JP2000337347A - コンロッド素材及びその製造方法 - Google Patents

コンロッド素材及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】コンロッド素材の鋳造後、そのまま超音波探傷
検査ができるようにして、製造工程の簡略化を図る。 【解決手段】コンロッド素材の鋳造にあたって、コンロ
ッド素材10における桿部20の柱部34をその長手方
向に沿って2等分する平面Cから所定距離dだけ変位し
た位置に割面Bが形成された鋳型を用いる。この場合、
一方の板部30においては、前記平面Cから左方に向か
って所定距離dだけ変位した位置に割面Bが形成され、
他方の板部32においては、前記平面Cから右方に向か
って所定距離dだけ変位した位置に割面Bが形成された
ものを用いる。所定距離dは、各板部30及び32にお
ける幅Dの1/2よりも短い距離であって、前記平面C
から各板部30及び32における平坦面46の終端まで
の距離とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピストンピン孔が
形成された小端部とクランクシャフト孔が形成された大
端部とこれら小端部及び大端部を一体に連結する桿部と
を有するコンロッド素材とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、図9〜図12に示されるような
鋳型100で鋳造されるコンロッド素材102として
は、通常、桿部104の断面形状がI形とされている。
桿部104は、例えば図12に示すように、2つの板部
106及び108とこれら板部106及び108間に一
体に張設された柱部110にて構成され、該柱部110
が少なくとも大端部112の軸線A(図11参照)に対
してほぼ直交する方向に板部106及び108間に張設
されている。
【0003】鋳型100は、その割面Bが、鋳造される
コンロッド素材102の少なくとも大端部112の軸線
Aと直交し、かつ、コンロッド素材102を2等分する
平面C(図10及び図12の一点鎖線C参照)とほぼ一
致するものとなっている。
【0004】そして、図13に示すように、鋳型100
で鋳造した後に、該鋳型100を割面Bで分割して鋳造
物(コンロッド素材102)を取り出した時点では、割
面Bが位置していた部分、この例では、桿部104を構
成する各板部106及び108の外側面に、前記割面B
による見切り突起120が形成されることになる。
【0005】特に、従来の鋳型100では、割面Bがコ
ンロッド素材102を2等分する平面Cとほぼ一致する
ことから、各板部106及び108の中央にそれぞれ見
切り突起120が形成される。
【0006】ところで、鋳造されたコンロッド素材10
2は、その後、検査工程において、外観検査や内部欠陥
検査が施され、良品として判定されたコンロッド素材1
02のみが次工程に投入されて製品(コンロッド)とさ
れる。
【0007】前記内部欠陥検査は、コンロッド素材10
2の内部に存在するブローホール、ピンホール、引け
巣、亀裂、介在物などを非破壊で検査することが行わ
れ、特に、超音波探傷検査法(パルス反射法)が広く採
用されている。
【0008】この超音波探傷検査法は、超音波をコンロ
ッド素材102内に伝播させ、その反射波の波形をとら
えて内部欠陥を検出する方法である。超音波がコンロッ
ド素材102内を伝播するとき、巣や異物などがある
と、その境界部で反射し、異常波形として検出されるこ
とになる。
【0009】そして、異常波形の形状や数などを検出し
て、内部欠陥の数や大きさが許容範囲を超えたものを不
良品、許容範囲内のものを良品として選別するようにし
ている。
【0010】コンロッド素材102内の欠陥を検査する
部分としては、特に、コンロッド素材の桿部104が挙
げられ、この場合、図13に示すように、超音波発振器
122の発振面124を桿部104の板部106及び1
08に対向させて行うようにしている。即ち、桿部10
4の板部106及び108の外側面、特に平坦とされた
面が前記超音波探傷検査における探傷面126となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
コンロッド素材102においては、その桿部104にお
ける各板部106及び108の中央部に見切り突起12
0が形成されて、探傷面126に見切り突起120が存
在するかたちとなっているため、該見切り突起120で
超音波が散乱することになる。
