JP2000343246A - 軸状部材の摩擦圧接部構造及び摩擦圧接方法 - Google Patents

軸状部材の摩擦圧接部構造及び摩擦圧接方法

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JP2000343246A
JP2000343246A JP11156493A JP15649399A JP2000343246A JP 2000343246 A JP2000343246 A JP 2000343246A JP 11156493 A JP11156493 A JP 11156493A JP 15649399 A JP15649399 A JP 15649399A JP 2000343246 A JP2000343246 A JP 2000343246A
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peripheral surface
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friction
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Shigeru Kawamoto
滋 河本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸状部材の摩擦圧接部構造及び接合方法に関
し、軸状部材どうしの接合強度を確保しながら接合部の
溶融層及び熱影響層を薄くできるようにして接合精度を
高めるとともに装置を小型化できるようにする。 【解決手段】 第1の軸11と第2の軸21とを互いに
同一軸心線上で相対回転させて軸心線方向へ圧接力を加
えて突き合わせ接合する摩擦圧接部構造において、第1
の軸11の接合端面12にテーパ状内周面14を有する
凹部13を形成し、第2の軸21の接合端面22にテー
パ状内周面14と対応するテーパ状外周面24を有する
凸部23を形成し、テーパ状内周面14とテーパ状外周
面24との接合により両軸11,21とを摩擦圧接す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2つの中実軸を突
き合わせ溶接するのに用いて好適の、軸状部材の摩擦圧
接部構造及び摩擦圧接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2つの中実軸を突き合わせ溶接する技術
として、2つの中実軸を互いに同一軸心線上で相対回転
させて両中実軸の軸端どうしを圧接することにより突き
合わせ接合する摩擦圧接方法が開発されている。例えば
図6はこのような摩擦圧接方法を説明する図であり、図
7(a)に示すように、第1の中実軸1及び第2の中実
軸2の各軸端1A,2Aは、軸心線に対して垂直な平面
状に加工されている。そして、例えば第1の中実軸1の
回転を固定して、第2の中実軸2を第1の中実軸1と軸
心線が合うように配置した上で回転させる。
【0003】このように第1の中実軸1と第2の中実軸
2とを相対回転させた状態で第1の中実軸1と第2の中
実軸2とを互いに軸心線方向に接近させて圧接すると、
平面状の各軸端1A,2Aどうしで摩擦が生じるため、
これらの軸端1A,2Aが互いに溶融して図7(b)に
示すように溶着する。この溶着により溶着部の外周には
溶接バリ3が発生するので、図7(c)に示すようにこ
の溶着部外周を機械加工して溶接バリ3を除去して滑ら
かにしている。この溶接バリ3を除去する機械加工は、
一般に、粗加工と仕上げ加工との2段階の工程からな
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の従来
の中実軸状部材の摩擦圧接方法では、図7(b)に示す
ように、接合部の溶融層が厚く且つ熱影響層も厚いた
め、第2の中実軸2の第1の中実軸1に対する押し込み
量d(図8参照)を微調整するのが困難であり、押し込
み誤差が大きいという課題もある。
【0005】また、接合部の溶融層や熱影響層が厚くな
るのは、第1の中実軸1と第2の中実軸2との接合に時
間がかかるためと考えられ、さらに、接合に時間がかか
る原因は、第1の中実軸1と第2の中実軸2との相対回
転速度が低いためと考えられる。そこで、圧接時の両中
実軸1,2の相対回転速度を高くすればよいと考えられ
るが、軸状の部材どうしを相対回転させて軸心線に対し
て垂直な平面状に加工された両軸端を突き合わせ溶接し
