JP2000337345A - クランクシャフトの製造方法 - Google Patents

クランクシャフトの製造方法

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JP2000337345A
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crankshaft
fillet
journal
induction hardening
portions
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Taro Tatsumi
太郎 辰巳
Kazuhiro Komiya
一洋 小宮
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Mitsubishi Motors Corp
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Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トラック用ディーゼルエンジン等の鍛造製ク
ランクシャフトの曲げ疲労強度を大幅に向上し、近来の
大出力化及び軽量化の要請に応えることができるクラン
クシャフト製造方法を提供する。 【解決手段】 クランクピン及びジャーナルとクランク
ウエブとの接合部分におけるフィレットR部に、高周波
加熱を行ない急冷して焼入れを行なったのち、クランク
シャフト全体の低温焼もどしを行ない、その後フィレッ
トR部にロール加工を施して、クランクシャフトの曲げ
疲労強度を大幅に向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラック用ディー
ゼルエンジンのクランクシャフト等に適用されて好適な
クランクシャフトの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】トラック用ディーゼルエンジン等のクラ
ンクシャフトは、大きな曲げ応力、捩り応力等の作用下
に稼働するので、これらに耐え得る強度及び剛性を備え
ている必要がある。図4は、鋼材を常法により鍛造し成
形された通常のクランクシャフトの要部を抽出して示し
たもので、総括的に符号10で示されたクランクシャフ
トは、図示されていないコネクティングロッドを介して
ピストンに連結されるクランクピン12と、クランクケ
ースの軸、受部に軸支されるジャーナル14と、上記ク
ランクピン12及びジャーナル14を連結するクランク
ウエブ16とを備え、一部のクランクウエブ16にはバ
ランスウエイト18が一体的に形成されている。
【0003】上記鍛造されたクランクシャフト10にお
いて、クランクピン12とクランクウエブ16との接合
部分におけるフィレットR部20及びジャーナル14と
クランクウエブ16との接合部分におけるフィレットR
部22が、技術上良く知られているように、強度上の最
弱点部を形成し、図中に点線Eに示されているようフィ
レットR部20とフィレットR部22を通る最弱断面に
沿って亀裂や破断が発生する傾向がある。特に近年、エ
ンジン出力の向上及び軽量化の要請から、クランクシャ
フトの曲げ疲労強度の一層の向上が求められており、最
弱点部である上記フィレットR部20及び22の疲労強
度の強化が重要課題となっている。
【0004】クランクシャフト10における上記フィレ
ットR部20及び22の曲げ疲労強度の強化手法とし
て、フィレットR部20及び22に高周波焼入れを行な
う方法、及びフィレットR部20及び22にロール加工
を施す方法が提唱されている。上記高周波焼入れ法と、
ロール加工法とは、従来、夫々独立に行なわれ、高周波
焼入れによって十分高い硬度になった焼入れ表面に、さ
らにロール加工を施すという手法は、従来全く行なわれ
ていなかった。これは、当業技術の熟練者であればある
ほど、高周波焼入れによって既に高い硬度に達した焼入
れ表面に、さらにロール加工を施し塑性変形を生起させ
ることにより疲労強度の向上を図ることは、技術常識の
埒外であり、却って硬化した表面層の剥離や、表面の亀
裂等の弊害が予測され、従って、高周波焼入れ後にロー
ル加工を行なうことは、寧ろ技術上の通念に反するもの
であることに起因するものであると推測される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑み創案されたもので、鋼材を鍛造して作られたクラン
クシャフトの最弱点部であるクランクピン及びジャーナ
ルとクランクウエブとの接合部分におけるフィレットR
部の曲げ疲労強度を、従来夫々単独で行なわれて来た高
周波焼入れ法、及びロール加工法の何れによる場合より
も、一層効果的に向上することができ、近来のエンジン
の高出力化及び軽量化の要請に応えることができるクラ
