JP2000336603A - 散布式表面処理工法 - Google Patents

散布式表面処理工法

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JP2000336603A
JP2000336603A JP11145232A JP14523299A JP2000336603A JP 2000336603 A JP2000336603 A JP 2000336603A JP 11145232 A JP11145232 A JP 11145232A JP 14523299 A JP14523299 A JP 14523299A JP 2000336603 A JP2000336603 A JP 2000336603A
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JP
Japan
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binder
spray
decomposition aid
decomposition
surface treatment
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JP11145232A
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English (en)
Inventor
Norio Meshida
紀雄 召田
Akira Ito
亮 伊藤
Michitoku Suda
道徳 須田
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Nichireki Co Ltd
Original Assignee
Nichireki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 過剰の結合材を使用せず骨材を強固且つ安定
して路面上に結合しておくことが可能で、常温施工が可
能で養生時間の短い散布式表面処理工法と、その処理工
法によって構築される耐久性と安定性に優れた舗装体、
その処理工法に使用する作業車を提供する。 【解決手段】 特定の特性を有するアニオン系またはノ
ニオン系アスファルト乳剤からなる結合材と、その分解
を促進する分解補助剤とを、ほぼ同時期に散布する工程
と、骨材を散布する工程とを含む散布式表面処理工法を
提供すると共に、この散布式表面処理工法によって構築
された舗装体を提供し、スプレーノズルを有する結合材
の散布装置と、スプレーノズルを有する分解補助剤の散
布装置とを備え、スプレーノズルから噴射される分解補
助剤がスプレーノズルから噴射される結合材と空中で衝
突するように、結合材を噴射するスプレーノズルと分解
補助剤を噴射するスプレーノズルとが配置された作業車
を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、散布式表面処理工
法に関し、詳しくは、特定の性質を有するアニオン系ま
たはノニオン系アスファルト乳剤からなる結合材を使用
する散布式表面処理工法に関する。
【0002】
【従来の技術】道路舗装は、交通に供されるにつれて、
次第に老化、劣化が進み、路面が摩耗したり、凹凸を生
じたり、舗装表面にひび割れ等が発生したりすることが
ある。凹凸やひび割れを放置すると、通行車両の安全を
脅かしたり、雨水等がひび割れ部から舗装体内部に浸透
して舗装体そのものの破損、破壊を引き起こす恐れがあ
る。
【0003】従来、このような老化、劣化した道路舗装
を補修する方法として、散布式表面処理工法や混合式表
面処理工法、更にはオーバーレイ工法などが提案されて
いた。この中で散布式表面処理工法は、例えば図1に示
すように、老化ないしは劣化して凹凸やひび割れの発生
した路面1上に、アスファルト等の瀝青材料からなる結
合材2を膜状に散布し続いてその上に骨材3を散布する
作業を、1回若しくは複数回繰り返して、結合材2によ
って骨材3を路面1に結合し、路面1上に結合材2と骨
材3とからなる層を一層若しくは二層、更には三層以上
の複数層構築するという工法である。
【0004】この散布式表面処理工法は、比較的簡単に
舗装体表面を補修できるので、老化、劣化した舗装体の
補修工法としては極めて有効なものであるが、アスファ
ルト混合物を用いる補修工法とは違って、単に結合材に
よって骨材を路面に結合しているだけであるので、通行
車両のタイヤ等から受ける引掻力や衝撃力によって、結
合材上に散布された骨材が、例えば図1に符号4で示す
ように、ややもすると飛散してしまう現象が見られるこ
とがあった。骨材4が飛散してしまうと、結合材が直接
路面表面に現れてきてしまうため、路面がフラッシュ
し、著しく滑り易くなって、通行車両のスリップ等を引
き起こし、ひいては交通事故の原因ともなる危険性があ
った。
【0005】このような骨材の飛散を防止する試みとし
て、散布する結合材の量を多くして骨材を強固につなぎ
止めることも考えられるが、瀝青材料などからなる結合
材の量が多くなると、日射しの強い夏季等に路面温度が
上昇した際に、結合材が過剰に存在することに起因する
フラッシュ現象が発生し、返って交通障害を招く結果と
なることがあった。
【0006】また、近年では、地球環境に与える影響を
抑える観点から、加熱しないで使用できるアスファルト
乳剤を結合材として使用することも試みられているが、
アスファルト乳剤は一般に分解・硬化が遅く、施工後、
養生時間を長くとる必要があり、この為に交通開放まで
の時間が長くなって、交通渋滞の原因ともなる欠点があ
った。
【0007】
【発明の解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な従来技術の欠点を解決するために為されたもので、過
剰の結合材を使用することなく、骨材を強固に且つ安定
して路面上に結合しておくことが可能で、しかも常温施
工が可能で養生時間の短い散布式表面処理工法と、その
ような処理工法によって構築される耐久性かつ安定性に
優れた舗装体、更には、そのような処理工法に使用する
作業車を提供することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、散布式表
面処理工法、特に、その結合材について研究を重ねた結
果、結合材として特定の性質を有するアニオン系アスフ
ァルト乳剤またはノニオン系アスファルト乳剤を使用
し、更に、そのアニオン系またはノニオン系アスファル
ト乳剤の分解を促進する分解補助剤を使用することによ
って、強固で耐久性に富み且つ安定性に優れた散布式表
面処理層を常温施工で、しかも、短い養生時間で構築す
ることができることを見出して、本発明を完成した。
【0009】即ち、本発明は、以下のa)〜d)に示す
特性、即ち、 a)蒸発残留物の針入度が50〜150(1/10m
m)、 b)蒸発残留物の軟化点が50〜120℃、 c)蒸発残留物の25℃におけるタフネスが70〜22
0kgf・cm、 d)蒸発残留物の25℃におけるテナシティが30〜2
00kgf・cm、 を有するアニオン系またはノニオン系アスファルト乳剤
からなる結合材と、その分解を促進する分解補助剤と
を、同時期に又は相前後して散布する工程と、骨材を散
布する工程とを含む散布式表面処理工法を提供すること
によって上記課題を解決するものである。
【0010】本発明はまた、上記のような散布式表面処
理工法によって構築された舗装体を提供すると共に、1
又は2以上のスプレーノズルを有する結合材の散布装置
と、1又は2以上のスプレーノズルを有する分解補助剤
の散布装置とを少なくとも備え、1のスプレーノズルか
ら噴射される分解補助剤が1のスプレーノズルから噴射
される結合材と空中で衝突するように、結合材を噴射す
る1又は2以上のスプレーノズルと分解補助剤を噴射す
る1又は2以上のスプレーノズルとが配置されている作
業車を提供することによって上記課題を解決するもので
ある。
【0011】本発明において使用する結合材は、上記の
a)〜d)の特性に加えて、蒸発残留物の60℃におけ
る絶対粘度が約15000ポアズ(poise)以上で
あることが望ましい。結合材として、蒸発残留物の60
℃における絶対粘度が約15000ポアズ以上のものを
使用すれば、凹凸や変形の激しい路面上に結合材を散布
して表面処理層を構築する場合でも、散布された結合材
が時間の経過に伴って路面の傾斜に沿って流動して路面
上における結合材の膜厚が不均一になることがなく、均
一で安定した結合力を備えた表面処理層を構築すること
ができる。
【0012】また、本発明において使用する結合材は、
20℃における粘度が約40センチポアズ(cps)以
上であることが望ましい。結合材として、20℃におけ
る粘度が約40センチポアズ以上のものを使用すれば、
凹凸や変形の激しい路面上に結合材を散布して表面処理
層を構築する場合でも、散布された結合材が散布直後か
ら路面の傾斜に沿って流動して路面上における結合材の
膜厚が不均一になることがなく、均一で安定した結合力
を備えた表面処理層を構築することができる。
【0013】本発明において使用する分解補助剤として
は、結合材であるアニオン系またはノニオン系アスファ
ルト乳剤の分解を促進することができるものであればど
のようなものを使用しても良いが、できれば、結合材が
アニオン系アスファルト乳剤の場合には、二価無機塩、
無機酸、有機酸、及び、アミン系カチオン界面活性剤か
らなる群から選ばれる1種若しくは2種以上の分解補助
剤、中でも、アミン系カチオン界面活性剤から選ばれる
1種若しくは2種以上の分解補助剤を使用するのが望ま
しく、また、結合材がノニオン系アスファルト乳剤の場
合には、高分子凝集剤から選ばれる1種若しくは2種以
上の分解補助剤を使用するのが望ましい。
【0014】本発明の散布式表面処理工法においては、
結合材と分解補助剤とが、同時期に又は相前後して路面
上に散布される。結合材と分解補助剤とを相前後して路
面上に散布するとは、路面上の施工箇所に結合材または
分解補助剤のどちらかを先に散布した後に、分解補助剤
または結合材を、先に散布したものの上から散布するこ
とをいうものである。相前後して散布された結果、結合
材と分解補助剤とは路面上で出会い、接触することとな
る。また、結合材と分解補助剤とを同時期に路面上に散
布するとは、路面上の同じ施工箇所に散布されるべき結
合材と分解補助剤とを、両者の散布時間を少なくとも一
部重複させて散布することをいい、同時期に散布された
結果、結合材と分解補助剤とは同時に路面上の同一箇所
に到達して路面上で出会うか、若しくは空中で出会い、
接触、混合することとなる。なお、本明細書でいう路面
上とは、本発明の散布式表面処理工法によって表面処理
層を1層だけ構築する場合には、まさしく散布式表面処
理工法が施される路面上を指すが、散布式表面処理工法
によって構築される表面処理層が二層若しくは三層以上
の多層の場合には、先に構築された表面処理層上を指す
ものであることはいうまでもない。
【0015】本発明の散布式表面処理工法においては、
結合材と分解補助剤とが相前後して若しくは同時期に散
布されるので、散布された結合材と分解補助剤とは路面
上若しくは空中で出会い、接触、混合し、分解補助剤の
作用によって結合材であるアニオン系またはノニオン系
アスファルト乳剤の分解は促進され、結合材による製膜
時間、硬化時間は短縮される。本発明の散布式表面処理
工法においては、結合材と分解補助剤とを相前後して散
布しても、又は、同時期に散布しても良いが、結合材の
硬化時間を短縮し、しかも強度や耐久性に優れた表面処
理層を構築するという観点からは、結合材と分解補助剤
とを同時期に散布するのが良く、更には、同時期に散布
して、両者を空中で衝突させるのが最も好ましい。
【0016】結合材と分解補助剤とを同時期に散布して
両者を空中で衝突させる場合、結合材と分解補助剤の散
布を、それぞれ1又は2以上のスプレーノズルを用いて
行い、1のスプレーノズルから噴射される結合材と、1
のスプレーノズルから噴射される分解補助剤とを、空中
で衝突させるのが好ましい。また、個々のスプレーノズ
ルから噴射される分解補助剤の衝突位置における広がり
幅が、衝突相手である対応するスプレーノズルから噴射
される結合材の衝突位置における広がり幅とほぼ一致し
ているのが望ましく、更には、個々のスプレーノズルか
