異なってC1〜C6アルキル基、C3
6シクロアルキル基、C3〜C6シクロアルキルC1〜C
6アルキル基、アリール基又はアリールC1〜C6アルキ
ル基を示すか、或いは一緒になって−(CH2n−(n
は2又は3)を示す。Y1及びY2は同一又は異なって硫
黄原子、酸素原子又は窒素原子を示す。]で表される2
−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボ
ン酸誘導体である。
【0007】また、本発明の他の形態は、式(2)
【化8】 [式中、R4は水素原子又は水酸基の保護基を示す。]
で表されるシクロペンテノン誘導体に、Me2S=CHC
25[式中、R5はC1〜C6アルキル基、C3〜C6
クロアルキル基、C3〜C6シクロアルキルC1〜C6アル
キル基、アリール基、アリールC1〜C6アルキル基、C
1〜C6アルコキシC1〜C6アルキル基、C 1〜C6ヒドロ
キシアルキル基、C1〜C6アルキルチオC1〜C6アルキ
ル基、C1〜C6メルカプトアルキル基、テトラヒドロフ
ラニル基又はテトラヒドロピラニル基を示す。]で表さ
れるスルホニウムイリドを反応させるか、又は、Me2
+CH2CO25・X-[式中、R5は前記と同様である。
Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。]で表
されるスルホニウム塩を反応させることによって、式
(3)
【化9】 [式中、R4、R5は前記と同様である。]で表される二
環式化合物とする工程と、前記二環式化合物のカルボニ
ル基を保護することによって、式(4)
【化10】 [式中、R2とR3は同一又は異なってC1〜C6アルキル
基、C3〜C6シクロアルキル基、C3〜C6シクロアルキ
ルC1〜C6アルキル基、アリール基又はアリールC1
6アルキル基を示すか、或いは一緒になって−(C
2n−(nは2又は3)を示す。Y1及びY2は同一又
は異なって硫黄原子、酸素原子又は窒素原子を示す。R
4及びR5は前記と同様である。]で表される誘導体とす
る工程と、前記誘導体のR4が水素原子以外の場合はR4
を水素原子に変換後、前記誘導体を酸化する工程とを含
む、2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−
カルボン酸誘導体(1)の製造方法である。
【0008】そして、本発明の更に他の形態は、カルボ
ン酸誘導体(1)から得ることができる式(5)
【化11】 [式中、R1は水素原子、C1〜C6アルキル基、C3〜C
6シクロアルキル基、C3〜C6シクロアルキルC1〜C6
アルキル基、アリール基、アリールC1〜C6アルキル
基、C1〜C6アルコキシC1〜C6アルキル基、C1〜C6
ヒドロキシアルキル基、C1〜C6アルキルチオC1〜C6
アルキル基、C1〜C6メルカプトアルキル基、テトラヒ
ドロフラニル基又はテトラヒドロピラニル基を示す。R
2とR3は同一又は異なってC1〜C6アルキル基、C3
6シクロアルキル基、C3〜C6シクロアルキルC1〜C
6アルキル基、アリール基又はアリールC1〜C6アルキ
ル基を示すか、或いは一緒になって−(CH2n−(n
は2又は3)を示す。Y1及びY2は同一又は異なって硫
黄原子、酸素原子又は窒素原子を示す。]で表されるビ
シクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸誘導体
である。
【0009】本発明において使用される用語が以下に定
義される。本発明において、「Cn〜Cm」とは、その後
に続く基がn〜m個の炭素原子を有することを示す。
【0010】C1〜C6アルキル基は、炭素原子を1〜6
個有する直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を示し、例え
ばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、
ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、
イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基などであ
る。
【0011】C3〜C6シクロアルキル基は、炭素原子を
3〜6個有する環状アルキル基を示し、例えばシクロプ
ロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などで
ある。
【0012】C3〜C6シクロアルキルC1〜C6アルキル
基は、C3〜C6シクロアルキル基とC1〜C6アルキル基
の複合した形態を有しており、例えばシクロプロピルメ
チル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル
基、シクロヘキシルメチル基などである。
【0013】アリール基は、フェニル基、ナフチル基等
であり、好ましくはフェニル基である。アリールC1
6アルキル基は、少なくとも1つ以上のアリール基、
好ましくはフェニル基、で置換された、炭素原子を1〜
6個有する直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を示し、例
えばベンジル基、ジフェニルメチル基、1−フェニルエ
チル基、2−フェニルエチル基などである。
【0014】C1〜C6アルコキシC1〜C6アルキル基
は、C1〜C6アルコキシ基とC1〜C6アルキル基の複合
した形態を有している。ここで、C1〜C6アルコキシ基
とは、炭素原子を1〜6個有する直鎖状又は分岐鎖状の
アルコキシ基を指し、例えば、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イ
ソブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イ
ソペンチルオキシ基などである。したがって、C1〜C6
アルコキシC1〜C6アルキル基の例には、メトキシメチ
ル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシ
エチル基、プロポキシエチル基、イソプロポキシエチル
基、ブトキシエチル基、イソブトキシエチル基、ペンチ
ルオキシエチル基、イソペンチルオキシエチル基などが
含まれる。