ようとすると、図9に示すように、両中実軸1,2間で
軸心のずれsや傾きαが生じて相対位置精度が低下しや
すく、特に、相対回転速度を高くするほどこの現象が現
れやすくなるため、圧接時の両中実軸1,2との相対回
転速度を高くするのは容易ではない。現状でも、相対位
置誤差(軸心のずれ)sは最大で0.1mm程度みる必
要がある。こうした相対位置誤差に起因しても接合部表
面の機械加工(粗加工+仕上げ加工)が必要になる。
【0006】また、中実軸等の2つの中実軸状部材にお
いて、軸心線に対して垂直な平面状に加工された両軸端
を互いに圧接する場合、圧接時の両中実軸1,2との相
対回転速度を高くしても回転軸心付近はどうしても相対
速度は低く、回転軸心付近まで溶融させようとするとそ
れだけ接合時間もかかり、特に、図7(b)に示すよう
に、接合部の外周側における溶融層や熱影響層が厚くな
る原因にもなる。
【0007】また、軸心線に対して垂直な平面状に加工
された両軸端の圧接、即ち、互いに回転する平面どうし
の圧接の場合、大きな加圧荷重(例えば直径30mm程
度の中実軸の圧接には数十トン程度)が必要となり、装
置の大型化,高コスト化を招いていた。この原因の1つ
は、上述のように両中実軸(特に、回転軸心付近)の相
対回転速度が低いためとも考えられる。また、このよう
に大きな加圧荷重により圧接することが、軸心線方向の
相対位置精度の低下の原因とも考えられる。
【0008】ところで、中実軸状部材どうしの摩擦圧接
ではないが、特開昭52−103355号には、弁軸部
を有する弁本体(中実軸状部材)に、きのこ弁の弁体部
分外周部を構成する環状部材(中空軸状部材)を摩擦溶
接(摩擦圧接)により接合する、きのこ弁の制作方法が
開示されている。この技術では、接合面となる弁本体の
外周面と環状部材の内周面とにそれぞれテーパを設けて
摩擦溶接を行なえるようにしている。つまり、中実軸状
部材である弁本体の外周に環状部材を接合しようとする
場合、最も単純には接合面を円筒面にすることが考えら
れるが、これでは接合面に軸方向力が作用しないため摩
擦圧接では溶接できず、摩擦圧接を可能にするには、接
合面が軸方向力に対向しうる方向を向いていなくてはな
らない。そこで、接合面をテーパ状に形成しているので
ある。
【0009】また、やはり中実軸状部材どうしの摩擦圧
接ではないが、特開平5−23874号には、アクスル
ハウジング本体(中空軸状部材)とアクスルエンドパイ
プ(中空軸状部材)とを摩擦圧接により突き合わせ接合
する、アクスルハウジングの製造方法が開示されてい
る。この技術では、両中空軸状部材のうちの一方の接合
面を凸状テーパに他方の接合面を凹状テーパに形成する
ことにより、接合面積を増大させており、これにより、
接合強度の向上を図っている。つまり、中空軸状部材ど
うしを突き合わせ溶接する場合、互いの突き合わせ面の
面積が小さいため接合強度が低下し易い欠点がある。そ
こで、互いの突き合わせ面をテーパ状にして面積を増大
させることで、接合強度の向上を図っているのである。
【0010】中実軸状部材どうしを摩擦圧接により突き
合わせ溶接する場合、互いの接合面は必然的に軸方向力
に対向しうる方向を向くことになるため接合面は常に摩
擦圧接が可能な状態となり、また、互いの突き合わせ面
の面積は十分に確保することができる。したがって、こ
れらの観点では、上記の各公報に記載の技術を流用する
必要はないが、互いの接合面を凸状テーパと凹状テーパ
とで構成すると、単に摩擦圧接を可能にしたり接合面積
を増大させたりするだけでなく、中実軸状部材どうしを
摩擦圧接するのに有効な効果も期待でき、有用な技術と
考えられる。このような技術は中実軸状部材どうしの摩
擦圧接に限らず、パイプの軸端部にフランジを設けたも
のをそのクランジ部分で互いに接合する場合や、このよ
うなパイプと中実軸状部材とを接合する場合にも、有用
である。
【0011】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたも
ので、2つの軸状部材の接合強度を確保しながら接合部
の溶融層及び熱影響層を薄くできるようにして接合精度
を高めるとともに装置の小型化を促進することができる
ようにした、軸状部材の摩擦圧接部構造及び接合方法を
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の軸状部材の摩擦圧接部構造では、第1の軸状
部材の接合端面にテーパ状内周面を有する凹部が形成さ
