JP2000336084A - アスコルビン酸金属塩およびその前駆物質の製造方法 - Google Patents

アスコルビン酸金属塩およびその前駆物質の製造方法

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JP2000336084A
JP2000336084A JP11146535A JP14653599A JP2000336084A JP 2000336084 A JP2000336084 A JP 2000336084A JP 11146535 A JP11146535 A JP 11146535A JP 14653599 A JP14653599 A JP 14653599A JP 2000336084 A JP2000336084 A JP 2000336084A
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keto
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Kozo Kamiya
浩三 神谷
Tetsuji Kaizu
哲二 海津
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応達成率を向上させる2−ケト−L−グロ
ン酸のエステル化反応を提供する。 【解決手段】 2−ケト−L−グロン酸の一水塩結晶を
水溶性アルコール溶媒中で析出させて無水塩結晶とする
ことを特徴とする2−ケト−L−グロン酸低級アルキル
エステルの製造方法、および、このエステルをラクトン
化するL−アスコルビン酸金属塩の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高品質な前駆物質
を省エネルギー的に高収率で得るL−アスコルビン酸金
属塩の新規な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビタミンC(VC、L−アスコルビン
酸)の工業生産は、通常いわゆるライヒシュタイン法
(T. Reichstein, A. Grussner, Helv. Chim. Acta., 1
7, 311, 1994)で実施されている。この方法では、スキ
ーム1に示すように、ジアセトン−2−ケト−L−グロ
ン酸(DAGA)を低級アルコール、例えばメタノール
でエステル化して2−ケト−L−グロン酸(2KGA)
のアルキルエステルを得ており、L−アスコルビン酸ナ
トリウム(ACS)の収率は、エステル化平衡により限
定される。そのため、生成するアセトンはメタノールと
ともに系外に留去して、エステル化度を高めることにな
る。この場合、工業的には反応液を長時間加熱すること
になり、製品の性質上、純度以外にも色調点で大きな問
題があり、目的物の収率向上のために、煩雑な工程とな
る。
【0003】
【化2】
【0004】近年になり醗酵法による研究が精力的に行
われ、現在、特にL−ソルボースから2KGAを生産す
る技術は実用化のレベルに至っている。この2KGA
は、酸触媒下で直接ラクトン化するか、または、ライヒ
シュタイン法のDAGAの場合と同様に、エステルを経
由してラクトン化を行い、L−アスコルビン酸に変換す
ることになる。2KGAのエステル化効率を上げるため
の方法としては、例えば、特開平3−24068号公
報、特開平3−38579号公報、特開平7−2067
72号公報に記載される方法が知られているが、これら
の方法は、操作上困難を伴ない、工業的製法の観点から
見て、経済性の点から有利な方法とはいい難い。
【0005】また、醗酵液からの2−ケト−L−グロン
酸結晶は一水塩(2KGA・H2O)で得られ、これを
エステル化する場合には、留去成分が2成分の水である
ため、満足すべきエステル化度を達成するには、多量の
低級アルコールを連注する必要がある。したがって、低
級アルコール、例えば、メタノールで2KGAのエステ
ル化反応を行うには、メタノールと共に水を留去する必
要があり、工業的製法としては大容量のメタノールを連
注することが必要とされた(特開平5−194572
号)。この場合にも、ライヒシュタイン法におけるエス
テル化と同様に、工業的には反応液を長時間加熱するこ
とになり、製品の性質上、純度、色調点で大きな問題が
あり、目的物の収率向上のために、煩雑な工程を必要と
する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
に鑑みて行われたものであり、従来技術の欠点を克服
し、省エネルギー的に効率的な、特にエステル化に用い
る低級アルコール、例えばメタノールの連注量と留去量
を大幅に削減でき、反応達成率を向上させることのでき
る2−ケト−L−グロン酸のエステル化反応を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、原料であ
る2KGA・H2Oの無水塩化方法について鋭意努力を
傾けた結果、驚くべきことに2KGA・H2Oを水溶性
アルコール中に投入し攪拌することで、いったん溶解
後、新たに2KGAが無水塩結晶となって晶出してくる
