JP2000336191A - プリプレグ及び繊維強化複合材料 - Google Patents

プリプレグ及び繊維強化複合材料

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JP2000336191A
JP2000336191A JP2000081534A JP2000081534A JP2000336191A JP 2000336191 A JP2000336191 A JP 2000336191A JP 2000081534 A JP2000081534 A JP 2000081534A JP 2000081534 A JP2000081534 A JP 2000081534A JP 2000336191 A JP2000336191 A JP 2000336191A
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epoxy resin
prepreg
carbon fiber
resin composition
fiber
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JP2000081534A
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English (en)
Inventor
Mutsuko Fujino
睦子 藤野
Hideki Okita
英樹 沖田
Shunsaku Noda
俊作 野田
Hiroyuki Takagishi
宏至 高岸
Hiroki Ooseto
浩樹 大背戸
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、強化繊維との接着性に優れるエポキ
シ樹脂組成物、及びこれを用いたプリプレグ、さらに各
種特性に優れた繊維強化複合材料を提供せんとするもの
である。 【解決手段】エポキシ樹脂及び硬化剤を含んでなり、1
30℃で2時間硬化して得られる樹脂硬化物の引張伸度
が8%以上であるエポキシ樹脂組成物が、広角X線回折
により求まる炭素網面の結晶サイズLcが5〜40オンク゛
ストロームである炭素繊維に含浸されて構成されていること
を特徴とするプリプレグ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スポーツ用途、航
空宇宙用途、一般産業用途において、高度の機械強度特
性を発揮する繊維強化複合材料を得るためのプリプレグ
に関する。
【0002】
【従来の技術】強化繊維とマトリックス樹脂とからなる
繊維強化複合材料を製造するに当たっては、各種の方式
が適用されるが、強化繊維にマトリックス樹脂を含浸さ
れたシート状中間基材であるプリプレグを用いる方法が
繁用される。この方法ではプリプレグを複数枚積層し、
加熱して硬化させることによって繊維強化複合材料であ
る成形体とする。
【0003】かかる繊維強化複合材料は、軽量であり、
かつ機械強度特性に優れるために、スポーツ用途をはじ
め、航空宇宙用途、一般産業用途に広く用いられてい
る。特にスポーツ用途では、ゴルフシャフト、釣り竿、
テニスやバトミントン等のラケット、ホッケー等のステ
ィック等が主要な用途として挙げられる。
【0004】スポーツ用途では、機械強度特性を高める
観点から、強化繊維として炭素繊維、マトリックス樹脂
としてはエポキシ樹脂とからなるプリプレグを中間基材
とする繊維強化複合材料が主として用いられる。中で
も、ゴルフシャフト、釣り竿等は、軽量化が強く要求さ
れる用途であるが、軽量化を図る前に材料の機械強度特
性を高めることが必要となる。
【0005】かかる目的のために、強化繊維、特に炭素
繊維について、得られる繊維強化複合材料の機械強度特
性を高めるための努力が払われてきてたが、ゴルフシャ
フトや釣り竿において、特にそれら軽量部材の破壊現象
の精密な解析によると、必ずしも炭素繊維の機械強度特
性を高めるだけでは、材料全体の機械強度特性を高める
には不充分であることが判明した。
【0006】ゴルフシャフトや釣り竿は、通常、一方向
プリプレグを方向を変えて数層捲回し積層することによ
り構成される。かかる構成体が破壊するときは、材料構
成や外力の作用方法(曲げ、捻り、圧壊等)に依存して
破壊モードが変化するが、いずれかの層の0度(層内で
強化繊維と平行な方向)圧縮又は90度(層内で強化繊
維と直交する方向)引張のいずれかの破壊モードが支配
要因であることが多く、これらに次いで剪断破壊が支配
的である場合が多い。
【0007】このうち、0度圧縮強度は、強化繊維の圧
縮強度、マトリックス樹脂の弾性率、及び強化繊維とマ
トリックス樹脂との接着性に依存し、これらの値を高め
ることにより0度圧縮強度を高めることができる。
【0008】一方、90度引張強度は、マトリックス樹
脂の引張強度に依存する。このマトリックス樹脂の引張
強度は、マトリックス樹脂の弾性率と引張伸度が高くな
る程高くなる傾向がある。しかし、マトリックス樹脂の
弾性率と引張伸度は、いずれか一方を高めると他方が犠
牲となるいわゆるトレードオフの関係にあり、これらを
同時に高めることは困難であった。また、マトリックス
樹脂の引張強度を高くしても、強化繊維とマトリックス
樹脂との接着性が不足しているために、強化繊維とマト
リックス樹脂との界面領域で破壊が起こり、得られる繊
維強化複合材料に充分な機械強度特性を実現するのは困
難であった。
【0009】従って、材料構成や外力の作用方法に依存
せず、得られる繊維強化複合材料に、高い機械強度特性
を定常的に得るためには、マトリックス樹脂の引張強度
と弾性率を高めると共に、強化繊維とマトリックス樹脂
との接着性を高めることが極めて有効である。更にかか
る接着性を高めると、得られる複合材料の剪断強度を高
める効果も得られ、圧縮強度や引張強度等の静的な機械
強度特性のみならず、耐衝撃性等の動的な機械強度特性
をも高められる。
【0010】強化繊維とマトリックス樹脂との接着性を
高めるには、強化繊維がガラス繊維のときは、ガラス繊
維にシランカップリング剤処理を施すことが知られ、強
化繊維が炭素繊維の場合は、繊維に電解酸化処理等の表
面処理を施すことが知られているが、炭素繊維の場合
は、電解酸化処理によって、強化繊維とマトリックス樹
脂との接着性は向上するものの、同時に炭素繊維の強度
特性の低下を招く場合があった。
【0011】強化繊維に何らかの処理を施すのみでは、
強化繊維とマトリックス樹脂との接着性を向上させるに
は限界があり、その他マトリックス樹脂を改質すること
による接着性向上手法が考えられるが、現在のところ、
マトリックス樹脂となるエポキシ樹脂組成物について、
ある種の熱可塑性樹脂を配合するのが有効であるという
知見はあるものの、得られる効果は依然として不充分な
のが現状である。
【0012】繊維強化複合材料は、用途により多様な形
状のものがあるが、形状が管状体の場合は、引張強度、
圧縮強度、曲げ強度、捻り強度等の強度特性が重視さ
れ、それら強度特性を高めることが重要視されている。
【0013】しかし、近年、ゴルフクラブ用シャフト
等、精密な設計が要求される軽量部材では、前記した強
度特性に加えて、管状体の衝撃強度や、圧壊強度が重要
視されつつある。しかしながら、これら特性について
は、それらを向上せしめる要因が各種試験によっても特
定し難いことから、充分な強度特性を備えたものを製造
するのが困難であった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、各種特性に
優れた炭素繊維強化複合材料を得ることができるプリプ
レグを提供せんとするものである。
【0015】さらに詳しくは、本発明は、曲げ強度や捻
り強度に優れながら、圧壊強度、衝撃強度にも優れるゴ
ルフクラブ用シャフト等の管状体が得られるプリプレ
グ、及びを提供せんとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、次の構成を有する。即ち、エポキシ樹脂
及び硬化剤を含んでなり、130℃で2時間硬化して得
られる樹脂硬化物の引張伸度が8%以上であるエポキシ
樹脂組成物が、広角X線回折により求まる炭素網面の結
晶サイズLcが5〜40オンク゛ストロームである炭素繊維に含
浸されて構成されていることを特徴とするプリプレグで
ある。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明者らは、前記課題について
鋭意検討し、特定される炭素繊維と、特定の性状を備え
たエポキシ樹脂組成物を構成要素とするプリプレグによ
って、かかる課題を一挙に解決することを見い出したも
のである。
【0018】本発明において、エポキシ樹脂組成物は、
エポキシ樹脂と硬化剤を含むものである。また、本発明
では、エポキシ樹脂とは、分子内に2個以上のエポキシ
基を有する化合物、即ち、2官能以上のエポキシ樹脂を
意味する。具体的には、ポリオールから得られるグリシ
ジルエーテル、分子内に活性水素を複数個有するアミン
より得られるグリシジルアミン、ポリカルボン酸より得
られるグリシジルエステル、グリシジル基を有するエポ
キシ樹脂、分子内に複数の2重結合を有する化合物を酸
化して得られるポリエポキシド等が挙げられる。
【0019】ポリオールから得られるグリシジルエーテ
ルの具体例としては、後述するようなビスフェノールA
型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エ
ポキシ樹脂や、剛直骨格を有するエポキシ樹脂等が挙げ
られる。
【0020】分子内に活性水素を複数個有するアミンよ
り得られるグリシジルアミンの具体例としては、ジグリ
シジルアニリンや、分子内に活性水素を複数個有するア
ミンより得られるグリシジルアミンであるテトラグリシ
ジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノ
フェノール、テトラグリシジルm−キシリレンジアミン
等が挙げられる。
【0021】ポリカルボン酸より得られるグリシジルエ
ステルの具体例としては、フタル酸ジグリシジルエステ
ル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジ
グリシジルエステル等が挙げられる。フタル酸ジグリシ
ジルエステルの市販品としては、ショーダイン508
(登録商標、昭和電工(株)製)等を使用することがで
きる。
【0022】グリシジル基を有するエポキシ樹脂の具体
例としては、トリグリシジルイソシアヌレート等が挙げ
られる。トリグリシジルイソシアヌレートの市販品とし
ては、アラルダイトPT810(登録商標、チバガイギ
ー社製)、エピコートRXE15(登録商標、油化シェ
ル社製)、EPITEC(型番、日産化学(株)製)等
を使用することができる。
【0023】分子内に複数の2重結合を有する化合物を
酸化して得られるポリエポキシドの具体例としては、エ
ポキシシクロヘキサン環を有するエポキシ樹脂等が挙げ
られる。エポキシシクロヘキサン環を有するエポキシ樹
脂の市販品としては、ERL−4206(型番、ユニオ
ンカーバイド社製、エポキシ当量70〜74)、ERL
−4221(型番、ユニオンカーバイド社製、エポキシ
当量131〜143)、ERL−4234(型番、ユニ
オンカーバイド社製、エポキシ当量133〜154)等
を使用することができる。さらにエポキシシクロヘキサ
ン環を有するエポキシ樹脂としてエポキシ化大豆油等も
使用することができる。
【0024】本発明においては、分子内に2個のエポキ
シ基を有する2官能エポキシ樹脂を使用するのが好まし
い。2官能エポキシ樹脂は、架橋密度を低くし架橋点間
の距離を大きくすることにより、樹脂硬化物の引張伸度
が高められる。かかる2官能エポキシ樹脂は、全エポキ
シ樹脂100重量%に対して、70〜100重量%、好
ましくは80〜100重量%配合するのが良い。70重
量%未満であると樹脂硬化物の引張伸度が不足すること
がある。
【0025】架橋点間の距離を大きくするためには、2
つのエポキシ基の間隔の大きい2官能エポキシ樹脂を使
用するのが有利であり、この意味でエポキシ当量が45
0以上の高分子量ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び
エポキシ当量が450以上の高分子量ビスフェノールF
型エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種の高分子量
2官能エポキシ樹脂が好ましく使用される。ここでビス
フェノールA型エポキシ樹脂とは、以下の構造式で示さ
れるエポキシ樹脂であり、
【0026】
【化1】
【0027】ビスフェノールF型エポキシ樹脂とは、以
下の構造式で示されるエポキシ樹脂である。
【0028】
【化2】
【0029】高分子量ビスフェノールA型エポキシ樹脂
の市販品としては、エピコート1001(エポキシ当量
450〜500)、エピコート1002(エポキシ当量
600〜700)、エピコート1003(エポキシ当量
670〜770)、エピコート1004(エポキシ当量
875〜975)、エピコート1007(エポキシ当量