れるとともに、第2の軸状部材の接合端面に該テーパ状
内周面と対応するテーパ状外周面を有する凸部が形成さ
れるので、第1の軸状部材と第2の軸状部材とを互いに
同一軸心線上で相対回転させて該軸心線方向へ圧接力を
加えると、該テーパ状内周面と該テーパ状外周面とがそ
の形状特性から自動的に軸合わせされ、また、互いの接
合面が傾斜しているので、楔効果により該テーパ状内周
面と該テーパ状外周面との間に作用する面の接合方向へ
の力が上記の圧接力に対して大きなものになり、該テー
パ状内周面と該テーパ状外周面とが効率よく接合され、
該第1の軸状部材と該第2の軸状部材とが摩擦圧接され
る。
【0013】なお、該テーパ状内周面及び該テーパ状外
周面は、上記の第1,第2の軸状部材の各接合端面の軸
心部近傍及び周縁部近傍を除いて構成することが望まし
い。さらに、各接合端面の軸心部近傍及び周縁部近傍の
いずれか一方に、該テーパ状内周面と該テーパ状外周面
との摩擦圧接による上記の第1,第2の軸状部材の軸方
向相対位置を規定するストッパ機能を有するように構成
してもよく、該テーパ状内周面と該テーパ状外周面との
接合を、各テーパ面の全面ではなく、各テーパ面の軸心
側部分及び周縁側部分に部分的に行なうようにしてもよ
い。
【0014】また、該テーパ状内周面と該テーパ状外周
面との摩擦圧接では、溶融層を薄くし易いので、この摩
擦圧接による溶接バリの発生も少ないが、その上に、請
求項2記載の本発明の中実軸状部材の摩擦圧接部構造の
ように、該テーパ状内周摩擦面と該テーパ状外周面との
間に、該第1の軸状部材と該第2の軸状部材との摩擦圧
接により発生した溶接バリを収容する隙間を形成する
と、接合部における駄肉を増やすことなく、溶接バリを
接合部の内部で(外部に露出させることなく)処理でき
るようになる。
【0015】また、請求項3記載の本発明の軸状部材の
摩擦圧接方法では、第1の軸状部材の接合端面に形成さ
れテーパ状内周面を有する凹部に対して、第2の軸状部
材の接合端面に形成され該テーパ状内周面と対応するテ
ーパ状外周面を有する凸部を、同一軸心線上で相対回転
させて、該凹部と該凸部との相対回転速度が所定速度以
上になったら、該第1の軸状部材と該第2の軸状部材と
に軸心線方向へ圧接力を加えて、該テーパ状内周面と該
テーパ状外周面とを接合する。このとき、該テーパ状内
周面と該テーパ状外周面とがその形状特性から自動的に
軸合わせされ、また、互いの接合面が傾斜しているの
で、楔効果により該テーパ状内周面と該テーパ状外周面
との間に作用する面の接合方向への力が上記の圧接力に
比べて大きなものになり、該テーパ状内周面と該テーパ
状外周面とが効率よく接合され、第1及び第2の軸状部
材が互いに摩擦圧接される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明する。まず、図1〜図3を参照して
本発明の第1実施形態について説明する。なお、本実施
形態では摩擦圧接の対象となる軸状部材はいずれも中実
軸状部材となっている。
【0017】はじめに、本実施形態において摩擦圧接を
行なう装置について説明すると、図2に示すように、こ
の摩擦圧接装置は、互いに軸心線を一致させてそなえら
れた第1チャック31と第2チャック32とをそなえ、
第1チャック31には第1の軸状部材(以下、第1中実
軸という)11が装置の軸心線に軸心を一致させるよう
に固定され、第2チャック32には第2の軸状部材(以
下、第2中実軸という)21が装置の軸心線に軸心を一
致させるように固定される。
【0018】第1チャック31は非回転であるが矢印A
で示すように軸方向へ移動可能になっており、図示しな
い押圧機構に付勢されて第1中実軸11を第2中実軸2
1へ押圧可能になっている。第2チャック32は軸方向
へは固定されて装置の軸心線回りに回動するようになっ
ている。つまり、第2チャック32は固定されたモータ
33の回転軸34にそなえられ、モータ33の回転によ
って第2チャック32とともに第2中実軸21が装置の
軸心線回りに回転するようになっている。
【0019】特に、この摩擦圧接装置では、回転軸34
にフライホイール35が装備されており、この回転マス
であるフライホイール35を高速回転させて大量な回転
エネルギを蓄えた上で、高速回転する第2中実軸21と
回転を固定された第1中実軸11とを圧接させるように
して、摩擦圧接時に高速回転を維持できるようになって
いる。また、モータ33を停止させても、少なくともこ
