JP2000342182A - コーヒー豆の改質方法 - Google Patents

コーヒー豆の改質方法

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兼史 山本
Wakako Matsushima
和佳子 松島
Shinano Hata
科乃 畑
Ryuichi Tsutsumi
隆一 堤
Tetsuo Asahara
哲雄 浅原
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Hisaka Works Ltd
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Pokka Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロブスタ種のような低品質のコーヒー豆の品
質を、アラビカ種のような高品質に改質すること、及び
アラビカ種のコーヒー豆がもっている不快な酸を低減
し、高品質に改質すること。 【解決手段】 コーヒーの生豆をショ糖溶液に浸漬して
生豆にショ糖溶液を十分に含浸させる。次いでショ糖溶
液含浸生豆を釜1内で130℃〜160℃の飽和蒸気で
5分〜30分間蒸煮処理する。同じ釜1内で蒸煮された
生豆を3分〜15分間真空冷却乾燥させて得られた生豆
を焙煎して、風香味の優れた高品質なコーヒー豆を得
る。他の方法として、生豆を焙煎し、この焙煎豆を上記
と同様に釜1内で130℃〜160℃の飽和蒸気で5分
〜30分間蒸煮処理し、蒸煮された焙煎豆を3分〜15
分間真空冷却乾燥処理して、風香味の優れた高品質なコ
ーヒー豆を得る。なお、この方法はアラビカ種にも適用
可能であり、これにより不快な酸味を低減して一層高品
質に改質できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コーヒーの豆の品
質を改変する方法であって、詳しくは、未焙煎の生豆或
いは生豆を焙煎した焙煎豆の豆自体を高品質化するコー
ヒー豆の改質方法に関する。
【0002】
【従来の技術】世界各地で生産されるコーヒーの生豆
は、焙煎(ロースト)することで独特の苦味、酸味等の
味と芳香が得られて、ストレートコーヒーやブレンドコ
ーヒー等のコーヒー飲料に使用され、また、粉砕した焙
煎豆から抽出した抽出物が食品添加剤として使用されて
いる。コーヒー飲料の品質(おいしさ、香り等)は、生
豆の産地や品種、生豆の焙煎方法、焙煎豆の粉砕方法と
粉砕程度、粉砕豆のドリップ方法やドリップ条件等の多
くの要因が絡まり合って決まる。特にコーヒー飲料の品
質を大きく左右する決定的因子は、生豆の産地ないし品
種である。
【0003】コーヒー豆の品種はアラビカ種、ロブスタ
種、リベリカ種の三種に大別され、これらの内で最も
味、香り共に高品質とされているのがブラジル産やコロ
ンビア産等のアラビカ種であり、世界総生産の70〜8
0%を占めている。次に多く生産されているのがインド
ネシア産やベトナム産等のロブスタ種である。ロブスタ
種の生豆はアラビカ種の生豆に比べて生臭い不快臭があ
るとの理由で低品質の格付けがなされているが、病原虫
に対する耐性に優れて低地での生産が容易であり、生豆
原価がアラビカ種に比べて大幅に安い等の理由から、そ
の品質改良のための各種方策が試みられている。
【0004】例えば、ロブスタ種等の生豆の品質を安定
させたり改変する方法として、生豆を真空中で蒸煮する
際に真空を効率よく組み合わせて生豆を均一に斑無く蒸
気加熱することや、蒸煮した生豆を不活性ガスの通風で
真空乾燥して生豆の水分率を調整すること等が行われて