【0015】C1〜C6ヒドロキシアルキル基は、少なく
とも1つのヒドロキシル基で置換されたC1〜C6アルキ
ル基を示す。したがって、C1〜C6ヒドロキシアルキル
基の例には、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシ
プロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基などが含
まれる。
【0016】C1〜C6アルキルチオC1〜C6アルキル基
は、C1〜C6アルキルチオ基とC1〜C6アルキル基の複
合した形態を有している。ここで、C1〜C6アルキルチ
オ基とは、炭素原子を1〜6個有する直鎖状又は分岐鎖
状のアルキルチオ基を指し、例えば、メチルチオ基、エ
チルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブ
チルチオ基、イソブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペ
ンチルチオ基、イソペンチルチオ基などである。したが
って、C1〜C6アルキルチオC1〜C6アルキル基の例に
は、メチルチオメチル基、2−メチルチオエチル基など
が含まれる。
【0017】C1〜C6メルカプトアルキル基は、少なく
とも1つのメルカプト基で置換されたC1〜C6アルキル
基を示す。したがって、C1〜C6メルカプトアルキル基
の例には、2−メルカプトエチル基、3−メルカプトプ
ロピル基、2,3−ジメルカプトプロピル基などが含ま
れる。
【0018】上記した各種の基は、その基上の少なくと
も1つの水素原子が、例えば、フッ素原子、塩素原子、
臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ニトロ基;ア
ミノ基;ヒドロキシル基;チオール基;ホルミル基;カ
ルボキシル基;シアノ基;カルバモイル基;メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イ
ソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル
基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル
基等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基、ビフェニ
ル基、アントラニル基、ピロリル基、ピリジル基、チエ
ニル基等のアリール基及び複素環基;メトキシカルボニ
ル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル
基;アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基;メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;メチ
ルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基等のアルキル
チオ基;等の非水素原子又は基によって置換されていて
もよい。したがって、例えば、2,2,2−トリクロロ
エチル基、フェナシル基、2,6−ジメチルシクロヘキ
シル基及び4−メトキシベンジル基などもR1及びR2
範囲に含まれる。なお、これらの置換基中の炭素原子数
は上記したn又はmには含まれない。
【0019】本発明において、水酸基の保護基とは、上
記したC1〜C6アルキル基、C3〜C6シクロアルキル
基、C3〜C6シクロアルキルC1〜C6アルキル基、アリ
ール基、アリールC1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコ
キシC1〜C6アルキル基、C 1〜C6ヒドロキシアルキル
基、C1〜C6アルキルチオC1〜C6アルキル基、C1
6メルカプトアルキル基、テトラヒドロフラニル基及
びテトラヒドロピラニル基の他に、アシル基又は三置換
シリル基等の一般に使用される保護基を含む。ここで、
アシル基とは炭素数1−6の直鎖状若しくは分岐鎖状の
脂肪族又は芳香族アシル基であり、例えばアセチル基、
ピバロイル基、ベンゾイル基等である。また、三置換シ
リル基とは炭素数1−6のアルキル基又はフェニル基よ
り選択される任意の置換基を3つ有するシリル基であ
り、例えばトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、
tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニ
ルシリル基などである。
【0020】式(1)で示される化合物において、R2
−Y1−及びR3−Y2−が同一の基を表す場合、又は、
1及びY2が同一でかつR2及びR3が一緒になって−
(CH2)n−(nは2又は3)を表す場合は、1,5
及び6位に3つの不斉炭素原子が存在する。また、Y1
又はY2、或いは、R2又はR3が異なる場合は1,4,
5及び6位に4つの不斉炭素原子が存在する。したがっ
て、本発明の化合物は光学活性体、ラセミ体等のエナン
チオマー混合物又はジアステレオマー混合物として存在
できる。すなわち、本発明の化合物は式(1)で表され
る化合物の光学活性体、ラセミ体等のエナンチオマー混
合物及びジアステレオマー混合物を全て含むものであ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明に係る式(1)の化合物は以
下の反応によって製造することができる。(下記の反応
式中、R1、R2、R3、R4、R5、Y1及びY2は前記と
同様である。)
【化12】
【0022】工程1:フルフリルアルコールより一工程
(R4が水素原子の場合)又は二工程(R4が水素原子以外
の場合)で得られるエノン誘導体(2)(特開昭57−62
236号公報参照)に、予め調製したMe2S=CHCO2
5で示されるスルホニウムイリド[式中、R5は前記と
同様である。]を不活性溶媒中反応させるか、又は、M
e2+CH2CO25・X-[式中、R5は前記と同様であ
る。Xは塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を示
す。]で表されるスルホニウム塩を不活性溶媒中、塩基