ら噴射される分解補助剤の結合材との衝突位置上での噴
射密度が、衝突位置における広がり幅の全体において、
ほぼ均一であるのが良い。このようにすることによっ
て、結合材と分解補助剤とを均一に、かつ制御された割
合で衝突、接触、混合させることが可能となり、結合材
の分解・硬化時間がより短縮されると共に、得られる表
面処理層の耐久性や強度にも良い影響がもたらされる。
【0017】本発明の散布式表面処理工法においては、
結合材及び分解補助剤の散布から骨材の散布までの時間
は、比較的短い一定の時間間隔であるのが望ましい。結
合材は、分解補助剤と接触した直後から、或いは、路面
に散布された直後から、分解が進行するものであるが、
結合材及び分解補助剤の散布から骨材の散布までの時間
が不規則に変化すると、骨材が散布される時点での結合
材の状態も不規則に変化することになり、結果として、
均一で耐久性に優れた表面処理層が得られない。結合材
及び分解補助剤の散布から骨材の散布までの時間を比較
的短い一定の時間間隔に維持するには、結合材の散布装
置と分解補助剤の散布装置と骨材の散布装置とを搭載し
た作業車を用いて施工するのが望ましい。そのような作
業車としては、例えば、同じ出願人による特願平10−
158664号明細書、特願平10−158665号明
細書、特願平10−172107号明細書、特願平10
−172119号明細書、及び、特願平10−1779
86号明細書に開示したような作業車が挙げられる。こ
れら明細書に開示された作業車においては、結合材の散
布装置や骨材の散布装置からの各種被散布物の散布位置
が、いずれも、作業車の前輪より前、前輪と後輪の間、
或いは、後輪よりも後ろになるように配置されており、
結合材や分解補助剤が路面上に散布された上に直ちに骨
材が散布されるので、作業車のタイヤ若しくはクローラ
ーが散布された結合材や分解補助剤上を踏むことがな
く、一旦散布された結合材が剥離したり、タイヤ等に付
着して他の路面等を汚す恐れがない。しかも、上記明細
書に開示されたような作業車にあっては、各種散布装置
が共に単一の作業車上に搭載され、それぞれの散布が行
われるので、結合材や分解補助剤の散布から骨材の散布
までを一貫した作業として管理、施工することができ、
均一で耐久性に富む安定した表面処理層を構築すること
が可能である。
【0018】本発明の散布式表面処理工法は、一般道路
に限らず、自動車専用道路、構内道路、公園内道路、散
策路、自転車道、運動場、駐車場、飛行場、港湾施設、
公会堂等に付帯する広場、広幅員の歩道等の舗装にも適
用されるものであり、その用途も補修のみならず、新設
工事における表面層の構築にも使用することが可能であ
り、更には、本発明の散布式表面処理工法によって構築
された表面処理層上にオーバーレイ層を設けることも随
意である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0020】まず、使用材料について説明する。 〈結合材〉本発明の散布式表面処理工法に使用する結合
材は、アニオン系またはノニオン系アスファルト乳剤で
あって、以下のa)〜d)に示す特性、即ち、 a)蒸発残留物の針入度が50〜150(1/10m
m)、 b)蒸発残留物の軟化点が50〜120℃、 c)蒸発残留物の25℃におけるタフネスが70〜22
0kgf・cm、 d)蒸発残留物の25℃におけるテナシティが30〜2
00kgf・cm、を有するものであり、更に好ましく
は、以下のa’)〜d’)に示す特性、即ち、 a’)蒸発残留物の針入度が90〜120(1/10m
m)、 b’)蒸発残留物の軟化点が60〜80℃、 c’)蒸発残留物の25℃におけるタフネスが100〜
200kgf・cm、 d’)蒸発残留物の25℃におけるテナシティが70〜
180kgf・cm、 を有するものである。
【0021】蒸発残留物の針入度が50(1/10m
m)未満では、アスファルト乳剤の分解後のアスファル
トが硬くなりすぎてしまうので好ましくなく、逆に、針
入度が150(1/10mm)超では、アスファルト乳
剤の分解後のアスファルトが軟らかくなりすぎてしまう
ので好ましくない。
【0022】蒸発残留物の軟化点が50℃未満では、ア
スファルト乳剤の分解後のアスファルトが、夏季等の高
温下の路面においてフラッシュ現象を起こし易く、べた
つき易いので好ましくなく、逆に、軟化点が120℃超
では、アスファルト乳剤の分解後のアスファルトに柔軟
性が不足し、好ましくない。
【0023】また、蒸発残留物の25℃におけるタフネ
スが70kgf/cm未満では、アスファルト乳剤の分
解後のアスファルトに粘りが不足し、腰が弱くなりすぎ
るので好ましくなく、逆に、タフネスが220kgf/
cm超では、アスファルト乳剤の分解後のアスファルト
が、粘りがありすぎ、腰が強くなりすぎるでの、交通荷
重に対してもろくなる傾向が出てくるので好ましくな
い。
【0024】更には、蒸発残留物の25℃におけるテナ
シティが30kgf/cm未満では、アスファルト乳剤
の分解後のアスファルトに伸びがなくなってしまうので
好ましくなく、逆に、テナシティが200kgf/cm
超では、アスファルト乳剤の分解後のアスファルトの伸
びが大きくなりすぎてしまうので好ましくない。
【0025】ここで、針入度及び軟化点はJISK22
07に規定されるものであり、タフネス及びテナシティ
は「舗装試験法便覧」、社団法人日本道路協会、平成7
年6月10日発行、第456〜461頁の「タフネス・
テナシティ試験方法」に基づいて測定されるものであ
る。
【0026】また、本発明で使用する結合材は、上記の
特性に加えて、60℃における蒸発残留物の絶対粘度が
約15000ポアズ(poise)以上であることが望
ましい。結合材として、蒸発残留物の60℃における絶
対粘度が約15000ポアズ以上のものを使用すれば、
凹凸や変形の激しい路面上に結合材を散布して表面処理
層を構築する場合でも、散布された結合材が時間の経過
に伴って路面の傾斜に沿って流動して路面上における結
合材の膜厚が不均一になることがなく、均一で安定した
結合力を備えた表面処理層を構築することができる。こ
こで、絶対粘度は、「舗装試験法便覧」、社団法人日本
道路協会、平成7年6月10日発行、第398〜402
頁に記載された粘度試験方法に基づいて測定される値で
ある。
【0027】また、本発明において使用する結合材は、
20℃における粘度が約40センチポアズ以上であるこ
とが望ましい。結合材として、20℃における粘度が約
40センチポアズ以上のものを使用すれば、凹凸や変形
の激しい路面上に結合材を散布して表面処理層を構築す
る場合でも、散布された結合材が散布直後から路面の傾
斜に沿って流動して路面上における結合材の膜厚が不均
一になることがなく、均一で安定した結合力を備えた表
面処理層を構築することができる。ここで、粘度は、
「舗装試験法便覧別冊(暫定試験方法)」、社団法人日
本道路協会編集、丸善株式会社、平成8年10月20日
発行、第69〜74頁に記載された粘度試験方法に準じ
て測定される値である。
【0028】本発明において結合材として使用されるア
ニオン系またはノニオン系アスファルト乳剤は、上記の
a)〜d)の特性を満たしさえすればどのようなアニオ
ン系アスファルト乳剤またはノニオン系アスファルト乳
剤であっても良く、例えば、レーキアスファルト等の天
然アスファルト、ストレートアスファルト、ブローンア
スファルト、セミブローンアスファルト、溶剤脱瀝アス
ファルト(例えば、プロパン脱瀝アスファルト)等の石
油アスファルト、人工アスファルト、重油、タール、ピ
ッチ等の1種、または2種以上を混合したものを、アニ
オン系またはノニオン系の乳化剤を用い、さらには、分
散剤や保護コロイドなどを必要に応じて添加して、コロ
イドミル、ホモジナイザー、ホモミキサーなどの適当な
乳化機によって、水中に乳化させたものである。これら
アスファルト乳剤は、後述するように改質アスファルト
乳剤であるのが好ましい。
【0029】なお、本発明のアニオン系またはノニオン
系アスファルト乳剤に使用する人工アスファルトとは、
人為的に調製された結合材であって、アスファルトと同
じように使用することができ、実質的に無色のものであ
る。ここで「実質的に無色」とは、併用される骨材など
が本来有している色彩や光反射性、光輝性、蛍光性、蓄
光性などの特性や、必要に応じて混合される顔料の色彩
を損なわない程度に無色ということであって、必ずし
も、完全に透明である必要はなく、半透明であっても、
若干の飴色を有していても良い。また、この人工アスフ
ァルトを乳剤化して人工アスファルト乳剤とする場合に
は、人工アスファルト乳剤の反応や分解が進んで結合材
としての所定の強度を発現する段階で実質的に無色であ
れば良く、例えば乳化剤によって乳化して人工アスファ
ルト乳剤として存在するときに白色等の色を有していて
も、分解して結合材としての強度を発現する段階で実質
的に無色になるものであれば、構わない。
【0030】本発明のアニオン系またはノニオン系アス
ファルト乳剤に使用する人工アスファルトは、どのよう
な原料を用いて調製されたものであっても良いが、例え
ば、石油系配合油と石油樹脂とを、重量百分率で、石油
系配合油:石油樹脂=(60〜85%):(40〜15
%)の割合で配合することによって得ることができる。
石油系配合油の割合が、60重量%未満であると、得ら
れる結合材の粘度が高くなりすぎて作業性が低下する。
一方、石油系配合油の割合が85重量%を越えると、粘
度は低下するものの接着性及び粘着性が低下して好まし
くない。このような配合で得られる人工アスファルトを
乳化した人工アスファルト乳剤は、実質的に無色であっ
て、例えば有色の骨材などと共に使用しても骨材本来の
色調を損なうことがなく、骨材本来の色調が十分に発揮
されるものである。
【0031】上記の人工アスファルトに使用する石油系
配合油とは、プロセスオイルとも呼ばれ、芳香族炭素数
が全炭素数の35%以上である芳香族系、ナフテン環炭
素数が全炭素数の30〜45%であるナフテン系、及
び、パラフィン側鎖炭素数が全炭素数の50%以上であ
るパラフィン系などがあり、本発明で使用する人工アス
ファルトにおいては、これらのうちの1種若しくは2種
以上が適宜使用される。
【0032】上記の人工アスファルトに使用する石油樹
脂としては、ナフサ分解生成物の蒸留により分離される
沸点が20〜60℃の留分(C5留分)を主成分とする
脂肪族系(C5系)石油樹脂、同じくナフサ分解生成物
の蒸留により分離される沸点が160〜260℃の留分
(C9留分)を主成分とする芳香族系(C9系)石油樹
脂、これらC5系及びC9系石油樹脂を共重合させた脂
肪族/芳香族共重合系(C5/C9系)石油樹脂、及
び、主としてナフサ分解生成物の蒸留により分離される
高純度のジシクロペンタジエンを主成分とする脂環族系
(DCPD系)石油樹脂などがあり、本発明で使用する
人工アスファルトにおいては、これらのうちの1種若し
くは2種以上が混合して使用される。
【0033】本発明においてアスファルト等の瀝青物や
人工アスファルトを乳化する乳化剤としては、アニオン
系またはノニオン系のものを使用する。
【0034】本発明で使用できるアニオン系の乳化剤と
しては、高級アルコール硫酸エステル、アルキルアリル
スルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、αオレ
フィンスルホン酸塩、高級アルコールエトオキシレー
ト、高級アルコールエトオキシレートサルフェート、石
鹸、ナフタリンスルホン酸塩およびホルマリン変性物、
アルカリリグニン塩、リグニンスルホン酸塩、カゼイン
のアルカリ塩、ポリアクリル酸塩等が挙げられる。
【0035】また、本発明で使用できるノニオン系の乳
化剤としては、アルキルフェノール、モノおよび多価ア
ルコール酸、脂肪族類、脂肪族アミン類、脂肪族アミド
類、エタノールアミン類等のアルキレンオキシドの付加
物、などが挙げられる。
【0036】また、アスファルト乳剤に用いられる分散
剤や保護コロイドとしては、ナフタリンスルホン酸ソー
ダ、カゼイン、アルギン酸、ゼラチン、カルボキシメチ
ルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソー
ダ、リグニンスルホン酸塩、ニトロフミン酸塩等が挙げ
られる。
【0037】本発明の結合材として使用されるアニオン
系またはノニオン系アスファルト乳剤は、上記乳化分散