いる。また、生豆の様々な焙煎条件を選定して、焙煎工
程で生豆自体の品質を改変することも多く行われてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、コーヒーの生
豆の品種で決まる品質には決定的なものがあって、ロブ
スタ種の生豆の苦味、酸味、香りを、アラビカ種の高品
質とされるバランスの良い苦味、酸味、香りに近づける
ことが難しいのが現状である。そのため、安価なロブス
タ種の生豆が主としてブレンドコーヒーやインスタント
コーヒー、缶コーヒー、リキッド等の工業用コーヒー豆
として使用され、高価なアラビカ種の生豆が主としてレ
ギュラーコーヒー、ストレートコーヒーに多用されて、
レギュラーコーヒーやストレートコーヒーの低コスト化
を難しくしている。
【0006】本発明の目的は、コーヒー豆の品質を改良
することであり、その中でもロブスタ種の品質をアラビ
カ種に近づけることを可能にするコーヒー豆の改質方法
を提供することにある。また、アラビカ種においてはコ
ーヒー中に含まれる不快な酸である酢酸や蟻酸の低減を
行い品質改良することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の技術的手段は、コーヒーの生豆に糖溶液を含浸させ
る工程と、糖溶液含浸の生豆を130℃〜160℃の飽
和蒸気で5分〜30分間蒸煮処理する工程と、蒸煮され
た生豆を3分〜15分間真空冷却乾燥させる工程を含む
ことを特徴とする。
【0008】ここでのコーヒーの生豆は、その品質を改
良する目的からアラビカ種とロブスタ種が好適である。
この生豆が浸漬される糖溶液は、代表的な糖成分である
ショ糖溶液(シュクロース溶液)が適切であるが、他の
糖溶液でもよい。糖溶液は単糖類又は2糖類の糖類が好
ましく、ショ糖、フルクトース、グルコースなどが挙げ
られる。これらの糖類は単品でも、2種類以上混合して
もよく、適宜選択する。また、糖溶液の濃度は生豆重量
に対し1〜8%になるのが好ましい。1%未満では、十
分なコーヒー豆の改質ができず、また8%以上では、焙
煎時に豆のカラメル化が生じることにより均一に豆を焙
煎することができない。糖溶液を含浸した生豆を飽和蒸
気で蒸煮する工程では、生豆が酸化されること無く効率
的に蒸気加熱され、而も、豆の表面と内部が均一に加熱
される。この蒸煮工程の130℃以上の高温による熱処
理では、同時進行的に生豆の殺菌処理も行われる。そし
て、生豆を蒸煮処理後に真空冷却乾燥することで、水分
率が処理前と同じに調整されると共に、蒸煮処理で不快
臭が熱分解されて除去され、生豆の味、香りの品質がよ
り高く改質される。
【0009】また、本発明の請求項2の発明は、上記糖
溶液含浸の生豆を真空及び加圧可能な釜内に収納して、
この釜内に真空引き後に飽和蒸気を供給して生豆を蒸煮
処理してから、釜内を再度真空引きして生豆を真空冷却
乾燥させる。ここでの釜は、短時間調理殺菌装置として
使用されている既存の釜設備であればよく、1つの釜内
で生豆を130℃〜160℃の飽和蒸気で5分〜30分
間蒸煮処理してから、3〜15分間真空冷却乾燥するこ
とで、コーヒー豆改質作業が能率的に、かつ、設備投資
的有利に行える。
【0010】このようにロブスタ種の生豆をショ糖溶液
を使って改質すると、ロブスタ種の品質がアラビカ種の
品質に極近似した程度まで改質される。アラビカ種を使
用して同様に処理すると、不快な酸味が減少し、より高
品質なコーヒー豆へ改質することができる。
【0011】また、上記目的を達成する本発明の請求項
4の発明は、コーヒーの生豆を焙煎する工程と、焙煎さ
れた焙煎豆を130℃〜160℃の飽和蒸気で5分〜3