1750〜2200)、エピコート1009(エポキシ
当量2400〜3300)、エピコート1010(エポ
キシ当量3000〜5000)(以上、登録商標、油化
シェルエポキシ(株)製)、エピクロン1050 (エ
ポキシ当量450〜500)、エピクロン3050(エ
ポキシ当量740〜860)、エピクロンHM−101
(エポキシ当量3200〜3900)(以上、登録商
標、大日本インキ化学工業(株)製)、エポトートYD
−011(エポキシ当量450〜500)、エポトート
YD−014(エポキシ当量900〜1000)、エポ
トートYD−017(エポキシ当量1750〜210
0)、エポトートYD−019(エポキシ当量2400
〜3000)、エポトートYD−022(エポキシ当量
4000〜6000)(以上、登録商標、東都化成
(株)製)等を使用することができる。
【0030】高分子量ビスフェノールF型エポキシ樹脂
の市販品としては、エピコートE4002P(エポキシ
当量610)、エピコートE4003P(エポキシ当量
800)、エピコートE4004P(エポキシ当量93
0)、エピコートE4007P(エポキシ当量206
0)、エピコートE4009P (エポキシ当量303
0)、エピコートE4010P(エポキシ当量440
0)(以上、登録商標、油化シェルエポキシ(株)
製)、エポトートYDF−2001(エポキシ当量45
0〜500)、エポトートYDF−2004(エポキシ
当量900〜1000)(以上、登録商標、東都化成
(株)製)等を使用することができる。
【0031】高分子量ビスフェノールA型エポキシ樹脂
及び高分子量ビスフェノールF型エポキシ樹脂より選ば
れる少なくとも1種の高分子量2官能エポキシ樹脂は、
例示した市販品について、純品で使用しても良いし、複
数種混合して使用しても良い。かかる高分子量2官能エ
ポキシ樹脂(複数種使用するときはその合計)は、全2
官能エポキシ樹脂100重量%に対して、15〜70重
量%配合するのが良く、好ましくは30〜60重量%配
合するのが良い。15重量%未満では樹脂硬化物の引張
伸度を高める効果が不足することがあり、70重量%を
越えると樹脂組成物のレオロジー特性が損なわれたり、
樹脂硬化物の機械強度特性が不足することがある。
【0032】これら以外に、本発明においては、2官能
エポキシ樹脂としては、弾性率や耐熱性を損なわずに引
張伸度を向上させる成分である、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂と2官能イソシアネートを反応させて得られ
るオキサゾリドン型エポキシ樹脂等を使用するのが好ま
しい。オキサゾリドン型エポキシ樹脂の市販品として
は、XAC4151(型番、旭チバ社製、エポキシ当量
412)、XAC4152(型番、旭チバ社製、エポキ
シ当量338)等を使用することができる。このオキサ
ゾリドン型エポキシ樹脂は、前記したような高分子量2
官能エポキシ樹脂と混合して使用することができる。オ
キサゾリドン型エポキシ樹脂は、全2官能エポキシ樹脂
100重量%に対して、5〜50重量%配合するのが良
く、好ましくは15〜40重量%配合するのが良い。5
重量%未満では樹脂硬化物の引張伸度を高める効果が不
足することがあり、50重量%を越えると樹脂組成物の
レオロジー特性が損なわれたり、樹脂硬化物の機械強度
特性が不足することがある。
【0033】また、本発明においては、エポキシ当量が
450未満の低分子量ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、エポキシ当量が450未満の低分子量ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂、エポキシ当量が450未満の低分
子量ビスフェノールS型エポキシ樹脂(ビスフェノール
Sとエピクロロヒドリンの反応により得られるエポキシ
樹脂)から選ばれる少なくとも1種の低分子量2官能エ
ポキシ樹脂も好ましく使用することができる。
【0034】低分子量ビスフェノールA型エポキシ樹脂
の市販品としては、エピコート825(エポキシ当量1
72〜178)、エピコート828(エポキシ当量18
4〜194)、エピコート834(エポキシ当量230
〜270)、(以上、登録商標、油化シェルエポキシ
(株)製)、エポトートYD−128(登録商標、東都
化成(株)製、エポキシ当量184〜194)、エピク
ロン840(エポキシ当量180〜190)、エピクロ
ン850(エポキシ当量184〜194)、エピクロン
830(エポキシ当量165〜185)(以上、登録商
標、大日本インキ化学工業(株)製)、スミエポキシE
LA−128(登録商標、住友化学工業(株)製、エポ
キシ当量184〜194)、DER331(型番、ダウ
ケミカル社製、エポキシ当量182〜192)等を使用
することができる。
【0035】低分子量ビスフェノールF型エポキシ樹脂
の市販品としては、エピコート806(エポキシ当量1
60〜170)、エピコート807(エポキシ当量16
0〜175)(以上、登録商標、油化シェルエポキシ
(株)製)、エピクロン830(エポキシ当量165〜
180)(以上、登録商標、大日本インキ化学工業
(株)製、)、エポトートYDF−170(登録商標、
東都化成(株)製、エポキシ当量160〜180)等を
使用することができる。
【0036】低分子量ビスフェノールS型エポキシ樹脂
の市販品としては、デナコールEX−251(登録商
標、ナガセ化成工業(株)製、エポキシ当量189)等
を使用することができる。
【0037】上記した低分子量2官能エポキシ樹脂は、
前記したような高分子量2官能エポキシ樹脂と混合して
使用することができる。低分子量2官能エポキシ樹脂
は、例示した市販品について、純品で使用しても良い
し、複数種混合して使用しても良い。かかる低分子量2
官能エポキシ樹脂(複数種使用するときはその合計)
は、全2官能エポキシ樹脂100重量%に対して、5〜
75重量%配合するのが良く、好ましくは20〜50重
量%配合するのが良い。5重量%未満では樹脂硬化物の
引張伸度を高める効果が不足することがあり、75重量
%を越えると樹脂組成物のレオロジー特性が損なわれた
り、樹脂硬化物の機械強度特性が不足することがある。
【0038】本発明においては、樹脂硬化物の弾性率を
より高めるために、3官能以上の多官能エポキシ樹脂や
剛直骨格を有する2官能エポキシ樹脂も使用することが
できる。剛直骨格を有する2官能エポキシ樹脂は、樹脂
硬化物の引張伸度の低下を最小限に抑えながら、弾性率
を向上させる効果を有するため、特に好ましく使用でき
る。
【0039】3官能以上の多官能エポキシ樹脂の具体例
としては、フェノールやアルキルフェノール、ハロゲン
化フェノール等のフェノール誘導体から得られるノボラ
ックのグリシジルエステルであるノボラック型エポキシ
樹脂、分子内に活性水素を複数個有するアミンより得ら
れるグリシジルアミンであるテトラグリシジルジアミノ
ジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、
テトラグリシジルm−キシリレンジアミン、トリグリシ
ジルアミノクレゾール等の多官能グリシジルアミン型エ
ポキシ樹脂、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)
エタンやトリス(グリシジルオキシ)メタン等の多官能
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0040】ノボラック型エポキシ樹脂の市販品として
は、エピコート152(登録商標、油化シェルエポキシ
(株)製、エポキシ当量172〜179)、エピコート
154(登録商標、油化シェルエポキシ(株)製、エポ
キシ当量176〜181)、DER438(登録商標、
ダウケミカル社製、エポキシ当量176〜181)、ア
ラルダイトEPN1138(登録商標、チバ社製、エポ
キシ当量176〜181)、アラルダイトEPN113
9(登録商標、チバ社製、エポキシ当量172〜17
9)、エポトートYCPN−702(登録商標、エポキ
シ当量200〜230、東都化成(株)製)、BREN
−105(エポキシ当量262〜278、日本化薬
(株)製)等を使用することができる。
【0041】グリシジルアミンの具体例としては、ジグ
リシジルアニリン、テトラグリシジルジアミノジフェニ
ルメタンである“スミ−エポキシ”ELM434(住友
化学工業(株)製、エポキシ当量110〜130)、テ
トラグリシジルm-キシリレンジアミンであるTETRAD-X
(三菱ガス化学(株)製、エポキシ当量90〜105)
等が挙げられる。
【0042】トリグリシジルアミノフェノールの市販品
としては、トリグリシジル−m−アミノフェノールであ
るスミ−エポキシELM120(登録商標、住友化学工
業(株)製、エポキシ当量118)、及びトリグリシジ
ル−p− アミノフェノールであるアラルダイトMY0
510(登録商標、チバガイギー社製、エポキシ当量9
4〜107)等を使用することができる。
【0043】テトラグリシジルm−キシリレンジアミン
の市販品としてはTETRAD−X(型番、三菱ガス化
学(株)製、エポキシ当量94〜107)等を使用する
ことができる。
【0044】これら、多官能エポキシ樹脂は、前記した
ような高分子量2官能エポキシ樹脂や低分子量2官能エ
ポキシ樹脂と混合して使用することができる。また、多
官能エポキシ樹脂は、例示した市販品について、純品で
使用しても良いし、複数種混合して使用しても良い。多
官能エポキシ樹脂(複数種使用するときはその合計)
は、架橋密度を高め引張伸度を犠牲にする副作用がある
ため、全エポキシ樹脂100重量%に対して0〜30重
量%、好ましくは0〜20重量%配合するのが良い。
【0045】また、剛直骨格を有する2官能エポキシ樹
脂の具体例としては、次に示す一般式(I)〜(V)で表
されるエポキシ樹脂が一例として挙げられる。
【0046】
【化3】
【0047】(ここで、R1〜R4は、それぞれ独立に水
素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基を表
す)
【0048】
【化4】
【0049】(ここで、R5〜R8は、それぞれ独立に水
素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基を表
す)
【0050】
【化5】
【0051】
【化6】
【0052】
【化7】
【0053】一般式(I)で表されるエポキシ樹脂は、
レゾルシン、ヒドロキノン、ピロカテコール、あるいは
これらの置換基誘導体とエピクロロヒドリンの反応によ
り得られる。
【0054】一般式(I)で表されるエポキシ樹脂の市
販品としては、レゾルシンジグリシジルエーテルである
デナコールEX−201(登録商標、ナガセ化成工業
(株)製、エポキシ当量118)、ヒドロキノンジグリ
シジルエーテルであるデナコールEX−203(登録商
標、ナガセ化成工業(株)製、エポキシ当量112)、
2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノンジグリシジルエー
テルであるエポトートYDC−1312(登録商標、東
都化成(株)製、エポキシ当量170〜185)、2,
3,5−トリメチルヒドロキノンジグリシジルエーテル
であるRE−701(型番、日本化薬(株)製、エポキ
シ当量143)等を使用することができる。
【0055】一般式(II)で表されるエポキシ樹脂は、
4,4’−ジヒドロキシビフェニルあるいはその置換基
誘導体とエピクロロヒドリンの反応により得られる。
【0056】一般式(II)で表されるエポキシ樹脂の市
販品としては、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,
5,5’−テトラメチルビフェニルジグリシジルエーテ
ルであるエピコートYX4000(登録商標、油化シェ
ルエポキシ(株)製、エポキシ当量180〜192)、
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’− ビフ
ェニルジグリシジルエーテルと4,4’−ジヒドロキシ
ビフェニルジグリシジルエーテルの混合物であるエピコ
ートYL6121H(登録商標、油化シェルエポキシ
(株)製、エポキシ当量175)等を使用することがで
きる。
【0057】一般式(III)で表されるエポキシ樹脂
は、テトラブロモビスフェノールAとエピクロロヒドリ
ンの反応により得られる。
【0058】一般式(III)で表されるエポキシ樹脂の
市販品としては、エピコート5050(登録商標、油化
シェルエポキシ(株)製、エポキシ当量380〜41
0)、エピクロン152(登録商標、大日本インキ化学
工業(株)製、エポキシ当量340〜380)、スミ−
エポキシESB−400T(登録商標、住友化学工業
(株)製、エポキシ当量380〜420)、エポトート
YBD−360 (登録商標、東都化成(株)製、エポ
キシ当量350〜370)等を使用することができる。
【0059】一般式(IV)で表されるエポキシ樹脂は、
ジヒドロキシナフタレンとエピクロロヒドリンの反応に