ことを見出し、これを濾過をすることで、品質が大きく
向上した2KGAの無水塩を収量良く得ることが出来る
ことを確認した。そして更に、この2KGAの無水塩結
晶から2KGA−低級アルキルエステルを経由してL−
アスコルビン酸金属塩を製造する方法において、低級ア
ルコールの連注量と留去量を飛躍的に削減(従来の1/
4〜1/3)でき、しかも高収率で行うことができると
いう知見を得て、本発明を完成した。すなわち、本発明
は、(1)構造式(I):
【0008】
【化3】 で表される2KGAの一水塩結晶を水溶性アルコール溶
媒中で無水塩化晶出し、結晶濾過後、無水塩結晶とした
後に、低級アルコールと反応させることを特徴とする、
構造式(II)
【0009】
【化4】 (式中、Rは低級アルキル基を示す。)で表される2−
ケト−L−グロン酸低級アルキルエステルの製造方法、
および、(2)このエステルをラクトン化する構造式
(III)
【0010】
【化5】 (式中、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を示
す)で表されるL−アスコルビン酸金属塩の製造方法を
提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の原料として使用する2K
GAは、L−ソルボースの酸化醗酵液を公知の方法によ
り濃縮晶出して得ることができる。これは、結晶水に加
え2%〜5%の付着水を有するが、乾燥工程を省略して
湿結晶の状態で使用しても本発明の使用に影響しない。
【0012】本発明の無水化晶出において使用される水
溶性アルコールとしては、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、ブタノールなどの炭素数1〜4の低級アル
コールが挙げられるが、エステル化に用いる低級アルコ
ールに合わせることが好ましく、例えば、2KGAのメ
チルエステルを製造する場合には、メタノールを用いる
ことが好ましい。水溶性アルコールの使用量は、2KG
Aに対し4倍モル〜8倍モルが望ましいが、攪拌条件に
より、これより少量の4倍モル以下とすることも可能で
ある。2KGAの無水化反応は、30℃〜60℃に加温
した水溶性アルコールに2KGAを投入し、通常この温
度で30分〜2時間、攪拌して完結する。無水塩結晶の
収量を上げるには、無水化反応終了後、10℃以下に冷
却し、1時間以上熟成した後、濾過を行なうことが望ま
しい。無水塩結晶の濾過で母液に移る約10%の2KG
Aは、アルコール溶媒を留去後、酸化醗酵液と合わせて
濃縮晶出して回収できる。
【0013】2KGAの無水塩と低級アルコールとのエ
ステル化反応は、2KGAを用いる従来の方法と同様に
酸を触媒として使用する。酸としては、例えば、硫酸、
塩酸、リン酸などの鉱酸があげられ、特に硫酸が好まし
い。酸の使用量は、2KGAの無水物に対して、0.0
005〜0.0020倍モル、好ましくは、0.000
7〜0.0010倍モルである。低級アルコールとして
は、メタノール、エタノールなどの炭素数1〜3の低級
アルコールがあげられ、特にメタノールが好ましい。エ
ステル化反応の開始に用いる低級アルコールの量は、2
KGAの無水物に対して4〜7倍モルであるが、2KG
A低級アルコールエステルの収量を上げるには、低級ア
ルコールを連注して、生じた水を低級アルコールととも
に留去する必要がある。
【0014】本発明により2KGAの無水塩を使用する
場合、以下の実施例において示されるようにエルテル化
反応において要求される低級アルコールの連注量は、低
級アルコールの水分含量によって増減するが、約20倍
モル〜25倍モルである。これに対し、すなわち2KG
A・H2Oのエステル化反応では、本発明の方法と同等
の収量を得るためには、70倍モル以上の低級アルコー
ルを連注する必要がある。すなわち、本発明の製造方法
を用いて、2KGAから目的とする高品位なL−アスコ
ルビン酸金属塩を高収率で工業的に製造する場合、従来
法と比較して、著しく省エネルギーとすることできる。
【0015】このようにして得られた2KGA−低級ア
ルキルエステルのラクトン化は、公知の方法により行う
ことができる。例えば、2KGA低級アルコールエステ
ルのアルコール溶液に還流下、アルカリ金属またはアル
カリ土類金属の水酸化物または重炭酸塩のメタノール溶
液を滴下し、ラクトン化反応を行なって製造できる。本
発明の目的物質であるアスコルビン酸金属塩における金
属塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金
属塩、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金
属塩が挙げられ、好ましくはナトリウム塩である。
【0016】以下、実施例により本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。実施例において、生成物の色調をOD430nmを
測定することにより調べた((株)島津製作所製分光光
度計UV−160A使用)。
【0017】実施例1 2−ケト−L−グロン酸一水塩結晶の乾燥品(水分8.