されるアスファルト等の瀝青物又は人工アスファルトに
加えて、ゴム及び熱可塑性高分子重合物から選ばれる1
種もしくは2種以上を添加して改質してアニオン系改質
アスファルト乳剤またはノニオン系改質アスファルト乳
剤として使用するのが望ましい。なお、本明細書で単に
アニオン系アスファルト乳剤またはノニオン系アスファ
ルト乳剤という場合には、それぞれ、アニオン系改質ア
スファルト乳剤及びノニオン系改質アスファルト乳剤を
含むものとする。
【0038】改質に使用するゴム及び熱可塑性高分子重
合物としては、天然ゴム、ガタバーチャ、環化ゴム、ス
チレン・ブタジエンゴム、スチレン・イソプレンゴム、
イソプレンゴム、ポリイソプレンゴム、ブタジエンゴ
ム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチル
ゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチ
レン、エチレンプロピレンゴム、EPTゴム、アルフィ
ンゴム、スチレン・ブタジエンブロック共重合ゴム、ス
チレン・ブタジエン・スチレン共重合ゴム、スチレン・
イソプレンブロック共重合ゴムなどのゴム、及び、エチ
レン・酢酸ビニール共重合物、エチレン・エチルアクリ
レート共重合物、ポリエチレン、ポリ塩化ビニール、ポ
リ酢酸ビニール、塩化ビニール・酢酸ビニール共重合
物、酢酸ビニール・アクリレート共重合物等の熱可塑性
高分子重合物が挙げられる。これらのゴムまたは熱可塑
性高分子重合物は、1種または2種以上を併用して用い
ることができる。これらのゴム及び熱可塑性高分子重合
物は、例えば、粉末状、ラテックス状、エマルジョン
状、水性状のものであり、ラテックス状、エマルジョン
状、水性状のものは、主として、ポストミックスタイプ
の方法による改質に専ら使用されるが、プレミックスタ
イプの方法による改質に使用しても良い。
【0039】改質アスファルト乳剤中のアスファルト等
の瀝青物或いは人工アスファルトと、ゴム及び熱可塑性
高分子重合物との配合割合は、アスファルト等の瀝青物
或いは人工アスファルト100重量部に対してゴム及び
熱可塑性高分子重合物が、2〜20重量部、好ましく
は、3〜7重量部の範囲である。ゴム及び熱可塑性高分
子重合物の量が2重量部未満では、改質アスファルト乳
剤が分解、硬化した後における骨材に対する接着力や把
握力にゴム及び熱可塑性高分子重合物を加えた効果が余
り見られないのに対して、ゴム及び熱可塑性高分子重合
物の量が20重量部を越えると、凝集力が強過ぎて、返
って骨材からの剥離が生じ、骨材の飛散を起こし易い。
【0040】本発明の結合材として使用されるアニオン
系またはノニオン系アスファルト乳剤には、更に、粘着
付与剤として、熱可塑性固形樹脂や固形状ゴム、液状樹
脂、軟化剤、可塑剤などを添加することができる。添加
される粘着付与剤としては、例えば、ロヂンとその誘導
体、テルペン樹脂、石油樹脂とその誘導体、アルキッド
樹脂、アルキルフェノール樹脂、テルペンフェノール樹
脂、クマロンインデン樹脂、合成テルペン樹脂、アルキ
レン樹脂、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリブ
デン、イソブチレンとブタジエンの共重合物、鉱油、プ
ロセスオイル、パイン油、アントラセン油、松根油、動
植物油、重合油、可塑剤等が挙げられる。また、老化防
止剤や酸化防止剤、硫黄等も添加することができる。さ
らにまた、改質アスファルト乳剤の粘度調整の目的で、
MC、CMC、HEC、PVA、ゼラチンなどの水溶性
高分子保護コロイドを添加することも可能である。
【0041】本発明で結合材として使用されるアニオン
系またはノニオン系アスファルト乳剤中の蒸発残留物
(固形物)の濃度は、通常、30〜74重量%程度が好
ましく、特に、50〜68重量%のものが更に好まし
い。蒸発残留物の濃度が30重量%未満では、決して使
用できないという訳ではないが、結合材として必要な程
度の粘弾性を得ることが難しく、一方、蒸発残留物の濃
度が74重量%を越えると、これも決して使用できない
という訳ではないが、良好な施工性を確保しづらい傾向
がある。
【0042】また、本発明で使用するアニオン系または
ノニオン系アスファルト乳剤には、耐熱性向上や、紫外
線等による劣化防止、作業性向上、並びに接着性向上等
の目的で、紫外線吸収剤や、各種添加剤、粘度調整剤、
剥離防止剤、粘結剤、付着増強剤などを添加しても良
い。
【0043】なお、本発明で使用するアニオン系または
ノニオン系アスファルト乳剤中のアスファルト、特に、
人工アスファルトは、有機系及び/又は無機系の顔料を
適宜加えて着色することも可能である。例えば、使用す
る骨材と同系統に着色した人工アスファルトを使用する
ことによって、骨材の明色性を一層高めることも可能で
ある。使用する無機系顔料としては、例えば、以下に示
す顔料、即ち、 白色:二酸化チタン、酸化亜鉛、鉛白 黒色:鉄黒、黒鉛、カーボンブラック 赤色:カドミウムレッド 橙色:モリブデンオレンジ 黄色:水酸化第二鉄、酸化黄、黄鉛 緑色:酸化クロム、クロムグリーン 青色:群青、紺青、コバルトブルー 紫色:マンガンバイオレット などが挙げられる。
【0044】また、有機系の顔料としては、 赤色:ウオッチングレッド、キナクリドンレッド 橙色:パーマネントオレンジ 黄色:ファストイエロー 緑色:フタロシアニングリーン 青色:フタロシアニンブルー 紫色:ジオキサジンバイオレット などが挙げられる。
【0045】これらの顔料は、1種又は2種以上を組み
合わせて併用しても良い。また、これら顔料の使用量
は、人工アスファルト等のアスファルト100重量部に
対して、1〜20重量部、好ましくは、3〜8重量部で
ある。
【0046】〈分解補助剤〉本発明で使用する分解補助
剤としては、結合材として使用するアニオン系またはノ
ニオン系アスファルト乳剤の分解を促進することができ
るものであればどのようなものを使用しても良いが、結
合材としてアニオン系アスファルト乳剤を使用する場合
には、分解補助剤としては、塩化カルシウムなどの二価
の無機塩;塩酸、蟻酸、燐酸などの無機酸;酢酸、クエ
ン酸などの有機酸;ロジンアミン、アミン類の酸化エチ
レン付加物、アルキルモノアミン塩酸塩又は酢酸塩、ア
ルキルジアミン塩酸塩又は酢酸塩、アルキルトリアミン
塩酸塩又は酢酸塩などのアルキルアミン類;ジアミド、
アミドアミンなどのアミドアミン類の塩酸塩又は酢酸
塩;ポリアミノエチルイミダゾリンなどのイミダゾリン
類の塩酸塩又は酢酸塩;長鎖アルキル基を有する脂肪環
族のモノアミンやジアミンやトリアミンの塩酸塩又は酢
酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン類の塩酸塩又
は酢酸塩;アミン化リグニン類の塩酸塩又は酢酸塩;ア
ミン系カチオン界面活性剤に塩酸、スルファミン酸、酢
酸などの酸を作用させた水溶性ないし水分散性の塩;ア
ミンオキサイド類の塩酸塩又は酢酸塩;更には、アミン
系カチオン界面活性剤の第4級アンモニウム塩類などが
挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を分解補
助剤として使用することができる。中でも、アルキルモ
ノアミン塩酸塩又は酢酸塩、アルキルジアミン塩酸塩又
は酢酸塩、アルキルトリアミン塩酸塩又は酢酸塩などの
アミン系カチオン界面活性剤の水溶性の塩を使用するの
が好ましい。また、これらの分解補助剤と共に、エキシ
エチレン・オキシプロピレンブロックコーポリマーなど
のノニオン系界面活性剤を併用することもできる。
【0047】一方、結合材としてノニオン系アスファル
ト乳剤を使用する場合には、分解補助剤としては、高分
子凝集剤を使用するのが望ましく、高分子凝集剤として
は、分子量が約1000〜数万である低重合度のものと
して、アルギン酸ナトリウムなどの陰イオン性の高分子
凝集剤;水溶性アニリン樹脂塩酸塩、ポリチオ尿素酢酸
塩、ポリエチレンアミノトリアゾール、ポリビリルベン
ジルトリメチルアンモニウムクロライド、キトサンなど
の陽イオン性の高分子凝集剤;でんぷん、水溶性尿素樹
脂などの非イオン性の高分子凝集剤;ゼラチンなどの両
性の高分子凝集剤などが挙げられ、分子量が数十万〜数
百万の高重合度のものとして、ポリアクリル酸ナトリウ
ム、マレイン酸共重合物塩、ポリアクリルアミド部分加
水分解塩などの陰イオン性の高分子凝集剤;ポリエチレ
ンアミン、ビニルビニルピリジン共重合物塩などの陽イ
オン性の高分子凝集剤;ポリアクリルアミド、ポリオキ
シエチンなどの非イオン性の高分子凝集剤などが挙げら
れる。以上のような高分子凝集剤は、そのうちの1種も
しくは2種以上が使用される。
【0048】以上のような分解補助剤は水溶液の状態で
使用するのが望ましく、その濃度は、通常、1.5〜2
0w/w%の範囲が良い。分解補助剤の水溶液濃度が
1.5w/w%未満では、アスファルト乳剤の分解を促
進する効果が期待できず、また、分解補助剤の水溶液濃
度が20w/w%を超えると、アスファルト乳剤の分解
速度が速くなり過ぎて施工作業に支障を来すようにな
る。
【0049】本発明において、結合材であるアニオン系
またはノニオン系アスファルト乳剤に対して接触、混合
せしめられる分解補助剤の割合は、アニオン系またはノ
ニオン系アスファルト乳剤中の蒸発残留物100重量部
に対して、分解補助剤の水溶液中の有効成分量として、
0.05〜0.5重量部の範囲が好ましい。分解補助剤
の水溶液中の有効成分量が0.05重量部未満では、ア
スファルト乳剤の分解を促進する効果が期待できず、
0.5重量部を超えるとアスファルト乳剤の分解速度が
速くなり過ぎて施工作業に支障を来すようになる。
【0050】〈骨材〉本発明で使用される骨材とは、社
団法人日本道路協会発行の「アスファルト舗装要綱」に
記載されている舗装用の骨材であればどのようなもので
も使用でき、例えば、砕石、玉石、砂利、鉄鋼スラグ等
である。また、これらの骨材にアスファルトないしは上
記人工アスファルトを被覆したアスファルト被覆骨材お
よび再生骨材なども使用できる。その他、これに類似す
る粒状材料で、人工焼成骨材、焼成発泡骨材、人工軽量
骨材、陶磁器粒、ルクソバイト、アルミニウム粒、プラ
スチック粒、セラミックス、エメリー、建設廃材、繊維
等も使用することができる。
【0051】本発明で使用する骨材にアスファルト若し
くは人工アスファルト等を被覆する場合には、被覆する
に必要なアスファルト若しくは人工アスファルトの量
は、骨材に対して、0.1〜1.5重量%程度の範囲で
ある。鉄鋼スラグのようなポーラスな骨材の場合には、
上記範囲の中でも多い方の量となり、硬質砂岩のような
非ポーラスな骨材においては、上記範囲の中でも少ない
方の量となる。被覆に使用するアスファルト若しくは人
工アスファルト等としては、上記したようなアスファル
ト、アスファルト乳剤、及び、これらをゴムやポリマー
などで改質した改質アスファルト、改質アスファルト乳
剤、更には上記した人工アスファルト、改質人工アスフ
ァルト、人工アスファルト乳剤、改質人工アスファルト
乳剤なども使用される。また、ケロシン等で噴霧被覆さ
れた骨材を使用しても良い。
【0052】なお、本発明で使用する骨材としては、種
々の色を持った有色のものや、光反射性や光輝性、更に
は蛍光性ないしは蓄光性を有する骨材を使用することも
可能であり、例えば、天然有色骨材や、人工焼成骨材、
焼成発泡骨材、人工軽量骨材、陶磁器粒、ルクソバイ
ト、アルミニウム粒、プラスチック粒、セラミックス、
エメリー等の中でも有色のものを使用すれば、強固で耐
久性、安定性に優れたカラー舗装を容易に実現すること
が可能である。また、ガラスビーズ、炭化珪素粒、溶融
アルミナ系人工骨材、石灰石系人工骨材(例えば、シノ
パール)、正長石、石英、珪弗化アルミニウム、ガラス
瓶破砕片などのガラス屑、蛍光性人工骨材などの光反射
性、光輝性、或いは蛍光性ないしは蓄光性を有する骨材
を使用すれば、光反射性舗装、光輝性ないしは発光性舗
装を容易に実現することが可能となる。なお、これらの
有色、光反射性、光輝性、蛍光性ないしは蓄光性骨材
は、通常はプレコートなしに使用されるが、プレコート
して使用する場合には、それら骨材が本来有している有
色性、光反射性、光輝性、蛍光性ないしは蓄光性を損な
わない材料を使用することは勿論である。また、通常の