のフライホイール35及び第2チャック32は支障なく
回転を維持できるように、図示しないワンウェイクラッ
チが備えられており、圧接時には、途中でモータ33を
停止させフライホイール35に蓄えられた回転エネルギ
のみにより圧着を完了するようになっている。なお、モ
ータ33はフライホイール35を圧接部が10m/se
cとなる程度の速度で回転させるものであればよく、等
速型でも速度可変型でもよい。
【0020】また、この実施形態では、第1中実軸11
を支持する第1チャック31の回転を固定しているが、
第1チャック31を第2チャック32と反対方向に(即
ち、第2チャック32との相対回転が増加する方向に)
回転させてもよく、また、第1中実軸11を支持する第
1チャック31の方のみを回転させて、第2チャック3
2を非回転としてもよい。また、この実施形態では、第
1中実軸11を支持する第1チャック31を軸心線方向
に可動にしているが、第1中実軸11と第2中実軸21
とを圧接可能の構成であればよく、第2中実軸21を支
持する第2チャック32を軸心線方向に可動にしたり、
両チャック31,32をいずれも軸心線方向に可動にす
るように構成してもよい。
【0021】ここで、本実施形態にかかる摩擦圧接部構
造を説明すると、図1(a)に示すように、第1中実軸
11の接合端面12には、テーパ状内周面14を有する
凹部13が形成され、第2中実軸21の接合端面22に
はテーパ状外周面24を有する凸部23が形成されてい
る。第1中実軸11の接合端面12の凹部13は、テー
パ状内周面14とこのテーパ状内周面14よりも軸心側
の底面15とからなり、凹部13の外周には環状面16
が形成されている。底面15及び環状面16は、第1中
実軸11の軸心線11Aに対して垂直な平面で構成され
ている。
【0022】また、テーパ状内周面14の軸心線11A
に対する角度β1 は例えば5〜7deg程度といった極
めて鋭角な角度に設定されている。第2中実軸21もこ
れと対応するように構成されている。つまり、第2中実
軸21の接合端面22の凸部23は、テーパ状外周面2
4とこのテーパ状外周面24よりも軸心側の頂面25と
からなり、凸部23の外周には環状面26が形成されて
いる。底面25及び環状面26は、第2中実軸21の軸
心線21Aに対して垂直な平面で構成されている。ま
た、テーパ状外周面24の軸心線21Aに対する角度β
2 はテーパ状内周面14と対応するように鋭角な角度
(例えば5〜7deg程度)に設定されている。
【0023】そして、図1(b)に示すように、第1中
実軸11の接合端面12と第2中実軸21の接合端面2
2とを、互いに同一軸心線上に配置して、相対回転させ
た状態でその軸心線方向へ圧接力を加えることで突き合
わせ接合を行なうが、両接合端面12,22において摩
擦圧接(摩擦溶接)される箇所は、テーパ状内周面14
とテーパ状外周面24とである。第1中実軸11側の底
面15及び第2中実軸21側の頂面25は、摩擦圧接完
了後も互いに離隔するようになっている。
【0024】また、第1中実軸11側の環状面16及び
第2中実軸21側の環状面26は、テーパ状内周面14
とテーパ状外周面24との摩擦圧接時に第2の中実軸2
1の第1の中実軸11に対する押し込み量d(図6参
照)を規定するストッパとして機能する。つまり、第2
の中実軸21の第1の中実軸11に対する押し込み量が
所定量d0 に達したら両環状面16,26が当接し、こ
れに応じて第2の中実軸21の第1の中実軸11への押
し込み(押圧)を終えることで、両環状面16,26の
当接によるブレーキ効果と押し込みの終了とにより、図
1(c)に示すように、摩擦圧接による溶接を完了する
ようになっているのである。
【0025】本発明の第1実施形態としての軸状部材の
摩擦圧接部構造は、上述のように構成されているので、
以下のような手順(本実施形態の軸状部材の摩擦圧接方
法)で軸状部材の摩擦圧接が行なわれる。つまり、ま
ず、図1(a)に示すように、モータ33を作動させて
第2の中実軸21を回転させる。第2の中実軸21の回
転速度が、所定の高速回転速度に達すると、モータ33
を停止させるとともに図示しない押圧機構により第1の
チャック31を移動させて、第1の中実軸11と第2の
中実軸21とを互いに圧接していく。
【0026】圧接処理の開始後、まず、第1の中実軸1
1のテーパ状内周面14と第2の中実軸21のテーパ状
外周面24とが接触して摩擦熱を発生しながら互いに溶
融接合を開始し、第2の中実軸21が第1の中実軸11