ンクシャフトを提供することを、主たる目的とするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、焼入れ性が保証された鋼材を用い鍛造に
より成形されたクランクシャフトのクランクピン及びジ
ャーナルとクランクウエブとの接合部分におけるフィレ
ットR部に、高周波加熱後急冷して焼入れを行なったの
ち、クランクシャフト全体の低温焼もどし処理を行い、
その後さらにフィレットR部にロール加工を施したこと
を特徴とするクランクシャフトの製造方法を提案するも
のである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を、図1
ないし図3を参照して具体的に説明する。なお、図4を
参照して説明した一般のクランクシャフトの構成と、同
一又は対応する部材及び部分については、同一の符号用
い、重複説明は省略する。先づ、本発明に係るクランク
シャフト10は、焼入性を保証した鋼材、例えば、SM
n443H等のマンガン鋼、SMnC443H等のマン
ガンクロム鋼、SCr440H等のクロム鋼、SCM8
22H等のクロムモリブデン鋼、SNC815等のニッ
ケルクロム鋼、SNCM420H等のニッケルクロムモ
リブデン鋼から選択された適宜の鋼材を熱間鍛造して成
形される。鍛造されたクランクシャフトのクランクピン
12及びそのフィレットR部20、並びにジャーナル1
4及びそのフィレットR部22に、常法により高周波加
熱装置によって使用した鋼種に応じた所定の焼入温度よ
り若干高い温度に加熱したのち、水を主成分とする冷却
剤を哨射して加熱された表面部分を急冷し焼入れを行な
う。その後、180℃前後の温度で1〜3Hr程度の低
温焼もどしを行う。上記高周波焼入れ及び低温焼もどし
は、鍛造後、クランクピン12、ジャーナル部14及び
これらのフィレットR部及び20,22の最終研磨より
以前の適宜の切削工程の間に行なわれる。
【0008】上記高周波焼入れにより、図1にその一部
を断面で示したように、クランクピン12及びジャーナ
ル14の軸受メタル摺動部、並びにフィレットR部2
0,22に、高周波加熱装置の出力、通電時間、ワーク
としてのクランクピン12及びジャーナル部14の寸度
等の焼入れ条件に応じて0.3mm〜数mmの焼入れ硬
化層24が形成される。また、その後の焼もどしによ
り、高周波焼入れによって生じたクランクシャフト全体
の曲がりが矯正されると共に最終研磨時に研磨割れが発
生することを効果的に防止することができる。使用鋼種
によって異るが、一例としてSMn443Hの場合、焼
もどし後の表面硬度がロックウエルC硬さ(HRC)で
60前後となる。
【0009】上記高周波焼入れ及び焼もどしを行った
後、図1に示されているように、フィレットR部20及
び22に、ローラ26を用い、図中に矢印Pで示したよ
うに加圧しながらクランクシャフト10を回転させ、ロ
ーラ加工が行なわれる。低温焼もどし後の既にHRC6
0程度の高い硬度を有するフィレットR部20及び22
に、ロール加工を施して塑性変形させ加工硬化を生起さ
せるために、ローラ26は、HRC60を超える硬さ、
例えばHRC65以上の硬さを有するJISG4403
に規定されている高速度工具鋼、或いはこれと同等以上
の硬さを有する高硬度の焼結金属等によって作られる。
また、ロール加工は、通常の加工装置、例えば特開平9
−47960号公開公報の明細書添付図面の図7に示さ
れている油圧式加圧装置等を適宜に採用することがで
き、一例としてローラ26とフィレットR部20及び2
2との接触面圧(ヘルツ面圧)は、450〜550kg
f/mmである。なお、図1に示されているように、
クランクピン12のローラ26とは略反対側の表面に、
同ローラ26の加圧反力を担持する1個以上のフラット
ローラ28が当接されている。
【0010】上記のように、クランクピン12、ジャー
ナル14の外周面及びフィレットR部20及び22に高
周波焼入れを行なうことによって、図1に符号24で示
されているような焼入れ硬化層が形成され、同時に圧縮
残留応力が発生する。さらに、次の工程で上記フィレッ
トR部20及び22にローラ26によるロール加工が施
されることによって、同フィレットR部20及び22に
塑性変形して加工硬化が生じ、同時に追加の圧縮残留応
力が発生する。なお、高周波焼入れ後の低温焼もどしに
関しては、表面硬さ及び圧縮残留応力の若干の低下があ
るものと考えられるが、実用上無視し得るレベルに過ぎ
ない。
【0011】図2は、一例としてSMn443H鋼で作
られたクランク軸10のクランクピン12、ジャーナル
14、フィレットR部20及び22に通常の高周波焼入
れのみを行なった場合のフィレットR部20及び22の
圧縮残留応力を棒グラフAで示すと共に、高周波焼入れ
を行なったのち、さらにフィレットR部20及び22に