より得られる。
【0060】一般式(IV)で表されるエポキシ樹脂の市
販品としては、1,6−ジヒドロキシナフタレンジグリ
シジルエーテルであるエピクロンHP−4032H(登
録商標、大日本インキ化学工業(株)製、エポキシ当量
250)等を使用することができる。
【0061】一般式(V)で表されるエポキシ樹脂は、
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンと
エピクロロヒドリンの反応により得られる。
【0062】一般式(V)で表されるエポキシ樹脂の市
販品としては、エポンHPTレジン1079(登録商
標、シェル社製、エポキシ当量250〜260)、ES
F−300(型番、新日鐵化学製、エポキシ当量24
6)等を使用することができる。
【0063】これら、剛直骨格を有するエポキシ樹脂
は、一般式(I)〜(V)で表されるエポキシ樹脂から選
ばれる少なくとも1種を使用することができる。剛直骨
格を有するエポキシ樹脂は、前記したような高分子量2
官能エポキシ樹脂、低分子量2官能エポキシ樹脂、又は
多官能エポキシ樹脂と混合して使用することができる。
また、剛直骨格を有するエポキシ樹脂は、例示した市販
品について、純品で使用しても良いし、複数種混合して
使用しても良い。多官能エポキシ樹脂(複数種使用する
ときはその合計)は、架橋密度を高め引張伸度を犠牲に
する副作用があるため、全エポキシ樹脂100重量%に
対して0〜70重量%、好ましくは0〜50重量%配合
するのが良い。
【0064】本発明において、エポキシ樹脂組成物は、
次の構成要素(A)又は(B)のいずれか一方を含んで
なるのが好ましい。 (A)分子内にエポキシ樹脂又は硬化剤と反応しうる官
能基1個と1個以上のアミド結合を有する化合物 (B)分子中に芳香環を有するポリエステルポリウレタ
ン 本発明において、構成要素(A)は、強化繊維とマトリ
ックス樹脂との接着性(以下、単に接着性と略記)を高
めるための高極性化合物として配合される。
【0065】ここでアミド結合とは、カルボニル基、チ
オカルボニル基、スルホニル基、ホスホリル基から選ば
れる基とそれら官能基内の炭素に単結合で結合する窒素
原子とからなる部分構造を意味する。アミド結合を有す
る典型的な化合物はカルボン酸アミドであるが、それ以
外にも環の一部にアミド結合を有する化合物でも良く、
あるいはさらに複雑な部分構造、例えば、イミド、ウレ
タン、尿素、ビウレット、ヒダントイン、カルボン酸ヒ
ドラジド、ヒドロキサム酸、セミカルバジド、セミカル
バゾン等のような部分構造を有する化合物でも良い。
【0066】アミド結合のカルボニル酸素は酸素又は窒
素に結合した水素原子と強い水素結合を形成する。従っ
て、炭素繊維の表層面に存在するカルボキシル基や水酸
基等の水素原子との水素結合により接着性が高められ
る。
【0067】アミド結合におけるカルボニル基は強い永
久双極子であり、炭素繊維のように分極率の高い強化繊
維の内部に誘起双極子を作り、双極子−双極子の電気的
引力により接着性が高められる。
【0068】もし、アミド結合を有する化合物がエポキ
シ樹脂又は硬化剤と反応しうる官能基を有しないと、相
分離により接着性が充分に高められなかったり、可塑剤
として作用し耐熱性が大きく低下する恐れがあるが、ア
ミド結合を有する化合物がエポキシ樹脂又は硬化剤と反
応しうる官能基を有するときは、エポキシ樹脂組成物の
硬化に伴い、エポキシ樹脂組成物の硬化物のネットワー
クの一部となるため、そのような弊害を生じる恐れがな
い。
【0069】尚、分子内にエポキシ樹脂又は硬化剤と反
応しうる官能基2個以上と1個以上のアミド結合を有す
る化合物を含むエポキシ樹脂組成物を繊維強化複合材料
(以下、複合材料と略記)に適用することは公知である
が、これら公知技術によれば、接着性は充分に高められ
ないが、本発明者らの見出した、分子内にエポキシ樹脂
又は硬化剤と反応しうる官能基1個と1個以上のアミド
結合を有する化合物を含むエポキシ樹脂組成物では、著
しく接着性が高められる。
【0070】この理由は、エポキシ樹脂又は硬化剤と反
応しうる官能基を2個以上有する化合物はエポキシ樹脂
のネットワークと2カ所以上で化学結合するため、アミ
ド結合を含む部分構造におけるカルボニル基の酸素原子
が強化繊維の表面に充分接近できないのに対し、エポキ
シ樹脂又は硬化剤と反応しうる官能基を1個有する化合
物は、エポキシ樹脂のネットワークと1カ所のみで化学
結合するため、その化合物に含まれる、アミド結合を含
む部分構造の運動自由度が大きく、カルボニル基の酸素
原子が強化繊維の表面に接近し易くなるためと本発明者
らは推定している。
【0071】尚、構成要素(A)を配合することで接着
性が高められるのみならず、エポキシ樹脂組成物の硬化
物の曲げ弾性率をも高められる。これは、エポキシ樹脂
中に存在する水酸基とカルボニル基の酸素が強い水素結
合を作り分子運動を拘束するためと推定される。
【0072】エポキシ樹脂と反応しうる官能基として
は、カルボキシル基、フェノール性水酸基、アミノ基、
第2アミン構造、メルカプト基等が挙げられる。また硬
化剤と反応しうる官能基としては、エポキシ基、カルボ
ニル基と共役した二重結合等が挙げられる。カルボニル
基と共役した二重結合は、硬化剤中のアミノ基やメルカ
プト基とマイケル付加反応を行う。
【0073】カルボキシル基を1個有し、アミド結合を
有する化合物の具体例としては、スクシンアミド酸、オ
キサミン酸、N−アセチルグリシン、N−アセチルアラ
ニン、4−アセトアミド安息香酸、N−アセチルアント
ラニル酸、4−アセトアミド酪酸、6−アセトアミドヘ
キサン酸、馬尿酸、5−ヒダントイン酢酸、ピログルタ
ミン酸、2−(フェニルカルバモイルオキシ)プロピオ
ン酸等が挙げられる。
【0074】フェノール性水酸基を1個有し、アミド結
合を有する化合物の具体例としては、サリチルアミド、
4−ヒドロキシベンズアミド、4−ヒドロキシフェニル
アセトアミド、4−ヒドロキシアセトアニリド、3−ヒ
ドロキシアセトアニリド等が挙げられる。
【0075】アミノ基を1個有し、アミド結合を有する
化合物の具体例としては、4−アミノベンズアミド、3
−アミノベンズアミド、4’−アミノアセトアニリド、
4−アミノブチルアミド、6−アミノヘキサンアミド、
3−アミノフタルイミド、4−アミノフタルイミド等が
挙げられる。
【0076】第2アミン構造を1個有し、アミド結合を
有する化合物の具体例としては、ニペコタミド、N,N
−ジエチルニペコタミド、イソニペコタミド、1−アセ
チルピペラジン等が挙げられる。
【0077】メルカプト基を1個有し、アミド結合を有
する化合物の具体例としては、4−アセトアミドチオフ
ェノール、N−(2−メルカプトエチル)アセトアミド
等が挙げられる。
【0078】エポキシ基を1個有し、アミド結合を有す
る化合物の具体例としては、グリシダミド、N−フェニ
ルグリシダミド、N,N−ジエチルグリシダミド、N−
メトキシメチルグリシダミド、N−ヒドロキシメチルグ
リシダミド、2,3−エポキシ−3−メチルブチルアミ
ド、2,3−エポキシ−2−メチルプロピオンアミド、
9,10−エポキシステアラミド、N−グリシジルフタ
ルイミド等が挙げられる。
【0079】カルボニル基と共役した二重結合を1個有
し、アミド結合を有する化合物は、二重結合と共役する
カルボニル基がアミド結合のカルボニル基と同一であっ
てもよく、異なっていても良い。二重結合と共役するカ
ルボニル基がアミド結合のカルボニル基と同一である化
合物としては、α,β−不飽和カルボン酸のアミド及び
その窒素原子上に置換基を有する置換基誘導体が該当す
る。具体的には、アクリルアミド、メタクリルアミド、
N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルア
クリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、
N−n−ブトキシメチルアクリルアミド、N−イソプロ
ピルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−
ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチル
アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、1−アク
リロイルモルホリン、1−アクリロイルピペリジン等が
挙げられる。またそれ以外にもマレイミド、N−エチル
マレイミド、N−フェニルマレイミドのような不飽和ジ
カルボン酸のイミド等も該当する。一方、二重結合と共
役するカルボニル基がアミド結合のカルボニル基と同一
でない化合物としては、2−(フェニルカルバモイルオ
キシ)エチルメタクリレート等が挙げられる。
【0080】カルボニル基と共役した二重結合を1個有
し、アミド結合を有する化合物の市販品としては、DM
AA(型番、(株)興人製)、アクリロイルモルホリン
((株)興人製)、アクリルアミド(ナカライテスク
(株)製)、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド(日
東化学工業(株)製)、デナコールEX731(登録商
標、ナガセ化成工業(株)製)、p−ヒドロキシフェニ
ルアセトアミド(大塚化学(株)製)等を使用すること
ができる。
【0081】本発明において、構成要素(A)は1種又
は複数種、エポキシ樹脂組成物に配合することができ
る。
【0082】構成要素(A)(複数種使用するときはそ
の合計)は、全エポキシ樹脂100重量部に対して0.
5〜15重量部配合するのが好ましい。0.5重量部未
満であると、得られる複合材料において接着性が充分に
高められず、15重量部を越えると得られる複合材料に
おいて耐熱性の低下等の弊害が生じる恐れがある。
【0083】尚、構成要素(A)は、室温で液状のもの
も固形のものも使用できる。固形のものを用いるとき
は、エポキシ樹脂組成物中に配合した後、加熱撹拌等の
手段で溶解してもよく、溶解せずに配合しても良い。固
形を溶解せずに配合するときは、粒径10μm以下に粉
砕して使用するのが好ましい。
【0084】本発明において、構成要素(B)は、樹脂
硬化物の引張伸度を低下させることなく弾性率を高める
ための化合物として配合される。
【0085】即ち、構成要素(B)の分子中に存在する
ウレタン構造がエポキシ樹脂中に存在する水酸基と強い
水素結合を形成して分子運動を拘束するため、樹脂硬化
物の弾性率が高められるようになると推定される。
【0086】また、構成要素(B)は、分子中のエステ
ル構造が硬化剤中のアミノ基、メルカプト基、フェノー
ル性水酸基等と求核置換反応により反応してエポキシ樹
脂硬化物のネットワークの一部となることから、相分離
が生じず、樹脂硬化物の弾性率が低下し難いという特徴
も有する。
【0087】本発明において、構成要素(B)として
は、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールの重縮合
によって得られるポリエステルポリオールにイソシアネ
ート基を2個以上有するポリイソシアネート及び必要に
応じて連鎖延長剤を用いてワンショット法やプレポリマ
ー法といった従来公知の方法を適用して得られるポリエ
ステルポリウレタンが使用できる。尚、本発明におい
て、構成要素(B)は、1種又は複数種、樹脂組成物に
配合することができる。
【0088】多価カルボン酸としては、マロン酸、コハ
ク酸、無水コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、フタル酸、無水フタル酸、ヘキサ
ヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、無水ナジック酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコ
ン酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリ
ット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられ、中でもコハ
ク酸やアジピン酸等の脂肪族多価カルボン酸が好ましく
用いられる。
【0089】多価アルコールとしては、エチレングリコ
ール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピ
レングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4
−ブチレングリコール、1,5−ブチレングリコール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−
1,3−ペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェ
ノールAプロピレンオキサイド付加物、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチ
レングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール等が
