JP2000343024A - 転がり軸受の潤滑剤塗布状態の検査方法及びその検査装置 - Google Patents

転がり軸受の潤滑剤塗布状態の検査方法及びその検査装置

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JP2000343024A
JP2000343024A JP11161260A JP16126099A JP2000343024A JP 2000343024 A JP2000343024 A JP 2000343024A JP 11161260 A JP11161260 A JP 11161260A JP 16126099 A JP16126099 A JP 16126099A JP 2000343024 A JP2000343024 A JP 2000343024A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転がり軸受の内部にのみ潤滑剤を注入した際
に、潤滑剤の塗布状態を光学的に検出して潤滑剤が塗布
されたか否かを検査する転がり軸受の潤滑剤塗布の検査
方法及びその検査装置を提供する。 【解決手段】 転がり軸受4の内部に潤滑剤を注入する
潤滑剤吐出装置から規定量の潤滑剤が吐出されたか否か
を検査するものであって、潤滑剤吐出装置の吐出口6と
転がり軸受4との間にレーザ光線L1を照射して、吐出
口6から潤滑剤が吐出されたときに潤滑剤によって反射
された反射レーザ光線L2を、反射レーザ光線L2の光軸
上に配置された受光素子16により受光して、受光素子
16からの出力に基づいて転がり軸受4に潤滑剤が塗布
されたか否かを検査する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転がり軸受の内部
に潤滑剤が塗布されたか否かを検査する転がり軸受の潤
滑剤塗布状態の検査方法及びその検査装置に関し、特に
転がり軸受の内部に注入された潤滑剤を光学的に検出し
て塗布状態を検査する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスクドライブ用の転がり軸受
や、真空装置等に用いられるコンタミネーションを特に
嫌う転がり軸受は、転動体の上や保持器のポケット間等
に微量の潤滑剤を注入することにより軸受内部に潤滑剤
の膜を形成している。このような潤滑剤の塗布方法にお
いては、潤滑剤の注入を行うノズルから確実に潤滑剤が
吐出されているか否かが重要となり、吐出が不完全であ
ると転がり軸受が潤滑不良となり、この転がり軸受を用
いた軸受装置にトラブルを生じさせることになる。
【0003】転がり軸受の一般的な潤滑剤塗布方法とし
ては、次のような方法が挙げられる。例えば特開昭64
−46011号公報には、軸受軌道面等に潤滑剤を軽く
塗布するオイルプレーティング法が記載されており、特
開平8−303467号公報には、組み立てた転がり軸
受を潤滑剤の中に浸漬した後、引き上げて遠心脱油を行
う方法が記載されている。また、特開平5−14934
3号公報には、軸受を潤滑剤に浸漬した後、潤滑剤中に
含まれている石油ベンジンを蒸発させる方法が記載され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示された潤滑剤塗布方法では、グリースを転がり
軸受外側から付着させたり、潤滑油中に転がり軸受全体
を浸漬するものであるから、転がり軸受の転動面や摺動
面以外の、例えば軸受内径面、軸受外径面、側面等に潤
滑剤が付着することになる。すると、転がり軸受の実使
用時において、付着した潤滑剤が拡散して転がり軸受が
組み込まれた装置内を汚し、機器の性能を著しく悪化さ
せる要因となる。
【0005】そこで、本出願人は、潤滑剤を必要とする
転がり軸受内部にだけ、選択的に潤滑剤を塗布する潤滑
剤の注入方法を特願平10−370097号で提案し
た。しかながら、この潤滑剤の注入方法にあっては、潤
滑剤供給タンクが空になったり、或いは機器の故障等が
原因で潤滑剤が注入されないことが起こり得る。このよ