の存在下反応させることによって、二環式化合物(3)を
得る。
【0023】不活性溶媒としては、例えばベンゼン、ト
ルエン、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、例えばジクロ
ロメタン、クロロホルムなどのハロゲン系溶媒、例えば
テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどのエーテル
系溶媒、アセトニトリル、又はこれらの混合溶媒等を使
用することができる。また、塩基としては、例えばトリ
エチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジ
ン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウン
デセンなどの有機塩基類、あるいは、例えば炭酸カリウ
ム、水酸化ナトリウムなどの無機塩基類を使用すること
ができる。本反応は、0−30℃の温度下で行うことが
好ましく、また、Me2S=CHCO25で示されるスル
ホニウムイリドを用いる場合には、12時間から3日間
反応させることが好ましい。
【0024】工程2:二環式化合物(3)のカルボニル基
部位を、Protecting Groups in Organic Synthesis(The
odora W. Greene著、 John Wilely & Sons Inc.)に記載
されるような一般的な方法によって保護し、誘導体
(4)とする。カルボニル基の保護の形態としては、例
えば、ジメチルケタール、ジエチルケタール、1,3−
ジオキサン、1,3−ジオキソラン、S,S'−ジメチル
ケタール、1,3−ジチアン、1,3−ジチオラン、1,
3−オキサチオラン、オキサゾリジン、N−メチルオキ
サゾリジン等の一般的な環状又は非環状の形での保護形
態を採用することができる。
【0025】なお、例えばR4がシリル系保護基等の、
ルイス酸存在下において水素原子と置換容易な保護基の
場合には、例えば三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体
等のルイス酸の存在下でカルボニル基部位の保護を実施
することによって、同時に、水酸基側の保護基が除去さ
れ、R4=Hとすることができる。
【0026】工程3:誘導体(4)においてR4が水素
原子以外の場合には、水酸基の保護基R4を脱保護して
4=Hとし、続いて酸化することによって、本発明化
合物である(±)−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘ
キサン−6−カルボン酸誘導体(1)へ誘導することがで
きる。ここで、水酸基の保護基R4の脱保護は、例えば
4がアシル系保護基の場合は、例えばメタノール、エ
タノール等のアルコール系溶媒、例えばアセトン、メチ
ルエチルケトン等のケトン類、例えばテトラヒドロフラ
ンなどのエーテル系溶媒、水またはこれらの有機溶媒と
の混合溶媒中、例えば炭酸カリウムあるいは水酸化ナト
リウム等の無機塩基存在下において行うことができる。
また、例えばR4がベンジル基の場合は、例えばパラジ
ウムを触媒とした水素添加やバーチ還元等により脱保護
を行うことができる。さらに、例えばR4がシリル系の
保護基の場合は、例えばテトラ−n−ブチルアンモニウ
ムフルオリド等の脱シリル化剤を用いて脱保護を行うこ
とができる( Protecting Groups in Organic Synthesis
(Theodora W. Greene著、 John Wilely & Sons Inc.)参
照)。
【0027】ここで、酸化とは、例えば、Jones酸
化、Collins酸化、又は、ピリジニウムクロロク
ロメート(PCC)、ピリジニウムジクロメート(PDC)
等に代表されるクロム系酸化剤、例えば過マンガン酸カ
リウム、二酸化マンガン等のマンガン系酸化剤、例えば
オギザリルクロライド、無水酢酸、五酸化二リン、スル
ファートリオキサイド−ピリジン等を活性化剤として用
いるジメチルスルホキシド系酸化剤、例えばパラジウ
ム、白金等を触媒として用いる酸素酸化、例えば硝酸二
アンモニウムセリウム、硫酸セリウム等のセリウム系酸
化剤、過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム、酸
化ルテニウム等のルテニウム系酸化剤、例えばDess
−Martin試薬等(OXIDATIONS IN ORGANIC CHEMIST
RY,AMERICAN CHEMICAL SOCIETY,WASHINGTON,DC,1990,MI
LOS HUDLICKY著 参照)の酸化剤を、例えばテトラヒド
ロフラン、ジエチルエーテルなどのエーテル類、例えば
トルエン、ベンゼンなどの炭化水素類、例えばジクロロ
メタン、クロロホルムなどのハロゲン系溶媒、例えばア
セトン、エチルメチルケトンなどのケトン類、アセトニ
トリル、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸、ピリジ
ン、水、又はこれらの混合溶媒等の不活性溶媒中反応さ
せることを示す。
【0028】ここで、R1が低級アルキル基又はベンジ
ル基の場合は、酸性又は塩基性条件下でのエステルの加
水分解によってR1を水素原子に変換することができ
る。また、R1がベンジル基の場合は、水素添加によっ
てもR1を水素原子に変換することができる。
【0029】(±)体のカルボン酸誘導体(1)は、例えば
セルロースカルバメート誘導体、アミロースカルバメー
ト誘導体などのキラル担体を用いたHPLC法にて(+)
体及び(−)体にそれぞれ光学分割することができる。ま
た、R1が水素原子である(±)体のカルボン酸誘導体
(1)は、例えば(+)又は(−)−1−フェニルエチルアミ
ン、(+)又は(−)−フェニルグリシノール、(+)又は
(−)−2−アミノ−1−ブタノール、(+)又は(−)−ア
ラニノール、ブルシン、シンコニジン、シンコニン、キ
ニン、キニジン、デヒドロアビエチルアミン等の光学活
性なアミン類との塩を用いるか、或いは光学活性な一級
或いは二級アミンとのアミド誘導体に導いても(+)体お
よび(−)体に光学分割することができる。
【0030】ところで、2−オキソビシクロ[3.1.