に次第に押し込まれるが、この押し込み量が所定量d0
になった時点で、第1の中実軸11の環状面16と第2
の中実軸21の環状面26とが接触する。これに応じ
て、第1のチャック31の軸方向移動が停止する。
【0027】第2の中実軸21は、第1の中実軸11に
押し込まれていく過程で回転エネルギを消費して減速
し、押し込み量が所定量d0 になった時点では極めて低
速に減速しているので、第1の中実軸11の環状面16
と第2の中実軸21の環状面26とが接触すると、この
接触抵抗によって第2の中実軸21の回転が停止し、こ
れとともに押し込みも終了して、図1(b),(c)に
示すように、摩擦圧接による溶接が完了するのである。
【0028】なお、これらの環状面16と環状面26と
が接触する段階では第1の中実軸11と第2の中実軸2
1との相対回転速度は小さくなっており、第1の中実軸
11の環状面16と第2の中実軸21の環状面26とは
この接触により通常は溶着しない。また、たとえ溶着し
たとしても、この溶着に関する溶融層や熱影響層は極め
て僅かであり、溶接バリ3〔図7(b)参照〕が殆ど発
生しないようにすることができる。
【0029】そして、第1の中実軸11のテーパ状内周
面14と第2の中実軸21のテーパ状外周面24とを圧
接する際には、両テーパ面が軸方向に対して極めて鋭角
であるため、軸方向へ押圧力Fを加えると、くさび効果
により、押圧力Fと直交する方向に押圧力Fに比べて極
めて大きな力Qが発生し、テーパ状内周面14とテーパ
状外周面24との間に生じる面圧はこの力Qと同程度に
大きなものになる。
【0030】したがって、小さな押圧力でもテーパ状内
周面14とテーパ状外周面24との間に生じる面圧は大
きなものにでき、強い圧接力を発揮することができる。
例えば本実施形態のように5〜7deg程度にテーパ面
の角度を設定すると、従来と同程度の圧接力を得るのに
加圧荷重(押圧力)Fを1/10程度に減少させること
ができる。従って、例えば従来と同程度の圧接力を得る
場合、押圧機構を従来の1/10程度の出力のものに小
型化することができ、装置の小型化を促進することがで
きる。逆に、小出力の押圧機構でも大きな圧接力を得ら
れるため、瞬時に高い摩擦熱を発生させて、摩擦圧接を
短時間で瞬時に行なえるようになる。
【0031】また、フライホイール35に大きな回転エ
ネルギを蓄えて第2中実軸21を回転させながら摩擦圧
接を行なうので、摩擦圧接に伴う回転速度の減少を抑制
することができ、摩擦圧接開始時の回転速度を十分に高
めておくことで、極めて高速回転による摩擦圧接を行な
うことができる。この点でも、大きな摩擦力を発生させ
易くなり、摩擦圧接を短時間で瞬時に行ない易くなる。
【0032】さらに、実験結果等に基づいて、フライホ
イール35に蓄える回転エネルギ量の設定(つまり、フ
ライホイール35の容量設定及びフライホイール35の
回転速度の設定)と、加圧荷重(押圧力)Fの設定とを
適切に行なえば、圧接状態を確実に管理することができ
る。また、摩擦圧接されるテーパ状内周面14とテーパ
状外周面24とは、軸心部近傍を除いて形成されている
ので、相対回転速度を十分に与えれば、テーパ状内周面
14とテーパ状外周面24との相対速度も十分に確保さ
れることになり、確実で且つ迅速な摩擦圧接を実現する
上で有利になる。
【0033】したがって、非常に短時間で確実に摩擦圧
接を完了することができ、摩擦圧接による溶着時に生じ
る溶融層や熱影響層を極めて僅かなものに抑えることが
できる。例えば本実施形態にかかる装置による実験結果
では、溶融層厚みが0.05〜0.3mm(従来技術の
場合の1/6〜1/1程度)に、熱影響層厚みが1.0
mm(従来技術の場合の1/5程度)以下になった。
【0034】さらに、圧接状態を確実に管理できるた
め、第2の中実軸21の第1の中実軸11に対する押し
込み量d(図8参照)の管理も容易であり、押し込み量
dを適切にすることができ、製品品質を向上させること
ができる。また、テーパ状内周面14とテーパ状外周面
24との加工精度が確保されていることが前提となる
が、テーパ状の面14,24どうしを圧接する場合、セ
ンタ出しが容易になり、例えば両中実軸11,21間で
の軸心のずれsや傾きαを大幅に抑制することができ、
第1の中実軸1と第2の中実軸2との相対位置精度を大
幅に向上させることができる。例えば相対位置誤差(軸
心のずれ)sは10μm程度と従来の1/10程度まで
抑えることができ、圧接後の接合部表面の機械加工は不