うな場合、警報を発したり、潤滑剤が注入されなかった
軸受は、後工程に送られないように排出したり、装置を
停止させる必要がある。このことは、内部にのみ潤滑剤
を注入する軸受を大量生産する場合に特に重要となる。
【0006】このため、転がり軸受の内部に潤滑剤が注
入されたか否かを全数検査して、良・不良判定を行うこ
とが大切であるが、前記公報に記載の方法では、潤滑剤
を塗布処理するだけで、いずれの方法も潤滑剤の塗布後
にその塗布状態の検査を行なっていない。したがって、
完成した転がり軸受が適正に潤滑剤が塗布されているか
否かは不明となるという問題があった。
【0007】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、転がり軸受の内部にのみ潤滑剤を注入した際
に、潤滑剤の塗布状態を光学的に検出して潤滑剤が塗布
されたか否かを検査する転がり軸受の潤滑剤塗布の検査
方法及びその検査装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明に係る転がり軸受の潤滑剤塗布状態の検査方法及び
その検査装置は、転がり軸受の内部に潤滑剤を注入する
潤滑剤吐出装置から規定量の潤滑剤が吐出されたか否か
を検査する転がり軸受の潤滑剤塗布状態の検査方法及び
その検査装置であって、前記潤滑剤吐出装置の吐出口と
前記転がり軸受との間にレーザ光線を照射して、前記吐
出口から潤滑剤が吐出されたときに該潤滑剤によって反
射された反射レーザ光線を、該反射レーザ光線の光軸上
に配置された受光素子により受光して、前記受光素子か
らの出力に基づいて転がり軸受に潤滑剤が塗布されたか
否かを検査することを特徴とする。
【0009】この転がり軸受の潤滑剤塗布状態の検査方
法及びその検査装置では、潤滑剤吐出装置の吐出口から
転がり軸受の内部に潤滑剤を注入する際に、吐出口の先
端に例えば転がり軸受の玉を近接させて潤滑剤を吐出す
る一方、この吐出口と転がり軸受との間にレーザ光線を
照射して、潤滑剤によって反射した反射レーザ光を受光
素子により受光する。受光素子は反射レーザ光線の光軸
上に配置されているため、潤滑剤が規定量吐出されなか
った場合は、反射レーザ光線が他の方向に反射したり、
或いは反射がなくなり、受光素子では受光されなくな
る。このように出力が反射レーザ光線の有無に応じて変
化することになるため、受光素子からの出力に基づいて
潤滑剤が規定量吐出されたか否かを判断することがで
き、転がり軸受の潤滑剤の塗布状態を検査することがで
きる。
【0010】前記転がり軸受の潤滑剤塗布状態の検査方
法を実施する具体的な検査装置としては、潤滑剤を転が
り軸受の内部に規定量注入する吐出装置と、前記吐出装
置の吐出口と転がり軸受との間にレーザ光線を照射する
レーザ光線投光器と、該レーザ光線投光器からのレーザ
光線が潤滑剤によって反射された反射レーザ光線の光軸
上に配置され、反射レーザ光線を受光するレーザ光線受
光器と、を備え、前記レーザ光線受光器からの出力に基
づいて転がり軸受に潤滑剤が塗布されたか否かを検査す
ることを特徴とする潤滑剤塗布状態の検査装置が挙げら
れる。
【0011】この転がり軸受の潤滑剤塗布状態の検査装
置では、吐出装置により潤滑剤を転がり軸受の内部に規
定量注入させる際に、レーザ光線投光器により吐出装置
の吐出口と転がり軸受との間にレーザ光線を照射して、
該レーザ光線投光器からのレーザ光線が潤滑剤によって
反射された反射レーザ光線をレーザ光線受光器により受
光する。このときのレーザ光線受光器からの出力に基づ
いて吐出装置から潤滑剤が吐出されたか否かを検査す
る。つまり、潤滑剤が規定量吐出された場合は潤滑剤か
らの反射レーザ光線が検出され、潤滑剤が規定量吐出さ
れなかった場合は反射レーザ光線が他の方向に向いてし
まい、レーザ光線受光器では検出されなくなる。
【0012】また、吐出装置から潤滑剤が吐出されたと
きだけに反射レーザ光線がレーザ光線受光器に入射する
ので、吐出の終了後はレーザ光線受光器では反射レーザ
光線が検出されなくなり、レーザ光線受光器の出力は瞬
間的に大きなレベル変化を呈するだけになる。このよう