骨材に有色アスファルトや蛍光塗料ないしは蓄光性塗料
による被覆を施して、有色骨材、蛍光骨材ないしは蓄光
骨材として使用することも可能である。なお、異なる石
質、種類、色調等を有する骨材の1種又は2種以上、及
び/又は機能の異なる骨材の1種又は2種以上を併用し
ても良いし、構築する表面処理層ごとに異なる機能の骨
材を使用しても良い。
【0053】なお、以上のような骨材のうち、表面処理
層としての最下層に使用される骨材は、均一で強固かつ
耐久性のある表面処理層を構築するという観点からは、
骨材の最小粒径がふるいの目開きの呼び寸法で10mm
未満の場合には、最小粒径と最大粒径との差がふるいの
目開きの呼び寸法で2mm以上、5mm未満の骨材を、
また、最小粒径がふるいの目開きの呼び寸法で10mm
以上の場合には、最小粒径と最大粒径との差がふるいの
目開きの呼び寸法で3mm超、6mm以下であるのが望
ましい。なお、本明細書で言う「ふるいの目開きの呼び
寸法」とは、ふるいを呼び表すときに慣用されている呼
び寸法であって、JIS Z8801に定められている
網ふるいの目開きの基準寸法とは、表1に示すような対
応関係にある。
【0054】
【表1】
【0055】即ち、本明細書で、骨材の最小粒径がふる
いの目開きの呼び寸法で10mm未満とは、その骨材が
JIS Z8801で規定する網ふるいの目開きの基準
寸法が9.5mmのふるいを通過する骨材粒を含んでい
ることを意味し、骨材の最小粒径がふるいの目開きの呼
び寸法で10mm以上とは、その骨材がJIS Z88
01で規定する網ふるいの目開きの基準寸法が9.5m
mのふるいを通過する骨材粒を含んでいないことを意味
する。また、最小粒径と最大粒径との差がふるいの目開
きの呼び寸法で2mm以上とは、最小粒径がふるいの目
開きの呼び寸法で5mmの場合、その骨材の集団の最大
粒径のものは、5mmよりも2mm以上大きな呼び寸法
をもつふるい、即ち、7mmの呼び寸法をもつふるいを
少なくとも通過する一方で、それよりも小さな6mmの
呼び寸法をもつふるいを通過しなことを意味し、また、
最小粒径と最大粒径との差がふるいの目開きの呼び寸法
で5mm未満とは、最小粒径がふるいの目開きの呼び寸
法で5mmの場合、その骨材の集団の最大粒径のもの
は、5mmよりも5mm未満の呼び寸法をもつふるい、
即ち、8mmの呼び寸法をもつふるいを通過するという
ことを意味する。同様に、最小粒径と最大粒径との差が
ふるいの目開きの呼び寸法で3mm超、6mm以下と
は、最小粒径がふるいの目開きの呼び寸法で10mmの
場合、その骨材の集団の最大粒径のものは、少なくと
も、10mmよりも3mm大きな呼び寸法のふるい、即
ち、呼び寸法13mmのふるいを通過せず、10mmよ
りも6mm大きな呼び寸法をもつふるい、即ち、呼び寸
法16mmのふるいを通過するということを意味する。
なお、ここで、ふるいを通過するとか、通過しないとか
言うのは、いずれも実質的かつ常識的なレベルでの判断
であり、部分的にダストのようなものがふるいを通過し
たり、特異的な粒がふるい上に残ったとしても、骨材の
集団全体から見て無視できる場合には、それらのものは
ふるいを通過するしないの判断には影響を与えないもの
とする。以下、本明細書では、特に断りのない限り、骨
材の粒径や粒度は、ふるいの目開きの呼び寸法によるも
のとする。
【0056】なお、本発明で表面処理層としての最下層
に使用される骨材は、上記のような粒度の条件を満たし
さえすれば、粒径の上限値及び下限値に特に制限はない
が、できれば最小粒径が5mm以上、最大粒径が20m
m以下のものが好ましい。最小粒径が5mm未満では、
骨材の粒径が小さ過ぎ、路面の凹凸やひび割れ等が有効
にカバーされない恐れがある。また、散布した結合材が
路面上に形成する結合材散布層の層厚に、骨材自身の敷
き均し厚さが限りなく近づき、場合によると結合材の層
厚よりも骨材の敷き均し厚が小さくなってフラッシュの
原因の1つともなる。一方、最大粒径が20mmを越え
ると、車両の走行によって発生する交通騒音の増大や、
施工後の路面が粗面になるばかりでなく、車両が表面処
理層の上を走行することによって、骨材の飛散が生じる
場合があり、好ましくない。
【0057】また、最下層以外の層に使用される骨材と
しては、その粒度に特に制限がある訳ではないが、通
常、その下の層に使用される骨材よりも小径の骨材を使
用するのが望ましく、最上層には、細目砂、中目砂、そ
して粗目砂といった細骨材や粒径2.5〜5mmの7号
砕石なども用いられる。
【0058】本発明で使用する細骨材とは、2.36m
mふるいを通過するものをいい、例えば、川砂、丘砂、
山砂、スクリーニングス、砕石ダスト、シリカサンド、
人工骨材、再生骨材、人工焼成骨材、焼成発泡骨材、人
工軽量骨材、陶磁器粒、ルクソバイト、シノパール、ア
ルミニウム粒、プラスチック粒、セラミックス、エメリ
ー、ゴム粉粒、コルク粉粒、木質粉粒、樹脂粉粒、パル
プ等の1種若しくは2種以上が使用可能である。
【0059】〈繊維材料〉本発明の散布式表面処理工法
には、構築される表面処理層をより強固なものとするた
めに、以下のような繊維材料を使用することができる。
本発明で使用できる繊維材料としては、ポリエステル、
ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリプロピレン、ビニ
ロン、アクリル、ポリ塩化ビニリデン等の合成繊維、ま
たは半合成繊維、天然繊維、ガラス繊維、再生繊維、炭
素繊維、金属繊維等、種々のものが用いられるが、中で
も、ポリエステル繊維が好ましい。
【0060】これらの繊維は、適当な長さに切断された
短繊維として用いることもできるが、モノフィラメント
や、モノフィラメントを多数集束させたマルチフィラメ
ントとしても、あるいは、紡績糸や撚糸としても用いる
ことが可能であり、さらには、不織布、織布、編布とし
てシート状にして用いることも可能である。
【0061】短繊維の長さに特に制限はないが、あまり
短いと表面処理層の繊維による強度維持や防水性能、お
よび、ひび割れ防止等に効果がないので、3mm以上の
もの、好ましくは5mm〜70mm程度のものが好まし
い。
【0062】以上のような繊維材料が、結合材や分解補
助剤と同時期に又は結合材や分解補助剤と相前後して散
布若しくは敷き均される場合には、繊維材料と結合材と
が混じり合い、より強力に骨材を路面に結合するだけで
なく、耐久性や、更には防水性に優れた機能性表面処理
層を構築することが可能となる。
【0063】次に、本発明の散布式表面処理工法につい
て説明する。
【0064】本発明の散布式表面処理工法においては、
結合材と分解補助剤とが、同時期に又は相前後して路面
上に散布される。結合材と分解補助剤とを相前後して路
面上に散布する場合、結合材をまず路面上に散布した後
に、その散布面上に分解補助剤を散布するようにしても
よいし、また逆に、分解補助剤をまず路面上に散布した
後に、その散布面上に結合材を散布しても良い。また、
更には、結合材、分解補助剤とを、この順に散布した後
に、再度、結合材を散布するようにしても良いし、分解
補助剤と結合材とをこの順に散布した後に、再度、分解
補助剤を散布するようにしても良い。
【0065】いずれにせよ、結合材と分解補助剤とが相
前後して路面上に散布される結果、結合材と分解補助剤
とは路面上で出会い、互いに接触して、分解補助剤によ
る結合材の分解促進作用が開始され、結合材は、結合材
単独のときよりも短時間で分解、硬化する。このように
本発明の散布式表面処理工法によれば、結合材と分解補
助剤とを相前後して路面上に散布する工程を含んでいる
ので、従来の散布式表面処理工法に比べて、より短い養
生時間で強固で耐久性に富み且つ安定性に優れた散布式
表面処理層を構築することができるものである。
【0066】しかしながら、本発明の散布式表面処理工
法においては、後述するように、結合材と分解補助剤と
を同時期に路面上に散布し、両者を路面上で衝突、接触
させることによって、より好ましくは、結合材と分解補
助剤とを同時期に散布し、両者を空中で衝突、接触させ
ることによって、更に短い養生時間で強固で耐久性に富
み且つ安定性に優れた散布式表面処理層を構築すること
ができるものである。
【0067】この理由は、次のように考えられる。即
ち、結合材と分解補助剤とを相前後して路面上に散布す
る例として、例えば、図2に示すように、結合材2をま
ず路面1上に散布した後に、その散布面上に分解補助剤
5を散布する場合を考えると、散布直後には、路面1上
に結合材2の層と分解補助剤5の層とが形成される。結
合材2と分解補助剤5とは、両者の層の界面で互いに接
触し、混合し合って、分解補助剤5による結合材2の分
解促進作用が開始される。その結果、結合材2の層と分
解補助剤5の層との境界には、結合材2が分解、硬化し
つつある層6が形成されるが、この層6が形成されるこ
とによって、今度は逆に、未分解の結合材2と分解補助
剤5とのそれ以上の接触、混合が妨げられ、更には、結
合材2の層からの水分の散逸が妨げられる結果となる。
このため、結合材2と分解補助剤5とを短時間に十分に
混合させることが困難となるものと考えられる。このこ
とは、結合材2と分解補助剤5との散布順序を逆にした
場合も同様であって、結合材と分解補助剤とを相前後し
て路面上に散布する場合には、分解補助剤が存在するこ
とによって或る程度の養生時間の短縮化が実現できる
が、分解補助剤を使用することの利点が必ずしも十分に
生かされているとは言えないものである。
【0068】これに対し、結合材と分解補助剤とを、同
時期に散布して、両者を路面上で、より好ましくは、両
者を空中で衝突、接触させるようにすると、結合材と分
解補助剤との混合はより均一で完全なものとなり、分解
補助剤を使用することの利点を十分に生かすことが可能
となる。しかしながら、この場合でも、結合材と分解補
助剤とを同時期に散布して、両者を路面上で衝突、接触
させるよりは、両者を空中で衝突、接触させるようにす
るのが好ましい。この理由は次のように考えられる。即
ち、結合材と分解補助剤とを同時期に散布して、両者を
路面上で衝突、接触させる場合でも、或る程度の均一な
混合状態が実現できるが、結合材及び分解補助剤は路面
に到達した途端に運動量を失い静止してしまうので、両
者の均一な混合状態が実現できるといっても、それには
自ずと限界がある。ところが、結合材と分解補助剤とを
空中で衝突、接触させると、衝突、接触した後にも両者
は未だ運動状態にあり、路面に到達するまでの間に、更
に他の結合材粒子、分解補助剤粒子、或いは、結合材粒
子と分解補助剤粒子との結合体粒子などと衝突、接触を
繰り返し、極めて均一な混合状態が実現されると考えら
れる。
【0069】以下、結合材と分解補助剤とを空中で衝
突、接触させ、両者を衝撃的に混合・攪拌する場合につ
いて、図面を用いて更に詳細に説明する。
【0070】図3は、本発明の散布式表面処理工法に使
用する結合材及び分解補助剤の散布装置のうち、結合材
の散布装置のみを取り出して示した図であって、1は路
面であり、7は結合材散布用のスプレーバー、8−1、
8−2、8−3、・・・は、スプレーバー7に取り付け
られた結合材散布用のスプレーノズルである。また、9
−1、9−2、9−3、・・・は、各々のスプレーノズ
ルから噴射された結合材である。スプレーノズル8−
1、8−2、8−3、・・・としては、どのような形式
のスプレーノズルを使用しても良く、例えば、円形全面
形の噴射パターンを有するスプレーノズルや、四角形全
面形の噴射パターン、円環形の噴射パターン、その他の
噴射パターンを有するものであっても良いが、均一な散
布を実現する観点からは、図3に示すようなフラット形
の噴射パターンを有するスプレーノズルを使用するのが
望ましい。フラット形の噴射パターンとは、スプレーノ
ズルからある噴射角度αをもって扇形に噴射される、噴
射方向に垂直な断面が細長いほぼ線状の噴射パターンで
あって、本明細書においてフラット形の噴射パターンの
フラット面とは扇形の噴射パターンの扇の面を指すもの
とする。
【0071】図4は、図3を上から見た平面図であっ
て、図4に示すように、フラット形のスプレーノズル8
−1、8−2、8−3、・・・は、通常、その噴射され
た結合材9−1、9−2、9−3、・・・の噴射パター
ンのフラット面がスプレーノズル列の列方向とある角度
βを持つように配置される。角度βに特に制限はなく、
0〜90度の範囲であれば何度でも良いが、各スプレー