要になる。また、相対位置誤差sが30〜50μm程度
まで抑えられるだけでも、少なくとも仕上げ加工のみを
行なえばよくで粗加工は不要となる。
【0035】次に、第2実施形態について説明すると、
この実施形態では、図4に示すように、第1中実軸11
の底面15と第2中実軸21の頂面25とが圧接時のス
トッパ(第2実施形態の環状面16,26に相当する機
能)として機能し、各環状面16,26は圧接後も接触
しないにようになっている。他の部分は第1実施形態と
同様に構成されている。
【0036】第2実施形態の軸状部材の摩擦圧接部構造
は、このように構成されるため、圧接過程において、テ
ーパ状内周面14とテーパ状外周面24とが互いに押し
込まれて溶融接合していき、第1中実軸11の底面15
と第2中実軸21側の頂面25とが接触したところで、
第1中実軸11と第2中実軸21との相対回転が大幅に
低下して接合処理が完了する。このように、各中実軸1
1,21の底面15及び頂面25をストッパとすると、
ストッパ面積を大きく確保しやすく、また、各環状面1
6,26は圧接後も接触しないので、この部分に隙間が
生じるもののこの部分の溶着による溶接ばりの発生の虞
を完全に解消することができる。
【0037】次に、第3実施形態について説明すると、
この実施形態では、図5に示すように、第1中実軸11
のテーパ状内周面14と第2中実軸21のテーパ状外周
面24とを部分的に溶着させるようにしている。つま
り、テーパ状内周面14の底面15側14Aとテーパ状
外周面24の頂面25側24Aとの間、及び、テーパ状
内周面14の環状面16側14Bとテーパ状外周面24
の環状面26側24Bとの間をそれぞれ接合し、各テー
パ状面14,24の中間部14C,24Cは、摩擦圧接
完了後も互いに接合しないで離隔するように設定されて
いる。
【0038】第3実施形態の軸状部材の摩擦圧接部構造
は、このような構成により、圧接面積が調整されること
になり、中実軸11,21間の溶接面積は少なくなるも
のの加圧荷重を低減することができ装置の小型化を促進
し加工をより容易なものにすることができる。特に、テ
ーパ状内周面14,テーパ状外周面24の基端側と先端
側と、先端側と基端側との2箇所を溶着させているの
で、安定した溶接を行なえる。なお、テーパ状内周面1
4とテーパ状外周面24とを部分的に溶接する場合の溶
着箇所は本実施形態のものに限定されるものではない。
【0039】次に、第4実施形態について説明すると、
この実施形態では、図6(a)に示すように、第3実施
形態と同様に、第1中実軸11のテーパ状内周面14と
第2中実軸21のテーパ状外周面24とを部分的に溶着
させるようにしているが、テーパ状内周面14とテーパ
状外周面24との間にはこれらの溶着部に隣接するよう
にして摩擦圧接により発生したバリを収容する隙間が形
成されている。
【0040】つまり、本実施形態では、図6(a)に示
すように、テーパ状内周面14はその母線が直線になる
ような正円錐面に形成されているのに対して、テーパ状
外周面24はその母線が微小に屈曲した曲線になるよう
な変形円錐面に形成されている。即ち、テーパ状外周面
24は、その頂面側(頂面側溶接部)24Aにおいてテ
ーパ状内周面14の底面側(底面側溶接部)14Aと接
触し、その環状面(環状面側溶接部)24Bにおいてテ
ーパ状内周面14の環状面(環状面側溶接部)14Bと
接触するが、その軸方向の中間部24C及び溶接部24
Aよりも更に頂面側端部24D及び溶接部24Bよりも
更に環状面側端部24Eにおいては、摩擦圧接後におい
ても、それぞれ対応するテーパ状内周面14の中間部1
4C及び頂面側端部14D及び環状面側端部14Eと離
隔するように構成されている。
【0041】そして、互いに離隔した中間部24Cと中
間部14Cとの隙間、及び、頂面側端部24Dと頂面側
端部14Dとの隙間、及び、環状面側端部24Eと環状
面側端部14Eとの隙間は、頂面側溶接部24Aと底面
側溶接部14Aとの溶接、及び、環状面側溶接部24B
と環状面側溶接部14Bとの溶接により発生した溶接バ
リを収容しうる空間になっている。
【0042】第3実施形態でも、中間部24Cと中間部
14Cとの隙間は溶接バリを収容しうる空間となるが、
本実施形態では、これに加えて、頂面側端部24Dと頂
面側端部14Dとの間、及び、環状面側端部24Eと環
状面側端部14Eとの間に、溶接バリを収容しうる空間
(隙間)が形成されているのである。そして、これらの