0]ヘキサン−6−カルボン酸誘導体(1)は、下記式に
示されるように、R2−Y1及びR3−Y2の組によって保
護されたカルボニル基部位と無保護のカルボニル基部位
を相互に変換することによって、(−)体のカルボン酸
誘導体(1)を(+)体の(1)と等価の化合物(12)
に変換し、また、(+)体のカルボン酸誘導体(1)を
(−)体の(1)と等価の化合物(12)に変換するこ
とが可能である。(下記式中、R1、R2、R3、Y1及び
2は前記と同様であり、R6及びR7はR2及びR3で定
義される基と、Y3及びY4はY1及びY2で定義される基
と同様である。)
【化13】
【0031】すなわち、(±)体より分割された(+)
及び(−)の各光学活性体は、2−アミノ−4−オキソ
ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン
酸(7)の光学活性体の合成において無駄無く利用するこ
とができる。このように、本発明のカルボン酸誘導体
(1)は、光学活性な2−アミノ−4−オキソビシクロ
[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(7)の
合成に極めて有用である。
【0032】この様な変換は例えば以下のようにして行
うことができる。すなわち、例えば一方のカルボニル基
を保護するR2−Y1−とR3−Y2−が一緒になって−S
CH 2CH2S−基を示す場合には、無保護の状態にある
他方のカルボニル基を例えば−OCH2CH2O−基で保
護する一方で、−SCH2CH2S−基の部分のみを選択
的に脱保護する( Protecting Groups in Organic Synth
esis(Theodora W. Greene著、 John Wilely & Sons In
c.)参照)。これにより、当初、−SCH2CH2S−基で
保護されていたカルボニル基は無保護状態となり、一
方、無保護状態であったカルボニル基は−OCH2CH2
O−基によって保護される。このようにして光学活性な
カルボン酸誘導体(1)のカルボニル基の保護位置を変
換することにより、カルボン酸誘導体(1)を無駄なく
利用することができる。
【0033】本発明のカルボン酸誘導体(1)は、例え
ば以下の工程を経て、2−アミノ−4−オキソビシクロ
[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(7)
へと変換される。
【0034】工程4:(±)、(+)又は(−)−カルボン酸
誘導体(1)は、ストレッカーアミノ酸合成(Strecker Am
ino Acid Synthesis)(Ann.,75,27(1850);91,349(185
0))、ブッヘラー−ベルグス反応(Bucherer-Bergs React
ion)(J.Prakt.Chem.,140,69(1934))又はこれらの変法に
よって、ヒダントイン誘導体(5)又はアミノシアニド誘
導体(6)に導かれる。
【0035】工程5:ヒダントイン誘導体(5)又はアミ
ノシアニド誘導体(6)は、R2−Y1−及びR3−Y2−の
組によって保護されたカルボニル基部位の脱保護、及
び、加水分解によって(±)、(+)又は(−)−2−アミノ
−4−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6
−ジカルボン酸(7)に導かれる。
【0036】ここで、前記加水分解は、例えば塩酸、臭
化水素酸、硫酸等の酸を用いた酸性条件下、又は、例え
ば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム
等の塩基を用いた塩基性条件下で行うことができる。ま
た、カルボニル基部位の保護基の脱保護については、一
般的な脱保護条件を適宜用いることができる(Protectin
g Groups in Organic Synthesis(Theodora W. Greene
著、 John Wilely & Sons Inc.)参照)。更に、例えばR
2−Y1−とR3−Y2−が一緒になって−SCH2CH2
−基を示す場合は、例えば硫酸を用いた酸加水分解条件
を採用することにより、ヒダントインあるいはアミノシ
アニド部分の加水分解と同時に−SCH 2CH2S−基を
除去することができる。
【0037】2−アミノ−4−オキソビシクロ[3.