6%、純度90%)100gを40℃に加温した100
mlのメタノール溶媒中に投入し溶解した。5〜10分
経過後、2−ケト−L−グロン酸無水塩の晶出が開始し
た。この温度を30分間保持した。次に、この液を5℃
まで冷却し結晶を濾取して、15mlのメタノールで洗
浄した。これを減圧乾燥して、75.0gの2−ケト−
L−グロン酸無水結晶を得た。(取得率82%、純度9
9.0%、水分含量0.1%、色調430nm.20%
0.002)
【0018】実施例2 2−ケト−L−グロン酸一水塩結晶の乾燥品(水分8.
6%、純度90%)100gを35℃に加温した75m
lのメタノール溶媒中に、攪拌しながら10分間隔で、
4回に分けて投入した。結晶仕込終了後、この温度で1
時間反応させ、無水化を完結させた。次に、この液を5
℃まで冷却し析出結晶を濾取して、15mlのメタノー
ルで洗浄した。これを減圧乾燥して、82.4gの2−
ケト−L−グロン酸無水結晶を得た。(取得率90%、
純度99.0%、水分含量0.1%、色調430nm.
20%0.002)
【0019】実施例3 2−ケト−L−グロン酸一水塩結晶の未乾燥品(水分1
0.6%、純度88%)100gを35℃に加温した7
5mlのメタノール溶媒中に、攪拌しながら10分間隔
で、4回に分けて投入した。結晶仕込終了後、この温度
を30分間保持して、無水化を行なった。次に、この液
を10℃まで冷却し析出結晶を濾取して、30mlのメ
タノールで洗浄した。これを減圧乾燥して80.6gの
2−ケト−L−グロン酸無水結晶を得た。(取得率88
%、純度98.5%、水分含量0.5%、色調430n
m.20%0.003)
【0020】実施例4 2−ケト−L−グロン酸無水塩(水分0.1%、純度9
9.0%)150.0gに、水分0.02%のメタノー
ル150mlを加え、加温を開始して溶解した。次に、
この溶液の温度が沸点まで上昇した後、0.3mlの濃
硫酸を触媒として添加し、600mlのメタノールを約
3時間を要して連注した。同時に、生成する水をメタノ
ールと共に留去して液面を一定にした。エステル化反応
開始後、30分間を経過したところで少量の種晶を投入
すると、2−ケト−L−グロン酸メチルの結晶が析出し
た。連注終了後、300mlのメタノールをこの液に加
え、還流して結晶を溶解した。次に、環流下、10.7
wt%の水酸化ナトリウム−メタノール液を約2時間を
要して滴下し、ラクトン化反応を行なった。水酸化ナト
リウム−メタノール液の滴下開始から30分が経過する
と、アスコルビン酸ナトリウムの析出が起こった。この
液のPHが10に達した時点で、水酸化ナトリウム−メ
タノール液の滴下を止め、室温(20℃)まで冷却して
結晶を濾取した。この結晶を200mlのメタノールで
洗浄し、減圧で乾燥して、純度96.0%のアスコルビ
ン酸ナトリウム151.8gを得た。(反応収率95.