隙間を形成する部分では、図6(a)に示すように、頂
面側端部24Dと頂面側端部14Dとの角度(軸方向断
面における相対角度)、及び、環状面側端部24Eと環
状面側端部14Eとの角度(軸方向断面における相対角
度)は、最大で5〜7deg程度に抑えられている。こ
れにより、頂面側溶接部24Aと底面側溶接部14Aと
の溶接、及び、環状面側溶接部24Bと環状面側溶接部
14Bとの溶接を円滑に行なうことができるようになっ
ている。なお、中間部24Cと中間部14Cとの角度
(軸方向断面における相対角度)についても同様の理由
から最大で5〜7deg程度或いはこれよりも小さい角
度に抑えることが好ましい。
【0043】第4実施形態の軸状部材の摩擦圧接部構造
は、このような構成により、第3実施形態と同様の効果
に加えて、接合部における駄肉を増やすことなく、溶接
バリを接合部の内部で処理できるようになる。つまり、
頂面側溶接部24Aと底面側溶接部14Aとの溶接,環
状面側溶接部24Bと環状面側溶接部14Bとの溶接に
より僅かではあるが溶接バリが発生するが、この溶接バ
リは、中間部24Cと中間部14Cとの隙間,頂面側端
部24Dと頂面側端部14Dとの隙間,環状面側端部2
4Eと環状面側端部14Eとの隙間に収容されることに
なり、溶接バリを接合部の内部で処理できるようになる
のである。
【0044】例えば、第1,2実施形態のようにテーパ
状外周面24とテーパ状内周面14とを軸方向の全長に
わたって接合しようとすると、第3,4実施形態のよう
に部分的に接合させる場合よりも、溶接バリ自体も多く
発生し易い(勿論、従来技術に比べれば格段に少ない)
ため、このような溶接バリを接合部の外表面に露出させ
ることなく確実に接合部の内部で処理できるようにする
には、図6(b)に示すように、テーパ状外周面24と
テーパ状内周面14との軸方向両端部外方に、溶接バリ
41,42が排出されるような空間を確保することが必
要になる。この場合、接合部は、軸方向にα1,α2だ
け径方向にα3だけ増大させる(即ち、駄肉を生じさせ
る)ことが必要になる。これに対して、本実施形態の場
合、このような駄肉(α1,α2,α3)を設けること
なく、テーパ状外周面24とテーパ状内周面14との間
に僅かな隙間を形成するだけで溶接バリの処理空間を確
保できるようになるのである。
【0045】なお、本発明は、上述の各実施形態に限定
されるものではなく、種々変形して適用しうるものであ
る。例えば、テーパ状内周面14,テーパ状外周面24
の角度β1 ,β2 を5〜7deg程度としているが、こ
の角度はくさび効果を得られる程度のものであればよ
く、これに限定されるものではない。ただし、角度
β1,β2 をあまり大きくするとくさび効果が得られ
ず、角度β1 ,β2 をあまり小さくするとくさび効果は
得られるがテーパ面14,24の加工が難しくなり、摩
擦圧接の加工精度を確保しにくくなるため、一定の幅内
に設定することが好ましく、少なくとも3〜10deg
程度、好ましくは5〜7deg程度がよい。
【0046】また、各実施形態では特に考慮していない
が、テーパ状外周面24がテーパ状内周面14に押し込
まれた際に、テーパ状内周面14に径を拡大させる方向
の力が作用するので、これを考慮して、テーパ状内周面
14の各内径をテーパ状外周面24の対応箇所の内径よ
りも微小に小さくしたり、テーパ状内周面14の角度β
1 をテーパ状外周面24の角度β2 よりも微小角度だけ
小さくして、圧接時にテーパ状内周面14が微小に拡径
しながら溶着するように設定してもよい。
【0047】さらに、上述の実施形態では、第2の中実
軸21の回転速度が所定の高速回転速度に達すると駆動
系(モータ33)による回転駆動を停止して、第1の中
実軸11と第2の中実軸21とを互いに圧接していくよ
うにしているが、モータ33等の駆動系を適切に制御す
ることができれば、第2の中実軸21を駆動系により回
転駆動しながら、第1の中実軸11と第2の中実軸21
とを互いに圧接していくようにすることも考えられる。
【0048】また、固定側の軸(ここでは第1の中実軸
11)の端面にテーパ状外周面を形成し、回転側の軸
(ここでは第2の中実軸21)の端面にテーパ状内周面
を形成するようにしてもよく、両方の軸11,21を互
いに逆方向に回転させ(この場合もフライホイールを効
果的に使えばよい)、両軸を摩擦圧接するようにしても
よい。また、本発明は、中実軸状部材どうしの摩擦圧接
に限らず、パイプの軸端部にフランジを設けたものを互