1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸(7)は、1、
2、5及び6位に4つの不斉炭素原子が存在するので、
光学活性体、ラセミ体の2種のエナンチオマー混合物及
びジアステレオマーの混合物として存在できる。ここ
で、前記ジアステレオマーは、例えばシリカゲル等を用
いたカラムクロマトグラフィーや再結晶等の一般的な手
法によって分離することができる。そして、分離した各
ジアステレオマーは、例えば塩基性キラル分割剤を用い
た分割等の一般的な分割方法によって対応するエナンチ
オマーに分割できる。ここで、塩基性キラル分割剤と
は、例えば(+)又は(−)−1−フェニルエチルアミ
ン、(+)又は(−)−2−アミノ−1−ブタノール、
(+)又は(−)−アラニノール、ブルシン、シンコニ
ジン、シンコニン、キニン、キニジン、デヒドロアビエ
チルアミン等の光学活性なアミン類を示す。
【0038】このようにして得られた2−アミノ−4−
オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカ
ルボン酸(7)は、医薬上許容される塩又は水和物の形態
で、例えば、担体、希釈剤又は賦形剤等と組み合わされ
て医薬用組成物として使用することができる。ここで、
医薬上許容される塩としては、例えば硫酸、塩酸、燐酸
などの鉱酸との塩、酢酸、シュウ酸、乳酸、酒石酸、フ
マール酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンス
ルホン酸などの有機酸との塩、例えばトリメチルアミ
ン、メチルアミンなどのアミンとの塩、又はナトリウム
イオン、カリウムイオン、カルシウムイオンなどの金属
イオンとの塩等を挙げることができる。
【0039】
【実施例】以下に本発明の代表的な実施例を示すが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0040】実施例1:(1SR,4RS,5RS,6S
R)−エチル 4−tert−ブチルジメチルシリルオキシ
−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カ
ルボキシレート、および、(1SR,4SR,5RS,6S
R)−エチル 4−tert−ブチルジメチルシリルオキシ
−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カ
ルボキシレートの合成
【0041】エチル (ジメチルスルファニリデン)アセ
タート13.6gのトルエン120mLの溶液に、4−t
ert−ブチルジメチルシリルオキシ−2−シクロペンテ
ノン18gの60mLトルエン溶液を氷冷下加えた。反
応を室温にて6時間攪拌した。反応混合物にさらにエチ
ル (ジメチルスルファニリデン)アセタート24.0g
のトルエン120mLの溶液を0℃で加え、室温にて一
昼夜攪拌した。反応液を1規定塩酸に注ぎ、分液した。
有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、乾燥剤を濾別
し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(ワコウゲルC200(和光純薬工業)、展開
溶媒;ヘキサン−酢酸エチル=15:1)にて精製し、
(1SR,4RS,5RS,6SR)−エチル 4−tert−
ブチルジメチルシリルオキシ−2−オキソビシクロ
[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレートおよび
(1SR,4SR,5RS,6SR)−エチル 4−tert−
ブチルジメチルシリルオキシ−2−オキソビシクロ
[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレートの混合
物19.0gを得た。
【0042】以下に、得られた化合物の1H−NMRス
ペクトルのデータを示す。1 H−NMR(CDCl3)δ(ppm);0.08(3H×5/8,
s),0.11(3H×3/8,s),0.90(9H×5/8,s),0.92(9H×3/8,
s),1.27(3H,t,J=7.3Hz),1.85(1H×5/8,dd,J=3.5,2.6H
z),1.92-2.70(4H+1H×3/8,m),4.17(2H×5/8,q,J=7.3H
z),4.20(2H×3/8,q,J=7.3Hz),4.52(1H×5/8,d,J=4.8H
z),4.73(1H×3/8,m)
【0043】実施例2:(1RS,4RS,5RS,6R
S)−エチル 2,2−エチレンジチオ−4−ヒドロキシ
ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレー
ト、および、(1RS,4SR,5RS,6RS)−エチル
2,2−エチレンジチオ−4−ヒドロキシビシクロ
[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレートの合成
【0044】以下の反応は窒素雰囲気下行った。(1S
R,4RS,5RS,6SR)−エチル4−tert−ブチルジ
メチルシリルオキシ−2−オキソビシクロ[3.1.
0]ヘキサン−6−カルボキシレートおよび(1SR,4
SR,5RS,6SR)−エチル 4−tert−ブチルジメ
チルシリルオキシ−2−オキソビシクロ[3.1.0]
ヘキサン−6−カルボキシレートの混合物16.8gと
エタンジチオール5.7mLの塩化メチレン168mL
溶液に、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体2.1m
Lを室温にて加え、2日間攪拌した。反応液を減圧下濃
縮し、残渣を飽和炭酸水素ナトウリム水溶液とクロロホ
ルムにて分液した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾
燥後、乾燥剤を濾別し、減圧下濃縮した。残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(ワコウゲルC200(和
光純薬工業)、展開溶媒;ヘキサン−酢酸エチル=4:
1〜2:1)にて精製し、(1RS,4RS,5RS,6R
S)−エチル 2,2−エチレンジチオ−4−ヒドロキシ
ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレー
トおよび(1RS,4SR,5RS,6RS)−エチル2,2
−エチレンジチオ−4−ヒドロキシビシクロ[3.1.