0分間蒸煮処理する工程と、蒸煮された焙煎豆を3分〜
15分間真空冷却乾燥させる工程を含むことを特徴とす
る。この場合のコーヒー豆は、ロブスタ種又はアラビカ
種のどちらでも好適であり、生豆の焙煎は使用する目的
に応じて焙煎程度を適宜設定しローストする。焙煎豆を
本発明の条件下で蒸煮し、真空乾燥冷却することで、ロ
ブスタ種の品質がアラビカ種の品質に近付く。
【0012】また、本発明の請求項5の発明は、上記焙
煎豆を真空及び加圧可能な釜内に収納して、この釜内に
真空引き後に飽和蒸気を供給して焙煎豆を蒸煮処理して
から、釜内を再度真空引きして焙煎豆を真空冷却乾燥さ
せることを特徴とする。ここでの釜は、請求項2の発明
と同様な短時間調理殺菌装置として使用されている既存
の釜設備であればよく、1つの釜内で焙煎豆を130℃
〜160℃の飽和蒸気で5分〜30分間蒸煮処理してか
ら、3〜15分間真空冷却乾燥することで、コーヒー豆
改質作業が能率的に、かつ、設備投資的有利に行える。
【0013】上記の方法で得られたコーヒー豆を利用し
て、レギュラーコーヒー、缶コーヒー、インスタントコ
ーヒーなどの各種コーヒー飲料の製造に使用することが
できる。製造に用いる際は特別な処理を施すことなく、
通常のコーヒー豆と同様に使用すればよい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明方法の概要を図1のフロー
チャートに基づき説明する。まず、ステップS1でコー
ヒーの未焙煎の生豆を用意する。ステップS2で生豆を
糖溶液に浸漬して、生豆に糖溶液を十分に含浸させる。
生豆は典型的には低品質とされるロブスタ種であるが、
高品質のアラビカ種等であっても一定の効果が期待でき
る。糖溶液はショ糖溶液等の糖液である。生豆に糖溶液
が十分に含浸されると、糖溶液から生豆を取り出し、十
分に液切りしてステップS3の蒸煮用及び真空乾燥用の
釜1に移動させる。
【0015】釜1は、既存の短時間調理殺菌装置(RI
C)に使用されている真空及び加圧可能な蓋付き釜が使
用される。この釜1には、図示しない真空ポンプを備え
た真空系と、蒸気発生源のボイラを備えた蒸気加熱系と
が配管される。ステップS3で釜1内に定量の糖溶液含
浸生豆が収納されると、釜1内の空気を真空ポンプで排
除して釜1内を20torr以下の真空度にし、ボイラ
から釜1内に130℃〜160℃の蒸気を供給して飽和
させ、5分〜30分間生豆を飽和蒸気で蒸煮処理する。
このように釜1内を真空脱気して飽和蒸気で生豆を蒸煮
すると、生豆が飽和蒸気と効率的に接触して豆内外が均
一に加熱され、かつ、加熱中の生豆の酸化が防止され
る。また、130℃以上の高温のため生豆の殺菌処理が
行われる。ここで、蒸煮工程での飽和蒸気温度は、生豆
の殺菌効果を期待する上で130℃以上が望ましく、生
豆の品質劣化を防止する上で160℃以下が妥当であ
る。また、蒸煮時間は5分未満だと蒸煮の効果が生じ
ず、30分を超えると品質劣化の可能性が高くなるの
で、概ね5分〜30分が適切であり、具体的な蒸煮時間
は生豆の品種と、品質の改変の程度と、飽和蒸気温度で
決められる。
【0016】次に、ステップS4に移行して釜1内で蒸
煮処理された生豆を、釜1内を再度真空脱気して3分〜
15分間真空冷却乾燥させる。この3〜15分の真空冷
却乾燥時間は、生豆の水分率が糖溶液含浸処理前と同じ
に調整されるように、各種の実験データに基づいて設定
される。釜1内で生豆を積極的に真空冷却乾燥し水分率
を処理前の状態に戻して得られた生豆は、当初の不快臭
が蒸煮処理での熱分解で除去され、この不快臭除去で生
豆自体の香りが良くなる。また、前工程の糖溶液含浸と
