JP2000336421A - 二次精錬スラグ、安定化剤の製造方法、フッ素を含む製鋼スラグの安定化処理方法、土中埋設用材料およびその製造方法 - Google Patents
二次精錬スラグ、安定化剤の製造方法、フッ素を含む製鋼スラグの安定化処理方法、土中埋設用材料およびその製造方法Info
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Abstract
的に抑制する安定化剤を、安価かつ大量に製造すること
ができない。 【解決手段】 転炉による溶鋼の処理が行われた際に発
生する転炉スラグに改質処理を行うことによって、CaO
:45〜60%、Al2O3 :30〜55%、SiO2:10%以下、T.F
e:3%以下を含有し、3CaO・Al2O3 および 12CaO・7Al
2O3の一方または双方の結晶相を含む安定化剤を製造
し、この安定化材の粉末を、製鋼スラグに添加すること
によって、製鋼スラグに含まれるフッ素を捕捉する。
Description
安定化剤の製造方法、フッ素を含む製鋼スラグの安定化
処理方法、土中埋設用材料およびその製造方法に関す
る。より具体的には、本発明は、転炉若しくは電気炉等
の精錬炉による処理が行われた際に発生する二次精錬ス
ラグを原料とする安定化剤である二次精錬スラグと、こ
の安定化剤を安価かつ大量に製造する方法と、この方法
により製造された安定化剤を用いて製鋼スラグに含まれ
るフッ素を捕捉することによる製鋼スラグの安定化処理
方法と、土中埋設用材料と、その製造方法とに関する。
トーピード、溶銑鍋または転炉において生成される溶銑
予備処理スラグ、上吹き操業、底吹き操業または上下
吹き操業等により生成される転炉スラグ、高周波加熱
またはアーク加熱により生成される電気炉スラグさらに
は真空精錬法、取鍋精錬法または簡易取鍋精錬法等の
二次精錬(炉外精錬)を行った際に生成される二次精錬
スラグといった各種の製鋼スラグが不可避的に発生す
る。
事や路盤材として再利用されたり、廃棄スラグとして埋
め立て処分されてきた。例えば、1997年の一年間に発生
した製鋼スラグの総排出量約1370万トンのうちの61%強
に相当する約840 万トンが、土木工事、路盤材若しくは
埋め立てに用いられた。
過程において、スラグ融点を下げて流動性を向上させて
溶鋼との反応性を向上させるために、ホタル石CaF2が添
加される。このため、一般的に、製鋼スラグにはフッ素
が不可避的に含有される。
摂取すると、歯牙フッ素症、骨フッ素症さらには運動障
害性フッ素症等の各種障害が引き起こされることが判明
してきた。このため、我が国においても、平成11年2月
に、フッ素は水質および地下水環境基準項目に指定され
た。
する製鋼スラグを、前述した路盤材や埋め立てに用いる
場合には、製鋼スラグにフッ素溶出の抑制処理を行っ
て、土中に埋め立てられた後の製鋼スラグからのフッ素
の溶出に起因した環境汚染の防止に、充分配慮する必要
がある。
では、埋め立て処分品についてのフッ素溶出量規制値が
制定されていないこともあり、製鋼スラグからのフッ素
溶出の抑制法は、これまで全く検討されていなかった。
溶液中に高濃度に含まれるフッ素を除去する方法とし
て、石灰をフッ素含有溶液に添加することにより、安定
なフッ化カルシウムを沈殿させて、フッ素を除去する技
術が知られている。
素濃度が低下するに伴って、溶液中でのフッ化カルシウ
ムの生成反応が進行し難くなる。このため、この技術で
は、処理量が少ない場合には廃水処理基準値を下回るこ
とはできるものの、製鋼スラグに含まれるフッ素の濃度
を工業的規模で所望の程度に抑制することは、到底困難
である。
9500号により、カルシウムを含む化合物およびアルミニ
ウムを含む化合物を含む粉末を安定化剤として用い、フ
ッ素を含む製鋼スラグの安定化処理を行う発明を提案し
た。この発明は、略述すると、フッ素を含む製鋼スラグ
に、水の存在下で、3CaO・Al2O3 、12CaO・7Al2O3、CaO
・Al2O3 、5CaO・3Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O3
等のカルシウムアルミネートを1種類以上含む粉末を安
定化剤として添加すると、溶液中にフッ素を含む難溶性
の化合物が生成されることを利用して、製鋼スラグから
のフッ素溶出を抑制するものである。
と、3CaO・Al2O3 、12CaO・7Al2O3、CaO・Al2O3 、5CaO
・3Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O3 等のカルシウム
アルミネートを1種類以上含む安定化剤を、安価かつ大
量に製造することができなければ、工業的規模で、この
安定化剤を用いて製鋼スラグからのフッ素溶出を防止す
ることはできない。例えば、CaOとAl2O3 とを混合した
粉末を予備焼結してからロータリーキルン等を用いて加
熱すれば、3CaO・Al2O3 、12CaO・7Al2O3、CaO・Al
2O3 、5CaO・3Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O3 等の
カルシウムアルミネートを1種類以上の結晶相を含む鉱
物を確かに生成することはできるものの、このプロセス
は高コストであることから、工業的規模で実用化するこ
とは困難である。
定化剤と、この安定化剤を安価かつ大量に製造する方法
と、この方法により製造された安定化剤を用いて、溶銑
予備処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグさらには二
次精錬スラグといったフッ素を含む製鋼スラグを安定化
処理する方法と、この安定化処理により得られる土中埋
設用材料と、その製造方法とを提供することである。
における二次精錬において大量に発生する二次精錬スラ
グを改質することによって、3CaO・Al2O3 、12CaO・7Al
2O3、CaO・Al2O3 、5CaO・3Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO
・Al2O3 等のカルシウムアルミネートを1種類以上を含
む安定化剤を安価かつ大量に製造できるのでは、と考え
た。なお、製鋼工程で発生する二次精錬スラグの改質に
関連する技術は、従来より、多数提案されている。
207212号公報さらには同6−256836号公報には、転炉吹
錬終了時、転炉出鋼時若しくは脱ガス処理時に、二次精
錬スラグに対してAl滓やCaO 等のスラグ改質材を投入す
ることによってスラグ中のT.Feを低下させる技術が開示
されている。また、特開平4−88111 号公報、同6−33
0138号公報、同7−41824 号公報、同7−41820 号公
報、同5−222428号公報さらには同6−158136号公報に
は、転炉出鋼時または脱ガス処理時に二次精錬スラグに
対してAl滓やCaO 等の改質材を投入し、スラグ中のCaO/
Al2O3 比を重量%で0.5 〜2.2 に調整してスラグの低融
点化を図ることによって、スラグ中のAl2O3 吸収能を高
め、鋼の品質を向上させる技術が開示されている。さら
に、特開平6−108137号公報、同6−228626号公報さら
には同7−316637号公報には、転炉出鋼時または脱ガス
処理時に二次精錬スラグに対し、Al滓やCaO 等のスラグ
改質材を投入することによって、スラグ中のCaO/Al2O3/
SiO2比を重量%で0.25〜0.35、若しくはCaO/SiO2比を重
量%で3〜6とし、かつT.Fe+MnO を重量%で2%以下
とすることによって、溶鋼脱硫に最適なスラグ組成を得
る技術が開示されている。
れた従来の技術は、いずれも、様々な改質材を使用する
ことによって転炉吹錬後の二次精錬スラグを改質し、こ
れにより、溶鋼成分の向上 (低硫化、低燐化、低酸素化
等) および製品品質の向上を図ることを目的とする技術
である。そのため、これらの公報には、二次精錬スラグ
を改質することによって、3CaO・Al2O3、12CaO・7Al
2O3、CaO・Al2O3、5CaO・3Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO
・Al2O3等のカルシウムアルミネートを1種類以上を含
み、フッ素を含む製鋼スラグを安定化処理することがで
きる安定化剤を製造することは、全く開示されていな
い。
果、転炉や電気炉等の精錬炉による溶鋼の処理が行われ
た際に発生する二次精錬スラグを原料として用い、二次
精錬時に、この二次精錬スラグに改質処理を施すことに
よって、フッ素を含む製鋼スラグを確実に安定化処理す