挙げられ、中でも1,2−プロピレングリコール、1,
4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等
が好ましく用いられる。
【0090】ポリイソシアネートとしては、エポキシ樹
脂組成物が加熱硬化されて得られる硬化物の弾性率がよ
り高まることから、芳香族ポリイソシアネートが好まし
く用いられる。例えば、2,4−トリレンジイソシアネ
ート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシ
アネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネ
ート、m−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジ
イソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネー
ト、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス
(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、及びこ
れらのオリゴマーが挙げられ、中でも2,4−トリレン
ジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネー
ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが好
ましく用いられる。
【0091】連鎖延長剤としては、1,2−プロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコールや、これらの混合物が用いられる。
【0092】本発明において、構成要素(B)は、全エ
ポキシ樹脂100重量部に対して1〜15重量部、好ま
しくは1〜10重量部配合するのが良い。1重量部未満
であると樹脂硬化物の弾性率の向上効果が不充分とな
り、15重量部を超えると樹脂硬化物の耐熱性が低下す
ることがある。
【0093】本発明において、エポキシ樹脂組成物に
は、硬化剤として、4,4’−ジアミノジフェニルメタ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’
−ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジアミ
ン、m−キシリレンジアミンのような活性水素を有する
芳香族アミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテ
トラミン、イソホロンジアミン、ビス(アミノメチル)
ノルボルナン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタ
ン、ポリエチレンイミンのダイマー酸エステルのような
活性水素を有する脂肪族アミン、これらの活性水素を有
するアミンにエポキシ化合物、アクリロニトリル、フェ
ノールとホルムアルデヒド、チオ尿素等の化合物を反応
させて得られる変性アミン、ジメチルアニリン、ジメチ
ルベンジルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミ
ノメチル)フェノールや1−置換イミダゾールのような
活性水素を有しない第三アミン、ジシアンジアミド、テ
トラメチルグアニジン、ヘキサヒドロフタル酸無水物、
テトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタ
ル酸無水物、メチルナジック酸無水物のようなカルボン
酸無水物、アジピン酸ヒドラジドやナフタレンジカルボ
ン酸ヒドラジドのようなポリカルボン酸ヒドラジド、ノ
ボラック樹脂等のポリフェノール化合物、チオグリコー
ル酸とポリオールのエステルのようなポリメルカプタ
ン、三フッ化ホウ素エチルアミン錯体のようなルイス酸
錯体、芳香族スルホニウム塩等を使用することができ
る。
【0094】これらの硬化剤には、硬化活性を高めるた
めに適当な硬化助剤を組合わせ使用することができる。
好ましい例としては、ジシアンジアミドに、3−フェニ
ル−1,1−ジメチル尿素、3−(3,4−ジクロロフ
ェニル)−1,1−ジメチル尿素(DCMU)、3−
(3−クロロ−4−メチルフェニル)−1,1−ジメチ
ル尿素、2,4−ビス(3,3−ジメチルウレイド)ト
ルエンのような尿素誘導体を硬化助剤として組合わせる
例、カルボン酸無水物やノボラック樹脂に第三アミンを
硬化助剤として組合わせる例等が挙げられる。
【0095】本発明において、エポキシ樹脂組成物に
は、改質剤として、高分子化合物、有機粒子、無機粒
子、その他成分を配合することができる。
【0096】本発明におけるエポキシ樹脂組成物に配合
する高分子化合物としては、熱可塑性樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂を配合することにより、樹脂を含浸する際
の粘度制御、プリプレグの取り扱い性、及び接着性向上
等の効果が高められる。
【0097】ここで使用する熱可塑性樹脂は、接着性向
上のために、相乗作用が期待できる水素結合性の官能基
を有する熱可塑性樹脂が特に好ましい。水素結合性の官
能基の具体例としては、アルコール性水酸基、アミド結
合、スルホニル基等が挙げられる。
【0098】アルコール性水酸基を有する熱可塑性樹脂
としては、ポリビニルホルマールやポリビニルブチラー
ル等のポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコー
ル、フェノキシ樹脂等、アミド結合を有する熱可塑性樹
脂としては、ポリアミド、ポリイミド等、スルホニル基
を有する熱可塑性樹脂としては、ポリスルホン等をそれ
ぞれ挙げることができる。ポリアミド、ポリイミド及び
ポリスルホンは主鎖にエーテル結合、カルボニル基等の
官能基を有しても良い。ポリアミドは、アミド基の窒素
原子に置換基を有しても良い。
【0099】エポキシ樹脂に可溶で、水素結合性官能基
を有する熱可塑性樹脂の市販品としては、ポリビニルア
セタール樹脂であるデンカブチラール及びデンカホルマ
ール(登録商標、電気化学工業(株)製)、ビニレック
(登録商標、チッソ(株)製)、フェノキシ樹脂である
UCARPKHP(型番、ユニオンカーバイド社製)、
ポリアミド樹脂としてマクロメルト(登録商標、ヘンケ
ル白水株式会社製)、アミランCM4000(登録商
標、東レ(株)製)、ポリイミドであるウルテム(登録
商標、ジェネラル・エレクトリック社製)、Matri
mid5218(登録商標、チバ社製)、ポリスルホン
としてVictrex(登録商標、三井東圧化学(株)
製)、UDEL(登録商標、ユニオン・カーバイド社
製)等を使用することができる。
【0100】熱可塑性樹脂は、エポキシ樹脂組成物に適
度な粘弾性を与え、得られる複合材料に良好な物性を得
るために、エポキシ樹脂100重量部に対して1〜20
重量部配合するのが良く、好ましくは、2〜10重量部
配合するのが良い。
【0101】本発明におけるエポキシ樹脂組成物に配合
する有機粒子としては、ゴム粒子及び熱可塑性樹脂粒子
等が好ましく使用される。これらの粒子はマトリックス
樹脂の靭性向上、複合材料の耐衝撃性向上の効果を有す
る。
【0102】ゴム粒子としては、架橋ゴム粒子、及び架
橋ゴム粒子の表面に異種ポリマーをグラフト重合したコ
アシェルゴム粒子が好ましく使用される。
【0103】架橋ゴム粒子の市販品としては、カルボキ
シル変性のブタジエン−アクリロニトリル共重合体の架
橋物からなるXER−91(型番、日本合成ゴム工業
(株)製)、アクリルゴム微粒子からなるCX−MNシ
リーズ(型番、日本触媒(株)製)、YR−500シリ
ーズ(型番、東都化成(株)製)等を使用することがで
きる。
【0104】コアシェルゴム粒子の市販品としては、ブ
タジエン・メタクリル酸アルキル・スチレン共重合物か
らなるパラロイドEXL−2655(登録商標、呉羽化
学工業(株)製)、アクリル酸エステル・メタクリル酸
エステル共重合体からなるスタフィロイドAC−335
5、TR−2122(登録商標、型番、武田薬品工業
(株)製)、アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル共
重合物からなるPARALOIDEXL−2611、E
XL−3387(型番、Rohm&Haas社製)等を
使用することができる。
【0105】熱可塑性樹脂粒子としては、ポリアミドあ
るいはポリイミドの粒子が好ましく使用される。ポリア
ミド粒子の市販品として、東レ(株)製、型番:SP−
500、ATOCHEM社製オルガソール(登録商標)
等を使用することができる。
【0106】無機粒子としては、シリカ、アルミナ、ス
メクタイト、合成マイカ等が好ましく使用される。これ
らの無機粒子は、主としてレオロジー制御、即ち樹脂の
増粘や揺変性付与のために配合される。
【0107】本発明におけるエポキシ樹脂組成物は、上
記したような組成により、その樹脂硬化物は、高い引張
伸度と弾性率を発現するようになる。
【0108】また、本発明において、エポキシ樹脂組成
物は、伸度、弾性率、及び、いわゆる塑性変形能に優れ
ているのが、ゴルフクラブ用シャフト等の管状体を得る
に当たり好ましい。具体的には、130℃で2時間硬化
して得られる樹脂硬化物の引張伸度が8%以上、好まし
くは10%以上であるのが良い。また、130℃で2時
間硬化して得られる樹脂硬化物の曲げ弾性率は、3.1
GPa以上、好ましくは3.3GPa以上、より好まし
くは3.5GPa以上であるのが良い。尚、引張伸度は
16%あれば本発明の効果を奏するに当たり十分であ
り、一方、曲げ弾性率は7.5GPaあれば本発明の効
果を奏するにあたり十分であることが多い。
【0109】また、本発明において、塑性変形能は、硬
化物(成形板)の3点曲げ撓み量や、動的粘弾性測定よ
り得られるゴム状態の弾性率G'を指標として評価する
ことができる。即ち、エポキシ樹脂組成物を130℃で
2時間硬化して得られる成形板は、3点曲げ撓み量が1
0〜25mm、好ましくは15〜25mmであるか、或
いは、周波数0.5Hzでの動的粘弾性におけるゴム状
態の弾性率G'(MPa)が次式(1)、好ましくは次
式(2)を満足するのが良い。
【0110】 1≦G'≦8 …(1) 1≦G'≦5 …(2) 得られる複合材料において、0度圧縮強度と90度引張
強度を高めるためには、マトリックス樹脂の引張伸度と
弾性率が高いのみならず、できる限り接着性も高いこと
が好ましい。
【0111】従って、本発明においては、高い引張伸度
と接着性を有するエポキシ樹脂組成物との相乗作用を持
たせるため、強化繊維には、高い接着性を有し、より耐
久性の高い成形体が得られる炭素繊維を用いるのが良
い。尚、本発明においては、その他強化繊維として、適
度に接着性を高めるために表面処理を施したガラス繊
維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケ
イ素繊維等も用いることができ、これらの繊維は2種以
上混在させて用いることもできる。
【0112】本発明において、炭素繊維には、具体的に
は、アクリル系、ピッチ系、レーヨン系等の各種の炭素
繊維が使用できる。中でも、高強度の炭素繊維が容易に
得られるアクリル系の炭素繊維が好ましく使用される。
【0113】また、本発明における炭素繊維は、X線光
電子分光法により測定される炭素Cに対する酸素Oの原
子数比、即ち表面比酸素濃度(以下、O/Cと略記)を
特定の範囲とすると、エポキシ樹脂組成物との親和性や
接着性を向上させることができる。具体的には、本発明
における炭素繊維は、O/Cが0.30以下、好ましく
は0.25以下、より好ましくは0.20以下であるの
が良い。O/Cが0.30を超えると、エポキシ樹脂組
成物中に存在する官能基と炭素繊維の表層面に存在する
官能基との化学結合自体は強固になるものの、炭素繊維
の基質自体よりも、かなり強度特性において劣る酸化物
の層が炭素繊維の表面部分を占めることになるため、得
られる複合材料において、却って接着性が低下し、複合
材料の機械強度特性が損なわれることがある。ここで、
O/Cの下限値は、0.02、好ましくは0.04、よ
り好ましくは0.06が良い。O/Cが0.02未満で
あると、炭素繊維とエポキシ樹脂組成物との化学結合の
反応性や反応進行度が低下することがある。
【0114】さらに、本発明における炭素繊維は、X線
光電子分光法により測定される炭素Cに対する窒素Nの
原子数比、即ち表面比窒素濃度(以下、N/Cと略記)
を特定の範囲とすると、エポキシ樹脂組成物との親和性
や接着性を向上させることができる。具体的には、本発
明における炭素繊維は、N/Cが0.02以上、好まし
くは0.03以上、より好ましくは0.04以上である
のが良い。N/Cが0.02未満であると、炭素繊維と
エポキシ樹脂組成物との化学結合の反応性や反応進行度
が低下することがある。ここで、N/Cの上限値として
は0.30、好ましくは0.25、より好ましくは0.