蒸煮処理で生豆の苦味や酸味等の多様な味の調和が良好
に改変され、特に酸味が強く発生して、この酸味で苦味
がマスキングされる結果、全体的な味の調和が良くな
り、生豆の味と香りの総合的品質が高品質に改変され
る。
【0017】釜1内で品質が改変された生豆は、釜1か
ら取り出され、以後、必要時にステップS5で焙煎さ
れ、ステップS6で粉砕され、ステップS7で抽出され
てコーヒー飲料等になる。この場合ステップS5での焙
煎は、使用する目的に応じて焙煎程度を適宜設定しロー
ストする。また、ステップS7のコーヒー豆の抽出効率
は、生豆の上記各種処理による改質効果によって一段と
向上することが分かっている。
【0018】以上の本発明のコーヒー豆改質方法におい
て、生豆にインドシナ産等のロブスタ種豆を使用し、こ
の生豆が浸漬される糖溶液にショ糖溶液を使用して、上
記本発明方法で生豆を改質すると、ロブスタ種の生豆の
品質(味、香り)がアラビカ種の生豆の味、香りに近い
品質に改質されることが、後述する実施例によって実証
された。
【0019】また、上記本発明方法のように、1つの釜
1内で生豆の蒸煮工程と真空冷却乾燥工程を連続して行
うようにすることで、工程間での豆移動の手間が省けて
作業性が良くなり、蒸煮終了から極短時間で真空冷却乾
燥が行えて生豆の品質改変が安定して行える。更に、釜
1は既存の短時間調理殺菌装置(RIC)が適用でき
て、本発明方法が設備投資的有利に実施できる。
【0020】次に、本発明の別のコーヒー豆改質方法を
図2を参照して説明すると、ステップS1で用意された
生豆をステップS2で焙煎する。この焙煎は使用する目
的に応じて焙煎程度を適宜設定すればよく、通常の焙煎
方法で行えばよい。ステップS2で焙煎された焙煎豆を
図1と同様の釜1に移して、図1と同様にステップS3
で焙煎豆を130℃〜160℃の飽和蒸気で5分〜30
分間蒸煮処理する。この蒸煮処理で焙煎豆の品質の主と
して苦味や酸味の味が改変される。蒸煮処理が終了する
と、直ちにステップS4に移行し、同じ釜1内を再度真
空脱気して焙煎豆を3分〜15分間真空冷却乾燥させ
る。この真空冷却乾燥で焙煎豆の水分率が蒸煮処理前の
状態に調整されて、蒸煮処理で熱分解された不快臭成分
が除去される。その結果、焙煎豆の苦味や酸味等の多様
な味の調和が良好に改変され、芳香が強調されて、味と
香りの品質が向上する。
【0021】ステップS4が終了すると、焙煎豆を釜1
から取り出して、以後、蒸煮及び真空冷却乾燥済み焙煎
豆を必要時にステップS5で粉砕し、ステップS6で抽
出してコーヒー飲料等を得る。この場合もステップS6
でのコーヒー豆の抽出効率は、焙煎豆の上記各種処理に
よる改質効果によって一段と向上する。
【0022】
【実施例】ロブスタ種の生豆を本発明方法で処理したコ
ーヒー豆と、ロブスタ種の生豆を焙煎した従来のコーヒ
ー豆と、アラビカ種の生豆を焙煎した従来のコーヒー豆
の有機酸の変化を次の表1と図3に示し、また、これら
各種のコーヒー豆の香気成分の分析結果を図4に示す。
【0023】
【表1】
【0024】ロブスタ種の生豆を本発明方法で処理した
コーヒー豆の本発明サンプル2品(USBR−L,US
BR−H)は、ショ糖3〜5%溶液に浸漬後、短時間調
理殺菌装置(RIC)で20torr以下に真空脱気
し、150℃で15分蒸煮し、8分間真空冷却乾燥処理
したもので、「L」、「H」は2段階の焙煎程度(ライ
トロースト、ハイロースト)を示す。
【0025】ロブスタ種の生豆を焙煎して本発明方法で
蒸煮処理と真空冷却乾燥処理したコーヒー豆の本発明サ
ンプル3品(BSR−L,BSR−H,BSR−2H)