ることができる安定化剤を、安価かつ大量に製造できる
ことを知見し、さらに検討を重ねて、本発明を完成し
た。
60%、Al2O3 :30〜55%、SiO2:10%以下、T.Fe:3%
以下を含有することを特徴とする二次精錬スラグであ
る。別の面からは、本発明は、精錬炉による溶鋼の処理
が行われた際に発生する二次精錬スラグに改質処理を行
うことによって、フッ素を含む製鋼スラグの安定化剤を
製造することを特徴とする安定化剤の製造方法である。
は、安定化剤が、カルシウムアルミネートを含むこ
と、安定化剤が、重量%で、CaO :45〜60%、Al
2O3 :30〜55%、SiO2:10%以下、T.Fe:3%以下を含
有することが、それぞれ例示される。の場合におい
て、カルシウムアルミネートは3CaO・Al2O3 、12CaO・7
Al2O3、CaO・Al2O3 、5CaO・3Al2O3、9CaO・5Al2O3およ
び2CaO・Al2O3 のうちの少なくとも1種である。
製造方法では、改質処理が、転炉や電気炉等の精錬炉か
らの出鋼時、不活性ガスの吹込みを用いた精錬装置や真
空脱ガス装置等の二次精錬設備を用いた処理時、および
鋳込み後の系外排出時のうちの少なくとも1つの時期に
行われることが、望ましい。
製鋼スラグに、上記の本発明にかかる安定化剤の製造方
法により製造された安定化剤の粉末を添加することによ
って、製鋼スラグに含まれるフッ素を捕捉することを特
徴とするフッ素を含む製鋼スラグの安定化処理方法であ
る。
グの安定化処理方法では、溶出するフッ素の処理基準値
が0.8mg/L である場合には、粉末の最大粒径が250μm
以下であることが、フッ素の安定化を確実に行うために
は、望ましい。
む製鋼スラグの安定化処理方法では、製鋼スラグが、製
鋼工程で発生する、溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、
電気炉スラグまたは二次精錬スラグであることが例示さ
れる。
む製鋼スラグの安定化処理方法では、製鋼スラグ100 重
量部に対して、安定化剤の粉末を5〜80重量部、より望
ましくは20〜80重量部添加することが、フッ素の安定化
を確実に行うとともに処理コストの上昇を抑制するため
に、望ましい。
む製鋼スラグの安定化処理方法では、製鋼スラグの安定
化処理が、フッ素を含む製鋼スラグと安定化剤の粉末と
を水の存在下で反応させることによって、行われること
が、例示される。
む製鋼スラグの安定化処理方法では、フッ素を含む製鋼
スラグと安定化剤の粉末との反応が、(i) 水の存在の下
で60℃以上に加温するか、またはオートクレーブ処理を
行って100 ℃以上に加温加圧すること、(ii)水の存在の
下でオートクレーブ処理または蒸気養生を行うことによ
り80℃以上に加温加圧することにより、行われること
が、フッ素の安定化を確実に行うために、望ましい。
含む製鋼スラグの安定化処理方法では、製鋼スラグの安
定化処理の際に、さらにセメントを安定化剤として用い
ることが、より望ましい。
含む製鋼スラグに、上記の本発明にかかる安定化剤の製
造方法により製造された安定化剤の粉末を添加してなる
ことを特徴とする土中埋設用材料である。
を含む製鋼スラグに、上記の本発明にかかる安定化剤の
製造方法により製造された安定化剤の粉末を添加するこ
とを特徴とする土中埋設用材料の製造方法である。
製造方法、フッ素を含む製鋼スラグの安定化処理方法、
土中埋設用材料およびその製造方法の実施の形態を、添
付図面を参照しながら、詳細に説明する。なお、以降の
説明では、特にことわりがない限り、「%」は「重量
%」を意味するものとする。また、以降の説明では、
「精錬炉」が転炉である場合を例にとるが、転炉以外に
例えば電気炉であっても、同様に適用することができ
る。
は、安定化剤として用いることができる二次精錬スラグ
の組成(以下、本明細書では「目標スラグ組成」とい
う。)を調査した。
−SiO2系スラグの3元系状態図である。本発明者らは、
転炉による溶鋼の処理が行われた際に発生する転炉スラ
グに対して改質処理を行うことによって、図1に示す3
元系状態図中の点A〜点Kに示す組成を有するスラグA
〜スラグKを得た。なお、スラグA〜スラグKそれぞれ
の組成は、表1にまとめて示す。
を回収してそれぞれの鉱物相を調査し、鉱物相中の3CaO
・Al2O3 、12CaO・7Al2O3、CaO・Al2O3 、5CaO・3Al
2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O3 等のカルシウムアル
ミネートの含有率を調査した。
3CaO・Al2O3 、12CaO・7Al2O3、CaO・Al2O3 、5CaO・3A
l2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O3 等のカルシウムアル
ミネートによる製鋼スラグからのフッ素溶出抑制効果を
確実に得るには、鉱物相中の3CaO・Al2O3 、12CaO・7Al
2O3、CaO・Al2O3 、5CaO・3Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO
・Al2O3 等のカルシウムアルミネートの含有率が、80%
以上であることが有効である。図2に示すグラフから、
鉱物相中に3CaO・Al2O3、12CaO・7Al2O3、CaO・Al2O3、
5CaO・3Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O3等のカルシ
ウムアルミネートを80%以上含有するためには、スラグ
C、D、E、GおよびHの組成、すなわち転炉スラグの
CaO 含有率が45〜60%、 Al2O3含有率が30〜55%、SiO2
含有率が10%以下であればよいことがわかる。
る3CaO・Al2O3 、12CaO・7Al2O3、CaO・Al2O3 、5CaO・
3Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O3 等のカルシウムア
ルミネートの含有率には影響を及ぼさない。しかしなが
ら、回収した後のスラグを安定化剤として用いた場合
に、T.Feが高過ぎると、そのフッ素溶出抑制効果に悪影
響を及ぼす可能性がある。そこで、図1に示す転炉スラ
グEのT.Feを0.2 〜19%の範囲で9水準で変動させ、フ
ッ素を含む製鋼スラグに安定化剤として添加し、平成3
年環境庁告示第46号で規定された溶出試験を行った。溶
出試験の結果を図3にグラフで示す。
あれば、6時間振盪後であっても、フッ素溶出濃度(mg/
L)は、指針値である0.8mg/L は下回ることができ、さら
にT.Feが3%以下であれば、指針値を大きく下回り全く
問題がないことがわかる。すなわち、転炉スラグを原料
とする安定化剤に含まれる3CaO・Al2O3 、12CaO・7Al2O
3、CaO・Al2O3 、5CaO・3Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・
Al2O3 等のカルシウムアルミネート以外の脈石成分(SiO
2)の含有量が10%よりも高いか、若しくはT.Feが3%よ
り高くなると、3CaO・Al2O3 、12CaO・7Al2O3、CaO・Al
2O3 、5CaO・3Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O3 等の
カルシウムアルミネートが有する、転炉スラグからのフ
ッ素の溶出抑制効果が低下する。
の目標スラグ組成の範囲を示す、T.Feが3.0 %以下の C
aO−Al2O3−SiO2系スラグの3元系状態図である。図1
〜図3に示す結果に基づき、安定化剤として用いる転炉
スラグの目標スラグ組成は、図4の3元系状態図におけ
る色付き部で囲まれた部分、すなわち、CaO :45〜60
%、Al2O3 :30〜55%、SiO2:10%以下、T.Fe:3%以
下とした。
まれた領域の組成を有し、高温で充分に混合された転炉
スラグには、その結晶相として、3CaO・Al2O3 、12CaO
・7Al2O3、CaO・Al2O3 、5CaO・3Al2O3、9CaO・5Al
2O3、2CaO・Al2O3 等のカルシウムアルミネートの結晶
相が、80%以上含まれる。
を原料とする安定化剤の目標スラグ組成を、 CaO:45〜
60%、 Al2O3:30〜55%、SiO2:10%以下、およびT.F
e:3%以下と決定した。かかる組成を有するスラグ
を、溶鋼温度下で充分に混合して溶製すれば、3CaO・Al
2O3、12CaO・7Al2O3、CaO・Al2O3、5CaO・3Al2O3、9CaO