20が良い。N/Cが0.30を超えると、エポキシ樹
脂組成物中に存在する官能基と炭素繊維の表層面に存在
する官能基との化学結合自体は強固になるものの、炭素
繊維とエポキシ樹脂組成物との反応性や反応進行度が過
剰となり、接着性向上効果が不充分となることがある。
【0115】また、本発明における炭素繊維は、化学修
飾X線光電子分光法により測定される表面カルボキシル
基濃度COOH/C(以下、COOH/Cと略記)が、0.2%
以上、好ましくは0.5%以上であるのが良い。ここ
で、COOH/Cの上限値としては3.0%、好ましくは
2.0%が良い。COOH/Cが0.2%未満であると、後
述するマトリックス樹脂との親和性が低下し、CFRP
において、面内剪断強度の向上効果が不充分となること
がある。COOH/Cが3.0%を超えると、炭素繊維とマ
トリックス樹脂との親和性は強固になるものの、炭素繊
維自体の強度特性より大幅に低い強度特性を有する酸化
物層が炭素繊維の表面を被うことになるため、得られる
CFRPの強度特性が損なわれる傾向があり、またマト
リックス樹脂の硬化速度を遅延させることもある。
【0116】また、本発明において、炭素繊維には、接
着性がさらに高まることから、結晶が小さく治性点が多
いものを使用するのが好ましい。
【0117】本発明において、炭素繊維の0度引張弾性
率E(GPa)と広角X線回折により求まる炭素網面の
結晶サイズLc(オンク゛ストローム)は、次式(3)を満足す
るのが好ましく、次式(4)を満足するのがより好まし
い。
【0118】 Lc≦0.14×E−13.0 …(3) Lc≦0.14×E−14.0 …(4) 炭素繊維は弾性率が高くなると、広角X線回折により求
まる炭素網面の結晶サイズLcが大きくなるため接着性
は低下する傾向にある。本発明では繊維の引張弾性率を
高く維持したまま炭素網面の結晶サイズLcを小さくし
て接着性の低下を防ぐことが重要であるが、前記した関
係式を満たすことにより、かかる接着性の引張弾性率と
のトレードオフ関係が改善されるようになる、本発明に
おける炭素繊維は、得られる複合材料の機械強度特性を
高める観点から、その引張伸度が1.1%以上、好まし
くは1.4%以上であるのが良い。
【0119】尚、引張強度は、2.5%あれば、本発明
の効果を奏するに当たり充分であることが多い。
【0120】また、炭素繊維は、弾性率が同レベルであ
れば、可能な限り接着性の高いものを使用するのが好ま
しい。即ち、炭素繊維の径を細径化し、炭素繊維の表面
積を増加させることで接着性を高めることができる。具
体的には単糸の直径が4〜7μm、好ましくは4〜6μ
mの範囲内であり、その断面形状が実質的に真円状であ
る炭素繊維、或いは、単糸の直径が3〜7μm、好まし
くは3〜6μmの範囲内であり、その断面形状が繭状で
ある炭素繊維を使用するのが好ましい。ここで、断面形
状が実質的に真円状である炭素繊維とは、単糸の断面の
長径と短型の比が0.7以上の炭素繊維をいう。
【0121】本発明において、プリプレグは、130℃
で2時間硬化して得られる樹脂硬化物の0度引張弾性率
が230GPa以上、0度層間剪断強度が60MPa以
上、板端剥離強度が110MPa以上、かつ90度引張
強度は35MPa以上であるのが好ましい。かかる範囲
から外れると、プリプレグをゴルフシャフトのバイアス
材、或いは釣り竿の0度材に適用する場合、プリプレグ
よりなる層間でマイクロクラックや剥離が生じ、圧縮強
度や引張強度等の静的な機械強度特性ばかりでなく、動
的な機械強度特性である、耐衝撃性が低下することがあ
る。ここで、0度引張弾性率は330GPa、0度層間
剪断強度は90MPa、板端剥離強度は260MPa、
90度引張強度は60MPa、それぞれあれば本発明の
効果を奏するに当たり充分であることが多い。
【0122】また、本発明において、プリプレグは、1
30℃で2時間硬化して得られる樹脂硬化物の0度引張
弾性率が160GPa以上、0度層間剪断強度が75M
Pa以上、板端剥離強度が150MPa以上、かつ90
度引張強度は55MPa以上であるのが好ましい。かか
る範囲から外れると、プリプレグをゴルフシャフトのス
トレート材、或いは釣り竿の90度材に適用する場合、
プリプレグよりなる層間でマイクロクラックや剥離が生
じ、圧縮強度や引張強度等の静的な機械強度特性ばかり
でなく、動的な機械強度特性である、耐衝撃性が低下す
ることがある。ここで、0度引張弾性率が250GP
a、0度層間剪断強度は95MPa、板端剥離強度は3
00MPa、90度引張強度は80MPa、それぞれあ
れば本発明の効果を奏するに当たり充分であることが多
い。
【0123】さらに、本発明において、プリプレグは、
130℃で2時間硬化して得られる成形板の0度引張弾
性率が130GPa以上、0度層間剪断強度が80MP
a以上、板端剥離強度が270MPa以上、かつ90度
引張強度が75MPa以上であるのが好ましい。かかる
範囲から外れると、プリプレグを航空機一次構造材や、
自動車車体部品、CNGタンク、ドライブシャフト等の
一般産業用途に適用する場合、プリプレグよりなる層間
でマイクロクラックや剥離が生じ、圧縮強度や引張強度
等の静的な機械強度特性ばかりでなく、動的な機械強度
特性である、耐衝撃性が低下することがある。ここで、
0度引張弾性率が220GPa、0度層間剪断強度は1
10MPa、板端剥離強度は500MPa、90度引張
強度は100MPa、それぞれあれば本発明の効果を奏
するに当たり充分であることが多い。
【0124】本発明においては、プリプレグをゴルフシ
ャフトや釣り竿のような管状体に適用する場合、炭素網
面の結晶サイズLcが10〜35オンク゛ストロームの範囲内で
あり、かつ130℃で2時間硬化して得られる樹脂硬化
物の90度引張強度が60MPa以上であるプリプレグ
を用いるのが好ましい。これにより、得られる成形体に
おいて、圧縮強度や引張強度等の静的な機械強度特性ば
かりでなく、動的な機械強度特性である、耐衝撃性をも
高めることができる。
【0125】尚、90度引張強度は、100MPa程度
あれば、本発明の効果を奏するに当たり充分であること
が多い。
【0126】以下、アクリル系の炭素繊維を例にとり、
本発明における炭素繊維の製造方法について、詳細に説
明する。
【0127】ポリマー成分としては、95モル%以上、
好ましくは98モル%以上のアクリロニトリルと、5モ
ル%以下、好ましくは2モル%以下の耐炎化を促進し、
アクリロニトリルと共重合性のある、耐炎化促進成分を
共重合した共重合体が好ましく使用される。この耐炎化
促進成分には、ビニル基含有化合物(以下ビニル系モノ
マーと云う)を使用するのが好ましい。ビニル系モノマ
ーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸等が挙げられる。また、共重合体の一部又は全量
を、アンモニアで中和したアクリル酸、メタクリル酸、
又はイタコン酸のアンモニウム塩からなる共重合体は、
耐炎化の促進作用を高めるためより好ましく使用され
る。尚、ポリマー成分を重合する方法には、常法通り溶
液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等が適用できる。
【0128】前記ポリマー成分からなる紡糸原液を、湿
式紡糸法、乾湿式紡糸法、乾式紡糸法、又は溶融紡糸法
により紡糸して糸条とするが、中でも高強度糸が得られ
やすい湿式紡糸法又は乾湿式紡糸法が好ましく適用でき
る。ここで紡糸原液に使用する溶媒には、有機又は無機
の従来公知の溶媒が使用できるが、有機溶媒を使用する
のが好ましい。具体的には、ジメチルスルホキシド、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が挙げら
れる。紡糸原液に使用する溶媒に、硝酸、ロダンソーダ
水溶液、塩化亜鉛水溶液等の無機塩の濃厚水溶液を使用
すると、所望する表面粗さを有する炭素繊維が得られな
い場合がある。紡糸後、さらに水洗、延伸、乾燥及び油
剤付与等の製糸工程を経て、アクリル系前駆体繊維とす
る。
【0129】続いてこの前駆体繊維を耐炎化に供する
が、ここで前駆体繊維は、生産性を確保する観点から、
その単糸繊度が0.3〜1.5d(d:デニール)好ま
しくは0.5〜1.3d、より好ましくは0.6〜1.
1dであるのが良い。また、この前駆体繊維1糸条当た
りの単繊維本数は、1000〜50000本、好ましく
は6000〜48000本、より好ましくは12000
〜30000本であるのが良い。
【0130】耐炎化工程では、延伸比を0.85〜1.
1として耐炎化するのが好ましい。かかる延伸比は、糸
束としての焼けムラを抑制するために、0.87〜0.
94がより好ましい。0.85未満であると、いわゆる
プロセス性が低下し、1.1を超えると糸条内への酸素
の拡散が妨げられ、糸条中心部の焼けムラが顕著となる
ことがある。
【0131】耐炎化は、温度を200〜300℃に設定
して行うのが良く、反応熱の蓄熱によって糸切れが生じ
る温度より10〜20℃低い温度に設定するのがコスト
削減及び炭素繊維の特性を向上させる観点から好まし
い。耐炎化進行度は、得られる耐炎化糸について後述す
る方法によって測定される炎収縮保持率によって観測す
ることができる。
【0132】本発明において、耐炎化は、かかる炎収縮
保持率が、70〜90%、好ましくは74〜86%、よ
り好ましくは76〜84%となるように行うのが好まし
い。
【0133】耐炎化は、生産性及び炭素繊維の特性を向
上させる観点から、10〜100分、好ましくは30〜
60分行うのが良い。この耐炎化時間とは、糸条が耐炎
化炉内に滞留している全時間をいう。10分未満である
と、糸条に焼けムラが顕著となることがあり、100分
を越えると、生産性が低下することがある。
【0134】このようにして、前駆体繊維を耐炎化して
いわゆる耐炎化繊維とした後、続く炭化工程で炭化する
ことによって、所望する特性を有する炭素繊維が得られ
る。
【0135】炭化工程では、不活性雰囲気中、300〜
900℃で予備炭化する。予備炭化工程における延伸比
としては、1.0〜1.5が良く、好ましくは1.02
〜1.3、より好ましくは1.04〜1.15が良い。
かかる延伸比は高い程、弾性率を発現させる点で有利で
あるが、1.5を超えるとプロセス性の低下が顕著とな
る場合がある。
【0136】さらに不活性雰囲気中、900〜1600
℃、好ましくは1100〜1500℃、より好ましくは
1200〜1500℃で炭化する。900℃未満では、
得られる炭素繊維に含まれる水分率が過剰となることが
ある。また、1600℃を越えると、繊維内部で結晶の
成長が顕著となり、得られる炭素繊維の圧縮強度や接着
性が低下することがある。
【0137】炭化工程における炉の昇温速度及び処理時
間については、炭素繊維に要求する特性と所要コストを
勘案の上、適宜選択できる。この際、300〜500℃
および1000〜1200℃の領域での昇温速度を、好
ましくは500℃/分以下、より好ましくは300℃/
分以下とすることが、ボイド等、内部欠陥の少ない緻密
な炭素繊維を得るために有利である。また、炭化処理時
間は、炭化の程度が問題とならない範囲で、できるだけ
短縮を図るのが、所要コストの削減の観点から好まし
い。
【0138】本発明においては、必要に応じて、炭素繊
維を、不活性雰囲気中、2000〜3300℃、好まし
くは2000〜3000℃、より好ましくは2000〜
2800℃で黒鉛化しても良い。
【0139】こうして得られる炭素繊維は、炭化後、電
解酸化処理を施したり、気相又は液相で酸化処理を施す
ことにより前記O/C、COOH/C、N/Cが特定の範囲
にある炭素繊維が容易に得られる。
【0140】電解酸化処理の電解液としては酸性及びア
ルカリ性のいずれかの水溶液が使用できる。
【0141】酸性水溶液の電解質としては、水に溶解さ
せたときに酸性を示すものが良く、具体的には硫酸、硝
酸、塩酸、燐酸、硼酸、炭酸等の無機酸、酢酸、酪酸、
シュウ酸、アクリル酸、マレイン酸等の有機酸、又は硫
酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム等の無機塩類を
使用することができる。中でも、強酸性を示す硫酸、硝
酸が好ましく使用できる。
【0142】アルカリ水溶液の電解質としては、水に溶
解させたときにアルカリ性を示すものが良く、具体的に
は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム
等の水酸化物、アンモニア、炭酸ナトリウム、炭酸水素
ナトリウム等の無機塩類、酢酸ナトリウム、安息香酸ナ
トリウム等の無機塩類、さらにこれらのカリウム塩、バ
リウム塩、その他の金属塩、又はアンモニウム塩、ヒド
ラジン等の有機化合物を使用することができる。中で
も、エポキシ樹脂組成物との硬化反応を阻害する懸念の
あるアルカリ金属や、アンモニウムイオンを含まない無
機塩類が好ましく使用できる。具体的には、炭酸水素ア
ンモニウム、炭酸アンモニウム、水酸化テトラアルキル