ロール加工を施した場合の同フィレットR部圧縮残留応
力を棒グラフBで示したものである。図から明らかなよ
う高周波焼入れのみの場合、フィレットR部20及び2
2の圧縮残留応力は500(MPa)強に過ぎなかった
が、高周波焼入れ後にロール加工を行なったフィレット
R部20及び22の圧縮残留応力は1400(MPa)
弱となり、2.6倍程度に圧縮残留応力が発生すること
が判明した。なお、高周波焼入れ後ロール加工を行なっ
たフィレットR部20及び22には、有害な表面剥離や
亀裂等の発生は認められなかった。
【0012】次に、図3は、上記と同様の鋼材を鍛造し
て作ったクランクシャフトのクランクピン12、ジャー
ナル14及びフィレットR部20及び22に、高周波焼
入れ及びロール加工を全く行なわない無処理の場合のク
ランクシャフトの曲げ疲労強度を棒グラフCで、クラン
クピン12、ジャーナル14及びフィレットR部20及
び22に高周波焼入れのみを行なった場合のクランクシ
ャフトの曲げ疲労強度を棒グラフA′で、上記高周波焼
入れ後、低温焼もどしを施し、その後フィレットR部2
0及び22にロール加工を施した場合のクランクシャフ
トの曲げ疲労強度を棒グラフB′で夫々示したものであ
る。図から明らかなように、無処理の場合は曲げ疲労強
度が300(MPa)弱、高周波焼入れ処理のみでは、
略600(MPa)、高周波焼入れ後ロール加工したも
のでは、略800(MPa)であって、本発明により著
しい曲げ疲労強度の向上が達成されることが明らかであ
り、近来のエンジンの高出力化及び軽量化の要請に十分
応え得ることが確認された。なお、本発明方法は、必ず
しもクランクシャフト10のすべてのフィレットR部2
0及び22に、高周波焼入れ及びロール加工を施すこと
に限定されるものではなく、例えば、曲げ荷重が小さい
クランクシャフト前後端のジャーナル14のフィレット
R部22は、高周波焼入れ又はロール加工の何れか一方
だけを施しても良い。
【0013】
【発明の効果】叙上のように、本発明に係るクランクシ
ャフトの製造方法は、焼入れ性が保証された鋼材を用い
鍛造により成形されたクランクシャフトのクランクピン
及びジャーナルとクランクウエブとの接合部分における
フィレットR部に、高周波加熱後急冷して焼入れを行な
ったのち、クランクシャフト全体の低温焼もどしを実施
し、その後フィレットR部にロール加工を施したことを
特徴とし、クランクシャフトの弱点部を形成するクラン
クピン及びジャーナルとクランクウエブとの接合部分に
おけるフィレットR部の曲げ疲労強度を従来より大幅に
向上することができ、近来のエンジン高出力化及び軽量
化の要請に効果的に対応し得るクランクシャフトを形成
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の実施形態を示す一部を断面で示し
たクランクシャフトの要部側面図である。
【図2】クランクシャフトのクランクピン及びジャーナ
ルに高周波焼入れのみを行った場合と、高周波焼入れ後
フィレットR部にロール加工を施した場合との圧縮残留
応力を対比して示した線図である。
【図3】鍛造後クランクピン、ジャーナル及びフィレッ
トR部に高周波焼入れ及びロール加工の何れも行なわな
い無処理の場合と、上記各部に高周波焼入れのみを行な
う場合と、高周波焼入れ後上記フィレットR部にロール
加工を施した場合との曲げ疲労強度を対比して示した線
図である。
【図4】一般的なクランクシャフトの要部側面図であ
る。
【符号の説明】
10…クランクシャフト、12…クランクピン、14…
ジャーナル、16…クランクウエブ、20及び22…フ
ィレットR部、24…焼入れ硬化層、26…ロール、2
8…フラットローラ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J033 AA02 AC01 BA15 4E087 AA10 BA02 CA11 CA21 CA31 CB01 DB03 DB14 DB15 DB16 EC12 EC17 EC22 EC37 FA21 FB06 GA09 HA32 HB17 4K042 AA16 DA01 DA02 DB01 DE02

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼入れ性が保証された鋼材を用い鍛造に
    より成形されたクランクシャフトのクランクピン及びジ
    ャーナルとクランクウエブとの接合部分におけるフィレ
    ットR部に、高周波加熱後急冷して焼入れを行なったの
    ち、クランクシャフト全体の低温焼もどし処理を施し、
    その後さらにフィレットR部にロール加工を施したこと
    を特徴とするクランクシャフトの製造方法。
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