・5Al2O3、2CaO・Al2O3等のカルシウムアルミネートを
含む結晶相を80%以上含み、製鋼スラグからのフッ素の
溶出抑制効果が高い安定化剤を製造することができる。
するには、転炉からの出鋼以降に、転炉スラグまたは取
鍋スラグの改質処理を行う必要がある。しかし、前述し
たように、従来の技術における改質処理では、フッ素を
含む製鋼スラグの安定化剤として最も効果が高い3CaO・
Al2O3、12CaO・7Al2O3、CaO・Al2O3、5CaO・3Al2O3、9C
aO・5Al2O3、2CaO・Al2O3等のカルシウムアルミネート
を80%以上含む結晶相を含むスラグを製造すること、つ
まり目標スラグ組成を有するスラグを溶製することはで
きない。
組成を有し、かつ3CaO・Al2O3 、12CaO・7Al2O3、CaO・
Al2O3 、5CaO・3Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O3 等
のカルシウムアルミネートを含む結晶相を80%以上含む
スラグを、転炉スラグを原料として製造するために、転
炉による溶鋼の処理が行われた後に、精錬炉 (転炉) 出
鋼時、二次精錬 (バブリング処理、脱ガス処理) 時およ
び系外排出時に、それぞれ、転炉スラグおよび取鍋スラ
グの改質処理を行う。そこで、以降の説明は、改質処理
を行う時期に分けて、本実施形態を経時的に説明する。
化剤の製造方法を模式的に示す説明図である。同図にお
いて、白矢印はスラグ成分またはスラグ量の分析、実測
または推定を行うことを示し、灰矢印はスラグに改質材
5を添加することによる改質処理を行うことを示す。
が完了し、転炉1が傾動されて、取鍋4への溶鋼2の注
入が行われている。転炉1内の溶鋼2の上部には、精錬
スラグである転炉スラグ3が形成されている。
スラグである取鍋スラグ3' は、転炉1から流出する転
炉スラグ3と、転炉1からの出鋼以降に添加された改質
材、および溶鋼2からの酸化物等の排出物との混合物で
ある。そこで、初めに、転炉スラグ3について説明す
る。
予備溶銑処理を行ってもよく、また行わなくともよい。
転炉スラグ3は、CaO 、Al2O3 、SiO2、MgO 、FeO 、Mn
O 等の金属酸化物によって構成されるが、これらの金属
酸化物のうちで CaOおよびAl2O3 は、いずれも、出鋼後
に行われる改質処理によって、目標値よりも少ない場合
には増加され、一方目標値よりも多い場合には他の酸化
物を増加することにより希釈され、いずれの場合にも目
標値に調整できるからである。
されるため、転炉スラグ3を構成する金属酸化物のうち
のSiO2の濃度は50%以下であることが望ましい。さら
に、転炉スラグ3のT.Feも、目標値よりも高くても、出
鋼後に行われる改質処理により目標値まで充分に低減で
きるため、限定を要さない。
量は、出鋼後に添加する改質材5の量を調整すればよい
ため、限定を要さない。しかし、転炉スラグ3の組成お
よび流出量は、いずれも、実測するか若しくは転炉1で
の処理内容に基づいて推定することによって、それぞれ
の値を把握しておくことが有効である。前述したよう
に、転炉1からの出鋼後に取鍋スラグ3'の組成を、狭
い範囲の目標スラグ組成に確実に制御するためである。
定した転炉1から流出する転炉スラグ3の組成および流
出量に基づいて、転炉1から流出する転炉スラグ3が目
標スラグ組成となるように、転炉1から流出する転炉ス
ラグ3に、CaO 、Al2O3 、金属AlおよびAl滓の少なくと
も1種を改質材5として添加する。
流に直接に添加してもよく、または取鍋4内に入れ置き
することにより添加してもよい。いずれの添加方法によ
っても、出鋼流が有する攪拌力によって、転炉スラグ3
が充分に攪拌され、成分が均一化されるからである。
することにより添加してもよいが、取鍋スラグ3' と改
質材5とが充分に混合されない場合には、後続して行わ
れる二次精錬処理(バブリング処理、脱ガス処理)時
に、取鍋4からの底吹き不活性ガス7の吹込み、若しく
は溶鋼2内へ上部より装入したランス6から不活性ガス
7の吹込みを行って、取鍋スラグ3' と改質材5とを充
分に混合することが望ましい。
鋼時に改質処理を行われて取鍋4に収容された取鍋スラ
グ3' の組成を分析するとともに、取鍋スラグ3' の量
を、スラグ厚みなどから推定するか、または実測する。
が、目標スラグ組成の範囲内であれば、その後の二次精
錬処理(バブリング処理、脱ガス処理)以降では改質処
理は行わず、通常通りの二次精錬処理を行ってから鋳込
みと系外排出とを行い、得られた二次精錬スラグ3''
を、安定化剤として再利用する。
が、目標スラグ組成の範囲外であれば、後述する二次精
錬処理(バブリング処理、脱ガス処理)以降で改質処理
を1回以上行い、目標スラグ組成の二次精錬スラグ3''
を得る。
の出鋼時若しくは出鋼後に、転炉スラグ3に改質材5を
投入し、取鍋4に収容された取鍋スラグ3' の CaO、Al
2O3およびT.Feそれぞれの量を目標値に近づける。
ようにして、取鍋4に収容された取鍋スラグ3' に対し
て、二次精錬処理が行われる。二次精錬処理は、取鍋4
からの底吹き不活性ガス7の吹込み、若しくは溶鋼2内
へ上部より装入したランス6から不活性ガス7の吹込み
を用いた精錬装置(以下、「バブリング装置」とい
う。)8と、RH、DH等の真空脱ガス装置9とのうち
の少なくとも一つを用いて、行われる。そこで、以降の
説明では、バブリング装置8と真空脱ガス装置9との2
種類に分けて説明する。
よっても、取鍋スラグ3' の成分が目標スラグ組成から
外れた場合、バブリング装置8を用いて改質処理を再度
行い、取鍋スラグ3' の成分を目標スラグ組成に近づけ
るべく、制御する。
鍋スラグ3' の分析値若しくは推定値等により、取鍋ス
ラグ3' 中の CaO濃度が目標値よりも高いか、または取
鍋スラグ3' 中の Al2O3濃度が目標値よりも低いことが
判明した場合には、以下に列記する2手段の一方または
双方を用いる。
ラグ3' に金属AlやAl滓等を改質材として添加し、かつ
上吹きランス6' 等から酸素ガスを吹き込むことによっ
てAlを燃焼させる。これにより、前述した取鍋出鋼時に
おける取鍋スラグ3' の分析値若しくは推定値から計算
した不足分の Al2O3量を取鍋スラグ3' に生成させ、目
標スラグ組成になるように調整する。
ラグ3' にAl2O3 およびAl滓の1種類以上を改質材とし
て添加する。これにより、前述した取鍋出鋼時における
取鍋スラグ3' の分析値若しくは推定値から計算した不
足分の Al2O3量を取鍋スラグ3' に投入して取鍋スラグ
3' 中のAl2O3濃度を上昇させて、CaO 濃度を下げるこ
とによって、目標スラグ組成になるように調整する。
ラグ3' の分析値若しくは推定値等により、取鍋スラグ
3' 中のCaO濃度が目標値よりも低いか、またはAl2O3濃
度が目標値よりも高いことが判明した場合には、前述し
た取鍋出鋼時における取鍋スラグ3' の分析値若しくは
推定値から計算した不足分のCaOを改質材5として、バ
ブリング装置8に収容された取鍋スラグ3' に投入す
る。
ラグ3' の分析値若しくは推定値等により、取鍋スラグ
3' 中のSiO2濃度が目標値よりも高い場合には、SiO2濃
度が目標値以下となるように、前述した取鍋出鋼時にお
ける取鍋スラグ3' の分析値若しくは推定値から計算し
たAl2O3 、CaO量になるまでCaO 、Al2O3 、金属Alおよ
びAl滓の少なくとも1種を改質材5として、バブリング
装置8に収容された取鍋スラグ3' に添加することによ
り、取鍋スラグ3' のSiO2の希釈処理を行う。
りも高い場合には、前述した取鍋出鋼時における取鍋ス
ラグ3' の分析値若しくは推定値から計算したT.Feに見
合う金属AlおよびAl滓の少なくとも1種を改質材5とし
て取鍋スラグ3’に添加してスラグ攪拌処理を行うこと
によってAlによりT.Feを還元し、バブリング装置8に収
容された取鍋スラグ3' のT.Feを目標値以下にする。
T.Feを還元したAlがAl2O3 となってスラグのAl2O3濃度
を上昇させるため、Al2O3濃度の上昇を相殺できるだけ
のCaO を投入して、目標スラグ組成に調整することが有
効である。
は、取鍋スラグ3’を充分に攪拌することができるた
め、処理後の取鍋スラグ3’を充分に混合することがで
き、図4に示す目標スラグ組成に容易に制御することが
できる。
装置8を用いて、取鍋4からの底吹き不活性ガス7の吹
込み、若しくは溶鋼2内へ上部より装入したランス6か
ら不活性ガス7の吹込みを用いたスラグ攪拌を行い、T.