は、焙煎豆を短時間調理殺菌装置(RIC)にて20t
orr以下で真空脱気し、150℃で15分間蒸煮し、
8分間真空冷却乾燥処理したものである。「2H」は
「H」に対して更に焙煎の高いもので、イタリアンロー
スト程度の焙煎を示す。
【0026】ロブスタ種の生豆を焙煎し粉砕し抽出した
従来のサンプル品(NR−L,NR−H,NR−2H)
は、本発明サンプル品と同じロブスタ種豆を使用してい
る。また、アラビカ種の生豆を使用した従来のサンプル
品BM、BH、B2Hは、ブラジル産アラビカ種豆を焙
煎し粉砕し抽出したもので、特に、サンプル品BMはア
ラビカ種豆で最も味、香りの品質が高いとされるミディ
アムロースト品である。
【0027】表1は各種サンプル品の有機酸の数値を示
し、図3は有機酸組成の対照グラフである。有機酸はマ
イレン酸、クエン酸、リンゴ酸、蟻酸、酢酸の5種であ
る。表1と図3から、本発明サンプル品USBR−Lと
ブラジル産アラビカ種ミディアムローストのサンプル品
BMの有機酸の絶対量と組成が非常に近いことが分か
る。このことからロブスタ種の生豆にショ糖溶液を含浸
させて蒸煮処理し真空冷却乾燥処理することで、ロブス
タ種の生豆の品質がアラビカ種の高品質とされる生豆の
品質に極近付くことが分かる。この高品質化の度合は、
生豆の焙煎程度で決められる。
【0028】また、表1と図3から、ロブスタ種の生豆
を焙煎した焙煎豆を蒸煮処理し真空冷却乾燥させた本発
明サンプル品BSR−L等の有機酸の絶対量と組成が、
従来のロブスタ種サンプル品NR−L等の絶対量と組成
から大きく改変されて、味の品質が良くなったことが分
かる。
【0029】図4は2種の本発明サンプル2品(USB
R−L,BSR−L)と、従来のロブスタ種サンプル品
(NR−L)とアラビカ種サンプル品(BM)の香気成
分分析結果を示す。この図4から、アラビカ種サンプル
品(BM)と、本発明サンプル2品(USBR−LとB
SR−L)の香気成分のピーク位置とピーク値が非常に
近いことが分かる。このことから本発明サンプル2品
(USBR−L,BSR−L)のコーヒー豆の香りが、
高品質とされるアラビカ種ミディアムローストのサンプ
ル品(BM)の香りとほとんど変わりないように改変さ
れたことが分かる。また、従来のロブスタ種サンプル品
(NR−L)は、香気成分のピーク値がアラビカ種サン
プル品(BM)のピーク値より多くて、この多数のピー
クの香気成分が不快臭の原因になっていると考えられ
る。
【0030】アラビカ種の生豆を本発明方法で処理した
コーヒー豆について、表1及び図3と同様の方法でデー
タを採取した結果を図5(A)(B)に示す。このデー
タから、アラビカ種の場合、不快感を与える酸である蟻
酸や酢酸が本発明の処理により減少し、品質が向上する
ことが明らかになった。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればコ
ーヒーの生豆自体の品質が、或いは、生豆を焙煎した焙
煎豆の品質が味、香り共に高品質化される。特に、ロブ
スタ種のコーヒー豆を本発明方法で処理すると、ロブス
タ種の品質をアラビカ種のコーヒー豆の品質に近付ける
ことが容易にできるようになって、安価で生産性の良い
ロブスタ種のコーヒー豆による高品質、高級なレギュラ
ーコーヒー、ストレートコーヒーが提供できるようにな
り、高品質、高級なコーヒー飲料の低コスト化が図れ
る。更にアラビカ種においても、不快な酸の低減が可能
で、マイルドなコーヒー豆に改質することができ、より
品質の高いコーヒー豆を得ることができる。
【0032】また、生豆や焙煎豆を1つの釜で蒸煮処理
し、真空冷却乾燥処理することで、蒸煮工程と真空冷却