2%、色調430nm.58%0.08)
【0021】実施例5 2−ケト−L−グロン酸無水塩(水分0.1%、純度9
9.0%)150.0gに、水分0.02%のメタノー
ル150mlを加え、加温を開始して溶解した。次に、
この液の温度が沸点まで上昇した後、0.3mlの濃硫
酸を触媒として添加し、800mlのメタノールを約4
時間を要して連注した。同時に、生成する水をメタノー
ルと共に留去して液面を一定にした。エステル化反応開
始後、30分間を経過したところで少量の種晶を投入す
ると、2−ケト−L−グロン酸メチルの結晶が析出し
た。連注終了後、300mlのメタノールをこの液に加
え、還流して結晶を溶解した。次に、環流下、10.7
wt%の水酸化ナトリウム−メタノール液を約2時間を
要して滴下し、ラクトン化反応を行なった。水酸化ナト
リウム−メタノール液の滴下開始から30分が経過する
と、アスコルビン酸ナトリウムの析出が起こった。この
液のPHが10に達した時点で、水酸化ナトリウム−メ
タノール液の滴下を止め、室温(20゜C)まで冷却し
て結晶を濾取した。この結晶を200mlのメタノール
て洗浄し、減圧で乾燥して、純度96.6%のアスコル
ビン酸ナトリウム151.5gを得た。(反応収率9
5.6%、色調430nm.58%0.05)
【0022】比較例1 2−ケト−L−グロン酸一水塩(水分8.6%、純度9
0.0%)165.0gに、水分0.26%のメタノー
ル150mlを加え、加温を開始して溶解した。次に、
この液の温度が沸点まで上昇した後、0.3mlの濃硫
酸を触媒として添加し、2000mlのメタノールを約
6時間を要して連注した。同時に、生成する水をメタノ
ールと共に留去して液面を一定にした。エステル化反応
開始後、30分間を経過したところで少量の種晶を投入
すると、2−ケト−L−グロン酸メチルの結晶が析出し
た。連注終了後、300mlのメタノールをこの液に加
え、還流して結晶を溶解した。次に、環流下、10.7
wt%の水酸化ナトリウム−メタノール液を約2時間を
要して滴下し、ラクトン化反応を行なった。水酸化ナト
リウム−メタノール液の滴下開始から30分が経過する
と、アスコルビン酸ナトリウムの析出が起こった。この
液のPHが10に達した時点で、水酸化ナトリウム−メ
タノール液の滴下を止め、室温(20℃)まで冷却して
結晶を濾取した。この結晶を200mlのメタノールで
洗浄し、減圧で乾燥して、純度95.5%のアスコルビ
ン酸ナトリウム149.2gを得た。(反応収率94.
0%、色調430nm.58%0.97)
【0023】
【表1】
【0024】表1に示すように、本願発明の2KGA無
水塩を用いると、製造されるL−アスコルビン酸ナトリ
ウムが、純度、収率、品質(OD;色)の点で、従来法
に比べて優れており、また、連注するメタノールの量が
従来法に比べて、非常に少量で反応を行うことができ
た。
【0025】
【発明の効果】2−ケト−L−グロン酸を原料として、
この低級アルキルエステルを経由するL−アスコルビン
酸金属塩を製造する方法において、通常の発酵法により
L−ソルビトールから得られる2−ケト−L−グロン酸
一水塩を水溶性アルコール溶媒中で晶出させて無水塩結
晶とした後に、エステル化反応を行う本発明の製造方法
を用いて、省エネルギーで効率的に、煩雑な反応操作を
必要とすることなく、目的とする化合物を得ることでき
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2−ケト−L−グロン酸の一水塩結晶を
    水溶性アルコール溶媒中で晶出させて無水塩結晶とし、
    低級アルコールと反応させることを特徴とする2−ケト
    −L−グロン酸低級アルキルエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 低級アルコールがメタノールである請求
    項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 水溶性アルコールがメタノールである請
    求項1または2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 2−ケト−L−グロン酸の一水塩結晶を
    水溶性アルコール溶媒中で晶出させて無水塩結晶とし、
    ついで、低級アルコールでエステル化して2−ケト−L
    −グロン酸低級アルキルエステルを製造し、これをラク
    トン化することを特徴とする構造式: 【化1】 (式中、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を示
    す)で表されるL−アスコルビン酸金属塩を製造する方
    法。
  5. 【請求項5】 低級アルコールがメタノールである請求
    項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 水溶性アルコールがメタノールである請
    求項4または5に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 Mがナトリウムである請求項4〜7のい
    ずれか1つに記載の製造方法。
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