0]ヘキサン−6−カルボキシレートの混合物13.7g
を得た。
【0045】以下に、得られた化合物の1H−NMRス
ペクトルのデータを示す。1 H−NMR(CDCl3)δ(ppm);1.26(3H×5/8,t,
J=7.1Hz),1.28(3H×3/8,t,J=7.1Hz),1.53(1H×5/8,t,J=
3.1Hz),1.70-2.54(5H+1H×3/8,m),3.28-3.50(4H,m),4.1
3(2H×3/8,q,J=7.1Hz),4.14(2H×5/8,q,J=7.1Hz),4.36
(1H×5/8,dd,J=7.5,4.8Hz),4.64(1H×3/8,m)
【0046】実施例3:(1RS,5RS,6RS)−エチ
ル 4,4−エチレンジチオ−2−オキソビシクロ
[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレートの合成
【0047】(1RS,4RS,5RS,6RS)−エチル
2,2−エチレンジチオ−4−ヒドロキシビシクロ
[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレートおよび
(1RS,4SR,5RS,6RS)−エチル 2,2−エチ
レンジチオ−4−ヒドロキシビシクロ[3.1.0]ヘ
キサン−6−カルボキシレートの混合物13.1gのジメ
チルスルホキシド520mL溶液に、40.5gのジシ
クロヘキシルカルボジイミド、5.0mLのピリジンお
よび2.8mLのトリフルオロ酢酸を15℃にて順次加
えた。反応液を室温にて一昼夜撹拌後、析出した固体を
濾別し、酢酸エチルにて固体を洗浄した。濾液と洗浄液
を併せて水に注ぎ、クロロホルムにて抽出した。有機層
を水にて3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し
た。乾燥剤を濾別後、減圧下濃縮し、残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(ワコウゲルC200(和光純
薬工業)、展開溶媒;ヘキサン−酢酸エチル=5:1)に
て精製し、(1RS,5RS,6RS)−エチル 4,4−
エチレンジチオ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘ
キサン−6−カルボキシレート10.5gを得た。
【0048】以下に、得られた化合物の1H−NMR及
びMSスペクトルのデータを示す。1 H−NMR(CDCl3)δ(ppm);1.29(3H,t,J=7.1H
z),2.25(1H,dd,J=3.3,2.8Hz),2.53(1H,dd,J=5.5,2.8H
z),2.75(2H,s),3.01(1H,dd,J=5.5,3.3Hz),3.37-3.53(4
H,m),4.18(2H,dq,J=2.2,7.1Hz) MS(FAB)(Pos.)m/e;259(M++1)
【0049】なお、(1RS,5RS,6RS)−エチル
4,4−エチレンジチオ−2−オキソビシクロ[3.
1.0]ヘキサン−6−カルボキシレートはHPLC(C
HIRALPAK AD 0.46*25cm(ダイセル化学工業)、Elue
nt:n−ヘキサン/2−プロパノール=3:1、Fl
ow rate:1.0mL/min、Temp.:r
t.、Detect:UV210nm)にて(1R* ,5R*
,6R*)−エチル 4,4−エチレンジチオ−2−オキ
ソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレ
ート(tR:7.65min.)および(1R* ,5R* ,
*)−エチル 4,4−エチレンジチオ−2−オキソビ
シクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート
(tR:9.17min.)にそれぞれ光学分割することが
できる。
【0050】実施例4:(1RS,2SR,5RS,6R
S)−エチル 2−スピロ−5'−ヒダントイン−4,4
−エチレンジチオビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6
−カルボキシレートの合成
【0051】(1RS,5RS,6RS)−エチル 4,4
−エチレンジチオ−2−オキソビシクロ[3.1.0]
ヘキサン−6−カルボキシレート73.2g、炭酸アン
モニウム68.1gおよびシアン化カリウム20.8gの
混合物をエタノール460mL−水307mLの混合溶
媒中35℃にて3日間撹拌した。反応混合物を0℃にて
2時間撹拌し、析出した固体を濾取した。得られた固体
をクロロホルム−メタノール(9:1)の混合溶媒1.1
L中65℃にて1.5時間攪拌後、室温まで冷却し、結
晶を濾取した。この結晶をクロロホルム−メタノール
(9:1)の混合溶媒100mLにて同様の操作を行い、
(1RS,2SR,5RS,6RS)−エチル2−スピロ−
5'−ヒダントイン−4,4−エチレンジチオビシクロ
[3.1.0]ヘキサン−6−カルボキシレート35.