Feを還元するなどのスラグ成分調整を行い、この際に、
スラグ分析実績、若しくは予測値などにより取鍋スラグ
3’中のCaO濃度が高いことが判明した場合には、上吹
きランス6’からの酸素によりAlを燃焼させてAl2O3を
生成することにより目標スラグ組成に調整し、また取鍋
スラグ3’中のCaO 濃度が低いことが判明した場合に
は、CaOを投入して、目標スラグ組成に調整する。
態では、取鍋4に収容された取鍋スラグ3' 、またはバ
ブリング装置8による改質処理を行われた取鍋スラグ
3' に対して、真空脱ガス装置9による脱ガス処理を行
う。なお、図5では、真空脱ガス装置9がRH脱ガス処
理装置である場合を例にとるが、RH脱ガス処理装置に
限定されるものではなく、例えばDH脱ガス処理装置等
のRH脱ガス処理装置以外の真空脱ガス装置であっても
よい。
ける取鍋4に収容された取鍋スラグ3’の分析実績、若
しくは予測値などにより、取鍋スラグ3’中のCaO濃度
が目標値よりも高いか、またはAl2O3濃度が目標値より
も低いことが判明した場合には、以下に列記する2手段
の一方または双方を用いる。
5として、真空脱ガス装置9の真空槽9a内に添加し、か
つ上吹きランスや羽口(いずれも図示しない。)等から
酸素ガスを吹き込むことによってAlを燃焼させ、真空脱
ガス装置9の処理前に行った分析、実測若しくは推定し
た組成および量から計算した不足分のAl2O3量を生成
し、目標の組成になるように調整を行う。
を改質材5として真空槽9a内に添加することにより、真
空脱ガス装置9の処理前に行った分析、実測若しくは推
定した組成および量から計算した不足分のAl2O3量にな
るまで、取鍋スラグ3’中のAl2O3 濃度を上昇させて、
CaO濃度を下げる。
値よりも低いか、若しくはAl2O3濃度が目標値よりも高
いことが判明した場合には、真空脱ガス装置9による処
理前に行った分析、実測若しくは推定した組成および量
から計算した不足分のCaOを改質材5として、真空槽9a
内に投入する。
値よりも高い場合には、SiO2濃度が目標値以下になるよ
うに、真空脱ガス装置9による処理前に行った分析、実
測若しくは推定した組成および量から計算した Al2O
3量、 CaO量になるまで、CaO 、Al2O3 、金属AlおよびA
l滓の1種以上を改質材5として真空槽9a内に添加し、
希釈処理を行う。
よりも高い場合には、真空脱ガス装置9による処理前に
行った分析、実測若しくは推定した組成および量から計
算したT.Feに見合う金属AlおよびAl滓の1種以上を改質
材5として、真空槽9a内に添加してAlによりT.Feを還元
する。ただし、このT.Fe低減処理を行うと、T.Feを還元
したAlがAl2O3 となって取鍋スラグ3’中のAl2O3濃度
が上昇するため、これに見合うだけのCaOを投入するこ
とが有効である。
これらの改質処理の際に、取鍋スラグ3’を充分に混合
することができないと、取鍋スラグ3’の組成を目標ス
ラグ組成とすることができたとしても、取鍋スラグ3’
の部位により組成が変動してしまい、目的とする3CaO・
Al2O3、12CaO・7Al2O3、CaO・Al2O3、5CaO・3Al2O3、9C
aO・5Al2O3、2CaO・Al2O3等のカルシウムアルミネート
を1種類以上を80%以上含む結晶相がスラグの一部でし
か生成しないことがある。
ある場合には、取鍋スラグ3’が真空槽9a内に吸い上げ
られて充分に攪拌されるために、問題はない。しかし、
真空脱ガス装置9がRH脱ガス処理装置である場合に
は、取鍋スラグ3’の吸上げ量が非常に小さいためにス
ラグ攪拌が少なく、スラグ組成に大きな変動を生じ易
い。さらに、改質処理の中でも、特にT.Fe還元処理は反
応効率が悪く、充分な還元効果を得難い。
理装置である場合には、RH脱ガス処理前までに取鍋ス
ラグ3’が目標スラグ組成となっているときは問題ない
が、取鍋スラグ3’が目標スラグ組成から外れていると
きには、RH脱ガス処理により目標スラグ組成に調整で
きても、系外排出により回収された二次精錬スラグ3''
の結晶相に、目的とする3CaO・Al2O3、12CaO・7Al2O3、
CaO・Al2O3、5CaO・3Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O3
等のカルシウムアルミネートが一部でしか生成しないお
それがある。
に、さらに改質処理を行って、二次精錬スラグ3''と改
質材5とを充分に混合し、かつT.Feを還元するなどの改
質処理を行うか、若しくは、再度バブリング装置8を用
いて改質処理を行うことが有効である。
ガス処理時には、バブリング装置8を用いた改質処理と
同様に、真空脱ガス処理前に取鍋スラグ3' の成分およ
び量を分析若しくは推定し、取鍋スラグ3' 中のCaO 濃
度が高いことが判明した場合には、上吹きランスまたは
羽口(図示しない。)からの酸素ガスによりAlを燃焼さ
せてAl2O3 を生成するか、若しくは溶鋼2中へAl2O3 を
投入して目標スラグ組成に調整する。
ことが判明した場合には、溶鋼2中へCaO を投入して、
目標スラグ組成に調整する。このようにして、二次精錬
終了までの間に、取鍋スラグ3’を目標スラグ組成へと
調整する。以上の、二次精錬におけるバブリング装置
8、真空脱ガス装置9を用いた改質処理は、片方若しく
は両方行ってもよく、またどちらを先に行ってもよい。
シュ10の上方へ移動し、タンディッシュ10を介して溶鋼
2を連続鋳造鋳型11に鋳込む。溶鋼2を鋳込んだ後、取
鍋4に残存した取鍋スラグ3’を、例えばスラグ壺12等
へ排出し、二次精錬スラグ3''を回収する。
理を行う。系外排出時における改質処理は、前述した精
錬炉出鋼時、および二次精錬時 (バブリング時および脱
ガス処理時) のそれぞれにおける改質処理を行った後に
おいて、鋳込み前の取鍋スラグ3' の組成が分析または
推定によって目標スラグ組成から外れている場合や、取
鍋スラグ3' の組成に部分的なばらつきがあって充分に
混合されていないことが判明した場合等に、行われる。
らスラグ壺12などへ取鍋スラグ3’を排出する際に、予
め実測若しくは推定した鋳込み後の取鍋スラグ3’の組
成および量に対して、目標スラグ組成となるように、Ca
O 、Al2O3 、金属Al、Al滓および炭材の1種以上の粉末
を、改質材5として添加する。炭材は、取鍋スラグ3’
中のT.Fe還元用の改質材である。
壺12への排出スラグ流に合わせて添加してもよく、また
スラグ壺12内に入れ置きしてもよい。どちらの方法によ
っても、排出スラグ流の攪拌力によって充分にスラグが
攪拌され、均一な成分となるからである。また、取鍋ス
ラグ3’中のT.Feを下げるために添加する炭材の粉末
は、これらの方法以外に、スラグ壺12に収容された二次
精錬スラグ3''の内部へ装入したランス13から、不活性
ガスやCO2 等のキャリアガスとともに吹き込んでもよ
い。
上置きした場合には、二次精錬スラグ3''と改質材5と
が充分に混合されないため、二次精錬スラグ3''の内部
へ装入したランス13からの不活性ガスやCO2 等を吹込ん
だり、または耐火物などを用いた機械式攪拌などを行っ
て、二次精錬スラグ3''と改質材5とを充分に混合する
ことが有効である。
融体であるが、取鍋スラグ3’の排出時に処理等に時間
がかかって二次精錬スラグ3''の温度が低下した場合に
は、LPG 等の燃料バーナ14や電気式の加熱装置 (図示し
ない。) を用いて、二次精錬スラグ3''の加熱処理を行
ってもよい。
される取鍋スラグ3' の組成の分析実績、若しくは予測
値などから、この取鍋スラグ3' の成分が、目標スラグ
組成から外れた場合には、スラグ壺12への取鍋スラグ
3' の系外排出時に、再度、スラグ成分を調整する。
排出する際に、CaO 、Al2O3 、金属Al、Al滓および炭材
のうちの1種以上を含む改質材5を投入する、 ランス13を用いて、スラグ壺12に収容された二次精錬
スラグ3''中に炭材を吹込む、 ランス13より、不活性ガスを吹込み、攪拌する等の手
段によってT.Feを低減する等の方法により、最終的に回
収される二次精錬スラグ3''の組成を、目標スラグ組成
とする。
うことにより、精錬炉出鋼時、および二次精錬時のそれ
ぞれにおける改質処理を行われても、組成が不均一であ
ったり、目標スラグ組成から外れた取鍋スラグ3' につ
いても、均一で目標スラグ組成を有する二次精錬スラグ
3''とすることができる。
次精錬時および系外排出時の3時期に、転炉スラグ3お
よび取鍋スラグ3' の改質処理を行っているが、目標ス
ラグ組成を得ることができれば、これら3時期のうちの
少なくとも1時期に改質処理を行うこととしてもよい。
スラグ3''を回収し、フッ素を含む製鋼スラグの安定化
剤として再利用する。図6は、本実施形態の安定化処理
方法により、塊状の製鋼スラグ21a 〜21d に安定化処理
を施す状況を模式的に示す説明図である。
グ3''を原料とする粉末22を安定化剤として用い、フッ
素を含む製鋼スラグ21a 〜21d の安定化処理を行ってい
る。また、図7は、本実施形態の安定化処理方法によ
り、粉状の二次精錬スラグ21d'に安定化処理を施す状況
を模式的に示す説明図である。
グ3''を原料とする粉末22を安定化剤として用い、フッ
素を含む粉状の二次精錬スラグ21d'に安定化処理を行っ
ている。そこで、以降の説明では、製鋼スラグ21、安定
化剤22、製鋼スラグ21の安定化処理およびその作用につ
いて、順次説明する。
精錬スラグ3''を原料とする粉末22を安定化剤として安