アンモニウム塩等、又はそれらの混合物を用いるのが好
ましい。特に前記N/Cを高める作用のある炭酸水素ア
ンモニウム、炭酸アンモニウム、水酸化テトラアルキル
アンモニウム等を使用するのが好ましい。
【0143】電解酸化処理の電解液の濃度は0.01〜
5モル/lとするのが良く、好ましくは0.1〜1モル
/lとするのが良い。また、電解溶液の温度は0〜10
0℃とするのが良く、好ましくは室温付近の20〜25
℃とするのが良い。
【0144】電解酸化処理に要する電気量は、炭素繊維
の炭化度に合わせて最適化するのが良いが、炭素繊維の
引張強度の低下を抑止し、かつ表層部分における結晶性
を低くし、治性点を多くする観点から、電解酸化処理
は、処理1回当たりの電気量をなるべく少なくし、電解
槽を複数槽設けることにより、複数回に分けて処理する
のが好ましい。具体的には電気量は1クーロン/g・槽
(炭素繊維1g、1槽当たりのクーロン数)〜40クー
ロン/g・槽とするのが好ましい。
【0145】通電方法には、炭素繊維を電極ローラに直
接接触させて通電させる直接通電、又は炭素繊維と電極
の間に電解液を介して通電させる間接通電のいずれも採
用することができるが、炭素繊維の引張強度を高めるた
め、電解酸化処理時の糸条の毛羽立ち、電気スパークが
押さえられる間接通電が好ましい。
【0146】また電解処理後は、水洗、乾燥するのが好
ましい。このとき、エポキシ樹脂組成物との親和性や接
着性を向上させるため、炭素繊維の表層面に存在する官
能基が熱分解しないように、できるだけ低い温度で乾燥
することが望ましく、具体的には乾燥温度は180〜2
50℃とするのが良く、好ましくは180〜210℃と
するのが良い。
【0147】こうして得られた炭素繊維に、さらにサイ
ジング処理をして、繊維束に集束性をもたせるととも
に、マトリックス樹脂との親和性を向上させることもで
きる。
【0148】本発明による複合材料は、従来公知の方法
で製造することができる。具体的には、特にゴルフシャ
フト、釣り竿、ラケット等のスポーツ用部材の製造に適
した方法として、強化繊維にエポキシ樹脂組成物を含浸
させたプリプレグを作製し、これを積層して加熱し、硬
化させて複合材料を得る方法が採用される。
【0149】プリプレグは、エポキシ樹脂組成物をメチ
ルエチルケトン、メタノール等の溶媒に溶解して低粘度
化することにより、強化繊維に含浸させるウエット法
と、加熱して低粘度化することにより、強化繊維に含浸
させるホットメルト法等の方法により製造される。
【0150】ウェット法では、強化繊維をエポキシ樹脂
組成物からなる液に浸漬した後引き上げ、オーブン等を
用いて溶媒を蒸発させてプリプレグが得られる。
【0151】ホットメルト法では、加熱により低粘度化
したエポキシ樹脂組成物を直接強化繊維に含浸させる
か、又はエポキシ樹脂組成物を離型紙等の上にコーティ
ングしたフィルムを作製した後、強化繊維の両側又は片
側から該フィルムを重ね、加熱加圧することにより樹脂
を含浸させプリプレグが得られる。このホットメルト法
は、プリプレグ中に溶媒が残留することがないため好ま
しい。
【0152】プリプレグにおける強化繊維の形態や配列
は特に限定されず、例えば、一方向に引き揃えた長繊
維、単一のトウ、織物、マット、ニット、組み紐等が良
い。
【0153】複合材料は、プリプレグを積層後、積層物
に圧力を付与しながら樹脂を加熱し、硬化させて成形す
る方法等により製造できる。
【0154】熱及び圧力を付与する方法には、プレス成
形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、ラッ
ピングテープ法、内圧成形法等があり、特にスポーツ用
品に関しては、ラッピングテープ法、内圧成形法が好ま
しく適用される。
【0155】本発明において、ゴルフシャフト、釣り竿
等の棒状体を製造するに当たっては、ラッピングテープ
法が好ましく適用できる。ラッピングテープ法は、マン
ドレル等の芯金にプリプレグを巻いて、円筒状成形体を
成形する方法である。具体的には、マンドレルにプリプ
レグを巻き付け、プリプレグの固定及び圧力付与のため
に、プリプレグの外側に熱可塑性樹脂フィルムからなる
ラッピングテープを巻き付け、オーブン中で樹脂を加熱
し、硬化させた後、芯金を抜き去って円筒状成形体とす
る方法である。
【0156】また、ゴルフシャフト、釣り竿等の棒状体
を製造するに当たり、内圧成形法も好ましく適用でき
る。内圧成形法は、熱可塑性樹脂のチューブ等の内圧付
与体にプリプレグを巻きつけたプリフォームを金型中に
セットし、次いで内圧付与体に高圧の気体を導入して圧
力をかけると同時に金型を加熱し成形する方法である。
本方法は、ゴルフシャフト、バット、テニスやバトミン
トン等のラケットのような複雑な形状物を成形する際に
好ましく適用される。
【0157】本発明におけるエポキシ樹脂組成物を使用
することにより、プリプレグを用いない方法によっても
各種複合材料を製造することができる。具体的には、ハ
ンド・レイアップ法、フィラメント・ワインディング
法、プルトルージョン法、レジン・インジェクション・
モールディング法、レジン・トランスファー・モールデ
ィング法等の成形法によっても複合材料を製造すること
ができる。これらの方法では、エポキシ樹脂からなる主
剤と硬化剤との2液を使用直前に混合してエポキシ樹脂
組成物を調製する方法が好ましく適用される。
【0158】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。樹脂硬化物の物性測定、プリプレグの作製、円筒複
合材料(管状体)の作製、円筒複合材料の物性測定、一
方向複合材料の作製、一方向複合材料の物性測定は次の
方法で行った。尚、物性測定はすべて温度23℃、相対
湿度50%の環境で行った。 (1)樹脂硬化物(板)の物性の測定 A.曲げ弾性率、3点曲げ撓み量 エポキシ樹脂組成物を80℃に加熱してモールドに注入
し、135℃の熱風乾燥機中で2時間加熱し、硬化させ
て厚さ2mmの樹脂硬化物(成形板)を作製した。次
に、成形板から幅10mm、長さ60mmの試験片を切
り出し、試験速度2.5mm、支点間距離32mmで3
点曲げ試験を行い、JIS K7203に従い曲げ弾性
率と3点曲げ撓み量を求めた。 B.引張伸度 上記A項と同様にして作製した成形板より、JIS K
7113に従い、小型1(1/2)号形試験片を切り出
し、引張伸度を求めた。 C.ゴム状態の弾性率の測定 Aと同様にして作製した成形板より、SACMA SR
M18R−94に従い、DMA法によりゴム状態の弾性
率G'を求めた。G’曲線においてガラス転移領域の直
線部分を延長した線とゴム状態領域の直線部分を延長し
た線との交点の弾性率値をゴム状態の弾性率G'とし、
塑性変形能の指標とした。ここでは、Rheometric Scien
tific社製粘弾性測定システム拡張型“ARES”を用
い、昇温速度5℃/分、周波数1Hzで測定した。 (2)広角X線回折による炭素網面の結晶ザイズLcの
測定 A.測定試料の作製 上記(1)項のAと同様にして作製した成形板より、長
さ4cmの試験片を切り出し、金型とコロジオン・アル
コール溶液を用いて固め、角柱を作り測定試料とした。 B.測定条件 X線源:CuKα(Niフィルター使用) 出力:40kV20mA C.結晶サイズLcの測定 透過法により得られた面指数(002)のピークの半値
幅から、次のScherrerの式を用いて計算した。 Lc(hkl)=Kλ/β0cosθB ここで、 Lc(hkl):微結晶の(hkl)面に垂直な方向の
平均の大きさ K:1.0,λ:X線の波長、β0:(βE2−β121/2 βE:見かけの半値幅(測定値)、β12:1.05×1
-2rad. θB:ブラッグ角 (3)プリプレグの作製 エポキシ樹脂組成物をリバースロールコーターを用いて
離型紙上に塗布し、樹脂フィルムを作製した。次に、シ
ート状に一方向に整列させた炭素繊維トレカ(登録商
標、東レ(株)製)に、この樹脂フィルム2枚を炭素繊
維の両面から重ね、加熱加圧して樹脂を含浸せしめ、炭
素繊維目付125g/m2、樹脂重量分率24重量%の
一方向プリプレグを作製した。 (4)円筒複合材料の作製 下記(a)〜(e)の手順により、円筒軸方向に対して
[0゜3/±45゜3]の積層構成を有し、内径が6.3
mm及び10mmの2種類の円筒複合材料を作製した。
マンドレルにはそれぞれ、直径6.3mm及び10mm
(いずれも長さ1000mm)のステンレス製丸棒を使
用した。 (a)一方向プリプレグを強化繊維の方向がマンドレル
軸方向に対して45度になるように、直径6.3mmの
マンドレルでは縦800mm×横68mmの一方向プリ
プレグを使用し、直径10mmのマンドレルでは縦80
0mm×横103mmの一方向プリプレグを使用した。
この2枚を繊維方向が互いに交差するように、かつ横方
向に直径6.3mmのマンドレルでは10mm、直径1
0mmのマンドレルでは16mm(マンドレル半周分に
対応)ずらせて貼り合わせた。 (b)貼り合わせたプリプレグを、離型処理したマンド
レルに、プリプレグの縦方向とマンドレルの軸方向が一
致するように巻き付けた。 (c)その上に、プリプレグを繊維の方向が縦方向にな
るように、直径6.3mmのマンドレルでは縦800m
m×横77mm、直径10mmのマンドレルでは縦80
0mm×横112mmの長方形に切り出したものをプリ
プレグの縦方向とマンドレルの軸方向が一致するように
巻き付けた。 (d)ラッピングテープ(耐熱性フィルムテープ)を巻
きつけ、硬化用の炉の中で130℃、2時間加熱し成形
した。 (e)成形後、マンドレルを抜き取り、ラッピングテー
プを除去して円筒複合材料を得た。 (5)円筒複合材料の物性の測定 A.曲げ強度 内径10mmの円筒複合材料を用い、「ゴルフクラブ用
シャフトの認定基準及び基準確認方法」(製品安全協会
編、通商産業大臣承認5産第2087号、1993年)
に記載の3点曲げ試験方法に基づき、曲げ破壊荷重を測
定し、該荷重値を曲げ強度とした。ここでは、支点間距
離を300mm、試験速度を5mm/分とした。
【0159】B.捻り強度 内径10mmの円筒複合材料から長さ400mmの試験
片を切り出し、「ゴルフクラブ用シャフトの認定基準及
び基準確認方法」(製品安全協会編、通商産業大臣承認
5産第2087号、1993年)に記載の方法に従い、
捻り試験を行った。試験片ゲージ長は300mmとし、
試験片両端の50mmを固定治具で把持した。捻り強度
は次式により求めた。
【0160】捻り強度(N・m・deg)=破壊トルク(N・m)×破
壊時の捻れ角(deg) C.圧壊強度 内径10mmの円筒複合材料から長さ15mmの試験片
を切り出し、ステンレス平板を介して円筒の半径方向に
圧縮荷重を加えて破壊し、破壊時の荷重を圧壊強度とし
た。ここで試験速度は5mm/分とした。
【0161】D.シャルピー衝撃破壊強度 円筒複合材料を試験片に用いたこと、及び支点間距離を
40mmとしたこと以外はJIS K7077記載の方
法に従い、シャルピー衝撃試験を行った。内径6.3m
mの円筒複合材料から長さ90mmの試験片を切り出
し、支点間距離40mm、ハンマー振り上げ角135
度、秤量300kg・cmで円筒軸方向と垂直な方向か
ら衝撃を与え、最大衝撃荷重を測定し、該荷重値をシャ
ルピー衝撃破壊強度とした。 (6)一方向複合材料の作製 上記(3)項に示す方法で作製した一方向プリプレグ
を、強化繊維の方向が同一になるよう所定枚数積層し、
オートクレーブを用いて温度135℃、圧力290Pa
で2時間、加熱加圧して硬化させ、一方向複合材料を作
製した。 (7)一方向複合材料の物性の測定 A.90度引張強度、90度引張伸度 一方向プリプレグを22枚積層して得られる一方向複合
材料から、ASTMD3039に従い、幅25.4m
m、長さ38.1mmの試験片を作製し、引張試験を行
い、90度引張伸度及び90度引張強度を測定した。
【0162】B.0度層間剪断強度(ILSS) 一方向プリプレグを22枚積層して得られた一方向複合
材料から、ASTMD2344に従い、幅6.4mm、
長さ14mmの試験片を作製し、3点曲げ試験を行い、
0度層間剪断強度を測定した。 (8)板端剥離強度(EDS)測定用試料の作製 上記(3)項に示す方法で作製した一方向プリプレグを
10枚積層し[±25/±25/90]S構成の積層板
を成形した。この成形板の厚さは1mmであった。 (9)板端剥離強度(EDS)の測定 上記(8)項にて得られた積層板から幅(90度方向)
25mm、長さ(0度方向)300mmの短冊状試験片
を切り出した。切り出しにはブレード粒度#170のダ
イアモンドカッターを使用し、ブレード周速度は180
0m/分、送り速度は70mm/分とした。この試験片
にグリップ間200mmで0度方向から引張張力を負荷
し、板端剥離強度(EDS)を測定した。 (10)炭素繊維の引張強度、引張弾性率の測定 測定する炭素繊維に、ユニオンカーバイド(株)製 、
ベークライト(登録商標)ERL−4221を1000
g(100重量部)、三フッ化ホウ素モノエチルアミン