いに接合する場合や、このようなパイプと中実軸状部材
とを接合する場合にも、適用することができる。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の軸状部材
の摩擦圧接部構造(請求項1,2)及び摩擦圧接方法
(請求項3)によれば、軸状部材の相互の接合強度を確
保しながら接合部の溶融層及び熱影響層を薄くできて接
合精度を高めることができ、また、装置の小型化を促進
することもできる。また、請求項2の構造によれば、接
合部における駄肉を増やすことなく溶接バリを接合部の
内部で処理できるようになり、溶接バリを外部に露出さ
せないようにしながら、効率の良い接合を行なうことが
できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる軸状部材の摩擦
圧接部構造を示す軸状部材の側面図(一部断面図)であ
り、(a)は接合前の状態を示し、(b)は接合後の接
合部状況を示し、(c)は接合後の接合部外周の状況を
示す。
【図2】本発明の第1実施形態にかかる摩擦圧接の装置
を示す模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態にかかる軸状部材の摩擦
圧接部構造の作用を示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態にかかる軸状部材の摩擦
圧接部構造を示す側面図(一部断面図)である。
【図5】本発明の第3実施形態にかかる軸状部材の摩擦
圧接部構造を示す側面図(一部断面図)である。
【図6】本発明の第4実施形態にかかる軸状部材の摩擦
圧接部構造を示す要部拡大断面図(断面ハッチは省略)
であり、(a)は第4実施形態について示し、(a)は
その比較例について示す。
【図7】従来の軸状部材の摩擦圧接部構造及び摩擦圧接
方法を示す軸状部材の側面図であり、(a)は接合前の
状態を示す図、(b)は接合後で機械加工前の接合部状
況を示す図、(c)はその機械加工後の外周面状況を示
す図である。
【図8】本願発明の課題を説明する図である。
【図9】本願発明の課題を説明する図である。
【符号の説明】
11 第1の軸状部材(第1中実軸) 12 第1の軸状部材の接合端面 13 凹部 14 テーパ状内周面 21 第2の軸状部材(第2中実軸) 22 第2の軸状部材の接合端面 23 凸部 24 テーパ状外周面 35 フライホイール

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の軸状部材と第2の軸状部材とを互
    いに同一軸心線上で相対回転させて該軸心線方向へ圧接
    力を加えて突き合わせ接合する軸状部材の摩擦圧接部構
    造において、 該第1の軸状部材の接合端面にテーパ状内周面を有する
    凹部が形成されるとともに、該第2の軸状部材の接合端
    面に該テーパ状内周面と対応するテーパ状外周面を有す
    る凸部が形成され、該テーパ状内周面と該テーパ状外周
    面との接合により該第1の軸状部材と該第2の軸状部材
    とが摩擦圧接されるように構成されていることを特徴と
    する、軸状部材の摩擦圧接部構造。
  2. 【請求項2】 該テーパ状内周面と該テーパ状外周面と
    の間に、該第1の軸状部材と該第2の軸状部材との摩擦
    圧接により発生したバリを収容する隙間が形成されてい
    ることを特徴とする、請求項1記載の軸状部材の摩擦圧
    接部構造。
  3. 【請求項3】 第1の軸状部材と第2の軸状部材とを互
    いに同一軸心線上で相対回転させて該軸心線方向へ圧接
    力を加えて突き合わせ接合する軸状部材の摩擦圧接方法
    において、 該第1の軸状部材の接合端面に形成されテーパ状内周面
    を有する凹部に対して、該第2の軸状部材の接合端面に
    形成され該テーパ状内周面と対応するテーパ状外周面を
    有する凸部を、同一軸心線上で相対回転させて、 該凹部と該凸部との相対回転速度が所定速度以上になっ
    たら、該第1の軸状部材と該第2の軸状部材とに軸心線
    方向へ圧接力を加えて、該テーパ状内周面と該テーパ状
    外周面とを接合して該第1の軸状部材と該第2の軸状部
    材とを摩擦圧接することを特徴とする、軸状部材の摩擦
    圧接方法。
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