乾燥工程が連続して作業性良く行え、また、釜は既存設
備の短時間調理殺菌装置(RIC)の釜がそのまま適用
できて、設備投資的有利に本発明方法が実施でき、か
つ、著しい殺菌効果が期待できるから缶コーヒー飲料、
PETボトル飲料など、殺菌処理が不可欠な飲料におい
て従来の熱殺菌条件の大幅緩和が可能となり、これに伴
って飲料の品質向上も図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を説明するためのフローチャートで
ある。
【図2】他の本発明方法を説明するためのフローチャー
トである。
【図3】コーヒー豆の本発明サンプル品と従来のサンプ
ル品の有機酸の変化を示すグラフ図である。
【図4】コーヒー豆の本発明サンプル品と従来のサンプ
ル品の香気成分の分析結果を示すグラフ図である。
【図5】(A)(B)はアラビカ種コーヒー豆の本発明
サンプル品と従来のサンプル品の有機酸の量を示す表と
グラフ図である。
【符号の説明】
1 釜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松島 和佳子 愛知県西春日井郡師勝町大字熊之庄字十二 社45−2株式会社ポッカコーポレーション 基礎技術研究所内 (72)発明者 畑 科乃 山梨県北巨摩郡高根町東井出4986 (72)発明者 堤 隆一 大阪府東大阪市東鴻池町2−1−48 株式 会社日阪製作所鴻池事業所内 (72)発明者 浅原 哲雄 大阪府東大阪市東鴻池町2−1−48 株式 会社日阪製作所鴻池事業所内 Fターム(参考) 4B027 FB21 FB24 FC01 FC02 FK04 FQ01 FQ03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コーヒーの生豆に糖溶液を含浸させる工
    程と、 糖溶液を含浸させた生豆を130℃〜160℃の飽和蒸
    気で5分〜30分間蒸煮処理する工程と、 蒸煮した生豆を3分〜15分間真空冷却乾燥させる工程
    と、を含むことを特徴とするコーヒー豆の改質方法。
  2. 【請求項2】 糖溶液を含浸させた生豆を真空及び加圧
    可能な釜内に収納し、この釜内に真空引き後飽和蒸気を
    供給して生豆を蒸煮処理してから、釜内を再度真空引き
    して生豆を真空冷却乾燥させることを特徴とする請求項
    1記載のコーヒー豆の改質方法。
  3. 【請求項3】 使用する生豆がロブスタ種又はアラビカ
    種であり、 浸漬させる糖溶液がショ糖溶液、グルコース溶液、フル
    クトース溶液のうちいずれか1種又は2種以上の混合溶
    液であることを特徴とする請求項1又は2記載のコーヒ
    ー豆の改質方法。
  4. 【請求項4】 コーヒーの生豆を焙煎する工程と、 焙煎された焙煎豆を130℃〜160℃の飽和蒸気で5
    分〜30分間蒸煮処理する工程と、 蒸煮された焙煎豆を3分〜15分間真空冷却乾燥させる
    工程と、を含むことを特徴とするコーヒー豆の改質方
    法。
  5. 【請求項5】 上記焙煎豆を真空及び加圧可能な釜内に
    収納して、この釜内に真空引き後飽和蒸気を供給して焙
    煎豆を蒸煮処理してから、釜内を再度真空引きして焙煎
    豆を真空冷却乾燥させることを特徴とする請求項4記載
    のコーヒー豆の改質方法。
  6. 【請求項6】 請求項1から5で示した方法で得られた
    コーヒー豆を利用して製造されるコーヒー及びコーヒー
    飲料。
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