(BF3・MEA)を30g(3重量部)及びアセトン
を40g(4重量部)混合した樹脂組成物を含浸させ、
次に130℃で、30分間加熱し、硬化させ、樹脂含浸
ストランドを得た。樹脂含浸ストランド試験法(JIS
R7601)により引張強度と引張弾性率を求めた。 (11)炭素繊維の引張伸度の測定 JIS R7601に従い測定する。
【0163】以下、実施例、比較例について説明する。
実施例、比較例中に記載の部数はすべて重量部を表す。
実施例、比較例の結果は表1〜4に纏めて示した。 (12)炭素繊維表面の官能基量測定 A.表面比酸素濃度O/C 表面比酸素濃度O/Cは、次の手順に従ってX線光電子
分光法により求めた。
【0164】先ず、測定する炭素繊維束から、溶媒でサ
イジング剤等を除去後、適当な長さにカットしてステン
レス製の試料支持台上に拡げて並べた後、下記条件にて
測定した。
【0165】・光電子脱出角度:90度 ・X線源:MgKα1,2 ・試料チャンバー内真空度:1×10-8Torr 次に、測定時の帯電に伴うピークの補正のため、C1S
主ピークの結合エネルギー値B.E.を284.6eV
に合わせた。
【0166】次いで、C1sピーク面積[O1s]は、28
2〜296eVの範囲で直線のベースラインを引いて求
め、O1sピーク面積[C1s]は、528〜540eVの
範囲で直線のベースラインを引いて求めた。
【0167】表面比酸素濃度O/Cは、上記O1sピーク
面積[O1s]、C1sピーク面積[C 1s]の比、及び装置
固有の感度補正値より、次式により求めた。
【0168】 O/C=([O1s]/[C1s])/(感度補正値) 尚、ここでは、測定装置として島津製作所(株)製、E
SCA−750を用い、前記装置固有の感度補正値を
2.85とした。 (実施例1〜8)強化繊維として、下記製法による炭素
繊維を使用した。
【0169】アクリロニトリル99.4%とメタクリル
酸0.6モル%からなる共重合体を用いて、湿式紡糸法
により単繊維デニール0.7d、フィラメント数120
00のアクリル系前駆体繊維を得た。
【0170】この前駆体繊維を空気中240〜280℃
で、延伸比1.05で加熱し、耐炎化繊維に転換し、さ
らに窒素雰囲気中300〜900℃の温度領域での昇温
速度を200℃/分とし、延伸比1.10で加熱した
後、1400℃まで焼成し炭化を進めた。得られた炭素
繊維の目付は0.80g/m、比重は1.80であっ
た。
【0171】次に、濃度0.1モル/lの硫酸水溶液を
電解液として電気量5クーロン/g・槽で電解酸化処理
した。次いで、この電解酸化処理後の炭素繊維を水洗
し、150℃の空気中で乾燥した。
【0172】こうして得られた炭素繊維の各種強度物性
値を表1に示す。
【0173】全エポキシ樹脂に対して2官能エポキシ樹
脂を70重量%以上含む表1に示す樹脂組成物を調製し
た。前記(1)の方法に従い、この樹脂硬化物の強度物
性を測定した結果を表1に示す。
【0174】前記炭素繊維と、上記エポキシ樹脂組成物
を用いて前記(3)の方法に従い、一方向プリプレグを
作製し、さらに前記(4)の方法に従い、これらを積
層、硬化して円筒複合材料を作製し、各種強度物性を測
定した結果を表2に示す。 (実施例9)全エポキシ樹脂が2官能エポキシ樹脂から
なり、全エポキシ樹脂100重量%に対して、分子量が
450以上の高分子量2官能エポキシ樹脂(エピコート
1001、登録商標)が75重量%からなる表1に示す
樹脂組成物を調製した。この樹脂硬化物の強度特性を測
定した結果を表1に示す。
【0175】このエポキシ樹脂組成物から実施例1の方
法に従い、一方向プリプレグを作製し、これらを積層、
硬化して円筒複合材料を作製し、各種強度物性を測定し
た結果を表2に示す。 (比較例1)全エポキシ樹脂に対して、2官能エポキシ
樹脂65重量%と多官能エポキシ樹脂(エピコート15
4、登録商標)35重量%からなる表3に示す樹脂組成
物を調製した。この樹脂硬化物の強度物性を測定した結
果を表3に示す。
【0176】このエポキシ樹脂組成物から実施例1の方
法に従い、一方向プリプレグを作製し、これらを積層、
硬化して円筒複合材料を作製し、各種強度物性を測定し
た結果を表4に示す。 (比較例2)全エポキシ樹脂に対して、低分子量2官能
エポキシ樹脂(エピコート828、登録商標)が17重
量%、剛直骨格を有する2官能エポキシ樹脂であるデナ
コ−ルEX−201(登録商標)、エピコートYX40
00H(登録商標)、エピクロン152(登録商標)
が、それぞれ20重量%、33重量%、30重量%から
なる表3に示す樹脂組成物を調製した。この樹脂硬化物
の強度物性を測定した結果を表3に示す。
【0177】このエポキシ樹脂組成物から実施例1の方
法に従い、一方向プリプレグを作製し、これらを積層、
硬化して円筒複合材料を作製し、各種強度物性を測定し
た結果を表4に示す。 (比較例3)全エポキシ樹脂に対して、低分子量2官能
エポキシ樹脂(エピコート828、登録商標)が60重
量%、分子量が450以上の高分子量2官能エポキシ樹
脂(エピコート1001、登録商標)が10重量%から
なる表3に示す樹脂組成物を調製した。この樹脂硬化物
の強度物性を測定した結果を表3に示す。
【0178】このエポキシ樹脂組成物から実施例1の方
法に従い、一方向プリプレグを作製し、これらを積層、
硬化して円筒複合材料を作製し、各種強度物性を測定し
た結果を表4に示す。 (実施例10)強化繊維として、下記製法による炭素繊
維を使用した。
【0179】アクリロニトリル99.4%とメタクリル
酸0.6モル%からなる共重合体を用いて、乾湿式紡糸
法により単繊維デニール1.0d、フィラメント数12
000のアクリル系前駆体繊維を得た。
【0180】この前駆体繊維を空気中240〜280℃
で、延伸比1.05で加熱し、耐炎化繊維に転換し、さ
らに窒素雰囲気中300〜900℃の温度領域での昇温
速度を200℃/分とし、延伸比1.10で加熱した
後、1400℃まで焼成し炭化を進めた。得られた炭素
繊維の目付は0.58g/m、比重は1.81であっ
た。
【0181】次に、濃度0.1モル/lの硫酸水溶液を
電解液として電気量5クーロン/g・槽で電解酸化処理
した。次いで、この電解酸化処理後の炭素繊維を水洗
し、150℃の空気中で乾燥した。
【0182】こうして得られた炭素繊維の各種強度物性
値を表5に示す。
【0183】かかる炭素繊維と、実施例1と同じエポキ
シ樹脂組成物により、一方向プリプレグを作製し、これ
らを積層、硬化して円筒複合材料を作製し、各種強度物
性を測定した結果を表6に示す。 (実施例11)実施例10と同じ炭素繊維と、実施例2
と同じエポキシ樹脂組成物により、一方向プリプレグを
作製し、これらを積層、硬化して円筒複合材料を作製
し、各種強度物性を測定した結果を表6に示す。 (実施例12)実施例10と同じ炭素繊維と、実施例3
と同じエポキシ樹脂組成物により、一方向プリプレグを
作製し、これらを積層、硬化して円筒複合材料を作製
し、各種強度物性を測定した結果を表6に示す。 (実施例13)実施例10と同じ炭素繊維と、実施例4
と同じエポキシ樹脂組成物により、一方向プリプレグを
作製し、これらを積層、硬化して円筒複合材料を作製
し、各種強度物性を測定した結果を表6に示す。 (実施例14)強化繊維として、下記製法による炭素繊
維を使用した。
【0184】アクリロニトリル99.4%とメタクリル
酸0.6モル%からなる共重合体を用いて、湿式紡糸法
により単繊維デニール1.0d、フィラメント数120
00のアクリル系前駆体繊維を得た。
【0185】この前駆体繊維を空気中240〜280℃
で、延伸比1.05で加熱し、耐炎化繊維に転換し、さ
らに窒素雰囲気中300〜900℃の温度領域での昇温
速度を200℃/分とし、延伸比1.10で加熱した
後、1450℃まで焼成し炭化を進めた。得られた炭素
繊維の目付は0.42g/m、比重は1.79であっ
た。
【0186】次に、濃度0.1モル/lの硫酸水溶液を
電解液として電気量5クーロン/g・槽で電解酸化処理
した。次いで、この電解酸化処理後の炭素繊維を水洗
し、150℃の空気中で乾燥した。
【0187】こうして得た炭素繊維の各種強度物性値を
表5に示す。
【0188】かかる炭素繊維と、実施例5と同じエポキ
シ樹脂組成物により、一方向プリプレグを作製し、これ
らを積層、硬化して円筒複合材料を作製し、各種強度物
性を測定した結果を表6に示す。 (実施例15)強化繊維として、下記製法による炭素繊
維を使用した。
【0189】アクリロニトリル99.4%とメタクリル
酸0.6モル%からなる共重合体を用いて、乾湿式紡糸
法により単繊維デニール1.0d、フィラメント数12
000のアクリル系前駆体繊維を得た。
【0190】この前駆体繊維を空気中240〜280℃
で、延伸比1.05で加熱し、耐炎化繊維に転換し、さ
らに窒素雰囲気中300〜900℃の温度領域での昇温
速度を200℃/分とし、延伸比1.10で加熱した
後、1800℃まで焼成し炭化を進めた。得られた炭素
繊維の目付は0.60g/m、比重は1.76であっ
た。
【0191】次に、濃度0.1モル/lの硫酸水溶液を
電解液として電気量5クーロン/g・槽で電解酸化処理
した。次いで、この電解酸化処理後の炭素繊維を水洗
し、150℃の空気中で乾燥した。
【0192】こうして得た炭素繊維の各種強度物性値を
表5に示す。
【0193】かかる炭素繊維と、実施例2と同じエポキ
シ樹脂組成物により、一方向プリプレグを作製し、これ
らを積層、硬化して円筒複合材料を作製し、各種強度物
性を測定した結果を表6に示す。 (実施例16)強化繊維として、下記製法による炭素繊
維を使用した。
【0194】アクリロニトリル99.4%とメタクリル
酸0.6モル%からなる共重合体を用いて、乾湿式紡糸
法により単繊維デニール0.9d、フィラメント数12
000のアクリル系前駆体繊維を得た。
【0195】この前駆体繊維を空気中240〜280℃
で、延伸比1.05で加熱し、耐炎化繊維に転換し、さ
らに窒素雰囲気中300〜900℃の温度領域での昇温
速度を200℃/分とし、延伸比1.10で加熱した
後、2000℃まで焼成し炭化を進めた。得られた炭素
繊維の目付は0.80g/m、比重は1.76であっ
た。
【0196】次に、濃度0.1モル/lの硫酸水溶液を
電解液として電気量5クーロン/g・槽で電解酸化処理
した。次いで、この電解酸化処理後の炭素繊維を水洗
し、150℃の空気中で乾燥した。
【0197】こうして得られた炭素繊維の各種強度物性
値を表5に示す。
【0198】かかる炭素繊維と、実施例2と同じエポキ
シ樹脂組成物により、一方向プリプレグを作製し、これ
らを積層、硬化して円筒複合材料を作製し、各種強度物
性を測定した結果を表6に示す。 (実施例17)強化繊維として、下記製法による炭素繊
維を使用した。
【0199】アクリロニトリル99.4%とメタクリル
酸0.6モル%からなる共重合体を用いて、湿式紡糸法
により単繊維デニール0.7d、フィラメント数120
00のアクリル系前駆体繊維を得た。
【0200】この前駆体繊維を空気中240〜280℃
で、延伸比1.05で加熱し、耐炎化繊維に転換し、さ
らに窒素雰囲気中300〜900℃の温度領域での昇温
速度を200℃/分とし、延伸比1.10で加熱した
後、1400℃まで焼成し炭化を進めた。得られた炭素
繊維の目付は0.45g/m、比重は1.77であっ
た。
【0201】次に、濃度0.1モル/lの硫酸水溶液を
電解液として電気量5クーロン/g・槽で電解酸化処理
した。次いで、この電解酸化処理後の炭素繊維を水洗
し、150℃の空気中で乾燥した。
【0202】こうして得られた炭素繊維の各種強度物性
値を表7に示す。
【0203】かかる炭素繊維と、実施例1と同じエポキ
シ樹脂組成物により、一方向プリプレグを作製し、これ
らを積層、硬化して円筒複合材料を作製し、各種強度物
性を測定した結果を表8に示す。 (比較例4)強化繊維として、下記製法による炭素繊維
を使用した。
【0204】アクリロニトリル99.4%とメタクリル
酸0.6モル%からなる共重合体を用いて、湿式紡糸法
により単繊維デニール0.7d、フィラメント数120
00のアクリル系前駆体繊維を得た。
【0205】この前駆体繊維を空気中240〜280℃
で、延伸比1.05で加熱し、耐炎化繊維に転換し、さ
らに窒素雰囲気中300〜900℃の温度領域での昇温
速度を200℃/分とし、延伸比1.10で加熱した
後、1400℃まで焼成し炭化を進めた。得られた炭素
繊維の目付は0.73g/m、比重は1.80であっ
た。
【0206】次に、濃度0.1モル/lの硫酸水溶液を
電解液として電気量5クーロン/g・槽で電解酸化処理
した。次いで、この電解酸化処理後の炭素繊維を水洗
し、150℃の空気中で乾燥した。
【0207】こうして得られた炭素繊維の各種強度物性
値を表1に示す。
【0208】全エポキシ樹脂に対して、2官能エポキシ
樹脂を70重量%以上含む表1に示す樹脂組成物を調製
した。前記(1)の方法に従い、この樹脂硬化物の強度
物性を測定した結果を表1に示す。 (実施例17)乾湿式紡糸法により単繊維デニール1.