な瞬間的な出力の変化を高感度で検出するため、ピーク
ホールド回路を介装することで、受光時に変化する受光
器の出力を確実に検出することが望ましい。
【0013】さらに、吐出装置から転がり軸受内部への
潤滑剤の吐出及び塗布状態の検査は、各玉に対して個別
に順次行ってもよく、各玉に対して一挙に行うようにし
てもよい。各玉に対して一挙に行う場合は、潤滑剤の塗
布状態の検査を代表して1箇所検査するだけでもよく、
検査を簡略化できる。そして、レーザ光線投光器及びレ
ーザ光線受光器は、設計の自由度を増すため個別に配設
してもよいが、検査装置の組み立て作業及び調整作業を
簡略化するために一体化構成したものを用いてもよい。
【0014】また、他の潤滑剤塗布状態の検査方法及び
その検査装置としては、次のようなものが挙げられる。
即ち、転がり軸受の内部に潤滑剤を注入する潤滑剤吐出
装置から規定量の潤滑剤が吐出されたか否かを検査する
転がり軸受の潤滑剤塗布状態の検査方法及びその検査装
置であって、前記潤滑剤は、紫外線に励起されて蛍光を
発する物質が添加されており、前記転がり軸受に対して
外光を遮光しつつ紫外光を照射すると共に、該紫外光が
照射された転がり軸受を撮像し、撮像画像に映出された
蛍光の有無に基づいて潤滑剤の塗布状態を検査すること
を特徴とする。
【0015】この潤滑剤塗布状態の検査方法及びその検
査装置では、規定量の潤滑剤が吐出され塗布された場合
に塗布面が蛍光を発するため、この蛍光を検出して転が
り軸受の潤滑剤塗布状態を迅速に検査することができ
る。
【0016】前記蛍光を発する添加剤としては、潤滑剤
の潤滑性が損なわれることのない、例えばアミン系酸化
防止剤を用いることができる。
【0017】前記転がり軸受の潤滑剤塗布状態の検査方
法を実施する具体的な検査装置としては、転がり軸受の
内部に紫外線に励起されて蛍光を発する物質が添加され
た潤滑剤を注入する潤滑剤吐出装置から規定量の潤滑剤
が吐出されたか否かを検査する転がり軸受の潤滑剤塗布
状態の検査装置であって、被検査対象の転がり軸受に外
光が当たらないように遮光する遮光フードと、該遮光フ
ード内に設けられ転がり軸受に紫外光を照射するブラッ
クライトと、該ブラックライトにより紫外光が照射され
た転がり軸受を撮像するビデオカメラと、を備え、前記
ビデオカメラによる撮像画像に映出された蛍光の有無に
基づいて潤滑剤の塗布状態を検査することを特徴とす
る。
【0018】この検査装置では、ブラックライトにより
紫外光が照射された転がり軸受をビデオカメラで撮像す
ることで、転がり軸受に潤滑剤が規定量塗布された場合
には、撮像画像に蛍光が所定面積映出され、塗布されて
いない場合には蛍光の映出面積が所定面積以下であった
り、映出されなかったりする。この蛍光の映出面積に基
づいて潤滑剤吐出装置から規定量の潤滑剤が吐出された
か否かを検査する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る転がり軸受の
潤滑剤塗布の検査方法、及びその検査装置の実施の形態
を、図面を参照して詳細に説明する。ここで、図1は潤
滑剤を転がり軸受に吐出するための液体定量吐出装置
(以下、吐出装置と略称する)の構成を示す側面図、図
2は図1のA部詳細を示す一部拡大図、図3は図2のB
方向からみた部分断面図、図4は図2のC方向からみた
平面図である。
【0020】図1に示すように、吐出装置1は、概略的
には潤滑剤を吐出させるための図示しないプランジャー
ポンプを内部に備えた吐出装置本体2と、吐出装置本体
2の下端側に設けられ潤滑剤を外部に吐出する吐出部3
とからなり、吐出部3の先端には、転がり軸受4の内部
に潤滑剤を注入するための潤滑剤注入ノズル5が設けら
れている。この吐出装置1は、外部から例えば液体の潤
滑油が補充され、プランジャーポンプの駆動によって潤
滑剤を潤滑剤注入ノズル5から吐出可能としている。な
お、本実施形態ではユニコントロールズ(株)製のプラ
ンジャーポンプ(型式PM502)を用い、また、潤滑
剤注入ノズル5は、外径が1.5mm以下、内径が0.