ノズルからの噴射パターンを重複させて不均一性を打ち
消すという観点からは、通常、5〜45度、好ましく
は、10〜40度、更に好ましくは15〜35度の範囲
である。スプレーノズルの取付角度βは、1本のスプレ
ーバーにおいては同一であるのが好ましい。
【0072】図3、図4に示すように、各スプレーノズ
ル8−1、8−2、8−3、・・・からの噴射された結
合材9−1、9−2、9−3、・・・は、スプレーバー
7の長手方向と直交する水平方向から見た場合、互いに
その一部が重複している。例えば、図3、図4の場合に
は、各噴射された結合材9−1、9−2、9−3、・・
・は、路面1上で互いに2/3ずつ重複している。この
ようなスプレーバー7とスプレーノズル8−1、8−
2、8−3、・・・からなる結合材の散布装置は、通
常、作業車に搭載され、作業車の進行と共に路面1に対
してスプレーバー7の長手方向と直交する水平方向に移
動するので、路面1上のある箇所、例えばA点から見る
と、スプレーノズル8−4、8−3、8−2から噴射さ
れた結合材9−4、9−3、9−2の下を順次通過する
ことになる。従ってA点は、都合3回、即ち、三重の散
布を受けることになる。重複散布の重複数は三重に限ら
ず、二重であっても四重以上であってもよいが、散布さ
れる結合材の均一性を求めるのであれば、三重ないしは
四重以上、少なくとも二重に散布するのが好ましい。こ
の散布の重複数が、スプレーノズルの路面からの高さ、
スプレーノズルからの噴射角度α、各スプレーノズル間
の間隔などを調整することによって適宜調整可能である
ことは言うまでもない。
【0073】さて、以上のような結合材の散布装置に対
して、本発明の散布式表面処理工法に使用する装置にお
いては、分解補助剤の散布装置を併設する。図5は、結
合材の散布装置と分解補助剤の散布装置との併設状態を
示す側面図であって、分解補助剤用のスプレーバー10
に取り付けられた分解補助剤用のスプレーノズル11
は、先端が曲げられていて、噴射された分解補助剤12
がスプレーノズル8から噴射された結合材9と空中で衝
突するように配置されている。
【0074】図6は、図5の装置を上から見た図であっ
て、図6に示すように、本発明の散布式表面処理工法に
使用する装置においては、結合材のスプレーノズル1個
に対して、分解補助剤のスプレーノズル1個が対応して
おり、例えば、結合材用のスプレーノズル8−1から噴
射された結合材9−1には、分解補助剤用のスプレーノ
ズル11−1から噴射された分解補助剤12−1が空中
で衝突し、結合材用のスプレーノズル8−2から噴射さ
れた結合材9−2には、分解補助剤用のスプレーノズル
11−2から噴射された分解補助剤12−2が空中で衝
突するようになっている。噴射された結合材又は分解補
助剤が互いに空中で衝突する結合材用のスプレーノズル
8−1、8−2、・・・と分解補助剤用のスプレーノズ
ル11−1、11−2、・・・との間の対応関係は極め
て厳密であって、両者は1対1に対応し、例えば、分解
補助剤用のスプレーノズル11−2から噴射された分解
補助剤12−2は、対応する結合材用のスプレーノズル
8−2から噴射された結合材9−2とのみ空中で衝突
し、結合材用の他のスプレーノズルから噴射された結合
材と衝突することはない。
【0075】噴射された結合材又は分解補助剤が互いに
空中で衝突する結合材用のスプレーノズル8−1、8−
2、・・・と分解補助剤用のスプレーノズル11−1、
11−2、・・・との間のこのような1対1の対応関係
は次のようにして実現される。例えば、図6において、
分解補助剤用のスプレーノズル11−1から噴射される
分解補助剤12−1を例にとると、噴射された分解補助
剤12−1と対応する結合材9−1との間には、対応し
ない結合材用のスプレーノズル8−2から噴射された結
合材9−2が存在するが、噴射された結合材9−2は、
例えば図3に示すように、裾広がりの扇形をしているの
で、噴射された分解補助剤12−1が、手前にある結合
材9−2の傾斜する裾広がりの肩部分よりも上を通過し
て結合材9−1に衝突するようにすれば良い。即ち、図
3において、スプレーバー7の長手方向と直交する水平
方向から見て、噴射された結合材9−1の右肩と、噴射
された結合材9−2の左肩との交点xから水平に引いた
線分を線分Xとして示したが、図6における分解補助剤
用のスプレーノズル11−1から噴射された分解補助剤
12−1が、結合材9−2の上を、図3における線分X
よりも高い位置で通過するようにすれば、結合材用のス
プレーノズルと分解補助剤用のスプレーノズルとを1対
1に対応させることができる。噴射された結合材と分解
補助剤とがこのような位置関係になるように、結合材用
のスプレーノズル8−1、8−2、8−3、・・・と分
解補助剤用のスプレーノズル11−1、11−2、11
−3・・・とを配置することによって、例えば、分解補
助剤用のスプレーノズル11−3から噴射された分解補
助剤12−3は、結合材用のスプレーノズル8−3から
噴射された結合材9−3とだけ衝突し、隣接する他の結
合材用のスプレーノズル8−2又は8−4から噴射され
た結合材9−2又は9−4と衝突することがないように
なる。
【0076】なお、分解補助剤用のスプレーノズル11
−1からの分解補助剤12−1の噴射方向は、通常斜め
下向きであるので、分解補助剤12−1が手前にある結
合材9−2の上を通過する位置を線分Xよりも若干高い
位置とした場合でも、結合材9−1上での結合材9−1
と分解補助剤12−1との衝突位置は、図3に線分Yで
示すように、線分Xよりもやや低い位置まで下げること
が可能である。しかしながら、狭い範囲に多数のスプレ
ーノズルが共存することになるので、装置設計上の観点
からは、結合材9−1上での結合材9−1と分解補助剤
12−1との衝突位置は、線分Xよりもやや上になるよ
うにするのが好ましい。
【0077】結合材と分解補助剤との衝突位置Yは、余
りに低いと、結合材と分解補助剤とが衝突してから路面
上に落下して運動量を失うまでの時間が短すぎて、均一
な混合が実現できなくなり、また、余りに高いと、噴射
された結合材と分解補助剤とが両者とも未だ濃く固まっ
た状態で衝突することになるので好ましくない。従っ
て、衝突位置Yの高さは、路面1から結合材用のスプレ
ーノズル8−1までの高さをHとして、1/4H〜3/
4Hの範囲が好ましく、より好ましくは、2/4H〜3
/4Hの範囲である。
【0078】以上のようにして、結合材用のスプレーノ
ズル8−1、8−2、8−3・・・と分解補助剤用のス
プレーノズル11−1、11−2、11−3・・・とを
1対1に対応させることによって、衝突する結合材と分
解補助剤の量的割合や、衝突速度、衝突位置などの衝突
条件をコントロールすることが容易となり、結合材と分
解補助剤とを最適の割合で、かつ、最適の衝突条件で衝
突させることが可能になる。その結果、両者の極めて均
一な混合が実現され、より短い養生時間が実現できるこ
とは言うまでもない。
【0079】また、本発明の散布式表面処理工法に使用
する装置においては、図6に示すように、分解補助剤1
2−1、12−2、12−3、・・・は、それぞれ対応
する結合材9−1、9−2、9−3、・・・に向かっ
て、各々の衝突位置Y1、Y2、Y3、・・・上での噴
射密度が均一になるように噴射される。即ち、分解補助
剤12−1、12−2、12−3、・・・は、図6の平
面図において、その扇形の噴射パターンが、結合材9−
1、9−2、9−3、・・・の扇形の噴射パターンのフ
ラット面に対する垂直面Z1、Z2、Z3、・・・に関
して左右対称となるような角度で、結合材9−1、9−
2、9−3、・・・に向かって噴射される。これによ
り、各々の衝突位置Y1、Y2、Y3、・・・上での分
解補助剤12−1、12−2、12−3、・・・の噴射
密度は、衝突位置Y1、Y2、Y3、・・・の幅方向の
全体に亘って均一となり、結合材と分解補助剤とのより
均一な混合が実現される。
【0080】なお、以上の例においては、路面に対して
ほぼ垂直に噴射される結合材に分解補助剤を斜めに衝突
させるようにしたが、逆に、分解補助剤を路面に対して
垂直に噴射して、その分解補助剤に対して結合材を斜め
に衝突させるようにしても良く、更には、結合材及び分
解補助剤共に斜めに噴射して衝突させるようにしても良
い。しかしながら、結合材の方が量的に多く、主材であ
るということを考えると、以上に述べた例のように路面
に対してほぼ垂直に噴射される結合材に分解補助剤を斜
めに衝突させるのが好ましい。
【0081】本発明の散布式表面処理工法においては、
分解補助剤は水溶液の状態で使用するのが望ましく、そ
の濃度は、通常、1.5〜20w/w%の範囲が良い。
分解補助剤の水溶液濃度が1.5w/w%未満では、結
合材としてのアニオン系またはノニオン系アスファルト
乳剤の分解を促進する効果が期待できず、また、分解補
助剤の水溶液濃度が20w/w%を超えると、アニオン
系またはノニオン系アスファルト乳剤の分解速度が速く
なり過ぎて施工作業に支障を来すようになる。
【0082】本発明において、結合材であるアニオン系
またはノニオン系アスファルト乳剤に対して接触、混合
せしめられる分解補助剤の割合は、アニオン系またはノ
ニオン系アスファルト乳剤中の蒸発残留物100重量部
に対して、分解補助剤の水溶液中の有効成分量として、
0.05〜0.5重量部の範囲が好ましい。分解補助剤
の水溶液中の有効成分量が0.05重量部未満では、ア
スファルト乳剤の分解を促進する効果が期待できず、
0.5重量部を超えるとアスファルト乳剤の分解速度が
速くなり過ぎて施工作業に支障を来すようになる。
【0083】各々のスプレーノズルからの噴射圧力は、
結合材及び分解補助剤共に、0.6〜5.0kgf/c
の範囲が好ましく、望ましくは1.0〜2.5kg
f/cmの範囲である。噴射圧力が0.6kgf/c
未満の場合には、噴射パターンが良好な扇形となり
難く、また、噴射圧力が5kgf/cmを超えると、
被噴射物が霧状になってしまい、良好な散布膜が路面上
に形成され難くなる。また、結合材と分解補助剤の噴射
圧力は同じであっても良いが、分解補助剤の噴射圧力の
方を結合材の噴射圧力よりも若干高目に設定するのが望
ましい。
【0084】図7は、本発明の散布式表面処理工法に使
用する作業車であって、図7において、符号13は作業
車、14a、14bは、それぞれ、作業車13の前輪及
び後輪、7は結合材用のスプレーバー、8は結合材用の
スプレーノズル、10は分解補助剤用のスプレーバー、
11は分解補助剤用のスプレーノズルである。結合材用
のスプレーノズル8及び分解補助剤用のスプレーノズル
11は、図7においてはそれぞれ1個しか表されていな
いが、作業車の幅方向に複数個設けられている。15は
骨材の散布装置としての骨材ビン(bin )である。骨材ビ
ンとしては、同じ出願人による前記特願平10−158
664号明細書、特願平10−158665号明細書、
特願平10−172107号明細書、特願平10−17
2119号明細書、及び、特願平10−177986号
明細書に開示した作業車に搭載されたようなものを使用
する。結合材は、図示しない供給車から符号16で示さ
れる搬入ソケットを介して搬入され、搬送ポンプ17に
よって結合材用のスプレーバー7へと圧送されて、スプ
レーノズル8から路面に向かって噴射され、路面1上に
散布される。一方、18は分解補助剤タンクであり、分
解補助剤は、このタンク18から図示しない搬送ポンプ
によって分解補助剤用のスプレーバー10へと圧送され
て、スプレーノズル11から結合材9に向かって噴射さ
れる。分解補助剤用のスプレーノズル11と結合材用の
スプレーノズル8とは、両者が1対1に対応するように
配置されており、1つのスプレーノズルから噴射された
分解補助剤は、1つのスプレーノズルから噴射された結
合材と空中で衝突し、接触して、衝撃的に攪拌・混合す
るようになっている。また、衝突位置における分解補助
剤の噴射密度が衝突位置の幅全体に亘って均一になるよ
うに、分解補助剤用のスプレーノズル11と結合材用の
スプレーノズル8とが配置されていることは図6を基に
説明したとおりである。結合材用のスプレーノズル8に
対する分解補助剤用のスプレーノズル11の角度を調整
することによって、結合材と分解補助剤とを路面上で衝
突させたり、結合材の散布面上に分解補助剤を散布する
ようにできるのは言うまでもない。また、分解補助剤用
のスプレーバー10及びスプレーノズル11と、結合材