【0012】その結果、超音波は、柱部110の内部、
特に見切り突起120の下方の部分に伝播されにくくな
り、また、反射波も見切り突起120で散乱されてしま
い、図13に示すように、探傷可能領域128として
は、一点鎖線の枠で示すように、柱部110の内部の大
半を除いた部分となり、柱部110の内部の大半を探傷
することができない。
【0013】そこで、従来では、前記見切り突起を削っ
て除去した後、板部の外側面(探傷面)を平坦にする仕
上げ処理を施した後に前記超音波探傷検査を行うように
している。
【0014】本発明はこのような課題を考慮してなされ
たものであり、コンロッド素材の鋳造後、そのまま超音
波探傷検査をすることができ、探傷面の仕上げ処理を廃
止することができ、製造工程の簡略化を図ることができ
るコンロッド素材及びその製造方法を提供することを目
的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、ピストンピン
孔が形成された小端部とクランクシャフト孔が形成され
た大端部とこれら小端部及び大端部を一体に連結する桿
部とを有するコンロッド素材において、前記桿部が2つ
の板部とこれら板部間に一体に張設された柱部にて構成
される場合に、各板部の外側面に、鋳型の割面による見
切り突起が、前記柱部に対応する箇所からずれた位置に
形成されていることを特徴とする。
【0016】即ち、本発明に係るコンロッド素材におい
ては、鋳型の割面による見切り突起は、板部の外側面の
うち、柱部と対応する部分には形成されず、別の部分に
形成されている。
【0017】従って、超音波探傷検査を行った場合、板
部の外側面に見切り突起が形成されていても、超音波は
柱部の深部まで伝播し、柱部への超音波の伝播及び柱部
からの反射波の伝播が見切り突起によって散乱(妨害)
されることがなくなる。
【0018】このように、本発明に係るコンロッド素材
においては、コンロッド素材の鋳造後、そのまま超音波
探傷検査をすることができ、探傷面の仕上げ処理を廃止
することができ、製造工程の簡略化を図ることができ
る。
【0019】そして、前記構成において、前記見切り突
起は、前記板部の外側面のうち、前記柱部の前記2つの
板部を結ぶ2等分する平面から前記板部の幅の1/2に
わたる任意の位置に形成されていてもよい。
【0020】また、前記見切り突起は、一方の板部にお
いては、前記2等分する平面から左方の任意の位置に形
成され、他方の板部においては、前記2等分する平面か
ら右方の任意の位置に形成されていてもよい。
【0021】次に、本発明は、ピストンピン孔が形成さ
れた小端部とクランクシャフト孔が形成された大端部と
これら小端部及び大端部を一体に連結する桿部とを有す
るコンロッド素材の製造方法において、鋳型の割面が鋳
造されるコンロッド素材の少なくとも前記大端部の軸線
と直交し、かつ、前記コンロッド素材を2等分する平面
から変位した位置で2分割する鋳型を用いてコンロッド
素材を製造することを特徴とする。
【0022】これにより、前記鋳型の割面による見切り
突起は、板部の外側面のうち、柱部と対応する部分には
形成されず、別の部分に形成されることになる。
【0023】従って、その後に超音波探傷検査を行った
場合、板部の外側面に見切り突起が形成されていても、
超音波は柱部の深部まで伝播し、柱部への超音波の伝播
及び柱部からの反射波の伝播が見切り突起によって散乱
(妨害)されることがなくなる。
【0024】このように、本発明に係るコンロッド素材
の製造方法においては、コンロッド素材の鋳造後、その
まま超音波探傷検査をすることができ、探傷面の仕上げ
処理を廃止することができ、製造工程の簡略化を図るこ
とができる。
【0025】つまり、本発明に係るコンロッド素材の製
造方法においては、製造工程の簡略化を図ることができ
ると共に、鋳造後におけるコンロッド素材の前記桿部を
少なくとも前記大端部の軸線と直交する方向から超音波
を当てて前記桿部の欠陥を検査することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るコンロッド素
材の製造方法の形態例を図1〜図8を参照しながら説明
する。
【0027】本実施の形態に係る製造方法で製造される
コンロッド素材10は、図1及び図2に示すように、ピ
ストンピン孔12が形成された小端部14と、クランク
シャフト孔16が形成された大端部18と、これら小端
部14及び大端部18を一体に連結する桿部20とを有
する。