2mm〜1.0mmφ程度の管状のものを用いた。そし
て、プランジャーポンプのストローク長は、所謂マイク
ロメータ型のストッパにより調整することができ、これ
により、潤滑剤の吐出量を適宜調整できる。また、潤滑
剤は液体の潤滑油の他に、例えばグリース等の半固形の
ものでも適用可能である。吐出装置1は、図2に示すよ
うに潤滑剤注入ノズル5先端の吐出口6が、転がり軸受
4の外輪11と内輪12との間で保持器13によって保
持された玉10の直上に近接配置され、後述するポンプ
駆動部によって一定周期毎に規定量の潤滑剤を吐出口6
から玉10上に吐出するように制御される。
【0021】玉10に潤滑剤を塗布する場合、図2及び
図3に示すように、玉10の真上に位置決めされた吐出
口5から玉10に向けて規定の一定量の潤滑剤Oを吐出
させる。この作業を全玉10に対して行う。これによ
り、玉10のその後の回転移動に伴い、外輪11、内輪
12、保持器13との間に潤滑剤が浸潤する。本実施形
態では、吐出装置1は固定されているので、潤滑剤塗布
を行うには玉10を潤滑剤注入ノズル5の直下に位置制
御する必要がある。そこで、外輪11を図示しない治具
により固定し、内輪12を回転させることで玉10のい
ずれかを潤滑剤注入ノズル5の直下に移動させるように
している。なお、玉10の位置決め方法は、これに限ら
ず内輪12を固定して外輪11を回転させる方法であっ
てもよく、治具全体を軸受と共に回転させる方法であっ
てもよい。また、潤滑剤注入ノズルを移動させる方法で
あってもよい。
【0022】次に、吐出装置の潤滑剤注入ノズル5から
潤滑剤が吐出されたか否かを検査する検査方法を説明す
る。本実施形態では、図3及び図4に示すようにレーザ
光線投光器(以下、投光器と略称する)15からレーザ
光L1を潤滑剤の吐出位置に照射し、潤滑剤が塗布され
ている場合にその反射レーザ光L2をレーザ光線受光器
(以下、受光器と略称する)16で受光することで、潤
滑剤が正確に吐出されて玉10の表面に塗布されている
か否かの塗布状態を検査する。さらに詳しくは、潤滑剤
が正確に吐出された場合、図3に示すように、玉10の
表面と潤滑剤注入ノズル5の吐出口6との間で表面張力
によって潤滑剤の油滴が形成される。この油滴にレーザ
光L1を照射すると、油滴表面からの反射レーザ光L2
受光器16に入射されるようになる。そして、受光器1
6は受光したレーザ光線の強さに略比例した電圧を発生
する。
【0023】ところで、受光器16が反射レーザ光L2
を受光する際、規定量の潤滑剤が吐出されず油滴が形成
されていない場合、レーザ光L1の照射位置によっては
玉10の表面からの反射光が受光器16に直接入射する
ことがある。すると、潤滑剤が吐出されていないにも拘
わらず、反射レーザ光L2が検出されたとして潤滑剤が
正常に吐出されたと誤認する可能性を生じる。そこで本
実施形態では、投光器11から投射されるレーザ光L1
の転がり軸受4の軸垂直面Hとの角度が極力鋭角になる
ように投光器15,受光器16の取り付け位置を設定し
ている。そのため、レーザ光線が転がり軸受の外輪に干
渉しないように、投光器15から投射されるレーザ光L
1が、転がり軸受の転動体ピッチ円の概ね接線方向にな
るように投光器15を配置している。具体的には、玉1
0へのレーザ光の投光角度αを、図3に示すように水平
面Hに対して鋭角になるように、例えば30°以下の角
度に設定している。また、投光器11と受光器12との
なす角度は、図4に示すように玉10の油滴からの反射
レーザ光L2が十分な強度で得られる位置に受光器12
を配置することで設定している。
【0024】小径の軸受の場合、注入する潤滑剤は微量
であり、また、精密に注入するために、潤滑剤注入ノズ
ル5の吐出口6と玉10とは十分に接近していることが
望ましい。そして、充分に接近された吐出口5と玉10
との間にレーザ光L1を照射させるためには、レーザ光
1のスポット径を微小にする必要がある。
【0025】次に、図5を参照して本実施形態の塗布状
態検査装置20の構成を説明する。前記レーザ光線の投
光器15を駆動制御するレーザ駆動部21と、前記吐出