定化処理を行われる製鋼スラグ21は、図6に示すフッ
素を含む溶銑予備処理スラグ21a 、フッ素を含む転炉
スラグ21b 、フッ素を含む電気炉スラグ21c 、さらに
は真空精錬法、取鍋精錬法または簡易取鍋精錬法等の
二次精錬(炉外精錬)を行った際に生成されるフッ素を
含む二次精錬スラグ (塊状)21dと、図7に示すフッ素
を含む二次精錬スラグ (粉状)21d' の5種である。
る製鋼工程の形態は、何ら限定を要さない。すなわち、
溶銑予備処理スラグ21a は、例えばトーピード、溶銑
鍋または転炉において生成されるもののいずれでもよ
く、転炉スラグ21b は、上吹き操業、底吹き操業また
は上下吹き操業等により生成されるもののいずれでもよ
く、電気炉スラグ21c は、高周波加熱またはアーク加
熱により生成されるもののいずれでもよく、さらには
二次精錬スラグ21d 、21d'は、真空精錬法、取鍋精錬法
または簡易取鍋精錬法等のいずれの二次精錬(炉外精
錬)を行った際に生成されるものでもよい。なお、本発
明における「製鋼スラグ」には、これらのスラグだけで
なくて、これらの操業の際に生じるフッ素を含むダスト
も包含される。
主に、塊状である。しかし、一部の二次精錬スラグで
は、スラグ中のP2O5濃度が低いことに起因して冷却時に
相変態を起こし、粉状の二次精錬スラグ21d'となる。
ら、例えば操業法や溶鋼組成等の各種要因により、変動
する。しかし、溶銑予備処理スラグ21a 、転炉スラグ21
b 、電気炉スラグ21c 、二次精錬スラグ (塊状)21dおよ
び二次精錬スラグ (粉状)21d'のいずれもが、フッ素を
含んでいる。例えば、溶銑予備処理スラグ21a は0.1 〜
7.1 %のフッ素を、転炉スラグ21b は0.2 〜3.5 %のフ
ッ素を、電気炉スラグ21c は1.0 〜8.9 %のフッ素を、
さらに二次精錬スラグ21d および21d'は0.1 〜5.7 %の
フッ素を、それぞれ含有する。
は、製鋼スラグ21a 〜21d'中において、例えばCaF2、Ca
5F(PO4)3、3CaO・2SiO2・CaF2、 (2CaO・SiO2)2・Ca
F2、 (3CaO・SiO2)3または 11CaO・7Al2O3・CaF2等とし
て存在する。これらの鉱物相のうちのいずれの鉱物相が
存在するかは、スラグ組成、操業法さらにはスラグ冷却
条件といった各種要因により、変動する。また、2CaO・
SiO2、3CaO・SiO2、2CaO・SiO2・Al2O3 または2CaO・Ti
O2の各鉱物相中には0.5 〜12%のフッ素が含まれる。
に収容された二次精錬スラグ3''の粉末を、製鋼スラグ
21の安定化剤として用いる。前述したように、この安定
化剤は、3CaO・Al2O3、12CaO・7Al2O3、CaO・Al2O3、5C
aO・3Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O3、若しくはこ
れらの混合物、またはこれらの水和物の結晶相を含んで
いる。
3 、5CaO・3Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O3 等の水
和物としては、 CaO・Al2O3・8.5H2O、 CaO・Al2O3・10
H2O 、4CaO・3Al2O3・3H2O、2CaO・Al2O3・6H2O、2CaO
・Al2O3・8H2O、3CaO・Al2O3・6H2O、3CaO・Al2O3・xH2
O(x=8〜12) 、4CaO・Al2O3・13H2O 、α−4CaO・Al2O
3・19H2O 、3CaO・Al2O3・Ca(OH)2・18H2O 、4CaO・Al2
O3・xH2O、3CaO・Al2O3・3Ca(OH)2・32H2O 等がある。
3、5CaO・3Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O3 、若し
くはこれらの混合物、またはこれらの水和物のいずれに
よっても、製鋼スラグ21に含まれるフッ素を、容易かつ
確実に固定することができる。
準値が0.8mg/L 以下である場合には、安定化剤である二
次精錬スラグ3''の粉末22の平均粒径が250 μmを超え
ると、水在下において、これらの粉末22と製鋼スラグ21
から溶出したフッ素との反応界面積が減少し、製鋼スラ
グ21からのフッ素溶出量より粉末22へのフッ素吸着量が
少なくなり、製鋼スラグ21に含まれるフッ素の固定化が
不十分になるおそれがある。また、水存在下において、
粉末22からのカルシウムおよびアルミニウムの溶出速度
が小さくなり、製鋼スラグ21から溶出したフッ素との反
応による固定化が不十分になるおそれがある。
8mg/L 以下である場合には、安定化剤である二次精錬ス
ラグ3''の粉末22の平均粒径は250 μm以下であること
が望ましい。同様の観点から、二次精錬スラグ3''の粉
末22の平均粒径は150 μm以下であることがより望まし
い。このような観点からは、二次精錬スラグ3''の粉末
22の平均粒径の下限は限定を要さないが、10μm未満の
平均粒径であると、粉末22の取り扱いが面倒になるため
10μm以上であることが望ましい。
の粉末22の添加量が少な過ぎると、水存在下において、
これらの粉末22と製鋼スラグ21から溶出したフッ素との
反応界面積が十分でないために、製鋼スラグ21からのフ
ッ素溶出量より粉末22へのフッ素吸着量が少なくなり、
フッ素の固定化が不十分になるおそれがある。また、水
存在下において、二次精錬スラグ3''の粉末22からのカ
ルシウムおよびアルミニウムの溶出量が少なくなり、製
鋼スラグ21から溶出したフッ素との反応による固定化が
不十分になるおそれがある。これらの傾向は、フッ素濃
度の高い製鋼スラグ21では、特に顕著である。一方、粉
末22の添加量が多過ぎると、フッ素の安定化効果が飽和
するとともに、コスト高となって減容化を阻害する。
ラグ21b 、電気炉スラグ21c 、または、二次精錬スラグ
21d(塊状) および二次精錬スラグ21d' (塊状) の安定化
処理を行う際には、フッ素を含む製鋼スラグ100 重量部
に対して、安定化剤である二次精錬スラグ3''の粉末22
を5〜80重量部、より好適には20〜80重量部添加するこ
とが望ましい。
理]図6に示すように、本実施形態では、上述した二次
精錬スラグ3''の粉末22を用い、溶銑予備処理スラグ21
a 、転炉スラグ21b 、電気炉スラグ21c または二次精錬
スラグ21d の安定化処理を行う。
グ21a 、転炉スラグ21b 、電気炉スラグ21c または二次
精錬スラグ21d の安定化処理は、これらの製鋼スラグ21
a 〜21d に二次精錬スラグ3''の粉末22を適量添加した
後、混合機械23を用いて十分混合することにより、これ
らの製鋼スラグ21a 〜21d から溶出したフッ素を固定化
して、安定化処理品である土中埋設用材料25を得る処理
である。
ラグ3''の粉末22との混合の際には、水を適量添加し、
60℃以上に加温することにより、製鋼スラグ21中のフッ
素の固定化が促進される。この際、オートクレーブ24を
用いて100 ℃以上に加温加圧することが、製鋼スラグ21
中のフッ素の固定化を促進させるためには、より望まし
い。
3''の粉末22を適量添加し、混合機械23を用いて十分混
合した後、水を適量添加してから、オートクレーブまた
は蒸気養生装置24により80℃以上に加温加圧して、製鋼
スラグ21中のフッ素を固定化して、安定化処理品である
土中埋設用材料25を得ることとしてもよい。
に示すように、本実施形態では、上述した粉末22を用
い、粉状の二次精錬スラグ21d'の安定化処理を行う。
d'の安定化処理は、二次精錬スラグ21d'と粉末22とに水
を適量添加した後、例えば混練機や造粒機あるいは混練
および造粒の二つの機能を併せ持つ機械26等を用いて、
粉状二次精錬スラグ21d'と粉末22を混練して所望の形状
(例えば円柱状) の造粒物である土中埋設用材料27’と
する処理である。
により、二次精錬スラグ21d'中のフッ素の固定化が促進
される。この際、オートクレーブ24を用いて100 ℃以上
に加温加圧することが、二次精錬スラグ21d'中のフッ素
の固定化を促進させるためには、より望ましい。
は蒸気養生装置24によりオートクレーブ処理または蒸気
養生を行うことにより、80℃以上に加温加圧して、二次
精錬スラグ21d'中のフッ素を固定化してもよい。
21d'および粉末22と共存させる水は、本発明では、転動
造粒、攪拌造粒等により凝集造粒現象を生じさせて造粒
物27を形成するために用いられる。そのため、土中埋設
用材料である造粒物27’に求める強度や硬度等に応じ
て、水とともに適当な溶媒を用いてもよい。このような
溶媒としては、例えば、デキストリン、リグニン等を例
示することができる。
により、図6に示す溶銑予備処理スラグ21a 、転炉スラ
グ21b 、電気炉スラグ21c 、二次精錬スラグ (塊状)21
d、および図7に示す二次精錬スラグ (粉状)21d' にそ
れぞれ含まれるフッ素が固定化される機構を説明する。
釈した溶液を攪拌しながら、高温焼成によって合成した
3CaO・Al2O3 、12CaO・7Al2O3、CaO・Al2O3 、5CaO・3A
l2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O3 等のカルシウムアル
ミネートの小塊を浸漬して3〜12時間反応させ、反応後
の3CaO・Al2O3 、12CaO・7Al2O3、CaO・Al2O3 、5CaO・
3Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O3 等のカルシウムア
ルミネートの小塊表面の鉱物相をX線マイクロアナライ
ザにより同定した。また、フッ化水素酸を蒸留水で希釈
した溶液に、高温焼成によって合成した3CaO・Al2O3、1
2CaO・7Al2O3、CaO・Al2O3、5CaO・3Al2O3、9CaO・5Al2
O3、2CaO・Al2O3等のカルシウムアルミネートの粉末を
添加し、3〜12時間攪拌して、反応後の粉末について、
その鉱物相をX線回折法により同定した。
CaO・Al2O3、5CaO・3Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O
3等のカルシウムアルミネートの粉末の場合にはCaAl2(O
H)8-xFx 、Ca3Al2(OH)8-xFx・yH2O、Ca2Al(OH)7-xFx・3
H2O、3CaO・Al2O3・Ca(OH)2-xFx・18H2O 、CaAl(OH)5-x
Fx・H2O 、Ca3Al2(OH)12-xFx 、Ca3Al2(OH)2F10・H2O
が存在することが認められた。
Al2O3、CaO・Al2O3、5CaO・3Al2O3、9CaO・5Al2O3、2Ca
O・Al2O3 等のカルシウムアルミネートの結晶相を含む
粉末により、製鋼スラグ中のフッ素が固定化されること
は、下記の反応機構により説明される。例えば、 CaO・
Al2O3 粉末が水共存下でフッ素イオンと反応してCaAl
2(OH)8-xFx が生成する場合、 pH に応じて、CaO・Al2O
3 粉末からカルシウムおよびアルミニウムが溶出してイ
オンとなる反応(式または' 式)と、カルシウムイ
オンおよびアルミニウムイオンがフッ素イオンと反応し
てCaAl2(OH)8-xFx が生成する反応(式または'
式)とが進行する。
反応して3CaO・Al2O3・Ca(OH)2-xFx・18H2O が生成する
場合、 12CaO・7Al2O3粉末からカルシウムおよびアルミ
ニウムが溶出してイオンとなる反応(式または'
式)と、カルシウムイオンおよびアルミニウムイオンが
フッ素イオンと反応して3CaO・Al2O3・Ca(OH)2-xFx・18
H2O が生成する反応(式または' 式)とが進行す
る。
・7Al2O3、CaO・Al2O3、5CaO・3Al2O3、9CaO・5Al2O3、
2CaO・Al2O3等のカルシウムアルミネートの結晶相を80
%以上含む粉末22により、製鋼スラグ中のフッ素が捕捉
されて、フッ素が固定化される。すなわち、3CaO・Al2O
3、12CaO・7Al2O3、CaO・Al2O3、5CaO・3Al2O3、9CaO・
5Al2O3、2CaO・Al2O3等のカルシウムアルミネートを1
種類以上含む粉末22を、安定化剤として用いることによ
り、溶銑予備処理スラグ21a 、転炉スラグ21b 、電気炉
スラグ21c 、二次精錬スラグ (塊状)21dおよび二次精錬
スラグ (粉状)21d' の安定化処理が行われる。
処理に際しては、セメント28を粉末22とともに固定剤と
して複合添加することが望ましい。セメント28を粉末22
とともに複合添加することにより、造粒物27の周囲に、
セメント28の緻密組織を生成することができ、固定化処
理をさらに完全なものとすることができる。
SiO2、3CaO・SiO2、2CaO・Al2O3・SiO2相とともに、3Ca
O・Al2O3相が8〜11%含まれている。このことから、セ
メントを添加することにより、製鋼スラグの周囲にセメ
ントの緻密組織が生成しフッ素が溶出し難くなる効果、
またはフッ素固定相の周囲にセメントの緻密組織が生成
してフッ素固定相の再溶解が起こらなくなる効果の他
に、セメント中の3CaO・Al2O3 相によるフッ素の固定化
が起こる。しかし、セメントを過度に添加すると、土中
埋設用材料が強く固化し、土中埋設用材料の掘り起こし
を困難にするとともにコストの上昇をもたらす。これら
のことから、セメントによってもフッ素の固定化は可能
であるものの、セメントの使用量は制限される。
るためには、ブレーン比表面積値が1000cm2/g 以上の微
粒子セメント (例えばポルトランドセメント) を、粉末
22の30重量%以下添加することが望ましい。
ある安定化処理品は、いずれも、水質および地下水環境
基準値である「フッ素溶出量:0.8 mg/L以下」を十分に
満足するため、路盤材や埋め戻し材等として土木現場に
おいて、環境汚染を防止しながら有効に利用することが
できる。
備処理スラグ21a 、転炉スラグ21b、電気炉スラグ21c
または二次精錬スラグ (塊状)21dおよび二次精錬スラグ
(粉状)21d' といった、フッ素を含む製鋼スラグを、確
実に安定化処理することができる。
3CaO・Al2O3、12CaO・7Al2O3、CaO・Al2O3、5CaO・3Al2
O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O3等のカルシウムアルミ
ネートの結晶相を含む二次精錬スラグ3''の粉末22は、
製鋼スラグ21に含まれるフッ素と効果的に反応するた
め、その使用量の増加も可及的に抑制される。このた
め、この面からも、処理コストの低減が可能となる。
方法を用いることにより、溶銑予備処理スラグ21a 、転
炉スラグ21b 、電気炉スラグ21c または二次精錬スラグ
(塊状)21dおよび二次精錬スラグ (粉状)21d' といっ
た、フッ素を含む製鋼スラグを安定化処理するに際し、
製鋼スラグ21に添加する3CaO・Al2O3 、12CaO・7Al
2O3、CaO・Al2O3 、5CaO・3Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO
・Al2O3 等のカルシウムアルミネートを1種類以上の結
晶相を含む二次精錬スラグ3''の粉末22からなる安定化
剤を、転炉1による処理を行われた後に発生する転炉ス
ラグ3を原料として、安価にかつ大量に製造することが
できる。
は、転炉1による溶鋼の処理が行われた際に発生する転
炉スラグ3 (廃棄スラグ) を再利用するものであるた
め、原材料費用が少なく、かつ転炉スラグ3は大量に発
生するものであることから大量に製造することができ
る。このため、本実施形態の安定化剤の製造方法は、工
業的規模で真に実用化できるものである。
取鍋スラグ3' はいずれも高温融体であるため、例えば
ロータリーキルン等を使って加熱処理を行う必要性が殆
どなく、3CaO・Al2O3 、12CaO・7Al2O3、CaO・Al2O3 、
5CaO・3Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O3 等のカルシ
ウムアルミネートを1種類以上含む結晶相を含む二次精
錬スラグ3''の粉末22を、低エネルギコストで製造する
ことができる。このため、安定化剤の製造コストを大幅
に低減することができる。
り詳細に説明する。なお、以降の各実施例の説明では、
溶出するフッ素の処理基準値を0.8mg/L 以下に設定した
場合を、例にとる。
ラグ3を原料として改質処理を行い、フッ素を含む製鋼
スラグの安定化剤となる二次精錬スラグ3''を製造し
た。
行う前の転炉スラグ3の組成と、転炉1から取鍋4への
流出量とを示す。なお、表2におけるスラグ1〜スラグ
3は、いずれも、溶銑予備処理を行った後に転炉1を用
いて脱炭処理を行った後に得られたスラグであり、スラ
グ4〜スラグ7は、いずれも、溶銑予備処理を行わずに
転炉1を用いて脱炭処理を行った後に得られたスラグで
ある。
て、表3に示す時期 (出鋼時、バブリング処理時、脱ガ
ス処理時、系外排出時) に、表4に示す組成を有する改
質材を添加することによる改質処理を行った。
出鋼後、バブリング後、脱ガス後、系外排出後における
スラグ組成を測定した。測定結果を表5にまとめて示
す。
用いた改質処理を表3に示す時期に行うことにより、系
外排出後に得られた二次精錬スラグ3''の組成を、いず
れも、目標スラグ組成の範囲に制御することができたこ
とがわかる。
予備処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグおよび二次
精錬スラグの化学組成を表6にそれぞれ示す。
庁告示第46号で規定された溶出試験を行った。フッ素の
溶出量と、水質および地下水環境基準値とを表7に対比
して示す。
グ、転炉スラグ、電気炉スラグ、二次精錬スラグ (塊
状) および二次精錬スラグ (粉状) のいずれも、フッ素
の溶出量が水質および地下水環境基準値を大幅に超える
ため、フッ素の固定化処理を行う必要があることが明ら
かであった。
スラグのうちで溶銑予備処理スラグ100 重量部に対し
て、粒度 (最大粒径) が250μm以下150μm超、150μ
m以下100μm超、100μm以下32μm超、または32μm
以下の4水準の、実施例1において系外排出後に得られ
た二次精錬スラグ3''の粉末22を、50重量部添加し、水
の存在の下で反応させた。
告示第46号で規定された溶出試験を行った。溶出液中の
フッ素濃度と3CaO・Al2O3、12CaO・7Al2O3、CaO・Al
2O3、5CaO・3Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O3等のカ
ルシウムアルミネートを1種類以上含む安定化剤の粒度
との関係を図8にグラフで示す。
3''の粉末22の粒度が250μm以下であれば、溶出液中
のフッ素濃度は、水質および地下水環境基準値である0.