2gを得た。
【0052】以下に、得られた化合物の1H−NMR及
びMSスペクトルのデータを示す。1 H−NMR(DMSO-d6)δ(ppm);1.20(3H,t,J=7.0Hz),2.
00(1H,t,J=3.1Hz),2.21(1H,d,J=16Hz),2.25-2.29(1H,m,
J=3.1Hz),2.46(1H,dd,J=6.2Hz,3.1Hz),2.60(1H,d,J=16H
z),3.20-3.42(4H,m),4.07(2H,q,J=7.0Hz),7.91(1H,s),1
0.70(1H,s).MS(Ion Spray)(Nega)m/
e;327(M+-1)
【0053】実施例5:(+)−(1S,2S,5R,6R)
−2−アミノ−4−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキ
サン−2,6−ジカルボン酸の合成
【0054】(1)(1RS,2SR,5RS,6RS)−
エチル 2−スピロ−5´−ヒダントイン−4,4−エ
チレンジチオビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カ
ルボキシレート2.10gと2規定水酸化ナトリウム水
溶液13mlの混合物を室温で1時間攪拌後、濃塩酸を
加えpHを1.0に調整した。生成した結晶を濾別し、
水70mlで洗浄し、乾燥して(1RS,2SR,5RS,
6RS)−2−スピロ−5´−ヒダントイン−4,4−エ
チレンジチオビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カ
ルボン酸1.87gを得た。 (2)(1RS,2SR,5RS,6RS)−2−スピロ−5
´−ヒダントイン−4,4−エチレンジチオビシクロ
[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸1.87gと
(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン0.91gをN,
N−ジメチルホルムアミド50mlに溶解し、1−ヒド
ロキシベンゾトリアゾール1水和物1.05gと1−エ
チル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミ
ド 塩酸塩1.43gを氷冷下加え、室温で14時間撹拌
した。1規定塩酸に反応溶液を加え、酢酸エチルで抽出
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤を濾別後、減
圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(シリカゲル:MSG40−60A(洞海化学工
業)、展開溶媒:クロロホルム−メタノール=40:1
〜25:1)に付し、(1S,2R,5S,6S)−2−スピ
ロ−5´−ヒダントイン−4,4−エチレンジチオ−N
−((R)−1−フェニルエチル)−ビシクロ[3.1.
0]ヘキサン−6−カルボキシアミド(Rf値0.54
(TLC:シリカゲル 60F254(メルク製)、展開溶
媒:クロロホルム−メタノール=9:1))1.17gと
(1R,2S,5R,6R)−2−スピロ−5´−ヒダント
イン−4,4−エチレンジチオ−N−((R)−1−フェニ
ルエチル)−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カ
ルボキシアミド(Rf値0.51(TLC:シリカゲル 6
0 F254(メルク製)、展開溶媒:クロロホルム−メタ
ノール=9:1))1.10gに分離した。 (3)上記(2)で得た(1R,2S,5R,6R)−2−ス
ピロ−5´−ヒダントイン−4,4−エチレンジチオ−
N−((R)−1−フェニルエチル)[3.1.0]ヘキサ
ン−6−カルボキシアミド1.10gを60%(w/v
%)硫酸水溶液20mLに懸濁し、145℃で4日間撹
拌した。反応溶液を室温まで冷却後、5規定水酸化ナト
リウム水溶液でpH7にした後、イオン交換クロマトグ
ラフィー(AG1−X8 陰イオン交換樹脂(Bio−R
ad)、OH-型、溶出溶媒:水〜50%テトラヒドロフ
ラン−水〜水〜30%酢酸水溶液)に付し結晶を0.37
g得た。この結晶にアセトン10mlを加え、室温で2
時間撹拌後、結晶を濾別し、アセトン5ml、テトラヒ
ドロフラン5ml及びアセトン5mlで洗浄後、乾燥
し、(+)−(1S,2S,5R,6R)−2−アミノ−4−
オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカ
ルボン酸0.30gを得た。
【0055】以下に、得られた化合物の1H−NMR、
MSスペクトル及び比施光度のデータを示す。1 H−NMR(pyridine-d5/D2O=1/1)δ(ppm);2.86
(1H,dd,J=3.5Hz,2.7Hz),2.93(1H,d,J=18Hz),3.00(1H,d
d,J=5.7Hz,2.7Hz),3.05(1H,d,J=18Hz),3.30(1H,dd,J=5.
7Hz,3.5Hz) MS(FAB)(Nega.)m/e;198(M+-1) [α]D 32=+43.06(c=0.20,H2O)
【0056】
【発明の効果】本発明化合物である、ビシクロ[3.