用のスプレーバー7及びスプレーノズル8の位置関係を
逆にして、分解補助剤を先に散布した後に、結合材を散
布するようにすることも可能であるし、分解補助剤用の
スプレーバー10とスプレーノズル11及び結合材用の
スプレーバー7とスプレーノズル8とのいずれか一方又
は双方を、2組以上設けることも随意である。
【0085】骨材は、図示しない骨材搬送車から骨材ポ
ッパー19に搬入され、搬送コンベア20に運ばれて、
骨材ビン15から路面1上に散布される。なお、21
は、作業車13の前方に位置する図示しない骨材搬送車
の後輪を押すプッシュローラーである。また、22は作
業ステップ、23は路面加熱用の加熱装置である。
【0086】また、本発明の散布式表面処理工法におい
ては、結合材の散布と同時に、又は、結合材の散布と相
前後して、繊維材料を散布若しくは敷き均すようにして
も良く、図7の作業車13においては、結合材の散布装
置、分解補助剤の散布装置、及び、骨材の散布装置に加
えて、繊維材料の散布若しくは敷き均し装置が設けられ
ている。即ち、図7において、符号24は、モノフィラ
メント、マルチフィラメント、紡績糸、撚糸等の繊維材
料の収納装置を示し、収納されている繊維材料25はノ
ズル26からランダムな方向に、あるいは一定の方向に
噴射されるようになっている。また、この繊維材料収納
装置24には、短繊維27を合わせて収納することがで
き、短繊維27も噴射ノズル26から噴射されるように
なっている。この図示の例では、繊維材料は、結合材及
び分解補助剤が、それぞれスプレーノズル8及びスプレ
ーノズル11から路面1上に散布された後に散布される
ようになっているが、結合材のスプレーノズル8及び分
解補助剤のスプレーノズル11と繊維材料の噴射ノズル
26との距離を近づけて、三者を同時に散布させ、空中
で互いに混じり合うようにすることも可能である。
【0087】なお、図には示していないが、モノフィラ
メント、マルチフィラメント、紡績糸、撚糸等の繊維材
料を作業車の車幅方向に向かって噴射するノズルを別途
設けることも可能であり、この図示しないノズルによっ
て繊維材料を作業車の車幅方向に噴射するとともに、噴
射ノズル26から繊維材料を作業車の進行方向と平行に
噴射することによって、路面上で同種または異種の繊維
材料を互いに直行する方向に堆積させることも可能であ
る。
【0088】一方、符号28は、不織布、織布、編布等
のシート状繊維材料29の収納装置を示し、シート状繊
維材料はロール状に巻かれて保持されている。このシー
ト状繊維材料は、送り出し装置30によって送り出さ
れ、路面上に敷き均される。31は、送り出されたシー
ト状繊維材料29を路面上に密着させる押えローラーで
ある。使用される繊維の量は、目付量で、通常、25g
/mないし150g/mであるが、好ましくは、5
0g/mないし120g/mである。
【0089】このように、結合材と同時又は相前後して
繊維材料を散布若しくは敷き均すことによって、結合材
と繊維材料とは互いに混じり合い、含浸し合って、骨材
を強固に結合し、耐久性や安定性に優れるばかりでな
く、ひび割れ追従性や防水性に優れた表面処理層を構築
することとなる。
【0090】次に、本発明の散布式表面処理工法の作業
手順を説明する。
【0091】まず、施工路面をロードスイーパーで清掃
した後、結合材及び分解補助剤を散布する。結合材と分
解補助剤の散布は、上述のように、両者を空中で衝突さ
せるように散布するのが望ましい。結合材及び分解補助
剤を散布するに先立って、水又はプライマーを散布する
ようにしても良い。水は、例えば、結合材としてアニオ
ン系またはノニオン系アスファルト乳剤を使用する本発
明の場合には、アニオン系またはノニオン系アスファル
ト乳剤と路面との接着性やなじみ性を増強するために必
要に応じて散布され、夏季には上昇した路面温度を下げ
る効果もある。一方、プライマーも、結合材と路面との
接着性やなじみ性などを増強する目的で必要に応じて散
布される。結合材の散布量は、骨材が路面に結合される
限り特に制限はないが、散布式表面処理層1層当たり、
通常、100m当り60〜250リットルの範囲が好
ましい。100m当りの結合材量が60リットル未満
では、路面と骨材及び骨材と骨材間の結合力、接着力が
不足する可能性があり、逆に、250リットルを越える
と、フラッシュ現象の原因となる。また、この結合材の
散布量は、骨材の粒径に応じて変化し、一般には、粒径
の大きな骨材を使用する場合ほど結合材の一層当たりの
散布量は多くなる。
【0092】結合材及び分解補助剤の散布後、散布され
た結合材及び分解補助剤の混合層上に更に骨材を散布す
る。骨材の散布量は、散布式表面処理層1層当たり、通
常、100m当り0.4〜2.5mの範囲が好まし
い。100m当りの骨材の散布量が0.4m未満で
あると、フラッシュ現象の原因となり、逆に、100m
当りの骨材量が2.5mを越えると、余剰の骨材が
浮石となって車両の通行を妨げるばかりでなく、歩行者
にとっても歩行しづらい路面となる。また、骨材の散布
量は、粒径の大きい骨材ほど多目に散布するのが望まし
い。なお、骨材は、通常、常温で散布されるが、100
〜170℃に加熱した状態で散布するようにしても良
い。
【0093】散布式表面処理層を一層だけ構築する場合
には、続いて、骨材の散布面を転圧する。転圧機として
は、例えば、タイヤローラー、鉄輪ローラー、振動ロー
ラーなどの自走式転圧機を使用することができる。
【0094】散布式表面処理層を二層以上の多層に構築
する場合には、一層目の骨材の散布面上に更に結合材及
び分解補助剤を散布し、続いて、骨材を散布する工程を
必要な回数だけ繰り返せば良い。上層に散布される骨材
は、下層に散布されるものよりも粒径の小さなものを使
用するのが好ましく、それに伴い、散布される結合材、
分解補助剤、及び、骨材の散布量も上層ほど少なくする
のが望ましい。最上層を構築するに際しては、骨材とし
て、有色のものを使用すれば簡単にカラー舗装を実現す
ることができる。また、光反射性、光輝性ないしは蛍光
性の骨材を使用するれば、簡単に光反射性舗装ないしは
蛍光性舗装を構築することが可能となる。
【0095】散布式表面処理層を二層以上の多層に構築
する場合、繊維材料は、必要に応じて適宜の層の構築時
に、結合材及び分解補助剤と同時に又は相前後して散布
すれば良いが、ひび割れ追従性や防水性に特段の問題の
ない表面処理層を構築する場合には最下層の構築時のみ
に使用しても良い。
【0096】散布式表面処理層を二層以上の多層に構築
する場合、仕上げは、各層毎に骨材の散布面を転圧する
ことによって行われる。転圧には、散布式表面処理層を
一層だけ構築する場合と同じく、タイヤローラー、鉄輪
ローラー、振動ローラーなどの自走式転圧機を使用する
ことができる。最上層についてのみは、結合材を散布す
ることなく、骨材のみを散布しても良い。使用骨材とそ
の散布量についていえば、例えば、細目砂、中目砂、粗
目砂や7号砕石(粒径5〜2.5mm)などの細粒骨材
を薄く、例えば、0.1〜0.4(m/100m
程度、先に散布された骨材上に空撒きしても良いことと
なる。最後に当該散布面を軽く転圧し、ロードスイーパ
ーによって浮石を除去して交通に開放する。なお、本発
明の散布式表面処理工法によって構築された表面処理層
上に、アスファルト混合物などを敷き均し、本発明の散
布式表面処理工法によって構築された表面処理層を褥層
として利用するようにしても良い。
【0097】以下、実験例を用いて本発明を更に詳細に
説明する。
【0098】〈実験1〉結合材の特性が路面との結合力
に及ぼす影響 使用する結合材の特性が、構築される散布式表面処理層
の耐久性に及ぼす影響を調べるため、表2に示すような
種々の特性を有する7種類のアニオン系またはノニオン
系アスファルト乳剤を調製し、以下に述べる付着性試験
をビアリット(Vialit)付着試験方法に準じて行
った。骨材としては、最小粒径5mm、最大粒径8mm
の骨材試料を用意し、これをビアリット付着試験方法に
規定する条件で乾燥、静置した。一方、分解補助剤とし
ては、アルキルジアミン酢酸塩(商品名「カチオンDT
A」、日本油脂株式会社製)の10w/w%水溶液を用
意し、重量比で、(分解補助剤水溶液中の有効成分量)
/(アスファルト乳剤中の蒸発残留物)=0.3/10
0とした。
【0099】一方、厚さ2mm、大きさ200×200
mmの金属板を試料数だけ用意し、これに、結合材とし
て別途調製した上記7種類のアニオン系またはノニオン
系アスファルト乳剤の各々と上記分解補助剤とをフラッ
ト形のスプレーノズルを用いて空中で衝突させながら
1.1(リットル/m)の割合で散布した。なお、結
合材の散布高さHは50cm、結合材と分解補助剤の衝
突位置は、散布面から30cm、即ち、(3/5)Hと
した。次いで、この結合材と分解補助剤の散布面上に、
1金属板当たり90粒の上記骨材を散布した後、線圧7
kgf/cmの負荷をかけて、相反する方向にそれぞれ
15回ずつ、合計30回転圧した。これを6時間静置し
た後、骨材の付着面を下にして水平に保持した状態で、
その上から、直径50mm、重さ500gの鉄球を10
秒以内に3回、金属板中央に落下させた。鉄球の落下に
よって金属板からはがれ落ちた骨材粒の内、結合材が付
着していない骨材粒の数を数えてaとした。また、金属
板に残った骨材を手で剥がし、結合材が付着していない
骨材粒の数を数えてdとした。付着率(%)は、付着率
(%)={(90−a−d)/90}×100として計
算した。各々の試料について3回試験を行い、結果はそ
の平均とし、付着率80%以上のものを満足できるもの
と評価した。更に、分解補助剤を散布しない点を除いて
は同じ手順で、7種類のアニオン系またはノニオン系ア
スファルト乳剤上に骨材を散布した試料を作成し、同様
に試験して付着率を求めた。結果を表2に示す。
【0100】
【表2】
【0101】表2から明らかなように、結合材と分解補
助剤とを空中で衝突させた場合には、結合材としてのア
ニオン系またはノニオン系アスファルト乳剤の物性が、
蒸発残留物の針入度が150(1/10mm)以下、蒸
発残留物の軟化点が50℃以上、蒸発残留物の25℃に
おけるタフネスが70kgf・cm以上、蒸発残留物の
25℃におけるテナシティが30kgf・cm以上で、
付着率80%以上の満足できる結果が得られた。また、
針入度が90〜120(1/10mm)、軟化点が60
〜80℃、タフネスが100〜200kgf・cm、テ
ナシティが70〜180kgf・cmのアスファルト乳
剤D及びEにおいて、付着率90%以上の満足できる結
果が得られたが、軟化点が120℃以上の乳剤Fとなる
と、アスファルト乳剤が分解して得られるアスファルト
分が幾分軟らか目となり、腰が幾分減少し、付着率にお
いても若干低下する傾向が見られた。更に軟化点が高く
なって、軟化点が150℃、針入度が20(1/10m
m)、タフネスが250kgf・cm、テナシティが2
20kgf・cmのアスファルト乳剤Gは、アスファル
ト乳剤が分解して得られるアスファルト分が軟らかくな
り、腰も弱くなって、付着率は更に減少した。一方、分
解補助剤を使用しない場合においてもほぼ同様の結果が
得られたが、付着率は全体的に分解補助剤を使用する場
合に比べて低い値が得られた。
【0102】〈実験2〉結合材の粘度が表面処理層の均
一性に及ぼす影響 結合材の粘度が表面処理層の均一性に及ぼす影響を調べ
るため、20℃における粘度が種々の値を示すアニオン
系アスファルト乳剤を用意し、轍掘れの出来た路面から
舗装打ち替えのために切り出した表面に凹凸のある実験
用舗装体上に、1.2(リットル/m)の割合で散布
した。なお、凹部と凸部の差は、平均で約20mmであ
った。次いで、直ちに、実験1で用いたのを同じ骨材を
9(リットル/m)の割合で上から散布し、軽く転圧
した後、結合材が硬化するまで養生した。養生後、実験
用舗装体をカッターで切断し、凹部の底部及び凸部の頂
部における結合材の厚さを測定した。結果を、使用した
結合材の種類と共に表3に示す。
【0103】
【表3】
【0104】表3の結果から明らかなように、20℃に
おける粘度が19センチポアズ及び32センチポアズの
結合材は、散布後、重力の作用によって路面の凹部に流
れ込み滞留する傾向があり、路面の凸部の頂部では結合
材の厚さは平均して約0.65mmないしは0.77m
mと薄く、逆に、路面の凹部の底部では、平均して1.