装置1のプランジャポンプを駆動するポンプ駆動部22
と、転がり軸受4の軌道輪を回転させて玉10の位置と
潤滑剤注入ノズル5の吐出口6の位置とを一致させるた
めの軌道輪回転駆動部23とが、それぞれ塗布状態検査
装置20の動作を統括制御する制御部25に接続され
る。また、潤滑剤の油滴からの反射レーザ光を受光器1
6により受光して、反射光の受光時に受光器16からの
出力信号が入力されると共に、反射光受光時における出
力信号のピークレベルを保持するピークホールド回路2
7と、ピークホールド回路27からの出力信号を受けて
潤滑剤が吐出されたか否かを判定するOK/NG判定回
路28とを塗布状態検査装置20として備えている。そ
して、制御部25は、ピークホールド回路27のピーク
レベルの保持を解除するリセット信号を後述するタイミ
ングで出力する。この制御部25には、NG品排出装置
48、表示器49、警報装置50が接続されており、制
御部25は、判定回路28の信号に基づいてNG品排出
装置48により軸受47を排出する。このとき、表示器
49や警報装置50を選択的に作動させる。
【0026】次に、転がり軸受4への潤滑剤塗布状態の
検出方法を説明する。まず、転がり軸受4を図示しない
塗布装置の固定治具に取り付けて、潤滑剤注入ノズル5
の吐出口6と転がり軸受4の玉10との位置合わせを行
う。この位置合わせ方法としては種々の方法が考えられ
るが、例えば軌道輪回転駆動部23により内輪8を回転
駆動させて玉10位置を変化させると共に、レーザ駆動
部21により投光器15から前記同様にレーザ光線を照
射して、受光器16により反射レーザ光強度を検出する
ことで位置合わせする方法がある。この方法によれば、
反射レーザ光強度が増大してピークとなる回転位置が、
玉10にレーザ光が照射されている位置となり、この位
置は、潤滑剤注入ノズル5の吐出口6直下に玉10が配
置される位置とは一定の隔たりを有している。この隔た
りの大きさは、投光器15、受光器16、軸受4の方向
を含めた位置関係で決定される。したがって、予めこの
隔たりの大きさに相当する内輪の回転角度を測定して制
御装置25に記憶させておき、反射レーザ光強度がピー
クとなる回転位置からさらに記憶された角度を回転させ
ることにより、潤滑剤注入ノズル5の吐出口6直下に玉
10が配置された状態になる。
【0027】この位置合わせ方法では、各玉10を1つ
ずつ移動させて潤滑剤を塗布する際に、正確に位置合わ
せする目的のため移動の度に行ってもよい。また、玉1
0の数が分かっていれば、1箇所だけ玉10位置を検出
して、他の玉10に対しては所定の一定角度回転させる
インデックス回転により、簡便にして玉10の位置を設
定してもよい。
【0028】玉10の位置合わせを行った後は、ピーク
ホールド回路27には玉10からの反射光によりピーク
レベルが保持されているので、電圧レベルを元に戻すた
めに制御部25からリセット信号を出力し、図6に示す
1の時点で制御部25からポンプ駆動部22に駆動信
号(潤滑剤吐出動作信号)V1を供給し、吐出装置1か
ら潤滑剤を吐出させる。吐出装置1は、プランジャを駆
動して潤滑剤を押出す方式であるから、吐出動作信号V
1が入力されてから実際に吐出口6から潤滑剤が吐出さ
れるまでタイムラグが生じる。そして、t2の時点で潤
滑剤が吐出口6から吐出されると、受光器16の出力信
号V2に瞬間的な大きな変動が生じる。
【0029】出力信号V2の電圧レベルが図6に示すよ
うに大きく変化すると、このレベル変化を、図5に示す
ピークホールド回路27が検出し、ピークホールド回路
27の出力信号V3がVLからVHに変化する。このVH
Lの2つの状態に応じて、OK/NG判定回路28
は、潤滑剤が吐出されたか否かを判定する。そして、制
御部25はOK/NG判定回路28からの判定結果に基
づき、潤滑剤の吐出が正常であった場合に、ピークホー
ルド回路27にVHに設定された出力信号の電圧レベル
を元の状態にリセットするピークホールドリセット信号
を出力する。また、制御部25は、次の玉10に対して
潤滑剤の塗布とその検査を行うために、軌道輪回転駆動
部23によって内輪を回転させ、次の玉10位置への位
