JP2000342294A - L−トリプトファンの製造方法 - Google Patents

L−トリプトファンの製造方法

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JP2000342294A
JP2000342294A JP11155884A JP15588499A JP2000342294A JP 2000342294 A JP2000342294 A JP 2000342294A JP 11155884 A JP11155884 A JP 11155884A JP 15588499 A JP15588499 A JP 15588499A JP 2000342294 A JP2000342294 A JP 2000342294A
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tryptophan
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tryptophanase
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JP11155884A
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Toshihiro Oikawa
利洋 及川
Nobuhiro Fukuhara
信裕 福原
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乳酸を原料とするL−トリプトファンの製造
方法を提供する。 【解決手段】 乳酸を酵素的に酸化しピルビン酸を生成
する反応と、生成したピルビン酸をトリプトファナーゼ
の触媒作用により、インドール、アンモニウムイオンと
反応させ、L−トリプトファンを生成する反応からなる
L−トリプトファンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明はL−トリプトファン
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】L−トリプトファンは必須アミノ酸の一
種であり、医薬、栄養剤、飼料添加物及び医薬原料など
に広く利用されている。L−トリプトファンの製造方法
としてはトリプトファンシンターゼの作用によりインド
ールとL−セリンから製造する方法や、トリプトファナ
ーゼの作用によりインドールとL−セリンまたはインド
ール、ピルビン酸及びアンモニウムイオンとから製造す
る方法などが知られている。
【0003】これらの製法の原料となる、L−セリンま
たはピルビン酸は比較的高価なものであり、より安価な
原料によるL−トリプトファンの製造方法が望まれてい
た。このような試みとしては、L−酒石酸を脱水しピル
ビン酸へ変換する作用を持つ酵素とトリプトファナーゼ
の共存下、L−酒石酸、アンモニウムイオン及びインド
ールからL−トリプトファンを製造する方法(特開昭6
1−74589号公報)、フマラーゼ、ピルビン酸−リ
ンゴ酸カルボキシラーゼ、トリプトファナーゼの存在
下、フマル酸、アンモニウムイオン及びインドールから
L−トリプトファンを製造する方法(特開昭63−10
5687号公報)などが知られているが、さらに安価な
原料からの効率的なL−トリプトファンの製造方法が望
まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】生分解性プラスチック
の原料である乳酸は、近年安価に大量に入手することが
可能となってきている。本発明者らは、この乳酸をL−
トリプトファンの原料とできれば、より安価にL−トリ
プトファンを製造することが可能であると考えた。しか
しながら、乳酸を原料としてL−トリプトファンを合成
する方法は知られていない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
行った結果、乳酸を酵素的に酸化しピルビン酸を生成さ
せ、生成したピルビン酸をトリプトファナーゼの触媒作
用により、インドール、アンモニウムイオンと反応さ
せ、L−トリプトファンを製造しうることを見出し本発
明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、乳酸を酵素的に酸化し
ピルビン酸を生成する反応と、生成したピルビン酸をト
リプトファナーゼの触媒作用により、インドール、アン
モニウムイオンと反応させ、L−トリプトファンを生成
する反応からなるL−トリプトファンの製造方法に関
し、さらに具体的には(1)乳酸またはその塩に、乳酸
オキシダーゼまたは2−ヒドロキシ−カルボン酸オキシ
ダーゼ、カタラーゼを作用させピルビン酸を生成する工
程と、(2)生成したピルビン酸に、トリプトファナー
ゼ、ピリドキサールリン酸の存在下、インドール、アン
モニウムイオンを反応させL−トリプトファンを生成す
る工程からなるL−トリプトファンの製造方法。更に、
(1)乳酸またはその塩に、乳酸デヒドロゲナーゼ、モ
ノオキシゲナーゼ、ニコチンアミドジアミンヌクレオチ
ド(NAD)及び炭素数1〜20の飽和または不飽和の
脂肪族炭化水素、炭素数3〜8の飽和または不飽和環状
炭化水素、芳香族炭化水素、または複素環化合物から選
ばれる有機化合物を作用させピルビン酸を生成する工程
と、(2)生成したピルビン酸に、トリプトファナー