【0028】また、このコンロッド素材10は、桿部2
0が2つの板部30及び32とこれら板部30及び32
間に一体に張設された柱部34にて構成され、柱部34
が少なくとも大端部18の軸線Aに対してほぼ直交する
方向に板部30及び32間に張設されている。即ち、前
記桿部20は断面ほぼI形を呈している。
【0029】そして、本実施の形態に係る製造方法にお
いては、図4〜図7に示すような鋳型40を用いてコン
ロッド素材10を製造する。図4及び図5に示す鋳型4
0は、2つのコンロッド素材10を同時に鋳造できる、
いわゆる2個取りタイプの鋳型を示す。
【0030】そして、鋳型40の湯道42及び44を通
じて溶湯がキャビティに供給されることによってコンロ
ッド素材10が鋳造されることになる。
【0031】この鋳型40は、図5に示すように、割面
Bが該鋳型40で鋳造されるコンロッド素材10の少な
くとも大端部18の軸線Aと直交し、かつ、前記コンロ
ッド素材10を2等分する平面(一点鎖線Cで示す)か
ら所定距離dだけ変位した位置で2分割されたかたちと
なっている。
【0032】具体的には、図7に示すように、コンロッ
ド素材10における桿部20の柱部34をその長手方向
に沿って2等分する平面Cから所定距離dだけ変位した
位置に割面Bが形成されたかたちとなっている。
【0033】より詳しくは、一方の板部30において
は、前記平面Cから左方に向かって所定距離dだけ変位
した位置に割面Bが形成され、他方の板部32において
は、前記平面Cから右方に向かって所定距離dだけ変位
した位置に割面Bが形成されている。
【0034】ここで、所定距離dは、各板部30及び3
2における幅Dの1/2よりも短い距離であって、本実
施の形態では、前記平面Cから各板部30及び32にお
ける平坦面46の終端までの距離としている。
【0035】上述の鋳型40によってコンロッド素材1
0を鋳造することにより、図8に示すように、各板部3
0及び32の外側面に、鋳型40の割面Bによる見切り
突起48が、柱部34に対応する箇所からずれた位置、
本実施の形態では、平坦面46の終端部分に形成される
ことになる。
【0036】つまり、図4〜図7に示す鋳型40を使用
することによって、一方の板部30の外側面のうち、前
記平面Cから左方に向かって所定距離dだけ変位した位
置(平坦面46の終端部分)に見切り突起48が形成さ
れ、他方の板部32の外側面のうち、前記平面Cから右
方に向かって所定距離dだけ変位した位置(平坦面46
の終端部分)に見切り突起48が形成されることにな
る。
【0037】その後、コンロッド素材10は、超音波探
傷検査によって内部の欠陥が検出され、内部欠陥の数や
大きさが許容範囲を超えたものを不良品、許容範囲内の
ものを良品として選別され、良品として判定されたコン
ロッド素材10のみが次工程に投入されて製品(コンロ
ッド)とされる。
【0038】この超音波探傷検査、特に桿部20に対す
る超音波探傷検査においては、図8に示すように、超音
波発振器50の発振面52を桿部20における板部30
及び32の平坦面(探傷面)46に対向させた状態で走
査することによって行われる。
【0039】上述の鋳型40を用いた本実施の形態に係
る製造方法においては、鋳型40の割面Bによる見切り
突起48が、板部30及び32の平坦面(探傷面)46
には形成されず、別の部分に形成されることになる。
【0040】従って、図8に示すように、コンロッド素
材10の桿部20に対して超音波探傷検査を行った場
合、見切り突起48が探傷面46に形成されていないこ
とから、超音波は柱部34の深部まで伝播し、柱部34
内への超音波の伝播及び柱部34からの反射波の伝播が
見切り突起48によって散乱(妨害)されることがなく
なる。
【0041】つまり、超音波による探傷可能領域54
は、一点鎖線の枠で示すように、柱部34全体を含む領
域となり、柱部34の内部欠陥を精度よく、確実に探傷
することができる。
【0042】このように、本実施の形態に係る製造方法
においては、鋳造したコンロッド素材10に対してその
まま超音波探傷検査をすることができる。その結果、超
音波探傷検査前に行われていた探傷面46の仕上げ処理
を廃止することができ、製造工程の簡略化を図ることが
できる。
【0043】なお、この発明に係るコンロッド素材及び
その製造方法は、上述の実施の形態に限らず、この発明
の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ること