置合わせを行う。一方、潤滑剤の吐出が異常であった場
合には、制御部25は異常信号を出力して警報を発した
り、潤滑剤塗布を中止したり、機械を停止したり、ある
いは軸受を不良品としてNG排出する。これにより、潤
滑剤の塗布に異常を生じた転がり軸受が後工程に流出す
ることを防止できる。上記処理を全ての玉10に対して
潤滑剤が塗布されるまで繰り返し行う。
【0030】このように、本実施形態における潤滑剤の
塗布検出方法では、潤滑剤を吐出する吐出口6の直下に
近接させて玉10を位置合わせした後、玉10上に潤滑
剤を吐出し、また、その側方からレーザ光を照射して規
定方向の反射レーザ光の有無を検出している。その際、
レーザ光の反射光は潤滑剤が吐出される短い期間だけに
生じるが、ピークホールド回路27を用いることで、受
光器16からの出力信号の変化を高感度に検出して、瞬
間的な出力信号の変化であっても見逃すことなく高精度
にこれを検出することができる。また、投光器15と受
光器16とが分離した構成であるため、機器の設置の設
計自由度や調整の自由度を高めることができる。
【0031】上記構成の潤滑剤の塗布状態検査装置によ
れば、内部に潤滑剤を注入する転がり軸受を大量生産す
る場合、転がり軸受全数について潤滑剤が注入されたか
否か自動検査することができ、以て、転がり軸受の品
質、信頼性の向上とコストダウンとを図ることができ
る。
【0032】次に、本発明に係る潤滑剤の塗布状態検査
装置の第2実施形態を図7を参照して説明する。なお、
本実施形態は、投光器及び受光器を一体化した構成にし
たことに特徴を有しており、機能の部品には同じ符号を
付与することで、重複する説明は省略するものとする。
本実施形態では、投光器及び受光器を一体化したレーザ
ーセンサ31を用いている。この構成によれば、レーザ
光L1、L2の角度合わせ、即ち、投光器15と受光器1
6との設置位置により設定される角度調整等は不要にな
り、塗布状態検査装置の組み立て作業、及び装置全体の
構成を大幅に簡略化することができる。なお、本実施形
態の投光器11及び受光器12としては、例えば(株)
キーエンス製のレーザ投受光装置LZ−155を用いる
ことができる。
【0033】次に、本発明に係る潤滑油の塗布状態検査
装置の第3実施形態を図8を参照して説明する。本実施
形態は、転がり軸受4が備える複数の玉10を同時に潤
滑油を塗布、検出を行うように構成したことにある。本
実施形態においては、図8に示すように吐出装置32に
転がり軸受4の玉10の数に対応して潤滑剤注入ノズル
5が複数設けられている。なお、図8では片側5本の潤
滑剤注入ノズル5が図示されているが、例えば図4に示
すように玉10が7個の場合は7本の潤滑剤注入ノズル
5が設けられる。この吐出装置32は、その内部で図示
はしないが1個のプランジャポンプと、これに接続され
た分配室を備え、分配室の下端側で各潤滑剤注入ノズル
5に分岐される構成であり、ポンプを駆動することによ
って、全ての潤滑剤注入ノズル5に対して均等に潤滑剤
が押し出されるようになっている。したがって、前記実
施形態同様にポンプを駆動することで、全玉10に対し
て1回で潤滑剤の塗布を完了させることができる。この
ため、潤滑剤の吐出工程を簡略化できると共に、高速化
を図ることができる。
【0034】一方、潤滑剤の塗布状態の検査について
は、各潤滑剤注入ノズル5からは略均等量の潤滑剤が吐
出されるため、1箇所を検査するだけで全箇所の潤滑剤
塗布状態を把握できる。また、前記同様にレーザ光を1
つずつ玉10に照射して検査することで、検査の信頼性
を向上させるようにしてもよい。さらに、複数の玉10
にレーザ光を同時照射して検出を行う構成であってもよ
く、この場合は、複数の検出系により検査されるため、
検査の信頼性をより向上できると共に高速化が図れる。
【0035】上記第1〜第3実施形態においては、転が
り軸受4の玉10に潤滑剤を吐出していたが、これ以外
にも、例えば、玉と玉との間の保持器上に潤滑剤を吐出
する構成であってもよい。また、潤滑剤は、潤滑油だけ
でなく、グリース状の固体潤滑剤であっても同様にして
適用可能である。
【0036】次に、本発明に係る潤滑剤の塗布状態検査