0d、フィラメント数12000のアクリル系前駆体繊
維を得た。次いで焼成温度を1350℃とした以外は実
施例1と同様にして炭素繊維を得た。
【0209】こうして得られた炭素繊維の各種強度物性
値を表9に示す。
【0210】かかる炭素繊維と、実施例1と同じエポキ
シ樹脂組成物により、一方向プリプレグを作製し、これ
らを積層、硬化して円筒複合材料を作製し、各種強度物
性を測定した結果を表10に示す。 (実施例18)湿式紡糸法により単繊維デニール1.0
d、フィラメント数12000のアクリル系前駆体繊維
を得た。次いで焼成温度を1300℃とした以外は実施
例1と同様にして炭素繊維を得た。
【0211】こうして得られた炭素繊維の各種強度物性
値を表9に示す。
【0212】かかる炭素繊維と、実施例5と同じエポキ
シ樹脂組成物により、一方向プリプレグを作製し、これ
らを積層、硬化して円筒複合材料を作製し、各種強度物
性を測定した結果を表10に示す。 (実施例19)湿式紡糸法により単繊維デニール1.0
d、フィラメント数12000のアクリル系前駆体繊維
を得た。次いで焼成温度を1350℃とした以外は実施
例1と同様にして炭素繊維を得た。
【0213】こうして得られた炭素繊維の各種強度物性
値を表9に示す。
【0214】かかる炭素繊維と、実施例4と同じエポキ
シ樹脂組成物により、一方向プリプレグを作製し、これ
らを積層、硬化して円筒複合材料を作製し、各種強度物
性を測定した結果を表10に示す。 (実施例20)乾湿式紡糸法により単繊維デニール0.
7d、フィラメント数12000のアクリル系前駆体繊
維を得た。次いで焼成温度を1750℃とした以外は実
施例1と同様にして炭素繊維を得た。
【0215】こうして得られた炭素繊維の各種強度物性
値を表9に示す。
【0216】かかる炭素繊維と、実施例4と同じエポキ
シ樹脂組成物により、一方向プリプレグを作製し、これ
らを積層、硬化して円筒複合材料を作製し、各種強度物
性を測定した結果を表10に示す。 (実施例21)表面処理方法を濃度2モル/lの炭酸水
素アンモニウム水溶液を電解液として電気量35クーロ
ン/g・槽で電解酸化処理した以外は実施例16と同様
にして炭素繊維を得た。
【0217】こうして得られた炭素繊維の各種強度物性
値を表9に示す。
【0218】かかる炭素繊維と、実施例4と同じエポキ
シ樹脂組成物により、一方向プリプレグを作製し、これ
らを積層、硬化して円筒複合材料を作製し、各種強度物
性を測定した結果を表10に示す。 (実施例22)強化繊維として、下記製法による炭素繊
維を使用した。
【0219】アクリロニトリル99.4%とメタクリル
酸0.6モル%からなる共重合体を用いて、乾湿式紡糸
法により単繊維デニール1.0d、フィラメント数12
000のアクリル系前駆体繊維を得た。
【0220】この前駆体繊維を空気中240〜280℃
で、延伸比1.05で加熱し、耐炎化繊維に転換し、さ
らに窒素雰囲気中300〜900℃の温度領域での昇温
速度を200℃/分とし、延伸比1.10で加熱した
後、2000℃まで焼成し炭化を進めた。得られた炭素
繊維の目付は0.80g/m、比重は1.76であっ
た。
【0221】次に、濃度0.1モル/lの硫酸水溶液を
電解液として電気量40クーロン/g・槽で電解酸化処
理した。次いで、この電解酸化処理後の炭素繊維を水洗
し、200℃の空気中で乾燥した。
【0222】こうして得られた炭素繊維の各種強度物性
値を表9に示す。
【0223】かかる炭素繊維と、実施例1と同じエポキ
シ樹脂組成物により、一方向プリプレグを作製し、これ
らを積層、硬化して円筒複合材料を作製し、各種強度物
性を測定した結果を表10に示す。 (実施例23)乾燥温度を400℃とした以外は実施例
13と同様にして炭素繊維を得た。この炭素繊維は、表
9に示すとおりN/Cが0.003と低かった。
【0224】かかる炭素繊維と、実施例1と同じエポキ
シ樹脂組成物により、一方向プリプレグを作製し、これ
らを積層、硬化して円筒複合材料を作製し、各種強度物
性を測定した結果を表10に示す。 (比較例5)実施例17と同じ炭素繊維と比較例1と同
じエポキシ樹脂組成物により、一方向プリプレグを作製
し、これらを積層、硬化して円筒複合材料を作製し、各
種強度物性を測定した結果を表12に示す。 (比較例6)実施例18と同じ炭素繊維と比較例1と同
じエポキシ樹脂組成物により、一方向プリプレグを作製
し、これらを積層、硬化して円筒複合材料を作製し、各
種強度物性を測定した結果を表12に示す。 (比較例7)実施例20と同じ炭素繊維と比較例1と同
じエポキシ樹脂組成物により、一方向プリプレグを作製
し、これらを積層、硬化して円筒複合材料を作製し、各
種強度物性を測定した結果を表12に示す。
【0225】
【表1】
【0226】
【表2】
【0227】
【表3】
【0228】
【表4】
【0229】
【表5】
【0230】
【表6】
【0231】
【表7】
【0232】
【表8】
【0233】
【表9】
【0234】
【表10】
【0235】
【表11】
【0236】
【表12】
【0237】
【発明の効果】本発明によれば、強化繊維とマトリック
ス樹脂との接着性、及びマトリックス樹脂の引張伸度と
曲げ弾性率に優れた樹脂組成物が得られる。この樹脂組
成物と炭素繊維等の強化繊維織物とから良質なプリプレ
グを作製することができ、さらにこのプリプレグを積層
して成形することにより、機械強度特性に優れた繊維強
化複合材料を製造することができる。
【0238】本発明による繊維強化複合材料は、0度圧
縮強度と0度層間剪断強度(ILSS)に優れたものと
なる。かかる効果は、マトリックス樹脂の曲げ弾性率が
高い場合に顕著である。この原因としては、曲げ弾性率
が高いマトリックス樹脂は、強化繊維のオイラー座屈を
防ぐ効果を有するためと推定される。
【0239】本発明による繊維強化複合材料は、非繊維
方向引張強度、曲げ強度、捻り強度、圧壊強度、面内剪
断強度、及びEnd Notched Flexure法で測定したモードI
I層間靭性に優れたものとなる。これは、マトリックス
樹脂の引張伸度が高い場合に顕著である。この原因とし
ては、引張伸度が高いマトリックス樹脂は、局所的な繊
維破断による微小亀裂の伝搬を防ぐとともに、強化繊維
とマトリックス樹脂との剥離を防ぐ効果を有するためと
推定される。
【0240】本発明による繊維強化複合材料は、シャル
ピー衝撃破壊強度に代表される耐衝撃性に優れたものと
なる。
【0241】本発明による繊維強化複合材料は、スポー
ツ用途では、ゴルフシャフト、釣り竿、テニス、バトミ
ントン、スカッシュ等のラケット用途、ホッケー等のス
ティック用途、スキーポール用途等に好適に用いられ
る。また、航空宇宙用途では、主翼、尾翼、フロアビー
ム等の航空機一次構造材用途、フラップ、エルロン、カ
ウル、フェアリング、内装材等の二次構造材用途、ロケ
ットモーターケース、人工衛星構造材用途等に好適に用
いられる。さらに一般産業用途では、自動車、船舶、鉄
道車両等の移動体の構造材、ドライブシャフト、板バ
ネ、風車ブレード、圧力容器、フライホイール、製紙用
ローラ、屋根材、ケーブル、補強筋、補修補強材料等の
土木・建築材料用途等に好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 63/00 C08L 63/00 Z (72)発明者 高岸 宏至 愛媛県伊予郡松前町大字筒井1515番地 東 レ株式会社愛媛工場内 (72)発明者 大背戸 浩樹 愛媛県伊予郡松前町大字筒井1515番地 東 レ株式会社愛媛工場内 Fターム(参考) 4F072 AA02 AB10 AG03 AH21 AJ04 AK11 AL04 AL09 4J002 CD021 CD041 CD051 CD061 CD071 CK032 DA016 EL137 EN047 EN077 EN098 EN107 EN108 EN117 EN118 EP018 ER027 EV227 FA046 FD016 FD147 FD202 FD208 4J036 AA01 AC01 AC08 AD01 AF06 CA15 CB09 CB18 DB15 DB21 DC02 DC03 DC06 DC10 DC21 DC31 DD04 JA11

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ樹脂及び硬化剤を含んでなり、1
    30℃で2時間硬化して得られる樹脂硬化物の引張伸度
    が8%以上であるエポキシ樹脂組成物が、広角X線回折
    により求まる炭素網面の結晶サイズLcが5〜40オンク゛
    ストロームである炭素繊維に含浸されて構成されているプリ
    プレグ。
  2. 【請求項2】前記エポキシ樹脂組成物が、2官能エポキ
    シ樹脂を含んでなり、該2官能エポキシ樹脂が、該エポ
    キシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100重量%に対し
    て、70〜100重量%である請求項1記載のプリプレ
    グ。
  3. 【請求項3】前記エポキシ樹脂組成物が、エポキシ当量
    が450以上の高分子量2官能エポキシ樹脂を含んでな
    り、該高分子量2官能エポキシ樹脂が、該エポキシ樹脂
    組成物中の全2官能エポキシ樹脂100重量%に対し
    て、15〜70重量%である請求項2記載のプリプレ
    グ。
  4. 【請求項4】前記エポキシ樹脂組成物が、次の構成要素
    (A)を含んでなる請求項1〜3のいずれかに記載のプ
    リプレグ。 (A)分子内にエポキシ樹脂又は硬化剤と反応しうる官
    能基1個と1個以上のアミド結合を有する化合物
  5. 【請求項5】前記構成要素(A)の配合量が全エポキシ
    樹脂100重量部に対して0.5〜15重量部である請
    求項4記載のプリプレグ。
  6. 【請求項6】前記構成要素(A)におけるエポキシ樹脂
    又は硬化剤と反応しうる官能基が、カルボキシル基、フ
    ェノール性水酸基、アミノ基、第2アミン構造、メルカ
    プト基、エポキシ基、及びカルボニル基と共役した二重
    結合からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求
    項4又は5記載のプリプレグ。
  7. 【請求項7】前記エポキシ樹脂組成物が次の構成要素
    (B)を含んでなる請求項1〜3のいずれかに記載のプ
    リプレグ。 (B)分子中に芳香環を有するポリエステルポリウレタ
  8. 【請求項8】前記構成要素(B)の配合量が全エポキシ
    樹脂100重量部に対して1〜15重量部である請求項
    7記載のプリプレグ。
  9. 【請求項9】前記炭素繊維の、化学修飾X線光電子分光
    法により測定される表面比酸素濃度O/Cが0.02〜
    0.3である請求項1〜8のいずれかに記載のプリプレ
    グ。
  10. 【請求項10】前記炭素繊維の、化学修飾X線光電子分
    光法により測定される表面比窒素濃度N/Cが0.02
    〜0.3である請求項1〜9のいずれかに記載のプリプ
    レグ。
  11. 【請求項11】前記エポキシ樹脂組成物が130℃で2
    時間硬化してなる成形板の3点曲げの撓み量が10〜2
    5mmである請求項1〜10のいずれかに記載のプリプ
    レグ。
  12. 【請求項12】前記エポキシ樹脂組成物が130℃で2
    時間硬化してなる硬化物の測定周波数0.5Hzでの動
    的粘弾性におけるゴム状態の弾性率G'(MPa)が次
    式(1)を満足する請求項1〜11のいずれかに記載の
    プリプレグ。 1≦G'≦8 …(1)
  13. 【請求項13】前記炭素繊維の引張伸度が1.1%以上
    である請求項1〜12のいずれかに記載のプリプレグ。
  14. 【請求項14】前記炭素繊維が、単糸の直径が4〜7μ
    mの範囲内にあり、かつ該炭素繊維の断面形状が、実質
    的に真円状である請求項1〜13のいずれかに記載のプ
    リプレグ。
  15. 【請求項15】前記炭素繊維が、単糸の直径が3〜7μ
    mの範囲内にあり、かつ該炭素繊維の断面形状が、繭状
    である請求項1〜13のいずれかに記載のプリプレグ。
  16. 【請求項16】前記炭素繊維が、その引張弾性率Eと広
    角X線回折により求まる炭素網面の結晶サイズLc(オン
    ク゛ストローム)が次式(3)を満足するものである請求項1
    〜15のいずれかに記載のプリプレグ Lc≦0.14×E−13 …(3)
  17. 【請求項17】前記炭素繊維の、炭素網面の結晶サイズ
    Lcが10〜35オンク゛ストロームの範囲内であり、かつ13
    0℃で2時間硬化して得られる成形板の90度引張強度
    が60MPa以上である請求項1〜16のいずれかに記
    載のプリプレグ。
  18. 【請求項18】請求項1〜17のいずれかに記載のプリ
    プレグが加熱され、硬化されてなる繊維強化複合材料。
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