35mmないしは1.21mmと厚い結合材層が形成さ
れた。凸部における骨材粒は、スパチュラの先で剥がす
ことを試みると、比較的簡単に剥がすことができた。ま
た、凹部にあっては、結合材の量が多過ぎて、このまま
では実際に車両の通行に供用された場合にはフラッシュ
現象を起こす危険性がある。
【0105】一方、20℃における粘度が約40センチ
ポアズ以上となると、結合材の流動は抑えられ、路面凹
部の底部及び凸部の頂部における結合材層の厚さにはさ
ほど違いが見られない。凸部、凹部における骨材粒をス
パチュラ先端で剥がすことを試みたが、容易には剥がす
ことができないほど強固に結合していた。以上のことか
ら、結合材として20℃における粘度が約40センチポ
アズ以上のものを使用すれば、路面に凹凸があっても結
合材が路面上で流動することなく、均一な表面処理層が
構築できることが分かった。
【0106】〈実験3〉結合材中の蒸発残留物の粘度が
表面処理層の均一性に及ぼす影響 結合材中の蒸発残留物の粘度が表面処理層の均一性に及
ぼす影響を調べるため、60℃における絶対粘度が種々
の値を示す結合材を用意し、轍掘れの出来た路面から舗
装打ち替えのために切り出した表面に凹凸のある実験用
舗装体上に、1.2(リットル/m)の割合で散布し
た。なお、結合材自体の20℃における粘度は約40セ
ンチポアズ、実験用舗装体上の凹部と凸部の差は、平均
で約20mmであった。次いで、直ちに、実験1で用い
たのを同じ骨材を9(リットル/m)の割合で上から
散布し、軽く転圧した後、3ヶ月養生した。養生後、実
験用舗装体をカッターで切断し、凹部の底部及び凸部の
頂部における結合材の厚さを測定した。結果を、使用し
た結合材の種類と共に表4に示す。
【0107】
【表4】
【0108】表4の結果から明らかなように、60℃に
おける絶対粘度が約7000ポアズ及び約12000ポ
アズの結合材は、散布後、重力の作用によって時間の経
過と共に次第に流動し、路面の凹部に滞留する傾向があ
り、路面の凸部の頂部では結合材の厚さは0.64mm
ないしは0.74mmと薄く、逆に、路面の凹部の底部
では、1.39mmないしは1.36mmと厚い結合材
層が形成された。凸部における骨材粒は、スパチュラの
先で剥がすことを試みると、比較的簡単に剥がすことが
できた。また、凹部にあっては、結合材の量が多過ぎ
て、このままでは実際に車両の通行に供用された場合に
はフラッシュ現象を起こす危険性がある。
【0109】一方、60℃における絶対粘度が約150
00ポアズ以上となると、結合材の流動は抑えられ、路
面凹部の底部及び凸部の頂部における結合材層の厚さに
はさほど違いが見られない。凸部、凹部における骨材粒
をスパチュラ先端で剥がすことを試みたが、容易には剥
がすことができないほど強固に結合していた。以上のこ
とから、結合材として60℃における絶対粘度が約15
000ポアズ以上のものを使用すれば、路面に凹凸があ
っても結合材が路面上で時間の経過と共に流動すること
なく、均一な表面処理層が構築できることが分かった。
【0110】〈実験4〉結合材の種類及び分解補助剤の
使用量が造膜時間に及ぼす影響 結合材としてアニオン系アスファルト乳剤(商品名「サ
ンピーゾールA」、ニチレキ株式会社製)、分解補助剤
としては実験1で使用したものを同じものを使用し、ア
ニオン系アスファルト乳剤の蒸発残留物100重量部に
対する分解補助剤水溶液中の有効成分量を種々の割合に
変化させながら、両者を実験1におけると同じく空中で
衝突させて、30cm×30cm×5cmのアスファル
トコンクリート板上に散布した。散布後、種々の養生時
間において、散布面が褐色から黒色に変化してアニオン
系アスファルト乳剤の分解膜が形成されているか否かを
観察した。また、結合材として、タックコート用の汎用
アスファルト乳剤pk−4(ニチレキ株式会社製)を使
用し、分解補助剤を使用しない以外は、同様にして、散
布面上での分解膜の造膜の有無を観察して対照とした。
なお、試験温度は20℃であった。
【0111】使用した結合材の物性は、それぞれ以下の
とおりである。 アニオン系アスファルト乳剤(商品名「サンピーゾール
A」、ニチレキ株式会社製) 蒸発残留物:68(%) 蒸発残留物の針入度:103(1/10mm) 蒸発残留物の軟化点:65(℃) 蒸発残留物の25℃におけるタフネス:160(kgf
・cm) 蒸発残留物の25℃におけるテナシティ:145(kg
f・cm) 蒸発残留物の60℃における絶対粘度:16000(ポ
アズ) 20℃における粘度:42(センチポアズ) タックコート用の汎用アスファルト乳剤pk−4(ニチ
レキ株式会社製) 蒸発残留物:51(%) 蒸発残留物の針入度:62(1/10mm) 蒸発残留物の軟化点:46(℃) 蒸発残留物の25℃におけるタフネス:35(kgf・
cm) 蒸発残留物の25℃におけるテナシティ:5(kgf・
cm) 蒸発残留物の60℃における絶対粘度:2000(ポア
ズ)
【0112】結果を表5に示す。なお、表5中、○印は
造膜が観察されたものを、×印は造膜が観察されなかっ
たものを示す。
【0113】
【表5】
【0114】表5の結果から明かなように、分解補助剤
を、水溶液中の有効成分量で、アニオン系アスファルト
乳剤の蒸発残留物100重量部に対して0.05重量部
以上使用する場合には、造膜までの時間が著しく短縮さ
れ、アスファルト乳剤の分解、硬化が顕著に促進されて
いることが分かる。また、本発明で規定するa)〜d)
の特性を満たすアニオン系アスファルト乳剤は、対照と
しての従来のタックコート用アスファルト乳剤に比べ
て、分解補助剤を使用しない場合においてすら、分解、
硬化時間が短かった。
【0115】〈実験5〉分解補助剤の種類の造膜時間及
び付着性に及ぼす影響 結合材として、実験4で使用したのと同じアニオン系ア
スファルト乳剤(商品名「サンピーゾールA」、ニチレ
キ株式会社製)を使用し、分解補助剤の種類を種々変え
て、実験4と同様にして両者を空中で衝突させながら、
30cm×30cm×5cmのアスファルトコンクリー
ト板上に散布した。散布後、実験4と同様に、種々の養
生時間において、散布面が褐色から黒色に変化してアス
ファルト乳剤の分解膜が形成されているか否かを観察し
た。ただし、使用したアスファルト乳剤の蒸発残留物1
00重量部に対する分解補助剤水溶液中の有効成分量
は、0.3重量部に固定して実験を行った。なお、分解
補助剤を使用せず、結合材だけを使用して同様の試験を
行い対照とした。
【0116】併行して、結合材と分解補助剤とを上記と
同じ組み合わせとし、養生時間を種々に変えた以外は実
験1と同様にして、分解補助剤の違いが付着率に及ぼす
影響を調べた。ただし、使用したアスファルト乳剤の蒸
発残留物100重量部に対する分解補助剤水溶液中の有
効成分量は、0.3重量部に固定して実験を行った。ま
た、分解補助剤を使用せず、結合材だけを使用して同様
の試験を行い対照とした。造膜の有無の観察結果及び付
着率の判定結果を併せて表6に示す。
【0117】
【表6】
【0118】表6の結果から明らかなように、試験した
種々の分解補助剤の中では、アルキルモノアミン酢酸
塩、アルキルジアミン酢酸塩などのアルキルアミン系界
面活性剤の酢酸塩や、アルキル四級アンモニウム塩が、
造膜時間及び付着性のいずれにおいても優れており、中
でも、アルキルジアミン酢酸塩が最も優れていた。
【0119】〈実験6〉結合材と分解補助剤の散布形態
の造膜時間及び付着率に及ぼす影響 結合材として、実験4で使用したのと同じアニオン系ア
スファルト乳剤(商品名「サンピーゾールA」、ニチレ
キ株式会社製)を使用し、分解補助剤としては、実験1
で使用したのと同じアルキルジアミン酢酸塩(商品名
「カチオンDTA」、日本油脂株式会社製)の10w/
w%水溶液を用い、散布形態を、種々変化させた以外
は、実験5と同様にして、種々の養生時間における造膜
の有無及び付着率を調べた。ただし、アニオン系アスフ
ァルト乳剤の蒸発残留物100重量部に対する分解補助
剤水溶液中の有効成分量は、0.3重量部に固定して実
験を行った。
【0120】散布形態は以下のように変化させた。な
お、結合材の散布高さHは実験1と同じく散布面から5
0cmとした。 (1)結合材を散布後、その散布面上に分解補助剤を散
布 (2)分解補助剤を散布後、その散布面上に結合材を散
布 (3)結合材と分解補助剤とが散布面上で衝突するよう
に両者を同時に散布(衝突高さH=0) (4)結合材と分解補助剤とが散布面上の空中で衝突す
るように両者を同時に散布(衝突高さH=(1/5)
H) (5)結合材と分解補助剤とが散布面上の空中で衝突す
るように両者を同時に散布(衝突高さH=(2/5)
H) (6)結合材と分解補助剤とが散布面上の空中で衝突す
るように両者を同時に散布(衝突高さH=(3/5)
H) (7)結合材と分解補助剤とが散布面上の空中で衝突す
るように両者を同時に散布(衝突高さH=(4/5)
H)
【0121】結果を表7に示す。
【0122】
【表7】
【0123】表7の結果から明らかなように、結合材と
分解補助剤とを相前後して散布する(1)及び(2)の
散布形態に比べて、結合材と分解補助剤とを同時期に散
布する(3)〜(7)の散布形態の方が、造膜時間及び
付着率のいずれにおいても優れていたが、結合材と分解
補助剤とを散布面上で衝突させる(3)の散布形態より
も、結合材と分解補助剤とを空中で衝突させる(4)な
いし(7)の散布形態の方が良い結果が得られた。ま
た、結合材と分解補助剤とを空中で衝突させる(4)な
いし(7)の散布形態の中でも、衝突高さHが、(1
/5)Hである(4)の場合や(4/5)Hである
(7)の場合よりも、(2/5)Hや(3/5)Hであ
る(5)及び(6)の場合の方が特に優れており、空中
衝突させる場合においても、衝突高さは(1/4)H〜
(3/4)Hの範囲が良いことが分かる。
【0124】また、造膜が観察された養生時間30分の
各試料について、スパチュラの先端で造膜層を一部破壊
し、内部状態を調べたところ、(1)の散布形態の試料
では、結合材と分解補助剤との境界面は造膜していた
が、結合材の路面側部分は依然として造膜前の状態であ
った。同様に、(2)の散布形態の試料では、結合材と
分解補助剤との境界面は造膜していたが、分解補助剤の
路面側部分には依然として水分が残っていた。これに対
して、(3)〜(7)の散布形態の試料では、均一な造
膜が観察された。
【0125】以下、実施例を用いて、本発明を更に説明
するが、本発明がこれら実施例に限られるものでないこ
とは勿論である。
【0126】〈実施例1〉結合材として、実験3で使用
したのと同じアニオン系アスファルト乳剤(商品名「サ
ンピーゾールA」、ニチレキ株式会社製)を、分解補助
剤として、実験1で使用したのと同じアルキルジアミン
酢酸塩(商品名「カチオンDTA」、日本油脂株式会社
製)の10w/w%水溶液を使用し、骨材として、同じ
く実験1で使用したのと同じ骨材を使用し、図7に示す
形態の作業車を用いて、試験路面上に3m×10mの区
間に亘って散布式表面処理工法を施工した。施工は、作
業車を約5km/hで進行させながら、結合材と分解補
助剤とを同時に散布し、1のスプレーノズルから噴射さ
れた分解補助剤が、1のスプレーノズルから噴射された
結合材と空中で衝突するようにして行った。路面から結
合材のスプレーノズルまでの高さは50cmとし、その
結合材の散布高さの約2/3の位置(路面から約33c
mの高さの位置)で分解補助剤が結合材に衝突するよう
に各スプレーノズルの位置及び角度を調整した。なお、
使用した分解補助剤の結合材に対する割合は、アニオン
系アスファルト乳剤の蒸発残留物100重量部に対する
分解補助剤水溶液中の有効成分量として0.3重量部で
あった。結合材と分解補助剤の散布後、直ちに骨材を散
布し、骨材の散布後、振動ローラーで軽く転圧した。施
工路面には最大深さ15mm程度の轍掘れがあったが、
結合材が流動することなく、均一な表面処理層を構築す
ることができた。構築後、60分の養生期間をおいて、
重荷重積載車を試験的に30回通過させたが、骨材の飛
散は見られなかった。また、骨材をスパチュラの先で剥