装置の第4実施形態を図9及び図10を参照して説明す
る。図9は本実施形態の塗布状態検査装置の構成を示す
図、図10は潤滑剤の塗布状態を検査するための信号の
流れを示すブロック図である。本実施形態では、紫外線
により励起され蛍光を発するアミン系酸化防止剤を潤滑
剤中に添加している。この潤滑剤が塗布された転がり軸
受は、紫外線が照射されることにより潤滑剤の塗布面が
蛍光を発するため、潤滑剤塗布の良・不良を蛍光が発光
されたか否かで判断することができる。なお、本実施形
態のアミン系酸化防止剤としては、例えばチバ・スペシ
ャルティ・ケミカルズ(株)製のIRGANOX L0
6を用いることができる。
【0037】次に、本実施形態の塗布状態検査装置40
の構成を説明する。塗布状態検査装置40は、潤滑剤が
塗布された転がり軸受4を固定する載置台41と、載置
台41上の転がり軸受4に外部からの可視光が当たらな
いようにする遮光フード42と、遮光フード42内に設
けられ転がり軸受4に近紫外線を照射するブラックライ
トブルー蛍光ランプ43と、近紫外線が照射された転が
り軸受4を上方から撮像するビデオカメラ44と、を備
えており、撮像された画像データは図10に示すように
画像処理装置45を介して制御部46に入力する構成と
なっている。
【0038】ブラックライトブルー蛍光ランプ43は、
近紫外線を効率良く透過する濃い青色の特殊フィルター
を使用したガラス管内に、近紫外線放射蛍光体を塗布し
た蛍光ランプであって、波長300nm〜400nm
(ピーク波長370nm)の近紫外線を放射するもので
ある。ブラックライトブルー蛍光ランプ44は環状に形
成され、その上部は内面に反射膜が形成されたランプカ
バー47によって覆われている。ビデオカメラ44は、
CCD等の撮像素子44a、集光レンズ44b、ノイズ
カット用の赤外線カットフィルタ44cにより構成され
ている。
【0039】次に、本実施形態の潤滑剤の塗布状態検出
方法を説明する。載置台41上に潤滑剤が塗布された転
がり軸受4を載置し、ブラックライトブルー蛍光ランプ
43を点灯して近紫外線を転がり軸受4に照射する。そ
して、近紫外線の照射された転がり軸受4をビデオカメ
ラ44により撮像する。このときの撮像画像は、潤滑剤
が紫外線を受けて蛍光を発するため、潤滑剤の塗布面が
白く映出され、潤滑剤の塗布されていないところは発光
せず黒く映出された画像となる。このような撮像画像の
画像信号が図10に示す画像処理装置45に入力され
る。画像処理装置45では、入力された画像信号を二値
化処理し、蛍光により映出された白色部だけを抽出す
る。そして白色部の総面積を算出し、予め設定されてい
る白色部面積のデータと比較する。比較の結果、算出し
た総面積が設定値以上であれば潤滑剤の塗布状態が良好
であると判断し、逆に小さければ不良であると判断す
る。このOKかNGかの判断結果は、画像処理装置45
に接続された制御部46に信号出力される。制御部46
は、OK信号が入力された場合は転がり軸受4を後工程
に搬出する制御を行い、NG信号が入力された場合は転
がり軸受4を不良品として排出して警報等を発生する。
【0040】なお、塗布検出を行っている間、ブラック
ライトブルー蛍光ランプ43を点灯し続けていると高温
となって赤外線を放射することになる。この赤外線が転
がり軸受4に反射してCCD44aに入射すると、CC
D44aに電荷が蓄積され、出力画像信号Vaにノイズ
となって現れる。そこで、本実施形態ではビデオカメラ
44に赤外線カットフィルタ44cを設け、赤外線を除
去している。この構成によれば、塗布検出を繰り返し行
っても出力画像信号Vaにノイズが現れることなく、正
確な塗布検出を連続して行うことができる。
【0041】本実施形態における潤滑剤の塗布状態検出
装置40は、転がり軸受4に潤滑剤を塗布する自動機械
に組み込むことができるので、転がり軸受4の全数に対
してインラインで塗布状態の検査ができる。そして、何
らかの原因で潤滑剤の塗布が行われなかった場合、或い
は塗布不良があった場合は、塗布検出装置40からのN
G信号によりその転がり軸受を前記ラインから排出する