8 mg/Lを下回ることがわかる。なお、フッ素の処理基準
値が例えば2.4mg/L である場合には、スラグ粒度が例え
ば400μm程度であっても、この処理基準値を満足する
ことができる。
理スラグ100 重量部に対して、転炉による溶鋼の処理が
行われた際に発生する2次精錬スラグに改質処理を行う
ことによって得られた、3CaO・Al2O3、12CaO・7Al2O3、
CaO・Al2O3、5CaO・3Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O
3等のカルシウムアルミネートを1種類以上の結晶相を
含む粒度250 μm以下の粉末を5〜100 重量部添加し、
水の存在の下で反応させた。
告示第46号で規定された溶出試験を行った。この粉末の
重量/溶銑予備処理スラグ重量の比と、溶出液中のフッ
素濃度との関係を図9にグラフで示す。
2O3、12CaO・7Al2O3、CaO・Al2O3、5CaO・3Al2O3、9CaO
・5Al2O3、2CaO・Al2O3等のカルシウムアルミネートを
1種類以上含む粉末の重量/溶銑予備処理スラグ重量の
比が0.05を下回ると、溶出液中のフッ素濃度は、水質お
よび地下水環境基準値である0.8 mg/Lを上回ることがわ
かる。これにより、溶銑予備処理スラグ100 重量部に対
して、3CaO・Al2O3、12CaO・7Al2O3、CaO・Al2O3、5CaO
・3Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O3等のカルシウム
アルミネートを1種類以上の結晶相を含む粉末が5重量
部以上であれば、溶出液中のフッ素濃度は、水質および
地下水環境基準値を下回ることがわかる。また、3CaO・
Al2O3、12CaO・7Al2O3、CaO・Al2O3、5CaO・3Al2O3、9C
aO・5Al2O3、2CaO・Al2O3等のカルシウムアルミネート
を1種類以上の結晶相を含む粉末の重量/溶銑予備処理
スラグ重量の比が0.8 を超えると、フッ素溶出の抑制効
果が飽和し、処理コスト増となることがわかる。したが
って、溶銑予備処理スラグ100 重量部に対して3CaO・Al
2O3、12CaO・7Al2O3、CaO・Al2O3、5CaO・3Al2O3、9CaO
・5Al2O3、2CaO・Al2O3等のカルシウムアルミネートを
1種類以上含む粉末を5〜80重量部添加することが望ま
しいことがわかる。
L である場合には、例えば、3CaO・Al2O3、12CaO・7Al2
O3、CaO・Al2O3、5CaO・3Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・
Al2O3等のカルシウムアルミネートを1種類以上含む粉
末の重量/溶銑予備処理スラグ重量の比が0.05を下回っ
ても、この処理基準値を満足することができる。
理スラグ100 重量部に対して、転炉による溶鋼の処理が
行われた際に発生した二次精錬スラグに改質処理を行う
ことによって得られた CaO・Al2O3・8.5H2OまたはCa3Al
2(OH)12の結晶相を含む粒度が250 μm以下の粉末を、5
0重量部添加し、水の存在下で反応させた。なお、二次
精錬スラグの組成は、F:0.1%未満、CaO:47.9%、SiO2:
5.1%、Al2O3:35.0%、T.Fe:1.0%、MgO:8.0 %、MnO:
1.3 %、P2O5:0.010%、S:0.16%であった。
告示第46号で規定された溶出試験を行った。 CaO・Al2O
3・8.5H2OまたはCa3Al2(OH)12の結晶相を含む粉末を用
いて安定化処理を行った溶銑予備処理スラグについて、
溶出液中のフッ素濃度を表8に示す。
場合も、溶出液中のフッ素濃度は、水質および地下水環
境基準値である0.8 mg/Lを下回ることがわかる。
グ、電気炉スラグまたは二次精錬スラグ (塊状)100 重
量部に対して、転炉による溶鋼の処理が行われた際に発
生する二次精錬スラグに改質処理を行うことによって得
られた、 CaO・Al2O3 、 12CaO・7Al2O3、3CaO・Al2O
3 、4CaO・3Al2O3・3H2OまたはCa3Al2(OH)12の結晶相を
含む、粒度が250μm以下の粉末を、50重量部添加し、
水の存在下で反応させた。得られた処理品について、平
成3年環境庁告示第46号で規定された溶出試験を行っ
た。溶出液中のフッ素濃度を表9に示す。
場合も、溶出液中のフッ素濃度は、水質および地下水環
境基準値である0.8 mg/Lを下回ることがわかる。
含まれている。この遊離石灰が水と反応することによっ
てCa(OH)2 となり、体積膨張が起こる。このため、転炉
スラグをそのまま路盤材として使用すると、転炉スラグ
中の遊離石灰が雨水や地下水等と反応して膨張し、路盤
隆起の原因となる。そこで、この体積膨張に起因した路
盤隆起を防ぐため、転炉スラグを路盤材として用いる前
に、予め転炉スラグ中の遊離石灰をCa(OH)2 にするエー
ジング処理が行われている。
O3、CaO・Al2O3、5CaO・3Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・
Al2O3等のカルシウムアルミネートによる転炉スラグ中
のフッ素の安定化処理に及ぼす、エージング処理の影響
を調べるために、転炉スラグ100 重量部に対して、転炉
による溶鋼の処理が行われた際に発生した二次精錬スラ
グに改質処理を行うことによって得られた、 12CaO・7A
l2O3またはCa3Al2(OH)12の結晶相を含む粒度250 μm以
下の粉末を、20重量部添加して混合した後、適量の水を
加え、20℃で96時間、80℃ (エアバス中) で24時間、ま
たは、120℃ (オートクレーブ中) で6時間養生した。
得られた処理品について、平成3年環境庁告示第46号で
規定された溶出試験を行った。溶出液中のフッ素濃度を
表10に示す。
場合も、エージング処理には影響を受けず、溶出液中の
フッ素濃度は、水質および地下水環境基準値である0.8
mg/Lを下回ることがわかる。
り、転炉による溶鋼の処理が行われた際に発生した二次
精錬スラグに改質処理を行うことによって得られた、
(i) 3CaO・Al2O3、12CaO・7Al2O3、CaO・Al2O3、5CaO・
3Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O3、(ii)これらの混
合物の合成品、(iii)CaO・Al2O3・8.5H2O、 CaO・Al2O3
・10H2O 、4CaO・3Al2O3・3H2O、2CaO・Al2O3・6H2O、C
a3Al2(OH)12等の水和物を主成分とした安定化剤を用い
ることにより、溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、電気
炉スラグおよび二次精錬スラグのそれぞれからのフッ素
溶出を確実に抑制できることがわかる。
ラグは、微細な粒子であるため、同一重量において塊状
スラグより表面積がはるかに大きい。このため、スラグ
中のフッ素濃度の絶対値が低くても、溶出試験における
フッ素溶出速度および溶出量は多くなり、フッ素の安定
化は困難である。そこで、本実施例においては、より固
定化が困難な粉状の二次精錬スラグについての実施例を
示す。
100 重量部に対して、粒度が250μm以下150μm超、15
0μm以下100μm超、100μm以下32μm超、または32
μm以下の4水準の3CaO・Al2O3、12CaO・7Al2O3、CaO
・Al2O3、5CaO・3Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O3等
のカルシウムアルミネートを1種類以上を80%以上含む
本発明にかかる安定化剤の粉末を30重量部添加し、水の
存在下で反応させた。
告示第46号で規定された溶出試験を行った。溶出液中の
フッ素濃度と、3CaO・Al2O3、12CaO・7Al2O3、CaO・Al2
O3、5CaO・3Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O3等のカ
ルシウムアルミネートを含む粉末の粒度との関係を図10
にグラフで示す。
250 μm以下であれば、溶出液中のフッ素濃度は、水質
および地下水環境基準値である0.8 mg/Lを下回ることが
わかる。なお、フッ素の処理基準値が例えば2.4mg/L で
ある場合には、安定化剤の粒度には関係なく、この処理
基準値を満足することができる。
精錬スラグ100 重量部に対して、粒度が250μm以下の
CaO・Al2O3・8.5H2OまたはCa3Al2(OH)12を含む本発明に
かかる安定化剤の粉末を5〜100 重量部添加し、水の存
在下で反応させた。
告示第46号で規定された溶出試験を行った。 CaO・Al2O
3・8.5H2OまたはCa3Al2(OH)12を含む安定化剤の重量と