がすことを試みたが、骨材は路面に強く結合しており、
剥がすのは困難であった。
【0127】〈実施例2〉結合材を別途調製したアニオ
ン系改質人工アスファルト乳剤とし、骨材として、粒径
5−8mmの明色骨材(緑色、商品名「ロードセラム
G」、内外セラミックス株式会社製)を用いた以外は、
実施例1と同様にして、散布式表面処理工法を施工し
た。使用した改質人工アスファルトの特性は以下のとお
りであった。 アニオン系改質人工アスファルト乳剤(「カラファルト
EMA」、ニチレキ株式会社製) 蒸発残留物:68(%) 蒸発残留物の針入度:90(1/10mm) 蒸発残留物の軟化点:74(℃) 蒸発残留物の25℃におけるタフネス:170(kgf
・cm) 蒸発残留物の25℃におけるテナシティ:155(kg
f・cm) 蒸発残留物の60℃における絶対粘度:19000(ポ
アズ) 20℃における粘度:60(センチポアズ)
【0128】施工路面には、幅5mm以下のひび割れが
何本か存在していたが、構築された表面処理層によって
完全に覆われた。構築された表面処理層は鮮やかな緑色
で、構築後、60分の養生期間をおいて、ドライバーの
先端で骨材粒を剥がすことを試みたが、かなり強力に路
面と結合していた。更に、重荷重積載車を試験的に30
回通過させたが、骨材の飛散は見られなかった。
【0129】〈実施例3〉骨材として、0.5重量%の
ストレートアスファルトによりプレコートした粒径5−
8mmの骨材を使用し、結合材と分解補助剤の散布の直
後に繊維材料を散布した以外は、実施例1と同様にし
て、本発明の散布式表面処理工法を施工した。なお、使
用した繊維材料は、ポリエステル繊維(100デニー
ル、48フィラメント、繊維長:20mm 東洋紡績株
式会社製)であった。
【0130】構築された表面処理層は均一で、構築後、
60分の養生期間をおいて、ドライバーの先端で骨材粒
を剥がすことを試みたが、かなり強力に路面と結合して
いた。更に、重荷重積載車を試験的に30回通過させた
が、骨材の飛散は見られなかった。
【0131】
【発明の効果】以上のように、本発明の散布式表面処理
工法は、結合材として特定の特性を有するアニオン系ま
たはノニオン系アスファルト乳剤を使用すると共に分解
補助剤を使用するので、アニオン系またはノニオン系ア
スファルト乳剤の分解、硬化時間が短縮され、短い養生
時間で、強固で耐久性に富む安定した表面処理層を構築
することができる。特に、結合材としてのアニオン系ま
たはノニオン系アスファルト乳剤と分解補助剤とを両者
が空中で衝突するように、更には、1のスプレーノズル
から噴射された分解補助剤が1のスプレーノズルから噴
射された結合材と空中で衝突するように、両者を散布す
ることによって、結合材と分解補助剤の混合は一層均一
なものとなり、極めて短時間で、耐久性と強度に優れた
表面処理層を構築することが可能となる。
【0132】また、結合材として、蒸発残留物の60℃
における絶対粘度が約15000ポアズ以上のものを使
用する場合には、施工路面に凹凸や傾斜が存在する場合
でも、散布された結合材が無闇に流動することがなく、
場所によって結合材が過剰となったり、不足したりする
ことがなく、均一で耐久性に優れた表面処理層を構築す
ることができる。更には、結合材や分解補助剤と同時
に、又は相前後して、繊維材料を散布若しくは敷き均す
ことによって、耐久性ばかりでなく、防水性にも優れた
表面処理層を構築することができる。
【0133】本発明の散布式表面処理工法は、本明細書
で開示したような特定の作業車を用いて施工することに
よって、一層の均一性と耐久性、安定性を構築される表
面処理層にもたらすことが可能であり、その結果、構築
される表面処理層を備えた本発明の舗装体と共に、極め
て有用、かつ、優れた発明である。しかも本発明の散布
式表面処理工法は、使用する骨材を選択して、有色のも
のを使用することにより、極めて簡単に、カラー舗装を
実現することができる。更には、本発明の散布式表面処
理工法は、アニオン系またはノニオン系アスファルト乳
剤を結合材として使用するので、常温施工が可能であ
り、材料の加熱に伴う炭酸ガスの発生がなく、地球環境
的にも優れた工法である。本発明は既存路面の補修だけ
でなく、新設路面においても、優れた効果を発揮し、当
該技術分野に新たな可能性をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 散布式表面処理工法の一例を示す図である。
【図2】 結合材と分解補助剤とを相前後して散布した
場合の状態を示す図である。
【図3】 本発明に使用する結合材の散布装置の一例を
示す正面図である。
【図4】 本発明に使用する結合材の散布装置の一例を
示す平面図である。
【図5】 本発明に使用する結合材の散布装置と分解補
助剤の散布装置の位置関係を示す側面図である。
【図6】 本発明に使用する結合材の散布装置と分解補
助剤の散布装置の位置関係を示す平面図である。
【図7】 本発明の作業車の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 路面 2 結合材 3 骨材 4 飛散した骨材 5 分解補助剤 6 硬化しつつある層 7、10 スプレーバー 8、11 スプレーノズル 9 噴射された結合材 12 噴射された分解補助剤 13 作業車 14a、14b 作業車の前輪及び後輪 15 骨材ビン 16 搬入ソケット 17 搬送ポンプ 18 分解補助剤タンク 19 骨材ホッパ 20 搬送コンベア 21 プッシュローラー 22 作業ステップ 23 加熱装置 24 繊維材料収納装置 25 繊維材料 26 ノズル 27 短繊維 28 シート状繊維材料収納装置 29 シート状繊維材料 30 送り出し装置 31 押さえローラ α スプレーノズルの噴射角度 β スプレーノズルの取付角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D051 AA08 AE01 AF01 AG01 AH05 EA01 EA06 EB06 2D052 AA04 AA08 AA09 AC01 BA20

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下のa)〜d)に示す特性を有するア
    ニオン系またはノニオン系アスファルト乳剤からなる結
    合材と、その分解を促進する分解補助剤とを、同時期に
    又は相前後して散布する工程と、骨材を散布する工程と
    を含む散布式表面処理工法; a)蒸発残留物の針入度が50〜150(1/10m
    m)、 b)蒸発残留物の軟化点が50〜120℃、 c)蒸発残留物の25℃におけるタフネスが70〜22
    0kgf・cm、 d)蒸発残留物の25℃におけるテナシティが30〜2
    00kgf・cm。
  2. 【請求項2】 結合材であるアニオン系またはノニオン
    系アスファルト乳剤が、更に、 e)蒸発残留物の60℃における絶対粘度が約1500
    0ポアズ以上、という特性を有する請求項1記載の散布
    式表面処理工法。
  3. 【請求項3】 結合材であるアニオン系またはノニオン
    系アスファルト乳剤の20℃における粘度が約40セン
    チポアズ以上である請求項1又は2記載の散布式表面処
    理工法。
  4. 【請求項4】 結合材がアニオン系アスファルト乳剤で
    あり、分解補助剤が、二価無機塩、無機酸、有機酸、及
    び、アミン系カチオン界面活性剤からなる群から選ばれ
    る1種若しくは2種以上の分解補助剤である請求項1、
    2又は3記載の散布式表面処理工法。
  5. 【請求項5】 結合材がノニオン系アスファルト乳剤で
    あり、分解補助剤が高分子凝集剤から選ばれる1種若し
    くは2種以上の分解補助剤である請求項1、2又は3記
    載の散布式表面処理工法。
  6. 【請求項6】分解補助剤が、濃度1.5〜20w/w%
    の水溶液の形態にある請求項1、2、3、4または5記
    載の散布式表面処理工法。
  7. 【請求項7】 分解補助剤が、結合材の蒸発残留物10
    0重量部に対して、有効成分量で0.05〜0.5重量
    部散布される請求項1、2、3、4、5又は6記載の散
    布式表面処理工法。
  8. 【請求項8】 結合材と分解補助剤とを同時期に散布
    し、両者を空中で衝突させる請求項1、2、3、4、
    5、6又は7記載の散布式表面処理工法。
  9. 【請求項9】 結合材と分解補助剤の散布を、それぞれ
    1又は2以上のスプレーノズルを用いて行い、1のスプ
    レーノズルから噴射される結合材と、1のスプレーノズ
    ルから噴射される分解補助剤とを、空中で衝突させる請
    求項8記載の散布式表面処理工法。
  10. 【請求項10】 個々のスプレーノズルから噴射される
    分解補助剤の衝突位置における広がり幅が、衝突相手で
    ある対応するスプレーノズルから噴射される結合材の衝
    突位置における広がり幅とほぼ一致している請求項9記
    載の散布式表面処理工法。
  11. 【請求項11】 個々のスプレーノズルから噴射される
    分解補助剤の結合材との衝突位置上での噴射密度が、衝
    突位置における広がり幅の全体において、ほぼ均一であ
    る請求項9又は10記載の散布式表面処理工法。
  12. 【請求項12】 結合材及び分解補助剤を散布し、その
    散布面上に骨材を散布する工程を1回又は2回以上繰り
    返す請求項1〜11のいずれかに記載の散布式表面処理
    工法。
  13. 【請求項13】 少なくとも結合材の散布装置と分解補
    助剤の散布装置と骨材の散布装置とを備えた作業車を用
    いて、結合材と分解補助剤の散布後ほぼ一定の時間間隔
    をおいて骨材の散布を行う請求項1〜12のいずれかに
    記載の散布式表面処理工法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかに記載の散
    布式表面処理工法によって構築された舗装体。
  15. 【請求項15】 1又は2以上のスプレーノズルを有す
    る結合材の散布装置と、1又は2以上のスプレーノズル
    を有する分解補助剤の散布装置とを少なくとも備え、1
    のスプレーノズルから噴射される分解補助剤が1のスプ
    レーノズルから噴射される結合材と空中で衝突するよう
    に、結合材を噴射する1又は2以上のスプレーノズルと
    分解補助剤を噴射する1又は2以上のスプレーノズルと
    が配置されている作業車。
  16. 【請求項16】 個々のスプレーノズルから噴射される
    分解補助剤の結合材との衝突位置上での噴射密度が、衝
    突位置における広がり幅の全体において、ほぼ均一であ
    るように、結合材を噴射する1又は2以上のスプレーノ
    ズルと分解補助剤を噴射する1又は2以上のスプレーノ
    ズルと配置されている請求項15記載の作業車。
  17. 【請求項17】 さらに骨材の散布装置を備えている請
    求項15又は16記載の作業車。
  18. 【請求項18】 結合材の散布装置、分解補助剤の散布
    装置、及び、骨材の散布装置が、それらの間に、作業車
    のタイヤ又はクローラーが位置しないように配置されて
    いる請求項17記載の作業車。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100563803B1 (ko) 2005-12-21 2006-03-28 주식회사 경우엔지니어링 유색성 도로 포장재를 이용하는 도로 포장 방법 및 그 장치
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WO2025047547A1 (ja) * 2023-08-30 2025-03-06 前田道路株式会社 舗装用材料の移動式製造装置及び舗装用材料の製造方法

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