か、或いは自動的に機械を一時停止することで、不良と
判断された転がり軸受が後工程に流出することを防止で
きる。したがって、転がり軸受の製品中に不良品が混入
することが防止され、高品質の転がり軸受を生産するこ
とができる。
【0042】
【発明の効果】本発明の転がり軸受の潤滑剤塗布状態の
検査方法及びその検査装置によれば、潤滑剤吐出装置の
吐出口と転がり軸受との間に向けてレーザ光線を照射し
て、吐出口から潤滑剤が吐出されたときに潤滑剤によっ
て反射した反射レーザ光線を、反射レーザ光線の光軸上
に配置された受光素子により受光して、受光素子からの
出力に基づいて転がり軸受に潤滑剤が塗布されたか否か
を検査する。これにより、塗布不良の転がり軸受が後工
程に流出することはなく、転がり軸受自体の信頼性を向
上し、この転がり軸受を使用する機器の信頼性が低下す
ることを未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】潤滑剤を転がり軸受に吐出するための液体定量
吐出装置の構成を示す側面図である。
【図2】図1のA部詳細を示す一部拡大図である。
【図3】図1のB方向からみた部分断面図である。
【図4】図1のC方向からみた平面図である。
【図5】第1実施形態における塗布状態検査装置の構成
を示すブロック図である。
【図6】潤滑剤吐出動作信号、レーザ光線受光器の出力
電圧、及びピークホールド回路の出力電圧の波形を示す
図である。
【図7】第2実施形態の塗布状態検査装置のレーザセン
サ構成を示す図である。
【図8】第3実施形態の塗布状態検査装置の潤滑剤注入
ノズル近傍を示す側面図である。
【図9】第4実施形態の塗布状態検査装置の構成を示す
図である。
【図10】潤滑剤の塗布状態を検査するための信号の流
れを示すブロック図である。
【符号の説明】
1,32 液体定量吐出装置 3 注入部 4 転がり軸受 5 潤滑剤注入ノズル 6 吐出口 10 玉 11 外輪 12 内輪 15 レーザ光線投光器 16 レーザ光線受光器 20,40 塗布状態検査装置 25 制御部 27 ピークホールド回路 28 OK/NG判定回路 25、46 制御部 26,27,28 駆動回路 31 レーザセンサ 44 ブラックライトブルー蛍光ランプ 44 ビデオカメラ 45 画像処理装置 O 潤滑剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B05D 3/00 B05D 3/00 D 4F042 (72)発明者 中 道治 神奈川県藤沢市鵠沼神明1丁目5番50号 日本精工株式会社内 Fターム(参考) 2F065 AA58 DD03 DD13 FF01 FF42 GG03 GG17 HH02 JJ00 JJ03 JJ26 LL21 QQ05 QQ25 2G051 AA90 AB20 BA05 BA10 BB17 CA04 CB01 3J101 AA02 AA32 AA42 AA52 AA62 CA01 FA44 FA60 GA53 GA57 4D075 AC02 AC91 DA31 DC16 EA37 4F041 AA04 AA17 AB01 BA05 BA22 BA38 4F042 AB00 BA22 DH09

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転がり軸受の内部に潤滑剤を注入する潤
    滑剤吐出装置から規定量の潤滑剤が吐出されたか否かを
    検査する転がり軸受の潤滑剤塗布状態の検査方法及びそ
    の検査装置であって、 前記潤滑剤吐出装置の吐出口と前記転がり軸受との間に
    レーザ光線を照射して、前記吐出口から潤滑剤が吐出さ
    れたときに該潤滑剤によって反射された反射レーザ光線
    を、該反射レーザ光線の光軸上に配置された受光素子に
    より受光して、前記受光素子からの出力に基づいて転が
    り軸受に潤滑剤が塗布されたか否かを検査することを特
    徴とする転がり軸受の潤滑剤塗布状態の検査方法及びそ
    の検査装置。
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