ゼ、ピリドキサールリン酸の存在下、インドール、アン
モニウムイオンを反応させL−トリプトファンを生成す
る工程から成るL−トリプトファンの製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明における、乳酸を酵素的に
酸化しピルビン酸を生成する反応は大きく2種類に大別
される。
【0008】1つは、乳酸オキシダーゼまたは2−ヒド
ロキシ−カルボン酸オキシダーゼによる酸化反応である
(化1−)。
【0009】
【化1】
【0010】本反応は不可逆反応であるが、過酸化水素
が酸化反応に伴なって副生し、乳酸の酸化反応を阻害す
る。したがってカタラーゼを共存させ過酸化水素を水と
酸素に変換することで、乳酸のピルビン酸への酸化を効
率的に進行させる(化1−)。本反応の特徴は、ピル
ビン酸以外の副成物を生成しないため、さらにトリプト
ファナーゼの作用によりインドール、アンモニウムイオ
ンを反応させる際にL−トリプトファンのみを生成する
ことができるため、L−トリプトファン単独の製法とし
ては極めて有利である。
【0011】乳酸オキシダーゼまたは2−ヒドロキシ−
カルボン酸オキシダーゼ及びカタラーゼはの起源は、微
生物由来、植物由来、及び動物由来のいずれでもよい。
またこれら酵素活性を有する細胞を生体触媒として使用
することもできる。また各々が別々に反応系に供されて
もよいが、両活性を有する細胞を遺伝子工学的に造成し
供すほうがより効率的である。
【0012】もう一つは乳酸デヒドロゲナーゼによる酸
化反応である(化2−)。
【化2】
【0013】本反応は酸化型ニコチンアミドアデニンジ
ヌクレオチド(NAD)を補酵素とし、ピルビン酸と還
元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD
H)を生成する。本反応は可逆反応であり、通常逆反応
に反応平衡が偏っているためピルビン酸生成には不利で
あるが、不可逆反応であるモノオキシゲナーゼによる有
機化合物の酸化反応を共役させ、NADHをNADに変
換することでピルビン酸への酸化を効率的に進行させる
(化2−)。
【0014】ここでいうモノオキシゲナーゼとは、化2
−の反応を触媒する酸素添加酵素をさす。より具体的
には、メタンモノオキシゲナーゼ、アルカンモノオキシ
ゲナーゼ、フェノールモノオキシゲナーゼ、トルエンモ
ノオキシゲナーゼ、キシレンモノオキシゲナーゼ、およ
びカンファー−5−モノオキシゲナーゼなどのチトクロ
ームP−450系の酸化酵素等を例示することができ
る。
【0015】これらのモノオキシゲナーゼは、通常基質
特異性が低く多くの場合例示した有機化合物の水酸化、
エポキシ化などの酸化反応を行なうことができる多機能
酵素である。
【0016】モノオキシゲナーゼの基質となる有機化合
物としては、有機化合物が炭素数1〜20の飽和または
不飽和の脂肪族炭化水素、炭素数3〜8の飽和または不
飽和環状炭化水素、芳香族炭化水素、または複素環化合
物を挙げることができる。
【0017】代表的化合物としては、メタン、エタン、
プロパン、ブタン等の脂肪族アルカン、エチレン、プロ
ピレン、ブテン等のアルケン、ブタジエン等のジエン化
合物、シクロヘキサン等の脂環式化合物、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、などの芳香族化合物、ピリジン、ナ
フタレン、キノリン、等の複素環化合物及びこれらの誘
導体などがあげられる。
【0018】本反応においては、L−トリプトファンの
みならず、有用な有機化合物の水酸化物、エポキシ化合
物が同時に得られる点が特徴である。
【0019】これらの酵素の起源は、微生物由来、植物
由来、及び動物由来のいずれでもよい。またこれら酵素
活性を有する細胞を生体触媒として使用することもでき
る。さらに、これら酵素及び酵素活性を有する細胞を公
知の方法で固定化した固定化酵素または固定化細胞を使
用することもできる。
【0020】補酵素の再生に利用する乳酸デヒドロゲナ
ーゼの起源は、微生物、動物及び植物のいずれでもよ
く、これら酵素活性を有する細胞を生体触媒として使用
することもできる。さらに、これら酵素及び酵素活性を
有する細胞を公知の方法で固定化した固定化酵素または
固定化細胞を使用することもできる。
【0021】上記の2つのいずれかを選択するかは、さ
まざまな条件を勘案してもっとも適するほうを選択すれ
ばよい。
【0022】トリプトファナーゼの起源は、微生物、動
物及び植物のいずれでもよく、これら酵素活性を有する
細胞を生体触媒として使用することもできる。さらに、
これら酵素及び酵素活性を有する細胞を公知の方法で固
定化した固定化酵素または固定化細胞を使用することも
できる。
【0023】反応方法はすべての反応を、同一の反応系
中で行なうこともできるが、固定化酵素または固定化細
胞または限外濾過膜等を用い各々を別々の反応系で行な
うこともできる。
【0024】反応温度、反応pHは組み合わせる酵素の
特性により適宜最適な条件を選べばよい。
【0025】反応媒体は反応に悪影響を及ぼさない溶媒
またはそれらの混合物を用いることができる。
【0026】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれにより限定されるものではな
い。
【0027】実施例1 下記表1に示す組成の反応液1mlを、28℃で24時