粉状二次精錬スラグ重量との比と、溶出液中のフッ素濃
度との関係を図11にグラフで示す。
・8.5H2OまたはCa3Al2(OH)12を含む安定化剤の重量/粉
状二次精錬スラグ重量の比が0.1 以上であれば、溶出液
中のフッ素濃度は、水質および地下水環境基準値である
0.8 mg/Lを下回ることがわかる。また、0.8 超では、フ
ッ素溶出の抑制効果は飽和している。
L である場合には、安定化剤重量/粉状二次精錬スラグ
重量の値には関係なく、この処理基準値を満足すること
ができる。
精錬スラグ100 重量部に対して、粒度が250μm以下の
CaO・Al2O3を含む本発明にかかる安定化剤の粉末を10重
量部添加し、混合した後、適量の水を加えて混練してか
ら円柱状に成型した。その後、20℃、80℃ (エアバス
中) 、120 ℃ (オートクレーブ中) で養生した。
告示第46号で規定された溶出試験を行った。溶出試験に
おける溶出液中のフッ素濃度と養生時間との関係を、図
12にグラフで示す。
0 ℃の養生温度において、短い養生時間で、溶出液中の
フッ素濃度は、水質および地下水環境基準値である0.8
mg/Lを下回り、養生時間の経過とともに、溶出液中のフ
ッ素濃度が低下したことがわかる。なお、フッ素の処理
基準値が例えば2.4mg/L である場合には、養生時間には
関係なく、この処理基準値を満足することができる。
精錬スラグ100 重量部に対して、粒度が 250μm以下の
12CaO・7Al2O3または3CaO・Al2O3・Ca(OH)2・18H2O を
含む本発明にかかる安定化剤の粉末を10重量部または20
重量部添加し、さらにブレーン比表面値が1000cm2/g 以
上の微粒子ポルトランドセメントを5〜30重量部加えた
後、適量の水で混練して円柱状に成型した後、大気中で
48時間養生した。
告示第46号で規定された溶出試験を行った。溶出試験に
おける溶出液中のフッ素濃度とセメント添加量との関係
を表11に示す。
7Al2O3または3CaO・Al2O3・Ca(OH)2・18H2O を含む本発
明にかかる安定化剤によるフッ素固定相の周囲にセメン
トの緻密組織が生成し、溶出液中のフッ素濃度は、水質
および地下水環境基準値である0.8 mg/Lを下回った。ま
た、20重量部までのセメントの添加でフッ素の溶出抑制
効果が飽和したことから、これ以上のセメントの添加
は、コスト上昇および容積増大をもたらし、好ましくな
いことがわかる。
す、精錬炉出鋼後の各段階での改質処理を行うことによ
り、溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグさ
らには二次精錬スラグといったフッ素を含む製鋼スラグ
を安定化処理するに際し、製鋼スラグに添加する3CaO・
Al2O3、12CaO・7Al2O3、CaO・Al2O3、5CaO・3Al2O3、9C
aO・5Al2O3、2CaO・Al2O3等のカルシウムアルミネート
を1種類以上の結晶相を含む安定化剤を、転炉若しくは
電気炉等の精錬炉処理後に発生する2次精錬スラグを用
いて安価に、かつ大量に製造することができる。
た安定化剤を用いて、製鋼工程で不可避的に発生する溶
銑予備処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグさらには
二次精錬スラグ等のフッ素を含む製鋼スラグの安定化処
理を行うことにより、工業的規模で、フッ素を含む製鋼
スラグからのフッ素溶出を抑制し、確実に安定化処理す
ることが可能となった。
社会問題とされている産業廃棄物 (製鋼スラグ) を確実
に処理し、環境汚染の防止を図ることができる。かかる
効果を有する本発明の意義は、極めて著しい。
グの3元系状態図である。
・7Al2O3、CaO・Al2O3 、5CaO・3Al2O3、9CaO・5Al2O3、
2CaO・Al2O3 等のカルシウムアルミネートを1種類以上
の含有率を調査した結果を示すグラフである。
組成の範囲を示す、T.Feが3.0%以下の CaO−Al2O3−Si
O2系スラグの3元系状態図である。
説明図である。
スラグに安定化処理を施す状況を模式的に示す説明図で
ある。
精錬スラグに安定化処理を施す状況を模式的に示す説明
図である。
aO・Al2O3または12CaO・7Al2O3を含む安定化剤の粒度と
の関係を示すグラフである。
スラグ重量の比と、溶出液中のフッ素濃度との関係を示
すグラフである。
と、3CaO・Al2O3、12CaO・7Al2O3、CaO・Al2O3、5CaO・
3Al2O3、9CaO・5Al2O3、2CaO・Al2O3等のカルシウムア
ルミネートを1種類以上を80%以上含む本発明にかかる
安定化剤の粒度との関係を示すグラフである。
たはCa3Al2(OH)12を含む安定化剤の重量と粉状二次精錬
スラグ重量との比と、溶出液中のフッ素濃度との関係を
示すグラフである。
中のフッ素濃度と養生時間との関係を示すグラフであ
る。
Claims (16)
- 【請求項1】 重量%で、CaO :45〜60%、Al2O3 :30
〜55%、SiO2:10%以下、およびT.Fe:3%以下を含有
することを特徴とする二次精錬スラグ。 - 【請求項2】 精錬炉による溶鋼の処理が行われた際に
発生する二次精錬スラグに改質処理を行うことによっ
て、フッ素を含む製鋼スラグの安定化剤を製造すること
を特徴とする安定化剤の製造方法。 - 【請求項3】 前記安定化剤は、カルシウムアルミネー
トを含む請求項2に記載された安定化剤の製造方法。 - 【請求項4】 前記カルシウムアルミネートは、3CaO・
Al2O3 、12CaO・7Al2O3、CaO・Al2O3 、5CaO・3Al2O3、
9CaO・5Al2O3および2CaO・Al2O3 のうちの少なくとも1
種である請求項3に記載された安定化剤の製造方法。 - 【請求項5】 前記安定化剤は、重量%で、CaO :45〜
60%、Al2O3 :30〜55%、SiO2:10%以下、およびT.F
e:3%以下を含有する請求項2から請求項4までのい
ずれか1項に記載された安定化剤の製造方法。 - 【請求項6】 前記改質処理は、前記精錬炉からの出鋼
時、二次精錬設備を用いた処理時、および鋳込み後の系
外排出時のうちの少なくとも1つの時期に行われる請求
項2から請求項5までのいずれか1項に記載された安定
化剤の製造方法。 - 【請求項7】 フッ素を含む製鋼スラグに、請求項2か
ら請求項6までのいずれか1項に記載された製造方法に
より製造された安定化剤の粉末を添加することによっ
て、前記フッ素を捕捉することを特徴とするフッ素を含
む製鋼スラグの安定化処理方法。 - 【請求項8】 前記粉末の最大粒径は250μm以下であ
る請求項7に記載されたフッ素を含む製鋼スラグの安定
化処理方法。 - 【請求項9】 前記製鋼スラグは、製鋼工程で発生す
る、溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグま
たは二次精錬スラグである請求項7または請求項8に記
載されたフッ素を含む製鋼スラグの安定化処理方法。 - 【請求項10】 前記製鋼スラグ100 重量部に対して、
前記粉末を5〜80重量部添加する請求項7から請求項9
までのいずれか1項に記載されたフッ素を含む製鋼スラ
グの安定化処理方法。 - 【請求項11】 前記製鋼スラグの安定化処理は、前記
製鋼スラグと前記粉末とを水の存在下で反応させること
によって、行われる請求項7から請求項10までのいずれ
か1項に記載されたフッ素を含む製鋼スラグの安定化処
理方法。 - 【請求項12】 前記製鋼スラグと前記粉末との反応
は、水の存在の下で60℃以上に加温するか、またはオー
トクレーブ処理を行って100 ℃以上に加温加圧すること
により、行われる請求項11に記載されたフッ素を含む製
鋼スラグの安定化処理方法。 - 【請求項13】 前記製鋼スラグと前記粉末との反応
は、水の存在の下でオートクレーブ処理または蒸気養生
を行うことにより80℃以上に加温加圧することにより、
行われる請求項11に記載されたフッ素を含む製鋼スラグ
の安定化処理方法。 - 【請求項14】 前記製鋼スラグの安定化処理の際に、
さらにセメントを安定化剤として用いる請求項7から請
求項13までのいずれか1項に記載されたフッ素を含む製
鋼スラグの安定化処理方法。 - 【請求項15】 フッ素を含む製鋼スラグに、請求項2
から請求項6までのいずれか1項に記載された製造方法
により製造された安定化剤の粉末を添加してなることを
特徴とする土中埋設用材料。 - 【請求項16】 フッ素を含む製鋼スラグに、請求項2
から請求項6までのいずれか1項に記載された製造方法
により製造された安定化剤の粉末を添加することを特徴
とする土中埋設用材料の製造方法。
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-
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