はもちろんである。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るコン
ロッド素材及びその製造方法によれば、コンロッド素材
の鋳造後、そのまま超音波探傷検査をすることができ、
探傷面の仕上げ処理を廃止することができ、製造工程の
簡略化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る製造方法にて製造されるコ
ンロッド素材(本実施の形態に係るコンロッド素材)を
示す正面図である。
【図2】本実施の形態に係るコンロッド素材を一部破断
して示す側面図である。
【図3】図1におけるIII−III線上の断面図であ
る。
【図4】本実施の形態に係る製造方法で使用される鋳型
を示す図である。
【図5】図4におけるV−V線上の断面図である。
【図6】図4におけるVI−VI線上の断面図である。
【図7】図5に示す鋳型において、桿部の形成部分を示
す拡大断面図である。
【図8】本実施の形態に係るコンロッド素材に対する超
音波探傷検査を示す説明図である。
【図9】従来の製造方法で使用される鋳型を示す図であ
る。
【図10】図9におけるX−X線上の断面図である。
【図11】図9におけるXI−XI線上の断面図であ
る。
【図12】図10に示す鋳型において、桿部の形成部分
を示す拡大断面図である。
【図13】従来のコンロッド素材に対する超音波探傷検
査を示す説明図である。
【符号の説明】
10…コンロッド素材 14…小端部 18…大端部 20…桿部 30、32…板部 34…柱部 40…鋳型 46…平坦面(探
傷面) 48…見切り突起 50…超音波発振
器 52…発振面 54…探傷可能領
域 A…大端部の軸線 B…割面 C…2等分する平面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠原 隆夫 埼玉県狭山市新狭山1−10−1 ホンダエ ンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 3J033 AA04 AC01 DA02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピストンピン孔が形成された小端部とクラ
    ンクシャフト孔が形成された大端部とこれら小端部及び
    大端部を一体に連結する桿部とを有するコンロッド素材
    において、 前記桿部が2つの板部とこれら板部間に一体に張設され
    た柱部にて構成される場合に、各板部の外側面に、鋳型
    の割面による見切り突起が、前記柱部に対応する箇所か
    らずれた位置に形成されていることを特徴とするコンロ
    ッド素材。
  2. 【請求項2】請求項1記載のコンロッド素材において、 前記見切り突起は、前記板部の外側面のうち、前記柱部
    を長手方向に沿って2等分する平面から前記板部の幅の
    1/2にわたる任意の位置に形成されていることを特徴
    とするコンロッド素材。
  3. 【請求項3】請求項2記載のコンロッド素材において、 前記見切り突起は、一方の板部においては、前記2等分
    する平面から左方の任意の位置に形成され、他方の板部
    においては、前記2等分する平面から右方の任意の位置
    に形成されていることを特徴とするコンロッド素材。
  4. 【請求項4】ピストンピン孔が形成された小端部とクラ
    ンクシャフト孔が形成された大端部とこれら小端部及び
    大端部を一体に連結する桿部とを有するコンロッド素材
    の製造方法において、 鋳型の割面が鋳造されるコンロッド素材の少なくとも前
    記大端部の軸線と直交し、かつ、前記コンロッド素材を
    2等分する平面から変位した位置で2分割する鋳型を用
    いてコンロッド素材を製造することを特徴とするコンロ
    ッド素材の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項4記載のコンロッド素材の製造方法
    において、 鋳造後におけるコンロッド素材の前記桿部を少なくとも
    前記大端部の軸線と直交する方向から超音波を当てて前
    記桿部の欠陥を検査することを特徴とするコンロッド素
    材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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