1.0]ヘキサン−6−カルボン酸誘導体は、精神分裂
病、不安及びその関連疾患、うつ病、二極性障害、てん
かん等の精神医学的障害、また、薬物依存症、認知障
害、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、パーキン
ソン病、筋硬直に伴う運動障害、脳虚血、脳不全、脊髄
障害、頭部障害等の神経学的疾患に治療効果及び予防効
果を有するグループ2メタボトロピックグルタミン酸受
容体に作用する4−置換−2−アミノビシクロ[3.
1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸の合成中間原
料として有用である。
【0057】そして、2−オキソビシクロ[3.1.
0]ヘキサン−6−カルボン酸誘導体を出発原料として
使用した場合には、2−アミノ−4−オキソビシクロ
[3.1.0]ヘキサン−2,6−ジカルボン酸を効率
的に製造することが可能となり、特に光学活性体を高収
率で合成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂上 一成 東京都豊島区高田3−24−1 大正製薬株 式会社内 (72)発明者 冨沢 一雪 東京都豊島区高田3−24−1 大正製薬株 式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1) 【化1】 [式中、R1は水素原子、C1〜C6アルキル基、C3〜C
    6シクロアルキル基、C3〜C6シクロアルキルC1〜C6
    アルキル基、アリール基、アリールC1〜C6アルキル
    基、C1〜C6アルコキシC1〜C6アルキル基、C1〜C6
    ヒドロキシアルキル基、C1〜C6アルキルチオC1〜C6
    アルキル基、C1〜C6メルカプトアルキル基、テトラヒ
    ドロフラニル基又はテトラヒドロピラニル基を示す。R
    2とR3は同一又は異なってC1〜C6アルキル基、C3
    6シクロアルキル基、C3〜C6シクロアルキルC1〜C
    6アルキル基、アリール基又はアリールC1〜C6アルキ
    ル基を示すか、或いは一緒になって−(CH2n−(n
    は2又は3)を示す。Y1及びY2は同一又は異なって硫
    黄原子、酸素原子又は窒素原子を示す。]で表される2
    −オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボ
    ン酸誘導体。
  2. 【請求項2】式(2) 【化2】 [式中、R4は水素原子又は水酸基の保護基を示す。]
    で表されるシクロペンテノン誘導体に、Me2S=CHC
    25[式中、R5はC1〜C6アルキル基、C3〜C6
    クロアルキル基、C3〜C6シクロアルキルC1〜C6アル
    キル基、アリール基、アリールC1〜C6アルキル基、C
    1〜C6アルコキシC1〜C6アルキル基、C 1〜C6ヒドロ
    キシアルキル基、C1〜C6アルキルチオC1〜C6アルキ
    ル基、C1〜C6メルカプトアルキル基、テトラヒドロフ
    ラニル基又はテトラヒドロピラニル基を示す。]で表さ
    れるスルホニウムイリドを反応させるか、又は、Me2
    +CH2CO25・X-[式中、R5は前記と同様である。
    Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。]で表
    されるスルホニウム塩を反応させることによって、式
    (3) 【化3】 [式中、R4、R5は前記と同様である。]で表される二
    環式化合物とする工程と、 前記二環式化合物のカルボニル基を保護することによっ
    て、式(4) 【化4】 [式中、R2とR3は同一又は異なってC1〜C6アルキル
    基、アリール基又はアリールC1〜C6アルキル基を示す
    か、或いは一緒になって−(CH2n−(nは2又は
    3)を示す。Y1及びY2は同一又は異なって硫黄原子、
    酸素原子又は窒素原子を示す。R4及びR5は前記と同様
    である。]で表される誘導体とする工程と、 前記誘導体のR4が水素原子以外の場合はR4を水素原子
    に変換後、前記誘導体を酸化する工程とを含む、請求項
    1記載のカルボン酸誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】式(5) 【化5】 [式中、R1は水素原子、C1〜C6アルキル基、C3〜C
    6シクロアルキル基、C3〜C6シクロアルキルC1〜C6
    アルキル基、アリール基、アリールC1〜C6アルキル
    基、C1〜C6アルコキシC1〜C6アルキル基、C1〜C6
    ヒドロキシアルキル基、C1〜C6アルキルチオC1〜C6
    アルキル基、C1〜C6メルカプトアルキル基、テトラヒ
    ドロフラニル基又はテトラヒドロピラニル基を示す。R
    2とR3は同一又は異なってC1〜C6アルキル基、C3
    6シクロアルキル基、C3〜C6シクロアルキルC1〜C
    6アルキル基、アリール基又はアリールC1〜C6アルキ
    ル基を示すか、或いは一緒になって−(CH2n−(n
    は2又は3)を示す。Y1及びY2は同一又は異なって硫
    黄原子、酸素原子又は窒素原子を示す。]で表されるビ
    シクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸誘導
    体。
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