間保温し反応を行なった。3.5%HClを0.5ml
添加し反応を停止したのち、水で希釈し生成したL−ト
リプトファンを薄層クロマトグラフィーで検出したとこ
ろ、L−トリプトファンの生成が認められた。薄層クロ
マトグラフィーの展開液組成は、n−ブタノール:酢
酸:水=4:1:1を使用し、検出はニンヒドリンによ
るアミノ酸の発色を用いた。
【0028】
【表1】 (註1)BOEHRINGER MANNHEIM社製
(ウシ肝臓由来) (註2)SIGMA社製(Pediococcus属由
来) (註3)SIGMA社製(Escherichia c
oli由来)
【0029】実施例2 表2の組成の培地20ml を100ml容フラスコに
入れ殺菌した後、Methylosinus tric
hosporium OB3b 株を1白金耳量接種し
た。フラスコの気相部に16mlのメタンを挿入し、密
栓をして30℃で3日間振とう培養を行なった。遠心分
離により菌体を回収し、10mlの生理食塩水で2回集
菌体を洗浄した。この菌体を1mlの50mMTris
緩衝液(pH9.0)に懸濁し、超音波破砕を行ない菌
体破砕液を調製した。50ml容フラスコに表3に示す
組成の反応液9mlと、菌体破砕液1mlを添加し、フ
ラスコの気相部に8mlの1,3−ブタジエンを挿入
し、密栓をして30℃で5時間振とうし反応を行なっ
た。反応終了後、クロロホルムで抽出し有機相をガスク
ロマトグラフィー(イオン化フレーム検出器カラム)で
分析したところ、エポキシブテンの生成が認められた。
遠心上清を水で希釈し、生成したL−トリプトファンを
薄層クロマトグラフィーで検出したところ、L−トリプ
トファンの生成が認められた。薄層クロマトグラフィー
の展開液組成は、n−ブタノール:酢酸:水=4:1:
1を使用し、検出はニンヒドリンによるアミノ酸の発色
を用いた。
【0030】
【表2】 pH 7.0 殺菌条件 120℃、20分 固体寒天培地を調製する場合は、1.0%(w/vo
l)の寒天を上記組成に加える。
【0031】
【表3】 (註1)ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(オリ
エンタル酵母工業株式会社製) (註2)BOEHRINGER MANNHEIM社製
(ブタ筋肉由来) (註3)SIGMA社製(Escherichia c
oil由来)
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、安価な乳酸を原料とし
たL−トリプトファンの製造法を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B064 AD52 AE34 CA21 CC03 CD01 CD07 CD12 DA01 DA11 4C204 AB01 BB01 BB04 CB03 DB20 EB02 FB01 GB01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳酸を酵素的に酸化しピルビン酸を生成
    する反応と、生成したピルビン酸をトリプトファナーゼ
    の触媒作用により、インドール、アンモニウムイオンと
    反応させ、L−トリプトファンを生成する反応からなる
    L−トリプトファンの製造方法。
  2. 【請求項2】 (1)乳酸またはその塩に、乳酸オキシ
    ダーゼまたは2−ヒドロキシ−カルボン酸オキシダー
    ゼ、カタラーゼを作用させピルビン酸を生成する工程
    と、(2)生成したピルビン酸に、トリプトファナー
    ゼ、ピリドキサールリン酸の存在下、インドール、アン
    モニウムイオンを反応させL−トリプトファンを生成す
    る工程からなるL−トリプトファンの製造方法。
  3. 【請求項3】(1)乳酸またはその塩に、乳酸デヒドロ
    ゲナーゼ、モノオキシゲナーゼ、ニコチンアミドジアミ
    ンヌクレオチド(NAD)及び炭素数1〜20の飽和ま
    たは不飽和の脂肪族炭化水素、炭素数3〜8の飽和また
    は不飽和環状炭化水素、芳香族炭化水素、または複素環
    化合物から選ばれる有機化合物を作用させピルビン酸を
    生成する工程と、(2)生成したピルビン酸に、トリプ
    トファナーゼ、ピリドキサールリン酸の存在下、インド
    ール、アンモニウムイオンを反応させL−トリプトファ
    ンを生成する工程から成るL−トリプトファンの製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100424073C (zh) * 2005-09-27 2008-10-08 上海化工研究院 一种DL-色氨酸-α-15N的合成方法
JP2018505664A (ja) * 2014-12-16 2018-03-01 ニューペック・エセ・アー・デ・セー・ウベ イソブタノールの酵素的生成方法

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US10550410B2 (en) 2014-12-16 2020-02-04 Newpek S.A. De C.V. Enzymatic methods for isobutanol production

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